JP4317093B2 - 消火ポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の所定箇所に配置され、火災発生の際に放水して消火を行う消火ポンプ装置に関する。
建築物の火災の際に、初期消火を担うものとして火災発生箇所に放水するための消火ポンプ装置が設置されている。放水設備としては、人力を介して火災発生箇所にホース等を介して放水する消火栓と、必要領域をカバーするように天井に配置され、火災発生を検知して自動的に放水するスプリンクラーヘッド装置が主である。
このような消火ポンプ装置は、火災発生という緊急時に確実にかつ効果的に作動することが求められている。例えば、地震による二次災害として発生する火災の場合には、通常電源が遮断され、非常用電源で起動したり、あるいは運転を継続することが求められる場合も多い。しかしながら、通常は消火ポンプの起動時に多くの電力が必要となり、他の設備に必要な電気と競合する可能性があった。また、スプリンクラーヘッド装置を用いて放水する場合、適当な放水圧力を維持しないと適当な範囲での散水が行われないおそれも有る。
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、災害発生時の不利な条件のもとで、確実かつ効果的な作動を得ることができるような消火ポンプ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の消火ポンプ装置は、建築物の各階に配置された放水手段と、前記放水手段を同一の配管で連結して構成した複数の階層区画と、これらの階層区画毎にそれぞれ設けたポンプとを備え、下の階層区画のポンプが上の階層区画のポンプの上流側になるように連結された消火ポンプ装置において、これら複数のポンプの吐出側にそれぞれ設けられた圧力検知器と、上の階層区画のポンプの吸い込み側に設けられた圧力検知器と、これら複数のポンプを可変速制御する可変速制御手段とを備え、所定の階で火災が発生したときに、最下階層区画のポンプを始動して所定の吐出圧力になるように運転し、該最下階層区画の上の階層区画のポンプの吸い込み側の圧力検知器の出力が所定の圧力以上になると該上の階層区画のポンプを始動し、該上の階層区画のポンプが所定の吐出圧力になるように運転し、以下同様にして、火災が発生した所定の階を含む階層区画に至るまで、順次各階層区画のポンプを始動することを特徴とする。
請求項2に記載の消火ポンプ装置は、請求項1に記載の発明において、前記最下階層区画のポンプは、上の階層区画のポンプの吸い込み側の圧力検知器の出力が所定の圧力になるように制御されることを特徴とする。
請求項3に記載の消火ポンプ装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記火災が発生した所定の階を含む階層区画のポンプは、前記火災が発生した所定の階の放水末端の圧力が一定となるように、ポンプの吐出口から前記火災が発生した所定の階までの配管の摩擦抵抗の変化を考慮し、前記放水末端での推定圧力が所定の目標圧力になるように制御されることを特徴とする。
請求項1ないし請求項3に記載の消火ポンプ装置によれば、高層の建築物においても、放水設備や火災発生箇所等を考慮して、適当な給水圧力を維持するようにポンプを制御して運転することができ、災害発生時の不利な条件のもとでも、確実かつ効果的な作動を得ることができるような消火ポンプ装置を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態の消火ポンプ装置の全体の構成を示す図であって、この例では、消火ポンプ装置は、消火ポンプ10とそれに付随する周辺機器を共通ベース11上に搭載してユニット化して構成された給水ユニット12と、3つの階で個別に作動する放水システム14と、水源である地下水槽16及び補助高置水槽17と、これらを結ぶ配管とから構成され、火災発生時に給水ユニット12が水源の水を放水システム14に給水して初期消火を行うことができるようになっている。
給水ユニット12内には、図2ないし図4に具体的に示すように、消火ポンプ10、駆動用電動機18、制御盤20、呼水槽22、加熱防止逃がし装置24、及びこれらを連通する配管、フレキシブルパイプ(可撓管継手)、逆止弁70、仕切弁71、試験用流量計測装置68、ポンプ始動用の圧力検知器72、吸い込み配管カバー、吸い込み配管用フート弁、後述する起動用圧力タンク74等が設けられている。消火ポンプ10は、ポンプ本体とこれを駆動する電動機18とが共通ベース11上で直結した直結形か、一体化された直動形で運転される。制御盤20には、電源線25が接続され、これには電源切換手段26を介して常用電源27と非常用電源28が接続されている。
駆動用電動機18は、図5に示すように、誘導電動機18とその電源側に設けられたインバータ(周波数変換器)30とからなり、インバータ30により電動機18の回転速度を制御しつつ駆動することができる。なお、電動機18として直流ブラシレス電動機を使用し、その電源側にドライバー(電圧制御器)を配置するようにしてもよい。
インバータ30は、図6に示すように、電力を制御する半導体素子32により構成され、制御盤20内に配置されて、一体に設けられた冷却フィン34、及びそれを冷却する手段を有している。すなわち、図7及び図8に示すように、制御盤20の箱体は、通気のためのスリットやルーバーのような穴21を開けたり、ダクトを用いて温度の低い外気を取り入れて、冷却フィン34を冷却している。このような空冷の場合は、インバータ30を制御盤20内の空気の循環による冷却し易い場所に取付けるのが好ましい。なお、より簡便な方法として、図9に示すように、冷却フィン34を箱体の外に突き出して取付け、外気で直接冷却をするようにしてもよい。
一方、図11に示すように、消火ポンプ10の吐出し側の配管から分岐させた冷却水配管36からの水を水冷ジャケット38を通して消火ポンプ10の吸込み側配管に戻すか、吸込み水槽に戻すようにしてもよい。これにより、消火ポンプ10自体の吐出し水を用いて効率的な冷却を行うことができる。また、水冷ジャケットを用いず、インバータ30の本体か冷却フィン34を呼水槽22の直下に接して取付け、呼水槽22に貯留している水で冷却をするようにしてもよい。
制御盤20内には、図5に示すように、消火ポンプ10の運転動作や、電動機18の回転速度の制御、圧力のPI制御等をする、マイコンを用いた制御装置40が設けられている。この制御装置40は、各動作毎に専用のものを設けてこれらを連携させるようにしても良いし、一個の制御装置で兼用しても良い。
また、制御盤20内には、ポンプ・電動機18を修理・点検する時、電気を遮断する遮断器や、電動機18の運転電流が過電流になった時、電流を検知して警報を発報する過電流保護装置や、電動機18の電流を監視して電動機18の発熱を演算し、過負荷状態になった時に警報を発報する過負荷保護装置や、制御盤20以降の回路や電路で発生した漏電による零相の電流を検知して警報を発報する漏電保護装置や、インバータ交流から直流への入力側の電力変換時に発生する高調波を低減する交流リアクトル36(図5及び図6参照)や直流リアクトルが取付けられている。
インバータ直流から交流への出力側の電力変換時に発生する高周波が制御盤20の外へ流出したり、外部の高周波ノイズが制御盤20内に侵入して制御機器に誤動作をさせないように、ノイズフィルタ38(図5及び図6参照)が取付けられている。
制御盤20の接続配線の入り口部には、外部から侵入する誘導雷のサージ電圧や電流に対して、制御機器を保護するための、アレスタ23や避雷器が取付けられている。制御盤20面には、消火ポンプ10を操作する上に必要な、操作スイッチ、液晶表示器またはLED表示器42(図7及び図10参照)、各種設定を入力するスイッチや設定器が取付けられている。
操作スイッチは、機械式有接点スイッチや無接点スイッチを使用する。表示器42は、液晶表示器に、文字・数字・記号をセグメントで表示したり、セグメント表示で状態を表示したり、ドットマトリクスで表示を行う。LED表示器を使用して、液晶表示器と同様な表示をすることができる。LED表示器の場合は、記載した文字周辺で、表示灯を点灯・消灯して表示をしても良く、また、表示灯の点灯色を切り替えて点灯表示しても良い。
建築物内の各階には、放水手段である閉鎖型スプリンクラーヘッド50を含む放水システム14が設けられている(図1参照)。この放水システム14は、消火ポンプ10から建物の上下方向に沿って延びる主配管52と、主配管52から各階において分岐する各階配管54と、各階の所定領域において各階配管54から分岐し天井に沿って延びる領域配管56と、領域配管56に沿って互いに所定間隔を置いて設けられたスプリンクラーヘッド50とを備えている。主配管52の末端は例えば屋上等に配置された補助高置水槽17に開閉弁58及び逆止弁60を介して接続されている。各階配管54の所定箇所には、必要に応じて補助散水栓62が設けられている。各領域配管56の末端には、末端試験弁64と圧力表示器66が取付けられている。
消火ポンプ10の吸込側は吸い込み配管10aを介して水源である地下水槽16に連結されている。消火ポンプ10の上側には、消火ポンプ10の内部のキャビティに呼水を与える呼水槽22が設けられている。この呼水槽22には、消火ポンプ10自体により、あるいは外部の給水手段により、常時一定レベルの水位が維持されるようになっており、また、消火ポンプ10の性能が当初の能力を有していることを確認するための試験装置68が設けられている。
主配管52の基端部分(給水ユニット12に接続する側)には、逆止弁70が設けられ、その下流側の開閉弁71との間には圧力検知器72が設けられ、さらに、起動用圧力タンク74に接続する起動用配管76が合流している。起動用圧力タンク74内は所定のガス圧(最上階のスプリンクラーヘッド50から放水が可能な圧力)を維持するように管理され、常時、主配管52以降の各配管内の水に所定圧力を負荷している。各階配管54には、自動警報器78がそれぞれ設けられている。自動警報器78の出力は受信器80を介して、また圧力検知器72の出力は直接にそれぞれ制御盤20に導かれている。
上記の構成の消火ポンプ装置の動作を説明する。建物の所定の領域において火災が発生すると、その領域のスプリンクラーヘッド50が火災を検知し、例えば、その先端を封じるヒューズメタルが溶けて開口し、起動用圧力タンク74によって加圧された配管内の水が当該領域に散水される。この散水によって起動用圧力タンク74の内圧は急激に低下し、その低下信号を検知して制御装置40は消火ポンプ10を起動する。同時に、スプリンクラーヘッド50が作動した階の各階配管54において自動警報器78が水の流通を検知し、その信号が制御装置40に入力されるので、どの階で火災が発生したかが判断され、制御装置40はその階で放水が可能なように消火ポンプ装置の制御を行う。
以下、消火ポンプ10の起動と制御について詳しく説明する。
好ましい実施の形態においては、消火ポンプ10の回転速度をインバータ30により可変制御して、通常のポンプの起動の場合よりも緩やかに上昇させる(ソフトスタート)。ソフトスタートの加速は、零から最高値まで直線的に上昇させるか、図12に示すように、S字曲線に沿って上昇させる。
S字曲線に沿って消火ポンプ10の回転速度を上昇させることの利点は以下の通りである。すなわち、速度が低い時は、電動機18やポンプ10内の回転体の摺動部における摺動抵抗が大きく、過大な電流が流れてインバータ30の過電流保護が作動することがある。これに対して、比較的回転速度を緩やかに上昇させることにより、このインバータ30保護のための動作停止が発生しないようにすることができる。すなわち、インバータ30は、半導体を使用した電子機器であり、動力回路を制御するIGBT等のパワー素子は、電動機18の定格電流を制御するには十分な容量を有しているが、電動機18が拘束されたり、始動時の突入電流の様な過電流までは、経済的な理由や寸法の制約で容量が大きくない。そのため、始動時には、ソフトスタート機能により、電流を抑えるとともに、過電流発生時には、出力電流を遮断して、インバータ機器の保護をする。
ある程度の回転速度に達した状態では、摩擦等の抵抗は少なくなるので、加速を大きくして、目標圧力に到達する時間を短くする。高速になると、渦巻きポンプ10等の遠心型ポンプ10は、回転速度の2乗に比例して、吐出し圧力が上昇していくので、目標圧力に速く安定させるために、加速を小さくする。これにより、過電流等の保護動作を働き難くして、より速い時間で、ポンプ10の吐出し圧力を、目標圧力に安定させることができる。
起動時においては、ポンプ10の吐出し側、すなわち、主配管52内の圧力(圧力検知器72の検出値)は、通常、スプリンクラーヘッド50からの散水により、目標圧力より低下している。そこで、制御装置40内に記憶させた吐出し目標圧力となるポンプ10の最少流量の時の回転速度を算出し、この回転速度に対応するようにインバータ30の出力周波数を上昇させる。これにより、ポンプ10から送水された水により、スプリンクラーヘッド50からの散水による消火が継続される。
次に、制御装置40は、圧力検知器72で検出したポンプ10の吐出し圧力が目標圧力になるようにPIまたはPID制御を行う。1つの方法では、図13に示すように、ポンプ10の吐出し圧力を圧力検知器72で検知し、吐出し圧力が流量に関わらず一定となる吐出し圧力一定制御を行う。別の方法では、図14に示すように、ポンプ10の回転速度から流量を算出し、流量の変化によるポンプ10の吐出し口から末端のスプリンクラーヘッド50までの配管の摩擦抵抗の変化を考慮した曲線に沿って制御する推定末端圧力一定制御を行う。
いずれの場合も、目標圧力の設定値は、制御装置40内に予め複数の値を記憶させておき、スプリンクラーヘッド50の開放動作した区画の自動警報装置からの信号により、必要な目標圧力設定値を選択して圧力制御運転を行う。これにより、どの階のスプリンクラーヘッド50が作動したか、あるいはいくつのスプリンクラーヘッド50が作動したかに拘わらず、スプリンクラーヘッド50には所定の圧力の水が供給され、したがって、各スプリンクラーヘッド50による散水角度や散水領域が適正に保たれ、消火の効率を高めることができる。
消火ポンプ10の制御の工程をより詳しく説明する。インバータ30により、ポンプ10が始動を始めてから、微少時間が経過した後、制御装置40内のPI制御機能を働かせて、圧力検知器72からの圧力信号と目標圧力をPI制御で演算し、出力値に基づいてインバータ30の指令周波数信号を送る。信号の送信は、電流信号や電圧信号等のアナログ信号か、デジタルの通信信号を使用して、制御装置40とインバータ30間を結ぶ方式を用いる。また、インバータ30の制御回路内(ソフトプログラム)に同様の機能を組みこんでも良い。
インバータ30の周波数が上昇し、ポンプ10の吐出し圧力も上昇して、目標圧力に到達すると、制御装置40により、インバータ30の周波数すなわちポンプ駆動用電動機18の回転速度を、圧力検知器72からの現在圧力と目標圧力が一致するように、周波数を上下させて制御を行う。検出圧力が、目標値より高ければ周波数を下げ、低ければ周波数を上げて、目標圧力に収束させる。
火災の範囲の広がりにより、スプリンクラーヘッド50からの散水個数が増加して、送水必要量が増加すると、ポンプ10の吐出し圧力は低下するが、PI制御によりインバータ30周波数も増加するので、送水流量が増加した時も同じ吐出し圧力が維持される。
更なる火災の広がりにより、別の区画のスプリンクラーヘッド50が開放し、散水を開始すると、この系統の自動警報装置が動作して、この信号が、受信器80を経由して、消火ポンプ制御盤20に入る。この時、この系統の制御盤20に記憶された、目標圧力信号が、現在運転している目標圧力より高ければ、制御装置40は目標圧力を高い方に切替えて、インバータ30の周波数を増加させる。これにより、両方のスプリンクラーヘッド50の圧力が不足しないように、消火ポンプ10の運転が行われる。
火災の発生時は、火災や他の要因(地震等)により電気系統が被害を受け、停電する場合があるので、この実施の形態では、通常電源以外に非常電源を有するバックアップシステムを有している。通常電源は、電力会社から供給されるもので容量も大きく安定している。他方、非常電源は、自家発電装置や蓄電池設備等を使用しており、一般に容量が小さく安定性も小さい。
そこで、この実施の形態の消火ポンプ10では、初期消火時に通常電源で始動し、途中で非常電源に切り替ることを想定して、以下のような制御を行うようになっている。すなわち、火災信号や、起動用圧力空気槽74による圧力低下の始動信号は、通常の電気回路では、停電が発生すると、初期状態に戻り、信号が消えてしまう。したがって、そのままでは、非常電源により通電が再開しても消火ポンプ10は始動せず、消火活動が遮断されてしまう。そのため、この実施の形態では、消火ポンプ制御盤20は、火災検知信号や始動信号は、機械的な保持機構をもったリレーまたは不揮発メモリー機能を持った半導体記憶回路に入力され、記憶されるようになっている。同様に、可変速消火ポンプ10においても、外部から入力された各種信号や情報は、停電時でも保持できるように、不揮発メモリーを回路に使用したり、回路を一次電池や二次電池でバックアップしている。これにより、復電時においてポンプ10を自動的に再始動させることができるようになっている。
上述したように、非常電源設備は、通常使用しない設備であり、経済的な観点からも、容量は小さく、必要容量を越える程度のものが多い。したがって、通常電源から非常電源に切り替った時、多くの機器が同時に始動を行うと、始動時の始動電流が電動機18に流れ、これにより、電源容量不足を起こし、電圧や周波数が低下して、始動不能や電気系機器や電動機18の異常発熱等が生じる。そこで、この実施の形態では、制御装置40は、火災発生時に不要な電気機器の制御回路や電源設備回路に運転停止信号を送り、これらの機器を停止させて電気が流れないようにし、上記のような事態を回避している。
さらに、この実施の形態では、防災機器について予め重要度に応じた順位を付けておき、復電をした時には、この順序で、予め設定した時間間隔で、各機器を始動させる。時間は機器の大きさや始動時間に応じて、最適な時間を設定する。電源電圧により始動時間が変わる場合は、センサにより電圧値を取り込んで、これに基づいて可変に制御する。
この実施の形態の可変速消火ポンプ10では、インバータ30を用いて速度を可変としたソフトスタート機能を持つので、例えば、速度到達信号を制御装置40に返送し、必要な機器の全体を稼動させる時間を最小限とするように最適化するように、始動の時間を変更しても良い。これにより、全ての機器が、必要な時間でかつ最少の始動時間で完了することができる。
同様に、インバータ30を用いてソフトスタートし、スタート時間を長くすることにより、電動機18の始動立ち上がり時間を長くし、始動加速時の電流値を小さくすることができる。すなわち、消火ポンプ10の電源側に設置した電源切替装置で、常用電源から非常電源に切り替わった時、切替信号を消火ポンプ制御盤20を経由して、インバータ30に入力し、加速時間の変更を指示する。非常電源での始動時は、電源容量が小さい為、電流値を小さくすることが好ましいからである。常用電源時と非常電源時の加速時間は、消火ポンプ10の制御盤20に記憶するか、インバータ30に記憶しておく。
または、インバータ30の出力電流値を常時監視しながら、予め設定した、低い電流値を超えないように、ソフトスタート時間を自動的に変化させて、始動しても良い。
インバータ30は、電力変換装置であり、交流から直流へ、更に交流へと変換して、任意の交流周波数を作り出すことができる。この交流から直流への変換の際の整流作用時に、高調波が発生する。通常電源のような、電源容量が大きい場合は、問題が小さいが、非常電源のような電源容量が小さい場合は、高調波により発電機が発熱したりする。そこで、この実施の形態では、高調波を減らすために、インバータ30の一次電源側にACリアクトルや、インバータ30の整流後の直流回路に、DCリアクトルを取付けている。また、インバータ30の整流するコンバータ回路に、スイッチング半導体素子による正弦波PWM回路を設け、インバータ30への入力電流波形を正弦波にして、高調波の発生が少ない、力率が100%に近い装置にしている。これにより、高調波の発生を抑え、ソフトスタート機能を組み合わせることにより、始動電流が少なく、発電機等の非常電源容量を小さくした消火ポンプ10ができる。
一般に、インバータ30に異常な状態が検出された場合には、インバータ30を保護するために運転を停止する保護動作を行う。この実施の形態では、消火ポンプ10が災害時に必ず運転を行わなければならない重要な機器であることに鑑み、もし運転中に保護動作が働いた場合、インバータ30の運転停止後、一定時間経過した後に自動的に再度零速から再始動をするようになっている。これにより、一時的な原因で保護動作が働いた時は、原因が解除されれば通常の運転状態に復帰をする。再始動した後再度保護動作が働いた時は、これを制御装置に設定した回数を繰り返す。
さらに、この実施の形態では、消火ポンプ10の制御盤20内にインバータ回路を迂回して、電源を直接電動機18を運転するインバータ迂回回路37が設けられている(図5参照)。そして、インバータ30の出力側と、インバータ迂回回路37にそれぞれ開閉器39,39を取付け、通常はインバータ30側のみを閉鎖して使用する。2個の開閉器39,39はお互いにインターロックを取り合い、同時に両方が閉じないようにする。そして、異常が発生し、保護動作が設定回数を超えた場合には、インバータ迂回回路37の開閉器39を閉じる。この場合は、電動機18が電源に直結するため、電動機18は電源周波数による定速度で運転をする。
図15は、この発明の他の実施の形態の消火ポンプ装置を示すもので、電動機18と電源装置の間にインバータ30を2台並列に設置をしたものである。各インバータ30の出力側に各々開閉器39,39を設け、運転を行うインバータ30側のみの開閉器39を閉じて、電動機18を駆動する。各々の開閉器39,39間はお互いに機械的または電気的にインターロックを行い、2台の開閉器39,39が同時に閉じないようにしている。動作中のインバータ30に保護機能が働いた時は、他方の予備のインバータ30に自動的に切換えを行うようになっており、インバータ30を用いた消火ポンプ10の運転が継続される。これにより、消火ポンプ10の確実な動作を行うことができる。
図16は、この発明の他の実施の形態の消火ポンプ装置を示すもので、インバータ電源回路を含む消火ポンプ10を2台設置して、それぞれ独立に接離する開閉器41,41を設け、互いに独立に動作可能にしたものである。稼動中の消火ポンプ10の吸込み側配管と吐出し側配管の圧力差が規定の圧力に達しない場合や、検出した運転電流が適正な範囲を超えたために保護機能が動作したような場合、制御装置40は消火ポンプを予備機に切換える。これにより、より確実な運転が可能となる。勿論、これらの消火ポンプ10の少なくとも一方のインバータ回路にインバータ迂回回路37を設けてもよい。
また、この実施の形態では、火災が予想を越えて拡大するような場合にも対応することができる。すなわち、消火ポンプ装置のような防災機器は、スプリンクラーヘッド50の開閉個数や、消火栓の使用個数は、法令等で規定されており、これに基づき最大流量を決めている。しかし、場合によってはこのような想定以上にスプリンクラーヘッド50が開放することがあり、消火ポンプ10の給水能力を超えてしまい、必要な量の消火水を供給できなくなる。この実施の形態では、1台目の消火ポンプ10の運転状態が一定の限度(定格)を超えた場合、例えば、必要とされる吐出圧力を維持するためにインバータ30の運転周波数が最大になった状態が一定時間続くような場合には、制御装置40が異常火災であると判断して、予備機として待機中の消火ポンプ10も追加始動をする。追加運転される消火ポンプ10のインバータ30にも周波数指令信号を制御装置40から入力して圧力制御を行って2台の並列運転を行う。これにより、多量の消火水の供給を行うことができ、異常な火災発生時にも対処することができる。
上の実施の形態では、2台を並列したが、3台以上を並列するようにしてもよい。
ところで、1台の消火ポンプ10のみの場合において、火災の状況によって消火ポンプ10の運転状態が連続運転を前提とした定格を超えてしまうような場合がある。定格以上の運転を継続すると、消費電流が増加して、電動機18や電源装置における発熱・温度上昇を伴うが、図17に示すように、機器・部品の許容温度限界に達するまでにある程度の時間が掛かる。その間、図18に示すように、インバータ30、電動機18の周波数、回転速度を定格値以上に上げ、ポンプの性能も定格値以上の出力を出すことができる。そこで、この発明の他の実施の形態では、インバータ30及び電動機18に温度検知器を取付け、温度を監視しながら運転をし、温度が許容値に近づいたら、周波数を傾斜を付けて下げて行き、温度が許容値を超えないようにしている。これにより、初期時の緊急時、想定以上に消火用が必要な時に消火活動を規定以上に行える。なお、機器の温度検出はセンサを直接機器に設置しなくても、電流値と時間の関数から演算して、推定をしても良い。
また、この発明の他の実施の形態では、上下の階層の消火ポンプ10の制御盤20間や、各センサの間のアナログ電気信号をデジタルの信号に変換して送受信している。このように、各機器間の信号をデジタルの信号に変換して送受信を行えば、複数の信号を変換して1組の信号に組み入れて送信をし、受信側で再変換をすることにより、1組の信号線で送受信が可能となり、信号線の数を減らすことで工事が容易になる。
さらに、この実施の形態では、各機器間の信号の送受信を無線通信設備を介して行うようにしている。消火ポンプ10は災害発生時に必要であるので、通信線に障害が起きる可能性が高い。そこで、このように機器間での信号の送受信を無線で行えば、安全性の高い設備となる。更に、既設の無線電話回線を使用すれば、確実安定性が増加し、また初期設備も安価に実施することができる。
さらに、この実施の形態では、多くのセンサ等の機器に電池のようなバックアップ電源を用いている。センサ等の機器は、離れた所に設置され、火災等の災害時にも確実に動作を行わなければならない。また、このような防災機器が動作を必要とする時は、停電などの障害が起き易い。そこで、これらの電気により動作する機器に、予め停電時のバックアップ用電池を組み込み、停電時でも確実に動作するようにしている。電池は、入手が容易で交換の簡単な一次電池や、保守の簡単な二次電池を使用する。二次電池では、通常時、通電を行い、電池への充電を行う。
図19は、この発明の他の実施の形態の消火ポンプ装置を示すもので、この実施の形態が図1の実施の形態と異なる点は、各階配管54にそれぞれ圧力検知器82が設けられ、各階における圧力を検出することができるようになっている点である。これらの圧力検知器82の検出値を制御装置40にフィードバックすることにより、特に推定末端御圧力制御をより精度良く行うことができる。
図20はこの発明のさらに他の実施の形態を示すもので、高層建築物に採用される連結送水システムに適用した例である。
高層の建物では、上層の階になるほど必要なヘッド圧は大きくなる。このような大きな圧力を1台の消火ポンプで加圧するのは困難であり、かつ経済的でない。また、各放水設備には所定の動作圧力範囲が決められている。そこで、いくつかの階層毎に区切って同一の配管で連結された階層区画を構成し、これらの階層区画毎に加圧用の消火ポンプ10を設置し、各層に設置された消火ポンプ10やセンサはそれぞれの制御盤20に接続して信号を送受信できるようになっている。そして、上層階では、それより下層のポンプ10を全て起動して直列に接続して使用する。この例では、2つの階層区画の場合を例示しているが、より高層の場合には同様にして3以上の階層区画を形成する。
この実施の形態では、各階配管54にそれぞれ圧力検知器82が設けられており、これらの圧力検知器82の検出値を制御装置40にフィードバックするようになっている。また、上層区画の消火ポンプ10の吸込側の配管10aに圧力検出器84が設けられている。なお、制御装置40は、例えば、各消火ポンプ10の制御盤20に配置した制御回路を相互に接続して一体化したものとして構成される。
以下、この実施の形態の消火ポンプ装置の作動を以下に説明する。
上層階で火災が発生し、スプリンクラーヘッド50が開放して散水すると、始動信号がその階層の消火ポンプ10の制御盤20に送られる。この階層区画の消火ポンプ10は直ちに始動せず、始動信号は最下階層区画の消火ポンプ10の制御盤20に送られる。最下階層区画の消火ポンプ10は、制御装置40によるインバータ制御により電動機18を駆動しつつ始動し、予め制御装置40に設定・記憶した吐出し圧力になるように圧力制御をしながら、運転を行う。
上層階にある消火ポンプ10は、吸い込み配管10aに設置した圧力検出器84の圧力信号が、制御装置40に記憶された所定の運転可能圧力以上になると始動する。制御装置40は、火災発生区画の自動警報装置からの信号に基づき、圧力制御をその火災発生区画の圧力検出器82の出力値に基づいて行う。すなわち、その出力値がその消火ポンプ10の制御装置40に記憶された設定目標圧力となるように、インバータ30の出力周波数を制御して運転する。制御装置40は、例えば先に図13に示したように、PI制御等によって設定目標圧力となるような圧力一定制御を行う。
また、制御装置40は、図14に示すように、圧力検出器82以降の配管摩擦損失を考慮して、推定末端圧力一定制御の曲線で制御をしても良い。これにより、消火ポンプ10は、消火活動に必要十分で最小の圧力で運転することができるとともに、放水末端の圧力も一定化して、安定した放水消火活動ができる。さらに、ポンプ吸込み側の圧力変動が発生してもその変動を、圧力制御で解消することができる。いずれの場合も、散水口に近い箇所で圧力検出を行うので、実圧力での制御のため、確実な圧力制御が可能になる。
一方、制御装置40は、火災発生区画の自動警報装置からの信号に基づき、その区画の設定目標圧力を読み出し、さらにその値に基づいて上層階の消火ポンプ10の吸込側の目標設定圧力を記憶されたデータからあるいは算出する。そして、下の階層の消火ポンプ10を、上の階層の消火ポンプ10の吸い込み側に設置した圧力検出器84の検出圧力値が上記の目標設定圧力になるように、圧力一定制御運転を行う。これにより、上の階層の消火ポンプ10の吸い込み圧力が一定となり、ポンプに過大な圧力が加わったり、圧力が不足にならず、安定に制御される。
また、この実施の形態では、インバータ30を使用して圧力制御をすることにより、従来、上の階層のポンプ吸い込み口に過大圧力が加わらないよう使用していた、減圧弁や一次圧力調整弁の設置と、そのための配管工事を省略することができ、設備コストを軽減することができるとともに、これによる圧力損失を無くすことができるので効率が向上する。
図21は、この発明を連結送水システムに適用したさらに他の実施の形態を示すものであり、上の階層における末端近くの圧力検出器82の替わりに、図22に示すように、消火ポンプ10の吐出し口近くに圧力検出器86を設け、これを用いて推定末端圧力一定制御を行うものである。圧力検出器から末端のスプリンクラーヘッド50までの配管損失が少ない場合は、圧力検出器86の検出値に基づく吐出し圧力一定制御を行っても、流量の変化による圧力変動は僅かで、問題にならないので制御できる。この場合のように圧力検出器86から末端のスプリンクラーヘッド50までの距離が大きく、かつ高さが異なるような場合には、配管損失が大きいので、例えば、配管に流量計を設け、この流量信号により制御装置40で2次曲線で制御を行えば、推定末端圧力一定制御をすることができる。これにより、各末端に複数の圧力検出器82を取付ける必要も無く、多数の圧力検出器82から制御盤までの長距離の信号の配線工事も不要となり、安価で、かつ火災時信号線の被害防止の安定性を確保することができる。
さらに、高価な流量計を使用せずに、推定末端圧力一定制御をすることができる。
その計算方法の一例を図23により説明する。この図において、HzAは定格回転数、PAはその時の目標圧力、HzBは締め切り状態での回転数、PBはその時の目標圧力である。推定末端圧力一定制御の場合、最少水量(零)の時と最大水量の時の目標圧力を予め設定し、制御装置40に記憶させておく。この実施の形態のようにスプリンクラーヘッド50の設置区画が多い場合は、複数の設定を記憶させておき、火災発生区画の自動警報装置からの信号に基づいてその区画の目標圧力を採用する。
そして、ポンプのデータとして得られる最少水量(零)の時の圧力を発生するポンプの回転速度(周波数)と最大水量の時の目標圧力を発生するポンプの回転速度(周波数)から、制御装置40内にプログラムした回転速度と圧力の関係の関数によって演算して、推定末端圧力一定制御の曲線になるように各速度毎に目標圧力を演算決定する。制御範囲を決めるポンプの回転速度(周波数)は、予め出荷時等に、制御装置40内の記憶回路内に使用するポンプと吐出し圧力と回転速度の関係データを記録するか、あるいは、現地での試験運転時に、実際にポンプの回転速度を0から最高速度まで立ち上げ、そのときに圧力センサから実際の圧力信号を入力して記憶させてもよい。また、ポンプの1つの回転速度での圧力値を入力し、渦巻きポンプのようなターボ型のポンプでは、圧力は回転速度の比の2乗に比例することが解っているので、この関係を用いて計算を行うようにしてもよい。
消火ポンプ10が運転を開始したら、運転速度から目標圧力を演算し、この目標圧力と現在の圧力信号値を比較し、PI制御により、増速・減速を行い目標圧力になるようにする。増速・減速により、さらに運転速度が変われば、新速度で再度目標圧力を演算し、制御を行う。以上を繰り返し、安定した圧力に収束させる。
上記の制御は、ポンプの吸込み側圧力が一定で安定している場合は、図14に示すように、ポンプの吐出し側の圧力検出器86のみにより、ポンプの圧力を制御することができるが、吸込み側の圧力が変化した場合は、図24に示すように制御曲線が移動してしまうので、吐出し側の圧力検出器86のみでは制御することができない。ポンプの発生する圧力は、吐出し圧力から吸込み側圧力を差し引いたものであり、同じ目標圧力でも、吸込み圧力が高ければ、ポンプの加圧する量は小さく、低い回転速度で良い。逆に、吸込み圧力が低ければ、ポンプの加圧する量は大きく、高い回転速度を要する。
このため、この実施の形態では、図25に示すように、ポンプ吸込み側の圧力検出器84の検出圧力信号により、吐出し圧力と回転速度の関係のデータを補正し、このデータを基に回転速度と目標圧力の関係を演算しなおす。これにより、ポンプの吸込み側圧力が変動しても、設定した推定末端圧力一定制御圧力で運転をすることができる。
また、この吸込み側の圧力検出器84は、吸込み圧力の不足による運転不能等あるいは異常上昇等のポンプの保護・警報用にも兼用することができる。例えば、消火ポンプ10が運転中に、吸い込み側の圧力が、ポンプが安全に運転可能な規定値以下に下がると警報を発する。その場合、火災による運転時は運転を継続させるが、試験運転時には、ポンプの故障を予防するために、警報発報と共に、ポンプを停止させる。吸い込み側の圧力が、ポンプが安全に運転可能な、規定値以上に上昇した場合も、圧力異常で、警報を発するようにする。
また、従来の消火ポンプ10では、極低速での運転は困難であったので、起動用圧力タンク74の圧力低下を補うためのジョッキーポンプを備えていた。すなわち、起動用圧力タンク74の内部に気体として空気が封入されており、気体の圧縮性を利用して、ポンプ停止時にも高い圧力を保持している。起動用圧力タンク74内では、水と空気は接した状態にあり、長時間水と気体が接したままでいると、空気は水に溶け込むので量は減少する。あるいは、逆止め弁の弁座等から極少量づつ漏れる。これにより、起動用圧力タンク74内の圧力は徐々に低下していく。その結果、始動検知圧力まで低下すると、消火ポンプ10は、スプリンクラーヘッド50が開放して放水を行ったと誤判断をして、火災警報を発報しながら運転を行う。
これを防止するため、消火ポンプ10を定期的に運転を行うか、漏れ量に見合った小型の加圧専用のポンプ(ジョッキーポンプ)を設けて、消火ポンプ10の始動圧力よりも多少高い圧力で運転を行い、起動用圧力タンク74の圧力を適正化していた。しかし、インバータ30を用いれば、少水量に適した、必要な圧力を吐き出す回転速度で運転することができ、また、ソフトスタート、ソフトストップ機能を持っているため、配管に急激な圧力変動の影響を与えず運転することができる。これにより、ジョッキーポンプを省略して、待機時の配管系の圧力を管理することができる。
上記のように、従来、消火ポンプの起動用圧力タンクは、内部で気体と水が接するものであったが、圧力タンク内にゴムまたは合成樹脂製の変形可能な隔膜を設け、気体室と水室とを完全に分離した構造の圧力タンクを使用することにより、圧力タンク内の気体が流出することが極少となり、圧力の低下もほとんど無くなるので、圧力タンクへの定期的な圧力水の補給の必要をなくすることができる。
また、上記の実施の形態では、水源として地下水槽16を設けているが、このような水槽の設置あるいはメンテナンスのコストを考慮して、消火ポンプ10を水道配管に直結することが提案されている。この場合、消火ポンプ10の運転が水道施設の配水用ポンプに影響を与えないことが要求されるが、上記の実施の形態ではインバータ30制御方式を採用しているので、上述したようなソフトスタートを実行することでそのような目的を達成することができる。
以上、この発明の実施の形態を図面を基に説明したが、本発明はこれらに限られるものではなく、発明の趣旨に沿って種々の改変が可能である。
この発明の第1の実施の形態の消火ポンプ装置の全体の構成を示す図である。 給水ユニットを具体的に示す正面図である。 給水ユニットの側面図である。 同じく、給水ユニットの側面図である。 消火ポンプ装置の制御装置を示す図である。 ポンプ駆動用電動機の可変制御機構を示す図である。 制御盤の正面図である。 制御盤の(a)側面図、(b)裏面図である。 制御盤の他の例を示す側面図である。 表示パネルを示す図である。 制御盤のさらに他の例を示す側面図である。 ポンプの起動の際の回転速度変化を示すグラフである。 吐出し圧力一定制御の際の運転カーブを示すグラフである。 推定末端圧力制御の際の運転カーブを示すグラフである。 この発明の他の形態の消火ポンプ装置のインバータ部分を示す図である。 この発明のさらに他の実施の形態の消火ポンプ部分を示す図である。 この発明の1つの実施の形態の消火ポンプ装置における部品の温度上昇を示すグラフである。 この発明の1つの実施の形態の消火ポンプ装置において定格値以上での運転時における出力曲線を示すグラフである。 この発明の他の実施の形態の消火ポンプ装置を示す図である。 この発明の他の実施の形態である連結送水消火ポンプ装置を示す図である。 この発明のさらに他の実施の形態の連結送水消火ポンプ装置を示す図である。 図21の実施の形態の消火ポンプ装置の要部を示す図である。 図21の実施の形態の消火ポンプ装置の制御のパターンを示すグラフである。 図21の実施の形態の消火ポンプ装置の制御の他のパターンを示すグラフである。 同じく、図21の実施の形態の消火ポンプ装置の制御のさらに他のパターンを示すグラフである。
符号の説明
10 ポンプ
18 電動機
22 呼水槽
30 インバータ(可変速制御手段)
36 交流リアクトル
37 インバータ迂回回路
38 ノイズフィルタ
40 制御装置
50 スプリンクラーヘッド(放水手段)
52 主配管
54 各階配管(分岐配管)
56 領域配管(分岐配管)
72 圧力検知器
74 起動用圧力タンク(火災発生検出手段)
82,84,86 圧力検知器

Claims (3)

  1. 建築物の各階に配置された放水手段と、
    前記放水手段を同一の配管で連結して構成した複数の階層区画と、
    これらの階層区画毎にそれぞれ設けたポンプとを備え、
    下の階層区画のポンプが上の階層区画のポンプの上流側になるように連結された消火ポンプ装置において、
    これら複数のポンプの吐出側にそれぞれ設けられた圧力検知器と、
    上の階層区画のポンプの吸い込み側に設けられた圧力検知器と、
    これら複数のポンプを可変速制御する可変速制御手段とを備え、
    所定の階で火災が発生したときに、最下階層区画のポンプを始動して所定の吐出圧力になるように運転し、該最下階層区画の上の階層区画のポンプの吸い込み側の圧力検知器の出力が所定の圧力以上になると該上の階層区画のポンプを始動し、該上の階層区画のポンプが所定の吐出圧力になるように運転し、以下同様にして、火災が発生した所定の階を含む階層区画に至るまで、順次各階層区画のポンプを始動することを特徴とする消火ポンプ装置。
  2. 前記最下階層区画のポンプは、上の階層区画のポンプの吸い込み側の圧力検知器の出力が所定の圧力になるように制御されることを特徴とする請求項1の消火ポンプ装置。
  3. 請求項1または2の記載の発明において、前記火災が発生した所定の階を含む階層区画のポンプは、前記火災が発生した所定の階の放水末端の圧力が一定となるように、ポンプの吐出口から前記火災が発生した所定の階までの配管の摩擦抵抗の変化を考慮し、前記放水末端での推定圧力が所定の目標圧力になるように制御されることを特徴とする消火ポンプ装置。
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