JP4290763B2 - α―アミラーゼ変異体 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、特に、親のテルマミル(Termamyl)様α−アミラーゼの新規変異体、特に工業的デンプン加工(例えばデンプンの液化または糖化)における該変異体の適用に関して有利である1または複数の性質に変化を示す(親に比較して)変異体に関する。
発明の背景
α−アミラーゼ(α−1,4−グルカン−4−グルカノヒドロラーゼ、EC 3.2.1.1)は、デンプン並びに他の直鎖および分枝鎖1,4−グルコシドオリゴ糖および多糖の加水分解を触媒することができる酵素の一群を構成する。この産業上非常に重要な酵素の群に関する特許および科学文献は非常に多数存在する。
α−アミラーゼに関するごく最近の発表の中で、WO 96/23874は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含んで成るB.アミロリクファシエンス(B.amyloliquefaciens)α−アミラーゼの300個のN末端アミノ酸残基と配列番号2に示されるアミノ酸配列を含んで成るB.リヘニフォルミス(B.licheniformis)α−アミラーゼ(後者は商品名TermamylTMのもとに商業的に入手可能である)のC末端のアミノ酸301-483とから成り、従って産業上重要なバシラスα−アミラーゼに密接に関係している、テルマミル様α−アミラーゼについての三次元X線結晶構造データを提供している。上述したバシラスα−アミラーゼは、用語「テルマミル様α−アミラーゼ」の意味の中に含まれ、それらの例としては特に、B.リヘニフォルミス、B.アミロリクファシエンスおよびB.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼが挙げられる。WO 96/23874は更に、親のテルマミル様α−アミラーゼの構造に基づいて、親酵素に相対して変更された性質を示す親のテルマミル様α−アミラーゼの変異体のデザイン方法も記載している。
発明の概要
上述したように、本発明は特に、テルマミル様α−アミラーゼの新規α−デンプン分解性変異体、特に工業的デンプン加工(デンプン液化、糖化など)に関して有利である変更された性質を示す変異体に関する。
本発明の変異体において達成され得る性質の変更は、例えば、基質特異性、基質結合、基質開裂パターン、熱安定性、pH/活性プロフィール、pH/安定性プロフィール〔例えば低(例えばpH<6、特にpH<5)または高(例えばpH>9)pH値での増加した安定性〕、酸化に対する安定性、Ca2+依存性、比活性、および着目の他の性質である。例えば、変更は、親のテルマミル様α−アミラーゼに比較して、減少されたCa2+依存性および/または変更されたpH/活性プロフィールを有する変異体を生むことができる。
本発明は更に、本発明の変異体をコードするDNA構成物、本発明の変異体の調製方法、および様々な工業的方法、例えばデンプン液化における、単独でのまたは別のα−デンプン分解酵素と組み合わせた本発明の変異体の使用に関する。
発明の具体的開示
テルマミル様α−アミラーゼ
バシラス種により生産される多数のα−アミラーゼがアミノ酸レベルで高度に相同であることは周知である。例えば、配列番号2に示されるアミノ酸配列を含んで成るB.リヘニフォルミス(B.licheniformis)α−アミラーゼ〔テルマミル(TermamylTM、商標)として市販されている〕は、配列番号4に示されるアミノ酸配列を含んで成るB.アミロリクファシエンス(B.amyloliquefaciens)α−アミラーゼと約89%相同であり、そして配列番号6に示されるアミノ酸配列を含んで成るB.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)α−アミラーゼと約79%相同であることがわかっている。他の相同α−アミラーゼとしては、バシラス種NCIB 12289,NCIB 12512,NCIB 12513またはDSM 9375の株に由来するα−アミラーゼ(それらは全てWO 95/26397中に詳細に記載されている)およびTsukamoto他,Biochemical and Biophysical Research Communications,第151巻,第1号,1988により記載されたα−アミラーゼが挙げられる。更に別の相同α−アミラーゼとしては、EP 0252666中に記載されたB.リヘニフォルミス(B.licheniformis)(ATCC 27811)株により生産されるα−アミラーゼ、並びにWO 91/00353およびWO 94/18314において同定されたα−アミラーゼが挙げられる。他の市販のテルマミル様B.リヘニフォルミスα−アミラーゼは、OptithermTMおよびTakathermTM(Solvayから入手可能)、MaxamylTM(Gistbrocades/Genencorから入手可能)、Spezym AATM(Genencorから入手可能)並びにKeistaseTM(Daiwaから入手可能)である。
それらのα−アミラーゼ間に見られる実質的相同性のため、それらはα−アミラーゼの同一クラス、すなわち「テルマミル様α−アミラーゼ」のクラスに属すると考えられる。
従って、本明細書中では、「テルマミル様α−アミラーゼ」という用語は、アミノ酸レベルでテルマミルTM(すなわち、本明細書中の配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ)に対して実質的相同性を示すα−アミラーゼを意味するためのものである。言い換えれば、テルマミル様α−アミラーゼは、本明細書中の配列番号2,4もしくは6に示されるアミノ酸配列、またはWO 95/26397中の配列番号1(このアミノ酸配列は本明細書中の図1と図2に示される)またはWO 95/26397中の配列番号2(このアミノ酸配列は本明細書中の図2に示される)またはTsukamoto他,1988(このアミノ酸配列は本明細書中の図2に示される)に示されるアミノ酸配列を有するか、あるいはi)前記アミノ酸配列の少なくとも1つと少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも75%、または少なくとも80%、例えば少なくとも85%、少なくとも90%もしくは少なくとも95%の相同性を示し、そして/またはii)前記α−アミラーゼの少なくとも1つに対して惹起された抗体と免疫学的交差反応性を示し、そして/またはiii)本願明細書の配列番号1,3および5(それぞれ、配列番号2,4および6に示されるアミノ酸配列をコードするコード配列)から並びにWO 95/26397の配列番号4(このDNA配列は、終止コドンTAAと一緒に本明細書中の図1に示され、そして本明細書中の図1に示されるアミノ酸配列をコードする)およびWO 95/26397の配列番号5から、それぞれ明らかである上記α−アミラーゼをコードするDNA配列にハイブリダイズするDNA配列によりコードされる、α−アミラーゼである。
性質i)に関連する「相同性」は、任意の常用の演算法を使うことにより、好ましくはGAPペナルティーとして省略時の値を使うGCGパッケージ・バージョン7.3からのGAPプログラム(1993年6月)〔Genetic Computer Group(1991)Programme Manual for the GCG Package,version 7,575 Science Drive,Madison,Wisconsin USA,53711〕を使うことにより、決定することができる。
α−アミラーゼの性質ii)、即ち免疫学的交差反応性は、関連するテルマミル様α−アミラーゼに対して惹起されたまたはそれの少なくとも1つのエピトープと反応性である抗体を使ってアッセイすることができる。モノクローナルでもポリクローナルでもよい抗体は、当業界で既知の方法により、例えばHudson他,1989により記載された通りに、産生せしめることができる。免疫学的交差反応性は当業界で既知のアッセイを使って、例えばHudson他,1989により記載された通りに測定することができ、その例はウエスタンブロット法または放射状免疫拡散アッセイである。この点について、それぞれ配列番号2,4および6のアミノ酸配列を有するα−アミラーゼ間に免疫学的交差反応性が認められた。
性質iii)に従ったテルマミル様α−アミラーゼの特徴付けに使われるオリゴヌクレオチドプローブは、問題のα−アミラーゼの完全または部分ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列に基づいて適当に調製することができる。ハイブリダイゼーションを試験する際の適当な条件は、5×SSC中での予備浸漬と、20%ホルムアミド、5×デンハーツ溶液、50mMリン酸ナトリウム,pH6.8および50μgの超音波処理済変性子ウシ胸腺DNAを含む溶液中での約40℃で1時間の予備ハイブリダイゼーション、次いで100μM ATPが補足された同一溶液中での約40℃で18時間のハイブリダイゼーション、または例えばSambrook他,1989により記載された別の方法を含んで成る。
本明細書中、「〜に由来する」という用語は、問題の生物の株により生産されるかまたは生産可能であるα−アミラーゼだけでなく、そのような株から単離されたDNA配列によりコードされそして前記DNA配列により形質転換された宿主生物中で生産されるα−アミラーゼも指すために使われる。最後に、この用語は合成および/またはcDNA起源のDNA配列によりコードされ且つ問題のα−アミラーゼの識別特徴を有するα−アミラーゼを表すために使われる。この用語は、親のα−アミラーゼが天然に存在するα−アミラーゼの変異体、即ち天然に存在するα−アミラーゼの1または複数のアミノ酸残基の変更(挿入、置換、削除)の結果生ずる変異体であってもよいことを表すものでもある。
親のハイブリッドα−アミラーゼ
親のα−アミラーゼはハイブリッドα−アミラーゼであってもよく、即ち、少なくとも2つのα−アミラーゼに由来する部分アミノ酸配列の組合せを含んで成るα−アミラーゼであってもよい。
親のハイブリッドα−アミラーゼは、アミノ酸相同性および/または免疫学的交差反応性および/またはDNAハイブリダイゼーション(前に定義した通り)に基づいて、テルマミル様α−アミラーゼファミリーに属すると決定できるものであってもよい。この場合、ハイブリッドα−アミラーゼは、典型的には、テルマミル様α−アミラーゼの少なくとも1部分と、微生物(細菌または真菌)および/または哺乳類起源のテルマミル様α−アミラーゼもしくは非テルマミル様α−アミラーゼから選ばれた1または複数の別のα−アミラーゼの1もしくは複数の部分とから構成される。
よって、親のハイブリッドα−アミラーゼは、少なくとも2つのテルマミル様α−アミラーゼ由来の、または少なくとも1つのテルマミル様α−アミラーゼと少なくとも1つの非テルマミル様細菌α−アミラーゼ由来の、または少なくとも1つのテルマミル様α−アミラーゼと少なくとも1つの真菌α−アミラーゼ由来の、部分アミノ酸配列の組合せを含んで成ることができる。
例えば、親のα−アミラーゼは、B.リヘニフォルミスの株に由来するα−アミラーゼのC末端部分と、B.アミロリクファシエンスの株またはB.ステアロサーモフィラスの株に由来するα−アミラーゼのN末端部分とを含んで成ることができる。例えば親のα−アミラーゼは、B.リヘニフォルミスα−アミラーゼのC末端部分の少なくとも430アミノ酸残基を含んで成り、そして例えば(a)配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼの37個のN末端アミノ酸残基に相当するアミノ酸セグメントと配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼの445個のC末端アミノ酸残基に相当するアミノ酸セグメント、または(b)配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するB.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼの68個のN末端アミノ酸残基に相当するアミノ酸セグメントと配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼの415個のC末端アミノ酸残基に相当するアミノ酸セグメントを含んで成ることができる。
非テルマミル様α−アミラーゼは、例えば真菌α−アミラーゼ、哺乳類もしくは植物α−アミラーゼ、または細菌α−アミラーゼ(テルマミル様α−アミラーゼとは異なる)であることができる。そのようなα−アミラーゼの具体例としては、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)TAKAα−アミラーゼ、A.ニガー(A.niger)酸性α−アミラーゼ、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)α−アミラーゼ、ブタ膵臓α−アミラーゼおよび大麦α−アミラーゼが挙げられる。それらのα−アミラーゼは全て、本明細書に言及されるような典型的なテルマミル様α−アミラーゼの構造とは著しく異なる、解明された構造を有する。
上述した真菌α−アミラーゼ、即ちA.ニガーおよびA.オリゼに由来するα−アミラーゼは、アミノ酸レベルで高度に相同であり、一般にα−アミラーゼの同一ファミリーに属すると考えられる。アスペルギルス・オリゼ由来の真菌α−アミラーゼは商品名フンガミルTMのもとに市販されている。
更に、テルマミル様α−アミラーゼの特定の変異体(本発明の変異体)を、慣例的方法に従って、特定のテルマミル様α−アミラーゼのアミノ酸配列中の特定アミノ酸残基の変更(例えば欠失または置換)を示して言及する時には、同等の位置(それぞれのアミノ酸配列間でできる限り最良のアミノ酸配列整列から決定される)で変更された別のテルマミル様α−アミラーゼの変異体もそれに包含されると解釈すべきである。
本発明の変異体の好ましい態様は、B.リヘニフォルミスα−アミラーゼ(親のテルマミル様α−アミラーゼとして)に由来するもの、例えば上記に挙げたもの、例えば配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼに由来するものである。
本発明の変異体の作製
着目の変異体の作製は、変異体を生産する助けとなる条件下で、該変異体をコードするDNA配列を含んで成る微生物を培養することにより達成される。続いて該変異体を得られた培養ブロスから回収することができる。これについては下記に詳細に記載する。
本発明の変異体の変更された性質
下記において本発明の変異体中に存在し得る変異間の関係、およびそれから生じ得る望ましい性質の変更(親のテルマミル様α−アミラーゼのものに相対して)を説明する。
減少したCa 2+ 依存性
テルマミル様α−アミラーゼのCa2+依存性を減少できることが非常に好ましい。従って、本発明の第一の面は、α−アミラーゼ活性を示し且つ親のα−アミラーゼに比較して減少したCa2+依存性を有する親のテルマミル様α−アミラーゼの変異体に関する。減少したCa2+依存性は、該変異体が、親酵素に必要であるよりも低い外来媒質中のカルシウムイオン濃度の存在下で十分なデンプン分解活性を示すという機能的結果を一般にもたらすだろう。更に、該変異体が、例えばカルシウム錯生成剤(例えば或る種の洗剤ビルダー)を含有する媒質中において得られる状態のようなカルシウムイオン涸渇状態に対して親酵素よりも敏感でないという結果をしばしば有するだろう。
本発明の変異体の減少したCa2+依存性は、例えば、親のテルマミル様α−アミラーゼのCa2+結合親和力を増加させることにより有利に達成することができ、言い換えれば、酵素のCa2+結合が強くなればなるほどCa2+依存性が少なくなる。
WO 96/23874は、ナトリウムまたはカルシウムイオンから10Å以内に存在するアミノ酸残基が、該酵素のCa2+結合能力に関係しているか、またはCa2+結合能力にとって重要であり、この点について、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼのN104D変異〔または別のテルマミル様α−アミラーゼ中の同等位置の同等(N→D)変異〕が、テルマミル様α−アミラーゼのCa2+依存性を減少させることに関して特に重要であると思われると記載している。
Ca2+依存性に関して潜在的に重要であるとWO 96/23874中に言及されている別の変異としては、例えばシステイン橋または塩橋の形成によって、テルマミル様α−アミラーゼの三次元構造のCドメイン(WO 96/23874において定義された通り)の安定化により、増加したカルシウム結合(および/または該酵素の耐熱性)を達成すると期待される変異が挙げられる。例えば、WO 96/23874は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼのCドメインが、下記の変異の導入により、ドメインAとドメインC(WO 96/23874において定義された通り)の間へのシステイン橋の導入によって安定化され得ることを開示している:
A349C+I479Cおよび/またはL346C+I430C。
WO 96/23874は同様に、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ中に次の変異のうちの1つまたは複数:
N457D,E
N457D,E+K385R
F350D,E+I430R,K
F350D,E+I411R,K
を導入することによって塩橋を得ることができること、そしてアミノ酸残基H408および/またはG303を別の任意のアミノ酸残基で置換することにより、特に良好なカルシウム結合またはカルシウム涸渇からの保護を提供すると考えられる次の置換:
H408Q,E,N,Dおよび/またはG303N,D,Q,E
の1つを導入することにより、ドメインCのカルシウム結合部位が安定化され得ることを記載している。
(別のテルマミル様α−アミラーゼの同等位置における同等な変異もこれに包含される)。
特に、カルシウム依存性を減少させることにおいて明らかに重要であるとWO 96/23874に開示されている他の置換変異(配列番号2のB.リヘニフォルミスα−アミラーゼに関して)としては、次のものが挙げられる:R23K,H156Y,A181T,A209V,R214,G310DおよびP345(または別のテルマミル様α−アミラーゼ中の同等位置での同等の変異)。
本発明において、カルシウム依存性の減少に関連して重要と思われる更なる置換変異は、特に、ドメインB(WO 96/23874において定義された通り)における下記の変異が挙げられる:
A181E,D,Q,N,V(これはドメインAとドメインBの間の接合領域中の最も外側のCa2+結合部位を或る程度遮蔽すると思われる);
I201(嵩張ったアミノ酸)、例えばI201W,F,L(これはドメインAとドメインBの間の接合領域中のCa2+−Na+−Ca2+結合部位に近接した領域の幾何学、並びに近くの孔/くぼみの幾何学および/またはサイズのわずかな変更をもたらすと思われる);および
Y203E,Q(これはドメインAとドメインBの間の接合領域中の最も外側のCa2+結合部位におけるCa2+イオンの一層強力な結合をもたらすと思われる)
(または別のテルマミル様α−アミラーゼの同等位置における同等の変異)。
変更された最適pH(変更されたpH/活性プロフィール)
WO 96/23874は、活性部位残基のpKaを変更することにより、テルマミル様α−アミラーゼの最適pHまたは与えられたpHでのそれの酵素活性を変更することができると考えられること、そしてこれは例えば、変更しようとするアミノ酸残基のアミノ酸側鎖の官能基とその付近の官能基との静電気的相互作用または疎水的相互作用を変えることにより達成できることを記載している。
本発明においては、WO 96/23874に開示されたテルマミル様α−アミラーゼの三次元構造に関する静電気的考察〔例えば、M.K.Gilson,Current Opinion in Structural Biology 5(1995)pp.216-223;B.HonigおよびA.Nicholls,Science 268(1995)pp.1144-1149;並びにそれらの中に与えられた文献を参照のこと〕および疎水性考察に基づいて、特にテルマミル様α−アミラーゼの最適pHを変更する(増加または減少させる)ための、関連する変異としては、下記の変異またはそれの同等物が挙げられる〔B.リヘニフォルミスα−アミラーゼの配列(配列番号2)を参照する〕:Q9K,L,E;F11R,K,E;E12Q;D100N,L;V101H,R,K,D,E,F;V102A,T;I103H,K;N104R,K,D;H105R,K,D,E,W,F;L196R,K,D,E,F,Y;I212R,K,D,E;L230H,K,I;A232G,H,F,S,V;V233D;K234L,E;I236R,K,N,H,D,E;L241R,K,D,E,F;A260S;W263H;Q264R,D,K,E;N265K,R,D;A269R,K,D,E;L270R,K,H,D,E;V283H,D;F284H;D285N,L;V286R,K,H,D,E;Y290R,E;V312R,K,D,E;F323H;D325N;N326K,H,D,L;H327Q,N,E,D,F;Q330L,E;G332D;Q333R,K,H,E,L;S334A,V,T,L,I,D;L335G,A,S,T,N;E336R+R375E;T337D,K;T338D,E;T339D;Q360K,R,E;D365N;G371D,R。
低(酸性)pHでの高められた安定性
本発明において、低pHでの高められた安定性を達成することに関して重要である変異(アミノ酸置換)は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ中の下記の変異に相当する変異を含むと思われる:
H68,H91,H247,R305,K306,H382,K389,H405,H406,H450またはR483の位置における変異;
H140Y;H142Y;H156Y;H159Y;H140D+H142R;H140K+H142DまたはH142Y+H156Y;
並びにそれらの変異のいずれか2つ以上の組合せ。
高められた耐熱性および/または変更された最適温度(変更された温度/活性プロフィール)
本発明の別の面は、親のテルマミル様α−アミラーゼの変異体であって、高められた耐熱性の変異体を得るように親のα−アミラーゼから1もしくは複数のアミノ酸残基が削除されているか、置換されているかまたは付加されている変異体に関する。
高められた耐熱性を達成することに関連して、WO 96/23874は、テルマミル様α−アミラーゼの特に興味深い変異体が次の変異の1つに相当する変異を含んで成ることを開示している(配列番号2に示されるB.リヘニフォルミスα−アミラーゼアミノ酸配列の番号付けを使う):
L61W,V,F;
Y62W;
F67W;
K106R,F,W;
G145F,W;
I212F,L,W,Y,R,K;
任意の別のアミノ酸残基、特にF,W,IもしくはLで置き換えられたS151;
R214W;
Y150R,K;
F143W;および/または
R146W。
WO 96/23874は更にこれに関連して、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスαアミラーゼ中の次の変異のうちの1つまたは複数に相当する変異が親のα−アミラーゼのものに比較して高められた耐熱性を達成することについて重要であるということを開示している:
L214I,F,Y,W;および/または
I236L,F,Y,W
L7F,I,W
V259F,I,L
F284W
F350W
F343W
L427F,L,W
V481F,I,L,W。
本発明において、様々なバシラス種由来のα−アミラーゼのアミノ酸配列の整列から、B.リヘニフォルミスα−アミラーゼとB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼが両方とも、例えばB.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼに比較して、「挿入」アミノ酸を含むことがわかる。
問題のテルマミル様α−アミラーゼに対するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼの相同性を考慮に入れながら、WO 96/23784中に開示されたテルマミル様α−アミラーゼの三次元構造に基づいて製作されたB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ構造のモデルから、WO 96/23784において「ループ8」と示された構造の一部の中に上述の「挿入」が存在し、それがテルマミル様α−アミラーゼのものよりもB.リヘニフォルミスα−アミラーゼにおいてこのループをより嵩張ったものにし、それによっておそらく該構造を不安定にするであろうということを知ることができる。従って、B.リヘニフォルミスまたはB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼ中の問題の領域における1または複数のアミノ酸の欠失がそれらのα−アミラーゼの耐熱性を改善するであろうと期待される。
この点で特に興味深いのは、T369からI377までの部分アミノ酸配列(配列番号2に示されるB.リヘニフォルミスα−アミラーゼのアミノ酸配列を参照した番号)、即ち部分配列:T369-K370-G371-D372-S373-Q374-R375-E376-I377(またはB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼ中の対応する部分配列)の中の3アミノ酸残基の欠失(削除)である。そのような欠失に加えて、後者の部分配列中の未欠失アミノ酸のうちの1または複数個の置換も有利であるかもしれない。
T369からI377までの部分アミノ酸配列(B.リヘニフォルミスα−アミラーゼの)中の好ましい3アミノ酸の欠失は、K370+G371+D372の欠失(即ちK370*+G371*+D372*)またはD372+S373+Q374の欠失(即ちD372*+S373*+Q374*)(またはB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼの対応する部分配列中の同等の欠失)である。
それらのα−アミラーゼの耐熱性を高める上で有効であると思われる別のタイプの変異は、T369からI377まで(B.リヘニフォルミスα−アミラーゼの配列を参照した番号)の部分アミノ酸配列全体を、6アミノ酸残基を有する次の部分配列のうちの1つにより置き換えること(置換)である(配列の番号は左から右に増加する):
I-P-T-H-S-V;I-P-T-H-G-V;およびI-P-Q-Y-N-I(またはB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼ中の対応する部分配列の同一置換の1つ)。
高められた耐熱性を達成することに関してどうやら幾らか重要であるらしい別の変異としては、次の位置(配列番号2を参照した位置)におけるアミノ酸置換が挙げられる:
R169(例えばR169I,L,F,T);
R173(特にR173I,L,F,T);
I201F;
I212F;
A209L,T;または
V208I
並びにそれらの変異のいずれか2つ以上の組合せ。
酸性pHおよび/または低Ca 2+ 濃度での高められた耐熱性
本発明において、酸性pH(pH<7)および/または低Ca2+濃度で高められた耐熱性を有する本発明の変異体を得ることに関して特に関連性があると思われる変異としては、次の位置における変異が挙げられる(B.リヘニフォルミスα−アミラーゼ、配列番号2に関して):
H156,N172,A181,N188,N190,H205,D207,A209,A210,E211,Q264,N265
ここで触れておくと、配列番号2のそれぞれN109およびE211に相当する位置の、NおよびEアミノ酸残基はそれぞれ、無数のテルマミル様α−アミラーゼにおいて保存されているアミノ酸残基である。例えば、既に変異されている多数のテルマミル様α−アミラーゼ(上記参照)のアミノ酸配列中のそれらの残基の対応する位置は次の通りである:
Figure 0004290763
これらの保存されたアミノ酸残基の変異は、酸性pHおよび/または低カルシウム濃度での耐熱性を改善することに関して非常に重要であると思われ、そして下記の変異がこの点で特に興味深い(配列番号2に示されるB.リヘニフォルミスのアミノ酸配列の番号付けを参照する):
H156Y,D
N172R,H,K
A181T
N188P
N190L,F
H205C
D207Y
A209L,T,V
A210S
E211Q
Q264A,E,L,K,S,T
N265A,S,T,Y
並びにそれらの変異の2以上の任意組合せ。
この点について特に興味深い二重変異の例はQ264S+N265Yである。
変更された開裂パターン
デンプン液化工程では、デンプン分子をより短鎖の分枝状オリゴ糖に分解する(通常のテルマミル様α−アミラーゼのように)よりも長鎖オリゴ糖に分解することができるα−アミラーゼを使うことが望ましい。生成した短鎖の分枝状オリゴ糖(パノース前駆体)は、液化工程におけるα−アミラーゼ処理の後で且つ糖化用アミログルコシダーゼ(グルコアミラーゼ)の添加の前に使われるプルラナーゼにより、十分に加水分解されない。よって、パノース前駆体の存在下では、グルコアミラーゼ処理後に存在する生成物混合物は、短鎖の分枝状の、いわゆるリミットデキストリン、すなわち三糖パノースを相当な比率で含み得る。パノースの存在は糖化収率をかなり減少させるので、望ましくない。
よって本発明の1つの目的は、適切に変更されたデンプン分解特性を有するけれども親のテルマミル様α−アミラーゼの耐熱性を保持している、変異型α−アミラーゼを獲得することである。
ここで触れておくが、WO 96/23874によると、次の変異のうちの少なくとも1つを含んで成る変異体は分枝点近くでの開裂を防止すると予想される:
V54L,I,F,Y,W,R,K,H,E,Q
D53L,I,F,Y,W
Y56W
Q333W
G57あらゆる可能なアミノ酸残基
A52 Aより大きいアミノ酸残基、例えばA52W,Y,L,F,I。
増加した比活性
本発明の更に別の面では、増加した比活性を示す変異体を得ることに関して重要な変異は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ中の次の変異に相当する変異を含むようである:
S187(特にS187D)もしくはQ264(例えばQ264R,K,S)の位置における変異(アミノ酸置換);
Y290(特にY290E,K)の位置における変異(置換);
変異V54I;
並びにこれらの変異のうちのいずれか2つ以上の組合せ、またはこれらの変異のうちの1つもしくは2つ以上と下記の多重変異との組合せ:
A1*+N2*+L3V+M15T+R23K+S29A+A30E+Y31H+A33S+E34D+H35I。
本発明の変異体における一般変異
本発明の変異体が上記に概説したものに加えて1または複数の変更を含んで成ることが好ましいかもしれない。よって、変更されるα−アミラーゼ変異体の一部分に存在する1もしくは複数のプロリン残基が非プロリン残基(これは天然に存在する可能な非プロリン残基のいずれであってもよく、好ましくはアラニン、グリシン、セリン、スレオニン、バリンまたはロイシンである)により置換されていることが有利かもしれない。
同様に、親のα−アミラーゼに関して変更されるアミノ酸残基の中に存在する1または複数のシステイン残基が非システイン残基、例えばセリン、アラニン、スレオニン、グリシン、バリンまたはロイシンにより置き換えられていることが好ましいかもしれない。
更に、本発明の変異体は、唯一の変更としてまたは上述の変更のいずれかとの組合せとして、配列番号2のアミノ酸断片185〜209に相当するアミノ酸断片中に存在する1もしくは複数のAspおよび/またはGluがそれぞれAsnおよび/またはGlnにより置き換えられるように変更されてもよい。同じく着目されるのは、配列番号2のアミノ酸断片185〜209に相当するアミノ酸断片中に存在する1または複数のLys残基の、Argによる置換である。
更に、上述した変異体のいずれかに点変異を導入することが有利かもしれない。
α−アミラーゼ変異体の調製方法
遺伝子に変異を導入する方法は当業界において幾つか知られている。α−アミラーゼをコードするDNA配列のクローニングの簡単な説明の後で、α−アミラーゼコード配列中の特定部位に変異を作製する方法を記載することにする。
α−アミラーゼをコードするDNA配列のクローニング
親のα−アミラーゼをコードするDNA配列は、当業界で周知である様々な方法を使って、問題のα−アミラーゼを産生する任意の細胞または微生物から単離することができる。まず、研究しようとするα−アミラーゼを産生する生物体から染色体DNAまたはメッセンジャーRNAを使ってゲノムDNAライブラリーおよび/またはcDNAライブラリーを作製する。次いで、そのα−アミラーゼのアミノ酸配列が既知であるなら、相同の標識オリゴヌクレオチドプローブを合成し、それを使って、問題の生物体から調製したゲノムライブラリーからα−アミラーゼをコードするクローンを同定することができる。あるいは、既知のα−アミラーゼ遺伝子に相同である配列を含む標識オリゴヌクレオチドプローブをプローブとして使って、低緊縮性のハイブリダイゼーションおよび洗浄条件下で、α−アミラーゼをコードするクローンを同定することができる。
α−アミラーゼをコードするクローンを同定する更に別の方法は、ゲノムDNAの断片を発現ベクター、例えばプラスミド中に挿入し、得られたゲノムDNAライブラリーを用いてα−アミラーゼ陰性細菌を形質転換せしめ、次いで形質転換された細菌をα−アミラーゼ基質を含む寒天上で平板培養し、それによって該α−アミラーゼを発現するクローンを同定できるようにすることを含んで成るだろう。
あるいは、該酵素をコードするDNA配列を、確立された標準方法、例えばS.L.BeaucageおよびM.H.Caruthers(1981)により記載されたホスホロアミダイト法、またはMatthes他(1984)により記載された方法により、合成的に製造することができる。ホスホロアミダイト法では、例えば自動DNA合成装置中で、オリゴヌクレオチドを合成し、精製し、アニーリングし、連結し、そして適当なベクター中でクローニングする。
最後に、DNA配列は、標準技術に従って合成由来、ゲノム由来またはcDNA由来の断片(適当なら、完全なDNA配列の種々の部分に相当する断片)を連結せしめることにより調製された、ゲノム由来と合成由来の混成、合成由来とcDNA由来の混成、またはゲノム由来とcDNA由来の混成であることができる。DNA配列は、例えば米国特許第4,683,202号明細書またはR.K.Saiki他(1988)により記載された通り、特異的プライマーを使ったポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって調製することもできる。
部位特異的変異誘発
一度α−アミラーゼをコードするDNA配列が単離され、そして望ましい変異部位が同定されれば、合成オリゴヌクレオチドを使って変異を導入することができる。それらのオリゴヌクレオチドは所望の変異部位に隣接するヌクレオチド配列を含み;変異ヌクレオチドはオリゴヌクレオチド合成中に挿入される。特別な方法では、α−アミラーゼコード配列をブリッジする一本鎖のDNAギャップを、α−アミラーゼ遺伝子を担持するベクター中で作製する。次いで、所望の変異を有する合成ヌクレオチドを一本鎖DNAの相同部分にアニールせしめる。次いで残りのギャップをDNAポリメラーゼI(クレノウ断片)を使ってフィルインし、T4リガーゼを使って構成物を連結せしめる。この方法の具体例はMorinaga他(1984)に記載されている。米国特許第4,760,025号明細書は、カセットのわずかな変更を行うことによる多重変異をコードするオリゴヌクレオチドの導入を開示している。しかしながら、様々な長さを有する多数のオリゴヌクレオチドを導入することができるため、もっと多様な変異を何時でもMorinaga法により導入することができる。
α−アミラーゼをコードするDNA配列中に変異を導入する別の方法はNelsonおよびLong(1989)において記載されている。この方法は、化学合成したDNA鎖をPCR反応においてプライマーの1つとして使うことにより導入された所望の変異を含有するPCR断片の3段階作製を含む。このPCR生成断片から、制限エンドヌクレアーゼでの開裂により変異を含むDNA断片を単離し、そして発現プラスミド中に再び挿入することができる。
ランダム変異誘発
ランダム変異誘発は、問題のアミノ酸配列に翻訳する遺伝子の少なくとも3部分における限局化されたもしくは領域特異的なランダム変異誘発として、または全遺伝子内で実施される。
WO 96/23874は、テルマミル様α−アミラーゼ変異体による改善された基質結合(すなわち炭水化物種、例えばアミロースまたはアミロペクチンの改善された結合)、変更された(例えばより高い)基質特異性および/または基質の開裂(加水分解)に関する変更された(例えばより高い)特異性を得ることに関して、配列番号2に示されるアミノ酸配列の下記のコドン位置(または本発明の範囲内の別の親のテルマミル様α−アミラーゼの同等のコドン位置)が標的設定に特に適当であるらしいことを開示している:
13〜18
50〜56
70〜76
102〜109
163〜172
189〜199
229〜235
360〜364
327〜335
低pHおよび低カルシウムイオン濃度での液化性能の改善
デンプン液化工程に用いることができるα−アミラーゼの場合、耐熱性であり且つ低pHおよび低カルシウムイオン濃度で機能することができることが特に重要である。親のテルマミル様α−アミラーゼ、特にB.リヘニフォルミスα−アミラーゼまたはそれの変異体もしくはハイブリッドのそれらの性質を改善するために、ランダム変異誘発(好ましくはドープまたはスパイクしたオリゴヌクレオチドプライマーを用いることにより)に続いて、得られた変異型酵素の適切な選択を行うことができる。ランダムにする領域の選択およびドーピングの選択の傾向は主に、既に存在するカルシウムイオンの安定化、および低pHでの残基/残基またはドメイン/ドメイン静電的相互作用の改善に基づく。加えて、良好なデンプン液化性能を得るのに重要な位置を含むことが証明されている領域を選択することができる。
上記性質を有する親のテルマミル様α−アミラーゼの変異体を調製するために、有利には下記の領域のうちの少なくとも1つをランダム変異誘発にかけることができる(アミノ酸残基の番号付けは配列番号2の通りである):
Figure 0004290763
好ましくは、本発明の新規α−アミラーゼ変異体の作製の際に上記領域のうちの2つ、3つまたは4つがランダム変異誘発にかけられる。例えば、好ましくは次の領域の組合せがランダム変異誘発にかけられる:
VIII+IX
VIII+IX+II
II+III+IV
IV+I
更に、変異誘発をドープまたはスパイクされたオリゴヌクレオチドを使って行うことが好ましい。ドーピングは、好ましくは得られるα−アミラーゼ変異体の高められた低pHでの安定性および減少した低pHでのカルシウム依存性に貢献するアミノ酸を導入するように行われる。更に、ドーピング方法を選択する時、AsnおよびGln残基は一般に低pHでの不安定性に関係があるので、AsnおよびGln残基を導入する可能性を回避すべきである。好ましくは、潜在的利点のために(例えばタンパク質構造の考察から評価した時)Pro残基を挿入することができる時、Pro残基を導入するのに好ましいものを含むようなドーピング方法が用意される。
上記原理に従ってランダム変異誘発にかけることができる親のテルマミル様α−アミラーゼは、任意の野性型α−アミラーゼまたは1もしくは複数の変異を含むそれの変異体であることができる。親は本明細書中に更に詳細に説明するように少なくとも2つのα−アミラーゼのハイブリッドであってもよい。好ましくは親のα−アミラーゼは、少なくとも1つの変異、好ましくは多重変異を含む配列番号2に示される配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼの変異体である。あるいは、親のα−アミラーゼはB.リヘニフォルミス(配列番号2)α−アミラーゼの少なくとも一部分を含むハイブリッドα−アミラーゼであってもよい。上記原理に従う変異誘発に適した親のα−アミラーゼの具体例としては、変異:H156Y,A181T,N190F,A209VおよびQ264Sのうちの少なくとも1つ、即ち1,2,3,4もしくは5つ全部を含むB.リヘニフォルミス(配列番号2)α−アミラーゼの変異体;B.リヘニフォルミス(配列番号2)α−アミラーゼの少なくとも一部分、好ましくはそれのC末端部分、例えばアミノ酸35〜483と、別のテルマミル様α−アミラーゼ、例えばB.アミロリクファシエンス(配列番号4)α−アミラーゼの一部分、好ましくはそれのN末端部分、例えば最初の38個のアミノ酸残基とを含むハイブリッドα−アミラーゼが挙げられる。
上記に加えて、本発明の別の面は、親に比較して高められた、低pHおよび低カルシウム濃度での安定性を示す、親のテルマミル様α−アミラーゼの変異体の作製方法であって、
(a)親のテルマミル様α−アミラーゼをコードするDNA配列をランダム変異誘発にかけ;
(b)段階(a)で得られた変異型DNA配列を宿主細胞中で発現せしめ;そして
(c)親のα−アミラーゼに比較して高められた低pHおよび低カルシウム濃度での安定性を有する変異型α−アミラーゼを発現する宿主細胞についてスクリーニングする
ことを含んで成る方法に関する。
本発明の上記方法の段階(a)は、好ましくは本明細書中の実施例(下記参照)に記載される通り、ドープされたプライマーを使って実施される。
ランダム変異誘発の実施方法
上記方法の段階(a)に従って実施することができる親のα−アミラーゼをコードするDNA配列のランダム変異誘発は、便利には当業界で既知である任意の方法を使って実施することができる。
例えば、ランダム変異誘発は、適当な物理的もしくは化学的変異誘発剤の使用により、適当なオリゴヌクレオチドの使用により、またはDNA配列をPCR生成変異誘発にかけることにより、実施することができる。更に、ランダム変異誘発はそれらの変異誘発剤の任意の組合せの使用により実施することができる。
変異誘発剤は、例えば、塩基転位、塩基転換、挿入、混乱(スクランブリング)、欠失および/または挿入を誘導するものであることができる。
当該目的に適当な物理的または化学的変異誘発剤の例としては、紫外線(UV)照射、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、O−メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタンスルホネート(EMS)、亜硫酸水素ナトリウム、蟻酸およびヌクレオチド類似体が挙げられる。
そのような剤を使う時、変異誘発は、典型的には、変異せしめようとする親酵素をコードするDNA配列を、特定の変異誘発剤の存在下で、変異誘発が起こるのに適当な条件下でインキュベーションし、そして所望の性質を有する変異DNAについて選択することにより実施される。
オリゴヌクレオチドを使って変異誘発を行う時、該オリゴヌクレオチドの合成中に親以外の3種のヌクレオチドを使って、オリゴヌクレオチドの変更しようとする位置のところをドープまたはスパイクすることができる。ドープまたはスパイクされたオリゴヌクレオチドを、例えばPCR,LCRまたは任意のDNAポリメラーゼとリガーゼを使って、発表された任意技術により、デンプン分解酵素をコードするDNAの中に組み込むことができる。
好ましくは、ドーピングは、各位置での野性型と変異型の比率が予め決められる「コンスタントランダムドーピング」を使って行われる。更に、ドーピングは或るヌクレオチドの導入に優先性を有し、それによって1または複数の特定アミノ酸残基の導入に優先性を有するように指令することができる。ドーピングは例えば、各位置において90%野性型・10%変異型の導入に備えるように行うことができる。ドーピング方法の選択における他の考慮すべきことは遺伝学上のおよびタンパク質構造上の制限である。ドーピング方法は、特に終止コドンの導入が確実に回避されるDOPEプログラム(本実施例を参照のこと)を使うことにより実施することができる。
PCR変異誘発を使う時、親のα−アミラーゼ酵素をコードする化学処理済のまたは未処理の遺伝子を、ヌクレオチドの取込み違い(mis-incorporation)を増加させる条件下でPCRにかける(Deshler 1992;Leung他,Technique,第1巻,1989,11〜15頁)。E.コリ(Fowler他,Molec.Gen.Genet.,133,1974,179-191頁)、S.セレビシエまたは任意の他の微生物のミューテーター株は、例えば親酵素を含むプラスミドを用いてミューテーター株を形質転換せしめ、該プラスミドを有するミューテーター株を増殖させ、そして該ミューテーター株から変異型プラスミドを単離することにより、デンプン分解酵素をコードするDNAのランダム変異誘発に用いることができる。
変異誘発せしめようとするDNA配列は、便利には、親のデンプン分解酵素を発現する生物から調製したゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリー中に存在することができる。あるいは、該DNA配列は、プラスミドまたはバクテリオファージのような適当なベクター上に存在することができ、該ベクターそれ自体を変異誘発剤と共にインキュベートするかまたは他の方法で変異誘発剤に暴露せしめることができる。変異誘発させようとするDNAは、前記細胞のゲノム中に組み込まれるかまたは細胞中に含まれるベクター上に存在するかのいずれかにより宿主細胞中に存在してもよい。最後に、変異誘発させようとするDNAは単離された形であってもよい。ランダム変異誘発にかけるDNA配列は、好ましくはcDNAまたはゲノムDNA配列である。
場合によっては、発現段階(b)またはスクリーニング段階(c)を実施する前に変異型DNA配列を増幅せしめることが好都合かもしれない。そのような増幅は当業界で既知の方法に従って実施することができるが、親酵素のDNA配列またはアミノ酸配列に基づいて調製したオリゴヌクレオチドプライマーを使ったPCR増幅が現在好ましい方法である。
変異誘発剤とのインキュベーションまたは変異誘発剤への暴露に続いて、該DNA配列を含む適当な宿主細胞を、発現が起こるような条件下で培養することにより、変異型DNAを発現させる。この目的で使われる宿主細胞は、所望によりベクター上に存在する変異型DNA配列により形質転換されているもの、または変異誘発処理の間、親酵素をコードするDNA配列を担持していたものであることができる。適当な宿主細胞の例は次のものである:
グラム陽性菌、例えばバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)またはストレプトマイセス・ムリナス(Streptomyces murinus);およびグラム陰性菌、例えばE.コリ(E.coli)。
変異型DNA配列は、該変異型DNA配列の発現を可能にする機能をコードするDNA配列を更に含んでもよい。
限局化ランダム変異誘発:ランダム変異誘発は、有利には問題の親のα−アミラーゼの一部に限局化することができる。これは、例えば、酵素の或る領域が酵素の所定の性質に特に重要であると同定されている時、および変更すると改善された性質を有する変異体をもたらすと期待される時に有利であり得る。そのような領域は通常、親酵素の三次元構造が明らかにされており且つ該酵素の機能に関連づけられている時は同定することができる。
限局化ランダム変異誘発は、便利には、上述したようなPCR変異誘発技術または当業界で既知である他の任意の技術を使って実施される。
あるいは、変更しようとするDNA配列の部分をコードするDNA配列を例えば適当なベクター中に挿入することにより単離することができ、続いて前記部分を上述の変異誘発法のいずれかを使った変異誘発にかけることができる。
上述した本発明の方法のスクリーニング段階については、便利には本明細書の実施例2に関連して記載されるようなアッセイの使用により、これを実施することができる。
一般のスクリーニングについては、下記に基づいたフィルターアッセイが一般に使用できる:
着目の変異型デンプン分解酵素を発現することができる微生物を、該酵素を分泌させるのに適当な培地上で且つ適当な条件下でインキュベートし、ここで前記培地には第一のタンパク質結合性フィルターと、その上に置かれた低タンパク質結合力を有する第二のフィルターとを含んで成る二重フィルターが用意される。微生物は第二のフィルター上に置かれる。インキュベーション後、微生物から分泌された酵素を含んで成る第一のフィルターを、微生物を含んで成る第二のフィルターから分離する。第一のフィルターを所望の酵素活性についてのスクリーニングにかけ、そして第二のフィルター上に存在する対応する微生物コロニーを同定する。
酵素活性を結合させるのに使うフィルターは、任意のタンパク質結合性フィルター、例えばナイロンまたはニトロセルロースであることができる。発現生物のコロニーを担持する上側のフィルターは、タンパク質を結合する親和力が無いかまたは低い任意のフィルター、例えば酢酸セルロースまたはDuraporeTMであることができる。該フィルターは、スクリーニングに使用する条件のいずれかを使って予備処理してもよく、または酵素活性の検出中に処理してもよい。
酵素活性は色素、蛍光、沈澱、pH指示薬、IR吸光度、または他の既知の酵素活性検出技術により検出することができる。
検出する化合物は、任意の固定化剤、例えばアガロース、寒天、ゼラチン、ポリアクリルアミド、デンプン、濾紙、布により;または固定化剤の任意組合せにより固定化することができる。
α−アミラーゼ活性は、アガロース上に固定化されたCibacron Red標識アミロペクチンにより検出される。増加した耐熱性および高pH安定性を有する変異体についてスクリーニングするために、結合したα−アミラーゼ変異体を有するフィルターを特定時間に渡りpH10.5および60℃または65℃の緩衝液中でインキュベートし、脱イオン水中で手短に濯ぎ、そして活性検出用のアミロペクチン−アガロース母材上に置く。残余活性はアミロペクチン分解によるCibacron Redの溶解として検出される。検出条件は、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するα−アミラーゼによる活性がほとんど検出できないように選択される。安定化された変異体は、同一条件下で、Cibacron Redの放出が増えるために増強された色の強さを示す。
より低い温度でおよび/またはより広範な温度領域に渡り最適活性を有する変異体についてスクリーニングするために、結合した変異体を有するフィルターを直接アミロペクチン−Cibacron Red支持板上に置き、そして所望の温度(例えば4℃、10℃または30℃)で一定時間の間インキュベートする。この時間の後、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するα−アミラーゼによる活性はほとんど検出できず、一方、より低温で最適活性を有する変異体は増加されたアミロペクチン溶解を示すだろう。アミロペクチン母材上でのインキュベーション前に、問題の変異体の変更された依存性についてまたは問題の変異体と後述の添加剤との反応についてスクリーニングするために、様々な種類の所望の媒質−例えばCa2+、界面活性剤、EDTAまたは他の関連添加剤を含有する溶液−中でインキュベーションを実施することができる。
本発明の変異体の試験
本発明の変異体の試験は、適当には、例えばデンプン含有アガロース平板上で変異体をコードするDNA配列により形質転換された宿主細胞を増殖させ、そしてデンプン分解性宿主細胞を同定することによって該変異体のデンプン分解活性を決定することにより、実施することができる。変更された性質(比活性、基質特異性、開裂パターン、熱活性化、最適pH、pH依存性、最適温度および他の任意のパラメーターを含む)に関する追加の試験は、当業界で既知の方法に従って実施することができる。
α−アミラーゼ変異体の発現
本発明によれば、上述の方法によりまたは当業界で既知の任意の別法により生産される変異体をコードするDNA配列は、典型的にはプロモーター、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナル、および場合により、リプレッサー遺伝子または様々なアクチベーター遺伝子をコードする調節配列を含有する発現ベクターを使って、酵素形態で発現せしめることができる。
本発明のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列を含有する組換え発現ベクターは、便利には組換えDNA操作にかけることができる任意のベクターであることができ、ベクターの選択はそれを導入する予定である宿主細胞にしばしば依存するだろう。よって、該ベクターは自己複製ベクター、すなわちその複製が染色体の複製とは無関係である染色体外存在物として存在するベクター、例えばプラスミド、バクテリオファージまたは染色体外要素、例えばミニ染色体または人工染色体であることができる。あるいは、ベクターは宿主細胞中に導入されると宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、それが組み込まれた1または複数の染色体と一緒に複製されるものであってもよい。
ベクター中、DNA配列は適当なプロモーター配列に作用可能に連結されるべきである。プロモーターは、特定の宿主細胞中で転写活性を示す任意のDNA配列であることができ、宿主細胞にとって相同または非相同のタンパク質をコードする遺伝子から誘導することができる。特に細菌宿主中での、本発明のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列の転写を指令するのに適当なプロモーターの例は、E.コリのlacオペロンのプロモーター、ストレプトマイセス・ケリコロール(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子dagAプロモーター、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモーター、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)麦芽生成アミラーゼ遺伝子(amyM)のプロモーター、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)のプロモーター、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)xylAおよびxylB遺伝子のプロモーターなどである。真菌宿主中での転写に有用なプロモーターの例は、A.オリゼ(A.oryzae)のTAKAアミラーゼ、リゾムーコル・ミーヘイ(Phizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼ、A.ニガー(A.niger)の中性α−アミラーゼ、A.ニガーの酸安定α−アミラーゼ、A.ニガーのグルコアミラーゼ、リゾムーコル・ミーヘイのリパーゼ、A.オリゼのアルカリ性プロテアーゼ、A.オリゼのトリオースリン酸イソメラーゼまたはA.ニデュランス(A.nidulans)のアセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するプロモーターである。
本発明の発現ベクターは、適当な転写ターミネーターを含んで成ってもよく、そして真核生物では、本発明のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列に作用可能に連結されたポリアデニル化配列を含んで成ってもよい。転写終結配列およびポリアデニル化配列はプロモーターと同じ源に由来するものが適当であろう。
ベクターは問題の宿主細胞中で該ベクターを複製できるようにするDNA配列を更に含んで成ることができる。そのような配列の例はプラスミドpUC19,pACYC177,pUB110,pE194,pAMB1およびpIJ702の複製開始点である。
ベクターは選択マーカー、例えばその生成物が宿主細胞の欠陥を補完する遺伝子、例えばB.サチリスもしくはB.リヘニフォルミスからのdal遺伝子、または抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性を付与するものを含んでもよい。更にベクターはアスペルギルス選択マーカー、例えばamdS,argB,niaDおよびsC(ヒグロマイシン耐性をもたらすマーカー)を含んでもよく、または例えばWO 91/17243に記載されたように同時形質転換により選択を成し遂げてもよい。
ある面では、例えば宿主細胞としてある種の細菌を使う時には、細胞内発現が有利かもしれないが、発現は細胞外であることが通常好ましい。一般に、本明細書中に言及するバシラス菌α−アミラーゼは、発現されたプロテアーゼの培地中への分泌を可能にするプレ領域を含んで成る。所望であれば、このプレ領域を別のプレ領域やシグナル配列により置き換えることができ、これは便利には各々のプレ領域をコードするDNA配列の置換により達成される。
α−アミラーゼ変異体、プロモーター、ターミネーターおよび他の要素をそれぞれコードする本発明のDNA構成物を連結せしめ、そしてそれらの構成物を複製に必要な情報を含む適当なベクター中に挿入するのに用いる手順は当業者に周知である〔例えばSambrook他(1989)を参照のこと〕。
上記に定義したような本発明のDNA構成物または発現ベクターのいずれかを含んで成る本発明の細胞は、本発明のα−アミラーゼ変異体の組換え生産において宿主細胞として有利に使われる。便利にはDNA構成物(1または複数のコピー)を宿主染色体中に組み込むことにより、変異体をコードする本発明のDNA構成物を用いて細胞を形質転換せしめることができる。この組み込みは、おそらくDNA配列が細胞内に安定に維持されるだろうから、一般に有利であると考えられる。宿主染色体中へのDNA構成物の組み込みは、常法に従って、例えば相同または非相同組換えにより、実施することができる。あるいは、異なる型の宿主細胞に関連して上述したように発現ベクターを用いて細胞を形質転換せしめてもよい。
本発明の細胞は高等生物、例えば哺乳類または昆虫の細胞であってもよいが、好ましくは微生物細胞、例えば細菌または真菌(酵母を含む)細胞である。
適当な細菌の例は、グラム陽性菌、例えばバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・アルカロフィラス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、ストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)もしくはストレプトマイセス・ムリナス(Streptomyces murinus)、またはグラム陰性菌、例えばE.コリ(E.coli)である。細菌の形質転換は、例えば、プロトプラスト形質転換によりまたはそれ自体既知の方法でコンピテント細胞を使うことにより、行うことができる。
酵母生物は好ましくはサッカロミセス(Saccharomyces)またはシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)の種、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)から選択することができる。糸状菌は有利にはアスペルギルス(Aspergillus)種、例えばアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)またはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)に属し得る。真菌細胞は、プロトプラスト形成および該プロトプラストの形質転換、次いでそれ自体既知の方法での細胞壁の再生を含んで成る方法により形質転換せしめることができる。アスペルギルス宿主細胞の適当な形質転換方法はEP 238 023に記載されている。
更に別の面では、本発明は本発明のα−アミラーゼ変異体の生産方法であって、上述した宿主細胞を変異体の生産の助けとなる条件下で培養し、そして細胞および/または培地から変異体を回収することを含んで成る方法に関する。
細胞を培養するのに使う培地は、問題の宿主細胞を増殖させそして本発明のα−アミラーゼ変異体の発現を得るのに適当である任意の常用培地であることができる。適当な培地は販売業者から入手可能であるかまたは発表された作製法に従って(例えばアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションのカタログに記載されるように)調製することができる。
宿主細胞から分泌されたα−アミラーゼ変異体は、便利には、遠心分離または濾過により培地から細胞を分離し、硫酸アンモニウムのような塩を使って培地のタンパク様成分を沈澱させ、次いでイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等のようなクロマトグラフィー手法により精製することを含む周知の手順により、培地から回収することができる。
工業的用途
本発明のα−アミラーゼ変異体は、様々な工業的用途に備えた価値ある性質を有する。特に本発明の酵素変異体は、洗剤、食器洗い用洗剤、および硬質面洗浄用洗剤組成物中の一成分としての潜在的用途があるが、それはデンプンからの甘味料およびエタノールの製造において並びに織物製織にも有用である。従来のデンプン転化工程並びに液化および/または糖化工程の条件は、例えば米国特許第3,912,590号並びに欧州特許公報第252,730号および同第63,909号に記載されている。
デンプンからの甘味料の製造:デンプンから果糖シロップへの「伝統的な」転化方法は、通常3つの連続した酵素処理工程、即ち液化工程の後の糖化工程と同化工程から成る。液化工程中に、デンプンは5.5〜6.2のpH値で且つ95〜160℃の温度で約2時間に渡りα−アミラーゼ(例えばTermamylTM)によりデキストリンに分解される。これらの条件下での最適な酵素安定性を確保するために、1mMのカルシウムが添加される(40ppmの遊離カルシウムイオン)。
液化工程の後、グルコアミラーゼ(例えばAMGTM)と枝切り酵素〔例えばイソアミラーゼまたはプルラナーゼ(例えばPromozymeTM)〕の添加により、デキストリンはデキストロース(ブドウ糖)に変換される。この段階の前に、高温を維持しながら(約95℃)、pHを4.5以下の値に下げ、そして液化用α−アミラーゼ活性を変性させる。温度を60℃に下げ、そしてグルコアミラーゼと枝切り酵素を添加する。糖化工程は24〜72時間続けられる。
糖化工程の後、pHを6〜8の範囲の値、好ましくはpH7.5に増加させ、そしてイオン交換によりカルシウムを除去する。ブドウ糖シロップは、次いで例えば固定化グルコースイソメラーゼ(例えばSweetzymeTM)を使って、高果糖シロップに転化される。
この方法の次の少なくとも3つの酵素的改善を得ることができた。3つの改善はいずれも個別的な恩恵として認めることができるが、任意の組合せ(例えば1+2、1+3、2+3または1+2+3)を使うことも可能であった:
改善1. 液化用α−アミラーゼのカルシウム依存性の減少
α−アミラーゼの高安定性を適切に確保するためには遊離カルシウムの付加が要求されるけれども、遊離カルシウムはグルコースイソメラーゼの活性を強く阻害するので、費用のかかる単位操作を使って、遊離カルシウムのレベルが3〜5ppm以下になる程度まで除去する必要がある。そのような操作が回避でき、そして液化工程が遊離カルシウムイオンの添加なしに実施できれば、コストの削減が得られるだろう。
それを達成するために、低濃度の遊離カルシウム(<40ppm)で安定であり且つ高活性である低カルシウム依存性テルマミル様α−アミラーゼが要求される。そのようなテルマミル様α−アミラーゼは、4.5〜6.5のpH域、好ましくは4.5〜5.5のpH域に最適pHを有するべきである。
改善2. 不用なマイラード生成物の形成の減少
液化工程中の不用なマイラード生成物の形成の程度はpHに依存する。マイラード生成物の形成の減少には低pHが好ましい。よって、該工程のpHをpH6.0付近からpH4.5付近の値に下げることができることが望ましいだろう。不運にも、一般に既知である全ての耐熱性テルマミル様α−アミラーゼは低pH(即ちpH<6.0)においてあまり安定でなく、そしてそれらの比活性は一般に低い。
上述した目標の達成は、4.5〜5.5の範囲の低pHでおよび0〜40ppmの範囲の遊離カルシウム濃度で安定であり、且つ高い比活性を維持しているテルマミル様α−アミラーゼを必要とする。
改善3.
A.ニガー(A.niger)のグルコアミラーゼとB.アシドプルリチカス(B.acidopullulyticus)のプルラナーゼを使って糖化すると、糖化工程の前にα−アミラーゼを不活性化しなければ液化工程からの残余α−アミラーゼ活性の存在がデキストロースの低収率を引き起こし得ることが以前に報告されている(米国特許第5,234,823号)。この不活性化は、典型的には糖化のために温度を60℃に下げる前に、95℃でpHを4.3以下に調製することにより行うことができる。
デキストロース収率に対するこの負の効果の理由は完全に解明されていないが、液化用α−アミラーゼ(例えばB.リヘニフォルミスからのテルマミルTM120L)が、アミロペクチン中の分岐点近くで且つその両側で1,4−α−グルコシド結合を加水分解することにより、「リミットデキストリン」(B.アシドプルリチカスのプルラナーゼにとって良くない基質である)を生成すると推測される。グルコアミラーゼによるそれらのリミットデキストリンの加水分解は、三糖類パノースの生成をもたらし、これはグルコアミラーゼにより遅くしか加水分解されない。
この欠点を持たない耐熱性α−アミラーゼの開発は、別個の不活性化段階が全く必要とされないだろうから、意味のある工程改善であろう。
テルマミル様の低pH安定性のα−アミラーゼが開発されれば、特異性の変更が、低pHでの増加された安定性と共に要望される利点となるだろう。
本発明の方法論および原理は、上記に概説したような必要な性質を有する本発明の変異体をデザインしそして製造することを可能にする。これに関連して、特に興味深い変更は、テルマミル様α−アミラーゼ〔例えばテルマミルTM自体(B.リヘニフォルミスα−アミラーゼ;配列番号2);またはB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼ(配列番号4)のものと同じであるN末端アミノ酸配列(即ち、テルマミルTM中の第35位に相当するアミノ酸位置までの部分配列)を有するテルマミル様α−アミラーゼ、即ちテルマミルのアミノ酸配列に比較して次のN末端配列を有するテルマミル様α−アミラーゼ:
A1*+N2*+L3V+M15T+R23K+S29A+A30E+Y31H+A33S+E34D+H35I
(ここで星印(*)は問題のアミノ酸残基の欠失を示す)〕
中の次の位置のいずれかに相当する位置のところでの変異:
H133
H156
A181
A209
G310
H450
V128
N104
V54
S187
H293
A294
(上記アミノ酸残基の各々は任意の別のアミノ酸残基により、すなわちA,R,N,D,C,Q,E,G,H,I,L,K,M,F,P,S,T,W,YおよびVの中から選ばれた任意の別の残基により置き換えることができる)
並びに次の三重欠失:
K370*+G371*+D372*
D372*+S373*+Q374*
である。
上に指摘した位置のところでの特に好ましい置換は次のものである:
H133I
H156Y
A181T
A209V
G310D
H450Y
V128E
N104D
V54W,Y,F,I,L
S187D
H293Y
A294V。
上述した変異の1個または複数個(すなわち1,2,3,4…個)を問題のテルマミル様α−アミラーゼにおいて任意に組合せてもよく、α−アミラーゼのデンプン液化性質に関する1または複数の上記改善を達成することにおいて特に興味深い本発明の変異体としては、テルマミルTM(配列番号2)それ自体における次の変異の組合せに相当する多重変異の組合せを含んで成る変異体が挙げられる:
Figure 0004290763
更にこの面で本発明の興味深い変異体としては、テルマミルTMそれ自体における次の単一または多重変異に相当する単一または多重変異を含んで成る変異体が挙げられる:
N172(例えばN172R,K),S187(例えばS187D),N188(例えばN188P),N190(例えばN190L,F),H205(例えばH205C),D207(例えばD207D),A210(例えばA210S),Q264(例えばQ264S)もしくはN265(例えばN265Y)の位置での変異;
次の多重変異:
Figure 0004290763
および上記単一もしくは多重変異のいずれか2つ以上の組合せ。
既に上述したように、本発明の多数の変異体はデンプン転化、例えばデンプン液化における使用に非常に適する。これに関連して、本発明の更なる面は、
(i)配列番号2に示される配列を有するB.リヘニフォルミスからのα−アミラーゼと配列番号6に示される配列を有するB.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ(親のテルマミル様α−アミラーゼとして)に由来する本発明の1もしくは複数の変異体(変異体α−アミラーゼ)との混合物;または
(ii)配列番号6に示される配列を有するB.ステアロサーモフィラスからのα−アミラーゼと、1もしくは複数の別の親のテルマミル様α−アミラーゼ(例えば配列番号2に示される配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ、または本明細書中に具体的に言及された別の親のテルマミル様α−アミラーゼのうちの1つ)に由来する本発明の1もしくは複数の変異体(変異体α−アミラーゼ)との混合物;または
(iii)配列番号6に示される配列を有するB.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼ(親のテルマミル様α−アミラーゼとして)に由来する本発明の1もしくは複数の変異体(変異体α−アミラーゼ)と、1もしくは複数の別の親のテルマミル様α−アミラーゼ(例えば配列番号2に示される配列を有するB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ、または本明細書中に具体的に言及された別の親のテルマミル様α−アミラーゼのうちの1つ)に由来する本発明の1もしくは複数の変異体(変異体α−アミラーゼ)との混合物
を含んで成る組成物に関する。
そのような混合物中に含めることができるB.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼの変異体における好ましい変異としては、N193および/またはE210のところの置換、および/または二重欠失R179*+G180*もしくはI181*+G182*(この特定α−アミラーゼのアミノ酸配列の番号付けを使う)が挙げられる。
B.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼまたは本発明に係るそれの変異体を含有する、後者のタイプの1つの組成物は、デンプン液化における使用に非常に有力であると思われる。与えられた混合物の個々のα−デンプン分解性成分間の比(例えば液体培地1lあたりの活性デンプン分解タンパク質のmgとして表される)は、各成分の精密な性質および特性に依存するだろう。
洗剤組成物
上述したように、本発明の変異体は適切に洗剤組成物中に配合することができる。洗剤組成物(例えば洗濯用または食器洗い用洗剤)の関連成分、そのような洗剤組成物への該変異体の適当な配合方法、および洗剤組成物のタイプの例については、例えば、WO 96/23874およびWO 97/07202を参照のこと。
本発明の変異体を含んで成る洗剤組成物は、1または複数の別の酵素、例えばリパーゼ、クチナーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼもしくはラッカーゼ、および/または別のα−アミラーゼを更に含んでもよい。
本発明のα−アミラーゼ変異体は、汎用される濃度で洗剤に配合することができる。洗剤の通常の添加レベルを使ってα−アミラーゼ0.00001〜1mg(純粋な活性酵素タンパク質として計算)/l洗液に相当する量で本発明の変異体を配合することができると現在のところ期待される。
本発明を添付図面を参照しながら更に記載する。
図1は、終止コドンTAAと共に、WO 95/26397に記載のバシラス株NCIB 12512α−アミラーゼをコードするDNA配列と、コードされるα−アミラーゼのアミノ酸配列(図2参照)を示す。
図2は、本発明の範囲内の4つの親のテルマミル様α−アミラーゼのアミノ酸配列の整列である。最も左側の数字は次のような各々のアミノ酸配列を表す:
1:WO 95/26397に記載のバシラス株NCIB 12512α−アミラーゼのアミノ酸配列;
2:WO 95/26397に記載のバシラス株NCIB 12513α−アミラーゼのアミノ酸配列;
3:本明細書中の配列番号6に示されるB.ステアロサーモフィラスα−アミラーゼのアミノ酸配列;
4:Tsukamoto他、Biochem.Biophys.Res.Commn.151(1988),pp.25-31中に記載のバシラス種#707α−アミラーゼのアミノ酸配列。
図面の最も右側の数字は、問題の各配列についての連続するアミノ酸の総数を表す。番号3を付けた配列(配列番号6の配列に相当する)の場合、整列の結果としてそれぞれアミノ酸番号1と番号175に相当する位置に「ギャップ」が生じることに注目されたい。
図3は、実施例2(後述)において使用するPCR法を図解する。
材料および方法
pSNK101の作製
このE.コリ/バシラスシャトルベクターを使ってE.コリ中でα−アミラーゼを発現させることなく変異を導入し、次いでα−アミラーゼがバシラス菌中で活性であるような形に変更することができる。該ベクターは次のようにして作製した:pXベクター中のα−アミラーゼ遺伝子(amyL中に次の変異:BAN(1-33),H165Y,A181T,N190F,A209V,Q264Sを有するpDN1528;プラスミドpDN1528については実施例1で更に説明する)を、α−アミラーゼ遺伝子の5′コード領域中のPstI部位をE.コリ由来断片を含む1.2kb断片により中断することにより不活性化した。この断片を、正プライマー:5’-gacctgcagtcaggcaacta-3’と逆プライマー:5’-tagagtcgacctgcaggcat-3’を使ってpUC19(GenBank受入番号:X02514)から増幅せしめた。α−アミラーゼ遺伝子を含むpXプラスミドとPCRアンプリコンを37℃で2時間PstIで消化した。pXベクター断片とE.コリ由来アンプリコンを室温で1時間連結せしめ、次いで電気形質転換によりE.コリ中に形質転換せしめた。得られたベクターをpSnK101と命名した。
α−アミラーゼ変異体の醗酵および精製
関連の発現プラスミドを含むB.サチリス株を、−80℃の保存株から15μg/mlのクロラムフェニコールを有するLB寒天平板上に画線し、そして37℃で一晩増殖させた。500mlの振盪フラスコに入った15μg/mlのクロラムフェニコールを補足したBPX培地100mlにコロニーを移した。BPX培地の組成は下記の通りであった:
ジャガイモデンプン 100 g/l
大麦粉 50 g/l
BAN 5000 SKB 0.1g/l
カゼイン酸ナトリウム 10 g/l
大豆かす 20 g/l
Na2HPO4・12H2O 9 g/l
プルロニック(商標) 0.1g/l
培養物を37℃で270rpmで5日間振盪する。4500rpmでの20〜25分間の遠心分離により細胞と細胞破片を醗酵ブロスから除去する。その後、上清を濾過して完全に透明な溶液を得る。濾液を濃縮し、UFフィルター(10000カットオフ膜)上で洗浄し、そして緩衝液を20mM酢酸塩pH5.5に交換する。UF濾液をS−セファロースF.F.上に適用し、同緩衝液中の0.2M NaClを使った段階的溶出により溶離を行う。溶出液を10mM Tris,pH9.0に対して透析し、Q−セファロースF.F.上に適用し、そして6カラム容積に渡る0〜0.3M NaClの直線勾配を用いて溶離せしめる。活性を含む画分(Phadebasアッセイにより測定)をプールし、pHをpH7.5に調整し、0.5%w/vの活性炭での5分間処理により残っている色を取り除く。
α−アミラーゼ活性についてのアッセイ
α−アミラーゼ活性は、基質としてPhadebas(商標)錠を使った方法により測定する。Phadebas錠(Pharmacia Diagnosticにより供給されるPhadebasTM Amylase Test)は、ウシ血清アルブミンと緩衝物質と混合されそして錠剤に成形されている架橋した不溶性青色デンプンポリマーを含む。
1回測定毎に、1錠を5mlの50mM Britton-Robinson緩衝液(NaOHを使って目的の値にpH調整した、50mM酢酸、50mMリン酸、50mMホウ酸、0.1mM CaCl2)の入った試験管中で懸濁する。着目の温度の湯浴中で試験を行う。試験しようとするα−アミラーゼをxmlの50mM Britton-Robinson緩衝液中に希釈する。このα−アミラーゼ溶液1mlを5mlの50mM Britton-Robinson緩衝液に添加する。デンプンがα−アミラーゼにより加水分解されると可溶性の青色断片を与える。620nmで分光光度測定した青色生成溶液の吸光度はα−アミラーゼ活性の関数である。
10分または15分間のインキュベーション(試験時間)後に測定された620nm吸光度が620nmで0.2〜2.0吸光度単位の範囲内であることが重要である。この吸光度範囲では、活性と吸光度との間に直線性がある(Lambert-Beer法則)。従って、この基準に合うように酵素の希釈度を調整しなければならない。特定の条件(温度、pH、反応時間、緩衝液条件)設定下で、与えられたアミラーゼ1mgは一定量の基質を加水分解しそして青色を生成するだろう。色の強さは620nmで測定される。測定された吸光度は、与えられた条件設定下での問題のα−アミラーゼの比活性(純粋なα−アミラーゼタンパク質1mgあたりの活性)に正比例する。
DOPEプログラムの使用によるランダム変異誘発の一般法
ランダム変異誘発は、次の段階により実施することができる:
1. 親酵素において変異のための着目領域を選択する
2. 選ばれた領域において変異部位と非変異部位を決定する
3. 例えば作製しようとする変異体の所望の安定性および/または性能に関して、どんな種類の変異を行うのかを決定する
4. 構造上理に適った変異を選択する
5. 段階3により選択された残基を段階4に関して調整する
6. 適当なドープ演算法の使用によりヌクレオチド分布を解析する
7. 必要なら、所望の残基を遺伝暗号リアリズムに合わせる(例えば遺伝暗号から生じる拘束を考慮に入れて)(例えば終止コドンの導入を避けるために)(当業者は或るコドンの組合せが実際には使用できず修正改変を必要とするということに気付くだろう)
8. プライマーを作製する
9. 該プライマーを使用してランダム変異誘発を実施する
10. 所望の改善された性質についてスクリーニングすることにより、得られたα−アミラーゼ変異体を選択する。
段階6での使用に適当なDOPE演算法は当業界において周知である。1つの演算法はTomandl,D.他、Journal of Computer-Aided Molecular Design,11(1997)29-38頁により記載されている。別の演算法DOPEを下記に記載する:
DOPEプログラム
「DOPE」プログラムは、コドントリプレットが所望のアミノ酸分布に最も類似しているアミノ酸分布をコードするような方法でコドントリプレットのヌクレオチド組成を最適化するのに有用なコンピューター演算法である。可能な分布のいずれが所望のアミノ酸分布に最も類似しているかを評価するために、スコアリング関数が必要である。「DOPE」プログラムでは、次の関数が適当であることがわかった:
Figure 0004290763
ここで、xiは該プログラムにより計算されるアミノ酸およびアミノ酸群の獲得量であり、yiは該プログラムのユーザーにより定義されるアミノ酸およびアミノ酸群の所望量であり〔例えば、20アミノ酸または終止コドンのうちのいずれを導入したいのかを、例えば或る比率で特定する(例えば90%Ala,3%Ile,7%Val)〕、そしてwiは該プログラムのユーザーにより定義される、割り当てられる重み因子である(例えば、問題の位置に特定のアミノ酸残基を挿入することの重要性に依存する)。Nは21プラス該プログラムのユーザーにより定義されるアミノ酸群の数である。この関数の目的上、00は1であると定義される。
この関数の最大値を見つけるためにモンテカルロ演算法(1例はValleau,J.P. & Whittington,S.G.(1977)A guide to Mont Carlo for statistical mechenics:1 Higways.“Stastistical Mechanics,Part A”Equlibrium Techniques,B.J.Berne編,New York:Plenum中に記載されている)が使われる。各反復法において次の段階が行われる:
1. 各塩基について、現組成と新組成との間の絶対差が、コドンの3つの位置全部での4つのヌクレオチドG,A,T,Cの各々についてのdより小さいかまたは等しくなる、新規ランダムヌクレオチド組成を選択する(dの定義については下記参照)。
2. 上記に記載したような関数sを使うことにより、新組成のスコアと現組成のスコアを比較する。もし新組成のスコアが現組成のスコアよりも高いかまたは等しいならば、新組成を維持しそして現組成を新組成に変更する。もし新組成のスコアが小さければ、新組成を維持する確率はexp(1000(new_score-current_score))である。
1サイクルは上述したような1000反復から成り、ここでdは1から0まで直線的に減少していく。最適化プロセスでは100以上のサイクルを実施する。最高のスコアをもたらすヌクレオチド組成が最終的に提示される。
実施例1:本発明に従ったテルマミル TM 変異体の作製
テルマミル(配列番号2のB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ)はpDN1528と称するプラスミドからB.サチリス中で発現される。このプラスミドはテルマミルをコードする完全遺伝子amyLを含み、その発現は自身のプロモーターにより指令される。更に、このプラスミドはプラスミドpUB110からの複製開始点oriと、クロラムフェニコールに対する耐性を付与するプラスミドpUC194からのcat遺伝子を含む。pDN1528はWO 96/23874の図9に示されている。
配列番号1のコード領域の大部分を含む特別な変異誘発ベクターを作製した。pJeEN1と命名したこのベクターの重要な特徴は、pUCプラスミド由来の複製開始点、クロラムフェニコールに対する耐性を付与するcat遺伝子、およびbla遺伝子のフレームシフト含有変異形(それの野生型は一般にアンピシリンに対する耐性を付与する;表現型ampR)を含有する。この変異形はampS表現型をもたらす。プラスミドpJeEN1はWO 96/23874の図10に示されており、そして該プラスミド上にはE.コリ複製開始点ori、bla、cat、テルマミルアミラーゼ遺伝子の5′端が切り取られた変形、および抜粋した制限部位が示されている。
DengおよびNickoloffにより概説された制限酵素消化による選択を使う代わりに、修復されたbla遺伝子を有するプラスミドを含む形質転換されたE.コリ細胞のampR表現型に基づいて「選択プライマー」(プライマー#6616;下記参照)が組み込まれているプラスミドを選択することを除いて、DengおよびNickoloffにより記載された方法(1992,Anal.Biochem.200,81-88頁)により、amyL中に変異を導入する。変異誘発に使う薬品および酵素はStratageneからのChameleonTM変異誘発キット(カタログ番号200509)から入手した。
変異体プラスミド中のDNA配列の確認後、所望の変更を含む端が切り取られた遺伝子をPstI−EcoRI断片としてpDN1528中にサブクローニングし、そして変異体酵素を発現させるためにプロテアーゼおよびアミラーゼ欠損バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)株SHA273(WO 92/11357とWO 95/10603に記載)中に形質転換せしめる。
テルマミル変異体V54Wは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体A52W+V54Wは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
プライマー#6616(左から右に向かって5′→3′で記載;Pは5′−リン酸を表す):
Figure 0004290763
テルマミル変異体V54Eは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体V54Mは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体V54Iは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体Y290EおよびY290Kは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
YはCとTの等量混合物を表す。290位におけるグルタミン酸またはリジンのいずれかをコードするコドンの存在をDNA配列決定により確かめた。
テルマミル変異体N190Fは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体N188P+N190Fは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体H140K+H142Dは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体H156Yは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体A181Tは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体A209Vは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体Q264Sは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体S187Dは、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体DELTA(K370-G371-D372)(即ちアミノ酸残基番号370,371および372の欠失)は、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
テルマミル変異体DELTA(D372-S373-Q374)は、次の変異誘発プライマー(左から右に向かって5′→3′で記載)を使って作製した:
Figure 0004290763
A181T含有pDN1528様プラスミド(即ち、A181T変更をもたらす変異をamyL中に含むpDN1528)とA209V含有pDN1528様プラスミド(即ち、A209V変更をもたらす変異をamyL中に含むpDN1528)を、両pDN1528様プラスミドを2回切断する制限酵素Cla Iで消化し、1116bpの断片と3850bpのベクター部分(即ちプラスミド複製開始点を含む)を生成せしめることにより、テルマミル変異体A181TとA209Vを組み合わせてA181T+A209Vを作製した。A209V変異を含む断片とA181T変異を含むベクター部分を、アガロースゲル上で分離した後、QIAquickゲル抽出キット(QIAGENから購入)により精製した。該断片とベクター部分とを連結せしめ、この連結混合物を用いて上述したプロテアーゼ+アミラーゼ欠損型バシラス・サチリス株を形質転換せしめた。amy+(デンプン含有寒天平板上での透明帯)およびクロラムフェニコール耐性変異体からのプラスミドを、該プラスミド上の両変異の存在について分析した。
上記と同様にして、制限エンドヌクレアーゼAcc65IとEcoRIを用いてH156YとA209Vを組み合わせてH156Y+A209Vを作製した。
制限エンドヌクレアーゼAcc65IとHindIIIを用いて、H156Y+A209VとA181T+A209Vとを組み合わせてH156Y+A181T+A209Vを作製した。
テルマミル変異体H156Y+A181T+A209Vの成熟部分の35個のN末端残基を、次のようにしてSOE-PCRアプローチ(Higuchi他,1988,Nucleic Acids Research 16:7351)により、B.アミロリクファシエンスα−アミラーゼ(配列番号4)の33個のN末端残基(本明細書中BANと呼称する)により置き換えた(配列5′→3′)
Figure 0004290763
Boehringer Mannheimから入手したPwo耐熱性ポリメラーゼを使って製造業者の指示および次の温度サイクルに従って標準PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を実施した:94℃で5分、(94℃で30秒、50℃で45秒、72℃で1分)を25サイクル、および72℃で10分。
PCR1と名付けた第一のPCRにおいて、プライマー19364と19362を使って、B.アミロリクファシエンスα−アミラーゼをコードする遺伝子を含むDNA断片上で約130bp断片を増幅せしめた。
PCR2と名付けた第二のPCRにおいて、プライマー19363と1Cを使って、鋳型pDN1528上で約400bp断片を増幅せしめた。
PCR1とPCR2をアガロースゲルから精製し、それらを鋳型として使ってプライマー19364と1Cを用いるPCR3に使用し、約520bp断片を得た。従ってこの断片は、35番目のアミノ酸からのテルマミルをコードするDNAの一部分に融合した、BANからのN末端をコードするDNAの一部分を含む。
この520bp断片を、制限エンドヌクレアーゼPstIとSacIIでの消化、連結、および上述のB.サチリス株の形質転換により、pDN1528様プラスミド(テルマミル変異体H156Y+A181T+A209Vをコードする遺伝子を含む)中にサブクローニングした。制限部位PstIとSacIIの間にあるDNA配列を、amy+およびクロラムフェニコール耐性形質転換体から抽出したプラスミド中でDNA配列決定することにより確認した。
BANからの正しいN末端とH156Y+A181T+A209Vを含む最終構成物をBAN(1-35)+H156Y+A181T+A209Vと命名した。
pJeEN1中のamyLの配列をテルマミル変異体BAN(1-35)+H156Y+A181T+A209VをコードするDNA配列により置換したこと以外は上述したのと同様にして変異誘発を行うことにより、N190FをBAN(1-35)+H156Y+A181T+A209Vと組み合わせてBAN(1-35)+H156Y+A181T+N190F+A209Vを作製した。
pJeEN1中のamyLの配列をテルマミル変異体BAN(1-35)+H156Y+A181T+A209VをコードするDNA配列により置換したこと以外は上述したのと同様にして変異誘発を行うことにより、Q264SをBAN(1-35)+H156Y+A181T+A209Vと組み合わせてBAN(1-35)+H156Y+A181T+A209V+Q264Sを作製した。
制限エンドヌクレアーゼBsaHI(BsaHI部位はA209V変異の近くに導入された)とPstIを使って、BAN(1-35)+H156Y+A181T+A209V+Q264SとBAN(1-35)+H156Y+A181T+N190F+A209Vを組み合わせてBAN(1-35)+H156Y+A181T+N190F+A209V+Q264Sを作製した。
実施例2
低pHでの安定性の改善および安定性の対カルシウムイオン依存性の減少を有するテルマミル様α−アミラーゼ変異体の、限局化されたランダムドープ変異誘発による作製
α−アミラーゼは工業用デンプン液化工程に非常に重要である。B.リヘニフォルミスアミラーゼ(配列番号2)のアミノ酸36〜483に融合したB.アミロリクファシエンスアミラーゼ(配列番号4)のアミノ酸1〜33から成り、更に次の変異:Y156,T181,F190,V209およびS264を含んで成る、耐熱性B.リヘニフォルミスα−アミラーゼの変異体(この変異体の作製は実施例1に記載されている)は、低pHおよび低カルシウム濃度で非常に十分な安定性を有する。前記α−アミラーゼ変異体の低pHおよび低カルシウム濃度での安定性を更に改善しようとする試みにおいて、予め決められた領域でランダム変異誘発を実施した。
この領域は下記の通りであった:
Figure 0004290763
合計%の下の数字は、ドーピング後の指定領域中の所望の野生型(wt)アミノ酸の総数である。この数は、それぞれのwtによる変異位置の数(例えば領域Iについては8)の掛け算により与えられる。領域Iの場合、所望の合計%は
80×80×90×90×90×90×95×90/100=35%である。
平均%は、問題の領域中の位置の総数(例えば領域Iについては11)についての平均ドーピングレベルである。領域Iの場合、平均%は次のように計算される:
80+80+90+90+90+90+95+90=705を11で割って=88%。
DOPEソフトウエア(材料と方法の項目を参照)を使って、7領域中の各々の連想される変更に関してスパイクコドンを決定し、終止コドンの量を最小にした。コドンの3位置において正確なヌクレオチド分布を計算し、連想されるアミノ酸変更の母集団を与えた。高確率で所望の残基を与えるがまだ他の可能性もあるように、指摘の位置に特異的にドープ領域をドープした。
例えば、野生型(wt)配列中のもとのH156をYに変異せしめ(新規コドンを意味する)、次いで他残基について10%ドープした。すなわち、DNA配列はHの代わりにYをコードする。156位において、90%が所望の残基で残りは自由に許されるように、Tyrがプログラムされた。ある位置では、遺伝暗号が構造的におよび機能的に望ましい残基を制限するために、連想されるアミノ酸残基の母集団を作ることができなかった。得られた7つのドープされたオリゴヌクレオチドを、wtヌクレオチド配列およびアミノ酸配列並びに各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布と共に、表1〜7に示す。全てのライブラリープライマーはセンス鎖として合成した。
Figure 0004290763
各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布
1:80%T,20%A
2:96%A,2%G,2%C
3:98%A,2%T
4:93%T,4%G,3%A
5:97%A,3%G
6:98%T,2%A
7:97%A,3%C
8:90%C,10%T
9:95%C,5%A
Figure 0004290763
各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布
1:93%C,7%A
2:84%G,16%T
3:95%G,5%A
4:95%G,5%C
5:94%A,6%G
6:95%C,5%A
7:62%T,38%G
8:87%T,13%A
9:91%G,9%C
10:92%G,8%T
11:90%T,5%A,5%C
12:88%A,12%C
13:88%A,12%C
14:93%T,5%A,2%C
15:97%T,3%G
16:86%G,14%A
17:89%G,11%C
18:60%G,40%T
Figure 0004290763
各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布
1:89%C,11%T
2:89%A,11%G
3:95%C,2.5%T,2.5%A
4:96%G,1%A,3%T
5:96%A,4%C
6:98%T,2%A
7:95%G,2.5%a,2.5%C
8:93%G,7%A
9:96%T,4%A
10:84%A,16%G
11:81%G,7%A,7%T,5%C
12:98%C,2%A
13:96%G,4%C
14:94%G,6%T
15:82%A,18%T
16:50%A,50%T
17:90%A,10%G
18:70%A,30%C
19:86%G,14%A
Figure 0004290763
各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布
1:93%G,3.5%A,3.5%T
2:94%C,4%T
3:94%T,6%C
4:93%C,2%T,2%A,3%G
5:98%A,2%T
6:98%T,2%A
7:95%A,5%C
8:94%A,6%G
9:90%T,10%A
10:89%T,11%A
11:89%C,11%A
12:95%T,5%A
13:64%C,33%T,3%A
14:93%A,7%T
15:90%A,10%C
16:90%G,5%A,5%C
17:90%T,10%A
Figure 0004290763
各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布
1:91%G,9%A
2:87%G,13%C
3:90%T,10%G
4:90%G,10%T
5:85%C,8%T,7%A
6:89%A,9%T,2%C
7:88%T,12%A
8:88%T,11%C,1%G
9:92%A,8%T
10:93%A,7%G
Figure 0004290763
各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布
1:94%G,6%A
2:96%T,4%G
3:92%T,4%A,4%G
4:95%A,5%G
5:93%C,7%A
6:92%T,8%A
7:90%A,5%G,5%C
8:90%G,10%A
9:92%A,6%G,2%T
10:92%T,8%A
11:50%T,50%C
12:96%A,4%T
Figure 0004290763
各ドープ位置についてのヌクレオチドの分布
1:95%A,5%T
2:97%A,3%G
3:95%G,2.5%A,2.5%C
4:94%T,6.2%G
5:97%A,3%T
6:94%A,3%G,3%C
7:95%G,5%A
8:95%T,5%A
9:52%T,45%C,3%A
10:96%T,4%C
11:60%A,40%G
12:90%G,10%A
13:94%G,6%C
14:81%G,8%A,8%T,3%C
15:98%C,2%T
16:90%C,10%A
17:50%G,50%T
18:90%A,10%T
19:90%A,5%G,5%C
20:95%A,5%T
21:91%T,9%A
22:92%A,8%G
23:94%A,3%G,3%C
24:93%G,7%A
25:90%A,10%G
ランダム変異誘発
表1〜7から明らかなスパイクしたオリゴヌクレオチド(図3では共通名FDASと表示)および各領域についての逆プライマーRDAS並びにSacII部位とSalI部位を包含する特異的B.リヘニフォルミスプライマーを使って、重複伸長法〔Horton他,Gene,77(1989),61-68〕により、21bpの重複部分を有するPCR−ライブラリー断片を作製する。図3はPCR法を示す。PCR断片をE.コリ/バシラスシャトルベクターpSNK101(材料と方法の項目を参照のこと)中でクローニングしてE.コリ中での変異誘発およびバシラス・サチリス中での迅速発現を可能にし、E.コリ中での致死的なアミラーゼの蓄積を防止する。E.コリ中にクローン化PCR断片が確証された後、変異pUC19断片をプラスミドから消化して取り出し、プロモーターと変異型テルマミル遺伝子を物理的に連結せしめ、そしてバシラス中での発現を行うことができる。
スクリーニング
7つのライブラリーを後述の低pHフィルターアッセイおよび低カルシウムフィルターアッセイにおいてスクリーニングすることができる。
低pHフィルターアッセイ
バシラス菌ライブラリーを、10μg/mlクロラムフェニコールを含むTY寒天平板上に置いた、酢酸セルロース(OE 67,Schleicher & Schuell,Dassel,Germany)とニトロセルロースフィルター(Protran-Ba 85,Schleicher & Schuell,Dassel,Germany)のサンドイッチの上に37℃で少なくとも21時間置く。酢酸セルロース層をTY寒天平板上にのせる。
塗布した後、ただし陽性変異体をフィルター上に限局化することができるインキュベーションの前に、各フィルターサンドイッチに針で明確に印を付け、そして変異体が結合しているニトロセルロースフィルターをクエン酸緩衝液pH4.5の入った容器に移し、そして80℃で15分間インキュベートする。コロニーを有する酢酸セルロースフィルターを使用まで室温にてTY平板上で保存する。インキュベーション後、クエン酸緩衝液pH6.0に1%アガロース、0.2%デンプンを含有する平板上で残余活性を検出する。ニトロセルロースフィルターをのせたアッセイ平板をフィルターサンドイッチと同じ方法で印を付け、50℃で2時間インキュベートする。フィルターを取り除いた後、アッセイ平板を10%ルゴール溶液で染色する。デンプンを分解する変異体は、濃青色のバックグラウンド上の白い斑点として検出され、それを保存用平板上で確認する。陽性変異体を最初のスクリーニングと同じ条件下で2回再スクリーニングする。
低カルシウムフィルターアッセイ
このアッセイは、次の変更の他は低pHフィルターアッセイと同じやり方で実施する:タンパク質が結合したフィルターを、様々なEDTA濃度(0.001mM〜100mM)で95℃,pH6.0にて1時間インキュベートする。
上記方法により次の変異体が得られた(BANはB.アミロリクファシエンスα−アミラーゼを表す):
Figure 0004290763
太字体で示した変異はランダム変異誘発により導入した。それらの変異体の安定性データは実施例3の表11に与えられる。
上記と同様にして、上に指摘した7領域のランダム変異誘発を親のB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ(配列番号2)に対して行う。ドーピングスキームは上記で使用したものと同様に決定される。
実施例3
カルシウム−およびpH−依存型安定性の測定
一般に、工業的液化工程は、95〜105℃での安定性を高めるために40ppmの遊離カルシウムの添加を伴ってそして液化pHとしてpH6.0-6.2を使って行われる。ここに提案される置換のうちの幾つかは、
1. pH6.2より低いpHおよび/または
2. 40ppmより低い遊離カルシウム濃度
での安定性を高めるために実施した。
テルマミルにおける種々の置換により得られた安定性の向上を測定するために次の3種類の方法を使った。
1. 40ppmの遊離カルシウムの存在下で、わずかに下げたpH(pH5.5)での安定性を測定する第一のアッセイ。(これにより、低pHでの安定性の向上が測定される。)10μgの変異体を次の条件下でインキュベートした:40ppmカルシウムと5%w/w汎用コーンスターチ(カルシウム不含有)を含む、pH5.5にpH調整した0.1M酢酸塩溶液。インキュベーションは95℃の湯浴中で30分間実施した。
2. 遊離カルシウムの不在下でそしてpHをpH6.2に維持した中で安定性を測定する第二のアッセイ。このアッセイはカルシウム感受性の減少を測定する。10μgの変異体を次の条件下でインキュベートした:5%w/w汎用コーンスターチ(カルシウム不含有)を含む、pH6.2にpH調整した0.1M酢酸塩溶液。インキュベーションは95℃の湯浴中で30分間実施した。
3. 第一アッセイと第二アッセイの条件を組み合わせた第三のアッセイ。このアッセイはカルシウムの不在下で且つ低pH(pH5.5)での安定性を測定する。
4. pHを更にpH5.0に下げた第三アッセイと同様の第四のアッセイ。
安定性の測定
安定性試験1,2,3および4は全て同じ設定を使って行った。方法は以下の通りであった:
酵素を適切な条件(1〜4)下でインキュベートした。0,5,10,15および30分目に試料を取り、アッセイ緩衝液(0.1M 50mM Britton緩衝液pH7.3)中に25倍希釈し(採取した試料全てについて同じ希釈度)、そして標準条件(pH7.3,37℃)においてPhadebasアッセイ(Pharmacia)を使って活性を測定した。
インキュベーション前(0分)に測定した活性を対照標準(100%)として使用した。インキュベーション時間の関数として%の低下を計算した。下の表は30分間インキュベーション後の残余活性を示す。
比活性の測定
Phadebasアッセイ(Pharmacia)を使って、活性/mg酵素として比活性を測定した。活性は本明細書中の材料と方法の項目に記載したα−アミラーゼアッセイを使って測定した。
結果:
Figure 0004290763
Figure 0004290763
Figure 0004290763
Figure 0004290763
上記表11中の変異体は、実施例2に記載の限局化ランダム変異誘発を使って作製した。
実施例4
低pHおよび高温でのα−アミラーゼ安定性
この実施例は、2つの異なる条件:(1)pH4.5で1mM CaCl2および(2)pH6.2で10μM CaCl2のもとで、70℃にて蛍光アッセイにより特徴付けられた変異体の安定性結果を要約する。
方法の説明
全ての蛍光実験は4キュベットホルダーを使ってPerkin-Elmer LS-50蛍光光度計上で実施した。温度は循環水浴により制御し、Noronix Digital Thermometer(NTD 100型)を使ってキュベット中で直接測定した。測定の間、高攪拌速度で駆動する磁気攪拌器を使って、キュベット中の試薬の徹底的な混合を確保した。蒸発を最小限にするためにキュベットにテフロンの蓋をした。
固有タンパク質蛍光(Trp側鎖による)を280nmでの励起および350nmでの蒸発によりモニタリングした。スリット幅は5nmであった。
速度論的測定の間、4反応を平衡してモニタリングした。データをWavelength Programmeダイアログに集積して、長期間に渡る(例えば1時間に渡る)自動データ収集を行った。
変性(unfolding;折り畳みのほぐれ)は70℃で行った。変性条件は
(1) 50mM NaOAc pH4.5および1mM CaCl2
(2) 50mM NaOAc pH6.2および10μM CaCl2
タンパク質濃度は5μg/mlであり、グリセロール濃度は0.5%w/vであった(タンパク質原液から)。
記:わずかな温度変動のため(例えば水浴中の水量変化により起こる)、変性時間の1/2の絶対値に日によって幾分変動がみられた。しかしながら、各実験で分析する4つの酵素のうちの1つとして常にテルマミルを含めた。これは事実上内部標準として働く。この内部標準に相対した変性速度は十分な再現性があった(三重反復試験において実施した時に)。データ解析はGraphPad Prismソフトウエアを使って行った。pH4.5では、変性データはドリフトを伴う一次指数的減衰に非常に上手く近似させることができた:
Figure 0004290763
上式中、Fは測定された蛍光でありAは変性形態の振幅であり、tは時間でありそしてt1/2は変性時間の1/2値である。
pH6.2では、変性は非常に複雑であり(初期遅延位相を含む)、データを方程式1に当てはめることができなかった。代わりに、蛍光シグナルが初期シグナルの50%に減衰するのにかかった時間を見かけt1/2として用いた。
それらの半時間値(t1/2)から、次のようにして、テルマミルのものに比較した変性の自由エネルギーの変化を計算することができた:
Figure 0004290763
上式中、Rは万能気体定数であり、Tは温度である
(R*Tの値は0.5919であり、DDG値はキロカロリー/モルで与える)。
データをDDG値に変換することにより、様々な変異の不安定化/安定化効果を直接比較することができ、付加(DDG1+2=DDG1+DDG2)および相乗(DDG1+2>DDG1+DDG2)効果について調べることができる(ここでDDG1+2は変異1と変異2を導入することのエネルギー効果である)。
結果
低pHおよび高温でのアミラーゼの変性(ほぐれ)は、Trp蛍光の減衰により追跡することができる。pH4.5および1mM CaCl2では、全てのアミラーゼがかなり迅速に変性する。
pH4.5での変性データは、一次指数方程式よりも二次指数方程式によく当てはまる。しかしながら、第二位相が非常にゆっくりであるために、それは線形ドリフト(方程式1)により近似される。70℃でpH6.2および10μM CaCl2での変性は、低〔Ca2+〕にもかかわらずpH4.5の時よりもずっと遅い。変性は1時間以内では完全には程遠く、データを一次指数方程式に当てはめることは不可能である。代わりに、蛍光シグナルが初期シグナルの50%に減衰するのにかかった時間が見かけのt1/2として用いられる。
蛍光アッセイの結果を表12に与える。
Figure 0004290763
Figure 0004290763
実施例5
増加した比活性を有するα−アミラーゼ変異体
この実施例は、野生型テルマミルに比較して増加した比活性を有することにより特徴付けられる変異体の結果を要約する。安定化する置換に加えた単一置換としてのまたは互いに組み合わせたこれらの置換の存在は、生成する変異体の比活性を増加させる。比活性は、「材料と方法」のところに記載したα−アミラーゼ(Phadebas)アッセイを使って測定し、活性/mg酵素として表した。下記記載の通り活性を測定した。ここでpHは7.3、温度は37℃、試験時間は15分であり、そして緩衝液は明記した通りであった。
Figure 0004290763
実施例6
特定変異体の試験(糖化)
グルコアミラーゼおよびプルラナーゼを使って糖化する時、α−アミラーゼを糖化工程前に不活性化しなければ、液化工程からくる残余α−アミラーゼ活性の存在がグルコースの低収率を引き起こし得ることは以前に報告されている(米国特許第5,234,823号)。この不活性化は典型的には、糖化に向けて温度を60℃に下げる前に、95℃でpHを4.3より低く調整することにより行うことができる。
グルコース収率に対する負の効果の理由は十分に解明されていないが、液化用のα−アミラーゼ(例えばB.リヘニフォルミスからのテルマミル120L)が、アミロペクチン中の分枝点近くで且つ分枝点の両側で1,4−α−グルコシド結合を加水分解することにより、「リミットデキストリン」(これはプルラナーゼにとって不十分な基質である)を生じるのだろうと推測される。グルコアミラーゼによるこのリミットデキストリンの加水分解が、三糖パノースを形成を引き起こし、この三糖パノースはゆっくりとしかグルコアミラーゼにより加水分解されない。
この欠点をもたない耐熱性α−アミラーゼの開発は、別個の不活性化工程が必要でないことから、有意な改良である。
変異体アミラーゼが活性であるような条件下で、A.ニガー(A.niger)グルコアミラーゼとB.アシドプルリティクス(B.acidopullulyticus)プルラナーゼを使ってDE 10マルトデキストリン基質を糖化することにより、改変された特異性を有する多数のB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ変異体を評価した。
糖化反応は、24時間間隔で試料を取りそしてそれらをHPLCによって分析することによりモニタリングした。標準反応条件は下記の通りであった:
Figure 0004290763
次の酵素を使った:
Figure 0004290763
上記α−アミラーゼの一覧に挙げた変異は、指摘の変異により変更されているB.リヘニフォルミスα−アミラーゼ(配列番号2)(Termamyl=テルマミル)の変異体を指すために使用する。
糖化用の基質は、汎用コーンスターチから調製したDE 10噴霧乾燥済マルトデキストリン230gを沸騰中の脱イオン水460mlに溶かし、そして乾燥物質(DS)含量を約30%(w/w)に調整することにより、調製した。pHを4.7(60℃で測定)に調整し、そして15gの乾燥重量に相当する基質のアリコートを50mlの青蓋付ガラスフラスコに移した。
次いでそのフラスコを60℃に平衡化した振盪水浴に入れ、酵素を添加した。必要ならばpHを4.7に再調整した。2ml試料を定期的に採取し、pHを約3.0に調整し、次いで沸騰水浴中で15分間加熱して酵素を不活性化した。冷却した後、試料をロータリーミキサー上で約0.1gの混合床イオン交換樹脂(BIO-Rad 501-X8(D))で30分間処理して塩と可溶性Nを除去した。濾過した後、各試料の糖組成をHPLCにより調べた。72時間後に次の結果が得られた:
Figure 0004290763
対照(液化中に全く活性α−アミラーゼが存在しないもの)に比較して、活性α−パミラーゼ変異体V54YおよびA52W+V54Yの存在はパノース(DP3)レベルを上昇させなかった。
これらのα−アミラーゼ変異体をデンプン液化に使えば、糖化の開始前に該酵素を不活性化する必要がないだろう。
実施例7
模擬液化条件下でのB.リヘニフォルミス変異体の評価
工業的デンプン液化方法は、通常第一液化と第二液化と呼ばれる2工程を含んで成る。第一工程では、B.リヘニフォルミスまたはB.ステアロサーモフィラスからの耐熱性α−アミラーゼが添加されているpH5.5〜6.0の30〜40%(w/w)デンプンスラリーを、デンプン流中に新鮮蒸気を注入するジェットクッカ中で105〜110℃に加熱する。この温度で加圧下で5〜10分間の保持時間後、液化したデンプンを約95℃にフラッシュ冷却し、そしてこの温度を60〜120分間維持する。
研究室規模で少量の酵素を評価するために、次の試験方法を使用した:
脱イオン水中の汎用コーンスターチ(Cerestar GL 3406)の懸濁液(約30% w/w)の10gアリコートを、100mlの三角フラスコ(Schott GL 125)中に秤量し、それを締り嵌めスクリューキャップで締り嵌める。懸濁液中のpH、カルシウムレベルおよび酵素用量が変更することができる。
異なる実験条件の各セットについて4つのフラスコを使用する。フラスコを105℃に維持した振盪油浴(Heto VS 01)中に置く。7分後、冷たい油を浴の中に注ぎ、温度を95℃に下げる。各実験シリーズにおいて、フラスコを20,40,60および90分後に取り出し、流水の下で即座に冷却する。各フラスコに1滴の1N HClを加えて酵素を不活性化する。Neocuproine法を使ってDE(グルコースとして表わされる糖分)を測定することにより反応をモニタリングする。
この方法の詳細は、Dygert,Li,Florida & Thomas,Anal.Biochem.,13,368(1965)の“Determination of reducing sugar with improved precision”の中に見つけることができる。
90分後に下記のDEが記録された。
Figure 0004290763
Figure 0004290763
引用文献
Figure 0004290763
Figure 0004290763
配列表
下記の配列番号1,3,5において、関連するα−アミラーゼ遺伝子の5′コード配列と3′配列が記載される。5′配列は小文字で書かれた配列の最初の独立部分であり、コード配列は配列の中間部分であり(そこではシグナル配列が小文字で書かれておりそして成熟α−アミラーゼをコードする配列が大文字で書かれている)、そして3′配列は小文字で書かれた配列の三番目の独立部分である。
配列番号1
Figure 0004290763
配列番号2
Figure 0004290763
配列番号3
Figure 0004290763
配列番号4
Figure 0004290763
配列番号5
Figure 0004290763
配列番号6
Figure 0004290763
配列番号10
Figure 0004290763
配列番号11
Figure 0004290763
配列番号12
Figure 0004290763
配列番号13
Figure 0004290763

Claims (20)

  1. 配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するバシラス・リヘニフォルミス(Bacilus licheniformis)α−アミラーゼの変異体であって、バシラス・リヘニフォルミスα−アミラーゼと比較して6.2未満のpH、及び40ppm未満のCa 2+ 濃度で高い安定性を示し、且つ以下の変異:
    H156Y+A181T+A209V;
    H156Y+A181T+N190F+A209V+Q264S;
    Al*+N2*+L3V+M15T+R23K+S29A+A30E+Y3lH+A33S+E34D+H35I+H156Y+Al8lT+A209V;
    Al*+N2*+L3V+Ml5T+R23K+S29A+A30E+Y3lH+A33S+E34D+H35I+H156Y+A18lT+N190F+A209V;又は
    A1*+N2*+L3V+M15T+R23K+S29A+A30E+Y31H+A33S+E34D+H35I+H156Y+A181T+Nl90F+A209V+Q264S、
    ここで、上記アスタリスク(*)は、アミノ酸残基の欠失を示す、
    から選択されるいずれか1つの変異を含む、上記変異体。
  2. 請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列を含む、DNA構成物。
  3. 請求項2に記載のDNA構成物を担持する、組み換え発現ベクター。
  4. 請求項2に記載のDNA構成物又は請求項3に記載のベクターにより形質転換される細胞。
  5. 微生物である、請求項4に記載の細胞。
  6. 細菌又は真菌である、請求項4に記載の細胞。
  7. グラム陽性菌である、請求項6に記載の細胞。
  8. 洗浄及び/又は食器洗いのための、請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体の使用方法。
  9. 織物湯通しのための請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体の使用方法。
  10. デンプン液化のための、請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体の使用方法。
  11. 請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体を含む、洗剤添加剤。
  12. 添加剤1gあたり0.02〜200mgの酵素タンパク質を含有する、請求項11に記載の洗剤添加剤。
  13. 別の酵素をさらに含む、請求項12に記載の洗剤添加剤。
  14. 請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体を含む、洗剤組成物。
  15. 別の酵素をさらに含む、請求項14に記載の洗剤添加剤。
  16. 請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体を含む、手動又は自動食器洗い用洗剤組成物。
  17. 別の酵素をさらに含む、請求項16に記載の食器洗い用洗剤組成物。
  18. 請求項1に記載のα−アミラーゼ変異体を含む、手動又は自動食器洗い用洗浄組成物。
  19. 別の酵素をさらに含む、請求項18に記載の洗濯用洗剤組成物。
  20. 配列番号6に示される配列を有するバシラス・ステアロサーモフィラス(Bacilus stearothermophilus)のα−アミラーゼと、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するバシラス・リヘニフォルミス(Bacilus licheniformis)のα−アミラーゼに由来する請求項1に記載の1又は複数の変異体との混合物を含む、組成物。
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