JP4190479B2 - アミラーゼ含有粒状洗剤組成物 - Google Patents

アミラーゼ含有粒状洗剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、衣類等の繊維製品に用いる粒状洗剤組成物に関し、詳しくは、食べこぼし汚れ効果の高い特定のアミラーゼを含有する粒状洗剤組成物に関する。
食事中に食べ物を衣類等に落としてしまうことにより生じる食べこぼし汚れは、色素や油脂成分等の種々の成分によって発生するため、洗濯機を用いて行う通常の洗濯によって除去することは困難である。このため、高濃度の洗濯液を汚れに塗布して、予め洗濯する等の前処理が必要であった。
従って、このような前処理をしなくても食べこぼし汚れを効果的に除去できる粒状洗剤組成物が望まれていた。
これまでに、アミラーゼと特定の構造を有する漂白活性化剤とを併有する漂白洗浄剤組成物やアミラーゼと特定のビルダーとを併有する洗剤組成物(特許文献1、2)が知られているが、食べこぼし汚れに対して満足な洗浄効果が得られなかった。
特開平10−95996号公報 特表平11−507989号公報
本発明は、上記事情に鑑み、洗濯機を用いる通常の洗濯においても食べこぼし汚れ除去に効果の高い粒状洗剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のアミラーゼと、表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子及び界面活性剤含有粒子とを併用することにより上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成することに至った。すなわち、本発明は、以下の成分を含有することを特徴とする粒状洗剤組成物を提供する:
(A)以下の式(1)により算出される粘度低減率が40%以上であるアミラーゼ、
(B)10〜50質量%の界面活性剤を含有する界面活性剤含有粒子、及び
(C)水溶性アルカリ無機化合物を、有機又は無機水溶性高分子化合物と水難溶性化合物とで表面処理してなり、水溶性アルカリ無機化合物の含有量が50〜98質量%である、表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子。
Figure 0004190479
本発明において、活性の高い特定のアミラーゼを使用し、かつその表面積が一定範囲被覆処理されているアルカリビルダー含有粒子と界面活性剤含有粒子とを併用することにより、食べこぼし汚れを、効果的に、簡便に除去することができる。本発明によればまた、衣類等に損傷を与えることなく食べこぼし汚れを除去することができる。本発明の組成物はまた、水への溶解性に優れる。
(A)成分
本発明の(A)成分は、上述した式(1)により算出される粘度低減率が40%以上であるアミラーゼである。
詳細には、とうもろこし澱粉(関東化学(株)製)25gを90±2℃のアルカリ(炭酸ナトリウム4000ppm)水溶液475gに添加、1時間90±2℃で攪拌溶解した後、5℃にて12時間冷却する。その後、室温にて放置し、該溶液の温度が室温と等しくなった後、25℃に調温する。次いで、25℃に調温した該溶液40gの粘度(mPa・s)を振動式粘度計(株式会社エー・アンド・デイ製CJV5000、振動子の材質:ステンレス鋼SUS304−CSP−H、振動子の形状及び大きさ:円盤状、t(厚さ)=0.1mm、φ(直径)=13mm)にて測定し、初期粘度とする(測定条件:設定振幅値50mV、振動周波数:30Hz、試料量:40g(5%水溶液として)、測定温度:25℃)。その後初期粘度を測定したデンプン水溶液40gに対してアミラーゼを酵素タンパク量として0.004mgを素早く添加・撹拌し、添加後10秒後に粘度を初期粘度と同様に測定し、その後25℃で調温する。次いで10分後、30分後、60分後に粘度を初期粘度と同様に測定する。
得られた初期粘度と60分後の粘度の値を上述の式(1)に代入することにより、粘度低減率(%)を算出することができる。
上記特定の粘度低減率を満足するアミラーゼは、上述した市販の装置(株式会社エー・アンド・デイ製CJV5000)を用いた簡便なスクリーニング法により、適宜選択することができる。
本発明で使用できるアミラーゼとしては、デンプンやグリコーゲンなどのα−1,4結合を加水分解するα−アミラーゼ、β−アミラーゼ、α−グルコシターゼ、グルコアミラーゼとデンプンやグリコーゲンなどのα−1,6結合を加水分解するグルコアミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、アミロ−1,6グルコシターゼ/4−αグルカノトランスフェラーゼ、オリゴ−1,6−グルコシターゼなどが含まれる。でんぷんを加水分解する酵素であれば特に限定されず、1種類または2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明で使用できるアミラーゼを以下に例示する。しかしながら、以下の例示は本発明を限定するものではない。入手可能な市販酵素としては、以下の物が例示される。ターマミル(Termamyl)、デュラミル(Duramyl)、ステインザイム(Stainzyme)、プロモザイム(Promozyme)200L(以上、ノボザイムズ社製)、マキサミル(Maxamyl)(ジェネンコア社製)、天野製薬社のプルラナーゼアマノ、DB−250、Aerobacter aerogenes ATCC9621由来のプルラナーゼ(クルードまたは結晶化品が生化学工業社より発売)。
上記アミラーゼの他、特許掲載公報に記載のアミラーゼとして、以下のものが例示される。
(1)特開昭48−91271号公報記載のバチルス属起源のアルカリアミラーゼ
(2)特開昭61−209588号公報記載のストレプトマイセス属起源のアルカリアミラーゼ
(3)特開昭62−208278号公報記載のバチルス属起源のアルカリアミラーゼ
(4)特開平2−49584号公報記載のバチルス属起源のアルカリアミラーゼ
(5)特開平3−87176号公報記載のバチルス属起源のアルカリプルラナーゼ
(6)特開平3−87177号公報記載のバチルス属起源のアルカリプルラナーゼ
(7)特開平3−103177号公報記載のバチルス属起源のアミラーゼ
(8)特開平3−108482号公報記載のバチルス属起源のアルカリアミラーゼ
(9)特開平4−23983号公報記載のバチルス属起源のアルカリアミラーゼ
(10)特開平4−58885号公報記載のバチルス属起源のアルカリアミラーゼ
(11)特開平4−211369号公報記載のナトロノコッカス属起源のアルカリアミラーゼ
(12)特開平4−500756号公報記載のバチルス属起源のα−アミラーゼ
(13)特開平6−14775号公報記載のバチルス属起源のアルカリイソアミラーゼ
(14)特開平8−56662号公報記載のバチルス属起源のアルカリアミラーゼ
(15)特開平9−206073号公報記載のバチルス属起源のアルカリα−アミラーゼ
(16)特表平10−504197号公報記載のα−アミラーゼ変異体
(17)特開2000−023665号公報記載のアルカリアミラーゼ
(18)特開2000−023666号公報記載のアルカリアミラーゼ
(19)特開2000−023667号公報記載のアルカリアミラーゼ
(20)特開2002−112792号公報記載の変異α−アミラーゼ
(21)特開平4−503757号公報記載のピロコッカス属起源のα−アミラーゼ
(22)特表平8−500243号公報記載のバチルス属起源のα−アミラーゼ
(23)特表平8−504586号公報記載のバチルス属又はアスパラギルス属起源のα−アミラーゼ
(24)特表平8−506731号公報記載のピロコッカス属等起源のデンプン分解酵素
(25)特表平9−503916号公報記載のバチルス属起源のα−アミラーゼ
(26)特表平9−510617号公報記載のバチルス属起源のα−アミラーゼ
(27)特表2001−520006号公報記載のα−アミラーゼ変異体
(28)特表2001−521739号公報記載のα−アミラーゼ変異体
(29)特表2002−504323号公報記載のアルカリ性バチルスアミラーゼ
(30)特表2002−530072号公報記載のα−アミラーゼ変異体
(31)特表2002−540785号公報記載のα−アミラーゼ変異体
(32)特表2003−507059号公報記載のアルカリバチルスアミラーゼ
(33)特表2004−508815号公報記載のα−アミラーゼ突然変異体
これらのアミラーゼは単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。2種以上を併用する場合、個々のアミラーゼについての粘度低減率が40%未満であっても、併用したときの粘度低減率が40%以上であるならば、本発明の(A)成分として使用することができる。本発明の(A)成分としては、粘度低減率が70%以上のアミラーゼが好ましく、80%以上のアミラーゼがより好ましい。如何なる理論にも拘束されるものではないが、アミラーゼの粘度低減率が40%以上であると、衣類と汚れの付着力を弱めることができるので、食べこぼし汚れに対して高い除去効果を発揮するものと考えられる。粘度低減効果の高い起源のアミラーゼを選定するか、あるいは粘度低減効果が高くなるように変異させたアミラーゼを選定することにより、アミラーゼの粘度低減率を上昇させることができる。特に、上記特許掲載公報(21)〜(33)に記載のアミラーゼが好ましい。更に特に、ステインザイムが好ましい。
アミラーゼは、通常の造粒法に基づき、安定剤、フィラー、増量剤、増白剤、バインダー及びコーテイング剤等との造粒物として使用するのが好ましい。安定性及び水への溶解性に優れるためである。安定性及び水への溶解性の面から、後述する実施例に記載の方法で測定される平均粒子径が200〜700μmであるのが望ましい。なお、2種以上の酵素の造粒に際しては別々に造粒してもよいし、酵素を混合し、同一造粒物としてもよい。通常、酵素造粒物中のアミラーゼの配合量としては、酵素タンパク量として0.1〜10質量%程度であり、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%である。酵素含有粒子の造粒方法としては、特開昭53−6484号公報、特開昭60−262900号公報、特開昭62−257990号公報、特開平1−112983号公報、特表平3−503775号公報、特表平4−503369号公報、特開2000−178593号公報記載の方法等が挙げられる。
本発明の組成物において、(A)アミラーゼは、組成物の全量を基準として、酵素タンパク量として好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上、特に好ましくは0.003質量%以上であって、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.03質量%以下、特に好ましくは0.02質量%以下の量で含まれるのが好ましい。0.001質量%より少ない場合には本発明の効果が小さくなる場合があり、0.05質量%より多い場合には効果が頭打ちとなってしまう場合がある。
なお、洗浄剤組成物中の酵素タンパク量の定量は、必要に応じて塩析法、沈殿法、限外濾過法等の分離手段により粗酵素を得た後、公知の方法により精製結晶化するか、あるいはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で形成されるバンドを公知の染色法によって染色し、染色の程度を既知の酵素精製品と比較することにより可能である。
(B)成分
本発明の(B)成分は、10〜50質量%の界面活性剤を含有する界面活性剤含有粒子である。
<界面活性剤>
界面活性剤含有粒子に用いられる界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(B)界面活性剤含有粒子中の界面活性剤は、洗浄性能の点から、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤との併用がより好ましい。アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を併用する場合には、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の配合量の質量比(アニオン界面活性剤/ノニオン界面活性剤)が、0.1〜10が好ましく、0.2〜8がより好ましく、0.3〜7がさらに好ましい。
アニオン界面活性剤としては、従来より洗剤において使用されるものであれば、特に限定されるものではなく、各種のアニオン界面活性剤を使用することができる。例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)
(2)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩(AS)又はアルケニル硫酸塩
(3)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)
(4)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩
(5)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテル硫酸塩(AES)又はアルケニルエーテル硫酸塩
(6)炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はそれらの混合物を付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩
(7)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩
(8)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩
(9)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸(α−SF)塩又はそのメチル、エチルもしくはプロピルエステル等
アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、AOS、α−SF、AESのアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)、高級脂肪酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム又はカリウム塩等)が好ましい。このうち、炭素数10〜14のアルキル基を有するLAS、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩及び炭素数12〜18のα−SFが好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(I)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート
R1CO(OA)nOR2 (I)
(式中、R1COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し、OAは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイドの付加単位を示し、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。R2は炭素数1〜3の置換基を有してもよい低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。)
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(8)グリセリン脂肪酸エステル
上記のノニオン界面活性剤の中でも、上述した(1)のノニオン界面活性剤が好ましく、特に、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。融点が50℃以下でHLBが9〜16のポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。また、これらのノニオン界面活性剤は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
なお、本発明におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。また、本発明における融点とは、JIS K0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
カチオン界面活性剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩
(上記長鎖アルキルは炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基、短鎖アルキルは炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基、ベンジル基、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基、又はポリオキシアルキレン基を示す。)
両性界面活性剤としては、イミダゾリン系や、アミドベタイン系等の両性界面活性剤を挙げることができる。
界面活性剤の配合量は、(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子との混合による溶解性や流動性の観点から、(B)界面活性剤含有粒子中に10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%である。50質量%を超えて配合すると流動性が劣る場合があり、10質量%未満であると溶解性が劣る場合がある。
本発明の組成物において、(B)界面活性剤含有粒子は、組成物の全量を基準として、好ましくは50〜94質量%、より好ましくは75〜90質量%以上の量で含まれるのが好ましい。50質量%より少ない場合には洗浄性能が低下する場合があり、94質量%より多い場合には、他の成分が不足して本発明の効果が小さくなる場合がある。
本発明の(B)界面活性剤含有粒子は、上記必須成分のほかに下記に示す任意成分も含有することができる。なお、無機化合物や水溶性高分子化合物は重複して記載される。これら任意成分は、各々1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(1)洗浄ビルダー
(B)界面活性剤含有粒子中に配合される洗浄ビルダーとしては、無機及び有機ビルダーが挙げられる。
(1−1)無機ビルダー
無機ビルダーとしては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、結晶性層状珪酸ナトリウム、非結晶性層状珪酸ナトリウム等のアルカリ性塩、硫酸ナトリウム等の中性塩、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩、下記一般式(II)
1(M2O)・Al23・y1(SiO2)・w1(H2O) (II)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x1、y1及びw1は各成分のモル数を示し、一般的には、x1は0.7〜1.5、y1は0.8〜6の数、w1は任意の正数を示す。)
で表される結晶性アルミノ珪酸塩、下記一般式(III)、(IV)
2(M2O)・Al23・y2(SiO2)・w2(H2O) (III)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x2、y2及びw2は各成分のモル数を示し、一般的には、x2は0.7〜1.2、y2は1.6〜2.8、w2は0又は任意の正数を示す。)
3(M2O)・Al23・y3(SiO2)・z3(P25)・w3(H2O)
(IV)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子、x3、y3、z3及びw3は各成分のモル数を示し、一般的には、x3は0.2〜1.1、y3は0.2〜4.0、z3は0.001〜0.8、w3は0又は任意の正数を示す。)
で表される無定形アルミノ珪酸塩等が挙げられる。無機ビルダーの中では、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウムが好ましい。
(B)界面活性剤含有粒子中の無機ビルダーの配合量は、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは30〜60質量%である。無機ビルダーの配合量が少なすぎると流動性が劣化する場合があり、多すぎると粉の発塵が起こる場合がある。
(1−2)有機ビルダー
有機ビルダーとしては、有機高分子系ビルダーと有機低分子系ビルダーが挙げられる。
有機高分子系ビルダーとしては、アクリル酸系高分子化合物、ポリアセタールカルボン酸塩、セルロース系高分子化合物、、イタコン酸、フマル酸、テトラメチレン−1,2−ジカルボン酸、コハク酸、アスパラギン酸等の重合体又は共重合体が挙げられる。アクリル酸系高分子化合物としては、アクリル酸重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体が好ましく、特に、重量平均分子量が1,000〜80,000のアクリル酸/マレイン酸共重合体の塩、アクリル酸重合体の塩が好適である。ポリアセタールカルボン酸塩としては、特開昭54−52196号公報に記載の重量平均分子量が800〜1,000,000、好ましくは5,000〜200,000のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩が好適である。セルロース系高分子化合物としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。水溶性高分子化合物の重量平均分子量は1,000〜1,000,000が好ましく、1,000〜100,000がより好ましい。有機高分子系ビルダーは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
有機低分子系ビルダーとしては、例えばニトリロトリ酢酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸塩、β−アラニンジ酢酸塩、アスパラギン酸ジ酢酸塩、メチルグリシンジ酢酸塩、イミノジコハク酸塩等のアミノカルボン酸塩;セリンジ酢酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシン塩等のヒドロキシアミノカルボン酸塩;ヒドロキシ酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩等のヒドロキシカルボン酸塩;ピロメリット酸塩、ベンゾポリカルボン酸塩、シクロペンタンテトラカルボン酸塩等のシクロカルボン酸塩;カルボキシメチルタルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸モノ又はジサクシネート等のエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。
これらの有機低分子系ビルダーの中では、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ヒドロキシイミノジコハク酸塩が好ましい。
(B)界面活性剤含有粒子中の有機ビルダーの配合量は、0.1〜20質量%、好ましくは0.5%〜15質量%、より好ましくは1〜10質量%である。有機ビルダーの配合量が少なすぎると、洗浄性能の向上効果が得られない場合があり、多すぎると(B)界面活性剤含有粒子そのものの溶解性が劣化してしまう場合がある。
また、洗浄力、洗濯液中での汚れ分散性を改善する目的から、クエン酸塩、アミノカルボン酸塩、ヒドロキシアミノカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリアセタールカルボン酸塩等の有機ビルダーとゼオライト等の無機ビルダーとを併用するのが好ましい。
(2)溶解促進剤
(B)界面活性剤含有粒子中に配合される溶解促進剤としては、例えば、炭酸カリウムや、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の無機アンモニウム塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キュメンスルホン酸ナトリウム等の炭素数1〜5の短鎖アルキルを有するベンゼンスルホン酸塩、安息香酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、D−グルコース、尿素、蔗糖等の水溶性物質が挙げられる。このうち、炭酸カリウム、塩化ナトリウムが好ましく、溶解性向上効果とコストのバランスから、特に炭酸カリウムが好ましい。
炭酸カリウムを配合する場合、その配合量は溶解性向上効果の点から、(B)界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。塩化ナトリウムを配合する場合、その配合量は溶解性向上効果の点から、(B)界面活性剤含有粒子中に好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは3〜7質量%である。
(3)膨潤性水不溶性物質、例えば粉末セルロース、結晶性セルロース、ベントナイト等、
(4)蛍光剤:ビス(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体(チノパールAMS−GX)、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩[チノパールCBS−X]等、
(5)帯電防止剤:ジアルキル型4級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤等、
(6)再汚染防止剤:カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体等、
(7)増量剤:硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等、
(8)還元剤:亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等、
(9)香料
(10)色素
(11)漂白活性化触媒、特に、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロム、バナジウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、タングステン、モリブデン等の遷移金属原子と配位子とが、窒素原子や酸素原子等を介して錯体を形成するものであって、含まれる遷移金属としては、コバルト、マンガン等が好ましく、特にマンガンが好ましい。
(B)界面活性剤含有粒子の平均粒子径は好ましくは200〜1,500μm、より好ましくは250〜1,000μm、さらに好ましくは300〜700μmである。また、嵩密度は好ましくは0.4〜1.2g/mL、より好ましくは0.5〜1.0g/mLである。
(B)界面活性剤含有粒子の水分量は溶解性と保存安定性の点から好ましくは4〜10質量%、より好ましくは5〜9質量%、さらに好ましくは5〜8質量%である。
(B)界面活性剤含有粒子は、以下の造粒方法によって得ることができる。原料粉末及びバインダー成分(界面活性剤、水、液体高分子成分等)を捏和・混練した後、押し出して造粒する押し出し造粒法、捏和・混練した後、得られた固形洗剤を破砕して造粒する捏和・破砕造粒法、原料粉末にバインダー成分を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒する撹拌造粒法、原料粉末を転動させつつバインダー成分を噴霧して造粒する転動造粒法、原料粉末を流動化させつつ、液体バインダーを噴霧し造粒する流動層造粒法等が挙げられる。これら造粒方法で使用可能な具体的装置や条件等は特開2003−105400号公報、特開2003−238998号公報、日本粉体技術協会編及び造粒ハンドブック第一版等に記載の通りである。
貯蔵時の固化(ケーキング)を防止する観点から、(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子と(B)界面活性剤含有粒子のいずれか一方、好ましくは両方を有機又は無機の微粉体で表面処理することが好ましい。これら微粉体としては1次粒子径30μm以下、好ましくは0.1〜10μmの微粉体であれば特に限定されないが、例としては常温固体の界面活性剤、長鎖脂肪酸アルカリ土類金属塩、アルミノ珪酸塩、シリカ、粘土鉱物等が挙げられる。このうちアルミノ珪酸塩が好ましい。
(C)粒子及び/又は(B)粒子を微粉体で表面処理する場合、微粉体の量は、粒状粒状洗剤組成物中好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.3〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。
本発明においては、特に下記条件を満たす(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子及び(B)界面活性剤含有粒子の組み合わせが好ましい。
(C)粒子の水溶性アルカリ無機化合物が、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムから選ばれる1種又は2種以上であり、水溶性高分子化合物がビニル系高分子化合物、多糖類又はその誘導体及びポリエステル系高分子化合物から選ばれる1種又は2種以上であり、(C)粒子中の水難溶性化合物の配合量が10質量%未満であり、かつ(B)界面活性剤含有粒子中の界面活性剤配合量が10〜40質量%である。このような組み合わせを用いると、低水温中での分散性が大きく改善できるので好ましい。
(C)成分
本発明の(C)成分は、核となる水溶性アルカリ無機化合物を、有機又は無機水溶性高分子化合物と水難溶性化合物とで表面処理してなり、水溶性アルカリ無機化合物の含有量が50〜98質量%である、表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子である。
(C)成分は低温溶解性の点から、水溶性アルカリ無機化合物を核粒子(以下、水溶性アルカリ無機化合物核粒子と記す)として使用し、水溶性アルカリ無機化合物核粒子を第1表面処理剤として有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理し、得られた粒子をさらに第2表面処理剤として水難溶性化合物で表面処理することにより得ることができる表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子であることが好ましい。
<水溶性アルカリ無機化合物核粒子>
本発明において使用できる水溶性アルカリ無機化合物核粒子とは、5℃における水への溶解度が1g/100g以上、好ましくは2g/100g以上、より好ましくは3g/100g以上の水溶性アルカリ無機化合物粒子をいう。このような水溶性アルカリ無機化合物粒子であれば、特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
洗浄性能寄与の点から、5℃の飽和水溶液のpHが8以上、好ましくは5℃の飽和水溶液のpHが9以上、より好ましくは5℃の飽和水溶液のpHが10以上の水溶性アルカリ無機化合物が好適である。
このような水溶性アルカリ無機化合物粒子としては、一般にアルカリ洗浄ビルダーとして用いられているものが挙げられる。具体的には、炭酸塩類、重炭酸塩類及びセスキ炭酸塩類、亜硫酸塩類、リン酸塩及び重縮合リン酸塩類、珪酸塩類等が挙げられる。この中でも、炭酸塩類、重縮合リン酸塩類等がさらに好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が特に好ましい。
また、他の塩類との複合塩も好適に用いることができ、例えば、炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムの複合塩であるバーケアイト等はその代表的な例である。水溶性アルカリ無機化合物は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
水溶性アルカリ無機化合物核粒子は常法により得ることができ、その平均粒子径は、100〜1500μmが好ましく、より好ましくは、200〜1000μmである。平均粒子径が100μm未満では、水溶性高分子化合物による表面処理が困難となる場合があり、1500μmを超えると水溶性アルカリ無機化合物の溶解性が低下する場合がある。このような水溶性アルカリ無機化合物粒子は、市販のものを適宜用いることができる。なお、平均粒子径は後述する実施例に記載の測定法による。
市販で入手可能な水溶性アルカリ無機化合物には様々なグレードのものがあるが、本発明の利用を限定するものではない。例えば、製造工程で混入する不純物や品質安定化の為の保存安定剤や酸化防止剤を含む水溶性アルカリ無機化合物も本発明の範囲に含まれる。
<有機水溶性高分子化合物>
上記水溶性アルカリ無機化合物の表面処理に用いる第2表面処理剤である有機水溶性高分子化合物は、40℃において水100gに対しては0.1g以上、好ましくは0.2g以上、より好ましくは2g以上の濃度で水と均一に混和する高分子化合物である。このような有機水溶性高分子化合物であれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
有機水溶性高分子化合物としては、天然高分子化合物、半合成高分子化合物及び合成高分子化合物等が挙げられる。具体的にはビニル系高分子化合物、多糖類、ポリエーテル系高分子化合物、ポリエステル系高分子化合物、ペプチド系高分子化合物、ポリウレタン、及びそれらの誘導体等を用いることができる。この中でも、ビニル系高分子化合物、多糖類、その誘導体及びポリエステル系高分子化合物から選ばれる1種を単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることが好ましい。
ビニル系高分子化合物としては、例えば、ビニル系ポリカルボン酸塩類(アクリル酸系高分子化合物)、ビニル系ポリスルホン酸塩、ポリビニルピリジン塩、ポリビニルイミダゾリウム塩等が挙げられる。多糖類としては、各種天然又は合成多糖類を用いることができる。
ポリエステル系高分子化合物としては、例えば、テレフタル酸とエチレングリコール及び/又はプロピレングリコール単位とのコポリマー又はターポリマー等が挙げられる。これらの例としては、市販品のTexcare4291(クラリアント社製)、TexcareSRN−300(クラリアント社製)等が挙げられる。
ペプチド系高分子化合物又はその誘導体の具体例としては、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、ポリリジン、ポリアルギニン及びこれらの誘導体等が挙げられる。
ポリウレタンとしては、例えば、水溶性ポリウレタン等が挙げられる。また、ポリエチレングリコール等のその他の水溶性高分子化合物も用いることができる。
特に、水溶性アルカリ無機化合物が水和しやすくなるという点から、重炭酸塩を含む水溶性アルカリ無機化合物核粒子を水溶性有機高分子化合物で表面処理した状態下、水と接する初期段階において浸水作用を発揮するものが好適である。このような特性を有する水溶性有機高分子化合物としては、アニオン性、両性、ノニオン性等の親水性官能基を有するものが挙げられる。
アニオン性基を有する水溶性有機高分子化合物としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基を有する高分子化合物、アニオン性基を有する水溶性多糖類が挙げられる。カルボキシル基を有する水溶性有機高分子化合物としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アコニット酸、メタクリル酸、フマル酸、2−ヒドロキシアクリル酸、シトラコン酸等のモノマーを重合させてなるポリマー及びその塩、並びにこれらのモノマーとその他のビニル系モノマーとの共重合体及びその塩等のビニル系ポリカルボン酸(塩)が挙げられる。スルホ基を有する水溶性高分子化合物としては、例えば、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のモノマーを重合してなるモノマー及びその塩、並びにこれらのポリマーとその他のビニル系ポリマーとの共重合体及びその塩等のビニル系ポリスルホン酸(塩)等が挙げられる。アニオン性基を有する水溶性多糖類としては、例えば、ポリウロン酸塩、アルギン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、カラゲーナン、ヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸塩、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
両性水溶性高分子化合物としては、例えば、アニオン性基を有するビニル系単量体とカチオン性基を有するビニル系単量体との共重合体、カルボキシベタイン基又はスルホベタイン基を有するビニル系の両性高分子が挙げられ、具体的には、アクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体、アクリル酸/ジエチルアミノエチルメタクリル酸共重合体等が挙げられる。
ノニオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテル、ポリエチレングリコール等の合成高分子化合物、ヒドロキシエチルセルロース、グアーガム、デキストラン、プルラン等の多糖類が挙げられる。
これらの中でも、水と接する初期段階における浸水作用に優れ、水に溶解又は分散する際に発熱する化合物が好ましい。この点を考慮すると、カルボキシル基又はスルホ基を有するビニル系ポリマーを用いることが好ましく、特に、単位質量当たりのアニオン性基含量の高いビニル系ポリカルボン酸類が好適である。
具体的には、ポリアクリル酸塩、アクリル酸/マレイン酸共重合体塩、アクリル酸/イタコン酸共重合体塩、アクリル酸アルキル共重合体塩、及びこれらの誘導体等が最適である。
本発明の有機水溶性高分子化合物の重量平均分子量は500以上であり、好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは1,000〜200,000である。なお、本発明におけるポリエチレングリコールの平均分子量は、化粧品原料基準(第2版注解)記載の平均分子量を示す。また、本発明における有機水溶性高分子化合物重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる測定値である。
有機水溶性高分子化合物で水溶性アルカリ無機化合物を表面処理する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、水溶性アルカリ無機化合物に有機水溶性高分子化合物を添加、混合又は被覆する方法等が挙げられる。有機水溶性高分子化合物を、水溶液として表面処理に用いることが好適である。この水溶液を、撹拌・流動化状態の水溶性アルカリ無機化合物に滴下又はスプレー添加することが好ましい。
<無機水溶性高分子化合物>
一方、無機水溶性高分子化合物は、40℃において水100gに対して0.1g以上、好ましくは0.2g以上、より好ましくは2g以上の濃度で水と均一に混和する化合物である。このような無機水溶性高分子化合物であれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。無機水溶性高分子化合物としては、金属アルコキシドの前駆体化合物を含む溶液を加水分解・縮重合反応することによって得られるものが好ましく、特に珪酸塩が好ましい。
珪酸塩は古くから石鹸に配合され、水ガラスとして知られており、その構造に基づき、陰イオンの形による分類に従って分類することができる(Friedrich Liebau,“Structural Chemistry of Silicates”p72,Springer−Verlag,1985年発行)。
詳細には、Siに結合する酸素の架橋酸素数(Si−O−Si)で分類でき、その架橋酸素数が4、3、2、1、0に対応して、それぞれQ4、Q3、Q2、Q1、Q0ユニットに分類される(Y.Tsunawaki,N.Iwamoto,T.Hattori and A.Mitsubishi,J.Non−Cryst.Solids,vol44,p369(1981))。
珪酸塩としては、処理効果を充分に発揮する点から、Q2ユニット及び/又はQ3ユニットを含み、SiO2/M2Oモル比(ここで、Mはアルカリ金属を示す)が1.6〜4、好ましくは2〜3.5を有するアルカリ金属珪酸塩が好ましく、珪酸ナトリウムがより好ましい。
無機水溶性高分子化合物で水溶性アルカリ無機化合物核粒子を表面処理する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、水溶性アルカリ無機化合物核粒子に無機水溶性高分子化合物を添加、混合又は被覆する方法等が挙げられる。無機水溶性高分子化合物を、水溶液として表面処理に用いることが好適である。この水溶液を、撹拌・流動化状態の水溶性アルカリ無機化合物核粒子に滴下又はスプレー添加することが好ましい。
<水難溶性化合物>
本発明で用いる水難溶性化合物は、20℃における水への溶解度が2g/100g未満、好ましくは1g/100g未満、より好ましくは0.1g/100g未満の化合物で、水と接する初期段階で撥水作用のあるものが好ましい。また、200℃以下、好ましくは0〜160℃、より好ましくは20〜80℃、さらに好ましくは40〜60℃の融点を有する有機化合物が好適である。水難溶性化合物は1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
水難溶性化合物としては、例えば、高級脂肪酸、ジカルボン酸、高級アルコール、HLB5以下、好ましくは3以下の高級アルコール又は高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸のグリセライド等が挙げられる。
高級アルコールとしては、炭素数12〜22が好ましく、より好ましくは炭素数14〜18の炭素鎖長を有するものであり、具体的には、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール等が挙げられる。HLB5以下、好ましくは3以下の高級アルコール又は高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物としては、炭素数16〜22のアルコール又は脂肪酸の1〜3モルエチレンオキサイド付加体が好適であり、具体的には、ヘキサデカノールの1モルエチレンオキシド付加体、オクタデカノールの3モルエチレンオキシド付加体、パルチミン酸の1モルエチレンオキシド付加体等が挙げられる。高級脂肪酸エステルとしては、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等のメチルエステル又はエチルエステル等が好適である。高級脂肪酸のグリセライドとしては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等のモノ、ジ又はトリグリセライドが好適である。
また、初期の湿潤時には吸熱して水溶性アルカリ無機化合物の発熱を制御し、洗濯すると徐々に水溶性アルカリ無機化合物との中和反応等により水溶性となるという点から、水難溶性化合物として、アニオン界面活性剤酸前駆体を用いることが好ましい。
アニオン界面活性剤酸前駆体としては、任意のアニオン界面活性剤の酸前駆体を好適に用いることができる。アニオン界面活性剤の酸前駆体としては、飽和又は不飽和脂肪酸(平均炭素鎖長8〜22)、直鎖又は分岐鎖アルキル(平均炭素鎖長8〜18)ベンゼンスルホン酸、長鎖アルキル(平均炭素鎖長10〜20)スルホン酸、長鎖オレフィン(平均炭素鎖長10〜20)スルホン酸、長鎖モノアルキル(平均炭素鎖長10〜20)硫酸エステル、ポリオキシエチレン(平均重合度1〜10)長鎖アルキル(平均炭素鎖長10〜20)エーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレン(平均重合度3〜30)アルキル(平均炭素鎖長6〜12)フェニルエーテル硫酸エステル、α−スルホ脂肪酸(平均炭素鎖長8〜22)、長鎖モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸、ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸等が挙げられる。
アニオン界面活性剤酸前駆体としては、飽和又は不飽和脂肪酸(平均炭素鎖長8〜22)が好ましく、炭素数8〜18の炭素鎖長を有するものがより好ましい。具体的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。この中でも、保存安定性の点から、炭素数12〜18の飽和脂肪酸が好ましく、製造性を考慮すると、ラウリン酸がより好ましい。
第1の表面処理剤で表面処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子を、さらに水難溶性化合物で表面処理する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、表面処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加、混合又は被覆する方法等が挙げられる。水難溶性化合物を溶融させて液体状とし、この液体を、撹拌・流動状態の表面処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子に滴下する又はスプレー添加する方法が好ましい。
本発明の表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子中の各成分の配合量を下記に示す。
水溶性アルカリ無機化合物は、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子中50〜98質量%用いることが好ましく、70〜95質量%がより好ましい。水溶性アルカリ無機化合物が50質量%未満ではアルカリ剤として不充分となる場合があり、一方、98%を超えると処理剤の量が少なくなりすぎ、充分な表面処理ができない場合がある。
有機水溶性高分子化合物は、水溶性アルカリ無機化合物核粒子に対して0.1〜10質量%、特に0.5〜8質量%で用いることが好ましい。0.1質量%未満では、表面処理の効果が得られない場合があり、10質量%を超えると、水溶性アルカリ性無機化合物の配合量が少なくなりすぎる場合がある。
無機水溶性高分子化合物は、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子中に対して1〜30質量%、特に10〜28質量%で用いることが好ましい。1質量%未満では、表面処理の効果が得られない場合があり、30質量%を超えると、無機化合物の配合量が少なくなりすぎる場合がある。
水難溶性化合物は、表面処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子に対して、0.1〜10質量%、特に2〜8質量%で用いることが好ましい。0.1質量%未満では、表面処理の効果が得られない場合があり、10質量%を超えると、水溶性のアルカリ性無機化合物の配合量が少なくなりすぎる場合がある。
本発明の組成物において、(C)表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子は、組成物の全量を基準として、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%の量で含まれるのが好ましい。このような範囲内にあると、低水温中での分散性が大きく改善できるので好ましい。
(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子と(B)界面活性剤含有粒子の配合比率は(C)粒子/(B)粒子(質量比)が、好ましくは5/95〜50/50、より好ましくは10/90〜25/75である。質量比が50/50を超えると洗浄性能が低下する場合がある。
<表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子>
本発明の表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子は、水溶性アルカリ無機化合物核粒子が有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理され、さらにその処理された表面が水難溶性化合物で処理されてなる。本発明の表面とは、水溶性アルカリ無機化合物粒子の一次粒子表面又は造粒して1次粒子が2〜30個程度固まってひとつになっている水溶性アルカリ無機化合物粒子群(2次粒子又は凝集粒子を含む)の全表面のどちらも含むものである。なお、水溶性アルカリ無機化合物粒子群となっている場合、表面の微小凹部の深さは0.01〜50μmである。
水溶性アルカリ無機化合物核粒子の表面上における、水溶性高分子化合物と水難溶性化合物は、水溶性アルカリ無機化合物核粒子の表面に水溶性高分子化合物が存在して層を形成し、その外層部に水難溶性化合物が存在しても、ランダムに混在した状態になっていてもよい。溶解性と保存安定性の点から、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の最外層に水溶性高分子化合物よりも水難溶性化合物が多く存在していることが好ましい。また、製造性の点から、水溶性アルカリ無機化合物核粒子の表面近傍に、水難溶性化合物よりも水溶性高分子化合物が多く存在することが好ましい。
表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の特に好ましい構造は、水溶性アルカリ無機化合物核粒子と、この粒子表面上の一部又は全面に形成された水溶性高分子化合物を含む第1表面処理部と、第1表面処理部表面上の一部又は全面に形成された水難溶性化合物を含む第2表面処理部とを有する構造である。
水難溶性化合物が高級脂肪酸等のアニオン界面活性剤の酸前駆体である場合は、通常は第1表面処理部の水溶性高分子水溶液によって水溶性アルカリ無機塩が溶出し、粒子表面がアルカリ性となっているため、添加されたアニオン界面活性剤の酸前駆体は粒子表面で中和される。添加するアニオン界面活性剤の酸前駆体の量が比較的多い場合は、部分的に中和反応が起こらず、酸前駆体の形で残存することもあり得る。アニオン界面活性剤の酸前駆体の中和状態は示差走査熱量測定法(Differential Scanning Calorimetry)等によって調べることも可能である。このように、アニオン界面活性剤の酸前駆体は粒子表面で完全中和される場合も部分中和される場合もあり得るため、アニオン界面活性剤の酸前駆体及び/又はその塩による第2表面処理部が形成されるが、いずれの場合も本発明における表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子として好適に利用可能である。
なお、第1表面処理部及び第2表面処理部には他の成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、バインダー、分散剤、可溶化剤、pH調整剤、水難溶性化合物以外の界面活性剤等の各種添加剤が適宜含まれていてもよい。界面活性剤が含まれる場合は、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子中、10質量%未満が好ましく、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。なお、水難溶性化合物として配合される脂肪酸等は、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子中の界面活性剤の配合量には含まれない。
本発明の(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の物性値は、特に制限されるものではないが、嵩密度は、通常、0.3g/mL以上、好ましくは0.5〜1.4g/mL、より好ましくは0.6〜1.3g/mLである。嵩密度が小さ過ぎても大き過ぎても他の粒子と混合して使用する際に分級しやすくなる場合がある。また、平均粒子径は、好ましくは200〜2,000μm、より好ましくは300〜1,500μm、特に好ましくは300〜500μmである。平均粒子径が200μm未満になると、比表面積が大き過ぎ、酵素活性低下抑制効果が得られにくくなる可能性があり、一方、2,000μmを超えると表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子そのものの溶解性が劣化する場合がある。さらに、安息角は70°以下が好ましく、より好ましくは50°以下である。安息角が70°を超えると粒子の取扱性が悪化する場合がある。なお、本発明における平均粒子径、嵩密度の測定は実施例に記載の測定法により、安息角の測定は、筒井理化学器械(株)製、ターンテーブル形安息角測定器を用いて測定する。
表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子中の水分は、貯蔵中の固化(ケーキング)を防止する観点から、8質量%以下が好ましく、さらに7質量%以下、特に6質量%以下が好ましい。なお、本発明における水分量はJISK3362−1998に規定された加熱減量法により測定する。
<表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の製造方法>
以下、本発明の表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の製造方法について詳述する。本発明の表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の製造方法は、下記第1工程及び第2工程を含むものである。
第1工程:水溶性アルカリ無機化合物核粒子に水溶性高分子化合物水溶液を添加し、水溶性高分子化合物で水溶性アルカリ無機化合物核粒子を表面処理する工程。
第2工程:第1工程で処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加し、前記粒子を表面処理する工程。
第1工程は、水溶性アルカリ無機化合物核粒子に水溶性高分子化合物水溶液を添加し、水溶性高分子化合物で水溶性アルカリ無機化合物核粒子を表面処理する工程である。
水溶性アルカリ無機化合物核粒子を、後述する造粒・被覆(コーティング)装置内に充填し、これに水溶性高分子化合物水溶液を添加し、表面処理を行う。
水溶性高分子化合物水溶液は、有機水溶性高分子化合物の場合、通常0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜80質量%、より好ましくは1〜60質量%であって、粘度(ブルックフィールド型粘度計を用いた25℃における測定値)が、好ましくは0.001〜100Pa・s、より好ましくは0.0005〜50Pa・sである有機水溶性高分子化合物水溶液にするとよい。無機水溶性高分子化合物の場合、通常1〜60質量%、好ましくは5〜55質量%、より好ましくは10〜50質量%無機水溶性高分子化合物とするとよい。水溶性高分子化合物水溶液を、撹拌・流動化状態の水溶性アルカリ無機化合物核粒子に滴下又はスプレー添加することが好ましい。
第2工程は、第1工程で処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子に水難溶性化合物を添加し、前記粒子を表面処理する工程である。
第1工程で処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子を、後述する造粒・被覆装置内に充填し、これに水難溶性化合物を添加して表面処理を行う。水難溶性化合物は、溶融させて液体状とし、この液体を、撹拌・流動状態の第1工程で表面処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子に滴下する又はスプレー添加する方法が好ましい。
上記第1及び第2工程において、水溶性アルカリ無機化合物核粒子を具体的に造粒・被覆する方法としては、以下の方法が挙げられる。(1).水溶性アルカリ無機化合物核粒子に処理剤等(水溶性高分子化合物、水難溶性化合物)を添加し撹拌羽根で撹拌して造粒・被覆する撹拌造粒法、(2).水溶性アルカリ無機化合物核粒子を転動させつつ処理剤等を噴霧して造粒・被覆する転動造粒法、(3).水溶性アルカリ無機化合物核粒子を流動化させつつ、処理剤等を噴霧し造粒・被覆する流動層造粒法等が挙げられる。上記第1工程、及び第2工程はそれぞれ同一の造粒・被覆方法及び装置によってなされてもよいし、複数の造粒・被覆方法及び装置を組み合わせてもよい。以下、それぞれの方法、製造装置、条件等について説明する。
(1).撹拌造粒法
撹拌造粒法では任意の型式の撹拌造粒装置を使用することができる。その中でも、撹拌羽根を備えた撹拌軸を内部の中心に有し、撹拌羽根が回転する際に撹拌羽根と器壁との間にクリアランスを形成する構造の装置であることが好ましい。クリアランスは1〜30mmであるのが好ましく、3〜10mmがより好ましい。クリアランスが1mm未満では付着層により混合機が過動力となりやすい場合がある。30mmを超えると圧密化の効率が低下するため粒度分布がブロードに、また、造粒時間が長くなり生産性が低下する場合がある。この様な構造を有する撹拌造粒機としては、例えばヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)等の装置が挙げられる。特に好ましくは横型の混合槽で円筒の中心に撹拌軸を有し、この軸に撹拌羽根を取付けて粉末の混合を行う形式のミキサーである。このようなミキサーとしては、例えばレーディゲミキサー((株)マツボー製)、プローシェアーミキサー(大平洋機工(株)製)である。
撹拌造粒法における好適な造粒条件を以下に示す。
(i)フルード数(Fr数)
撹拌造粒法においては、下記式で定義されるフルード数は1〜16であるのが好ましく、2〜9がより好ましい。フルード数が1未満であると、流動化が不充分であるため表面処理が不充分となる場合がある。一方、16を超えると粒子に対するせん断力が強くなり過ぎ表面処理部に壊れが発生する場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:撹拌羽根の先端の周速(m/s)
R:撹拌羽根の回転半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
(ii)チョッパー回転数
撹拌造粒法において、使用される撹拌造粒機には、造粒物の圧密化促進及び粗粉解砕促進のために、高速で回転するチョッパーが装備されている。チョッパーの回転速度としては表面処理部の壊れが発生しない程度の回転数が好ましい。チョッパー先端速度(周速)で30m/s以下が好ましく、0〜20m/s以下がより好ましい。
(iii)造粒時間
撹拌造粒法において、回分式の造粒における造粒時間及び連続式の造粒における平均滞留時間は、0.5〜20分が好ましく、3〜10分がより好ましい。造粒時間(平均滞留時間)が0.5分未満であると、時間が短過ぎて好適な平均粒子径及び嵩密度を得るための造粒制御が困難となり、粒度分布がブロードになる場合がある。20分を超えると時間が長過ぎて生産性が低下する場合がある。
(iv)水溶性アルカリ無機化合物核粒子の充填率
撹拌造粒法において、水溶性アルカリ無機化合物核粒子の造粒機への充填率(仕込み量)としては、混合機の全内容積の70容積%以下が好ましく、15〜40容積%がより好ましい。充填率(仕込み量)が、70容積%を超えると混合機内での混合効率が低下し、好適に造粒を行うことができない場合がある。
(v)処理剤の添加方法
撹拌造粒法において、水溶性高分子化合物水溶液、水難溶性化合物等の処理剤は、好ましくは撹拌・流動状態の粒子に対して、滴下もしくは噴霧して添加される。静置状態にある粒子に処理剤等を滴下もしくは添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作も可能である。しかしながら、被覆性を高めるためにも、撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加することが好ましい。
(2).転動造粒法
転動造粒法では任意の型式の転動造粒装置を使用することができる。その中でもドラム状の円筒が回転して処理するものが好ましく、特に任意の形状の邪魔板を具備しているものが好ましい。ドラム型造粒機としては、水平円筒型造粒機、日本粉体工業技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の円錐ドラム型造粒機、多段円錐ドラム型造粒機、撹拌羽根付ドラム型造粒機等が挙げられる。
転動造粒法における好適な造粒条件を以下に示す。
(i)処理時間
回分式における処理時間、連続式における以下の式で定義される平均滞留時間は、5〜120分が好ましく、より好ましくは10〜90分、さらに好ましくは10〜40分である。前記時間が5分未満であると、高嵩密度にならない場合がある一方、120分を超えると生産性の低下又は粒子が崩壊する場合がある。
Tm=(m/Q)×60
Tm:平均滞留時間(min)
m :容器回転型混合機内の粒子滞留量(kg)
Q :連続運転における能力(kg/hr)
(ii)フルード数(Fr)
下記式で定義されるフルード数は、0.01〜0.8となる条件を選択するのが好ましい。フルード数は、0.05〜0.7がより好ましく、0.1〜0.65がさらに好ましい。フルード数が0.01未満であると、均一でかつ高嵩密度の粒子が得られない場合がある一方、0.8を超えると、ドラム型混合機の場合には、粒子が飛散し、正常な剪断混合が起こらない場合がある。
Fr=V2/(R×g)
V:容器回転型混合機最外周の周速(m/s)
R:容器回転型混合機最外周の回転中心からの半径(m)
g:重力加速度(m/s2)
(iii)容積充填率(A)
下記式で定義される容積充填率が、15〜50容積%となる条件を選択するのが好ましい。容積充填率は、より好ましくは20〜45容積%、さらに好ましくは25〜40容積%である。容積充填率が15容積%未満であると、生産性が悪い場合がある一方、50容積%を超えると良好な剪断混合が生じない場合がある。
容積充填率(A)=(M/ρ)/V×100
M:容器回転型混合機への水溶性アルカリ無機化合物核粒子の仕込量(g)
ρ:水溶性アルカリ無機化合物核粒子の嵩密度(g/L)
V:容器回転型混合機の容積(L)
(iv)処理剤の添加方法
転動造粒法において、水溶性高分子水溶液、水難溶性化合物等の処理剤は、転動・流動状態の粒子に対して噴霧して添加される。静置状態にある粒子に処理剤等を滴下もしくは添加した後、撹拌を開始して造粒・被覆操作も可能である。しかしながら、被覆性を高めるためにも、撹拌・流動状態の粒子に対して滴下もしくは噴霧して添加することが好ましい。
(3).流動層造粒法
流動層造粒法では流動層本体、整流板、送風機、吸気フィルター、エアヒーター及びクーラー、スプレー装置、集塵装置等で構成された任意の型式の流動層造粒装置を使用することができる。例えば、日本粉体技術協会編、造粒ハンドブック第一版第1刷記載の回分式流動層造粒装置(トップスプレー式、サイドスプレー式、ボトムスプレー式等)、噴流流動層造粒装置、噴流動層造粒装置、半連続式流動層造粒装置(分散板反転排出式、下部排出式、側壁排出式等)連続式流動層造粒装置(横型多室型、円筒型等)等が好適に利用できる。具体的装置の利用例としては回分式流動層造粒装置のGlatt−POWREXシリーズ[(株)パウレックス製]、フローコーターシリーズ[(株)大川原製作所製]、連続式流動層造粒装置のMIXGRADシリーズ[(株)大川原製作所製]等が挙げられる。
流動層造粒法における造粒条件として、静置時の原料粉体層の平均厚さは50〜500mm程度が好ましい。その後、流動層に風を送り、粉体を流動化させた後に水溶性高分子化合物水溶液、水難溶性化合物等の処理剤の噴霧を開始する。噴霧ノズルとしては、通常の加圧ノズルのほか、噴霧状体を良好にするため、2流体ノズルを用いることも好ましい。この時の平均液滴径は5〜500μm程度が好ましい。噴霧が進むにつれて造粒も進み粒子径が大きくなるため、流動化状態を維持するため風速を調整しながら造粒を行う。風速は0.2〜4.0m/sの範囲で調整を行い、風温度は5〜70℃、好ましくは7〜65℃で行う。バグフィルターに付着した微粒子は定期的にパルスエアーで落としながら製造を行うことが好ましい。
上記表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の製造方法で製造する場合、第2工程終了直後における表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の温度が、アニオン界面活性剤酸前駆体の融点以上であることが好ましい。特に、第2工程で水難溶性化合物を添加する際には、第1工程で処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子の温度に留意するとよい。具体的にはこの粒子の温度を水難溶性化合物の融点以上にすることが好ましい。また、水難溶性化合物を添加する時、第1工程で処理された水溶性アルカリ無機化合物核粒子の温度が該水難溶性化合物の融点未満である場合は、水難溶性化合物による表面処理終了後の表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の温度が、水難溶性化合物の融点以上であることが好ましい。これらの温度が融点未満であると、造粒・被覆装置系内において水難溶性化合物の分散性・均一性が悪くなり、水難溶性化合物による表面処理が不充分となることがある。
上述の方法で得られた表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子を、さらに有機又は無機の微粉体で表面処理してもよい。表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子をさらに表面処理する微粉体としては、常温固体の界面活性剤、長鎖脂肪酸塩、アルミノ珪酸塩、吸油性担体、粘土鉱物等が挙げられる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が挙げられる。長鎖脂肪酸塩としてはアルカリ、非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩、アルミノケイ酸塩としてはA型、P型、X型等、吸油性担体としてはシリカ、珪酸塩化合物、球状多孔質含水非晶質珪酸等、粘土鉱物としてはモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、パイロフィライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、タルク等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。この中でも、非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩、タルク、アルミノケイ酸塩が好ましい。非アルカリ金属の長鎖脂肪酸塩及びタルクは撥水性であるため、水溶性アルカリ無機化合物の凝集を防ぎ、アルミノケイ酸塩はCa捕捉ビルダーとして汎用され、単独で表面処理に用いた場合、混合される洗剤粒子の表面の処理剤としての役割を果たす。
これら微粉体の粒子径は、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の平均粒子径に対して1/5以下の1次粒子径をもつことが好ましく、より好ましくは1/10以下である。また、微粉体の配合量は表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子に対して、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1〜8質量%である。
上述の方法により得られた表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子は、必要に応じて分級して所望の粒度の表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子のみ利用することもできる。分級装置としては、一般に知られたいかなる分級装置も用いることができ、特に篩が好適に利用できる。中でもジャイロ式篩、平面篩及び振動篩が好適である。ジャイロ式篩は僅かに傾斜した平面篩に対し、水平な円運動を与える篩である。平面篩は僅かに傾斜した平面篩に、面にほぼ平行に往復運動を与える篩である。振動篩は、篩面にほぼ直角方向に急速な振動を与える篩である。篩に供する時間は5秒以上とすることが好ましく、また、ふるい効率を向上させる為にはタッピングボールを用いることも好ましい。このような篩の具体例としては、ジャイロシフター((株)徳寿工作所製)、ローテックススクリーナー((株)セイシン企業製)、ダルトン振動ふるい((株)ダルトン製)等が挙げられる。篩による振動は、好適には60〜3,000回/分、好ましくは100〜2,500回/分、さらに好ましくは150〜2,000回/分の振動で与えられる。篩の振動数が60回/分未満であると、分級効果が悪化する場合がある一方、3,000回/分を超えると発塵が増大する場合がある。
分級工程で分離した表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子のうち、微粉については再度水溶性アルカリ無機化合物核粒子と共に造粒機に投入し、造粒・被覆操作に供することが好ましい。また、粗粉については粉砕し、造粒・被覆操作前の水溶性アルカリ無機化合物と同等の粒子径にした後、再度水溶性アルカリ無機化合物核粒子と共に造粒機に投入し、造粒・被覆操作に供することが好適である。この際粗粉を粉砕する粉砕機としては、分級スクリーンと回転ブレードを持った機種が好ましい。このような粉砕機としてはフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製)、ニュースピードミル(岡田精工(株)製)、フェザーミル(ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。また、粉砕機内に冷風を流し冷却しながら粉砕することもできる。冷風と粉砕品をサイクロンで分級し、その時微粉を分級することも可能である。さらに、多段粉砕することで、より粒度分布がシャープになる。粉砕機のブレードの先端周速としては15〜90m/sが好ましく、20〜80m/sがより好ましく、25〜70m/sがさらに好ましい。先端周速が15m/s未満であると粉砕能力が不充分となる場合があり、90m/sを超えると粉砕されやすくなる場合がある。
表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子を、高嵩密度にし、安息角を小さくするためには、上記第1工程及び第2工程の表面処理後、第3工程:第2工程の表面処理後の水溶性アルカリ無機化合物核粒子の表面上の水和結晶成長を抑制する工程を含むことが好ましい。これにより表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の表面形状の円滑性を保つとよい。水和結晶が成長すると、水溶性アルカリ無機化合物核粒子の表面に多数の凹凸が生じて、嵩密度が低下し、安息角も大きくなる。場合によっては水和結晶が表面処理を突き破り、近傍の表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子から突き出た水和結晶同士で凝結し、強固な水和固結となることもある。
水和結晶を抑制する方法としては、[1]第2工程後の表面処理された粒子を冷却する方法、[2]第2工程後の表面処理された粒子を乾燥する方法等が挙げられる。これらのうちで、溶解性を良好に保つ点から、[1]冷却する方法が好ましい。
[1]第2工程後の表面処理された粒子を冷却する方法は、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子を30℃以下、好ましくは25℃以下まで冷却可能であれば特に限定されない。冷却速度は5℃/hr以上とすることが好ましく、10℃/hr以上とすることがより好ましい。冷却方法及び装置は特に限定されないが、冷却装置としては冷却された伝熱面により冷却を行うものと、気流を用いるものに分けられる。例えば、冷却された伝面を用いるものとしては、トーラスディスク(ホソカワミクロン(株)製)、フリゴミックス(日清エンジニアリング(株)製)等が挙げられる。気流を用いることで冷却を行うものとしては、流動層が挙げられる。具体的装置の利用例としては回分式流動層造粒装置のGlatt−POWREXシリーズ((株)パウレックス製)、フローコーターシリーズ((株)大川原製作所製)、連続式流動層造粒装置のMIXGRADシリーズ((株)大川原製作所製)等が挙げられる。表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子の表面処理部の剥がれ、壊れの可能性を鑑みると、流動層の利用が好ましい。
[2]第2工程後の表面処理された粒子を乾燥する方法は、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子を乾燥できれば特に限定されない。具体的には、上記[1]方法に用いられる同様の装置を、伝面や気流といった熱媒体の温度を50〜300℃、好ましくは60〜250℃とすることで、乾燥装置として利用し乾燥する方法が挙げられる。
本発明の粒状洗剤組成物は、通常衣類等の繊維製品用洗剤組成物に含まれている成分を、本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。このような成分の具体例としては、プロテアーゼ等の他の酵素、漂白剤粒子、漂白活性化剤粒子、香料、色素等があげられる。前述の(B)界面活性剤含有粒子に配合してもよい任意成分と同様の任意成分を含むことができる。
<プロテアーゼ>
プロテアーゼは、通常洗剤に用いられるものであれば特に限定されない。プロテアーゼの具体例としては、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コラーゲナーゼ、ケラチナーゼ、エラスターゼ、スプチリシン、BPN、パパイン、プロメリン、カルボキシペプチターゼA及びB、アミノペプチターゼ、アスパーギロペプチターゼA及びB等があげられる。
本発明に使用されるプロテアーゼとしては、特開昭51−8401号、特開昭46−43551号、特開昭46−42956号、特開昭59−59189号、特開昭54−62386号、特開昭48−2794号、特開昭50−16435号、特開昭53−18594号、特開昭55−46711号、特開昭57−42310号、特開昭58−16200号、特開昭56−24512号、特開昭47−1832号、特開昭52−35758号、特開昭50−34633号、特公昭46−41596号、特開昭58−134990号、特開昭55−14086号、特開昭51−82783号、特開昭51−125407号、特開昭55−39794号、特開昭46−1840号、特開昭46−23989号、特開昭58−15282号、特開昭61−280278号、特開平4−197182号、特公平3−79987号、特開平5−25492号などに記載されているものも使用することができる。また、これらの精製分画物は勿論、粗酵素及びそれらの造粒物も当然使用できる。入手可能な市販酵素としては、サビナーゼ(Savinase)、アルカラーゼ(Alcalase)、エバラーゼ(Everlase)、カンナーゼ(Kannase)、エスペラーゼ(Esperaze)(ノボザイムズ社製)、API21(昭和電工(株)製)、マクサターゼ(Maxtaze)、マクサカル(Maxacal)、ピュラフェクト(Purafect)、マクサぺム(ジェネンコア社製)、KAP(花王(株)製)、特開平5−25492号公報記載のプロテアーゼK−14、K−16等を挙げることができる。このうち、1種類又は2種類以上を組合わせて使用することもできる。
本発明では、プロテアーゼを本発明の洗浄剤組成物1gに対し、350PU〜20,000PU配合することが好ましい。より好ましくは、1,000PU〜15,000PUであり、特に好ましくは3,500PU〜10,000PUである。このような範囲の活性を有するプロテアーゼを用いると、アミラーゼと併用したときに相乗的に効果を発揮し、食べこぼし汚れに対する洗浄効果が高まるので好ましい。
造粒物として用いる場合には、特開昭60−262900記載の造粒法など、通常の造粒法に基づき、安定剤、フィラー、増量剤、増白剤、バインダー及びコーテイング剤等と共に造粒し用いることが出来る。通常、酵素造粒物中にプロテアーゼの配合量としては、酵素タンパク量として0.1〜10質量%程度であり、好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%であるのが好ましい。2種以上の酵素の造粒に際しては別々に造粒してもよいし、酵素を混合し、同一造粒物としてもよい。しかしながら、上述の例示は本発明を限定するものではない。なお、本方法によると、ノボザイムズ社のプロテアーゼ含有顆粒物であるサビナーゼ12Tの活性は700,000プロテアーゼユニット(PU)/gであった。
プロテアーゼは、この酵素活性を満たすように、酵素タンパク量として組成物中に0.001〜0.05質量%、より好ましくは0.002〜0.03質量%、特に好ましくは0.003〜0.02質量%の範囲で配合することが好ましい。0.001質量%より少ない場合には本発明の効果が小さくなる場合があり、0.05質量%より多い場合には効果が頭打ちとなってしまう場合がある。なお、プロテアーゼ活性(PU)は下記の方法で測定したものである。
<プロテアーゼ活性の測定方法>
反応液(0.6%ミルクカゼイン(メルク社製)、10mMホウ酸ナトリウム(pH10.5))に酵素溶液0.5mL加え、35℃で10分間反応させ、反応終了液(0.11Mトリクロロ酢酸、0.22M酢酸ナトリウム、0.33M酢酸)3.2mLを加え、35℃10分間放置後、ろ紙(アドバンテック社No.131)でろ過し、ろ液の吸光度275nmを測定することによりチロシン濃度を測定した。ミルクカゼイン中のチロシンを1分間に1μg遊離させる活性を1PUとした。
洗浄剤組成物中にプロテアーゼと(A)成分のアミラーゼは酵素タンパク量の合計量として0.006〜0.6質量%、特に0.02〜0.4質量%配合することが好ましい。このような量でプロテアーゼとアミラーゼとを用いると、食べこぼし汚れに対する洗浄効果が増大するので好ましい。
また、プロテアーゼと(A)成分のアミラーゼの配合量の比率は酵素タンパク量の質量比でプロテアーゼ/アミラーゼが質量比で1/5以上〜5/2未満、より好ましくは、1/2以上〜2/1未満であることが好ましい。このような比でプロテアーゼとアミラーゼとを用いると、食べこぼし汚れに対する洗浄効果が増大するので好ましい。なお、酵素を造粒物として配合する場合には安定性および溶解性の面から平均粒子径が200〜700μmであることが望ましい。
<他の酵素>
現在、衣料用洗剤に用いられている市販の酵素粒子をそのまま使用することができる。酵素(本来的に酵素作用を洗浄工程中になす酵素である)としては、酵素の反応性から分類すると、ハイドロラーゼ類、オキシドレダクターゼ類、リアーゼ類、トランスフェラーゼ類及びイソメラーゼ類等を挙げることができるが、本発明にはいずれも適用できる。特に好ましいのは、エステラーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、セルラーゼ及びペクチナーゼ等である。
エステラーゼの具体例としては、ガストリックリパーゼ、バンクレアチックリパーゼ、植物リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、コリンエステラーゼ類及びホスホターゼ類等を挙げることができる。リパーゼの具体例としては、リポラーゼ、リポラーゼウルトラ、ライペックス(ノボザイムズ社製)、リポサム(昭和電工(株)製)等の市販のリパーゼを挙げることができる。また、セルラーゼとしては市販品のセルザイム(ノボザイムズ社製)、KAC500(花王(株)製)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載のセルラーゼ等を挙げることができる。酵素としては、これらを1種又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、酵素は別途安定な粒子として造粒したものを、洗剤生地(粒子)にドライブレンドした状態で使用すると好適であり、酵素含有粒子の造粒方法としては、特開昭53−6484号公報、特開昭60−262900号公報、特開昭62−257990号公報、特開平1−112983号公報、特表平3−503775号公報、特表平4−503369号公報、特開2000−178593号公報記載の方法等が挙げられる。上記酵素含有粒子の平均粒子径は、溶解性及び保存安定性の点から、200〜1,000μmが好ましく、より好ましくは300〜700μmである。
<漂白剤粒子>
漂白剤粒子としては、過酸化水素又は水に溶解したときに過酸化水素を発生する過酸化物からなり、通常、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムの一方あるいは両方が用いられる。特に、経時安定性の点から過炭酸ナトリウムが好ましい。これらの過酸化物は、該過酸化物からなる粒子の表面に、水分や他の洗浄剤成分等が接触することによって分解が生じるのを防止するために、被覆等の処理を施した形態で用いられる。被覆が施された粒子形態の酸素系漂白剤は、種々のものが提案されており、例えば特許第2918991号公報に記載の漂白剤粒子を挙げることができる。この漂白剤粒子は、流動状態を保った過炭酸ナトリウム粒子にホウ酸水溶液とケイ酸アルカリ金属塩水溶液とを別々に噴霧して乾燥してなる造粒物である。上記の他に、従来知られているキレート剤等の安定化剤を被覆剤と併用してもよい。被覆された過炭酸ナトリウム粒子の平均粒子径は、過炭酸ナトリウム粒子の安定性及び溶解性の点から、100〜2,000μmが好ましく、より好ましくは200〜1,000μm、さらに好ましくは300〜800μmであり、このようなものとして三菱瓦斯化学(株)製のSPC−Dが挙げられる。
漂白剤粒子を含む場合の配合量は、漂白性能と効率の点から、粒状洗剤組成物全量に対し、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%である。
<漂白活性化剤粒子>
漂白活性化剤粒子中の漂白活性化剤は、テトラアセチルエチレンジアミン、炭素数8〜12のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、炭素数8〜12のアルカノイルオキシ安息香酸又はそれらの塩が挙げられ、このうち、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましく、特に漂白効果の点から、4−デカノイルオキシ安息香酸、4−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。漂白活性化剤はPEG#3000〜#20000、好ましくはPEG#4000〜#6000のポリエチレングリコール等の常温で固体のバインダー物質を加熱溶融した中に漂白活性化剤とオレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩等の界面活性剤の粉末を分散後、押し出して直径1mm程度のヌードル状の漂白活性化剤造粒物を製造し、その後長さ0.5〜3mm程度に軽く粉砕して配合されることが好ましい。界面活性剤の粉末としては、アルキル鎖長14のα−オレフィンスルホン酸塩が好ましい。
造粒物中の漂白活性化剤の配合量は、好ましくは30〜95質量%、より好ましくは50〜90質量%である。配合量がこの範囲外では造粒した効果が充分に得られ難くなる場合がある。上記バインダー物質の配合量は、造粒物中に0.5〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜20質量%であり、上記界面活性剤粉末の配合量は、造粒物中に好ましくは0〜50質量%、より好ましくは3〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%である。
漂白活性化剤粒子の平均粒子径は、溶解性及び保存安定性の点から、200〜1,500μmが好ましく、より好ましくは300〜1,000μmである。
漂白活性化剤粒子を含む場合の配合量は、粒状洗剤組成物全量に対し0.1〜15質量%が好ましく、0.3〜10質量%が特に好ましい。
<着色剤>
(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子、(B)界面活性剤含有粒子、酵素含有粒子、漂白剤粒子及び漂白活性化剤粒子等は、表面を染料や顔料で着色してから用いることができる。この際着色に用いる染料、顔料は洗浄時に衣類への染着が起こらないものを用いる。この様な染料、顔料としては、群青、コラニルグリーンCG−130(CIナンバー:74260)、食用色素赤色102号、酸性染料アシッドイエロー141等が挙げられる。これらの染料、顔料は、水溶液や分散液とした後、(B)界面活性剤含有粒子の造粒装置と同様な撹拌造粒機や転動造粒機中で上記粒子を撹拌、転動しながら、添加することで着色することができる。また、上記粒子をベルトコンベアで移送中に上記水溶液や分散液を上記粒子に噴霧して着色することもできる。着色量としては、着色する粒子に対し0.001〜1質量%が好ましい。
<香料>
また、香料は(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子と(B)界面活性剤含有粒子のいずれか一方あるいは両方に賦香した後、各粒子を混合してもよく、(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子と(B)界面活性剤含有粒子を混合した後、賦香してもよい。用いられる香料としては、特開2002−146399号公報や特開2003−89800号公報記載の成分を用いることができる。なお、香料とは、香料成分、溶剤、香料安定化剤等からなる混合物である。本発明の粒状洗剤組成物中、香料の配合量は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。なお、香料は実施例の香料に限定されるものではない。
本発明の粒状洗剤組成物は、(A)〜(C)成分を混合することにより製造することができる。その混合方法としては、乾式混合が好適に用いられる。使用する混合機は、各種粒子同士が充分に混合できる限りいかなる混合機を用いてもよい。混合機としては、水平円筒型、二重円錐型、V型、自転・公転型等の混合機が好適に利用できる。また、撹拌造粒機、転動造粒機を用いてもよい。好ましくは、水平円筒型又は二重円錐型を用い、温度0〜50℃、Fr数0.01〜0.2(算出式は上述した通り)で混合する。このとき、各種粒子やそれ以外の成分の添加順序は、特に問わない。
粒状洗剤組成物の容器内での分級を防止するために、表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子と界面活性剤含有粒子の平均粒子径の比(Z1)/(B1)は、好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.5〜1.5、さらに好ましくは0.6〜1.3である。また、表面処理表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子と界面活性剤含有粒子の嵩密度の比(Z2)/(B2)は、好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.6〜1.5、さらに好ましくは0.7〜1.4である。
本発明の粒状洗剤組成物の物性値は、特に制限されるものではないが、水分量は、溶解性と保存安定性の点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは4〜9質量%、さらに好ましくは5〜8質量%である。嵩密度は、通常0.3g/mL以上、好ましくは0.5〜1.2g/mL、より好ましくは0.6〜1.1g/mLである。また、平均粒子径は、好ましくは200〜1,500μm、より好ましくは250〜1,000μm、さらに好ましくは280〜700μmである。平均粒子径が200μm未満になると粉塵が発生し易くなったり、ハンドリング性が悪化する場合があり、一方、1,500μmを超えると本発明が目的とする溶解性が得られ難くなる場合がある。さらに、粒状洗剤組成物の流動性は、安息角として60°以下、特に50°以下が好ましい。さらに貯蔵後(紙容器等の透湿性の高い容器に長期保存された場合等)も流動性が安息角として好ましくは60°以下、より好ましくは50°以下であることが使用性の点から好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物は、適当な容器に充填して容器入り粒状洗剤物品とすることができる。容器の材料としては、保存安定性の点で透湿度が30g/m2・24時間(40℃、90%RH)以下が好ましく、25g/m2・24時間(40℃、90%RH)以下がより好ましい。これらは一般的な包装材料の組み合わせや厚みの変化により達成できる。なお、本発明における透湿度は、JIS Z0208−1976に規定された方法で測定する。本発明の粒状洗剤組成物は、さらに崩壊剤等を混合した後圧縮成形して、タブレット洗浄剤やブリケット洗浄剤等の圧縮成形洗浄剤としても利用できる。
本発明の組成物の好ましい配合例としては、以下のものがあげられる:
(A)上述の式(1)で算出される粘度低減率が90%以上のアミラーゼ:酵素タンパク量として0.001〜0.05質量%、
(B)界面活性剤含有量が20〜40質量%であり、界面活性剤として、炭素数10〜14のアルキル基を有するLAS、炭素数10〜20の高級脂肪酸、炭素数12〜28のα−SF及び炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のエチレンオキサイドを平均5〜20モル付加物したポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する界面活性剤含有粒子:75〜90質量%、及び
(C)水溶性アルカリ無機化合物核粒子として炭酸ナトリウムを用い、第1表面処理剤としてポリアクリル酸塩、アクリル酸/マレイン酸共重合体塩、アクリル酸/イタコン酸共重合体塩及びアクリル酸アルキル共重合体塩からなる群から選ばれる1種を用いて表面処理し、得られた粒子をさらに第2表面処理剤として炭素数12〜18の飽和脂肪酸で表面処理することにより得ることが出来る、表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子:10〜20質量%
を含有する粒状洗剤組成物。
更に、酵素タンパク量として0.001〜0.05質量%のプロテアーゼ及び、酵素タンパク量として0.001〜0.03質量%のリパーゼを含有するのが特に好ましい。
以下に、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合の組成は、「%」は質量%、比率は質量比を示し、表中の各成分の量は表2の(C)水溶性アルカリ無機化合物含有粒子と表1の(B)界面活性剤含有粒子の組成については、純分としての配合量を示し、その他の表は記載成分の配合量で示した。
1.(A)アミラーゼの粘度低減率の測定
とうもろこし澱粉(関東化学(株)製)25gを90±2℃のアルカリ(炭酸ナトリウム4000ppm)水溶液475gに添加、1時間90±2℃で攪拌溶解した後、5℃にて12時間冷却した。その後、室温にて放置し、該溶液の温度が室温と等しくなった後、25℃に調温した。次いで、25℃に調温した該溶液40gの粘度を振動式粘度計(株式会社エー・アンド・デイ製CJV5000、振動子の材質:ステンレス鋼SUS304−CSP−H、振動子の形状及び大きさ:円盤状、t(厚さ)=0.1mm、φ(直径)=13mm)にて測定し、初期粘度とした(測定条件:設定振幅値50mV、振動周波数:30Hz、試料量:40g(5%水溶液として)、測定温度:25℃)。その後デンプン水溶液40gに対してアミラーゼを酵素タンパク量として0.004mgを素早く添加・撹拌し、添加後10秒後に粘度を初期粘度と同様に測定し、その後25℃で調温した。次いで10分後、30分後、60分後に、粘度を初期粘度と同様に測定した。初期粘度と、60分後の粘度の値を得た。次いで、既述の式(1)により、粘度低減率を算出した。
上記方法により、ステインザイム(ノボザイムズ社製)、ターマミル(ノボザイムズ社製)及びデュラミル(ノボザイムズ社製)の粘度低減率を測定したところ、それぞれ91%、20%、23%であった。なお、これらの値は、3回の実験の平均値である。また、測定値の振れ幅は、10mPa・s程度であった。各酵素について時間と粘度との関係を図1に示した。
2.(B)界面活性剤含有粒子b1,b2の製造
下記表1に示す組成に従って、以下の手順で界面活性剤含有粒子b1を調製した。まず、撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を60℃に調整した。これにα−SF−Naとノニオン界面活性剤を除く界面活性剤、及びPEG#6000を添加し、10分間撹拌した。続いてMA1(アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩)と蛍光剤とを添加した。さらに10分間撹拌した後、粉末A型ゼオライトの一部(2.0%相当量(対各粒子、以下同じ)の捏和時添加用、3.2%相当量の粉砕助剤用を除く)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び亜硫酸ナトリウムを添加した。さらに20分間撹拌して水分38%の噴霧乾燥用スラリーを調製した後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/mL、水分5%の噴霧乾燥粒子を得た。
一方、原料の脂肪酸エステルをスルホン化し、中和して得られたα−SF−Naの水性スラリー(水分濃度25%)に、ノニオン界面活性剤の一部(α−SF−Naに対して25%)を添加し、水分を11%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、α−SF−Naとノニオン界面活性剤の混合濃縮物を得た。
上述の噴霧乾燥粒子、この混合濃縮物、2.0%相当量のA型ゼオライト、ノニオン界面活性剤及び水を連続ニーダー((株)栗本鐵工所製、KRC−S4型)に投入し、捏和能力120kg/hr、温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤含有混練物を得た。この界面活性剤含有混練物を穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル(株)製、EXDFJS−100型)を用いて押し出しつつ、カッターで切断し(カッター周速は5m/s)長さ5〜30mm程度のペレット状界面活性剤含有成型物を得た。
次いで、得られたペレット状界面活性剤含有成型物に粉砕助剤としての粒子状A型ゼオライト(平均粒子径180μm)を3.2%相当量添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン(株)製、DKA−3)を用いて粉砕して(スクリーン穴径:1段目/2段目/3段目=12mm/6mm/3mm、回転数:1段目/2段目/3段目いずれも4,700rpm)、界面活性剤含有粒子b1を得た。界面活性剤含有粒子b1の調製方法と同様にして、界面活性剤含有粒子b2を得た。得られた界面活性剤粒子b1、b2について、後述の方法で平均粒子径、嵩密度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004190479
3.(C)表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子調製例a1,a2,a3の製造
第1工程
下記表2に示す組成成分のうち、水溶性アルカリ無機化合物を鋤刃状ショベルを具備し、ショベル−壁面間クリアランスが5mmのプローシェアーミキサー(大平洋機工(株)に投入し(充填率30容積%)、主軸150rpmで撹拌を開始した(チョッパー回転数:1015rpm、ブレード先端速度(周速):6.9m/s)。撹拌開始後10秒後に水溶性高分子化合物水溶液(濃度は後記の原料欄に記載、以下同じ)を噴霧角115度の加圧ノズル(フラットノズル)で180秒噴霧添加し、造粒・被覆操作を行った。また、第1工程で調製された粒子全量に対する水分量が10質量%を超えていた場合には、上記装置に熱風を導入して乾燥し、水分量を10質量%以下に調整した。
第2工程
引き続きプローシェアーミキサーの撹拌を継続しつつ、表1に示した水難溶性化合物を噴霧角60度の加圧ノズル(フルコーンノズル)で180秒噴霧添加し、被覆操作を行った。30秒間撹拌を続け粒子を得た。
第3工程
次いで、得られた粒子を、流動層(Glatt−POWREX、型番FD−WRT−20、(株)パウレックス製)に充填し、充填後15℃の風(空気)を流動層内に送り、粒子の冷却操作を行い、20℃まで冷却された粒子を得た。流動層内風速は流動化状態を確認しながら0.2〜10.0m/sの範囲で調整した。得られた粒子を目開き2,000μmの篩を用いて分級し、目開き2,000μmの篩を通過する表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子を得た。得られた表面処理アルカリ無機化合物粒子a1、a2、a3について、後述の方法で平均粒子径、嵩密度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004190479
[実施例1〜3、比較例1]
水平円筒型転動混合機(円筒直径585mm、円筒長さ490mm、容器131.7Lのドラム内部壁面に内部壁面とのクリアランス20mm、高さ45mmの邪魔板を2枚有するもの)で、充填率30容積%、回転数22rpm、25℃の条件で、(A)成分であるアミラーゼを含有する粒子、表1に記載の(B)成分である界面活性剤含有粒子及び表2に記載の(C)成分である表面処理水溶性アルカリ無機化合物粒子と、必要により、プロテアーゼを含有する粒子、これらの粒子の表面を被覆するための微粉A型ゼオライトを洗剤組成物全量に対して1.5%相当量と、その他の任意成分を加えて、0.5%相当量のノニオン界面活性剤と香料を噴霧しつつ、1分間転動し表面改質して混合粒子群を得た。得られた混合粒子群の一部を着色するために、該粒子群をベルトコンベアで0.5m/sの速度で移送しつつ(ベルトコンベア上の界面活性剤含有粒子層の高30mm、層幅300mm)その表面に色素の20%水分散液を噴霧し、表3記載の組成の粒状洗剤組成物を得た。
得られた洗剤組成物について、下記方法で食べこぼし汚れに対する洗浄性能、平均粒子径、嵩密度を評価した。結果を表3に併記する。
(1)食べこぼし汚れ洗浄性能評価
(i)イカ墨汚れ評価布の調製方法
60番の綿平織り布を20cm×30cmに裁断し、イカ墨のソース(エム・シー・シー食品)をステンレスバットに開けた中に約1時間浸した後、表面に付着した固形物を取り除いて、暗くした20℃40%RHの恒温恒湿室で一夜風乾したものをイカ墨汚れ評価布とした。
(ii)高嵩密度粒状漂白洗浄剤組成物の洗浄性能評価
米国Testing社のTerg−O−tometerを洗浄試験器として用い、上記のイカ墨汚れ評価布5枚とセバム布、洗浄メリヤス布を入れ、表3に示す粒状洗剤組成物を洗剤濃度が0.067%となるように添加し、浴比30倍に合わせて、120rpm、20℃で10分間洗浄した。水としては4゜DHのものを用い、洗浄液量は900mLであり、すすぎは900mLの水で3分間洗った。すすいだ後、評価布を乾燥させ、下式によって洗浄率を算出した。
Figure 0004190479
式中、Rは日本電色製の色彩計Σ−9000を用いて測定される反射率である。反射率は460nmフィルターを使用して測定した。洗浄率の評価は試験布10枚の平均値で行った。
(2)平均粒子径の測定
各サンプル及びその混合物について、目開き1,680μm、1,410μm、1,190μm、1,000μm、710μm、500μm、350μm、250μm、149μm、の9段の篩と受け皿を用いて分級操作を行った。分級操作は、受け皿に目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1,680μmの篩の上から100g/回のベースサンプルを入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留したサンプルを篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定した。受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が、50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとし、受け皿からaμmの篩までの質量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の質量頻度をd%として、次式により平均粒子径(重量50%)を求めた。


Figure 0004190479
(3)嵩密度の測定
嵩密度はJIS K3362−1998に準じて測定した。
Figure 0004190479
実施例中で用いた原料を下記に示す。
[水溶性アルカリ無機化合物]
・炭酸ナトリウム:粒灰(旭硝子(株)製、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/mL)
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)(旭硝子(株)製、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/mL)
・亜硫酸ナトリウム:無水亜硫酸曹達(神州化学(株)製)
[水溶性高分子化合物]
・MA1:アクリル酸/マレイン酸コポリマーナトリウム塩、アクアリックTL−400(日本触媒(株)製)(純分40%水溶液)
・PEG#6000:ライオン(株)製ポリエチレングリコール、商品名PEG#6000M
[水難溶性化合物]
・ラウリン酸:日本油脂(株)製、NAA−122、融点43℃
[微粉体]
・A型ゼオライト:シルトンB(水澤化学(株)製、純分80%)
[界面活性剤]
・α−SF−Na:炭素数14:炭素数16=18:82のα−スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン(株)製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)
・LAS−K:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸(ライポンLH−200(ライオン(株)製)LAS−H純分96%)を界面活性剤組成物調製時に48%水酸化カリウム水溶液で中和する)。表5中の配合量は、LAS−Kとしての質量%を示す。
・AOS−K:炭素数14〜18のアルキル基をもつα−オレフィンスルホン酸カリウム(ライオン(株)製)
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン(株)製、純分:67%、タイター:40〜45℃、脂肪酸組成:C12:11.7%、C14:0.4%、C16:29.2%、C18F0(ステアリン酸):0.7%、C18F1(オレイン酸):56.8%、C18F2(リノール酸):1.2%、分子量:289)
・ノニオン界面活性剤:ECOROL26(ECOGREEN社製炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)の酸化エチレン平均15モル付加体(純分90%)
[色素]
・色素A:群青(大日精化工業(株)製、Ultramarine Blue)
・色素B:Pigment Green 7(大日精化工業製)
・色素C:アクリロニトリル/スチレン/アクリル酸を構成モノマーとし、水分散系におけるラジカル乳化重合にて得られる平均粒子径0.35μmの球状樹脂粒子に、樹脂分に対して約1%のC.I.BASIC RED−1を重合樹脂懸濁液に加え加熱処理して得られる桃色の蛍光顔料水分散体。
[香料]
・香料A:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物A
・香料B:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物B
・香料C:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物C
・香料D:特開2002−146399号公報[表11]〜[表18]に示す香料組成物D
[酵素]
・プロテアーゼA:サビナーゼ12T(ノボザイムズ製)
・プロテアーゼB:エバラーゼ8T(ノボザイムズ製)
・プロテアーゼC:カンナーゼ24T(ノボザイムズ製)
・アミラーゼA:ステインザイム12T(ノボザイムズ製)
・アミラーゼB:ターマミル120T(ノボザイムズ製)
・アミラーゼC:デュラミル120T(ノボザイムズ製)
・リパーゼ:ライペックス50T(ノボザイムズ製)
・セルラーゼ:セルザイム0.7T(ノボザイムズ製)
[その他]
・蛍光剤:チノパールCBS−X(チバスペシャルティケミカルズ)/チノパールAMS−GX(チバスペシャルティケミカルズ)=8/2(質量比)の混合物
図1は、3種類のアミラーゼ(ターマミル、デュラミル及びステインザイム)について、粘度の経時変化を表すグラフである。

Claims (5)

  1. 以下の成分を含有することを特徴とする粒状洗剤組成物:
    (A)以下の式(1)により算出される粘度低減率が40%以上であるアミラーゼであって、ステインザイム(登録商標)である前記アミラーゼ、
    (B)10〜50質量%の界面活性剤を含有する界面活性剤含有粒子、及び
    (C)水溶性アルカリ無機化合物(但し、重炭酸塩を除く)を、有機又は無機水溶性高分子化合物と水難溶性化合物とで表面処理してなり、水溶性アルカリ無機化合物の含有量が50〜98質量%である、表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子。
    Figure 0004190479
  2. (A)成分のアミラーゼが、50%以上の粘度低減率を有することを特徴とする請求項1記載の粒状洗剤組成物。
  3. (A)成分のアミラーゼが、ステインザイム(登録商標)12Tである請求項2記載の粒状洗剤組成物。
  4. (C)成分が、平均粒子径150〜400μmの表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子である請求項1〜3のいずれか1項記載の粒状洗剤組成物。
  5. (C)成分が、水溶性アルカリ無機化合物核粒子を第1表面処理剤として有機又は無機水溶性高分子化合物で表面処理し、得られた粒子をさらに第2表面処理剤として水難溶性化合物で表面処理することにより得ることが出来る表面処理した水溶性アルカリ無機化合物粒子である、請求項1〜4のいずれか1項記載の粒状洗剤組成物。
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