JP3477403B2 - 電波測距方式 - Google Patents

電波測距方式

Info

Publication number
JP3477403B2
JP3477403B2 JP23117799A JP23117799A JP3477403B2 JP 3477403 B2 JP3477403 B2 JP 3477403B2 JP 23117799 A JP23117799 A JP 23117799A JP 23117799 A JP23117799 A JP 23117799A JP 3477403 B2 JP3477403 B2 JP 3477403B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
phase
distance
radio wave
radio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23117799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001056371A (ja
Inventor
慶一 森下
英喜 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP23117799A priority Critical patent/JP3477403B2/ja
Publication of JP2001056371A publication Critical patent/JP2001056371A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3477403B2 publication Critical patent/JP3477403B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
  • Devices For Checking Fares Or Tickets At Control Points (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電波測距方式に関
し、特に高速道路の料金所において車両との間の距離を
検出する場合、先行車両との間の距離を検出して衝突防
止に利用する場合等に適用して有用なものである。 【0002】 【従来の技術】有料道路の自動料金収受を目的としたE
TC(Electoronic Toll Colle
ction)システムは、ITS(Intellige
ntTransport Systems)における早
期実現可能なアプリケーションとして注目されている。
このETCシステムは、料金所に設置された路側無線機
と車両に搭載した無線機間の無線通信により料金を徴収
することができるようにしたものであり、これにより車
両が有料道路の料金所をノンストップ・キャッシュレス
で通行可能となる。 【0003】上述の如き自動料金収受システムにおい
て、料金所に設置された路側無線機(以下、路側機器と
称す。)と車両に搭載した無線機(以下、車載機と称
す。)間の無線通信により料金を徴収する際、現状で
は、車載機側から発射した電波を路側機器で受信し、車
載機側からの到来電波の基準面(水平面)に対する角度
を検出することにより、当該電波を発射した車両を特定
している。ここで、上記角度とともに路側機器と車両ま
での距離も同時に検出できれば上記車両の位置も標定す
ることができる。 【0004】また、走行中の車両の衝突防止システムを
構築する場合、先行する車両との間の車間距離を検出す
ることは必須の要件となるが、この様な場合の距離の検
出には、電波や光が用いられている。 【0005】従来技術に係る電波を用いた測距方式とし
てレーダ方式及びFM−CW方式が知られている。前者
は、パルス状の電波を対象物に向けて発射し、この電波
が対象物で反射されて戻ってくる迄の時間を計測するこ
とにより対象物までの距離を検出するものである。後者
は、周波数が時間的に変化するFM信号を対象物に向け
て発射し、この発射電波と、対象物で反射されて戻って
きた電波との周波数の差が対象物迄の距離に比例するこ
とを利用して当該距離を検出するものである。 【0006】従来技術に係るFM−CW方式による電波
測距方式を図4に基づき詳細に説明する。同図に示すよ
うに、送信側からは、鋸波発生器1が発生する鋸波で、
搬送信号発生器2が発生する搬送信号をFM変調してF
M信号を得る。この場合の鋸波を図5(a)に、またこ
れにより変調されたFM信号を図5(b)にそれぞれ示
す。 【0007】上記FM信号は送信アンテナ3を介し、電
波4として対象物に向け発射される。本例における対象
物は車両5のアンテナ5aである。アンテナ5aに反射
されて戻ってきた電波6は受信アンテナ7で受信した
後、ミキサ8で、送信側が送出するFM信号と掛け算す
る。この結果得るミキシング信号はローパスフィルタ9
でその低周波数成分を抽出する。その後、この低周波数
成分をF/V変換器10で電圧に変換する。ここで、低
周波数成分は、送信アンテナ3からアンテナ5aを経て
受信アンテナ7に至る距離Xに比例している。したがっ
て、この周波数をF/V変換器10で変換した電圧も距
離Xに比例した信号となる。この結果、この電圧値が距
離Xを表す信号となる。 【0008】FM−CW方式による測距方式の原理は、
次の通りである。すなわち、受信アンテナ7で受信した
FM信号は、送信アンテナ3からアンテナ5aを経て受
信アンテナ7に至る距離の分だけ送信側のFM信号に対
して遅延する。したがって、ミキサ8での掛け算の結果
得る信号は次式(1)で表される。 【0009】 COSω1 ・t×COSω2 ・t =(1/2){COS(ω1 +ω2 )+COS(ω1 −ω2 )}・・・(1) ここで、COSω1 ・tは、送信側のFM信号、COS
ω2 ・tは、受信側のFM信号である。 【0010】ローパスフィルタ9を通した式(1)に示
すミキシング信号は、COS(ω1−ω2 )の項のみが
抽出される。この場合の(ω1 −ω2 )=Δfは距離X
に比例した量となるので、このΔfに基づく量により距
離Xを検出することができる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
係る電波測距方式は何れも対象物迄の距離が短くなった
場合には検出が不可能になる。すなわち、レーダ方式で
は、送信側から発射した電波が対象物で反射して受信側
に戻ってくる迄の時間により距離を検出しているので、
測定距離が短くなり、これに対応する時間が短くなるこ
とによる測定限界が存在する。また、FM−CW方式で
は、送信側から発射したFM信号と受信側で受信したF
M信号との周波数差Δfにより距離を検出しているの
で、測定距離が短くなり、これに対応する周波数差Δf
が小さくなることによる測定限界が存在する。 【0012】本願発明は、上記従来技術に鑑み、対象物
迄の距離が短くなった場合でも確実にこれを検出するこ
とができる電波測距方式を提供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、次の点を特徴とする。 【0014】1) 周波数が時間的に変化するFM信号
を送信アンテナから電波として対象物に向けて発射し、
対象物で反射された電波を受信アンテナで受信して処理
することにより対象物迄の距離を検出する電波測距方式
において、受信電波に基づく信号に、送信側から発射す
るFM信号を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の
低周波数成分をフィルターで選択し、送信アンテナから
対象物を経て受信アンテナに至る電波の伝搬距離に起因
する遅延位相成分を含む信号を得、この信号における遅
延位相成分の変化量に基づき上記距離を検出するように
したこと。 【0015】2) 周波数が時間的に変化するFM信号
を送信アンテナから電波として対象物に向けて発射し、
対象物で反射された電波を受信アンテナで受信して処理
することにより対象物迄の距離を検出する電波測距方式
において、受信電波に基づく信号に、送信側から発射す
るFM信号を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の
低周波数成分をフィルターで選択してI相信号を得る第
1の信号処理系統と、上記受信電波に基づく信号を移相
器で90°移相した信号に、送信側から発射するFM信
号を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の低周波数
成分をフィルターで選択してQ相信号を得る第2の信号
処理系統とを有し、送信アンテナから対象物を経て受信
アンテナに至る電波の伝搬距離に起因する上記I相信号
及びQ相信号の遅延位相成分の変化量が上記伝搬距離に
比例することを利用してI相信号とQ相信号とに基づく
合成ベクトルの回転速度に基づき対象物迄の距離を検出
するようにしたこと。 【0016】3) 周波数が時間的に変化するFM信号
を送信アンテナから電波として対象物に向けて発射し、
対象物で反射された電波を受信アンテナで受信して処理
することにより対象物迄の距離を検出する電波測距方式
において、受信電波に基づく信号に、送信側から発射す
るFM信号を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の
低周波数成分をフィルターで選択してI相信号を得る第
1の信号処理系統と、上記受信電波に基づく信号を移相
器で90°移相した信号に、送信側から発射するFM信
号を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の低周波数
成分をフィルターで選択してQ相信号を得る第2の信号
処理系統とを有し、送信アンテナから対象物を経て受信
アンテナに至る電波の伝搬距離に起因する上記I相信号
及びQ相信号の遅延位相成分の変化量が上記伝搬距離に
比例することを利用して上記各遅延位相成分の変化量を
それぞれ検出するとともに、両検出値に基づいて対象物
迄の距離を検出するようにしたこと。 【0017】4) 上記1)乃至上記3)の何れか1つ
に記載する電波測距方式において、送信側のFM信号の
周波数と受信側のFM信号の周波数との差の周波数成分
を抽出し、この差の周波数成分と遅延位相成分とを含む
信号から上記差の周波数成分を差し引いた信号に基づい
て対象物迄の距離を検出するようにしたこと。 【0018】5) 上記1)乃至上記4)の何れか1つ
に記載する電波測距方式において、遅延位相成分の変化
量又はI相信号とQ相信号とに基づく合成ベクトルの回
転速度は、ゼロクロス方式により検出するようにしたこ
と。 【0019】6) 上記1)乃至上記4)の何れか1つ
に記載する電波測距方式において、遅延位相成分の変化
量又はI相信号とQ相信号とに基づくベクトルの回転速
度は、周波数分析により検出するようにしたこと。 【0020】7) 対象物が発射する電波の到来角度を
検出するとともに、上記1)乃至上記6)の何れか1つ
に記載する電波測距方式により上記対象物迄の距離を検
出し、これら角度と距離との検出値に基づき対象物の位
置を標定するようにしたこと。 【0021】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。 【0022】図1は本発明の第1の実施の形態に係る電
波測距方式を示すブロック線図である。同図に示すよう
に、本形態は図4に示すFM−CW方式と同一構成部分
を有するので、図1中、図4と同一部分には同一番号を
付し、重複する説明は省略する。図1に示すように、送
信側の構成は図4と全く同様である。すなわち、図5
(a)に示すような鋸波で搬送信号をFM変調して得る
FM信号を電波4として送出する。ただ、この場合の鋸
波の繰返し周期は、FM−CWの場合に較べはるかに大
きいものとする。当該繰返し周期を長くすることによ
り、送信側から送出するFM信号の周波数ω1 と受信側
で受信するFM信号の周波数ω2 との差(ω 1 −ω2
Δf)を実効的に零となるようにするためである。かく
して、FM−CW方式の原理に基づく距離Xの影響を除
去することができる。 【0023】本形態における測距の対象物であるアンテ
ナ5aで反射し、受信アンテナ7で受信した電波6に基
づく信号はI/Qホモダイン処理部Iで所定の信号処理
がなされる。ここで、I/Qホモダイン処理部Iは、ミ
キサ8とともにミキサ12も有する。ミキサ8は、図4
に示すミキサ8と同様に、送信側が送出するFM信号と
受信側で受信したFM信号との掛け算処理を行う。一
方、ミキサ12は、送信側が送出するFM信号と、移相
器13を介して90°移相したFM信号との掛け算処理
を行う。ミキサ8、12の出力信号であるミキシング信
号はそれぞれローパスフィルタ14、15で低周波数成
分が抽出されてI相信号及びQ相信号となる。ここで、
I相信号及びQ相信号において、送信側のFM信号に対
する受信側のFM信号の遅延位相成分を考えると、この
遅延位相φは距離Xに比例して変化し、このときの変化
量は距離Xを反映した量となる(その理由については、
後に詳述する。)。したがって、このときのI相信号及
びQ相信号の合成ベクトルは回転し、この回転角速度は
距離Xに比例する。そこで、位相回転速度検出部16で
はI相信号及びQ相信号に基づく合成ベクトルの回転角
速度を検出し、この回転角速度を周波数に変換して出力
する。位相回転速度検出部16の出力信号はF/V変換
器17で電圧に変換し、距離Xを表す電圧信号を得る。 【0024】ここで、上記遅延位相φの変化量が距離X
に比例する理由を、本形態の測距原理とともに説明して
おく。I/Qホモダイン処理部Iの出力信号をローパス
フィルタ14、15を通すことにより得るI相信号及び
Q相信号は、ミキサ8、12でFM−CW方式の場合と
同様のミキシング処理を行うことにより、また当該信号
の上記遅延位相成分を考慮することにより、次式
(2)、(3)に示すように表すことができる。 【0025】 (1/2)・COS(Δf・t+φ) ・・・・(2) (1/2)・SIN(Δf・t+φ) ・・・・(3) ここで、Δf=(ω1 −ω2 )、φは送信側のFM信号
に対する受信側の遅延位相成分である。 【0026】上記遅延位相φは、φ=(2π/λ)・X
(但し、FM信号の波長、Xは送受信アンテナ3、7と
車両5のアンテナ5a(対象物)との間の距離)と表す
ことができる。つまり、遅延位相φは波長λ及び距離X
の関数である。また、波長λは、λ=c/f(但し、c
は光速、fはFM信号の周波数)と表すことができる。
つまり、遅延位相φは周波数f及び距離Xの関数であ
る。ここで、送信側から発射される電波4は、図5
(a)に示すような鋸波で変調され、時間的に周波数f
が変化するFM信号であるので、遅延位相φも時間的に
変化する。そして、この変化量は、距離Xを一定とした
場合、周波数fの変化率に応じた固有の速度となる。一
方、周波数fの変化率が同一条件である場合に、距離X
が変わればこの距離Xに比例して速度も変わる。したが
って、上記I相信号及びQ相信号の合成ベクトルは回転
し、このときの回転角速度は、FM変調する鋸波の繰返
し周期が同一である限り距離Xに比例する量となる。こ
の回転角速度は、距離Xが大きい程、速くなる。また、
鋸波の繰返し周期が短い程(周波数fの変化率が大きい
程)、速くなる。 【0027】ところで、送信側のFM信号と受信側FM
信号との周波数の差Δf(上記式(2)、(3)参
照。)も上記合成ベクトルを回転させる要因とはなる
が、本形態においては、鋸波の繰返し周期をFM−CW
方式に較べはるかに長くしているので、上記Δfは実効
的に零と考えることができ、上記合成ベクトルの回転角
速度をもって距離Xを表す量と考えることができる。一
方、距離Xが短くなって上記合成ベクトルの回転角速度
が小さくなり、十分大きな電圧信号が得られない場合に
は、鋸波の繰返し周期を短くするか、FM変調波の周波
数偏移量を大きくして合成ベクトルの回転速度を高くし
てやれば良い。 【0028】上述の如く、本形態によれば、I相信号及
びQ相信号に基づく合成ベクトルの回転角速度を求め、
これに基づくF/V変換器17の出力電圧信号で距離X
を検出することができる。 【0029】上記第1の実施の形態において、鋸波の繰
返し周期がある程度大きくなった場合等、送信側のFM
信号と受信側FM信号との周波数の差Δfが実効的に零
とみなせない程度の大きさになった場合には、I相信号
及びQ相信号に基づく合成ベクトルの回転角速度におい
て、Δfの影響が無視できなくなる。この場合には、上
記回転角速度に基づく量の中からΔfに基づく量を差し
引いてやれば良い。この場合に有用な実施の形態を第2
の実施の形態として説明する。 【0030】図2は第2の実施の形態を示すブロック線
図である。同図に示すように、本形態は、図1に示す第
1の実施の形態に、Δfの影響を除去するための補正手
段を追加したものである。そこで、図1と同一部分には
同一番号を付し、重複する説明は省略する。図2に示す
ように、本形態に係る測距方式は、図4に示すFM−C
W方式と全く同様の信号処理系統であるミキサ8とロー
パスフィルタ9とを有しており、ローパスフィルタ9の
出力信号であるCOS( Δf・t) からΔfの周波数成
分を抽出するように構成してある。本形態においては、
F/V変換器18がΔfを抽出する部分である。このF
/V変換器18では、Δfに相当する周波数を電圧に変
換して出力するようになっている。速度補正部19では
F/V変換器18の出力電圧信号からΔfを算出し、F
/V変換器17の出力電圧信号を補正している。したが
って、速度補正部19の出力電圧信号は、F/V変換器
17の出力電圧信号からΔfに相当する成分を除去して
距離Xに正確に比例したものとなる。なお、ここでロー
パスフィルタ9は、ローパスフィルタ14、15より遮
断周波数を低く構成してあり、このことによりローパス
フィルタ9ではΔfのみを抽出し、遅延位相φの変化量
と分離することができる。 【0031】上記第1及び第2の実施の形態は対象物迄
の距離Xのみを検出するものであるが、このとき距離X
とともに対象物が発射する電波の到来角度を検出するこ
とによりこの対象物の位置を標定することもできる。こ
の場合の実施の形態を第3の実施の形態として図3に示
す。同図に示すように、本形態は、図1に示す第1の実
施の形態における距離検出系と角度検出系とを組み合わ
せたものである。そこで、図1と同一部分には同一番号
を付し、重複する説明は省略する。 【0032】本形態における角度検出系は、車両5に搭
載する車載機からアンテナ5aを介して発射する電波
(図中に点線で示す。)を、2台の受信アンテナ20、
21で受信して所定の処理をすることにより垂直面(高
さ方向)に対する到来電波の角度θを検出するようにな
っている。さらに詳言すると、所定の間隔dを隔てて設
置されている2台の受信アンテナ20、21で受信した
到来電波は、へテロダイン変換部22、23で、その搬
送波の周波数と、局部発振器24が出力する局部発振信
号の周波数との差を取り、低周波数の信号に変換して位
相差計25に供給される。この位相差計25では、受信
アンテナ20で受信した電波と、受信アンテナ21で受
信した電波の位相差Δφを検出する。この位相差Δφ
は、アンテナ5aから受信アンテナ20迄の距離L1
アンテナ5aから受信アンテナ21迄の距離L2 とが異
なることに起因して受信電波に含まれる位相差Δφであ
り、Δφ=(2π/λ)・SINθ(但し、λは到来電
波の波長、θは到来電波の角度)の関係がある。したが
って、到来電波の角度θは、θ=SIN-1(Δφ・λ/
2πd)として求まる。この演算は角度検出部26で行
う。すなわち、角度検出部26は、位相差計25の出力
信号である位相差Δφを表す信号に基づき前述の演算を
行い、その出力信号として到来電波の角度θを表す信号
を送出する。位置標定部27では、距離検出系で検出し
た距離Xを表すF/V変換器17の出力信号と角度検出
部26の出力信号に基づき対象物であるアンテナ5aの
位置を標定する。 【0033】なお、上記第1乃至第3の実施の形態にお
いては、I相信号及びQ相信号の合成ベクトルの回転角
速度に基づいて距離Xを計測するようにしたが、これは
I相信号又はQ相信号の何れか一方の遅延位相φの変化
に基づく移動速度を検出することによっても、若しくは
I相信号及びQ相信号の遅延位相φの変化に基づく移動
速度を個別に検出し、両者の平均をとることによっても
同様に距離Xを検出することができる。また、対象物は
車両5のアンテナ5aとしたが、この対象物をこれに限
定する必要はない。例えば、走行中の車両の衝突防止シ
ステムを構築する場合、車間距離を検出することが必須
要件となるが、この場合の距離計(ミリ波レーダ)とし
ても有用なものとなる。さらに、既存の高速道路におけ
る料金収受システムに組み込めば、課金する車両を特定
する場合等に、特に有用なものとなる。 【0034】 【発明の効果】以上実施の形態とともに詳細に説明した
通り、〔請求項1〕に記載する発明は、周波数が時間的
に変化するFM信号を送信アンテナから電波として対象
物に向けて発射し、対象物で反射された電波を受信アン
テナで受信して処理することにより対象物迄の距離を検
出する電波測距方式において、受信電波に基づく信号
に、送信側から発射するFM信号を掛け算し、さらにこ
の結果得られる信号の低周波数成分をフィルターで選択
し、送信アンテナから対象物を経て受信アンテナに至る
電波の伝搬距離に起因する遅延位相成分を含む信号を
得、この信号における遅延位相成分の変化量に基づき上
記距離を検出するようにしたので、FM信号の周波数の
変化率を適宜設定することで上記遅延位相成分の変化量
に比例する距離を良好に検出することができる。この場
合の距離は、遅延位相成分の変化量に基づくものである
ため、従来のレーダ方式及びFM−CW方式の距離計に
較べ格段に短い距離であっても良好にこれを検出するこ
とができる。 【0035】〔請求項2〕に記載する発明は、周波数が
時間的に変化するFM信号を送信アンテナから電波とし
て対象物に向けて発射し、対象物で反射された電波を受
信アンテナで受信して処理することにより対象物迄の距
離を検出する電波測距方式において、受信電波に基づく
信号に、送信側から発射するFM信号を掛け算し、さら
にこの結果得られる信号の低周波数成分をフィルターで
選択してI相信号を得る第1の信号処理系統と、上記受
信電波に基づく信号を移相器で90°移相した信号に、
送信側から発射するFM信号を掛け算し、さらにこの結
果得られる信号の低周波数成分をフィルターで選択して
Q相信号を得る第2の信号処理系統とを有し、送信アン
テナから対象物を経て受信アンテナに至る電波の伝搬距
離に起因する上記I相信号及びQ相信号の遅延位相成分
の変化量が上記伝搬距離に比例することを利用してI相
信号とQ相信号とに基づく合成ベクトルの回転速度に基
づき対象物迄の距離を検出するようにしたので、〔請求
項1〕に記載する発明と同様の効果を奏するばかりてな
く、その測定精度を向上させることができる。 【0036】〔請求項3〕に記載する発明は、周波数が
時間的に変化するFM信号を送信アンテナから電波とし
て対象物に向けて発射し、対象物で反射された電波を受
信アンテナで受信して処理することにより対象物迄の距
離を検出する電波測距方式において、受信電波に基づく
信号に、送信側から発射するFM信号を掛け算し、さら
にこの結果得られる信号の低周波数成分をフィルターで
選択してI相信号を得る第1の信号処理系統と、上記受
信電波に基づく信号を移相器で90°移相した信号に、
送信側から発射するFM信号を掛け算し、さらにこの結
果得られる信号の低周波数成分をフィルターで選択して
Q相信号を得る第2の信号処理系統とを有し、送信アン
テナから対象物を経て受信アンテナに至る電波の伝搬距
離に起因する上記I相信号及びQ相信号の遅延位相成分
の変化量が上記伝搬距離に比例することを利用して上記
各遅延位相成分の変化量をそれぞれ検出するとともに、
両検出値に基づいて対象物迄の距離を検出するようにし
たので、〔請求項1〕及び〔請求項2〕に記載する発明
よりもさらに測定精度を向上させることができる。 【0037】〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項3〕の何れか1つに記載する電波測距
方式において、送信側のFM信号の周波数と受信側のF
M信号の周波数との差の周波数成分を抽出し、この差の
周波数成分と遅延位相成分とを含む信号から上記差の周
波数成分を差し引いた信号に基づいて対象物迄の距離を
検出するようにしたので、送信側のFM信号の周波数と
受信側のFM信号の周波数との差Δfに起因する誤差成
分を除去することができ、万一このΔfが発生した場合
でも、その影響を除去して良好な検出精度を確保するこ
とができる。 【0038】〔請求項5〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項4〕の何れか1つに記載する電波測距
方式において、遅延位相成分の変化量又はI相信号とQ
相信号とに基づく合成ベクトルの回転速度は、ゼロクロ
ス方式により検出するようにしたので、当該検出部分を
安価に構成することができる。 【0039】〔請求項6〕に記載する発明は、〔請求項
1〕乃至〔請求項4〕の何れか1つに記載する電波測距
方式において、遅延位相成分の変化量又はI相信号とQ
相信号とに基づく合成ベクトルの回転速度は、周波数分
析により検出するようにしたので、当該検出を迅速に行
うことができる。 【0040】〔請求項7〕に記載する発明は、対象物が
発射する電波の到来角度を検出するとともに、〔請求項
1〕乃至〔請求項6〕の何れか1つに記載する電波測距
方式により上記対象物迄の距離を検出し、これら角度と
距離との検出値に基づき対象物の位置を標定するように
したので、距離と角度の組み合わせにより、対象物の位
置も標定することができる。これは、高速道路の料金所
における車両の特定の際に特に顕著な効果となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック線図
である。 【図2】本発明の第2の実施の形態を示すブロック線図
である。 【図3】本発明の第3の実施の形態を示すブロック線図
である。 【図4】従来技術に係るFM−CW方式による電波測距
方式を示すブロック線図である。 【図5】図4の各部の信号波形を示す波形図である。 【符号の説明】 1 鋸波発生器 2 搬送信号発生器 3 送信アンテナ 5 車両 5a アンテナ 7 受信アンテナ 8、12 ミキサ 9、14、15 ローパスフィルタ 16 位相回転速度検出部 20、21 受信アンテナ 25 位相差計 26 角度検出部 27 位置標定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−31065(JP,A) 特開 平9−222474(JP,A) 特開 平9−152478(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 13/00 - 13/95 G01S 7/00 - 7/42 G07B 15/00 G08G 1/01

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 周波数が時間的に変化するFM信号を送
    信アンテナから電波として対象物に向けて発射し、対象
    物で反射された電波を受信アンテナで受信して処理する
    ことにより対象物迄の距離を検出する電波測距方式にお
    いて、 受信電波に基づく信号に、送信側から発射するFM信号
    を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の低周波数成
    分をフィルターで選択し、送信アンテナから対象物を経
    て受信アンテナに至る電波の伝搬距離に起因する遅延位
    相成分を含む信号を得、この信号における遅延位相成分
    の変化量に基づき上記距離を検出するようにしたことを
    特徴とする電波測距方式。 【請求項2】 周波数が時間的に変化するFM信号を送
    信アンテナから電波として対象物に向けて発射し、対象
    物で反射された電波を受信アンテナで受信して処理する
    ことにより対象物迄の距離を検出する電波測距方式にお
    いて、 受信電波に基づく信号に、送信側から発射するFM信号
    を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の低周波数成
    分をフィルターで選択してI相信号を得る第1の信号処
    理系統と、上記受信電波に基づく信号を移相器で90°
    移相した信号に、送信側から発射するFM信号を掛け算
    し、さらにこの結果得られる信号の低周波数成分をフィ
    ルターで選択してQ相信号を得る第2の信号処理系統と
    を有し、送信アンテナから対象物を経て受信アンテナに
    至る電波の伝搬距離に起因する上記I相信号及びQ相信
    号の遅延位相成分の変化量が上記伝搬距離に比例するこ
    とを利用してI相信号とQ相信号とに基づく合成ベクト
    ルの回転速度に基づき対象物迄の距離を検出するように
    したことを特徴とする電波測距方式。 【請求項3】 周波数が時間的に変化するFM信号を送
    信アンテナから電波として対象物に向けて発射し、対象
    物で反射された電波を受信アンテナで受信して処理する
    ことにより対象物迄の距離を検出する電波測距方式にお
    いて、 受信電波に基づく信号に、送信側から発射するFM信号
    を掛け算し、さらにこの結果得られる信号の低周波数成
    分をフィルターで選択してI相信号を得る第1の信号処
    理系統と、上記受信電波に基づく信号を移相器で90°
    移相した信号に、送信側から発射するFM信号を掛け算
    し、さらにこの結果得られる信号の低周波数成分をフィ
    ルターで選択してQ相信号を得る第2の信号処理系統と
    を有し、送信アンテナから対象物を経て受信アンテナに
    至る電波の伝搬距離に起因する上記I相信号及びQ相信
    号の遅延位相成分の変化量が上記伝搬距離に比例するこ
    とを利用して上記各遅延位相成分の変化量をそれぞれ検
    出するとともに、両検出値に基づいて対象物迄の距離を
    検出するようにしたことを特徴とする電波測距方式。 【請求項4】 〔請求項1〕乃至〔請求項3〕の何れか
    1つに記載する電波測距方式において、 送信側のFM信号の周波数と受信側のFM信号の周波数
    との差の周波数成分を抽出し、この差の周波数成分と遅
    延位相成分とを含む信号から上記差の周波数成分を差し
    引いた信号に基づいて対象物迄の距離を検出するように
    したことを特徴とする電波測距方式。 【請求項5】 〔請求項1〕乃至〔請求項4〕の何れか
    1つに記載する電波測距方式において、 遅延位相成分の変化量又はI相信号とQ相信号とに基づ
    く合成ベクトルの回転速度は、ゼロクロス方式により検
    出するようにしたことを特徴とする電波測距方式。 【請求項6】 〔請求項1〕乃至〔請求項4〕の何れか
    1つに記載する電波測距方式において、 遅延位相成分の変化量又はI相信号とQ相信号とに基づ
    くベクトルの回転速度は、周波数分析により検出するよ
    うにしたことを特徴とする電波測距方式。 【請求項7】 対象物が発射する電波の到来角度を検出
    するとともに、〔請求項1〕乃至〔請求項6〕の何れか
    1つに記載する電波測距方式により上記対象物迄の距離
    を検出し、これら角度と距離との検出値に基づき対象物
    の位置を標定するようにしたことを特徴とする位置標定
    方式。
JP23117799A 1999-08-18 1999-08-18 電波測距方式 Expired - Fee Related JP3477403B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23117799A JP3477403B2 (ja) 1999-08-18 1999-08-18 電波測距方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23117799A JP3477403B2 (ja) 1999-08-18 1999-08-18 電波測距方式

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001056371A JP2001056371A (ja) 2001-02-27
JP3477403B2 true JP3477403B2 (ja) 2003-12-10

Family

ID=16919533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23117799A Expired - Fee Related JP3477403B2 (ja) 1999-08-18 1999-08-18 電波測距方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3477403B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6950372B2 (en) * 2002-12-05 2005-09-27 Raymarine, Incorporated Digital sounder module and method for detecting
JP4892177B2 (ja) * 2003-11-12 2012-03-07 レイマリン エルティーディー デジタル測深機モジュール及び検知方法
JP5440893B2 (ja) * 2005-03-09 2014-03-12 オムロン株式会社 情報処理装置、情報処理方法、反射体、および通信システム
WO2006095463A1 (ja) * 2005-03-09 2006-09-14 Omron Corporation 距離測定装置、距離測定方法、反射体、および通信システム
JP4270299B2 (ja) * 2006-03-28 2009-05-27 オムロン株式会社 Rfidタグ距離測定装置およびrfidタグ距離測定システム
JP5611511B2 (ja) * 2007-08-28 2014-10-22 日本信号株式会社 リーダライタ、及び物品仕分システム
JP5458124B2 (ja) * 2012-02-15 2014-04-02 日本電信電話株式会社 電磁波イメージング装置及び電磁波イメージング方法
JP7074013B2 (ja) * 2018-04-11 2022-05-24 日本製鉄株式会社 変位測定方法及び変位測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001056371A (ja) 2001-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7932855B2 (en) Distance measuring device and distance measuring method
US9817121B2 (en) Radar apparatus and method of determining sign of velocity
JP4093109B2 (ja) 車両用レーダ装置
US4521778A (en) High-resolution, coherent pulse radar
CN100417951C (zh) 雷达设备和雷达设备控制方法
JP2011209016A (ja) 車載レーダ装置
NL1008087C2 (nl) Dopplerradar-verkeersmeetsysteem.
JP3477403B2 (ja) 電波測距方式
EP0679906A1 (en) Apparatus for measuring physical quantities related to relative movement between two objects
JPH08220218A (ja) 移動物体の速度の測定方法及びその方法を実施する遠隔検出装置
JP3516686B2 (ja) ドップラー原理を利用した位置選択性速度測定装置
JP2000028714A (ja) 車載用fm−cwレーダ装置
US7084807B2 (en) Method and apparatus for generating HF signals for determining a distance and/or a speed of an object
US6269302B1 (en) Simple mobile object position detecting system
JPH11223673A (ja) パルスドップラーレーダ装置
JPH09211114A (ja) 移動体位置の測定方法および装置
JP2762143B2 (ja) 間欠fm―cwレーダ装置
JP3344880B2 (ja) 車両速度検出装置
JPS6034707B2 (ja) Fm−cwレ−ダ
RU2205416C1 (ru) Способ определения линии положения источника радиоизлучения
JP2003156560A (ja) 自動車用レーダ装置
JPH0419513B2 (ja)
JP3101635B2 (ja) データ伝送装置の移動物体検知装置
JP2856614B2 (ja) 速度計測装置
JP3600074B2 (ja) Fm−cwレーダ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030902

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees