JPH05178801A - L−フェニルアラニンの晶析方法 - Google Patents
L−フェニルアラニンの晶析方法Info
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- JPH05178801A JPH05178801A JP34465591A JP34465591A JPH05178801A JP H05178801 A JPH05178801 A JP H05178801A JP 34465591 A JP34465591 A JP 34465591A JP 34465591 A JP34465591 A JP 34465591A JP H05178801 A JPH05178801 A JP H05178801A
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- JP
- Japan
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- phenylalanine
- crystallization
- ammonium sulfate
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 製造工程を通して得られるL−フェニルアラ
ニンを水媒体中から晶析する方法において、硫酸アンモ
ニウム共存下に晶析することを特徴とするL−フェニル
アラニンの晶析方法。 【効果】 高純度、高収率でL−フェニルアラニン結晶
を得ることができ工業的に価値が高い。
ニンを水媒体中から晶析する方法において、硫酸アンモ
ニウム共存下に晶析することを特徴とするL−フェニル
アラニンの晶析方法。 【効果】 高純度、高収率でL−フェニルアラニン結晶
を得ることができ工業的に価値が高い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアミノ酸輸液さらには人
工甘味料アスパルテームの原料として有用なL−フェニ
ルアラニンの改良された晶析方法に関する。さらに詳し
くはL−フェニルアラニンを水媒体中から晶析するに際
し、ある種の無機塩の共存下に晶析させることにより晶
析収率を大幅に向上させる方法を提供するものである。
工甘味料アスパルテームの原料として有用なL−フェニ
ルアラニンの改良された晶析方法に関する。さらに詳し
くはL−フェニルアラニンを水媒体中から晶析するに際
し、ある種の無機塩の共存下に晶析させることにより晶
析収率を大幅に向上させる方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】L−フェニルアラニン(以下L−PAと
略記する)はアミノ酸輸液など医療用原料として有用で
あるだけでなく、近年急速にその需要が拡大している人
工甘味料アスパルテームの原料としても有用なアミノ酸
である。
略記する)はアミノ酸輸液など医療用原料として有用で
あるだけでなく、近年急速にその需要が拡大している人
工甘味料アスパルテームの原料としても有用なアミノ酸
である。
【0003】L−PAの製造法としては従来化学合成法
で得られるDL−フェニルアラニンをアシラーゼ等の光
学分割手法により光学分割する方法、桂皮酸からの酵素
法、或いは醗酵法など種々の製造法が知られているが、
いずれの方法においても最終的にL−PAを単離する方
法は一般的に水媒体系からの晶析法により行われてい
る。しかるにL−PAの水媒体中からの晶析は、L−P
Aの水に対する溶解度が例えば5℃で2重量%強と低温
でも比較的高く、それ故晶析収率を高めるには晶析時の
晶析マス中のL−PA濃度をできるだけ高めた条件で晶
析させる必要がある。
で得られるDL−フェニルアラニンをアシラーゼ等の光
学分割手法により光学分割する方法、桂皮酸からの酵素
法、或いは醗酵法など種々の製造法が知られているが、
いずれの方法においても最終的にL−PAを単離する方
法は一般的に水媒体系からの晶析法により行われてい
る。しかるにL−PAの水媒体中からの晶析は、L−P
Aの水に対する溶解度が例えば5℃で2重量%強と低温
でも比較的高く、それ故晶析収率を高めるには晶析時の
晶析マス中のL−PA濃度をできるだけ高めた条件で晶
析させる必要がある。
【0004】しかしながら、工業的には系中のL−PA
濃度を高めるにもハンドリング上限界があり、通常は1
5〜20重量%の範囲で晶析させる方法が一般的であ
る。そしてこのような晶析条件下ではL−PAの晶析収
率はたかだか85%程度であり晶析母液へのロスが大き
く、それ故一般的には晶析母液を循環使用して晶析収率
を高める方法が採られている。
濃度を高めるにもハンドリング上限界があり、通常は1
5〜20重量%の範囲で晶析させる方法が一般的であ
る。そしてこのような晶析条件下ではL−PAの晶析収
率はたかだか85%程度であり晶析母液へのロスが大き
く、それ故一般的には晶析母液を循環使用して晶析収率
を高める方法が採られている。
【0005】しかし上記の方法においては母液の循環使
用を繰り返すことにより、夾雑物の蓄積濃度が高まりL
−PAの品質劣化を招きかねない。また濃縮後、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノールなどの貧溶媒を添
加して回収率を向上させる方法も知られているが、この
方法ではアルコール溶媒の回収プロセスが必要となり、
設備が煩雑になると言わざるを得ない。
用を繰り返すことにより、夾雑物の蓄積濃度が高まりL
−PAの品質劣化を招きかねない。また濃縮後、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノールなどの貧溶媒を添
加して回収率を向上させる方法も知られているが、この
方法ではアルコール溶媒の回収プロセスが必要となり、
設備が煩雑になると言わざるを得ない。
【0006】さらにまた晶析母液を循環使用することな
く、1パスでのL−PA晶析収率を向上させる方法とし
て硫酸ナトリウムのような無機塩の共存下に晶析させる
方法も提案されているが、共存させる硫酸ナトリウムは
ある濃度以上の高い状態におく必要があり、しかも硫酸
ナトリウムはその水に対する溶解度が40℃付近を境に
急激に下がることから、得られるL−PA中に多量の硫
酸ナトリウムが混入し、結果としてL−PAの品質を劣
悪にしてしまうという問題がある。
く、1パスでのL−PA晶析収率を向上させる方法とし
て硫酸ナトリウムのような無機塩の共存下に晶析させる
方法も提案されているが、共存させる硫酸ナトリウムは
ある濃度以上の高い状態におく必要があり、しかも硫酸
ナトリウムはその水に対する溶解度が40℃付近を境に
急激に下がることから、得られるL−PA中に多量の硫
酸ナトリウムが混入し、結果としてL−PAの品質を劣
悪にしてしまうという問題がある。
【0007】このようにL−PAの水媒体中からの晶析
に関する先行技術は、必ずしも充分に満足のいく方法が
無いのが現状である。
に関する先行技術は、必ずしも充分に満足のいく方法が
無いのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は第一に
L−PAの品質を低下させることなく、且つ工程を煩雑
にすることなく、水媒体中からのL−PAの1パスでの
晶析収率を向上させることにある。
L−PAの品質を低下させることなく、且つ工程を煩雑
にすることなく、水媒体中からのL−PAの1パスでの
晶析収率を向上させることにある。
【0009】また第二の課題は、桂皮酸から酵素反応的
にL−PAを製造する方法において、反応後の除菌マス
から高収率にL−PAを単離する方法を提供することで
ある。
にL−PAを製造する方法において、反応後の除菌マス
から高収率にL−PAを単離する方法を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは前記課題達成
のため、水媒体中におけるL−PAの溶解度を著しく低
下させる方法について鋭意検討した結果、L−PAの晶
析混合物中に硫酸アンモニウムをある濃度以上共存させ
ることにより、L−PAの溶解度が顕著に低下すること
を見いだした。
のため、水媒体中におけるL−PAの溶解度を著しく低
下させる方法について鋭意検討した結果、L−PAの晶
析混合物中に硫酸アンモニウムをある濃度以上共存させ
ることにより、L−PAの溶解度が顕著に低下すること
を見いだした。
【0011】さらに硫酸アンモニウムは先行技術にある
硫酸ナトリウムとは異なり、水に対する溶解度が低温条
件下でも極端に下がる事はなく、それ故硫酸アンモニウ
ム共存下にて水媒体中からL−PAを晶析させる方法を
とることで、L−PAの晶析収率を大幅に向上できるだ
けでなく、得られるL−PAの品質も良好なることを見
いだした。
硫酸ナトリウムとは異なり、水に対する溶解度が低温条
件下でも極端に下がる事はなく、それ故硫酸アンモニウ
ム共存下にて水媒体中からL−PAを晶析させる方法を
とることで、L−PAの晶析収率を大幅に向上できるだ
けでなく、得られるL−PAの品質も良好なることを見
いだした。
【0012】図1にL−PAの水中での溶解度、図2に
種々の硫酸アンモニウム濃度下における5℃でのL−P
Aの溶解度を、また図3に硫酸アンモニウムおよび硫酸
ナトリウムの水に対する溶解度を示す。本発明はこのよ
うな知見にもとづいて完成されたものである。
種々の硫酸アンモニウム濃度下における5℃でのL−P
Aの溶解度を、また図3に硫酸アンモニウムおよび硫酸
ナトリウムの水に対する溶解度を示す。本発明はこのよ
うな知見にもとづいて完成されたものである。
【0013】即ち、本発明は製造工程を通して得られる
L−フェニルアラニン水溶液からの晶析法にてL−フェ
ニルアラニンを単離する方法において、硫酸アンモニウ
ムの共存下に晶析させることを特徴とするL−フェニル
アラニンの晶析方法である。
L−フェニルアラニン水溶液からの晶析法にてL−フェ
ニルアラニンを単離する方法において、硫酸アンモニウ
ムの共存下に晶析させることを特徴とするL−フェニル
アラニンの晶析方法である。
【0014】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のL−フェニルアラニンの晶析法は、製造工程を通し
て得られるL−フェニルアラニンを水媒体中から晶析す
る方法において、硫酸アンモニウム共存下に晶析させる
ことを特徴とする。
明のL−フェニルアラニンの晶析法は、製造工程を通し
て得られるL−フェニルアラニンを水媒体中から晶析す
る方法において、硫酸アンモニウム共存下に晶析させる
ことを特徴とする。
【0015】晶析時に共存させる硫酸アンモニウムは、
図2からわかるように、その濃度が低すぎるとL−PA
の溶解度を低下させる効果が小さい。従って晶析収率を
高める観点から、通常は、晶析マス中の硫酸アンモニウ
ム濃度として8重量%以上好ましくは10重量%以上が
良い。硫酸アンモニウム濃度の上限に関しては、基本的
に制限はないが、あまり高濃度にすると硫酸アンモニウ
ムの析出を伴い、得られるL−PAの品質を低下させる
ことから40重量%程度が上限である。
図2からわかるように、その濃度が低すぎるとL−PA
の溶解度を低下させる効果が小さい。従って晶析収率を
高める観点から、通常は、晶析マス中の硫酸アンモニウ
ム濃度として8重量%以上好ましくは10重量%以上が
良い。硫酸アンモニウム濃度の上限に関しては、基本的
に制限はないが、あまり高濃度にすると硫酸アンモニウ
ムの析出を伴い、得られるL−PAの品質を低下させる
ことから40重量%程度が上限である。
【0016】本発明において硫酸アンモニウムは濃縮前
の比較的低濃度のL−PA水溶液段階で添加、溶解させ
る方法、またL−PAを所定濃度まで濃縮した後に添加
して溶解させる方法のいずれでもよい。
の比較的低濃度のL−PA水溶液段階で添加、溶解させ
る方法、またL−PAを所定濃度まで濃縮した後に添加
して溶解させる方法のいずれでもよい。
【0017】また本発明においては製造工程を通して得
られるL−PAの水溶液が、桂皮酸とアンモニアとの反
応により製造される水溶液に多用されるものである。何
故なら、桂皮酸とアンモニアから酵素的にL−PAを製
造する方法は、通常アンモニアリアーゼなる酵素を用い
て実施されるが、この反応は大過剰のアンモニアの存在
下に実施される。従って、反応後除菌して得られるL−
PA水溶液には著しく過剰のアンモニアが残存する系で
あり、この除菌マスを硫酸で部分中和することにより、
所定量の硫酸アンモニウムを共存させることが容易にで
きる。
られるL−PAの水溶液が、桂皮酸とアンモニアとの反
応により製造される水溶液に多用されるものである。何
故なら、桂皮酸とアンモニアから酵素的にL−PAを製
造する方法は、通常アンモニアリアーゼなる酵素を用い
て実施されるが、この反応は大過剰のアンモニアの存在
下に実施される。従って、反応後除菌して得られるL−
PA水溶液には著しく過剰のアンモニアが残存する系で
あり、この除菌マスを硫酸で部分中和することにより、
所定量の硫酸アンモニウムを共存させることが容易にで
きる。
【0018】即ち、通常はこのまま加熱して過剰のアン
モニアを除去する方法が採られているが、本発明の方法
を適用すれば、該除菌マス中のアンモニアを利用して、
最終的にL−PA晶析単離する際の系中硫酸アンモニウ
ム濃度が10〜40重量%になるように、硫酸で部分中
和してから所定の単離操作に移行させることで、L−P
Aの単離収率を高められるものである。
モニアを除去する方法が採られているが、本発明の方法
を適用すれば、該除菌マス中のアンモニアを利用して、
最終的にL−PA晶析単離する際の系中硫酸アンモニウ
ム濃度が10〜40重量%になるように、硫酸で部分中
和してから所定の単離操作に移行させることで、L−P
Aの単離収率を高められるものである。
【0019】本発明においてL−PAの晶析温度は当然
のことながら、温度が高いとL−PAの溶解度も高くな
り、その分晶析収率の低下につながることから、通常2
0℃以下好ましくは10℃以下の温度条件にて実施され
る。
のことながら、温度が高いとL−PAの溶解度も高くな
り、その分晶析収率の低下につながることから、通常2
0℃以下好ましくは10℃以下の温度条件にて実施され
る。
【0020】本発明の方法においては晶析されたL−P
Aの単離は一般的な固液分離操作にて行われ、さらに少
量の水で洗浄することにより高品質のL−PAを単離す
ることができる。
Aの単離は一般的な固液分離操作にて行われ、さらに少
量の水で洗浄することにより高品質のL−PAを単離す
ることができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定させるものではない。 実施例1 L−フェニルアラニン15重量%のスラリー液100g
に硫酸アンモニウム25gを装入し溶解した。これを5
℃に冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニン
を晶析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥
することにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を得
た。 収量 14.2g 純度 99.0%以上 収率 94%
するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に限定させるものではない。 実施例1 L−フェニルアラニン15重量%のスラリー液100g
に硫酸アンモニウム25gを装入し溶解した。これを5
℃に冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニン
を晶析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥
することにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を得
た。 収量 14.2g 純度 99.0%以上 収率 94%
【0022】実施例2 L−フェニルアラニン20重量%のスラリー液100g
に硫酸アンモニウム25gを装入し溶解した。これを2
0℃に冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニ
ンを晶析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾
燥することにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を
得た。 収量 14.0g 純度 99.0%以上 収率 93%
に硫酸アンモニウム25gを装入し溶解した。これを2
0℃に冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニ
ンを晶析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾
燥することにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を
得た。 収量 14.0g 純度 99.0%以上 収率 93%
【0023】実施例3 L−フェニルアラニン15重量%のスラリー液100g
に硫酸アンモニウム12gを装入し溶解した。これを5
℃に冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニン
を晶析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥
することにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を得
た。 収量 13.6g 純度 99.0%以上 収率 90%
に硫酸アンモニウム12gを装入し溶解した。これを5
℃に冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニン
を晶析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥
することにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を得
た。 収量 13.6g 純度 99.0%以上 収率 90%
【0024】実施例4 6.5重量%のL−フェニルアラニン水溶液700gに
硫酸アンモニウム60gを装入し溶解した。この溶液を
300gまで60℃で減圧濃縮し、5℃に冷却し攪拌し
ながら1時間でL−フェニルアラニンを晶析させ、結晶
を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥することにより、
白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 42.3g 純度 99.0%以上 収率 92%
硫酸アンモニウム60gを装入し溶解した。この溶液を
300gまで60℃で減圧濃縮し、5℃に冷却し攪拌し
ながら1時間でL−フェニルアラニンを晶析させ、結晶
を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥することにより、
白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 42.3g 純度 99.0%以上 収率 92%
【0025】実施例5 桂皮酸と炭酸アンモニウム水溶液とのアンモニアリアー
ゼを含む菌体の酵素反応により生成したL−フェニルア
ラニンを含む反応液を、除菌フィルターにて菌体由来物
を除去し得られた未反応桂皮酸を含むL−フェニルアラ
ニン水溶液1604g(L−フェニルアラニン含量:8
5.1g)に硫酸を85.1g滴下装入して過剰に存在
するアンモニアを部分中和した。次にこの溶液を徐々に
100℃まで加熱し、系中の炭酸アンモニウムを系外に
留去させたのち、さらに硫酸6.9gを滴下して溶液の
pHを4に調製した。さらにこの溶液に活性炭8.5g
を添加して80℃で30分攪拌処理したのち熱濾過、湯
洗し得られた濾洗液中の桂皮酸をトルエン430gで2
回抽出除去した。次いで、トルエン抽出後の水溶液を減
圧下に濃縮マス量が708gになるまで濃縮後、5℃に
冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニンを晶
析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥する
ことにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 80.4g 純度 98.5%以上 収率 93%/除菌マス中L−フェニルアラニン
ゼを含む菌体の酵素反応により生成したL−フェニルア
ラニンを含む反応液を、除菌フィルターにて菌体由来物
を除去し得られた未反応桂皮酸を含むL−フェニルアラ
ニン水溶液1604g(L−フェニルアラニン含量:8
5.1g)に硫酸を85.1g滴下装入して過剰に存在
するアンモニアを部分中和した。次にこの溶液を徐々に
100℃まで加熱し、系中の炭酸アンモニウムを系外に
留去させたのち、さらに硫酸6.9gを滴下して溶液の
pHを4に調製した。さらにこの溶液に活性炭8.5g
を添加して80℃で30分攪拌処理したのち熱濾過、湯
洗し得られた濾洗液中の桂皮酸をトルエン430gで2
回抽出除去した。次いで、トルエン抽出後の水溶液を減
圧下に濃縮マス量が708gになるまで濃縮後、5℃に
冷却し攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニンを晶
析させ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥する
ことにより、白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 80.4g 純度 98.5%以上 収率 93%/除菌マス中L−フェニルアラニン
【0026】比較例1 L−フェニルアラニン15重量%のスラリー液100g
に硫酸アンモニウムを添加をせず、これを5℃に冷却し
攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニンを晶析さ
せ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥すること
により、白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 12.5g 純度 99.0%以上 収率 83%
に硫酸アンモニウムを添加をせず、これを5℃に冷却し
攪拌しながら1時間でL−フェニルアラニンを晶析さ
せ、結晶を吸引濾過し少量の冷水で洗浄後乾燥すること
により、白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 12.5g 純度 99.0%以上 収率 83%
【0027】比較例2 実施例5において、硫酸による除菌マスの部分中和を行
わない以外は実施例5と同様の操作を、除菌フィルター
にて菌体由来物を除去し得られた未反応桂皮酸を含むL
−フェニルアラニン水溶液1812gを用いて行って、
白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 93.7g 純度 98.0%以上 収率 83%
わない以外は実施例5と同様の操作を、除菌フィルター
にて菌体由来物を除去し得られた未反応桂皮酸を含むL
−フェニルアラニン水溶液1812gを用いて行って、
白色のL−フェニルアラニン結晶を得た。 収量 93.7g 純度 98.0%以上 収率 83%
【0028】
【発明の効果】本発明方法によれば高純度、高収率でL
−フェニルアラニン結晶を得ることができ工業的に価値
の高い方法である。
−フェニルアラニン結晶を得ることができ工業的に価値
の高い方法である。
【図1】L−PAの水中での溶解度を示す図。
【図2】L−PA溶解度と硫酸アンモニウム濃度との関
係を示す図。
係を示す図。
【図3】水への硫酸アンモニウムの溶解度を表す曲線
図。
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三田 隆一 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】製造工程を通して得られるL−フェニルア
ラニンを水媒体中から晶析する方法において、硫酸アン
モニウム共存下に晶析することを特徴とするL−フェニ
ルアラニンの晶析方法。 - 【請求項2】L−フェニルアラニン晶析時の硫酸アンモ
ニウム濃度が系中濃度で8%以上である請求項1記載の
方法。 - 【請求項3】製造工程を通して得られるL−フェニルア
ラニンが桂皮酸とアンモニアとの酵素反応により得られ
るL−フェニルアラニン水溶液である請求項1記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34465591A JP2951785B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | L−フェニルアラニンの晶析方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34465591A JP2951785B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | L−フェニルアラニンの晶析方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05178801A true JPH05178801A (ja) | 1993-07-20 |
JP2951785B2 JP2951785B2 (ja) | 1999-09-20 |
Family
ID=18370955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34465591A Expired - Fee Related JP2951785B2 (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | L−フェニルアラニンの晶析方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2951785B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0703214A2 (en) | 1994-09-26 | 1996-03-27 | Ajinomoto Co., Inc. | Method of obtaining phenylalanine anhydrous crystals |
CN106674037A (zh) * | 2016-12-23 | 2017-05-17 | 浙江工业大学 | 一种从阿巴斯甜合成母液中分离l‑苯丙氨酸的方法 |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP34465591A patent/JP2951785B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0703214A2 (en) | 1994-09-26 | 1996-03-27 | Ajinomoto Co., Inc. | Method of obtaining phenylalanine anhydrous crystals |
EP0703214A3 (en) * | 1994-09-26 | 1996-10-30 | Ajinomoto Kk | Process for the production of anhydrous phenylalanine crystals |
CN106674037A (zh) * | 2016-12-23 | 2017-05-17 | 浙江工业大学 | 一种从阿巴斯甜合成母液中分离l‑苯丙氨酸的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2951785B2 (ja) | 1999-09-20 |
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