JP4091151B2 - 水中電動ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータ装置を用いた電動ポンプに係り、特に水中ポンプに好適な電動ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中ポンプの一種に渦巻型ポンプがあるが、このポンプは、特性上、設計面の工夫により比較的自由に所望の性能を得ることができるという特性がある。
例えば、この渦巻型ポンプでは、通水エリアを狭くするなどの設計により、揚程が高く、吐出し量が小さな性能を得ることが比較的容易である。
また、このポンプでは、「吐出し量に対するポンプ駆動用モータの電流値または入力値の変化」に代表される負荷特性についても、一般的に吐出し量の大きな領域では高くなる傾向があり、この特性は、ポンプ設計面で通水エリアを制限するなどの処理により、吐出し量の大きな領域で、駆動電流の上昇を抑え込むことができる飽和特性にすることも比較的容易であるという特長をもたらす。
【0003】
ところで、水中ポンプは、下水や道路の排水用途に使用されることが多く、異物の混入した液体を揚水することが多い。
このとき、上記した渦巻型ポンプでは、羽根車と吸込カバーとの隙間が小さいため異物が詰り易く、このため、羽根車が拘束(ロック)状態になり、さらにこの羽根車につながるモータが拘束状態になり、この結果、排水槽の水が溢れて水浸しになったり、ロックしたモータに流れる極めて大きな電流のため、モータ焼損に至ることも少なくなかった。
【0004】
そこで、このような背景から、最近では異物の通過性を重視して、羽根車と吸込カバーとの隙間が大きくできるボルテックス型ポンプが多く使用されるようになっている。
しかしながら、ボルテックス型ポンプを用いたとしても、異物の通過サイズを優先して通水エリアを先に決定した場合には、ポンプの特性について、渦巻きポンプのように自由な性能を得ることが困難である。
【0005】
一般的には、異物通過サイズ、すなわち通水エリアを大きくするにつれ、ポンプ性能上では、吐出し量に対する揚程の変化が横流れの平坦特性傾向になってしまうので、吐出し量を抑えても高揚程が確保できなくなってしまう。
また、モータの負荷特性上では、吐出し量増加とともに電流又は入力が大きく増加する右上がりの傾向となる。
【0006】
従って、ボルテックス型ポンプに高揚程性能を要求した場合には、低い揚程領域(吐出し量の多い領域)では、駆動電流が大きく増加し、モータが過負荷状態になってしまうため、高い揚程領域(吐出し量の少ない領域)でしか使用できない限定的なポンプ特性しか得られなくなってしまう。
【0007】
しかし、排水用ポンプの一般的な使われ方から見た場合、このような限定的な特性では、次のような不都合が生じる。
まず、排水用水中ポンプは、通常、排水槽の中に設置されることが多いが、この排水槽の水位は一定ではなく、そのため揚程が変動するのが一般的である。
一方、ポンプの運転・停止はフロートスイッチ等の水位計の設定により決めらるが、このととき、ポンプの運転・停止の頻繁な繰り返しが与える機械的、電気的悪影響を避けるため、ポンプの運転開始水位と運転停止水位に差をもたせ、運転制御に、いわゆる不感帯を設けるのが通例であり、この結果、運転開始時にはかなり水位が高く(ポンプの揚程が低く)、停止時にはかなり水位が低い(ポンプ揚程が高い)状態となる。
【0008】
このような場合、排水用水中ポンプとしてボルテックス型ポンプを用いたとすれば、広い揚程範囲でも使えるよう、性能に余力のあるポンプが必要になって、モータの出力も大きなものにする必要があり、電源容量も大きくなりコスト的にも無駄の多いものとなってしまう。
【0009】
そこで、インバータを用いてポンプを可変速駆動し、特性を改善する方法が従来から提案されており、その例を特開平7−167085号公報にみることができきる。
このインバータによる駆動方式では、インバータ装置の出力である交流電源の出力電圧Vと出力周波数fの比(V/f)を一定にし、モータ電流が一定になるように回転速度を制御することによって、モータトルク一定制御を実現しようとするものである。
【0010】
これにより、モータ出力を最大限に引き出し、その結果として、インバータを用いない、商用電源周波数での略一定回転速度駆動の場合よりも、ポンプ特性を改善し、ポンプの種類によっては、少ない吐出し量領域での高揚程特性、すなわち垂下特性にしたり、また逆に垂下特性を低い揚程で高吐出し量が得られる平坦特性にしたりすることができる。
【0011】
また同様に、出力一定に制御する従来技術としては、例えば特開昭59−25099号公報による提案が、また消費電力を一定に制御する従来技術としては、特開昭62−23596号公報による提案などがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの従来技術では、電流や出力などモータに関係する電気量のうち、一定に制御すべき電気量が1種類になっており、このため、何れの電気量を一定に制御するかの選択によって、ポンプ特性が決められてしまうという問題があった。
【0013】
例えば、上記特開平7−167085号公報に記載されている従来技術、すなわち、V/fを一定にして、モータ電流を一定に制御する方式の従来技術では、特にモータが誘導電動機の場合には、必ずしもモータトルク一定の制御が実現できないという問題点があった。
【0014】
また、この場合、温度の影響も無視できない。
すなわち、水中ポンプの温度は、水の温度に大きく依存するため、水の温度変化は、ポンプを駆動するモータの許容最大電流に大きく影響する。
例えば、水の温度は季節によっても変るから、ポンプの出力は季節の影響も受ける。
【0015】
また、この結果、水中ポンプの温度は、水中にどの程度ポンプが没しているかによっても大きく異なる。
例えばポンプ全体が水中に没している場合には、水による冷却効果が高く、モータの温度上昇が抑制されるので、大きな出力での運転が可能であるが、羽根車近傍までしか水中に没していない場合には、水による冷却効果が低下して、最大許容電流が制限される。
【0016】
特にインバータ装置は、モータよりも温度の影響を大きく受けるので、インバータ装置を内蔵し、ポンプとモータとインバータ装置が一体になった水中ポンプの場合には、周囲温度によって更に大きく出力が左右される。
【0017】
電流一定の制御を行う上記のインバータ駆動ポンプの従来技術(特開平7−167085号)では、モータの温度に対して考慮されており、モータの巻線温度が一定値以下に保たれるように一定の電流値を変化させる技術内容が提示されている。
【0018】
しかし、ポンプ装置内にインバータを実装した場合についての配慮はなされておらず、且つ、温度が低い領域では、モータ温度に余裕があったとしても、一定電流の値を変更することはなく、高温度領域においてのみ一定電流の値を小さな値に変更するだけであった。
【0019】
本発明の目的は、用途に応じてポンプの特性が簡単に選択できるようにした水中電動ポンプを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ポンプとモータの筐体内にインバータ装置を備え、ポンプを可変速駆動するようにした水中電動ポンプにおいて、前記インバータ装置の入力から前記モータの出力までの間の何れかの箇所に現れる電気量を検出し、該電気量が予め設定してある目標電気量に収斂するように前記インバータ装置を制御する制御手段と、前記電気量として、前記インバータ装置の入力から前記モータの出力までの間の複数の箇所に現れる電気量の内の1の電気量を設定する選択手段とを設けることにより達成される。
【0021】
複数の電気量を、それぞれ目標値に一定に制御できるようにした上で、何れの電気量を一定に制御するかを選択可能にしたことにより、少ない吐出し量領域での高揚程特性、すなわち垂下特性の度合いが選択可能になる。
例えば電気量として、モータ出力、モータ電流、モータトルクの3種の量を考えた場合、実験によれば、この順番に沿って、垂下特性度が高まる結果を得ている。
【0022】
また、このとき、モータ電流のトルク電流成分と磁束に係わる定数からモータトルクを演算して、そのトルク推定値を一定となるようにインバータの周波数を決定するようにすることができ、この場合には、単にモータ電流一定制御のときよりも、トルク一定の制御性能が向上する。
【0023】
更に、このように、ポンプとモータとインバータ装置が一つの筐体内に収納された場合には、モータに比して耐温度特性に劣るインバータ装置内の温度に基づいて目標とする電気量の大きさを決定するようにしてやれば、インバータ装置の温度許容範囲で最大限に目標値を大きくできる。
【0024】
これらの結果、異物の通過性に優れたボルテックス型ポンプを用いることができ、この場合でも、渦巻型ポンプのような高い揚程性能が得られ、且つ渦巻型ポンプと同程度出力のモータを使用しても、低い揚程で過負荷になる虞れのない特性を得ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるインバータを用いたポンプの運転制御装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用されたポンプ装置の一例で、交流電源1から供給される電力をインバータの主回路部2に入力し、この主回路2を介してポンプユニット7内のモータ71(この実施形態では、誘導電動機)を駆動するようになっている。
【0026】
モータ71には、モータ軸711を介してポンプの羽根車72が取り付けてあり、これによりポンプユニットの基本部が構成されている。
このポンプユニット7は、異物の通過性を重視したボルテックス型ポンプを基本にしてあり、図示の通り、羽根車72と吸込カバー73との隙間が大きく作られている。
【0027】
図2は、インバータの主回路部2の詳細を示したもので、コンバータ21、平滑コンデンサ22、直流/交流変換器であるインバータ23、温度検出用のサーミスタ24、U相、W相モータ巻線電流検出センサ25uと25wからなる。 ここで、サーミスタ24は、主として、インバータ23を構成するスイッチング素子、例えばIGBTが実装された金属基板(図示せず)の実装面側の表面温度を検出するようになっている。
【0028】
次に電源・センサー部4は、この電源・センサー部4内で使用する各種の直流電圧を作成する電源回路41と、電流検出回路42、電圧検出回路44、サーミスタ24の温度情報を電圧情報に変換する温度検出回路45などの検出部、及びインバータ23にドライブ信号を作成するドライブ回路43とからなる。
【0029】
制御部CTRは、マイクロコンピュータ5と選択器6とを備えている。
そして、まず、マイクロコンピュータ5は、ポンプの制御に必要な演算処理を実行する働きをし、次に、選択器6は、人間が操作することができる適当なスイッチなどで構成されたもので、以下に説明するいくつかのソフトウェアの一種が選択できるようにする入力装置として働くものである。
【0030】
この実施形態では、制御すべき複数の電気量として、モータ電流、モータトルク、モータ出力の3種類が設定してあり、これらの電気量の中の1種を選択器6を用いて選択し、選択された電気量が一定になるように、インバータ23の出力周波数を制御するようになっており、このため、マイクロコンピュータ5には、トルク一定制御5Tと電流一定制御5C、それに出力一定制御5Wの3種のソフトウェアを備えており、さらに、これらのうちの何れを選択するかを、選択器6の入力信号に応じて決定する切り替え部51を備えている。
【0031】
また、この実施形態では、モータ(誘導電動機)の運転制御法として、センサレスベクトル制御を基本としており、このため、マイクロコンピュータ5には、さらにセンサレスベクトル制御処理52、PWM信号処理53などのソフトウエアが備えられている。
【0032】
通常のインバータによる誘導電動機の制御では、上記したように、V/f一定制御方式がもちいられているが、この制御方式では、電流の増加と共にモータの磁束が低減し、流した電流ほどには出力トルクが発生せず、また負荷の増加と共にモータの回転速度が低下してしまうという問題がある。
【0033】
しかして、この問題が解決できる制御方式がベクトル制御方式で、これは、磁束を一定に保ち、モータの負荷が変化しても、常に回転速度がほぼ一定になるように周波数を制御するもので、特に低速時でも高トルクを得ることができるという特徴がある。
そして、センサレスベクトル制御方式は、その名称の通り、磁束センサを用いないベクトル制御方式のことで、モータ巻線電流を少なくとも2相分検出し、これより、磁束に比例する励磁電流(Id)と、トルクに比例するトルク電流(Iq)を演算し、この2種の電流成分と、モータ定数(2次側インダクタンス、2次側抵抗、励磁インダクタンスなど)とから、電圧、周波数を決定するようになっているもので、このため、上記実施形態では、2個の電流検出センサ25u、25wが設けられているのである。
【0034】
そして、図1に示すように、主回路部2は、平滑コンデンサ22を除いて一体のパワーモジュールとしてまとめられ、このパワーモジュールの上部に電源・センサー部4と制御部CTRのマイクロコンピュータ5を搭載した回路基板5Aを配置し、これらをモータ71の上部に格納してあり、この回路基板5Aに、電源回路41を構成するトランス411とコンデンサ412が搭載されている。
【0035】
更にこのパワーモジュールは、モータ71の上部に設けられたインバータ実装部84内で、モータ71の収納部との仕切り面側に、パワーモジュール内に実装されたIGBTなどの発熱体、及びサーミスタ24が実装された面がむく方向に設置されている。
【0036】
そして、このインバータ実装部84に平滑コンデンサ22を実装し、電源入力線85を介して交流電源1からの電力がインバータポンプユニット7内に取り込まれるようになっている。
【0037】
図3は、制御部CTRのマイクロコンピュータ5により実行される制御の全体を示すブロック図で、電流一定制御部5Cとトルク一定制御部5T、それに出力一定制御部5Wは、それぞれ目標電流値Icmd 、目標トルク値τcmd 、目標出力値Pcmd を入力し、これにより、それぞれ速度指令fcdc 、fcdt 、fcdw を出力するように構成されている。
なお、これら目標電流値Icmd と目標トルク値τcmd 、及び目標出力値Pcmd は、予めマイクロコンピュータ5にデータとして設定してあるものである。
【0038】
これらの3種類の速度指令は、選択器6で外部から設定されている選択データslc に応じて、切り替え部51により1種が選択され、速度指令fcmd となる。
このとき、外部から設定される選択データslc は、少なくとも2ビットのディジタルデータであり、このディジタル値が、上記3種の速度指令fcdc 、fcdt 、fcdw とそれぞれ1対1に対応がとられていることになる。
【0039】
こうして、3種類の速度指令の中から選択された速度指令fcmd はセンサレスベクトル制御部52に入力され、そこに予め設定してあるモータ定数と、電流検出処理部50から入力される電流情報と共に演算を行い、電圧指令V1cmd と周波数指令f1cmd が出力される。
そして、これらの電圧指令V1cmd と周波数指令f1cmd からPWM信号処理53によりインバータ23を構成するスイッチング素子IGBTに対するオン・オフ信号が作成される。
【0040】
次に、このセンサレスベクトル制御の処理が実行される過程で、センサレスベクトル制御部52で算出される中間データであるトルクと速度関連データはトルク・速度演算部54に供給され、ここで算出された推定トルクτは出力一定制御部5Wとトルク一定制御部5Tに入力され、同様に、推定速度fr は出力一定制御部5Wに入力される。
【0041】
電流検出処理部50は、U相、W相モータ巻線電流検出センサ25u、25wからの電流情報を電流検出部42を介して、マイクロコンピュータ5内に取り込む処理部であり、その出力である電流データは、電流一定制御部5Cとセンサレスベクトル制御部52に入力される。
次に、電流一定制御5Cとトルク一定制御5T、それに出力一定制御5Wの動作について、それぞれの場合に分けて説明する。
【0042】
<電流一定制御>
図4は、電流一定制御5Cに関連するブロック図である。
電流検出回路42で検出されたU相電流IuとW相電流Iwは、電流検出処理部50を介してマイクロコンピュータ5の内部に取り込まれる。
そして、全波整流演算部5C1により、U相とW相の2相のモータ電流からV相電流Iv(Iv=−Iu−Iw)を算出し、3相分の電流データを得、これらから全波整流演算を行う。
【0043】
この全波整流演算した値は多少のリプル成分を含んでいるため、そのリプル成分を減衰させるため、平均化処理部5C2により平均化演算を行う。
その結果として得られた全波整流平均値Imean を比較回路5C3に入力し、目標電流値Icmd と比較演算を行い、その誤差を比例・積分補償部5C4で比例補償と積分補償を行って速度指令fcdc を出力するのである。
これによって、目標電流値Icmd にモータ電流の全波整流平均値Imean を一致させるのに必要な速度指令が作成されることになる。
【0044】
<トルク一定制御>
図5は、トルク一定制御5Tに関連するブロック図である。
ここで、センサレスベクトル制御部52には、そこでの処理の1種として3相/dq座標変換処理521が設けてあり、これに電流検出処理部50を介して取り込んだモータ電流Iu、Iwが供給され、トルク電流(q軸電流)分Iqと励磁電流(d軸電流)分Idとに分解される。
【0045】
次いで、これらd軸電流分とq軸電流分は、トルク・速度演算部54内の処理の1種として設けてあるトルク推定演算部541に供給され、ここでモータ定数K1と組み合わされて推定トルクτが算出される。ここで、このモータ定数K1は、モータの相数、極数、励磁インダクタンス、2次インダクタンスから求められる定数である。
【0046】
そして、トルク一定制御部5Tでは、目標トルクτcmd と、上述の処理で算出された推定トルクτとを比較回路5T1で比較演算し、その誤差を比例・積分補償部5T2で比例補償と積分補償を行って速度指令fcdt を出力するのである。
【0047】
これによって、目標電流値τcmd に推定トルクτを一致させるのに必要な速度指令fcdt が作成されることになる。
【0048】
<出力一定制御>
図6は、出力一定制御Wに関連するブロック図である。
ここでも、電流検出処理部50を介して取り込んだモータ電流Iu、Iwがセンサレスベクトル制御部52内の3相/dq座標変換処理521に供給され、ここでq軸電流分Iqとd軸電流分Idとに分解される。
【0049】
次いで、これらq軸電流分Iqとd軸電流分Idは、同じくセンサレスベクトル制御部52内の処理の1種として設けてあるすべり周波数演算部522に供給され、ここで、モータ定数K2を用いて、すべり周波数fsが演算される。
ここで、まず、すべり周波数fsとは、インバータ出力周波数と誘導電動機の実回転周波数の差の周波数のことであり、次にモータ定数K2とは、モータの励磁インダクタンス、2次インダクタンス、2次抵抗から求められる定数である。
【0050】
トルク・速度演算部54では、先に説明したトルク推定演算部541と、それに加えて加算部542を備え、この加算部542により、センサレスベクトル制御部52で作成される周波数指令f1cmd から、推定すべり周波数fsが差し引かれ、推定速度frが算出される。
【0051】
そして、出力一定制御部5Wでは、まず、トルク・速度演算部54で求められた推定トルクτと推定速度frとを入力し、乗算器5W3で乗算して推定出力Prが求められる。
【0052】
次いで、この推定出力Prと目標出力Pcmd とを比較回路5W1で比較演算して誤差を求め、比例・積分補償部5W2で比例補償と積分補償を行って速度指令fcdw を出力するのである。
この結果、目標出力値Pcmd に推定出力Prを一致させるのに必要な速度指令fcdw が作成されることになる。
【0053】
次に、このようにして、電流一定制御とトルク一定制御、それに出力一定制御の内の何れかを任意に選択してインバータ装置の周波数を制御し、モータ71の回転数を制御した場合に得られるポンプ性能について示すと、図7の特性曲線のようになる。
【0054】
そして、この図7から明らかなように、同じポンプを使用しているにもかかわらず、本発明の実施形態によれば、3種の制御方式により、それぞれで異なったポンプの運転特性が得られ、幅広い対応ができることになる。
例えば、いま、ポンプを使用する現場での条件から、水量は比較的少なくても良いが、高い揚程が求められる場合には、選択器6によりトルク一定制御方式を選んでやれば、破線で示すポンプ特性となり、A点で示すかなり高い揚程にも対応することができる。
【0055】
反対に、揚程は比較的低くても、より多い水量が求められる場合には、出力一定制御方式を選んでやれば、点線で示すポンプ特性になり、B点で示すかなり多い水量にも対応することができる。
他方、中間的な性能が求められる場合には、電流一定制御方式を選べば良く、この場合には、実線で示すポンプ特性が得られることになる。
【0056】
従来技術のように、制御対象となる電気量が1種類の場合、例えばモータ電流だけを検出し、この電流値が目標電流値と一致するように、インバータ装置の周波数を決定し、モータの回転数を制御した場合には、同一のポンプのままでは、図6で示したA点やB点の性能を得ることはできず、この場合には、その都度、その性能に見合った羽根車を設計し、取り替えるなどの2次的な作業が必要になり、専用のポンプが必要になってしまう。
【0057】
しかるに、本発明の実施形態によれば、ポンプはそのままで、単に制御方式の選択により任意のポンプ性能に対応できるため、幅広い対応が可能な汎用性に富んだポンプを容易に提供することができる。
【0058】
次に、目標値がインバータ装置の温度の関数となるようにした本発明の実施形態について、図8により説明する。
この図8において、サーミスタ24の抵抗値は、温度検出回路45により電圧情報に変換され、温度データ取り込み部A1によりマイクロコンピュータ5内部に取り込まれる。
そして、その出力である検出温度Tm が目標値発生器A2に入力され、目標電流値Icmd が作成される。
ここで、この目標値発生器A2は、図示のような関数で与えられ、温度Tm1 以下の低い温度範囲では一定の目標電流値Imx を保ち、Tmx 以上の温度では、目標電流値を0にし、温度Tm1 から温度Tmx の範囲では、温度が高くなるほど目標電流値を低減させる関係を持たしてある。
【0059】
この結果、主要回路部(パワーモジュール)2の温度に応じて自動的に目標電流値が自動的に作成されるようになり、温度が高くなるにつれ目標電流値が小さな値にされ、反対に温度が低くなるにつれ目標電流値は大きくされる。
従って、この実施形態によれば、ポンプ雰囲気温度が低い時には、インバータの最大電流近傍まで目標電気量を高めることができ、高揚程のポンプ特性が得られ、反対に、ポンプ近傍温度が高くなれば、目標電流値を下げ、これにより、インバータ装置の温度上昇が抑えられ、これによる運転停止の虞れをなくし、運転を継続できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、ポンプを変えることなく、垂下特性の異なる複数のポンプ特性の中から、必要とするポンプ特性が任意に選択できるようになり、この結果、汎用性に富んだ水中ポンプを容易に提供することができる。
【0061】
また、この結果、本発明によれば、モータの能力を過不足なく生かし切れるとと共に、複数の電気量を任意に選択できることによって、インバータの能力をも生かし切ることになり、効率がよく高性能の水中ポンプをローコストで容易に得ることができる。
【0062】
さらに、本発明によれば、単なる電流一定制御でなく、推定したモータトルク一定の制御特性が得られ、この結果、トルク一定でのポンプ性能評価が容易に得られるという効果がある。
【0063】
また、本発明によれば、ポンプ内に実装したインバータ装置の温度を基準に電気量一定の制御が得られるため、ポンプ雰囲気温度が低いときには、インバータ装置の最大電流近傍まで目標電気量を高めることができ、高揚程のポンプ特性が得られ、ポンプ近傍温度が高くなれば、目標値を下げることができるので、インバータが熱で停止することなく運転を継続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水中電動ポンプの一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明による水中電動ポンプの一実施形態におけるインバータ装置の説明図である。
【図3】本発明による水中電動ポンプの一実施形態における全体の制御を示すブロック図である。
【図4】本発明による水中電動ポンプの一実施形態における電流一定制御部を示すブロック図である。
【図5】本発明による水中電動ポンプの一実施形態におけるトルク一定制御部を示すブロック図である。
【図6】本発明による水中電動ポンプの一実施形態における出力一定制御部を示すブロック図である。
【図7】本発明による水中電動ポンプの一実施形態により得られるポンプの運転特性を示す説明図である。
【図8】本発明による水中電動ポンプの他の一実施形態における温度により目標値を作成する制御部のブロック図である。
【符号の説明】
1 電源
2 主回路部
21 コンバータ
23 インバータ
24 サーミスタ
4 電源・センサー部
411 トランス
412 コンデンサ
42 電流検出回路
45 温度検出回路
5 マイクロコンピュータ
50 電流検出部
51 切り替え処理
52 センサレスベクトル制御処理
521 3相/dq座標変換
522 すべり周波数演算
53 PWM信号処理
54 トルク、速度演算部
541 トルク推定演算
542 加算演算
5C 電流一定処理
5C1 全波整流演算部
5C2 平均化処理部
5C3、5T1、5W1 加算演算
5C4、5T2、5W2 比例・積分補償
5T トルク一定処理
5W 出力一定処理
6 選択器
7 ポンプユニット
71 モータ
72 羽根車
72 吸い込みカバー
85 電源入力線

Claims (3)

  1. ポンプとモータの筐体内にインバータ装置を備え、ポンプを可変速駆動するようにした水中電動ポンプにおいて、
    前記インバータ装置の入力から前記モータの出力までの間の何れかの箇所に現れる電気量を検出し、該電気量が予め設定してある目標電気量に収斂するように前記インバータ装置を制御する制御手段と、
    前記電気量として、前記インバータ装置の入力から前記モータの出力までの間の複数の箇所に現れる電気量の内の1の電気量を設定する選択手段とが設けられていることを特徴とする水中電動ポンプ。
  2. 請求項1の発明において、
    前記電気量が、前記モータのトルクと出力、それに入力電流であることを特徴とする水中電動ポンプ。
  3. 請求項1の発明において、
    前記目標電気量が、前記インバータ装置の温度の関数として設定されるように構成されていることを特徴とする電動ポンプ装置。
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