JP2942380B2 - メタクリルアミドの精製方法 - Google Patents

メタクリルアミドの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は風防ガラス、写真フィル
ム、凝集剤等の分野における改質剤として好適な高純度
のメタクリルアミドを粗メタクリルアミド水溶液から精
製によって調整する方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】メタクリルアミドの製造方
法としては、多くの方法が知られている。
【0003】例えばアセトンシアンヒドリン(以下、A
CHと略する)と硫酸からメタクリルアミド硫酸塩を得
て、これを中和して製造する方法;メタクリロニトリル
を水和して製造する方法等が挙げられる。
【0004】上記の方法で製造されるメタクリルアミド
は、繊維改質剤や塗料・接着剤等のエマルション製造原
料等の分野においては、十分使用できるものの、風防ガ
ラス等の用途には、品質的に使用できない。
【0005】なぜなら、このような分野の樹脂製品は、
高度の透明性を要求されるものが多いため、微量の重合
物等のような不純物の混入によっても、品質への影響が
大きいことによるものである。
【0006】かかる高純度のメタクリルアミドを製造す
るためには、精製工程を必要とし、精製法としては最も
現実的な方法として、再結晶する方法がある。このよう
な再結晶法の一つとして、例えば、特公昭59−506
66号(米国特許第4465856号)には、アルカリ
条件下で晶析操作を行なうことが開示されている。
【0007】しかしながら、再結晶によりメタクリルア
ミドを精製する場合、結晶を分離して得られる母液は、
次の晶析工程の原料としてリサイクルすることが好まし
いが、リサイクルを繰り返すと、メタクリルアミドの品
質が急激に悪化するという問題点を有している。
【0008】このような品質の悪化を押えるために、母
液を活性炭で処理する方法も採用されるが、この方法も
満足できる品質を維持することはできず、母液の一部を
系外へ排出しなければならないという問題点を有してい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような問
題点を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、晶析後の母
液のpHを5以下として、不溶解分を除去する方法が優
れているということを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち、本発明は、粗メタクリルアミド
をメタクリルアミド水溶液から再結晶して精製するに際
して、メタクリルアミド水溶液の水素イオン濃度を少な
くともpH8以上に調整して晶析を行ない、メタクリル
アミド結晶を分離したのち、得られる母液の5重量%以
上をpH5以下に調整して析出する不溶解分を分離して
再使用することを特徴とするメタクリルアミドの精製方
法である。
【0011】上記した本発明の方法によって精製したメ
タクリルアミドは、極めて高品質であり、風防ガラス等
の用途に好適である。
【0012】本発明の方法において、再結晶の原料とし
て使用されるメタクリルアミドは、どのような方法で製
造されたものでもよい。一般的には、ACHと濃硫酸に
より製造されるメタクリルアミド硫酸塩を、アンモニア
等のアルカリを用いて中和して得られる粗メタクリルア
ミドが対象となる。
【0013】以下、本発明におけるメタクリルアミドの
精製方法について説明する。
【0014】本発明のメタクリルアミドの精製方法は、
基本的には通常の再結晶方法と同様に、粗メタクリルア
ミドの水への溶解、メタクリルアミド水溶液のpH調
整、晶析、遠心分離および乾燥の各工程からなる。
【0015】さらに、その一例を示せば、ACHを硫酸
によりアミド化反応することによって得られるメタクリ
ルアミド硫酸塩は、アンモニアによって中和され、析出
した結晶は遠心分離されて粗メタクリルアミド結晶が得
られる。粗結晶は溶解され、pH8以上に調整され、晶
析され、結晶と母液とに分離される。結晶は乾燥されて
精製結晶が得られる。
【0016】上記工程において粗メタクリルアミド結晶
を溶解する溶媒としては、水を使用する。溶解温度は3
0〜60℃の範囲、好ましくは40〜55℃の範囲で溶
解することが、製品の品質および晶析の効率の面からよ
い。メタクリルアミドの水への溶解度は、温度30〜6
0℃に対し25〜70重量%であり、また、40〜55
℃に対し35〜59重量%である。次の工程への移液等
を考慮した場合、溶解条件としては、温度50℃、メタ
クリルアミド濃度35〜50重量%の条件が好ましい態
様である。
【0017】次いで、上記メタクリルアミド水溶液の水
素イオン濃度を少なくともpH8以上、好ましくは8〜
13の範囲のアルカリ性に調整する。pHの調整に使用
するアルカリは、特に限定されず、任意のものが使用可
能であり、通常、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
の水酸化物や炭酸塩、アンモニア等が使用される。特
に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの使用が好まし
い。
【0018】次に、メタクリルアミド水溶液からメタク
リルアミドを晶析させる。
【0019】本発明における晶析方法は、通常のどのよ
うな方法を用いてもかまわないが、冷却晶析または濃縮
晶析が好ましい。晶析は回分式と連続式のいずれの方法
でも実施可能である。
【0020】晶析したメタクリルアミドは遠心分離等の
方法で水溶液から分離され、分離された結晶は常法によ
り乾燥して製品とされる。
【0021】一方、本発明者らの新しい知見によれば、
分離された母液中には、原料メタクリルアミドに含まれ
る重合物や晶析工程で生成する少量の重合物が含まれ、
従って、従来法による粗メタクリルアミドの溶解工程へ
の母液の繰り返し使用は、急激に製品の品質を悪化させ
ることを見出した。
【0022】そこで、本発明では、酸性条件下で母液中
の重合物は急に溶解度を低下し析出するというあらたな
知見を利用して、母液の水素イオン濃度をpH5以下と
して母液中に溶解している重合物を析出させる方法を採
用することとした。
【0023】母液のpH調整には、通常の鉱酸や有機酸
を使用することができ、特に好ましい酸は硫酸と塩酸で
ある。pHは5以下とすることが必要である。この場
合、pHを強酸性に調整することも可能であるが、母液
が不安定となるので好ましくなく、より望ましくは、p
H1〜4の範囲である。
【0024】pHを調整する液量は、得られる母液全量
でもよいが、一部を処理することでも製品の品質の維持
は可能である。しかしながら、得られる母液量の5重量
%以上、より好ましくは10〜80重量%を処理するこ
とが製品品質を維持する上で好ましい。
【0025】母液のpH調整によって析出する重合物等
の不溶解分は分離される。分離法はフィルタープレス、
カートリッジタイプのラインフィルター、遠心分離機等
のような通常の分離装置を用いて、行なうことができ
る。
【0026】不溶解分を分離した液は、適宜の工程に循
環し再利用される。しかしながら、本発明においては、
次に示す2つの方法をより好ましい方法として示すこと
ができる。
【0027】すなわち、第1の方法は析出する不溶解分
を分離し、この液をメタクリルアミド硫酸塩の中和工程
へリサイクルする方法であり、第2の方法は析出する不
溶解分は分離し、陰イオン成分を除去した後、次回の晶
析工程より具体的には粗メタクリルアミドの溶解工程
へリサイクルする方法である。
【0028】上記した第1の方法においては、母液の5
〜100重量%、より好ましくは10〜80重量%がメ
タクリルアミド硫酸塩の中和工程へリサイクルされ、残
りの95〜0重量%、より好ましくは90〜20重量%
がpH5以下に調整されることなくpH8以上である粗
メタクリルアミドの溶解工程へリサイクルされる。メタ
クリルアミド硫酸塩の中和工程におけるpHは通常5以
下に保たれているので、pH調整により析出する不溶解
分を分離した液は、そのままリサイクルすることが可能
である。
【0029】上記した第2の方法においては、母液は析
出物を分離除去したのち陰イオン成分が除去されるが、
この目的には陰イオン交換樹脂を採用することが好まし
い。この方法において採用される陰イオン交換樹脂は、
強塩基性と弱塩基性のいずれも使用可能である。例え
ば、ダイヤイオンSA10A、同PA312、同PA3
16(いずれも三菱化成(株)製、商品名);アンバー
ライトIRA−401、同IRA−900(いずれもオ
ルガノ(株)製、商品名);レバチットMP500(バ
イエル社製、商品名)等が挙げられる。
【0030】母液を陰イオン交換樹脂で処理する方法
は、流動法と浸漬法のいずれも可能であるが、充填カラ
ムで液を処理する流動法が好ましい。その際、処理時間
や流速等は通常の条件でよく、処理温度は陰イオン交換
樹脂の耐用温度以下であれば、特に制限はない。
【0031】上記のようにして処理された母液は、次回
の晶析工程の溶解液としてリサイクル使用することがで
きる。この方法による場合は母液の全量をpH5以下に
調整して粗メタクリルアミドの溶解工程にリサイクルさ
せても良いし、前記第1の方法と同様に一部の母液をp
H調整して析出物を分離除去したのち陰イオン交換樹脂
で処理し次回の粗メタクリルアミドの溶解工程にリサイ
クルし、残りの母液をそのまま粗メタクリルアミドの溶
解工程にリサイクルしても良い。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。以下において「%」は特記する以外は重量基準であ
る。
【0033】なお、得られたメタクリルアミドの分析法
は、次の通りである。
【0034】純度は臭素付加法により二重結合値を求
め、ガスクロマトグラフィーによってメタクリル酸を分
析し、この値を補正することにより求めた。
【0035】色相(APHA)はメタクリルアミド10
%水溶液で標準色度と比較して求めた。
【0036】水分はカールフィッシャー法により測定し
た。
【0037】透視度はJIS−K−0102に従い、メ
タクリルアミド100gをメタノール400mlに溶かし
た液を用いて、透視度計(最大目盛り50cm)により測
定した。
【0038】実施例1 ・原料の粗メタクリルアミドの合成 メタクリルアミド硫酸塩を硫酸/ACHのモル比1.
7、アミド化温度160℃の条件で、アミド化率93.
5モル%にて製造した。
【0039】攪拌機付き、容量3lのフラスコに水97
4mlを入れ、上記メタクリルアミド硫酸塩739gを液
温30℃以下で滴下した。
【0040】次いで、アンモニアガスを液温40〜45
℃に保ちながら、液のpHが2.5になるまで吹込み、
中和した。得られたスラリーを遠心分離した後、冷水2
40mlで結晶を洗浄した。得られた含水結晶をロータリ
ーエバポレーター(50mmHg、70℃)で、20分間減
圧乾燥した。
【0041】このとき、得られた粗メタクリルアミド
は、純度99.3%、色相(APHA)20、透視度3
であった。
【0042】晶析の原料として使用する粗メタクリルア
ミドは、全て同様の方法で合成した。・晶析 攪拌機付き、容量1lのフラスコに水220mlを入れ、
50℃に加温し、上記の粗メタクリルアミドを濃度47
%となるように添加し、溶解させた。さらに、48%苛
性ソーダ水溶液を添加して、pHを10に調整した。
【0043】得られたメタクリルアミド水溶液を30分
間放冷し、その後、30分間で15℃まで冷却して、結
晶を析出させた。
【0044】得られたスラリーを十分に遠心脱水した。
さらに、冷水40mlを噴霧して、結晶を洗浄した。得ら
れた含水結晶はロータリーエバポレーターで空気を吹込
みながら60℃で乾燥し、精メタクリルアミド143g
を得た。
【0045】この精メタクリルアミドは、純度99.5
%以上、水分0.4%、色相(APHA)10以下およ
び透視度50以上であった。
【0046】また、メタクリルアミド濃度17%の母液
が270g得られた。
【0047】この母液の全量を攪拌機付き、容量1lの
フラスコに入れ、98%硫酸を用いてpHを3に調整し
た。プレコートしたセライト付き濾紙を備えたヌッチェ
で、析出した不溶解分を減圧濾過により除去し、処理さ
れた母液を255g得た。
【0048】この母液の全量を粗メタクリルアミドの合
成工程へリサイクルした。 ・合成−1(原料の粗メタクリルアミド)攪拌機付き、
容量3lのフラスコに水710mlおよび上記の処理され
た母液255gを入れ、上記のメタクリルアミド硫酸塩
603gを液温30℃以下に滴下した。次いで、アンモ
ニアガスを液温40〜45℃に保ちながら、液のpHが
2 .5になるまで吹込み、中和した。
【0049】得られたスラリーを遠心分離した後、冷水
240mlで結晶を洗浄した。得られた含水結晶をロータ
リーエバポレーターにより、50mmHg、70℃の条件
で、20分間減圧乾燥し、粗メタクリルアミドを得た。 ・晶析(リサイクル−1) 上記の粗メタクリルアミドを用いて、上記の「・晶析」
の操作と全く同様に晶析して、精メタクリルアミドを得
た。
【0050】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表1示す。
【0051】また、母液の全量を上記の「・晶析」の操
作と全く同様に処理して、次の粗メタクリルアミドの合
成工程へリサイクルした。 ・晶析(リサイクル−2〜5) 上記の「・晶析(リサイクル−1)」と全く同様の操作
を繰り返して、精メタクリルアミドを得た。
【0052】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表1に示す。
【0053】母液の全量のリサイクルによる精メタクリ
ルアミドの収量と品質の低下は、全く認められなかっ
た。
【0054】実施例2 ・晶析 「実施例1・原料の粗メタクリルアミドの合成」の操作
と全く同様にして、粗メタクリルアミドを合成した。
【0055】この粗メタクリルアミドを用いて、「実施
例1・晶析」の操作と全く同様に晶析して、精メタクリ
ルアミド142gを得た。
【0056】この精メタクリルアミドは、純度99.5
%以上、水分0.4%、色相(APHA)10以下およ
び透視度50以上であった。
【0057】また、メタクリルアミド濃度17%の母液
が270g得られた。
【0058】この母液の半量について、「実施例1・晶
析」の操作と同様にpH調整、不溶解分の除去後、粗メ
タクリルアミドの合成工程へリサイクルした。
【0059】一方、残りの半量の母液は、未処理のま
ま、次の晶析工程での粗メタクリルアミドの溶解液の一
部として使用した。・晶析(リサイクル−1)攪拌機付
き、容量3lのフラスコに水864mlおよび上記の処理
された母液132gを入れ、「実施例1・原料の粗メタ
クリルアミドの合成」中のメタクリルアミド硫酸塩67
0gを液温30℃以下で滴下した。
【0060】これ以降、「実施例1・合成−1(原料の
粗メタクリルアミド)」と同様の操作を行ない、粗メタ
クリルアミドを合成した。
【0061】次に、攪拌機付き、容量1lのフラスコに
水108mlおよび上記の未処理母液135gを入れ、5
0℃に加温し、上記の粗メタクリルアミドを濃度47%
となるように添加し、溶解させた。
【0062】これ以降、この溶液を用いて、「実施例1
・晶析」の操作と全く同様に晶析して、精メタクリルア
ミドを得た。
【0063】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表1に示す。
【0064】また、メタクリルアミド濃度17%の母液
を得た。
【0065】この母液の半量について、「実施例1・晶
析」の操作と同様にpH調整、不溶解分を除去した後、
粗メタクリルアミドの合成工程へリサイクルした。
【0066】一方、残りの半量の母液は、未処理のま
ま、次の晶析工程での粗メタクリルアミドの溶解液の一
部として使用した。 ・晶析(リサイクル−2〜5) 上記の「・晶析(リサイクル−1)」と全く同様の操作
を繰り返して、精メタクリルアミドを得た。
【0067】この精メタクリルアミドの収量と分析値を
表1に示す。
【0068】母液の全量のリサイクルによる精メタクリ
ルアミドの収量と品質の低下は、全く認められなかっ
た。
【0069】比較例1 ・晶析(リサイクル−0) 「実施例1・原料の粗メタクリルアミドの合成」および
「実施例1・晶析」と全く同様の操作を行ない、精メタ
クリルアミドを得た。
【0070】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表1に示す。
【0071】また、得られた母液の全量は、未処理のま
ま、次の粗メタクリルアミドの合成工程へリサイクルし
た。 ・晶析(リサイクル−1) 「実施例1・原料の粗メタクリルアミドの合成」と全く
同様の操作を行ない、ただし母液は上記の未処理のもの
を用いて、粗メタクリルアミドを合成した。
【0072】この粗メタクリルアミドを用いて、「実施
例1・晶析」と全く同様の操作を行ない、精メタクリル
アミドを得た。
【0073】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表1に示す。
【0074】また、得られた母液の全量は、未処理のま
ま、次の粗メタクリルアミドの合成工程へリサイクルし
た。 ・晶析(リサイクル−2〜5) 上記の「・晶析(リサイクル−1)」と全く同様の操作
を繰り返して、精メタクリルアミドを得た。
【0075】この精メタクリルアミドの収量と分析値を
表1に示す。
【0076】母液の全量のリサイクルが4回以上になる
と、メタクリルアミドの品質の低下が認められた。
【0077】比較例2 ・晶析(リサイクル−0) 「実施例1・原料の粗メタクリルアミドの合成」および
「実施例1・晶析」と全く同様の操作を行ない、精メタ
クリルアミドを得た。
【0078】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表1に示す。
【0079】また、得られた母液は、未処理のまま、次
の晶析工程での粗メタクリルアミドの溶解液として、リ
サイクルした。 ・晶析(リサイクル−1) 「実施例1・原料の粗メタクリルアミドの合成」と全く
同様の操作を行ない、粗メタクリルアミドを合成した。
【0080】この粗メタクリルアミドを用いて、ただし
上記の母液を粗メタクリルアミドの溶解液として使用し
た以外は、「実施例1・晶析」と全く同様の操作を行な
い、精メタクリルアミドを得た。
【0081】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表1に示す。
【0082】また、得られた母液は、未処理のまま、次
の晶析工程での粗メタクリルアミドの溶解液として、リ
サイクルした。 ・晶析(リサイクル−2〜5) 上記の「・晶析(リサイクル−1)」と全く同様の操作
を繰り返して、精メタクリルアミドを得た。
【0083】この精メタクリルアミドの収量と分析値を
表1に示す。
【0084】母液のリサイクルが4回以上になると、メ
タクリルアミドの品質の低下が認められた。
【0085】
【表1】
【0086】実施例3 ・晶析(リサイクル−0) 攪拌機付き、2l容量のフラスコに水550mlを入れ、
50℃に加温し、粗メタクリルアミドを濃度47%とな
るように添加し、溶解させた。さらに、48%苛性ソー
ダ水溶液を添加して、pHを10に調整した。
【0087】得られたメタクリルアミド水溶液を30分
間放冷し、その後、30分間で15℃まで冷却して、結
晶を析出させた。
【0088】得られたスラリーを十分に遠心脱水した。
さらに、冷水100mlを噴霧して、結晶を洗浄した。
【0089】得られた含水結晶は、ロータリーエバポレ
ーターで空気を吹き込みながら60℃で乾燥し、精メタ
クリルアミド360gを得た。
【0090】この精メタクリルアミドは、純度99.5
%以上、水分0.4%、色相(APHA)10以下およ
び透視度50以上であった。
【0091】また、メタクリルアミド濃度17%の母液
が670g得られた。この母液の全量を攪拌機付き、容
量1lのフラスコに入れ、98%硫酸を用いてpHを3
に調整した。プレコートしたセライト付き濾紙を備えた
ヌッチェで、析出した不溶解分を減圧濾過により除去し
た。
【0092】次に、得られた溶液を、レバチットMP5
00(強塩基性陰イオン交換樹脂、バイエル社製)を2
00ml充填したカラム(内径20mm、長さ1m、ガラス
製)に1l/hrで流通処理した。・晶析(リサイクル
−1)上記のようにして得られたpH10の処理液63
0gを攪拌機付き、容量2lのフラスコに入れ、水23
mlを追加した。さらに、粗メタクリルアミドを濃度47
%となるように添加し、溶解させた。
【0093】これ以降は、上記の「・晶析(リサイクル
−0)」と同様の操作を行ない、精メタクリルアミドを
得た。
【0094】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表2に示す。
【0095】また、母液の全量を上記の「・晶析(リサ
イクル−0)」と同様に処理して、次の晶析工程の溶解
液として使用した。 ・晶析(リサイクル−2〜5) 上記の「・晶析(リサイクル−1)」と同様に母液のリ
サイクルを行ない、精メタクリルアミドを得た。
【0096】この精メタクリルアミドの収量と分析値を
表2に示す。
【0097】実施例4 ・晶析(リサイクル−1) 実施例3・晶析(リサイクル−0)と同様に晶析を行な
った。
【0098】得られた母液の半量について、「実施例3
・晶析(リサイクル−0)」と同様にpH調整、不溶解
分の濾別および陰イオン交換樹脂による処理を行なっ
た。得られた処理液と未処理の母液を混合した。
【0099】この混合液について、「実施例3・晶析
(リサイクル−1)」と同様の操作を行ない、精メタク
リルアミドを得た。
【0100】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表2に示す。
【0101】また、母液の半量を「実施例3・晶析(リ
サイクル−0)」と同様に処理した。得られた処理液と
未処理の母液を混合し、次の晶析工程の溶解液として使
用した。 ・晶析(リサイクル−2〜5) 上記の「・晶析(リサイクル−1)」と同様に母液のリ
サイクルを行ない、精メタクリルアミドを得た。
【0102】この精メタクリルアミドの収量と分析値を
表2に示す。
【0103】比較例3 実施例3と全く同様の操作を行ない、ただし得られた母
液は処理することなく、精メタクリルアミドを得た。
【0104】得られた精メタクリルアミドの収量と分析
値を表2に示す。
【0105】比較例4 実施例3と全く同様の操作を行ない、ただし得られた母
液全量の2%量について実施例3と同様にpH調整、不
溶解分の濾別および陰イオン交換樹脂による処理を行な
った。得られた処理液と未処理の母液を混合した。この
混合液について、「実施例3・晶析(リサイクル−
1)」と同様の操作を行ない、精メタクリルアミドを得
た。また、母液全量の2%量を実施例3と同様に処理し
た。得られた処理液と未処理の母液を混合し、次の晶析
工程の溶解液として使用した。このリサイクルを5回ま
で繰り返した。その結果を表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】
【発明の効果】本発明の方法により、母液の一部をpH
5以下に調整して析出する不溶解分を分離して再使用す
る場合は、母液を5回以上リサイクルしても得られる粗
メタクリルアミドの色相および透視度において全く低下
が認められないのに対して、pH調整による不溶解分の
除去を行なわなかった場合は3〜4回のリサイクルにお
いて明らかな低下が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 231/24 C07C 233/09

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗メタクリルアミドをメタクリルアミド
    水溶液から再結晶して精製するに際して、メタクリルア
    ミド水溶液の水素イオン濃度を少なくともpH8以上に
    調整して晶析を行ない、メタクリルアミド結晶を分離し
    たのち、得られる母液の5重量%以上をpH5以下に調
    整して析出する不溶解分を分離して再使用することを特
    徴とするメタクリルアミドの精製方法。
  2. 【請求項2】 精製に供する粗メタクリルアミドがメタ
    クリルアミド硫酸塩を塩基性化合物を用いて中和して得
    られるメタクリルアミドであることを特徴とする請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 不溶解分を分離したあとの母液を請求項
    2の中和工程にリサイクルすることを特徴とする請求項
    1記載の方法。
  4. 【請求項4】 不溶解分を分離したあとの母液中の陰イ
    オン成分を除去したのち粗メタクリルアミドの溶解用の
    液としてリサイクルすることを特徴とする請求項1記載
    の方法。
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