JP5498313B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、インバータ装置に関する。
近年、省エネルギー志向から電動機などの負荷装置を駆動する際にインバータ装置を採用することが多くなってきている。これとともに使用者にて省エネルギー量を知りたいという要望を受け、インバータ装置の入出力電力の瞬時値およびその積算値を算出し、表示もしくは信号出力するインバータ装置が増えてきている。
一般的なインバータ装置の場合、従来、負荷装置の制御およびインバータ装置の保護を目的とした出力電流検出機能を備えている。そのため、インバータ装置は、出力電力については、出力電流から比較的正確に算出することが可能である。しかし、インバータ装置は、一般的には入力電流検出機能を備えていないことから、入力電力を直接算出することができなかった。そのため、インバータ装置は、特定の条件で最適化した演算式を用いて出力電力から入力電力を推測しているものの、運転条件などが変化した場合に正確に入力電力を算出することは困難であった。また、入力電力を算出するために入力電力検出機能を追加することは、インバータ装置の大型化や価格の上昇などを招くという問題もあった。
特開2009−14503号公報
そこで、入力電流検出機能を追加することなく、入力電力を精度よく算出可能なインバータ装置を提供する。
本実施形態のインバータ装置によれば、整流回路、平滑コンデンサ回路、インバータ主回路、制御電源回路からなる内部回路と、制御電源回路から直流電源の供給を受ける直流部回路を構成し、これら内部回路を制御する制御回路と、を備えている。制御回路は、内部回路ごとに損失を算出し、それらの損失をインバータ装置の出力電力に加算することによりインバータ装置の入力電力を算出するとともに、インバータ主回路の損失を算出するときには、インバータ主回路の出力電流を変数とする。
第1実施形態によるインバータ装置の電気的構成を示す図 第2実施形態によるインバータ装置の電気的構成を示す図 第3実施形態によるインバータ装置の平滑コンデンサ回路の消費電力の関係を示す図 第4実施形態によるインバータ装置の整流回路の消費電力の関係を示す図 第5実施形態によるインバータ装置の電気的構成を示す図 第8実施形態によるインバータ装置の電気的構成を示す図 第11実施形態による演算に用いるテーブルを示す図 その他の実施形態によるインバータ装置の電気的構成を示す図
以下、複数の実施形態によるインバータ装置を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態によるインバータ装置について、図1に基づいて説明する。
図1に示すように、インバータ装置1は、入力側において交流電源2に接続し、出力側において電動機3に接続している。インバータ装置1は、負荷装置としての電動機3を駆動する交流電力を出力する。本実施形態では、負荷装置として三相交流電動機を想定している。インバータ装置1は、内部回路としての整流回路4、平滑コンデンサ回路5、インバータ主回路6、制御電源回路7、操作パネル8、および制御回路9などを備えている。なお、図1では、信号の流れを実線の矢印にて示し、制御電源回路7から供給される直流電圧を破線の矢印にて示している。また、図示しないものの、インバータ装置1は、外部の制御装置等との間で各種の信号を通信可能な通信手段なども備えている。
整流回路4は、例えばダイオードなどの整流素子を直列に接続した直列回路を3相分並列に接続した周知の回路構成のものである。この整流回路4は、交流電源2から供給される3相の交流電圧を整流して直流電圧に変換する。平滑コンデンサ回路5は、整流回路4の出力側において整流回路4と並列に接続されている。平滑コンデンサ回路5は、平滑コンデンサを備えており、整流回路4から出力される直流電圧を平滑化する。インバータ主回路6は、複数のスイッチング素子を組み合わせた周知の三相ブリッジ回路により構成されている。インバータ主回路6は、スイッチング素子としてIGBTを用いている。このインバータ主回路6は、平滑コンデンサ回路5で平滑化された直流電圧を制御回路9から出力される制御信号に基づいて変換し、電動機3に3相の交流電圧を出力する。制御電源回路7は、制御回路9や操作パネル8などに直流電源を供給する。操作パネル8は、例えば7セグメントLED表示器などで構成された表示部8a、複数の操作スイッチ類8bを備えている。操作パネル8は、操作スイッチ類8bから使用者の操作入力を受け付けるとともに、インバータ装置1の運転状態などを表示部8aに表示する。なお、表示部8aは、液晶表示器などであってもよい。
制御回路9は、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどで構成されたマイクロコンピュータ、およびEEPROM10を備えている。EEPROM10は、インバータ装置1の制御データや保守データなどを記憶する。なお、EEPROM10は、マイクロコンピュータのROMと共用する構成であってもよい。制御回路9は、例えばROMに記憶されているコンピュータプログラムに従って、また、操作パネル8からの操作入力に従って、インバータ装置1全体を制御する。具体的には、制御回路9は、操作パネル8からの運転指令および周波数指令に基づいて、ドライブ信号すなわちインバータ主回路6をスイッチング動作させるための制御信号を生成する。制御回路9は、生成した制御信号をドライブ回路11を介してインバータ主回路6に出力する。これにより、インバータ主回路6から3相交流電圧が電動機3に供給され、電動機3は、周波数指令に応じた速度で運転される。このとき、制御回路9は、電圧検出回路12で検出したインバータ主回路6への入力電圧、および電流検出回路13により検出したインバータ主回路6の出力電流に基づいて、例えばベクトル制御により電動機3を制御する。つまり、電圧検出回路12および電流検出回路13は、一般的なインバータ装置が備えている内部回路であると言える。
さて、このような構成のインバータ装置1においては、従来、特定の条件におけるインバータ装置1の損失を予め実験などにより求めておき、例えば以下のような単純な演算式で入力電力を算出していた。
(i)入力電力=出力電力(kW)×1.03
(ii)入力電力=出力電力(kW)+0.05×インバータ定格電力(kW)
(i)の場合には、特定の条件において損失がインバータ装置の出力電力の3%であったこと、(ii)の場合には、特定の条件において損失がインバータ装置の定格電力の5%であったことなど、実験或いは経験により入力電力の推測を行っている。すなわち、これらの演算式は、キャリア周波数や出力周波数、2相又は3相の違いによる制御の切替え、あるいは電動機3の種類等の要因を考慮することなく特定の条件で最適化されたものである。換言すると、上記した演算式は、最適化された条件以外においては、誤差要因となっていた。
そこで、本実施形態では、出力電流に基づいて損失を求めることによって入力電力の算出の精度を高めている。以下、出力電流に基づく入力電力の算出について、詳細に説明する。
まず、入力電力をPi(W)、インバータ装置1の出力電力をPEout(W)、インバータ装置1における損失をPtotal(W)とすると、それらの間には以下の関係式が成立する。
i=PEout+Ptotal ・・・(1)
ここで、インバータ装置1の出力電力PEoutは、ベクトル制御に用いるd−q変換された出力電流(d軸電流Id、q軸電流Iq)および出力電圧(d軸電圧Vd、q軸電圧Vq)により、
Figure 0005498313
として算出することができる。
また、インバータ装置1の損失Ptotalは、内部回路ごとの損失の合計として、以下のように算出することができる。
total=Prec+Pcapa+Pcont+Pinv ・・・(3)
ただし、
rec :整流回路4の損失(W)
capa:平滑コンデンサ回路5の損失(W)
cont:制御電源回路7の損失(W)
inv:インバータ主回路6の損失(W)
ここで、制御電源回路7の損失Pcontは、制御電源回路7における変換損失と、操作パネル8や制御回路9など制御電源回路7から直流電源の供給を受ける直流回路部における消費電力とを含めたものとする。
このインバータ装置1の損失Ptotalのうち、損失の主たる要因は、インバータ主回路6の損失Pinvと考えられる。そのため、本実施形態では、整流回路4の損失Prec、平滑コンデンサ回路5の損失Pcapa、および制御電源回路の損失Pcontについては、予め実験により求めた定数値、あるいは、インバータ主回路6出力電力に比例した値やインバータ主回路6の出力電力に基づいて関数で算出した値として取り扱うものとする。そして、インバータ主回路6の損失Pinvについては、以下のように算出する。
インバータ主回路6は、各相に2個ずつのIGBTを直列に接続してなるアーム部を3相分設けた構成となっている。すなわち、インバータ主回路6には、6個のIGBTが存在している。その場合、インバータ主回路6の損失は、以下の(4)式にて表すことができる。なお、例えば1ヶ所のスイッチング部が複数のIGBTにより構成されている場合や、IGBT以外のスイッチング素子が用いられている場合など、インバータ主回路6が他の構成の場合、それぞれの構成に合わせて変更すればよい。
inv=(PTc+PTsw+PDc+PDsw)×6 ・・・(4)
ただし、
Tc :IGBTの導通損失(W)
Tsw :IGBTのスイッチング損失(W)
Dc:FRDの導通損失(W)。FRD:フリーホイールダイオード。
Dsw:FRDのスイッチング損失(W)
そして、これらの各成分は、以下の式にて表すことができる。
Figure 0005498313
Figure 0005498313
Figure 0005498313
Figure 0005498313
ただし、
ce0:IGBTコレクタ・エミッタ間スレッショルド電圧(V)
IGBT:IGBTスロープ抵抗(Ω)
f0:FRDスレッショルド電圧(V)
diode:FRDスロープ抵抗(Ω)
on:Vce_m、ic_mの条件で測定されたIGBTのターンオン時のエネルギー損失(J)
off:Vce_m、ic_mの条件で測定されたIGBTのターンオフ時のエネルギー損失(J)
rr:Vm、imの条件で測定されたFRDの逆回復時のエネルギー損失(J)
M:変調率
Figure 0005498313
sw:キャリア周波数
DC:直流部電圧(V)。インバータ主回路6への入力電圧(直流部電圧値に相当)。
cos(φ):インバータ装置1の出力力率。以下の(9)式で算出する。
Figure 0005498313
なお、cos(φ)の算出には、モータ制御ソフトウェアで演算される推定値を用いてもよい。具体的には(2)式における電流ベクトル(d軸電流Idとq軸電流Iqの合成値)と、電圧ベクトル(d軸電圧Vdとq軸電圧Vqとの合成値)との位相差がφになるため、これによりcos(φ)を算出できる。
α:制御方式による変換係数。制御方式の相数により以下のように切り替える。
・3相制御方式の場合 α=1 ・・・(10)
・2相制御方式の場合 α=(1/2)×(2−cos(φ)) ・・・(11)
ここで、Vce0、RIGBT、Vf0、Rdiodeはメーカのデータシードから入手可能な値であり、Eon、Eoff、Errはメーカのデータシード又は実測により入手可能な値であり、出力電流は電流検出回路13の出力データから演算可能であり、VDCは電圧検出回路12により取得可能である。また、cos(φ0)は、電動機3の定格周波数における力率であり、電動機メーカの提供する試験成績表から取得可能である。そのため、cos(φ0)は、使用者が変更可能なパラメータとしても設定可能である。ただし、電動機3の力率は、メーカによって多少の変動はあるものの、同種の電動機3であれば主に電動機3の定格容量に依存していることが周知である。そこで、電動機3の定格容量をPmotor(kW)とし、上記した式に変えて、以下の(12)式のように関数として予めEEPROM10などに記憶させておいてもよい。
cos(φ0)=f2(Pmotor) ・・・(12)
この場合、同種の電動機3であれば同一の関数を適用することも可能である。ただし、例えば誘導電動機と同期電動機とを比較すると、その力率は大きく異なり、一般的に同期電動機のほうが力率が高い。そのため、インバータ装置1を誘導電動機および同期電動機の双方に適用可能にする場合には、電動機3の種類に応じて、すなわち、インバータ装置1の駆動条件に応じて、cos(φ)の演算に用いる(12)式の関数を切り替える構成としてもよい。
ところで、上記した(4)式から(12)式で明らかなように、インバータ主回路6の損失Pinvは出力電流に対して2次関数となっている。また、インバータ主回路6の損失Pinvは、使用されるスイッチング素子の特性に依存する各係数にもある程度は依存する。ただし、インバータ主回路6の損失Pinvの変数である変調率M、出力電流、キャリア周波数fsw、直流部電圧VDC、力率cos(φ)、および変換係数αのうち、最も損失Pinvの大きさに寄与するのは、出力電流であると考えられる。なお、力率cos(φ)は制御ソフトで演算の推定値を使う場合には変数と考えられるが、(9)式を用いる使う場合にはcos(φ0)が変数であり、また、cos(φ)自体が出力電流の関数である。しかし、従来の入力電力の算出方法においては、出力電力×1.03、あるいは、出力電力+0.05×インバータ定格電力のように、いずれも電力(出力電力、定格電力)を変数としている。換言すると、インバータ装置1の損失Ptotalの各要素がいずれも電力に依存(比例)しているとした思想に基づくものである。
また、インバータ装置1の損失Ptotalの各要素の中で最も大きな割合を占めるのは上記したようにインバータ主回路6の損失Pinvであるが、従来の算出方法の誤差原因がいずれも損失Ptotalの推定に出力電力もしくはそれに類する物理量を用いている。つまり、入力電力の算出において、最も演算結果に寄与する出力電流ではなく、出力電力を用いていることが従来の算出方法の主な誤差要因であると考えられる。この場合、より具体的には、この誤差が大きくなる一例として低周波数にて運転している場合が挙げられる。インバータ装置1は基本原理として出力電圧と出力周波数がほぼ比例するような出力を行うことでモータの可変速駆動を行っている。その一方で、インバータ装置1にはスイッチング素子等の特性の制限から、定格出力電流が定められている。換言すると、インバータ装置1は、出力周波数に依存せず一定の交流電流を出力できるのである。このことから、電動機3を基底周波数(例えば60Hz)と10Hzとにおいてそれぞれインバータ装置1の定格電流で駆動した場合、電流値は一定であるが、出力電力はおよそ6対1となる。つまり、電動機3の基底周波数で最適化された出力電力を用いる従来例の場合、算出される入力電力がおよそ6対1となる。
これに対して、本実施形態によれば、インバータ主回路6の損失Pinvを出力電流に基づいて算出していることから、電動機3を基底周波数(例えば60Hz)と10Hzとにおいて定格電流で駆動した場合であっても、インバータ主回路6の損失Pinvがほぼ一定値として算出される。これにより、インバータ装置1の損失Ptotal、ひいては、入力電力Piをより正確に算出することができる。
また、入力電力を算出するために入力電力検出機能を追加することなく入力電力の算出が可能になるので、インバータ装置1の大型化や価格の上昇などを招くこともない。
また、正確に算出された入力電力を表示部8aに表示したり、外部の制御装置に信号出力したりすることにより、使用者の省エネの割合を知りたいという要望に応えることができる。
また、整流回路4の損失Prec、平滑コンデンサ回路5の損失Pcapa、および制御電源回路の損失Pcontを定数値あるいはインバータ主回路6出力電力に比例した値などとしているので、演算の簡略化および効率化を図ることができる。
(第2実施形態)
次に第2実施形態のインバータ装置を図2に基づいて説明する。第2実施形態では、制御電源回路の損失を、直流回路部を構成するそれぞれの回路の動作状態に応じて算出する点において第1実施形態と異なっている。
図2に示すように、第2実施形態のインバータ装置20は、第1実施形態の構成に加えて、冷却ファン21、2個の拡張コネクタ22、通信オプション23、拡張端子台オプション24、制御端子台25を備えている。冷却ファン21は、インバータ装置20内の空気に強制対流を起こし、インバータ装置20内を冷却する。拡張コネクタ22は、インバータ装置20のオプション機能を実現する所謂拡張ユニット(或いは拡張カード)が接続される。本実施形態では、拡張ユニットとして、通信機能を提供する通信オプション23、および出力端子を増加させる拡張端子台オプション24が接続されている。なお、拡張コネクタ22の数や拡張ユニットの種類は、これに限定されない。制御端子台25は、例えば制御回路9と外部の装置との間で電気信号などを授受するインターフェース機能を提供する。これら冷却ファン21、通信オプション23、拡張端子台オプション24および制御端子台25には、制御電源回路7から電源が供給される。
さて、第1実施形態では(3)式において制御電源回路の損失Pcontを回路の動作状態に依存しない値としたが、本実施形態のように冷却ファン21や拡張ユニットを備えている場合、冷却ファン21の動作によって、また、拡張ユニットによって消費される電力が発生する。すなわち、制御電源回路の損失Pcontが一定ではなくなることが想定される。そこで、本実施形態では、これら制御電源回路7から直流電源が供給される直流回路部について、動作状態に応じて消費電力を算出している。
具体的には、制御電源回路の損失Pcontを以下の式にて算出する。
<冷却ファン21駆動中>
cont=(1/K)×(Pcont_1+PDC_fan) ・・・(13)
<冷却ファン21停止中>
cont=(1/K)×(Pcont_1) ・・・(14)
ただし、
K:制御電源回路7の変換効率(定数)
cont_1:冷却ファン21以外の直流回路部における消費電力(W)
=Pcont_A+Pcont_opt1+Pcont_opt2+Pcont_opt3 ・・・(15)
DC_fan:冷却ファン21の消費電力(W)
cont_A:冷却ファン21と拡張ユニット以外の直流回路部の消費電力(W)
cont_opt1:通信オプション23の消費電力(W)
cont_opt2:拡張端子台オプション24の消費電力(W)
cont_opt3:制御端子台25の消費電力(W)
このように、制御電源回路7の損失を、直流回路部を構成する回路の動作状態に応じて算出することにより、例えば冷却ファン21の消費電力が大きい場合にその影響を考慮に入れて損失を算出することができる。また、各拡張ユニットでの消費電力をあらかじめ測定しておき、接続コネクタに取り付けられたことを認識している拡張ユニットにおける消費電力を加算することで、より正確な入力電力の算出が可能となる。また、拡張ユニットの数が異なる場合には、それに応じて(15)式のパラメータを増減させればよい。もちろん、拡張ユニットの消費電力を算出する際に、拡張ユニットが接続されているか否かだけでなく、その拡張ユニットが動作しているか否かをも考慮して消費電力を算出してもよい。また、インバータ装置1の純正オプション以外の拡張ユニットが接続される可能性がある場合を想定し、拡張ユニットの消費電力を使用者が設定可能なパラメータとしてもよい。
(第3実施形態)
次に第3実施形態のインバータ装置を図3に基づいて説明する。第3実施形態では、平滑コンデンサ回路における損失を平滑コンデンサ回路の出力電力の関数としている点において第1実施形態と異なっている。尚、第3実施形態のインバータ装置は、第1実施形態と同様であるので、図1をも参照しながら説明する。
平滑コンデンサ回路5では、回路を構成する平滑コンデンサにおいて電力が消費される。このとき、平滑コンデンサ回路5の損失Pcapaは、以下の(16)式にて表される。
capa=Rcapa・Iripple 2 ・・・(16)
ただし、
capa:等価直列抵抗(Ω)
ripple:コンデンサのリプル電流(A)
なお、RcapaおよびIrippleは、平滑コンデンサ回路5が複数のコンデンサを直列あるいは並列に接続して構成されている場合、それら全体を1つのコンデンサとみなしたときの換算値である。
ところで、Rcapaはコンデンサのデータシートから取得可能な値であるが、Irippleは実際に測定する必要があるため、電流を検出する回路の追加が必要となる。そのため、(16)式をそのままインバータ装置1における演算に採用することは困難である。そこで、本実施形態では、平滑コンデンサ回路5から後段のインバータ主回路6に出力される出力電力PDC_2から損失Pcapaを推定している。
平滑コンデンサ回路5の出力電力PDC_2は、後段の回路に供給される電力の総計と考えることができる。換言すると、平滑コンデンサ回路5の後段への出力電力PDC_2と、インバータ装置1の出力電力PEout、制御電源回路の損失Pcont、およびインバータ主回路6の損失Pinvとの間には、以下の(17)式の関係が成立する。
DC_2=PEout+Pcont+Pinv ・・・(17)
さて、インバータ装置1において、平滑コンデンサ回路5の出力電力PDC_2と平滑コンデンサ回路5の損失Pcapaとを試験的に測定したところ、図3に示すようにほぼ2次近似曲線上に分布する関係が得られた。なお、図3はインバータ装置1における実測値であり、構成が変わった場合などには、当然その特性も変化する。この測定結果から、平滑コンデンサ回路5の損失Pcapaは、以下の(18)式のように出力電力PDC_2の二次関数として表すことが可能になる。
capa=A・PDC_2 2+B・PDC_2+C ・・・(18)
ただし、A、B、Cは、図3の測定結果から算出した係数
すなわち、本実施形態によれば、平滑コンデンサ回路5の損失Pcapaを、電流検出回路13の検出値から算出可能なインバータ装置1の出力電力PEoutと、上記した第1実施形態または第2実施形態で推定したPcontおよびPinvと用いて算出可能な後段の各内部回路への出力電力PDC_2により推定することができる。これにより、平滑コンデンサ回路5の損失Pcapaを定数もしくはインバータ装置1の出力電力の定数倍として算出する場合に比べて、より実際の損失を反映した関数によって平滑コンデンサ回路5の損失Pcapaを算出することができる。
また、平滑コンデンサ回路5の損失Pcapaを単にインバータ装置1の出力電力に基づいて推定するのではなく、後段のインバータ主回路6の損失、および制御電源回路7の損失をも加味している。これにより、特にインバータ装置1の定格に対してインバータ主回路6や制御電源回路7における損失の割合が高くなる小容量機種において、実際の損失に近い損失推定結果を得ることができる。尚、係数A、B、Cは、それぞれ測定したデータを基に例えばテーブルとして準備しておけばよいが、定格出力ごとに予め設定されている値を係数A、B、Cとして用いてもよいし、共通の値を用いてもよい。
また、平滑コンデンサ回路5においてはコンデンサ放電用の抵抗がコンデンサに並列に接続されていることもあるが、この抵抗の損失については、電圧検出回路12で測定可能なVdcとコンデンサの放電抵抗値Rdisとを用いて、VDC 2/Rdisで算出できる。そのため、抵抗の損失を(18)式に追加してもよい。すなわち、後段への出力電力PDC_2に加えて他の変数を備えていてもよい。
また、上記したように、平滑コンデンサ回路5の出力電力PDC_2と損失Pcapaとの関連性(関数。方程式)については二次関数であることが多いが、コンデンサの条件によっては対数関数など他の関係式となる場合もある。このことから、インバータ装置1の定格ごとにその特性に合わせて関数式を複数準備してもよい。すなわち、定格ごとに予め設定されている関数を用いる構成としてもよい。
(第4実施形態)
次に第4実施形態のインバータ装置を図4に基づいて説明する。第4実施形態では、整流回路における損失を整流回路の出力電力の関数としている点において第1実施形態と異なっている。尚、第4実施形態のインバータ装置は、第1実施形態と同様であるので、図1をも参照しながら説明する。
第4実施形態における整流回路4の損失Precの算出方法は、第3実施形態と同様の考え方に基づいている。つまり、整流回路4から出力される出力電力PDC_1は、後段の各内部回路に供給されることから、整流回路4の出力電力PDC_1と、平滑コンデンサ回路5の出力電力PDC_2およびその損失Pcapaとの間には、以下の(19)式の関係が成立する。
DC_1=PDC_2+Pcapa ・・・(19)
さて、整流回路4においても、平滑コンデンサ回路5と同様に、厳密に損失を算出するためにはその電流値を測定する必要がある。しかし、整流回路4の出力電力PDC_1と整流回路4の損失Precとを試験的に測定したところ、図4に示すように、ほぼ2次近似曲線上に分布する関係が得られることが判明した。なお、図4はインバータ装置1における実測値であり、構成が変わった場合などには、当然その特性も変化する。この測定結果から、整流回路4の損失Precは、以下のように出力電力PDC_1の二次関数として表すことが可能になる。
rec=D・PDC_1 2+E・PDC_1+F ・・・(20)
ただし、D、E、Fは、図4の測定結果から算出した係数
すなわち、整流回路4の損失Precを、電流検出回路13の検出値から算出可能なインバータ装置1の出力電力PEoutと、上記した第1実施形態から第3実施形態で推定したPcont、PinvおよびPcapa用いて算出可能な後段の各内部回路への出力電力PDC_1により推定することができる。これにより、整流回路4の損失Precを定数もしくはインバータ装置1の出力電力の定数倍として算出する場合に比べて、より実際の損失を反映した関数によって整流回路4の損失Precを算出することができる。なお、係数D、E、Fは、それぞれ測定したデータを基に例えばテーブルとして準備しておけばよいが、定格出力ごとに予め設定されている値を係数D、E、Fとして用いてもよいし、共通の値を用いてもよい。
また、上記したように、整流回路4の出力電力PDC_1と損失Precとの関連性(関数。方程式)については二次関数であることが多いが、整流回路4の構成によっては対数関数など他の関係式になる場合もある。このことから、インバータ装置1の定格ごとにその特性に合わせて関数式を複数準備してもよい。すなわち、定格ごとに予め設定されている関数を用いる構成としてもよい。
また、本実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、内部回路の損失を算出する場合、消費電力を定数として扱う内部回路と、消費電力を変数や関数により算出する内部回路とが混在していてもよい。
(第5実施形態)
次に第5実施形態のインバータ装置を図5に基づいて説明する。第5実施形態では、各内部回路にオプションとして装着される構成要素の損失をも算出している点において第1実施形態と異なっている。
第2実施形態では、通信オプション23などの直流回路部に対するオプションの損失を考慮したが、それ以外に、例えばオプション機器としてリアクトルなどが追加されることがある。例えば、図5に示すように、インバータ装置30は、交流電源2からの出力段すなわち整流回路4の前段に交流リアクトル31を備えており、整流回路4の後段に直流リアクトル32を備えている。これら交流リアクトル31および直流リアクトル32は、それぞれ交流電圧の整流、および直流電圧の整流を行う機能を提供している。その場合、これら交流リアクトル31および直流リアクトル32についても後段への出力電力を変数として事前に準備するとともに、使用者が変更可能なパラメータとして各オプションの追加の有無を設定するものを用意しておくとよい。これにより、その設定に従って損失を演算することにより、より精度の高い損失の算出が可能になる。なお、必要となるリアクトルはインバータ装置30の定格によって異なるとともに、インバータ装置30のメーカ指定の標準品以外のものが取付けられる場合もある。このような場合には交流リアクトル31および直流リアクトル32として用いられるリアクトルの値についても使用者が設定可能なパラメータとして準備しておけばよい。
(第6実施形態)
次に第6実施形態のインバータ装置について説明する。第6実施形態では、インバータ装置の運転モードによって損失の算出を行っている点において第1実施形態と異なっている。なお、第6実施形態のインバータ装置は、第1実施形態と同様であるので、図1をも参照しながら説明する。
第6実施形態のインバータ装置1は、運転モードとして電動機3にエネルギーを供給する力行モードだけではなく、減速時などに電動機3からエネルギーが供給される回生モード(回生動作に相当)が存在する。従来、このような運転モードを備えている場合には、回生時については入力電力をゼロとすることで対応してきた。この場合、頻繁に回生モードが行われるような場合においては以下の問題がある。すなわち、回生モード中において入力電流は確かにゼロであるが、回生直後の力行モード時においてインバータ装置1に供給される直流部電圧が十分下がるまでの期間においても入力電流はゼロである。一方で、上記した各実施形態では、力行モード時においては入力電流がゼロではない値として演算していることから、この部分が誤差要因となる。
そこで、本実施形態では、以下のようにして、各動作モードにおける損失の算出を行っている。
<回生モード:上記した(2)式で得られるPEoutが負の数の場合>
回生モードの場合、入力電力Piは以下の(21)式で表される。
i=0 ・・・(21)
この場合、インバータ装置1の損失を以下の(22)式によって回生モード中の損失を算出する。尚、(22)式におけるPinvは回生モードに合わせて演算するものとする。
total=Pcont+Pinv ・・・(22)
このとき、以下の(23)式にて、回生モードにおいて平滑コンデンサ回路5部分に蓄えられるエネルギーを累積演算する。
Figure 0005498313
<力行モードにおける損失の算出>
以下の(24)式を用いて算出する。
Figure 0005498313
ただし、(24)式においてEregene_2が正の場合には、(21)式によりPi=0として損失を算出する。一方、Eregene_2が負になった場合には、(24)式による演算を終了し、(1)〜(3)式に基づいて損失を算出する。
以上のような演算を行うことにより、回生モードで蓄えられたエネルギーを消費しきるまではPiをゼロとし、その後電源から電力を供給される場合においては(1)〜(3)式によるPiの演算が可能となり、より正確に入力電力を算出することができる。
なお、(24)式による演算中にEregene_2が負になる前に再度回生モードとなった場合には、(23)式に替えて以下の(25)式を使用する。
Figure 0005498313
(第7実施形態)
次に第7実施形態のインバータ装置について説明する。第7実施形態は、第6実施形態の変形である。本実施形態では、従来からインバータ装置に備わっている直流電圧検出機能を用いて回生モードおよび力行モードにおける損失を算出する。
<回生モードにおける損失の算出>
上記した(2)式で得られるPEoutが負の数の場合、(21)式にて示したようにPi=0として算出する。これは、第6実施形態と同様であるが、本実施形態では、PEoutが負になった瞬間、もしくは負になる直前の一定期間の平均の直流部電圧VDC_1を記憶する。
<力行モードにおける損失の算出>
回生モードの後、力行モードになった瞬間の直流部電圧VDC_2、および回生モード時に記憶したVDC_1に基づいて、以下の(26)式の演算を力行モードになった瞬間に開始する。
Figure 0005498313
そして、Eregene_2が正の期間は(21)式に基づいてPi=0として算出する一方、Eregene_2が負になった場合には、その時点から(1)〜(3)式によるPiの演算を行う。
これにより、回生モードにおける蓄積エネルギーの演算をより容易に実施することができる。なお、(24)式でEregene_2が負になる前に再度回生モードとなった場合には引き続きPi=0として算出し、その後力行モードになった場合には、その瞬間の直流部電圧VDC_2を用いて再度(24)式による演算を行う。
(第8実施形態)
次に第8実施形態のインバータ装置を図6に基づいて説明する。第8実施形態では、インバータ装置に制動回路と制動抵抗器とを設け、その損失をも算出している点において第2実施形態と異なっている。
図6に示すように、第8実施形態のインバータ装置40は、整流回路4の後段に制動回路41および制動抵抗器42を備えている。このような制動回路41と制動抵抗器42との組み合わせは、回生モード時のエネルギーが非常に大きく、対策なしでは直流電圧部(整流回路4の出力電圧)の電圧が設計定格を超えてしまうような用途向けに用いられる。制動回路41は、半導体スイッチング素子を含んで構成されている。この半導体スイッチング素子がON状態になることにより、インバータ装置40の直流電圧部の正負の各母線間に制動抵抗器42の両端がそれぞれ接続される。これにより、制動回路41は、制動抵抗器42でエネルギーを消費して正負の各母線間の電圧を下げることが可能になる。この制動回路41は、間欠的に動作する(半導体スイッチング素子がオン/オフ動作を繰り返す)ことにより制動抵抗器42の過熱を防ぐとともに、正負の各母線間の電圧を適正レベル以下に制限する。これら制動回路41および制動抵抗器42は、それぞれ標準でインバータ装置40に内蔵される場合とオプションで追加装着する場合とがあるものの、いずれの場合も入力電力に影響を及ぼすことになる。そのため、より精度の高い入力電力の推定には、これら制動回路41および制動抵抗器42により消費されるエネルギーを加味することが重要である。
さて、制動抵抗器42での消費エネルギーおよび制動回路41での損失エネルギーをそれぞれ算出してもよいが、そのためには制動抵抗器42の抵抗値等の情報が必要である。しかし、その場合には、演算が複雑になるとともに、オプションの場合には使用者が設定可能なパラメータとして、制動抵抗器42の抵抗値を設定することが必要になる。このため、使用者がこのパラメータを制動抵抗器42の定格通りに設定していない場合には誤差要因となる。また、定格通りに設定してあったとしても、制動抵抗器42の抵抗値には例えば±5%といった公差が存在するため、演算誤差の要因となる。
そこで、本実施形態では、上記した(26)式で用いるVDC_2の値を次の(iii)および(iv)の条件で求め、そのVDC_2となった瞬間から(26)式による演算を行うようにしている。
(iii)回生モードの後、力行モードになった時点において制動回路41内のスイッチング素子がOFF状態の場合、VDC_2は、力行モードになった時点の直流部電圧とする。
(iv)回生モードの後、力行モードになった時点において制動回路41内のスイッチング素子がON状態の場合、VDC_2は、スイッチング素子がOFF状態となった時点の直流部電圧とする。
これにより、制動回路41と制動抵抗器42とが設けられた場合においても、インバータ装置40の損失を精度よく算出することができる。この場合、使用者がパラメータを制動抵抗器42の定格通りに設定していない場合においても、さらには、制動抵抗器42の抵抗値に公差が存在する場合であっても、正確に損失を算出することが可能になる。
(第9実施形態)
次に第9実施形態のインバータ装置について説明する。第9実施形態は、第7実施形態および第8実施形態の変形である。
第7実施形態および第8実施形態におけるVDC_2の求め方、および(26)式の演算開始時期については以下のようにしてもよい。すなわち、VDC_2とは異なるVDC_3を予め設定しておき、回生モード以降に最後にVDC_3より高い電圧からVDC_3以下の電圧に切り替わった瞬間に、上記した(26)式に替えて、以下の(27)式にて演算を開始する。
Figure 0005498313
ただし、VDC_2<VDC_3の場合は第8実施形態と同様の算出を行う。
これにより(26)式における積分演算の誤差の影響を最小化することができる。
また、VDC_3を予め設定しておくのではなく、例えば以下の(28)式のように設定してもよい。ただしβは予め設定した値とする。
DC_3=VDC_1 + β(VDC_2 − VDC_1) ・・・(28)
これにより常にVDC_1<VDC_3<VDC_2となり、第8実施形態のように条件(iii)および条件(iv)による切替えの対応が不要となる。これにより、容易に損失の算出が可能になる。尚、制動回路41が動作した場合のVDC_2については、インバータ装置が従来備えている制動回路を動作させる基準電圧等と一致させてもよい。
(第10実施形態)
次に第10実施形態のインバータ装置について説明する。第10実施形態は、回生モードにおけるインバータ主回路への入力電圧の変動が少ない場合、簡便な算出方法を用いる点が第6実施形態から第9実施形態と異なっている。
インバータ主回路6への入力電圧すなわち直流部電圧は、電圧検出回路12により検出される。回生モードにおいて直流部電圧の変動が少ない場合、制御回路9は、以下のようにしてインバータ装置の入力電力Piを算出する。
制御回路9は、PEoutが負になった瞬間、もしくは負になる直前の一定期間の平均の直流部電圧VDC_1を記憶する。そして、直流部電圧がVDC_1に下がるまでは、上記した(21)式にて示したように入力電力Pi=0として算出する。一方、制御回路9は、直流部電圧がVDC_1以下に下がった場合には、上記した(1)〜(3)式により入力電力Piを算出する。これにより、複雑な演算を行うことなく、回生モードにおける回生エネルギーおよび損失を算出することができる。
(第11実施形態)
次に第11実施形態のインバータ装置を図7に基づいて説明する。第11実施形態では、各内部回路の損失を関数による算出ではなく、予め定義したテーブルにより行っている点において各実施形態と異なっている。
第11実施形態における整流回路4の損失Precの算出方法は、各実施形態と同様の考え方に基づいているものの、上記した第1〜第10実施形態では、内部回路の損失算出時に演算が必要になる。そこで、図7に示すようなルックアップテーブル(テーブルに相当)を予め設定しておき、演算の負荷を省略することが考えられる。これにより、制御回路9のCPUの消費電力を低減することができ、さらなる省エネを実現することができる。
なお、図7は、第1実施形態におけるインバータ主回路6の損失Pinvの一例であり、パラメータとして出力電流、変調率M、キャリア周波数fswを用いているが、損失への影響度を勘案してパラメータの種類を増減してもよい。なお、他の内部回路に対しても、同様のルックアップテーブルを用いてももちろんよい。
(その他の実施形態)
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
各実施形態ではインバータ装置の定格に基づいて算出する例を示したが、インバータ装置の定格ではなく、電動機の定格に基づく構成としてもよい。例えば、インバータ装置の定格と電動機の定格とは、必ずしも一致するとは限らず、インバータ装置の定格が電動機の定格よりも大きい場合や、その逆の場合がある。そのため、インバータ装置に接続される電動機の定格ごとに、電動機の特性に合わせて係数や関数式を複数準備し、電動機3の定格に応じて損失を算出するようにしてもよい。すなわち、インバータ装置の定格出力および電動機の定格のうち、いずれか一方あるいは双方に基づいて損失を算出する構成としてもよい。
また、例えば、図8に示すように、インバータ装置が交流電源タイプのAC冷却ファン33を含む場合には(3)式を以下の(29)式で代用してもよい。ただし、この場合においてAC冷却ファン33がON−OFF制御される場合には、ON時のみ加算すればよい。
total=PAC_fan+Prec+Pcapa+Pcont+Pinv ・・・(29)
ただし、PAC_fanはAC冷却ファン33の損失(W)
また、図8に示したように、交流電源2から電力供給される制御電源回路34を備えた構成も想定される。このような場合には(17)式を以下の(30)式に置き換えてもよい。
DC_2=PEout+Pinv ・・・(30)
この場合、図8の構成においては、各演算式は以下のようになるが、それぞれインバータ装置の内部回路の構成に合わせて詳細な演算式を改変すればよい事は明らかである。
i=Ptotal+PEout ・・・(1)
<AC冷却ファン駆動中の場合>
total=PAC_fan+Pcont+PAC_choke+Prec+PDC_choke+Pcapa+Pinv ・・・(31)
<AC冷却ファン停止中の場合>
total=Pcont+PAC_choke+Prec+PDC_choke+Pcapa+Pinv ・・・(32)
この(31)式または(32)式において、すなわち、AC冷却ファンの運転状態に応じて、以下の各式により、Ptotalを算出する。
inv=(PTc+PTsw+PDc+PDsw)×6 ・・・(4)
DC_2=PEout+Pinv ・・・(33)
DC_3=PEout+Pinv+Pcapa=PDC_2+Pcapa ・・・(34)
DC_choke=G・PDC_3 2+H・PDC_3+I ・・・(35)
ただし、G、H、Iは係数
DC_1=PEout+Pinv+Pcapa+PDC_choke=PDC_3+PDC_choke ・・・(36)
rec=D・PDC_1 2+E・PDC_1+F ・・・(20)
AC_1=PEout+Pinv+Pcapa+PDC_choke=PDC_1+Prec ・・・(37)
AC_choke=J・PAC_1 2+L・PAC_1+M ・・・(38)
ただし、J、L、Mは係数
cont=(1/K)×(Pcont_1) ・・・(14)
=Pcont_A+Pcont_opt1+Pcont_opt2+Pcont_opt3 ・・・(15)
これらの式により、入力電力の算出を行うことができる。
以上のように、整流回路、平滑コンデンサ回路、インバータ主回路、制御電源回路などからなる内部回路と、制御電源回路から直流電源の供給を受ける直流部回路を構成し、これら内部回路を制御する制御回路と、を備えるインバータ装置において、制御回路は、内部回路ごとに損失を算出し、その損失をインバータ装置の出力電力に加算することにより、インバータ装置の入力電力を算出する。また、制御回路は、インバータ主回路の損失を算出するときには、インバータ主回路の出力電流を変数とする。これにより、入力電流検出機能を追加することなく、精度よく入力電力を算出することができる。
図面中、1、20、30、40、60はインバータ装置、3は電動機(負荷装置)、4は整流回路、5は平滑コンデンサ回路、6はインバータ主回路、7、34は制御電源回路、9は制御回路、21は冷却ファン(強制冷却手段)、22は接続コネクタ(外部接続手段)、23は通信オプション(付属回路)、24は拡張端子台オプション(付属回路)、25は制御端子台(付属回路)、31は交流リアクトル、32は直流リアクトル、33はAC冷却ファン(強制冷却手段)、41は制動抵抗器、42は制動回路、50、51、52はテーブルを示す。

Claims (15)

  1. 整流回路、平滑コンデンサ回路、インバータ主回路、制御電源回路からなる内部回路と、前記制御電源回路から直流電源の供給を受ける直流部回路を構成し前記内部回路を制御する制御回路と、を備えるインバータ装置であって、
    前記制御回路は、前記内部回路ごとの損失を算出し、それらの損失を出力電力に加算することにより入力電力を算出するとともに、前記インバータ主回路の損失を算出するとき、当該インバータ主回路の出力電流を変数とすることを特徴とするインバータ装置。
  2. 前記インバータ主回路の損失を算出するとき、当該インバータ主回路へ入力される直流部電圧値を変数とすることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 前記インバータ主回路の損失を算出するとき、キャリア周波数を変数とすることを特徴とする請求項1または2記載のインバータ装置。
  4. 前記インバータ主回路の損失を算出するとき、出力力率を変数とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のインバータ装置。
  5. 前記インバータ主回路の損失を算出するとき、当該インバータ主回路の駆動条件に応じて算出に用いる関数の一部を切り替えることを変更することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のインバータ装置。
  6. 前記内部回路を冷却する強制冷却手段をさらに備え、
    前記強制冷却手段による損失を含めて入力電力を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のインバータ装置。
  7. 前記直流部回路を構成する付属回路を接続するための外部接続手段をさらに備え、 前記制御電源回路7の損失を算出するとき、前記外部接続手段に接続されている前記付属回路の種類および数量の少なくとも一方に基づいて、当該付属回路における損失を含んで前記制御電源回路の損失を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載のインバータ装置。
  8. 前記整流回路または平滑コンデンサ回路の損失を算出するとき、後段の回路への出力電力を変数として各内部回路における損失を算出することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載のインバータ装置。
  9. 前記整流回路または平滑コンデンサ回路の損失を算出するとき、後段への出力電力に加えて、他の変数を備えていることを特徴とする請求項8記載のインバータ装置。
  10. 前記内部回路の損失を算出するとき、負荷装置に対する定格出力ごとに予め設定されている値を係数として用いることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項記載のインバータ装置。
  11. 前記内部回路の損失を算出するとき、負荷装置に対する定格出力ごとに予め設定されている関数を用いることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載のインバータ装置。
  12. 前記内部回路の損失を算出するとき、予め設定されているテーブルを用いて損失を算出することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載のインバータ装置。
  13. 前記整流回路の前段に交流リアクトルを、又、前記整流回路の後段に直流リアクトルを接続可能であり、
    入力電力を算出するとき、前記交流リアクトル又は前記直流リアクトルにおける損失も含んで算出することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載のインバータ装置。
  14. 回生動作による運転が可能であり、
    入力電力を算出するとき、前記回生動作時におけるエネルギーの移動、及び当該エネルギーの移動に伴う損失も含んで算出することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項記載のインバータ装置。
  15. 前記整流回路の後段側に制動抵抗器を有する制動回路を接続可能であり、
    入力電力を算出するとき、前記制動抵抗器における消費エネルギーも含んで算出することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項記載のインバータ装置。
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