JP4265694B2 - 距離測定装置、距離測定方法、反射体、および通信システム - Google Patents

距離測定装置、距離測定方法、反射体、および通信システム Download PDF

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Description

本発明は、電波を介して反射体と無線通信を行う距離測定装置および距離測定方法、反射体、ならびに通信システムに関するものである。
近年、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(無線タグ)の利用が普及しつつある。RFIDタグは、バーコードを代替するものとして特に物流の分野において期待を集めており、近い将来において広く普及することが予想されている。
現在、RFIDタグ向けの周波数帯域としては、13.56MHz帯、800MHz〜950MHz前後のいわゆるUHF帯、2.45GHz帯などがある。このうち、UHF帯や2.45GHz帯の電波(radio Wave)は、13.56MHz帯の電波に比べて通信距離を伸長し易いという利点がある。また、UHF帯の電波は、2.4GHz帯の電波に比べて、物陰に回り込み易いという利点がある。このため、UHF帯の電波を利用するRFIDタグおよびリーダライタの開発が進められている。
UHF帯の電波を利用する場合、現在主流である13.56MHz帯の電波を利用する場合に比べて、リーダライタが無線タグと通信可能な距離を数10cm程度から数m程度に伸長することができる。よって、UHF帯の電波を利用すれば、リーダライタが無線タグと通信可能な空間領域である通信エリアを比較的広範囲に拡大することが可能となる。
一方、RFIDタグの位置を推定するために、RFIDタグと通信を行う通信局との距離を測定する技術が提案されている。1つの例としては、RFIDタグとしてのアクティブICタグからの信号を多数の基地局が受信し、それぞれの基地局での該アクティブICタグからの受信信号に基づいて、距離および位置を推定する技術がある。この例では、各基地局と該アクティブICタグとの距離は、アクティブICタグからの受信信号の強度に基づいて推定される。すなわち、受信信号の強度と距離との間に相関があることを利用して距離が推定される。また、位置が既知のアクセスポイントを設け、アクティブICタグと該アクセスポイントとから同時に信号を送出させることによって、受信タイミングの遅延量を測定することによってアクティブICタグの距離を推定する手法も採用されている。
また、特表2004−507714号公報(2004年3月11日公開)(以下、特許文献1と称する)には、図26に示すように、RF通信システムにおいて、リーダとしてのインターロゲータ36からRFタグ38に対して、互いに異なる周波数の信号40・42を送信し、この2つの信号を重ね合わせた合成波のヌル・ポイントの数をカウントすることによって、インターロゲータ36とRFタグ38との間の距離を推定する技術が開示されている。
特表2004−507714号公報 EP1239634A2公報
UHF帯の電波を利用したRFID通信システムを用いる場合、長距離通信が可能となることによって、処理を行う必要のない遠方のRFIDタグに対しても通信が可能となり、このようなRFIDタグに対する不要な処理が発生するという問題や、マルチパスの影響を受けることによる応答性能の劣化などの問題が生じる。これらの問題を解決するために、リーダライタが各RFIDタグまでの距離を求めることによって、データ部の解析/書き換え等の処理を行うべき対象となるRFIDタグを分別する手法が考えられる。ここで、リーダライタとRFIDタグとの距離を求める手法として、上記した従来技術を用いた場合には、次のような問題がある。
まず、RFIDタグからの信号の受信強度や、遅延時間に基づいて距離を推定する場合、距離の測定精度が低いという問題がある。このような方式で距離を推定する場合の精度は、実際にはおよそ1m〜数m程度となる。例えば物流管理システムなどに適用する場合には、この程度の精度では実用的ではなく、より高い距離測定精度が必要となる。
また、特許文献1に開示されている技術では、互いに異なる周波数の2つの信号を重ね合わせた合成波のヌル・ポイントの数をカウントすることによって距離を推定しているので、距離の精度が非常に悪いという問題がある。より詳細には、特許文献1の段落[0025]に記載されている例によれば、880MHzの第1信号と884MHzの第2信号を使用したとき、インターロゲータ36から約37.5mのところにヌル・ポイントが生じ、その後約75mごとに追加のヌル・ポイントが生じる。例えば、インターロゲータ36とRFタグ38の間に3つのヌルがカウントされたとすると、推定されるインターロゲータ36とRFタグ38の距離は187.5m以上262.5m未満ということになり、誤差範囲は75mとなる。マルチパスが生じていると、無線信号の伝播距離が長くなり、実際のRFIDタグの距離とは異なる距離が算出されるという問題がある。
また、EP1239634A2(以下、特許文献2と称する)には、図27に示すように、RFIDタグと無線通信を行う通信装置138において、RFIDタグからの反射信号をアンテナ140を介して受信し、サーキュレータ92から入力された受信信号と、サーキュレータ90及びスプリッタ98から入力された搬送信号とをミキサ100,102にて掛け合わせる事によりI信号およびQ信号を生成し、このI信号およびQ信号に基づいてRFIDタグからの反射信号の振幅および位相を算出する技術が開示されている。また、搬送信号とRFIDタグの反射信号との位相差を利用して、RFIDタグまでの距離を求める事が開示されている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、RFIDタグの距離を精度よく測定することを可能とする距離測定装置、距離測定方法、および通信システムを提供することにある。また、さらなる目的として、特殊なRFIDタグを用いずに、RFIDタグの距離を測定することを可能とする距離測定装置、距離測定方法、反射体、および通信システムを提供することが挙げられる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る距離測定装置は、互いに異なる3つ以上の搬送周波数の電波によりR/W要求信号およびCW連続搬送波で構成された1つのフレームからなる信号である要求信号および連続搬送波をアンテナから外部に送信する送信手段と、前記送信手段で送信された前記要求信号が、反射体によって所定の変調を受けながら反射されて発生した、前記要求信号の周波数に応じた周波数の1つのフレームからなる信号である反射信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した反射信号と前記要求信号との間の位相の変化量を、前記送信手段が送信した搬送周波数ごとに算出する位相情報取得部と、前記位相情報取得部によって取得された搬送周波数ごとの位相変化量と搬送周波数とに基づいて、高分解能スペクトラム解析法を用いて前記アンテナと前記反射体の間の距離を算出する距離算出部と、を備えていることを特徴とする。
ここで、反射体は、例えば、無線通信用IC(Integrated Circuit) 、記憶部、およびアンテナなどを備えたRFIDタグである。RFIDタグとしては、電池などの電源を有しておらず、リーダライタから電波で送電された電力によって回路が動作し、リーダライタと無線通信を行うパッシブタイプのRFIDタグや、電池などの電源を有するアクティブタイプのRFIDタグが含まれる。また、固有のID情報を有しているRFIDタグも含まれる。
また、本発明に係る距離測定方法は、互いに異なる3つ以上の搬送周波数の電波によりR/W要求信号およびCW連続搬送波で構成された1つのフレームからなる信号である要求信号および連続搬送波をアンテナから外部に送信する送信ステップと、前記送信ステップで送信された前記要求信号が、反射体によって所定の変調を受けながら反射されて発生した、前記要求信号の周波数に応じた周波数の1つのフレームからなる信号である反射信号を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信した反射信号と前記要求信号との間の位相の変化量を、前記送信ステップで送信した搬送周波数ごとに算出する位相情報取得ステップと、前記位相情報取得ステップによって取得された搬送周波数ごとの位相変化量と搬送周波数とに基づいて、高分解能スペクトラム解析法を用いて前記アンテナと前記反射体の間の距離を算出する距離算出ステップと、を備えていることを特徴とする。
上記の構成および方法では、反射体から互いに異なる3つ以上の搬送周波数によって送信される反射信号が受信されるようになっている。ここで、互いに異なる3つ以上の搬送周波数によって送信される反射信号において、各搬送周波数における信号の位相の状態は、該反射信号を送信した反射体と距離測定装置との距離に応じて異なっている。
また、上記の構成および方法によれば、反射信号の各搬送周波数における信号の位相変化量が取得される。ここで、詳細は後述するが、複数の搬送周波数による信号の位相変化量と搬送周波数とが求められれば、高分解能スペクトラム解析法を用いて、精度良く距離を算出することが可能となる。すなわち、上記の構成および方法によれば、上記距離の算出を精度良く的確に行うことが可能な距離測定装置を提供することができる。
従来、高分解能スペクトラム解析法は、複数のアンテナ素子によって受信された受信信号を入力とすることによって、電波の到来方向を推定する用途で用いられている。これに対して、上記の構成および方法では、従来の高分解能スペクトラム解析法による到来方向推定における各アンテナ素子からの受信信号を、上記の各搬送周波数の受信信号に置き換え、高分解能スペクトラム解析法における適用モデルを変えることによって、上記距離の推定を行うようになっている。
このような高分解能スペクトラム解析法では、推定対象の値を最も確からしい値で算出することが可能であるので、たとえマルチパスが生じていたとしても、このマルチパスによる距離を除外することが可能となる。すなわち、上記の構成および方法によれば、マルチパスが生じていても、的確に距離を算出することが可能となる。
また、参考例に係る距離測定方法は、上記の構成において、上記送信手段が、1つの要求信号を送信する期間内に複数の分割期間を設定し、各分割期間において互いに異なる搬送周波数となるように制御する構成としてもよい。
また、参考例に係る距離測定方法は、上記の方法において、上記送信ステップにおいて、1つの要求信号を送信する期間内に複数の分割期間を設定し、各分割期間において互いに異なる搬送周波数となるように制御する方法としてもよい。
上記の構成および方法によれば、1つの要求信号が、上記分割期間に応じて互いに異なる搬送周波数によって送信される。この場合、反射信号も、上記分割期間に対応して互いに異なる搬送周波数によって送信される。よって、距離算出部は、1つの反射信号における各分割期間における信号の状態を解析することによって距離の算出を行うことが可能となる。すなわち、1つの要求信号および1つの反射信号の送受信を行うのみによって距離の算出を行うことができるので、距離の算出を行うために必要とされる信号の送受信を低減することが可能となり、これにより通信効率を落とさずに距離算出を行うことができる。
また、参考例に係る距離測定装置は、上記の構成において、上記送信手段が、上記要求信号が互いに異なる搬送周波数成分からなる1つの搬送周波数によって送信されるように制御する構成としてもよい。
また、参考例に係る距離測定方法は、上記の方法において、上記送信ステップにおいて、上記要求信号が互いに異なる搬送周波数成分からなる1つの搬送周波数によって送信されるように制御する方法としてもよい。
上記の構成および方法によれば、1つの要求信号が、互いに異なる搬送周波数成分からなる1つの搬送周波数によって送信される。この場合、反射信号も、上記互いに異なる搬送周波数成分からなる1つの搬送周波数によって送信される。よって、距離算出部は、1つの反射信号における各周波数成分における信号の状態を解析することによって距離の算出を行うことが可能となる。すなわち、1つの要求信号および1つの反射信号の送受信を行うのみによって距離の算出を行うことができるので、距離の算出を行うために必要とされる信号の送受信を低減することが可能となり、これにより通信効率を落とさずに距離算出を行うことができる。
また、本発明に係る距離測定装置は、上記の構成において、上記距離算出部が、上記高分解能スペクトラム解析法としてMUSIC(MUltip1e SIgnal Classification)法を用い、該MUSIC法の入力として、互いに異なる3つ以上の搬送周波数によって受信された反射信号を用い、モードベクトルを上記距離の関数としてMUSIC評価関数を求め、該MUSIC評価関数のピーク値を求めることによって上記距離を算出する構成としてもよい。
また、本発明に係る距離測定方法は、上記の方法において、上記距離算出ステップにおいて、上記高分解能スペクトラム解析法としてMUSIC(MUltiples SIgnal Classification)法を用い、該MUSIC法の入力として、互いに異なる3つ以上の搬送周波数によって受信された反射信号を用い、モードベクトルを上記距離の関数としてMUSIC評価関数を求め、該MUSIC評価関数のピーク値を求めることによって上記距離を算出する方法としてもよい。
また、本発明に係る距離測定装置は、上記の構成において、前記MUSIC評価関数のピークが複数表れる場合は、該複数のピークが生じている距離のうち最も小さい距離を前記アンテナと前記反射体の間の距離とする構成としてもよい。
また、本発明に係る距離測定方法は、上記の方法において、前記MUSIC評価関数のピークが複数表れる場合は、該複数のピークが生じている距離のうち最も小さい距離を前記アンテナと前記反射体の間の距離とする方法としてもよい。
ここで、MUSIC評価関数のピーク値は通常一箇所にのみ表れるが、例えばマルチパスが生じている場合には、複数箇所にピーク値が表れることもある。この場合でも、マルチパスに相当する距離は、算出すべき距離よりも長くなるので、ピークが生じている距離のうち、最も小さい距離を算出すべき距離とすることによって、マルチパスが生じていても、的確に距離を算出することが可能となる。
また、本発明に係る距離測定装置は、上記の構成において、上記距離算出部が、受信された反射信号の受信強度を併用して上記距離を算出する構成としてもよい。
また、上記の方法において、上記距離算出ステップにおいて、受信された反射信号の受信強度を併用して上記距離を算出する方法としてもよい。
上記の構成および方法によれば、距離の算出が、反射信号の受信強度にも基づいて行われるので、例えば距離の値の候補が複数ある場合に、受信強度を考慮することによって、的確な距離を選択するなどが可能となり、より正確に距離を算出することが可能となる。
また、本発明に係る距離測定装置は、上記の構成において、上記反射信号に含まれるデータ部の情報を取得するとともに、上記距離算出部によって算出された上記距離情報と上記データ部の情報とを結びつけて外部に出力する受信制御部を備える構成としてもよい。
また、上記の方法において、上記反射信号に含まれるデータ部の情報を取得するとともに、上記距離算出ステップにおいて算出された上記距離情報と上記データ部の情報とを結びつけて外部に出力する受信制御ステップを有する方法としてもよい。
上記の構成および方法によれば、上記反射信号に含まれるデータ部の情報によって、例えば該反射信号を送信した反射体を識別する情報などを認識することができる。また、受信制御部は、距離算出部によって測定された上記距離の情報と、上記データ部の情報とを結びつけてこれを認識する。これにより、距離測定装置が通信する反射体が複数存在した場合でも、各反射体の距離を区別して認識することが可能となる。
また、本発明に係る距離測定装置は、上記の構成において、上記距離算出部が、上記反射信号に基づいて、該反射信号を送信した反射体の位置する方向を測定する構成としてもよい。
また、上記距離算出ステップにおいて、上記反射信号に基づいて、該反射信号を送信した反射体の位置する方向を測定する方法としてもよい。
上記の構成および方法によれば、反射体の距離とともに、その存在位置方向をも認識することが可能となる。これにより、該反射体の存在位置を認識することが可能となる。
また、本発明に係る距離測定装置は、上記の構成において、上記距離算出部が、上記反射体のプリアンブル部における信号を解析することによって上記距離を算出する構成としてもよい。
また、上記の方法において、上記距離算出ステップにおいて、上記反射信号のプリアンブル部における信号を解析することによって上記距離を算出する方法としてもよい。
上記の構成および方法によれば、反射信号のプリアンブル部における信号が解析されることによって上記距離が算出される。ここで、プリアンブル部は、反射信号の始まりを示すデータを示しており、同一規格(例えばEPC)内であれば、全ての反射体に共通の所定のデータとなっている。したがって、プリアンブル部の長さは、どの反射体からの信号であっても同じになるので、信号の解析を確実に行うことが可能となる。また、プリアンブル部における信号は全て共通となるので、例えばPSK変調が行われる場合でも距離の算出を行うことが可能となる。
なお、本発明に係る距離測定装置が備える各手段は、コンピュータにより実現してもよい。この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させる通信プログラムを該コンピュータに実行させることによって実現させることができる。
また、本発明に係る反射体は、上記本発明に係る距離測定装置から送信された要求信号に対して、前記要求信号の周波数に応じた周波数の1つのフレームからなる信号である反射信号を生成する信号生成部と、上記信号生成部によって生成された反射信号を、互いに異なる複数の搬送周波数によって送信されるように制御する周波数制御部とを備えることを特徴としている。
上記のような構成の反射体から送信される反射信号を、上記本発明に係る距離測定装置が受信することによって、該距離測定装置は、上記距離の算出を精度良く的確に行うことが可能となる。
また、参考例に係る反射体は、上記の構成において、上記周波数制御部が、1つの反射信号を送信する期間内に複数の分割期問を設定し、各分割期間において互いに異なる搬送周波数となるように制御する構成としてもよい。
上記の構成によれば、1つの反射信号の送信を行うのみによって距離の算出を行うことができるので、距離の算出を行うために必要とされる信号の送受信を低減することが可能となり、これにより通信効率を落とさずに距離算出を行うことができる。
また、参考例に係る反射体は、上記の構成において、上記周波数制御部が、上記反射信号が互いに異なる搬送周波数成分からなる1つの搬送周波数によって送信されるように制御する構成としてもよい。
上記の構成によれば、1つの反射信号の送信を行うのみによって距離の算出を行うことができるので、距離の算出を行うために必要とされる信号の送受信を低減することが可能となり、これにより通信効率を落とさずに距離算出を行うことができる。
また、本発明に係る通信システムは、上記本発明に係る距離測定装置と、上記距離測定装置と無線通信を行う少なくとも1つの反射体とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、反射体との通信を管理する上で、少なくとも各反射体の距離に関する情報に関して認識することが可能なシステムを容易に構築することが可能となる。
また、本発明に係る通信システムは、上記本発明に係る距離測定装置と、上記距離測定装置によって上記反射体と通信が行われた結果に基づいて、該反射体と関連付けられている物品、人、および生物のうち少なくともいずれか1つを管理する管理装置とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、反射体と関連付けられている物品、人、および生物を管理する上で、その位置情報に関しても認識することが可能なシステムを容易に構築することが可能となる。
本発明は、以上のように、反射体から、互いに異なる複数の搬送周波数によって送信された反射信号を受信する処理を行う距離測定装置において、上記反射体から送信された上記反射信号を解析することによって、該反射体と当該距離測定装置との距離を算出する距離算出部を備える構成である。これにより、反射体と距離測定装置との距離をより精度よく算出することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る通信システムは、上記本発明に係る距離測定装置と、上記距離測定装置と無線通信を行う少なくとも1つの反射体とを備える構成である。
これにより、反射体との通信を管理する上で、少なくとも各反射体の距離に関する情報に関して認識することが可能なシステムを容易に構築することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る通信システムは、上記本発明に係る距離測定装置と、上記距離測定装置によって上記反射体と通信が行われた結果に基づいて、該反射体と関連付けられている物品、人、および生物のうち少なくともいずれか1つを管理する管理装置とを備える構成である。
これにより、反射体と関連付けられている物品、人、および生物を管理する上で、その位置情報に関しても認識することが可能なシステムを容易に構築することが可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図25に基づいて説明すると以下の通りである。
(リーダライタの構成)
図2は、本実施形態に係るRFIDタグとリーダライタとからなる通信システムの概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、通信システムは、1つ以上のRFIDタグ1(反射体)およびリーダライタ(距離測定装置)2を備えた構成となっている。
RFIDタグ1は、各種物品に取り付けられるものであり、取り付けられている物品あるいはそれに関連する物や人に関する情報を記億するものである。このRFIDタグ1は、無線通信用IC(Integrated Circuit)、記憶部、およびアンテナなどを備えた構成となっている。
本実施形態においては、RFIDタグ1として、電池などの電源を有しておらず、リーダライタ2から電波で送電された電力によって回路が動作し、リーダライタ2と無線通信を行うパッシブタイプのRFIDタグを用いることが想定されている。なお、本実施形態において用いられるRFIDタグは、上記のようなパッシブタイプのRFIDタグに限定されるものではなく、電池などの電源を有するアクティブタイプのRFIDタグであっても構わない。
リーダライタ2は、各RFIDタグ1との間で無線通信を行い、RFIDタグ1に記憶されている情報の読み書きを行う装置である。なお、本実施形態では、リーダライタ2は、RFIDタグ1に記憶されている情報の読み書きを行うものとしているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ1に記憶されている情報の読み出しのみを行うRFIDリーダであってもよい。
本実施形態では、リーダライタ2が送受信する電波の周波数帯域は、800MHz〜960MHz前後のいわゆるUHF帯としている。このような周波数帯域の電波を用いることにより、リーダライタ2は、数m〜数10m程度の距離範囲内に位置するRFIDタグ1と通信可能となる。なお、本実施形態においては、UHF帯を用いた通信を想定しているが、これに限定されるものではなく、RFIDタグ向けの周波数帯域としての、13.56MHz帯、2.45GHz帯などの周波数帯域を用いてもよく、さらには、無線による通信を行うことが可能なその他の周波数帯による通信が行われても構わない。
リーダライタ2は、送信アンテナ3、受信アンテナ4、送信処理部5、受信処理部6、通信制御部7、位置測定部8、外部通信部9,エリア判定部10、およびエリア情報記憶部11を備えた構成となっている。
送信アンテナ3は、RFIDタグ1…に対して電波を送信するアンテナであり、受信アンテナ4は、RFIDタグ1…から送られてきた電波を受信するアンテナである。この送信アンテナ3および受信アンテナ4は、例えばパッチアンテナやアレーアンテナなどによって構成される。なお、本構成例では、送信アンテナ3と受信アンテナ4とをそれぞれ別に設けているが、1つのアンテナを送信アンテナ3および受信アンテナ4の両方の機能を有するものとして用いる構成としてもよい。
送信処理部5は、送信アンテナ3から送信される送信信号の変調、増幅などの処理を行うブロックである。また、受信処理部6は、受信アンテナ4において受信された受信信号の増幅、復調などの処理を行うブロックである。
通信制御部7は、通信対象となるRFIDタグ1に対して、送信アンテナ3および/または受信アンテナ4を介して情報の読み出しおよび/または書き込み制御を行うブロックである。
位置測定部8は、RFIDタグ1から受信した受信信号に基づいて、該RFIDタグ1の位置を測定するブロックである。詳細は後述するが、RFIDタグ1の位置の測定としては、リーダライタ2とRFIDタグ1との距離の測定、リーダライタ2から見た際のRFIDタグ1の方向の測定、および、RFIDタグ1の空間的な位置の測定などが挙げられる。なお、リーダライタ2とRFIDタグ1との距離とは、厳密には、リーダライタ2における送信アンテナ3とRFIDタグ1との距離と、RFIDタグ1と受信アンテナ4との距離の加算平均に相当する。なお、RFIDタグ1がアクティブタイプの場合には、受信アンテナ4とRFIDタグ1との距離に相当する。
エリア判定部10は、位置測定部8において測定された位置に基づいて、該RFIDタグ1が所定の空間領域(通信エリア)内に位置しているか否かを判定するブロックである。通信エリアがどのような空間領域であるかについてのエリア情報は、エリア情報記憶部11に記憶されている。エリア判定部10は、位置測定部8において測定された位置が、上記エリア情報で規定される通信エリア内に存在するか否かを判定することによって、該RFIDタグ1が通信エリア内に存在しているかを判定する。
外部通信部9は、リーダライタ2において読み出されたRFIDタグ1の情報を外部装置に送信したり、外部装置からのRFIDタグ1に対する書き込み情報を受信したりするブロックである。外部装置と外部通信部9との間は、有線または無線によって通信接続されている。ここで、リーダライタ2によるRFIDタグ1に対する読み書き処理に基づいて動作する外部装置が、該リーダライタ2を内蔵する構成であっても構わない。
なお、エリア情報記憶部11に記憶されているエリア情報は、リーダライタ2が設置される環境に応じて設定されることになる。このエリア情報の設定は、例えば外部通信部9を介して外部装置から行われるようになっていてもよいし、リーダライタ2に、エリア情報を入力するためのユーザインターフェースが備えられていてもよい。
なお、上記リーダライタ2が備える通信制御部7、位置測定部8、エリア判定部10、および外部通信部9は、ハードウェアロジックによって構成されていてもよいし、CPUなどの演算手段が、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行することにより実現する構成となっていてもよい。
CPUなどの演算手段および記憶手段によって上記の各構成を構成する場合、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行することによって、通信制御部7、位置測定部8、エリア判定部10、および外部通信部9の各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、コンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別の記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
(距離測定に関する構成)
次に、リーダライタ2において、RFIDタグ1と当該リーダライタ2との距離を測定するための構成について図1を参照しながら説明する。同図に示すように、送信処理部5は、周波数調整部としてのPLL(Phase Locked Loop)部5A、変調部5B、電力増幅部5C、および発信器5Dを備えている。また、受信処理部6は、増幅部6A、および周波数変換部6Bを備えている。また、位置測定部8は、位相情報取得部8A、および距離算出部8Bを備えている。また、通信制御部7は、周波数制御部7A、送信制御部7B、および受信制御部7Cを備えている。
送信処理部5において、PLL部5Aは、送信アンテナ3から送信される送信信号の搬送周波数を設定するブロックであり、PLL回路によって構成される。変調部5Bは、PLL部5Aおよび発信器5Dによって生成された搬送信号に変調を加えて送信信号にデータを重畳させる処理を行う。本実施形態においては、変調部5Bは、ASK(Amplitude Shift Keying)変調によって送信信号を生成する。なお、送信信号の変調方式としては、上記のASK変調に限定されるものではなく、FSK(Frequency Shift Keying)変調、PSK(Phase Shift Keying)変調など、その他のデジタル変調方式を採用してもよい。電力増幅部5Cは、送信信号の増幅を行うブロックである。
受信処理部6において、増幅部6Aは、受信アンテナ4において受信された受信信号の増幅を行うブロックである。周波数変換部6Bは、増幅部6Aにおいて増幅された受信信号の周波数を変換して、より低周波の信号に変換する処理を行うブロックである。
位置測定部8において、位相情報取得部8Aは、周波数変換部6Bによって周波数変換された受信信号の位相の変化量を検出し、これを位相情報として取得するブロックである。なお、受信信号の位相の変化量とは、該受信信号が所定の距離を伝播することによって生じる位相の変化量を示している。
より詳しくは、PLL部5Aから出力される搬送信号をsin2πf1tとすると、周波数変換部6Bはこの搬送信号sin2πf1tと増幅部6Aから入力された受信信号D(t)Asin(2πf1t+φ)とを掛け合わせて求めた値(D(t)Acosφ)を位相情報取得部8Aに送出する。位相情報取得部8Aは、周波数変換部6Bから送出された値に基づいて位相の変化量φを算出する。ここで、tは時間、D(t)は変調部5BにおいてASK変調が行われた場合のベースバンド信号、Aは搬送信号自体の振幅、φは往復2rの距離を伝搬することによる位相の変化量をそれぞれ示している。
距離算出部8Bは、位相情報取得部8Aによって取得された位相の変化量情報に基づいて、該当RFIDタグ1とリーダライタ2との距離を算出するブロックである。この距離の算出方法の詳細については後述する。
通信制御部7において、周波数制御部7Aは、PLL部5Aによって設定される搬送信号の周波数を制御するブロックである。送信制御部7Bは、変調部5Bに対して、送信信号を変調すべきデータを入力するブロックである。受信制御部7Cは、距離算出部8Bによって算出された距離情報を通信制御部7が受信する処理を行うブロックである。
(距離測定の詳細)
次に、距離測定処理の詳細について説明する。本実施形態においては、リーダライタ2がRFIDタグ1に対してR/W要求信号(要求信号)を送信し、RFIDタグ1がこれに応じて応答信号(反射信号)を返信するようになっている。この様子を図3(a)〜図3(c)に示す。図3(a)は、リーダライタとRFIDタグとの間でR/W要求信号および応答信号の送受信が行われる状態を示す図である。図3(b)は、リーダライタからRFIDタグへ送信される信号及びその搬送周波数を時間軸で示した図である。図3(c)は、RFIDタグからリーダライタへ送信される信号およびその搬送周波数を時間軸で示した図である。
リーダライタ2は、常に特定の信号(RFIDタグ1への電力供給を行うための信号)を送信している一方、RFIDタグ1に対して応答信号(以下、タグ応答信号とする)を送信することを要求する時に、図3(b)に示すように、タグ応答信号の返信を要求するR/W要求信号を送信する。すなわち、リーダライタ2における送信制御部7Bは、定常状態では定常状態を示すデータを送信するように変調部5Bを制御し、タグ応答信号を要求する際には、R/W要求信号を構成するデータを送信するように変調部5Bを制御する。RFIDタグ1は、常にリーダライタ2から送られてくる信号を監視し、R/W要求信号を受信したことを検知すると、それに応答する形でタグ応答信号を送信する。
より詳しくは、リーダライタ2は、R/W要求信号およびCW(連続搬送波)からなる1フレームの信号を送信する。RFIDタグ1は、リーダライタ2からR/W要求信号およびCW(連続搬送波)を受け取ると、CW(連続搬送波)の周波数に応じた搬送周波数f1からなるタグ応答信号をリーダライタ2へ送信する。図3(b)および(c)では、R/W要求信号およびCW(連続搬送波)は搬送周波数f1によって送信され、また、これに応じてタグ応答信号は搬送周波数f1によって送信されている。
タグ応答信号は、図3(c)に示すように、プリアンブル部とデータ部とによって構成されている。プリアンブル部は、タグ応答信号の始まりを示すデータを示しており、同一規格(例えばEPC)内であれば、全てのRFIDタグ1に共通の所定のデータとなっている。データ部は、プリアンブル部に引き続いて送信されるものであり、RFIDタグ1から送信される実質的な情報を示すデータを示している。このデータ部に含まれる情報としては、例えば各RFIDタグ1に固有のID情報などが挙げられるが、RFIDタグ1から送信すべき情報、例えばRFIDタグ1内の記憶部に格納されている各種情報などを含んでいてもよい。
そして、リーダライタ2は、R/W要求信号を2回送信するとともに、各R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))の送信における搬送周波数を互いに異ならせている。すなわち、リーダライタ2における周波数制御部7Aは、1回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数f1で搬送信号を出力するようにPLL部5Aを制御し、2回目のR/W要求信号の送信時には、第1の周波数f1とは異なる第2の周波数f2で搬送信号を出力するようにPLL部5Aを制御する。
図1および図3に示すように、第1の周波数f1で送信されたR/W要求信号をRFIDタグ1が受信すると、同じく第1の周波数f1でタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ2では、位相情報取得部8Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解析することによって、タグ応答信号の位相の変化量を示すφ1を検出する。同様に、第2の周波数f2で送信されたR/W要求信号をRFIDタグ1が受信すると、同じく第2の周波数f2でタグ応答信号が返信される。そして、リーダライタ2では、位相情報取得部8Aが受信したタグ応答信号のプリアンブル部を解折することによって、タグ応答信号の位相の変化量を示すφ2を検出する。
なお、上記の例では、タグ応答信号の位相の変化量は、プリアンブル部を解析することによって検出するようになっているが、これに限定されるものではなく、データ部をも含めて位相の変化量を検出してもよいし、データ部において位相の変化量を検出してもよい。ただし、変調方式がPSKである場合には、内容が変化しうるデータ部に基づいて、距離に伴う位相の変化量を検出することは困難となるので、内容が固定であるプリアンブル部において位相の変化量を検出することが好ましい。
以上のようにして、位相情報取得部8Aが位相の変化量φおよびφを検出すると、この位相の変化量の情報が距離算出部8Bに伝送される。距離算出部8Bは、φおよびφに基づいて、RFIDタグ1とリーダライタ2との距離を以下のように算出する。
まず、送信アンテナ3からRFIDタグlまでの距離、および、受信アンテナ4からRFIDタグ1までの距離を等しいものと仮定し、これを距離rとする。第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号が往復2rの距離を伝搬することによって生じる位相の変化量φおよびφは、次の式で表される。
Figure 0004265694


Figure 0004265694
上式において、cは光速を表している。上記の2つの式に基づいて、距離rは、次の式で求められる。
Figure 0004265694
Figure 0004265694
以上のようにして、位相の変化量φおよびφに基づいて、送信アンテナ3からRFIDタグ1までの距離rを求めることができる。なお、RFIDタグ1において、R/W要求信号を受信してからタグ応答信号を送信する間に、位相のずれが生じることが予想されるが、この位相のずれは、第1の周波数fおよび第2の周波数fによって搬送される信号のどちらにおいても同じ量となる。よって、RFIDタグ1における信号の送受信時に生じる位相のずれは、上記の距離の算出に影響を与えることばない。
なお、数2において、φが2π以上となっている場合には、距離rを的確に算出することができない。すなわち、測定可能な距離rの最大値rmaxは、Δφ=2πの時であり、次の式で表される。
Figure 0004265694
ここで、例えば第1の周波数fと第2の周波数fとの差を5MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは30mとなる。また、同様に、第1の周波数fと第2の周波数fとの差を2MHzとした場合、数3より最大距離rmaxは75mとなる。UHF帯を利用したRFID通信システムにおいて、想定される最大通信距離は10m程度であるので、上記のような測定は実用上問題がないことがわかる。
なお、上記の最大距離rmax以上の測定が必要となる場合であっても、例えば受信信号の受信強度の測定を併用することによって、距離rの測定を行うことが可能である。具体的には、Δφが2π以上となる可能性がある場合、距離rの候補r’は、r’=r+n・rmax(nは0以上の整数)となる。よって、受信信号の受信強度は、距離rが長くなる程小さくなることを利用することによって、上記のnの値を特定することが可能となる。
なお、アクティブタイプのRFIDタグを用いる場合には、リーダライタ2側からR/W要求信号を送信せずに、RFIDタグ側から能動的に送られるタグ応答信号に基づいて、距離の測定を行うようになっていてもよい。
(受信処理部の参考例)
以上の距離測定においては、受信信号の位相の変化量を検出する処理が行われているが、この位相の変化量の検出を行うことを可能とする受信処理部6の参考例の構成について、図4を参照しながら以下に説明する。この参考例では、受信処理部6は、受信信号をI信号とQ信号とに分離して位置測定部8に入力することによって、位置測定部8における位相の変化量の検出処理を可能とさせるものとなっている。同図に示すように、受信処理部6は、増幅部6Aとしての2つの増幅部6A1・6A2、周波数変換部6Bとしてのミキサ6B1・6B2および90°移相部6B3を備えている。
受信アンテナ4で受信された受信信号は、2つの経路に分岐し、一方は増幅部6A1に入力され、他方は増幅部6A2に入力される。増幅部6A1は、入力された受信信号を増幅してミキサ6B1に入力する。増幅部6A2は、入力された受信信号を増幅してミキサ6B2に入力する。
ミキサ6B1は、増幅部6A1から入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを掛け合わせることによってI信号を出力し、このI信号を位相情報取得部8Aに入力する。ミキサ6B2は、増幅部6A2から入力された受信信号と、PLL部5Aから出力され、90°移相部6B3を介して位相が90°変化させられた搬送信号とを掛け合わせることによってQ信号を出力し、このQ信号を位相情報取得部8Aに入力する。
以上の構成において行われる受信処理および距離rの算出処理の詳細について以下に説明する。
往復2rの距離を伝搬してリーダライタ2において受信される信号は、搬送信号の周波数をfとすると、次の式で表される。
Figure 0004265694
上式において、tは時間、s(t)は周波数fの搬送信号によって伝送される信号の状態、D(t)は変調部5BにおいてASK変調が行われた場合のベースバンド信号、Aは搬送信号自体の振幅、φは往復2rの距離を伝搬することによる位相の変化量をそれぞれ示している。この場合、ミキサ6B1によって出力されるI信号の状態を示すI(t)、および、ミキサ6Blによって出力されるQ信号の状態を示すQ(t)は、次の式で表される。
Figure 0004265694

Figure 0004265694
Figure 0004265694

Figure 0004265694
以上より、I信号およびQ信号に基づいて、周波数fの搬送信号による信号の位相の変化量φは、次の式で求められる。
Figure 0004265694
同様に、周波数fの搬送信号による信号の位相の変化量φは、次の式で求められる。
Figure 0004265694
以上のようにして、位相情報取得部8Aは、入力されたI信号およびQ信号に基づいて、位相の変化量φおよびφを取得する。そして、距離算出部8Bは、距離rを次の式によって算出する。
Figure 0004265694
Figure 0004265694
(距離測定処理の流れ)
次に、図5に示すフローチャートを参照しながら、リーダライタ2における上記の参考例の距離測定処理の流れについて説明する。
まず、距離測定処理が開始されると、ステップ1(以降、Slのように称する)において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号の周波数を第1の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。
次に、送信制御部7Bが、R/W要求信号を示すデータを搬送信号に重畳させるように変調部5Bを制御する。そして、変調部5Bによって変調された送信信号が、電力増幅部5Cによって増幅された後に送信アンテナ3から出力される(S2)。R/W要求信号が送信されると続いてCW(連続搬送波)が第1の周波数fで送信される(S3)。
RFIDタグ1はR/W要求信号を検出すると、続いて検出したCW(連続搬送波)の第1の周波数fに応じた搬送周波数からなるタグ応答信号を返信する。このタグ応答信号を受信アンテナ4が受信し、受信処理部6が受信処理を行い(S4)、そして位相情報取得部8Aが位相情報取得処理を行う(S5)。
すなわち、受信処理部6において、周波数変換部6Bは、上述の数4から6の数式に基づいて増幅部6Aから入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを掛け合わせることによりI信号およびQ信号を求める。位相情報取得部8Aは、周波数変換部6BからI信号およびQ信号を受け取ると、上述の数7から8の数式に基づいて、第1の周波数fの位相の変化量φおよびφを算出し、搬送信号として使用された周波数(第1の周波数f)に対応させてテーブルに記憶する。
受信処理部6においてRFIDタグ1からのタグ応答信号の受信が終了すると(S6)、位相情報取得部8Aは位相情報取得処理を終了する(S7)。その後、送信処理部5はCW(連続搬送波)の送信、すなわち1フレームからなる信号の送信を終了する(S8)。受信制御部7Cは、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したか否かを判定し、全て受信していないと判定された場合(S9においてNO)には、S1からの処理に戻る。ここで、上記の例では、受信信号の周波数としては、第1の周波数fおよび第2の周波数fが想定されているので、受信制御部7Cは、第1の周波数fおよび第2の周波数fの受信信号をともに受信したか否かを判定することになる。
この時点では、第1の周波数fの受信信号のみを受信しているので、Slからの処理が行われることになる。そして、2回目のS1の処理において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号(およびCW(連続搬送波))の周波数を第2の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。その後、S2〜S8の処理が行われ、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したと判定され(S9においてYES)、S10の処理に移行する。
S10では、取得された位相情報に基づいて、距離算出部8BがRFIDタグ1とリーダライタ2との距離を上記した手法によって算出する。より詳しくは、距離算出部8Bは、前記テーブルから周波数毎の位相の変化量を取り出して、上述の数9の数式に基づいて距離rを算出する。算出された距離情報は、受信制御部7Cに伝送される。以上により、距離測定処理が完了する。
(多周波を用いた距離測定)
上記の参考例では、互いに異なる2つの周波数の受信信号を受信することによって距離を測定するようになっていたが、以下に示すように、互いに異なる3つ以上の周波数の受信信号を受信する構成としてもよい。
リーダライタ2とRFIDタグ1との間で信号が送受信される場合、基本的には、リーダライタ2から送信された信号が直接RFIDタグ1に到達し、RFIDタグ1から送信された信号が直接リーダライタ2に到達することになる。しかしながら、リーダライタ2とRFIDタグ1上の間で信号が直接到達するのではなく、周囲の何らかの物体に反射した上で到達する(マルチパス)ことが考えられる。この場合、リーダライタ2で受信される受信信号は、マルチパスによる影響を受けることによって、本来の位相の状態に対してノイズが混じり、S/Nが劣化することが考えられる。すなわち、位相に基づいて距離を算出する方法において、取得される位相情報の精度が悪くなることによって、算出される距離の精度も劣化することになる。
また、上記の例において、受信信号をI信号とQ信号とに分離し、これらに基づいて位相の変化量を検出する手法を示したが、位相の状態によっては、I信号およびQ信号のいずれかが著しく小さくなることがありうる。この場合、著しく小さくなっている方の信号の測定誤差の影響が、位相の算出に大きな影響を与えることになる。すなわち、I信号およびQ信号のいずれかが著しく小さくなっている場合には、測定される位相の誤差が大きくなり、算出される距離の精度も劣化することになる。
そこで、次のような処理を行うことによって、上記の問題を解決することが可能である。すなわち、まず、リーダライタ2が、互いに異なる周波数からなる3つ以上のR/W要求信号を送信し、それぞれに対するタグ応答信号を受信する。そして、受信信号のうちで、S/Nがより高く、かつ、I信号・Q信号のレベルがより高い受信信号を2つ選択し、この選択した2つの受信信号に基づいて位相の変化量検出および位置算出を行う。
(多周波を用いた距離測定処理の流れ)
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、リーダライタ2における上記の多周波を用いた距離測定処理の流れについて説明する。
まず、距離測定処理が開始されると、S11において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号の周波数を第1の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。
次に、送信制御部7Bが、R/W要求信号を示すデータを搬送信号に重畳させるように変調部5Bを制御する。そして、変調部5Bによって変調された送信信号が、電力増幅部5Cによって増幅された後に送信アンテナ3から出力される(S12)。R/W要求信号が送信されると続いてCW(連続搬送波)が第1の周波数fで送信される(S13)。
RFIDタグ1がR/W要求信号を検出すると、続いて検出したCW(連続搬送波)の第1の周波数fに応じた搬送周波数からなるタグ応答信号を返信する。このタグ応答信号を受信アンテナ4が受信し、受信処理部6が受信処理を行い(Sl4)、そして位相情報取得部8Aが位相情報取得処理を行う(S15)。
すなわち、受信処理部6において、周波数変換部6Bは、上述の数4から6の数式に基づいて、増幅部6Aから入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを掛け合わせることによりI信号およびQ信号を求める。位相情報取得部8Aは、周波数変換部6BからI信号およびQ信号を受け取ると、上述の数7から8の数式に基づいて、第1の周波数fの位相の変化量φおよびφを算出すると共に、下記の数10の数式に基づき、信号レベルs(t)を求める。そして、位相情報取得部8Aは、求めた位相の変化量および信号レベルを、搬送信号として使用された周波数(第1の周波数f)に対応させてテーブルに記憶する。
Figure 0004265694
受信処理部6においてRFIDタグ1からのタグ応答信号の受信が終了すると(S16)、位相情報取得部8Aは位相情報取得処理を終了する(S17)。その後、送信処理部5はCW(連続搬送波)の送信、すなわち、1フレームからなる信号の送信を終了する(S18)。その後、受信制御部7Cは、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したか否かを判定し(S19)、全て受信していないと判定された場合には、S11からの処理に戻る。ここで、受信信号の周波数としては、第1〜第4の周波数を設定しているものとすると、受信制御部7Cは、第1〜第4の周波数の受信信号を全て受信したか否かを判定することになる。
この時点では、第1の周波数fの受信信号のみを受信しているので、S11からの処理が行われることになる。そして、2回目のS11の処理において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号(およびCW(搬送周波数))の周波数を第2の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。その後、S12〜S18の処理が行われ、これが第4の周波数fの受信信号の受信が全て確認されるまで繰り返される。そして、Sl9において、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したと判定された場合には、S20の処理に移行する。
S20では、位相情報取得部8Aによる周波数選択処理、および距離算出部8Bによる距離算出処理が行われ、距離測定処理が終了する。
次に、図7に示すフローチャートを参照しながら、上記のS20における位相情報取得部8Aによる周波数選択処理、および距離算出部8Bによる距離算出処理の流れについて説明する。
まず、S21において、位相情報取得部8Aは、前記テーブルから受信した全ての周波数の受信信号の信号レベルを取得する。
次に、S22において、位相情報取得部8Aは、各周波数の受信信号の信号レベルが所定のしきい値を超えているか否かを判定する。この所定のしきい値は、距離算出において十分な精度を得ることが可能な最低限度の値として予め設定される。そして、位相情報取得部8Aは、上記所定のしきい値を超えている受信信号の周波数の数が2未満であるか、2より大きいか、2であるかを判定する。
所定のしきい値を超えている受信信号の周波数の数が2未満であると判定された場合、S23において、位相情報取得部8Aは、他の周波数による受信信号を再取込するように、通信制御部7に対して他の周波数にてR/W要求信号を送信することを指示する。
一方、所定のしきい値を超えている受信信号の周波数の数が2より大きいと判定された場合、まずS24において、位相情報取得部8Aは、所定のしきい値を超えない受信信号の周波数を選択候補から削除する。そして、S25において、位相情報取得部8Aは、選択候補として残った受信信号の周波数のそれぞれについて、I信号およびQ信号のうち、信号レベルが小さい方の成分を最小成分として抽出する。その後、S25において、位相情報取得部8Aは、各周波数の最小成分のうち、信号レベルが大きい方から2つ選択する。選択された2つの最小成分に対応する周波数の受信信号に関して、位相情報取得部8Aは、前記テーブルから位相情報を取得し、これを距離算出部8Bに伝送する。そして、S27において、距離算出部8Bが、受信した位相情報に基づいて距離算出処理を行う。
さらに一方、所定のしきい値を超えている受信信号の数が2であると判定された場合、位相情報取得部8Aは、この2つの受信信号に関して位相情報を取得し、これを距離算出部8Bに伝送する。そして、S27において、距離算出部8Bが、受信した位相情報に基づいて距離算出処理を行う。
図8は、上記の周波数選択処理の一例を模式的に示している。この例では、f〜fの周波数による受信信号を受信した場合を想定している。周波数fの受信信号におけるI信号成分をI,Q信号成分をQ、および受信信号レベルをSとし、周波数fの受信信号におけるI信号成分をI、Q信号成分をQ、および受信信号レベルをSとし、周波数fの受信信号におけるI信号成分をI,Q信号成分をQ、および受信信号レベルをSとし、周波数fの受信信号におけるI信号成分をI,Q信号成分をQ、および受信信号レベルをSとしている。
まず、上記のS22において、S〜Sの信号レベルのうち、Sが所定のしきい値以下であると判定され、S24の処理により、周波数fの受信信号が選択候補から削除されている。次に、S25の処理により、最小成分として、周波数fはQ、周波数fはI、周波数fはQが選択されている。そして、S25の処理により、Q,I,Qのうち、信号レベルがより大きいQ,Iが選択されることによって、周波数fおよび周波数fの受信信号が選択されている。
以上の処理によって、距離算出に用いられる2つの周波数の受信信号を、マルチパスによる影響を受けることによってS/Nが劣化している受信信号や、I信号およびQ信号のいずれかが著しく小さくなっている受信信号を排除して選択することが可能となる。これにより、距離算出の精度をどのような状況でも高い状態に保つことが可能となる。
(MUSIC法を応用した距離算出方法)
次に、本発明における距離算出方法の実施例について説明する。上記の参考例では、2つの周波数における受信信号の位相の変化量を検出し、これらに基づいて上記数9の式によって距離rを算出している。これに対して、本実施例は、以下に示すように、高分解能スペクトラム解析法の1つであるMUSIC(MUltip1e SIgnal Classification)法の考え方を応用することによって距離rを算出することが可能となる。
MUSIC法とは、従来、電波の到来方向を推定する手法として広く知られている。このMUSIC法では、複数のアンテナ素子によって受信された受信信号を解析することによって、電波の到来方向を推定するようになっている。このMUSIC法において、到来方向推定における各アンテナ素子からの受信信号を、上記の各周波数の受信信号に置き換え、MUSIC法における適用モデル(到来方向推定で用いられるモードベクトルa(θi))(以下の数11)を距離推定で用いられるモードベクトルa(ri)(以下の数12)に変えることによって、距離rの推定を行うことが可能となる。このように距離rの推定においてMUSIC法を応用することによって、以下に示すように、マルチパスの発生等のある実環境下において、マルチパスの影響をさらに低減することが可能となり、さらに精度を高めることができる。
すなわち、アレーアンテナの素子数をK、到来波の波長をλ、到来波数をL、第i到来波の到来角をθi(i = 1…L)とすると、第i到来波に対するアレーレスポンス・ベクトルa(θ)はa(θi)=[exp{jΦ1i)}, …, exp{jΦKi)}]T; ΦNi )=-(2π/λ)dNsin(θi)(ΦNi)は第N番目のアンテナ素子における第i波の受信位相、は転置、dはN番目のアンテナ素子位置)となる(数11)。
そして、数11において、K:アレーアンテナの素子数を使用する周波数の数(f、f、f…f)に、第i到来波の到来角θを第i番目のタグまでの距離r(r1…rL)に、第i到来波に対するアレーレスポンス・ベクトルa(θ)を第i番目のタグに対するアレーレスポンス・ベクトルa(r)に、第N番目のアンテナ素子における第i波の受信位相Φ(θ)を第N番目の周波数における第i番目のタグからの信号の受信位相Φ(r)(Φ(ri)=-2πf・2ri/c、(c:光速(3x108)))にそれぞれ置き換えることにより、モードベクトルa(ri)(数12)が導かれる(図9(c)参照)。
Figure 0004265694
Figure 0004265694
以下に、MUSIC法を応用した距離測定処理(距離推定MUSIC法と称する)の詳細について説明する。なお、以下で示す距離測定処理は、位置測定部8において行われる。
周波数fの受信信号において、I信号の状態を示すI(t)、および、Q信号の状態を示すQ(t)は、前記した数5および数6のように表される。ここで、周波数fの受信信号を複素表現で表したx(t)は、次の式で表される。
Figure 0004265694
同様に、周波数fの受信信号を複素表現で表したx(t)は、次の式で表される。
Figure 0004265694
ここで、受信信号をK通りの周波数で受信した場合を考えると、周波数f〜fの受信信号に基づいて、以下に示される相関行列Rxxが生成される。
Figure 0004265694
Figure 0004265694
上式において、Hは複素共役転置、E[]は時間平均を示している。次に、上記で求められた相関行列Rxxの固有値分解を次式のように行う。
Figure 0004265694
上式において、eはRxxの固有ベクトル、μは固有値、σは雑音電力を示している。これらより以下の関係が成り立つ。
Figure 0004265694
Figure 0004265694
Figure 0004265694
上記より、距離推定MUSIC法におけるモードベクトルおよびMUSIC評価関数PMUSICは以下のように与えられる。
Figure 0004265694
上式において、rを変化させることによって、図9(b)に示すようなグラフが得られる。このグラフにおいて、横軸をr、縦軸をPMUSlCとしている。このグラフに示すように、評価関数PMUSICにはピークが生じており、このピークが生じているrの値が、算出すべき距離rに相当することになる。
なお、図9(b)に示すグラフでは、評価関数PMUSICのピークは一箇所にのみ表れているが、他の箇所にもピークが表れることもある。これは、図9(a)に示すように、マルチパスの影響を受けた場合に、そのマルチパスに相当する距離の部分でピークが表れるからである。しかしながら、マルチパスに相当する距離は、算出すべき距離rよりも長くなるので、ピークが生じている距離のうち、最も小さいrを算出すべき距離rとすることによって、マルチパスが生じていても、的確に距離rを算出することが可能となる。
なお、上記実施例では、高分解能スペクトラム解析法としてのMUSIC法を距離測定に応用しているが、他の高分解能スペクトラム解析法、例えば、Beamformer法、Capon法、LP(Linear Prediction)法、Min−Norm法、およびESPRIT法などを距離測定に応用してもよい。
(MUSIC法を応用した距離測定処理の流れ)
次に、図10および図11に示すフローチャートを参照しながら、リーダライタ2における上記のMUSIC法を応用した距離測定処理の流れについて説明する。
まず、距離測定処理が開始されると、S31において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号の周波数を第1の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。
次に、送信制御部7Bが、R/W要求信号を示すデータを搬送信号に重畳させるように変調部5Bを制御する。そして、変調部5Bによって変調された送信信号が、電力増幅部5Cによって増幅された後に送信アンテナ3から出力される(S32)。R/W要求信号が送信されると続いてCW(連続搬送波)が第1の周波数fで送信される(S33)。
RFIDタグ1がR/W要求信号を検出すると、続いて検出したCW(連続搬送波)の第1の周波数fに応じた搬送周波数からなるタグ応答信号を返信する。このタグ応答信号を受信アンテナ4が受信し、受信処理部6が受信処理を行い(S34)、そして位相情報取得部8Aが位相情報取得処理を行う(S35)。
すなわち、受信処理部6において、周波数変換部6Bは、上述の数4から6の数式に基づいて、増幅部6Aから入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを掛け合わせることによりI信号およびQ信号を求める。位相情報取得部8Aは、周波数変換部6BからI信号およびQ信号を受け取ると、上述の数13から14の数式に基づいて、第1の周波数fの受信信号を複素表現で表したx(t)を算出し、搬送信号として使用された周波数(第1の周波数f)に対応させてテーブルに記憶する。
受信処理部6においてRFIDタグ1からのタグ応答信号の受信が終了すると(S36)、位相情報取得部8Aは位相情報取得処理を終了する(S37)。その後、送信処理部5はCW(連続搬送波)の送信、すなわち、1フレームからなる信号の送信を終了する(S38)。その後、受信制御部7Cは、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したか否かを判定し、全て受信していないと判定された場合には、S31からの処理に戻る。ここで、受信信号の周波数としては、第1〜第Nの周波数を設定しているものとすると、受信制御部7Cは、第1〜第Nの周波数の受信信号を全て受信したか否かを判定することになる。
この時点では、第1の周波数fの受信信号のみを受信しているので、S31からの処理が行われることになる。そして、2回目のS31の処理において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号(およびCW(連続搬送波))の周波数を第2の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。その後、S32〜S38の処理が行われ、これが第Nの周波数の受信信号の受信が全て確認されるまで繰り返される。そして、S39において、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したと判定された場合には、S40の処理に移行する。
S40では、位置測定部8が、前記テーブルから各周波数の受信信号x(t)を読み出し、各周波数の受信信号に基づいて相関行列Rxxを作成する。次に、位置測定部8が、相関行列Rxxの固有値分解を行い、雑音成分を分解し(S41)、MUSIC評価関数PMUSICのスペクトラムを作成することによって、ピーク値の探索を行う(S42)。これにより、S43において距離rが算出される。
(1フレーム内での周波数切り替え)
上記では、リーダライタ2は、R/W要求信号を複数回数送信し、各送信において搬送周波数を変化させることによって、それぞれ搬送信号の周波数が異なるタグ応答信号を受信するようになっている。これに対して、1フレームからなるR/W要求信号およびCW(連続搬送波)を送信する途中で搬送周波数を1回以上変化させることによって、途中で搬送周波数が1回以上変化する1フレームからなるタグ応答信号を受信し、これに基づいて距離測定を行う構成とすることが可能である。
図12(a)に示すように、リーダライタ2は、常に特定の信号を送信している一方、RFIDタグ1に対してタグ応答信号を送信することを要求する時に、タグ応答信号の返信を要求するR/W要求信号を送信する。ここで、周波数制御部7Aは、R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))を送信する期間内に複数の分割期間を設定し、各分割期間において互いに異なる搬送周波数となるように、PLL部5Aを制御する。図12(a)に示す例では、3つの分割期間を設定し、第1の分割期間において周波数f、第2の分割期間において周波数f、第3の分割期間において周波数fとなるように制御が行われている。
RFIDタグ1は、常にリーダライタ2から送られてくる信号を監視し、R/W要求信号を受信したことを検知すると、それに応答する形でタグ応答信号を送信する。ここで、タグ応答信号は、R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))における搬送周波数の時間変化に応じて、搬送周波数が変化する。図12(b)に示す例では、タグ応答信号における第1の期間では周波数f、第2の期間では周波数f、第3の期間では周波数fとなっている。
このようなタグ応答信号を受信することによって、位置測定部8は、互いに異なる複数の周波数における受信信号の状態を検知することが可能となる。なお、受信処理部6におけるタグ応答信号の周波数変換処理のタイミングは、R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))送信時における周波数切り替えタイミングに基づいて設定される。
ここで、タグ応答信号において、搬送周波数が切り替えられている期間は、プリアンブル部の期間内とすることが好ましい。これは、タグ応答信号において、データ部の長さは変動する一方、プリアンブル部の長さは固定であるので、搬送周波数が切り替えられている期間を確実に確保できるからである。
(1フレーム内での周波数切り替えを伴う距離測定処理の流れ)
次に、図13に示すフローチャートを参照しながら、リーダライタ2における上記の1フレーム内での周波数切り替えを伴う距離測定処理の流れについて説明する。
まず、距離測定処理が開始されると、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))の周波数を上記複数の分割期間ごとに切り替えるようにPLL部5Aを制御する。そして、送信制御部7Bが、R/W要求信号を示すデータを搬送信号に重畳させるように変調部5Bを制御する。そして、変調部5Bによって変調された送信信号が、電力増幅部5Cによって増幅された後に送信アンテナ3から出力される(S51)。R/W要求信号が送信されると続いてCW(連続搬送波)が上記複数の分割期間ごとに異なる周波数で送信される(S52、S55、S58)。これにより、各分割期間ごとに周波数が切り替えられたR/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))が送信される。
RFIDタグ1がR/W要求信号を検出すると、続いて検出したCW(連続搬送波)の搬送周波数(周波数f,f,f)の時間変化に応じて変化した搬送周波数(周波数f,f,f)からなるタグ応答信号を返信する。このタグ応答信号を受信アンテナ4が受信し、受信処理部6が受信処理を行い(S53、S56、S59)、そして位相情報取得部8Aが位相情報取得処理を行う(S54、S57、S60)。ここで受信されるタグ応答信号は、R/W要求信号後のCW(連続搬送波)における搬送周波数の時間変化に応じて、搬送周波数が変化していることになる。
すなわち、受信処理部6において、周波数変換部6Bは、タグ応答信号におけるプリアンブル部を認識し、上述の数4から6の数式に基づいて、このプリアンブル部における各分割期間の周波数に対するI信号およびQ信号を求める。位相情報取得部8Aは、周波数変換部6Bから各周波数のI信号およびQ信号を受け取ると、上述の数7から8の数式に基づいて、各周波数の位相の変化量φおよびφを算出し、搬送信号として使用された周波数に対応させてテーブルに記憶する。ここで、各分割期間の切り替えタイミングは、R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))送信時における周波数切り替えタイミングに基づいて設定される。
受信処理部6および位相情報取得部8Aにおけるタグ応答信号のプリアンブル部における各分割期間の各周波数(周波数f,f,f)に対する周波数変換および位相情報取得処理は、送信処理部5にて対応する周波数のCW(連続搬送波)が送信されている間に行なわれる。例えば、送信処理部5が第1の周波数fにてCW(連続搬送波)の送信を開始すると(S52)、RFIDタグ1はタグ応答信号のプリアンブル部における最初の分割期間の信号を第1の周波数fにて返信する。受信処理部6は該周波数fのタグ応答信号を受信し(S53)、そして位相情報取得部8Aは周波数fの位相情報を取得する(S54)。一定時間が経過すると、送信処理部5は第2の周波数fにてCW(連続搬送波)の送信を開始する(S55)。RFIDタグ1はこの第2の周波数fのCW(連続搬送波)を受信すると、タグ応答信号のプリアンブル部における次の分割期間の信号を第2の周波数fにて送信する。受信処理部6は、該周波数fのタグ応答信号を受信し(S56)、そして位相情報取得部8Aは、周波数fの位相情報を取得する(S57)。一定時間が経過すると、次に、第3の周波数fに対して送信処理部5、受信処理部6および位相情報取得部8Aは同じ動作を繰り返す(S58からS60)。
受信処理部6においてRFIDタグ1からのタグ応答信号の受信が終了すると(S61)、送信処理部5はCW(連続搬送波)の送信、すなわち、1フレームからなる信号の送信を終了する(S62)。その後、上記テーブルに記憶された互いに異なる複数の周波数における位相情報に基づいて、距離算出部8Bが距離rを算出することにより処理が終了する(S63)。
なお、上記の例では、位相に基づいて距離rを算出するようになっているが、上記したMUSIC法を応用した距離測定処理であっても、同様に適用することが可能である。また、I信号・Q信号のレベルがより高い受信信号を2つ選択し、この選択した2つの受信信号に基づいて位相の変化量検出および位置算出を行うことも可能である。
(各RFIDタグの距離の認識)
上記のように、タグ応答信号にはデータ部が含まれている。このデータ部に各RFIDタグ1に固有のID情報が含まれている場合、タグ応答信号によって上記のように測定した距離を、該タグ応答信号を送信したRFIDタグ1と結びつけて認識することが可能となる。以下にこれを実現する構成について図14を参照しながら説明する。
同図に示す構成は、前記した図4に示す構成において、受信処理部6にプリアンブル抽出部6Cが設けられている点で異なっている。その他の構成については図4に示す構成と同様であるのでここではその説明を省略する。
プリアンブル抽出部6Cは、ミキサ6B1およびミキサ6B2から出力されるI信号およびQ信号を入力し、タグ応答信号におけるプリアンブル部を抽出してこれを位置測定部8に伝送するとともに、タグ応答信号におけるデータ部を受信フレームとして通信制御部7における受信制御部7Cに伝送する。位置測定部8は、プリアンブル部を解析することによって上記のように距離を測定し、測定した情報を上記受信制御部7Cに伝送する。
通信制御部7における受信制御部7Cは、プリアンブル抽出部6Cから受信したデータ部を解析することによって、該タグ応答信号を送信したRFIDタグ1のID情報を認識する。また、受信制御部7Cは、位置測定部8によって測定された該RFIDタグ1の距離測定結果と、上記ID情報とを結びつけてこれを認識する。これにより、RFIDタグ通信システムにおいて複数のRFIDタグ1が存在した場合でも、各RFIDタグ1の距離を区別して認識することが可能となる。
なお、上記の距離の情報と結びつけて認識する情報としては、各RFIDタグ1に固有のID情報に限定されるものではなく、タグ応答信号に含まれるデータ部によって示されている情報であれば、どのような情報であってもよい。
(各RFIDタグを識別した距離測定処理の流れ)
次に、図15に示すフローチャートを参照しながら、リーダライタ2における上記の各RFIDタグを識別した距離測定処理の流れについて説明する。
まず、距離測定処理が開始されると、S71において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号の周波数を第1の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。
次に、送信制御部7Bが、R/W要求信号を示すデータを搬送信号に重畳させるように変調部5Bを制御する。そして、変調部5Bによって変調された送信信号が、電力増幅部5Cによって増幅された後に送信アンテナ3から出力される(S72)。R/W要求信号が送信されると続いてCW(連続搬送波)が第1の周波数fで送信される(S73)。
RFIDタグ1がR/W要求信号を検出すると、続いて検出したCW(連続搬送波)の第1の周波数fに応じた搬送周波数からなるタグ応答信号を返信する。このタグ応答信号を受信アンテナ4が受信し、受信処理部6が受信処理を行い(S74)、そして位相情報取得部8Aが位相情報取得処理を行う(S75)。
すなわち、受信処理部6において、周波数変換部6Bは、上述の数4から6の数式に基づいて、増幅部6Aから入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを掛け合わせることによりI信号およびQ信号を求める。プリアンブル抽出部6Cは、受信したタグ応答信号(I信号およびQ信号)におけるプリアンブル部を抽出してこれを位置測定部8に伝送するとともに、タグ応答信号におけるデータ部を受信制御部7Cに伝送する。位置測定部8は、プリアンブル抽出部6Cからプリアンブル部を受信すると、上述の数7から8の数式に基づいて、第1の周波数fの位相の変化量φおよびφを算出し、搬送信号として使用された周波数(第1の周波数f)に対応させてテーブルに記憶する(S75)。
受信処理部6においてRFIDタグ1からのタグ応答信号の受信が終了すると(S76)、位置測定8は位相情報取得処理を終了する(S77)。その後、送信処理部5はCW(連続搬送波)の送信を終了する(S78)。受信制御部7Cは、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したか否かを判定し、全て受信していないと判定された場合(S79においてNO)には、S71からの処理に戻る。一方、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したと判定された場合(S79においてYES)、S80の処理に移行する。
S80では、位置測定部8は、上記テーブルから各周波数毎の位相情報を取り出し、距離を算出する(S80)。なお、位置測定部8は、距離の算出を位相情報に基づいて行うだけでなく、上記したようにMUSIC法を応用した手法によって距離を算出してもよい。
一方、受信制御部7Cは、プリアンブル抽出部6Cからデータ部を受信すると、これに基づいて該タグ応答信号を送信したRFIDタグ1のID情報を確認する(S81)。そして、受信制御部7Cは、位置測定部8から受信した距離情報とRFIDタグ1のID情報とを結びつけて登録する(S82)。なお、RFIDタグ1のID情報と距離とを組み合わせた情報は、通信制御部7内に設けられる図示しない記録部に登録した後に、図2に示す外部通信部9を介して外部装置に送信される。以上により、距離測定処理が完了する。
(位置推定処理)
上記では、各RFIDタグ1の距離を測定することについて説明したが、さらに、リーダライタ2から見た際の各RFIDタグ1の存在位置方向も測定するようにしてもよい。これを行うことによって、各RFlDタグ1の距離と方向とを特定することができるので、各RFIDタグ1の存在位置を特定することが可能となる。RFIDタグ1の存在位置方向を推定する方法としては、受信アンテナ4のアンテナ素子を複数アレー状に並べて、各アンテナ素子で受信される信号の位相の差異を検出する方法がある.以下に、このRFIDタグ1の存在位置方向の推定処理について説明する。
図16は、RFIDタグ1の存在位置方向の推定処理を模式的に示す図である。同図において、受信アンテナ4は、第1アンテナ素子4A、および第2アンテナ素子4Bの2つのアンテナ素子によって構成されている。また、θは、RFIDタグ1の存在位置方向を示す角度である。このθは、第1アンテナ素子4A、および第2アンテナ素子4Bにおける電波受信ポイントをともに含む平面の法線方向を0°とした場合の角度となっている。
第1アンテナ素子4A、および第2アンテナ素子4Bにおける電波受信ポイント同士の間隔をdとすると、第1アンテナ素子4A、および第2アンテナ素子4Bで受信される信号の位相差△φは次の式で表される。
Figure 0004265694
Figure 0004265694
ここで、d=λ/2とすれば、位相差△φは次の式で表される。
Figure 0004265694
よって、位相差△φに基づいて、存在位置方向θは次の式で表される。
Figure 0004265694
すなわち、位相差△φを求めることによって、存在位置方向θを求めることができる。
図17は、方向算出を行う場合のリーダライタ2の構成を示している。同図に示す構成は、前記した図4に示す構成において、位置測定部8に方向算出部8Cが設けられている点、および、受信処理部6にセレクタ6Dが設けられている点で異なっている。その他の構成については図4に示す構成と同様であるのでここではその説明を省略する。
セレクタ6Dは、受信アンテナ4における第1アンテナ素子4Aにおいて受信された信号と第2アンテナ素子4Bにおいて受信された信号とを選択的に切り替えて増幅部6A1および増幅部6A2に伝送する。このセレクタ6Dの選択の制御は、受信制御部7Cによって行われる。
方向算出部8Cは、第1アンテナ素子4Aにおいて受信された信号と、第2アンテナ素子4Bにおいて受信された信号との位相差についての情報を位相情報取得部8Aから取得し、これに基づいて上記の処理によってRFIDタグ1の存在位置方向θを算出する。そして、受信制御部7Cは、距離算出部8Bによって算出された距離情報、および方向算出部8Cによって算出された存在位置方向情報を取得し、この情報を図2に示したエリア判定部10に伝送する。
エリア判定部10は、位置情報としての上記距離情報および存在位置方向情報に基づいて、該RFIDタグ1が所定の空問領域(通信エリア)内に位置しているか否かを判定する。この際に、エリア判定部10は、エリア情報記憶部11に記憶されているエリア情報に基づいて、RFIDタグ1が通信エリア内に存在しているかを判定する。
なお、RFIDタグ1の存在位置方向θを求める手法としては、上記の手法に限定されるものではなく、公知の様々な手法を用いることができる。例えば、電波の到来方向(DOA(Direction Of Arrival)を推定する技術としては、Beamformer法、Capon法、LP(Linear Prediction)法、Min−Norm法、MUSIC法、およびESPRIT法などが挙げられる。
(位置推定処理の流れ)
次に、図18および図19に示すフローチャートを参照しながら、リーダライタ2における上記の位置推定処理の流れについて説明する。
まず、位置推定処理が開始されると、S91において、周波数制御部7Aが、R/W要求信号を送信する際の搬送信号の周波数を第1の周波数fとなるようにPLL部5Aを制御する。
次に、送信制御部7Bが、R/W要求信号を示すデータを搬送信号に重畳させるように変調部5Bを制御する。そして、変調部5Bによって変調された送信信号が、電力増幅部5Cによって増幅された後に送信アンテナ3から出力される(S92)。R/W要求信号が送信されると続いてCW(連続搬送波)が第1の周波数fで送信される(S93)。
その後、RFIDタグ1がR/W要求信号を検出すると、続いて検出したCW(連続搬送波)の第1の周波数fに応じた搬送周波数からなるタグ応答信号を返信する。このタグ応答信号を受信アンテナ4が受信する。この時点では、セレクタ6Dは、第1アンテナ素子4Aを選択しており、第1アンテナ素子4Aで受信された信号に基づいて、受信処理部6が受信処理を行い(S94)、そして位相情報取得部8Aは位相情報取得処理を行う(S95)。
すなわち、受信処理部6において、周波数変換部6Bは、上述の数4から6の数式に基づいて、増幅部6Aから入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを掛け合わせることによりI信号およびQ信号を求める。位相情報取得部8Aは、周波数変換部6BからI信号およびQ信号を受け取ると、上述の数7から8の数式に基づいて、第1の周波数fの位相の変化量φおよびφを算出し、搬送信号として使用された周波数(第1の周波数f)に対応させてテーブルに記憶する(S95)。
受信処理部6においてRFIDタグ1からのタグ応答信号の受信が終了すると(S96)、位相情報取得部8Aは位相情報取得処理を終了する(S97)。その後、送信処理部5はCW(連続搬送波)の送信、すなわち、1フレームからなる信号の送信を終了する(S98)。受信制御部7Cは、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したか否かを判定し、全て受信していないと判定された場合(S99においてNO)には、S91からの処理に戻る。一方、受信すべき全ての周波数の受信信号を受信したと判定された場合(S99においてYES)、距離算出部8Bにて距離演算が行なわれて(S100)、S101の処理に移行する。なお、位置測定部8は、距離の算出を位相情報に基づいて行うだけでなく、上記したようにMUSIC法を応用した手法によって距離を算出してもよい。また、距離演算は、後述するS111、S112の前後に行なわれても良い。
S101では、セレクタ6Dが、第2アンテナ素子4Bを選択するように切り替えられる。そして、送信制御部7Bの制御に基づいて第1の周波数fによりR/W要求信号およびCW(連続搬送波)が送信される(S102からS104)。RFIDタグ1がR/W要求信号を検出すると、続いて検出したCW(連続搬送波)の第1の周波数fに応じた搬送周波数からなるタグ応答信号を返信する。このタグ応答信号を受信アンテナ4が受信する。この時点では、セレクタ6Dは、第2アンテナ素子4Bを選択しており、第2アンテナ素子4Bで受信された信号に基づいて、受信処理部6が受信処理を行う(S105)。
すなわち、受信処理部6において、周波数変換部6Bは、上述の数4から6の数式に基づいて、増幅部6Aから入力された受信信号と、PLL部5Aから出力された搬送信号とを掛け合わせることによりI信号およびQ信号を求めて位相情報取得部8Aに出力する。受信処理部6においてRFIDタグ1からのタグ応答信号の受信が終了すると(S106)、送信処理部5はCW(連続搬送波)の送信、すなわち、1フレームからなる信号の送信を終了する(S107)。
次に、方向算出処理に関してS108からS109の処理が行われる。
S108では、位相情報取得部8Aが、第1アンテナ素子4Aによって受信された信号と、第2アンテナ素子4Bによって受信された信号との位相差を検出し、これに基づいて方向算出部8CがRFIDタグ1の存在位置方向(存在方向)を算出する(S109)。なお、上記のようにアンテナ素子間の位相差に基づいて方向推定を行う際には、ある(同一の)周波数での位相差を比較することが必要である。
その後、受信制御部7Cは、距離算出部8Bによって算出された距離情報、および方向算出部8Cによって算出された存在位置方向情報を取得し、この情報をエリア判定部10に伝送する。エリア判定部10は、上記距離情報および存在位置方向情報に基づいて、該RFIDタグ1の位置を算出する(S110)。以上により、位置測定処理が完了する。
(1フレーム内での複数周波数同時送信)
上記では、リーダライタ2は、1フレームからなるR/W要求信号およびCW(連続搬送波)を送信する途中で搬送周波数を1回以上変化させることによって、途中で搬送周波数が1回以上変化する1フレームからなるタグ応答信号を受信し、これに基づいて距離測定を行うようになっている。これに対して、1フレームからなるR/W要求信号およびCW(連続搬送波)を送信する搬送周波数を複数の周波数成分から構成することによって、複数の周波数成分を持った搬送周波数の1フレームからなるタグ応答信号を受信し、これに基づいて距離測定を行う構成とすることが可能である。
図20(a)に示すように、リーダライタ2は、常に特定の信号を送信している一方、RFIDタグ1に対してタグ応答信号を送信することを要求する時に、タグ応答信号の返信を要求するR/W要求信号を送信する。ここで、周波数制御部7Aは、R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))の搬送周波数が、複数の周波数成分から構成されるようにPLL部5Aを制御する。図20(a)に示す例では、搬送周波数が第1の周波数f、第2の周波数f、第3の周波数fから構成するように制御が行われている。
RFIDタグ1は、常にリーダライタ2から送られてくる信号を監視し、R/W要求信号を受信したことを検知すると、それに応答する形でタグ応答信号を送信する。ここで、タグ応答信号は、R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))における複数の周波数成分からなる搬送周波数に応じた搬送周波数により送信される。図20(b)に示す例では、タグ応答信号における第1の期間では周波数f、第2の期問では周波数f、第3の期間では周波数fとなっている。
このようなタグ応答信号を受信することによって、位置測定部8は、互いに異なる複数の周波数における受信信号の状態を検知することが可能となる。
以下にこれを実現する構成について図21を参照しながら説明する。
同図に示す構成は、前記した図4に示す構成において、送信処理部5に各周波数に対応する発信器5D1・5D2・5D3および合成器5Eが設けられていると共に、受信処理部6に帯域通過フィルタ6C1・6C2・6C3および周波数変換部6Bとしてのミキサ6B3・6B4・6B5が設けられている点で異なっている。その他の構成については図4に示す構成と同様であるのでここではその説明を省略する。
通信制御部7において、周波数制御部7Aは、R/W要求信号(より詳しくは、R/W要求信号に続くCW(連続搬送波))の搬送周波数が、複数の周波数成分から構成されるようにPLL部5Aを制御する。PLL部5Aおよび発信器5D1・5D2・5Dによって生成された搬送信号は合成器5Eにて合成された後、変調部5Bおよび電力増幅部5Cを介して送信される。
受信アンテナ4で受信された受信信号は、増幅部6Aを経由して、3つの経路に分岐し、帯域通過フィルタ6C1・6C2・6C3にそれぞれ入力される。各帯域通過フィルタ6C1・6C2・6C3は入力された受信信号から特定の周波数成分の信号を取り出し、ミキサ6B3・6B4・6B5に入力する。
ミキサ6B3・6B4・6B5にて求められた各周波数成分のI信号およびQ信号は位相情報取得部8Aに入力されて各周波数成分の位相の変化量およびそれに基づく距離算出が行なわれる。
上記図4および図13の例と同様に、受信処理部6は、送信処理部5がCW(連続搬送波)を送信している間に、各周波数成分の位相の変化量の算出を行う。
なお、上記の例では、位相に基づいて距離rを算出するようになっているが、上記したMUSIC法を応用した距離測定処理であっても、同様に適用することが可能である。また、I信号・Q信号のレベルがより高い受信信号を2つ選択し、この選択した2つの受信信号に基づいて位相の変化量検出および位置算出を行うことも可能である。
(アクティブタイプのRFIDタグ)
上記では、RFIDタグ1がパッシブタイプである構成について説明したが、前記したように、RFIDタグ1がアクティブタイプである構成であってもよい。この場合、RFIDタグ1は、電源部を備えるとともに、タグ応答信号を生成する信号生成部と、上記信号生成部によって生成されたタグ応答信号を、互いに異なる複数の搬送周波数によって送信されるように制御する周波数制御部とを備えた構成とすることが考えられる。この場合、リーダライタ2において、R/W要求信号を送信する必要性をなくすことができる。
また、RFIDタグ1における上記周波数制御部が、前記した周波数制御部7Aと同様に、1つのタグ応答信号を送信する期間内に複数の分割期間を設定し、各分割期間において互いに異なる搬送周波数となるように制御するようにすることも可能であり、上記タグ応答信号の送信の回数毎にそれぞれ互いに異なる搬送周波数となるように制御するようにすることも可能である。また、搬送周波数が、複数の周波数成分から構成されるように制御することも可能である。
(RFIDタグを用いた通信システムの適用例)
次に、本実施形態に係るRFIDタグを用いた通信システムを具体的なシステムに適用する例について説明する。図22は、物品の流通が行われるシステムにおいて、流通される物品の検査確認などを行うシステムに本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示している。同図に示す例では、複数のベルトコンベアによって、RFIDタグ1が取り付けられた物品が搬送されている。また、ベルトコンベアから離れた場所にも、RFIDタグ1が貼り付けられた物品が積み上げられている。そして、ベルトコンベアによって搬送された物品を検査するために、リーダライタ2が各RFIDタグ1と通信を行う。これにより、各物品の流通を管理することが可能となる。
なお、このようなRFIDタグを用いた通信システムでは、リーダライタ2と通信を行う上記外部装置として、流通物品の管理を行う管理装置が備えられることになる。
このようなシステムの場合、通信エリアが明確に設定されないRFIDタグを用いた通信システムであると、通信を行う必要のない、ベルトコンベアから離れた位置にあるRFIDタグ1とも通信を行ってしまうことになる。これに対して、本実施形態に係るRFIDタグを用いた通信システムによれば、リーダライタ2における処理によって名RFlDタグ1の距離(もしくは位置)を検知することができるので、通信すべきRFIDタグ1とのみ通信を行うことが可能となる。
また、本実施形態に係るRFIDタグを用いた通信システムによれば、比較的高精度に各RFIDタグ1の距離(もしくは位置)を検知できるので、どのベルトコンベアのラインに搬送されているRFIDタグ1であるかについても、リーダライタ2側で認識することが可能となる。
また、このような機能を有するRFIDタグを用いた通信システムを構築するためには、リーダライタ2を1台設置するだけでよいことになる。すなわち、例えば電波の届く範囲を制限するための部材を設ける必要性や、リーダライタ2を複数台設置する必要性などをなくすことができる。よって、本実施形態に係るRFIDタグを用いた通信システムによれば、設置環境によらずに容易にセッティングを行うことが可能となる。
図23(a)は、店舗などにおいて、商品や在庫物品などの盗難監視などを行うシステムに本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示している。この例では、通信エリアを、対象となるRFIDタグ1が取り付けられた物品が本来存在しうる範囲に設定するとともに、この通信エリアから物品がなくなったことを検知することによって、該当物品の盗難が行われた可能性があると判定する。また、図23(b)は、窓やドアなどにRFIDタグ1を取り付け、このRFIDタグ1の位置を監視することによって、該窓やドアが開けられたことを検知する防犯システム適用例を示している。以上のような防犯システムを構築する際にも、対象物に従来から用いられているRFIDタグ1を取り付けるという簡単なセッティングを行うだけでよいことになる。また、様々な環境において柔軟にRFIDタグを用いた通信システムを構築することが可能となる。
なお、この例においても、RFIDタグを用いた通信システムに、リーダライタ2と通信を行う上記外部装置として、防犯管理を行う管理装置が備えられることになる。
図24は、例えば駅や映画館などの改札が必要となる場所に本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示している。昨今では、例えば駅の改札において、RFIDタグを用いた改札を行うシステムが普及しているが、このシステムでは、ゲートにリーダライタを設けることによって改札を行っている。これに対して、本実施形態に係るRFIDタグを用いた通信システムによれば、改札が行われる通路の全体を通信エリアに設定することによって、ゲートを設けることなく改札を行うことが可能となる。なお、この場合には、RFIDタグ1を利用者が所持する携帯電話機に内蔵させた構成としてもよい。
なお、この図24に示すシステム適用例において、RFIDタグ1との通信結果により、通過を許可できない利用者が存在した場合、その不許可利用者を特定する必要が生じることが考えられる。この場合、リーダライタ2によって特定された不許可利用者の位置に向けて監視カメラによる撮影を行うことによって、不許可利用者の特定およびその証拠を残すことが可能となる。
また、この例においても、RFIDタグを用いた通信システムに、リーダライタ2と通信を行う上記外部装置として、通行許可管理を行う管理装置が備えられることになる。そして、この管理装置が、上記監視カメラの撮影制御を行うことになる。
図25は、自動車などのキーレスエントリシステムに、本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示している。自動車の内部にリーダライタ2が設けられているとともに、利用者がRFIDタグ1を内蔵したキーを所持している。リーダライタ2は、利用者に所持されているキーに内蔵されているRFIDタグ1が自動車の周囲の所定範囲に入ったことを検知すると、キーのロックを解除するように指示を行う。これにより、利用者は、キーを所持した状態で自動車に近づくことのみによってロックを解除させることが可能となる。
なお、この例においても、RFIDタグを用いた通信システムに、リーダライタ2と通信を行う上記外部装置として、キーの施錠状態を制御管理する管理装置が備えられることになる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る距離測定装置およびこれを備えた通信システムは、例えば上記した流通される物品の検査・確認などを行うシステム、店舗などにおいて、商品の盗難監視などを行うシステム、駅や映画館などの改札が必要となる場所に設置される改札システム、キーレスエントリシステムなどの用途に適用可能である。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本実施形態に係るRFIDタグを用いた通信システムが備えるリーダライタにおいて、RFIDタグと当該リーダライタとの距離を測定するための構成の概略を示すブロック図である。 上記RFIDタグを用いた通信システムの概略構成を示すブロック図である。 リーダライタとRFIDタグとの間でR/W要求信号およびタグ応答信号の送受信が行われる状態を示す図である。 リーダライタからRFIDタグへ送信される信号及びその搬送周波数を時間軸で示した図である。 RFIDタグからリーダライタへ送信される信号およびその搬送周波数を時間軸で示した図である。 位相の検出を行うことを可能とする受信処理部の参考例の構成を含むリーダライタの概略構成を示すブロック図である。 距離測定処理の流れを示すフローチャートである。 多周波を用いた距離測定処理の流れを示すフローチャートである。 周波数選択処理、および距離算出処理の流れを示すフローチャートである。 周波数選択処理の一例を模式的に示す図である。 リーダライタとRFIDタグとの通信においてマルチパスが生じている状態を示す図である。 距離に対するMUSIC評価関数の変化を示すグラフである。 到来方向推定処理を説明するための図である。 MUSIC法を応用した距離測定処理の流れの前半を示すフローチャートである。 MUSIC法を応用した距離測定処理の流れの後半を示すフローチャートである。 1フレーム内での周波数を切り替える場合における、リーダライタからRFIDタグへ送信される信号及びその搬送周波数を時間軸で示した図である。 1フレーム内での周波数を切り替える場合における、RFIDタグからリーダライタへ送信される信号およびその搬送周波数を時間軸で示した図である。 1フレーム内での周波数切り替えを伴う距離測定処理の流れを示すフローチャートである。 各RFIDタグとその距離とを結びつけて認識することを可能とするリーダライタの概略構成を示すブロック図である。 各RFIDタグを識別した距離測定処理の流れを示すフローチャートである。 RFIDタグの存在位置方向の推定処理を模式的に示す図である。 方向算出を行う場合のリーダライタの概略構成を示すブロック図である。 位置推定処理の流れの前半を示すフローチャートである。 位置推定処理の流れの後半を示すフローチャートである。 1フレーム内での複数周波数を同時送信する場合における、リーダライタからRFIDタグへ送信される信号及びその搬送周波数を時間軸で示した図である。 1フレーム内での複数周波数を同時送信する場合における、RFIDタグからリーダライタへ送信される信号およびその搬送周波数を時間軸で示した図である。 1フレーム内での複数周波数を同時送信する場合における、リーダライタの概略構成を示すブロック図である。 流通される物品の検査・確認などを行うシステムに本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示す図である。 商品や在庫物品などの盗難監視などを行うシステムに本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示す図である。 窓やドアなどにRFIDタグ1を取り付け、このRFIDタグ1の位置を監視することによって、該窓やドアが開けられたことを検知する防犯システム適用例を示す図である。 例えば駅や映画館などの改札が必要となる場所に本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示す図である。 自動車などのキーレスエントリシステムに、本RFIDタグを用いた通信システムを適用した場合の例を示す図である。 従来技術のRF通信システムの構成を示すブロック図である。 従来技術のRFIDタグと無線通信を行なう通信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 RFIDタグ
2 リーダライタ
3 送信アンテナ
4 受信アンテナ
4A 第1アンテナ素子
4B 第2アンテナ素子
5 送信処理部
5A PLL部
5B 変調部
5C 電力増幅部
6 受信処理部
6A・6A1・6A2 増幅部
6B 周波数変換部
6B1・6B2 ミキサ
6B3 90°移相部
6C プリアンブル抽出部
6D セレクタ
7 通信制御部
7A 周波数制御部
7B 送信制御部
7C 受信制御部
8 位置測定部
8A 位相情報取得部
8B 距離算出部
8C 方向算出部
9 外部通信部
l0 エリア判定部
l1 エリア情報記憶部

Claims (13)

  1. 互いに異なる3つ以上の搬送周波数の電波によりR/W要求信号およびCW連続搬送波で構成された1つのフレームからなる信号である要求信号および連続搬送波をアンテナから外部に送信する送信手段と、
    前記送信手段で送信された前記要求信号が、反射体によって所定の変調を受けながら反射されて発生した、前記要求信号の周波数に応じた周波数の1つのフレームからなる信号である反射信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段が受信した反射信号と前記要求信号との間の位相の変化量を、前記送信手段が送信した搬送周波数ごとに算出する位相情報取得部と、
    前記位相情報取得部によって取得された搬送周波数ごとの位相変化量と搬送周波数とに基づいて、高分解能スペクトラム解析法を用いて前記アンテナと前記反射体の間の距離を算出する距離算出部と、
    を備えていることを特徴とする距離測定装置。
  2. 上記距離算出部が、上記高分解能スペクトラム解析法としてMUSIC(MUltip1e SIgnal Classification)法を用い、該MUSIC法の入力として、互いに異なる3つ以上の搬送周波数によって受信された反射信号を用い、モードベクトルを上記距離の関数としてMUSIC評価関数を求め、該MUSIC評価関数のピーク値を求めることによって上記距離を算出することを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  3. 前記MUSIC評価関数のピークが複数表れる場合は、該複数のピークが生じている距離のうち最も小さい距離を前記アンテナと前記反射体の間の距離とすることを特徴とする請求項2記載の距離測定装置。
  4. 上記距離算出部が、受信された反射信号の受信強度を併用して上記距離を算出することを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  5. 上記反射信号に含まれるデータ部の情報を取得するとともに、上記距離算出部によって算出された上記距離と上記データ部の情報とを結びつけて外部に出力する受信制御部を備えることを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  6. 上記距離算出部が、上記反射信号に基づいて、該反射信号を送信した反射体の位置する方向を測定することを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  7. 上記距離算出部が、上記反射信号のプリアンブル部における信号を解析することによって上記距離を算出することを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  8. 互いに異なる3つ以上の搬送周波数の電波によりR/W要求信号およびCW連続搬送波で構成された1つのフレームからなる信号である要求信号および連続搬送波をアンテナから外部に送信する送信ステップと、
    前記送信ステップで送信された前記要求信号が、反射体によって所定の変調を受けながら反射されて発生した、前記要求信号の周波数に応じた周波数の1つのフレームからなる信号である反射信号を受信する受信ステップと、
    前記受信ステップで受信した反射信号と前記要求信号との間の位相の変化量を、前記送信ステップで送信した搬送周波数ごとに算出する位相情報取得ステップと、
    前記位相情報取得ステップによって取得された搬送周波数ごとの位相変化量と搬送周波数とに基づいて、高分解能スペクトラム解析法を用いて前記アンテナと前記反射体の間の距離を算出する距離算出ステップと、
    を備えていることを特徴とする距離測定方法。
  9. 上記距離算出ステップにおいて、上記高分解能スペクトラム解析法としてMUSIC(MUltiples SIgnal Classification)法を用い、該MUSIC法の入力として、互いに異なる3つ以上の搬送周波数によって受信された反射信号を用い、モードベクトルを上記距離の関数としてMUSIC評価関数を求め、該MUSIC評価関数のピーク値を求めることによって上記距離を算出することを特徴とする請求項8記載の距離測定方法。
  10. 前記MUSIC評価関数のピークが複数表れる場合は、該複数のピークが生じている距離のうち最も小さい距離を前記アンテナと前記反射体の間の距離とすることを特徴とする請求項9記載の距離測定方法。
  11. 請求項1記載の距離測定装置から送信された要求信号に対して、前記要求信号の周波数に応じた周波数の1つのフレームからなる信号である反射信号を生成する信号生成部と、
    上記信号生成部によって生成された反射信号を、互いに異なる3つ以上の搬送周波数によって送信されるように制御する周波数制御部と、を備えることを特徴とする反射体。
  12. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の距離測定装置と、
    上記距離測定装置と無線通信を行う少なくとも1つの反射体とを備えることを特徴とする通信システム。
  13. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の距離測定装置と、
    上記距離測定装置によって請求項11に記載の反射体と通信が行われた結果に基づいて、該反射体と関連付けられている物品、人、および生物のうち少なくともいずれか1つを管理する管理装置とを備えていることを特徴とする通信システム。
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