JP4307733B2 - N2−(1(s)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−l−リジル−l−プロリンの製造方法 - Google Patents

N2−(1(s)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−l−リジル−l−プロリンの製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、式(2):
Figure 0004307733
で表されるN−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(以下、リジノプリル(2)ともいう)を、高品質、高収率かつ経済的に商業的規模で有利に製造する方法に関する。N−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(2)(リジノプリル)は、血圧降下剤としてきわめて有用な化合物である。
背景技術
リジノプリル(2)は、一般式(1):
Figure 0004307733
(式中、Rはアルキル基を表す)で表されるN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンを、水存在下、塩基を用いて加水分解した後、酸を用いて混合物中の塩基成分をすべて中和することにより容易に合成することができる。しかしながら、この場合には、大量の塩類(加水分解されて生成するトリフルオロ酢酸の塩や、用いた塩基と酸から形成された塩)が共存することから、リジノプリル(2)の単離に際しては、リジノプリル(2)と上記塩類とを分離する必要がある。
これに関し、開示された方法としては、例えば、欧州特許第168769号明細書やジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)53、836−844、(1988)では、N−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンを、水酸化ナトリウムで加水分解した後、塩酸で酸性化し、形成された塩化ナトリウムや生成したトリフルオロ酢酸又はそのナトリウム塩等の全ての共存する物質は、イオン交換カラムを用いた処理により除去し、更に有機塩基を含有する溶離液(アンモニア水やピリジン水)を濃縮した後に塩酸で等電点に調整し、この際生成したアミン塩を含んだまま、最終的には水とエタノールの混合液からリジノプリル(2)を晶析させて分離採取している。
しかしながら、上記方法では操作が煩雑であることに加え、大量の塩類をイオン交換処理する必要があることや溶離液が希薄であること等から、設備が巨大化する、また溶離液の濃縮には長時間を要して時間や膨大な熱エネルギーを浪費する等生産性が悪い。更に、イオン交換樹脂の再生処理等も含めて、排水処理量は莫大となる、加えて、イオン交換カラムは雑菌が繁殖し易いという重大な問題を潜在的に含んでいる等の難点があり、工業生産上、有利な方法とは言い難い。
また、別の例としては、例えば、特開平8−253497号公報では、N−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンを有機塩基である水酸化テトラブチルアンモニウムで加水分解した後、有機酸であるトリフルオロ酢酸で中和することにより、形成される塩が全て有機塩であるテトラブチルアンモニウムのトリフルオロ酢酸塩とし、その塩のすべてが共存したまま、水とエタノール混合液からリジノプリル(2)を等電点において晶析させて、これを分離採取している。
しかしながら、上記方法も、水酸化テトラブチルアンモニウムやトリフルオロ酢酸といった特殊な試剤を使用しており、経済性や安全性の面から、工業生産上、有利な方法とは言い難い。
このように、従来、N−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(2)と上記塩類とを簡便かつ効率的に分離できる工業生産的に有利な方法は知られていなかった。
本発明は、N−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)をアルカリ加水分解した後、中和して得られる混合物から、形成された塩類とリジノプリル(2)とを、簡便かつ効率的に分離できる工業的に有利な方法を提供することを目的とするものである。
発明の要約
まず、本発明者らは、N−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンを、無機塩基である水酸化ナトリウムで加水分解した後、無機酸である塩酸又は有機酸であるトリフルオロ酢酸で中和して、形成される塩類を、塩化ナトリウムのような無機塩、又は、トリフルオロ酢酸ナトリウムのような有機酸塩とし、これら塩類を大量に溶解したまま水やエタノールのような溶剤系から式(2):
Figure 0004307733
で表されるN−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリンを晶出させて採取する方法について検討を行った結果、リジノプリル(2)結晶の取得収率や塩類の除去といった面で何れも不充分であることが判った。また、これら塩類が大量に共存することにより、リジノプリル(2)結晶の核化、成長が遅くなる、結晶の性状が悪くなって濾過性が低下する等、この方法には限界があることが判った。
しかし、リジノプリル(2)を晶出させる際の塩類の濃度を低めると、これらは改善される傾向を示したことから、リジノプリル(2)を晶出させて分離する上では、塩類を予め低減しておくことが必要と考えられた。この観点から、更に鋭意検討を行った結果、加水分解時に生成するトリフルオロ酢酸と用いた無機塩基とから形成される有機酸塩と、用いた無機塩基と無機酸の中和反応に由来する無機塩といった2種の異なる塩類を除去する観点から、溶剤に対する溶解性やリジノプリル(2)との相互作用といったその性質に応じて、各々の塩に対して最適な分離方法を設定するのが好ましいとの考えに至った。
すなわち、本発明は、一般式(1):
Figure 0004307733
(式中、Rはアルキル基を表す)で表されるN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンから式(2):
Figure 0004307733
で表されるN−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリンを製造するにあたって、
第一工程:1モルのN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)に対してnモル当量(但し、n≧3)の無機塩基を使用して、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中の何れかの溶剤系でアルカリ加水分解し、
第二工程:(n−1)モル当量〜nモル当量(但し、n≧3)の範囲の無機酸を使用して中和し、得られる当該混合液中に形成された、上記無機塩基と上記無機酸に由来する無機塩を、その溶解度を低下させて析出させるに適した溶剤系として、親水性有機溶剤中、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中の何れかの溶剤系から析出させて分離除去し、
第三工程:無機塩除去後の混合液中に存在するリジノプリル(2)を、親水性有機溶剤中、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中の何れかの溶剤系からその等電点において晶出させることにより、トリフルオロ酢酸由来の有機酸塩を主体とする塩類を母液に溶解させたまま、リジノプリル(2)を結晶として取得することからなる、N−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(2)の製造方法である。
本発明の方法により、リジノプリル(2)と塩類が共存する混合物から、簡便かつ効率的に、塩類含有量の少ないリジノプリル(2)を分離して採取できる。
発明の詳細な開示
第一工程においては、1モルのN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)に対してnモル当量(但しn≧3)の無機塩基を使用して、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中のいずれかの溶剤系でアルカリ加水分解する。
一般式(1):
Figure 0004307733
(式中、Rはアルキル基を表す)で表されるN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンにおけるRは、アルカリ条件下に加水分解しうる基であり、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは、エチル基である。
使用するN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)は、例えば、特開平1−254651号公報、特開平5−201882号公報や欧州特許第168769号明細書又はジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)53、836−844(1988)等に記載された方法を用いて調製することができる。
−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)の加水分解に用いる無機塩基としては特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩等を挙げることができる。これら塩基の具体的な例としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物等が挙げられるが、これら以外の塩基であってもよい。なかでも、塩基性のナトリウム化合物や塩基性のカリウム化合物が好ましい。これら塩基は、操作性等の観点から、水溶液として使用するのが好ましく、普通、例えば、5〜50重量%、好ましくは20〜48重量%の水溶液として使用するのが有利である。なお、これら塩基は、単独で使用することもできるが、また、2種以上を併用してもよく、例えば、炭酸水素ナトリウム1モル当量と水酸化ナトリウムを(n−1)モル当量(但しn≧3)を用いて好ましく実施することもできる。
用いる無機塩基のモル当量(n)としては、N−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)を加水分解するのに必要な量であり、一般的には、N−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)の3倍モル当量以上(n≧3)である。これら無機塩基は、一般に、最初から一度に添加して用いることもできるが、加水分解時のpHを一定に維持するように、又は、段階的に変化させるように、逐次添加することもできる。最終的には、pH12以上の混合液とすることが好ましい。
加水分解は、一般的には、水系で実施することができるが、また、他の有機溶剤を悪影響のない範囲で含ませて、水と親水性有機溶剤の混合液中で実施することもできる。含ませる親水性有機溶剤としては特に限定されないが、一般的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の炭素数1〜4の1価アルコール類等が挙げられ、その場合には、用いるN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンを表す一般式(1)中のRは、上記アルコールのアルキル基と同一の基であることが好ましい。特に好ましく用いることができるのはエタノールであり、その場合、先と同様、一般式(1)中のRはエチル基であることが好ましい。これら水と親水性有機溶剤の混合液、とりわけ、水と上記アルコール類との混合液を用いる場合の混合重量比は、一般的には、1:1〜1:99であるが、好ましくは1:1〜1:9であり、より好ましくは1:1〜1:7である。
加水分解する操作温度は、とくに高温を必要としないが、実用的には、一般に70℃以下、好ましくは60℃以下の溶剤が氷結しない温度で実施することができ、好ましくは0〜50℃、とりわけ30℃前後で好適に実施されうる。
第二工程においては、(n−1)モル当量〜nモル当量(但しn≧3)の範囲の無機酸を使用して中和し、得られる当該混合液中に形成された、上記無機塩基と上記無機酸に由来する無機塩を、その溶解度を低下させて析出させるに適した溶剤系として、親水性有機溶剤中、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中のいずれかの溶剤系から析出させて分離除去する。
中和に用いる無機酸の使用量としては、基本的に、第一工程でN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)の加水分解に用いた無機塩基の量(nモル当量)に対し、(n−1)モル当量である。これは、トリフルオロアセチル基の加水分解により無機塩基が1モル消費され、トリフルオロ酢酸と無機塩基とで有機酸塩を形成することによる。従って、この量の無機酸を用いたときには、トリフルオロ酢酸と無機塩基からなる有機酸塩が1モル当量、無機塩が(n−1)モル当量形成され、全ての用いた無機塩基成分が中和されて塩を形成する。この時、混合物のpHはリジノプリル(2)の等電点付近であり、一般的には、pH値は5.2±0.4程度である。
中和に用いる無機酸としては、とくに制限はないが、実用性の点から、強酸の使用が好ましく、とくに塩酸、硫酸などが好ましく、とりわけ塩酸が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの無機酸はそのまま用いることもできるが、水性液に希釈した溶液として用いることもできる。
トリフルオロ酢酸より強い酸性度を持つ無機酸、好ましくは塩酸を用いる場合には、等電点を越えて酸性化することも好ましく実施することができ、用いる無機酸の量としては、用いた無機塩基(nモル当量)に対し、(n−1)モル当量を越えてnモル当量までの範囲であり、用いた無機酸成分と同モル当量の無機塩を形成することができる。この時には、無機塩基成分と塩を形成しないトリフルオロ酢酸成分が増加することから、混合物のpHはリジノプリル(2)の等電点より低下する。
一方、(n−1)モル当量〜nモル当量の範囲以外の量の無機酸を用いた場合や、トリフルオロ酢酸より弱い酸を(n−1)モル当量を越えてnモル当量までの範囲で用いた場合には、無機塩基成分または無機酸成分が本工程で除去されずに残存し、後の工程でリジノプリル(2)を晶出分離する際、更なる中和が必要となり、また、その際に形成された塩が結晶に混入したり、晶出性を悪化させたりして、不都合を招くことから好ましくない。
上記操作における無機酸の添加時間は、特に制限はないが、全量が添加される時間として、一般に1/4時間以上、普通1/3時間以上、好ましくは1/2時間以上であり、生産性などの観点からは、一般に20時間以下、普通10時間以下、好ましくは5時間以下である。
中和して得られる当該混合液中に形成された無機塩を、その溶解度を低下させて析出させるに適した溶剤系としては、親水性有機溶剤を貧溶媒として用いることが効果的であり、親水性有機溶剤と水との混合液としたり、さらには親水性有機溶剤に置換することも好ましく実施できる。このような観点から選択されうる有機溶剤としては特に限定されないが、具体的な例としては、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどの炭素数1〜4の1価アルコール類;アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどがあげられるが、これら以外の親水性有機溶剤であってもよい。とりわけ、炭素数1〜4の1価アルコール類が好ましく、さらに、痕跡量で最終製品に持ち込まれた場合の人体への悪影響を少なくする点からはエタノールがとくに有利である。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用しても良い。また、除去する無機塩の種類によっては水からも好適に析出させることができる。
ここで用いる親水性有機溶剤の量としては、用いる親水性有機溶剤の種類や除去する無機塩の種類などにより異なることから、一概には云えないが、たとえば、有機溶剤を無機塩の貧溶媒として用いる場合には、有機溶剤比率を高めるほど、無機塩の除去率が向上する。このような観点から、水と親水性有機溶剤の重量比は一般に4:1〜1:99であるが、好ましくは1:1〜1:99、より好ましくは3:7〜1:99である。また、無機塩の種類によっては、水から析出させることも可能であり、その具体的な無機塩の例としては、たとえば、硫酸カリウム、硫酸カルシウムなどをあげることができる。上記無機塩は、当分野における専門書を参考としたり、簡単な実験により、水や有機溶剤への溶解度に基づいて選択することができ、これらは用いる無機塩基と無機酸の組み合わせから選択して生成させることができる。
生成した無機塩は速やかに析出する一方、リジノプリル(2)は結晶の核発生や成長に時間を要することから、無機塩を優先的に析出させ、分離除去することができる。さらに、より適した条件を選択して行うことも好ましく、たとえば、温度は低く保つ、例えば0〜30℃に保つことがより好ましい。
上記操作において、さらに好ましくは、中和に用いる無機酸として、トリフルオロ酢酸より強い酸性度を持つ無機酸を、その使用量として、用いた無機塩基(nモル当量)に対し(n−1)モル当量を越えてnモル当量までの範囲で用いて、等電点を越えて酸性化することが効果的である。とくにこの範囲においては、無機酸の使用量を増すほどその効果は高まり、無機酸を無機塩基と同モル当量(nモル当量)用いることが最も好ましい。これにより、リジノプリル(2)結晶の核発生・成長速度の低下、溶解度の向上により、リジノプリル(2)を殆どまたは全く析出させることなく、無機塩を優先的に析出させ濾過分離することができる。
本工程で得られた当該混合液より析出した無機塩は、遠心分離や加圧濾過等の一般的な固液分離操作により、簡便に分離除去することができる。
第三工程においては、無機塩の除去後の混合液中に存在するリジノプリル(2)を、親水性有機溶剤中、水と有機溶剤の混合液中または水中からその等電点において晶出させることにより、トリフルオロ酢酸由来の有機酸塩を主体とする塩類を母液に溶解させたまま、リジノプリル(2)を結晶として取得する。
第二工程で得られた、無機塩除去後の混合液中に存在するリジノプリル(2)を等電点条件下に晶出させる際、前工程の中和段階で(n−1)モル当量の無機酸を用いて既に等電点条件としている場合には、通常、特に処理を要しないが、無機酸を(n−1)モル当量を越えてnモル当量までの範囲で用いて等電点よりさらに酸性化している場合には、リジノプリル(2)の晶出率を高める為、塩基を用いて等電点条件とすることが好適であり、その操作で用いる塩基の量は、普通、(無機酸の使用モル当量)−(n−1)モル当量である。この際生成する中性塩は、前述のようにトリフルオロ酢酸の有機酸塩が主体となり、これは、リジノプリル(2)の晶析溶剤に溶解させたまま母液に除去して、リジノプリル(2)を良好に晶出させて効率的に分離採取することができる。
等電点に調整する際に用いる上記塩基は、特に制限はなく、たとえば、第一工程で加水分解に用いた無機塩基から選択して用いることもできるが、加えて、たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩なども好適に用いることができる。また、アンモニウム水、トリエチルアミン、ピリジンのようなアミン類などの有機塩基類を用いることもできる。好ましくは塩基性のナトリウム化合物や塩基性のカリウム化合物である。これらは単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本工程における、リジノプリル(2)の晶析溶剤としては、たとえば水、親水性有機溶剤またはそれらの混合液を用いることができる。とくに水と親水性有機溶剤との混合液を用いることが、トリフルオロ酢酸と塩基からなる有機酸塩の除去性やリジノプリル(2)の晶出性を良好とする点から好ましい。親水性有機溶剤の種類としては、第二工程で用いた親水性有機溶剤から選択して、置き換えて用いることもできるが、好ましくは、そのまま同種の溶剤系を用いることが、より簡便で経済的であることから有利である。また水に置き換えて用いることも好ましく実施できる。
リジノプリル(2)の晶析濃度としては、操作温度、用いる塩基の種類や量、晶析溶剤の組成、共存する塩類濃度により異なることから、とくに限定はできないが、結晶析出時の晶出量をより向上させるためには、できるだけ高い濃度の溶液とすることが好ましいが、塩類の結晶への混入を抑制する観点からは、あまり濃度を高め過ぎないことも重要である。実用的には、濃度の下限として5%以上、より好ましくは10%以上が好適であり、一方濃度の上限としては40%以下、より好ましくは30%以下である。一般的には10〜25%程度の濃度で好適に実施することができる。
リジノプリル(2)の晶出時に共存する、トリフルオロ酢酸由来の有機酸塩を主体とする塩類の濃度も、良好な結晶成長を促す点から重要である。操作の濃度、温度や方法、また共存する中性塩の種類などにもよることから、一般に規定することはできないが、一般的には15重量%以下、好ましくは10重量%以下であり、さらに好ましくは8重量%以下である。
リジノプリル(2)の晶析温度は、晶析溶剤組成、操作方法などにもよるので特に限定できないが、実用的には晶析溶剤の沸点以下の氷結しない温度で実施される。ことさら高温にする必要はないが、晶出時の温度を高めることは、リジノプリル(2)結晶の核化および成長速度を高めることにつながり好ましい。このような観点から、操作温度は、好ましくは40〜70℃で実施され、とりわけ50℃前後で好ましく実施される。最終的に20℃以下、好ましくは10℃以下に冷却して晶出量を増大させることができる。
晶出したリジノプリル(2)の結晶は、特別な操作を行うことなく、遠心分離や加圧濾過等の一般的な固液分離操作により、高収率、高品質かつ効率的に結晶として、容易に分離することができる。
本発明において、反応基質としてN−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンを用いた場合の実施態様としては、例えば、用いる無機塩基が塩基性のナトリウム化合物であり、無機酸が塩酸である場合、
第一工程においては、無機塩基として塩基性のナトリウム化合物をnモル当量(但し、n≧3)用いて、水または水とエタノールの混合液中、加水分解し、
第二工程においては、無機酸として塩酸をnモル当量用いて中和し、生成する塩化ナトリウムをエタノールまたはエタノールと水の混合液中から効率的に析出させて、濾過で分離除去し、
第三工程においては、塩化ナトリウム除去後の混合液に1モル当量の塩基性のナトリウム化合物を加え、生成したトリフルオロ酢酸ナトリウムをエタノールと水の混合液中に溶解させたまま、リジノプリル(2)を効率的に晶出させて、分離採取する。
また、もう1つの好ましい実施態様としては、例えば、用いる無機塩基が塩基性のカリウム化合物であり、無機酸が硫酸である場合、
第一工程においては、無機塩基として塩基性のカリウム化合物をnモル当量(但し、n≧3)用いて、水中または水とエタノールの混合液中、加水分解し、
第二工程においては、無機酸として硫酸を(n−1)モル当量用いて中和して、リジノプリル(2)の等電点とし、生成する硫酸カリウムを水中または水とエタノールの混合液中から効率的に析出させて、濾過で分離除去し、
第三工程においては、得られた濾液に含まれるトリフルオロ酢酸カリウムを水または水とエタノールの混合液に溶解させたまま、リジノプリル(2)を効率的に晶出させて、分離採取する。
発明を実施するための最良の形態
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、純度はHPLCを用いて測定し、絶対検量線法により算出した。水分含量はカールフィッシャー法により、また塩化ナトリウム含量はイオンクロマトを用いて算出した。HPLCの測定条件は以下のとおりである。
[HPLC]
カラム:カプセルパック UG−120(商品名、4.6mm×25cm、資生堂(株)製)
溶媒:60mM KHPO(pH2.8)/CHCN(90:10(容積比))
流速:1.0ml/分
温度:50℃
検出条件:UV210nm
実施例1
−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)32.0gと30重量%NaOH水溶液25.9gを混合し、攪拌しながら約4時間反応させた。これに濃塩酸20.1gを加えてpH2.8±0.5とし、この溶液をエタノールで2倍に希釈後、元の容量まで濃縮する操作を繰り返して、水の濃度を4±2重量%とした。この溶液にエタノールを添加して、リジノプリル(2)の濃度を22±2重量%とし、更に、1時間攪拌を続けた。析出物を濾過にて除去し、エタノール30mlで洗浄した。得られた濾液に15重量%NaOH水溶液16.1gを加え(pHは5.8を示した)、この溶液を45℃に加温して種晶を添加し、3時間攪拌後、2時間で5℃まで冷却し、更に、12時間攪拌を続けた。析出した結晶を濾過し、5℃に冷却した70重量%エタノール30mlで3回洗浄した。得られた結晶を真空乾燥(20〜50℃、30mmHgから1mmHgへ)し、リジノプリル(2)の2水和物22.7g〜23.5g(収率85〜88%)を得た。純度99%以上、水分含量8.2%。塩化ナトリウムの含有量は0.1重量%以下であった。
実施例2
−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)32.0gと30重量%NaOH水溶液25.9gを混合し、攪拌しながら約4時間反応させた。これに濃塩酸13.9gを加えてpH5.2±0.2とし、この溶液をエタノールで2倍に希釈後、元の容量まで濃縮する操作を繰り返して、水の濃度を4±2重量%とした。この溶液にエタノールを添加して、リジノプリル(2)の濃度を22±2重量%とし、更に、1時間攪拌を続けた。析出物を濾過にて除去し、エタノール30mlで洗浄した。得られた濾液に水15.0gを加え、この溶液を45℃に加温して種晶を添加し、3時間攪拌後、2時間で5℃まで冷却し、更に、12時間攪拌を続けた。析出した結晶を濾過し、5℃に冷却した70重量%エタノール30mlで3回洗浄した。得られた結晶を真空乾燥(20〜50℃、30mmHgから1mmHgへ)し、リジノプリル(2)の2水和物22.7g〜23.5g(収率85〜88%)を得た。純度99%以上、水分含量8.2%。塩化ナトリウムの含有量は0.1重量%以下であった。
実施例3
−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)32.0gと30重量%NaOH水溶液25.9gを混合し、攪拌しながら約4時間反応させた。これに濃塩酸20.1gを加えてpH2.8±0.5とし、この溶液をエタノールで2倍に希釈後、元の容量まで濃縮する操作を繰り返して、水の濃度を3±2重量%とした。この溶液に48重量%NaOH水溶液5.0gを加え(pHは5.7を示した)、更にエタノールを添加して、リジノプリル(2)の濃度を22±2重量%とし、1時間攪拌を続けた。析出物を濾過にて採取し、エタノール30mlで洗浄した。得られた濾液に水12.0gを加え、この溶液を45℃に加温して種晶を添加し、3時間攪拌後、2時間で5℃まで冷却し、更に、12時間攪拌を続けた。析出した結晶を濾過し、5℃に冷却した70重量%エタノール30mlで3回洗浄した。得られた結晶を真空乾燥(20〜50℃、30mmHgから1mmHgへ)し、リジノプリル(2)の2水和物22.7g〜23.5g(収率85〜88%)を得た。純度99%以上、水分含量8.2%。塩化ナトリウムの含有量は0.1重量%以下であった。
実施例4
−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)100.0gを48重量%NaOH水溶液50.4gとエタノール39.3gの混合液に添加し、攪拌しながら約4時間反応させた。これに濃塩酸62.9gを加えた後、この溶液にエタノールを添加してリジノプリル(2)の濃度を8±2重量%とし、更に1時間攪拌を続けた。析出物を濾過にて除去し、エタノール40mlで2回洗浄した。得られた濾液に10重量%NaOH水溶液75.5gを加え(pHは6.0を示した)、この溶液を45℃に加温して種晶を添加し、3時間攪拌後、2時間で5℃まで冷却し、更に、12時間攪拌を続けた。析出した結晶を濾過し、5℃に冷却した70重量%エタノール30mlで3回洗浄した。得られた結晶を真空乾燥(20〜50℃、30mmHgから1mmHgへ)し、リジノプリル(2)の2水和物65.9g〜70.0g(収率79〜84%)を得た。純度99%以上、水分含量8.2%。塩化ナトリウムの含有量は0.1重量%以下であった。
実施例5
−(1(S)−エトキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)30.0gと38重量%KOH水溶液17.0gを混合し、攪拌しながら約4時間反応させた。これに濃塩酸6.9gを加えてpH5.2±0.5とし、更に1時間攪拌を続けた。析出物を濾過にて除去し、水15mlで洗浄した。得られた濾液を45℃に加温して種晶を添加し、3時間攪拌後、2時間で5℃まで冷却し、更に、12時間攪拌を続けた。析出した結晶を濾過し、5℃に冷却した水15mlで3回洗浄した。得られた結晶を真空乾燥(20〜50℃、30mmHgから1mmHgへ)し、リジノプリル(2)の2水和物20.0g〜21.3g(収率80〜85%)を得た。純度99%以上、水分含量8.2%。硫酸カリウムの含有量は0.1重量%以下であった。
産業上の利用可能性
本発明の方法により、N−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリンを簡便かつ効率的に、工業的にも有利に製造することができる。

Claims (15)

  1. 一般式(1):
    Figure 0004307733
    (式中、Rはアルキル基を表す)で表されるN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリンから式(2):
    Figure 0004307733
    で表されるN−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリンを製造するにあたって、
    第一工程:1モルのN−(1(S)−アルコキシカルボニル−3−フェニルプロピル)−N−トリフルオロアセチル−L−リジル−L−プロリン(1)に対してnモル当量(但し、n≧3)の無機塩基を使用して、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中の何れかの溶剤系でアルカリ加水分解し、
    第二工程:(n−1)モル当量〜nモル当量(但し、n≧3)の範囲の無機酸を使用して中和し、得られる当該混合液中に形成された、前記無機塩基と前記無機酸とに由来する無機塩を、その溶解度を低下させて析出させるに適した溶剤系として、親水性有機溶剤中、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中の何れかの溶剤系から析出させて分離除去し、
    第三工程:無機塩除去後の混合液中に存在するN−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(2)を、親水性有機溶剤中、水と親水性有機溶剤の混合液中、又は、水中の何れかの溶剤系からその等電点において晶出させることにより、トリフルオロ酢酸由来の有機酸塩を主体とする塩類を母液に溶解させたまま、N−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(2)を結晶として取得する
    ことを特徴とする、N−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(2)の製造方法。
  2. 第一工程で使用する無機塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ土類金属水酸化物である請求項1記載の製造方法。
  3. 第一工程で使用する無機塩基は、塩基性のナトリウム化合物又は塩基性のカリウム化合物である請求項2記載の製造方法。
  4. 第二工程における無機酸の使用量が、(n−1)モル当量を越えてnモル当量(但し、n≧3)までの範囲であり、第三工程において、無機塩除去後の混合物を(無機酸の使用モル当量)−(n−1)モル当量の塩基を使用して等電点に調整する請求項1、2又は3記載の製造方法。
  5. 第二工程における無機酸の使用量が、nモル当量(但し、n≧3)であり第三工程において、無機塩除去後の混合物を1モル当量の塩基を使用して等電点に調整する請求項4記載の製造方法。
  6. 第三工程において等電点調整に使用する塩基は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物又はアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる無機塩基である請求項4又は5記載の製造方法。
  7. 第三工程において等電点調整に使用する塩基は、塩基性のナトリウム化合物又は塩基性のカリウム化合物である請求項6記載の製造方法。
  8. 第二工程において使用する無機酸は、塩酸又は硫酸である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の製造方法。
  9. 第二工程における無機塩の析出、及び、第三工程におけるN−(1(S)−カルボキシ−3−フェニルプロピル)−L−リジル−L−プロリン(2)の晶出を、水と親水性有機溶剤との混合液中から行う請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の製造方法。
  10. 混合液における水と親水性有機溶剤の重量比が、4:1〜1:99である請求項9記載の製造方法。
  11. 親水性有機溶剤として炭素数1〜4の1価アルコールを用いる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の製造方法。
  12. 親水性有機溶剤としてエタノールを用いる請求項11記載の製造方法。
  13. 一般式(1)において、Rが炭素数1〜4のアルキル基である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12記載の製造方法。
  14. 一般式(1)において、Rがエチル基である請求項13記載の製造方法。
  15. 第二工程において、形成させる無機塩が硫酸カリウム又は硫酸カルシウムであり、これを水中から析出させて分離除去する請求項1記載の製造方法。
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