JP4205589B2 - 糸状菌由来リシルオキシダーゼ - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は糸状菌由来のリシルオキシダーゼ及びそれをコードするDNA、並びにそれらの利用に関する。
背景技術
糸状菌の中でも、特にアスペルギウス・オリゼ(キコウジ菌)等を含む麹菌は、清酒、みそ、醤油、及び、みりん等を製造する、わが国における醸造産業において古くから利用され、直接に食されてきた菌類であり、米国のFDA(食品医薬局)によりGRAS(Generally Recognized as Safe)にリストアップされている安全な遺伝子源である。
従って、通常の菌由来の遺伝子を食品などに利用する際に必要な慢性毒性検査等の安全審査において、通常の菌由来の遺伝子の場合には約10億円要するのに対して、上記のGRASグレードである遺伝子の場合にはその約3分の1程度の経費で済むし、更に、該審査に要する時間もより短いというメリットがある。
このように、糸状菌、特に麹菌は、安全性及び経済性の点から極めて利用価値の高い遺伝子の宝庫と言える。本発明に関連する技術が以下の文献に開示される。
特許第2796114号公報(特許文献1)及び特許第2977245号公報(特許文献2)
発明の開示
従って、これら菌のゲノムDNA情報を明らかにし、それにコードされる遺伝子等の機能を明らかにすることによって、バイオテクノロジーを利用した物質生産等のような、食品産業において安全な遺伝子資源の有効な活用法を提供するとともに、農薬及び医薬分野における各種遺伝子スクリーニングの為の有用な情報を提供することが出来る。
更に、近縁種であるアスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)等のように穀物汚染菌、ヒト感染菌のゲノム情報を解析する有用なツールともなり得るものである。
以上の課題に鑑み検討を行った結果、本発明者らは麹菌の一種であるアスペルギルス・オリゼのゲノムを解析することに成功し、それらの塩基配列(及びそれがコードするアミノ酸配列)及び各種機能等を決定した。かかる成果に基づいて、先の出願(特願2001−403261)においてアスペルギウス・オリゼ由来の各種DNA、並びに、これらのDNAから調製されるヌクレオチド配列からなるGRASグレードの糸状菌遺伝子の増幅用プライマーセット及び糸状菌遺伝子検出用プローブ等を開示した。
本発明者らは得られた麹菌ゲノム情報を基に更なる検討を行った。即ち、リシルオキシダーゼに注目し、得られた塩基配列の中からリシルオキシダーゼをコードする配列を特定し、またその配列によってコードされるタンパク質のアミノ酸配列を同定することを試みた。尚、リシルオキシダーゼはアミンオキシダーゼの一種であり、タンパク中のリジン残基を酸化することによりリジン残基同士を架橋させる作用を持つ。動物由来のリシルオキシダーゼについては古くからその存在が知られており、かかるリシルオキシダーゼは、蛋白質を架橋させることによる食感の向上などに応用もされてきた(例えば上記の特許文献1及び2を参照)。近年になって微生物由来のリシルオキシダーゼについての研究がなされ、酵母の一種であるピキア・パストリス(Pichia Pastoris)から哺乳動物由来のものと類似した基質特異性を有するリシルオキシダーゼが発見された(FEBS Lett.1988 238,74−76)。このピキア由来のリシルオキシダーゼは哺乳類由来のものと性質が似ているだけではなく、細菌類であるエスケリチア・コリ(Escherichia coli)、アルスロバクター・グロビホルミス(Arthrobacter globiformis)等のアミンオキシダーゼと類似した構造をとっていることが判明している(J lnorg Biochem.2001 83(2−3):193−204)。しかし、酵母と同じく高等微生物である糸状菌からのリシルオキシダーゼの単離に成功したという報告はこれまでになかった。
鋭意検討した結果、本発明者らは既報のピキア・パストリス(Pichia Pastoris)由来リシルオキシダーゼ遺伝子と相同性の高い配列を麹菌ゲノム内に見出すことに成功した。そして、糸状菌を宿主として当該配列がコードするタンパク質を発現させたところリシルオキシダーゼ活性を示した。この結果から当該配列がリシルオキシダーゼをコードすることが実験的に確認された。一方で当該配列におけるコード領域の特定に成功し、当該配列がコードするタンパク質が新規なアミノ酸配列を有することを見出した。このように、本発明者らは糸状菌由来のリシルオキシダーゼ遺伝子及びそのアミノ酸配列の同定に初めて成功した。
本発明は以上の成果に基づき完成されたものであり、本発明における具体的な課題は糸状菌由来のリシルオキシダーゼ及びそれをコードするDNA、並びに当該糸状菌由来リシルオキシダーゼの生産方法等を提供することである。かかる課題を解決すべく、以下の構成が提供される。
[1] 以下の(a)又は(b)のタンパク質からなるリシルオキシダーゼ:
(a)配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質;
(b)配列番号2で示されるアミノ酸配列の一部を改変したアミノ酸配列を有し、リシルオキシダーゼとして機能するタンパク質。
[2] 以下の(A)又は(B)のDNA:
(A)[1]に記載のリシルオキシダーゼをコードするDNA;
(B)(A)のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、それがコードするタンパク質がリシルオキシダーゼとして機能するDNA。
[3] 以下の(i)〜(iii)のいずれかの配列を有するDNA:
(i)配列番号3で示される塩基配列;
(ii)配列番号4で示される塩基配列;
(iii)配列番号5で示される塩基配列;
(iv)配列番号6で示される塩基配列;
(v)配列番号1で示される塩基配列;
(vi)配列番号7で示される塩基配列。
[4] [2]又は[3]に記載のDNAを保持するベクター。
[5] [2]又は[3]に記載のDNAが外来的に導入されている糸状菌。
[6] 以下の(1)及び(2)のステップを含む、リシルオキシダーゼの生産方法:
(1)[5]に記載の糸状菌を、前記DNAのコードするタンパク質が産生可能な条件で培養するステップ;及び
(2)産生されたタンパク質を回収するステップ。
本発明における「DNA」は2本鎖DNAに限らず、それを構成する1本鎖DNA(センス鎖及びアンチセンス鎖)を含む意味で用いられる。また、本発明のDNAにはコドンの縮重を考慮した任意の塩基配列を有するDNAが包含される。さらにはその形態も限定されず、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAが含有される。
本発明において「タンパク質をコードするDNA」とは、それを発現させた場合に当該タンパク質が得られるDNAのことをいい、当該タンパク質のアミノ酸配列に対応する塩基配列を有するDNAは勿論のこと、そのようなDNAにアミノ酸配列をコードしない配列が付加されてなるDNA(例えば1又は複数個のイントロンを含むDNA)をも含む。
本発明における「糸状菌由来リシルオキシダーゼ」とは、糸状菌を出発材料として調製されたリシルオキシダーゼ、或はそれを取得する過程において糸状菌が保有するリシルオキシダーゼの情報(アミノ酸配列やDNA配列)を利用して調製されたリシルオキシダーゼのことをいい、糸状菌から物理的手法や生化学的手法等を用いて調製されたリシルオキシダーゼは勿論のこと、本発明において開示されるリシルオキシダーゼのアミノ酸配列又はDNA配列を利用した遺伝子工学的手法などを用いて調製されたリシルオキシダーゼを含む。
発明を実施するための最良の形態
(タンパク質)
本発明の第1の局面は糸状菌に由来するリシルオキシダーゼに関する。本発明で提供されるリシルオキシダーゼは例えば配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質からなる。後述の実施例で示されるように、当該タンパク質については糸状菌を用いた発現系において実際にリシルオキシダーゼ活性を示すことが確認されている。
ここで、一般に、あるタンパク質のアミノ酸配列の一部に改変を施した場合において、改変後のタンパク質が改変前のタンパク質と同等の機能を有することがある。即ちアミノ酸配列の改変がタンパク質の機能に対して実質的な影響を与えず、タンパク質の機能が改変前後において維持されることがある。このことを考慮して、上述のリシルオキシダーゼ活性を有するタンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)の一部を改変して得られるアミノ酸配列を有するタンパク質(以下、「改変タンパク質」ともいう)であっても、リシルオキシダーゼとしての機能を有する限りにおいて本発明のリシルオキシダーゼ(タンパク質)を構成することができる。換言すればリシルオキシダーゼとしての機能が維持される限りにおいて一部のアミノ酸の改変が許容される。尚、改変の前後においてリシルオキシダーゼ活性が低下しないことが好ましいが、多少の変動(上昇又は低下)があってもよい。
ここでの「アミノ酸配列の一部が改変されてなる」とは、アミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が欠失、置換、付加、及び/又は挿入されてなることを意味する。リシルオキシダーゼ活性が維持される限りにおいて、アミノ酸配列の改変(変異)位置は特に限定されず、また複数の位置で改変が生じていてもよい。改変にかかるアミノ酸数は、例えば全アミノ酸の10%以内に相当する数であり、好ましくは全アミノ酸の5%以内に相当する数である。さらに好ましくは全アミノ酸の1パーセント以内に相当する数である。以上のような改変タンパク質は例えば、配列番号2のアミノ酸配列をコードする塩基配列に改変を加えた配列を有する核酸断片を調製し、これを適当な発現系において発現させるなど、遺伝子工学的手法を用いて作製することができる。
本発明のタンパク質(改変タンパク質を含む)の中で天然の糸状菌が有するものについては、当該糸状菌より抽出、精製等の操作によって調製することができる。また、本明細書で開示されるリシルオキシダーゼの情報を基にして遺伝子工学的手法を用いて本発明のタンパク質(改変タンパク質を含む)を調製することもできる。例えば、本発明のタンパク質をコードするDNAで適当な宿主細胞を形質転換し、形質転換体内で発現されたタンパク質を回収することにより調製することができる。回収されたタンパク質は目的に応じて適宜精製される。組換えタンパク質として調製する場合には種々の修飾が可能である。例えば、本発明のタンパク質をコードするDNAと他の適当なDNAとを同じベクターに挿入し、当該ベクターを用いて組換えタンパク質の生産を行えば、本発明のタンパク質に他のペプチドないしタンパク質が連結された組換えタンパク質を得ることができる。このような修飾により、組換えタンパク質の抽出、精製の簡便化、又は生物学的機能の付加等が可能である。
(リシルオキシダーゼをコードするDNA)
本発明の第2の局面は糸状菌由来のリシルオキシダーゼをコードするDNAを提供する。このようなDNAの具体例としては、配列番号3で示される塩基配列を有するDNA、又は配列番号4で示される塩基配列を有するDNAを挙げることができる。前者はリシルオキシダーゼをコードするゲノムDNA(リシルオキシダーゼ遺伝子)に由来する配列であり、後者は当該ゲノムDNAからイントロン領域を除いた配列である。本発明のDNAの他の具体例としては、配列番号5で示される塩基配列を有するDNA、又は配列番号6で示される塩基配列を有するDNAを挙げることができる。前者は配列番号3で示されるリシルオキシダーゼ遺伝子と、その推定プロモータ領域とを含むDNAである。後者は配列番号4で示されるDNA(リシルオキシダーゼ遺伝子からイントロン領域を除いたDNA)と、その推定プロモータ領域とを含むDNAである。これらのDNAではプロモータと構造遺伝子の組合わせが理想的となることから、当該DNAを利用してリシルオキシダーゼの生産を行えば良好な遺伝子発現を期待できる。したがって、効率的なリシルオキシダーゼ生産系が構築される。
本発明のDNAの更なる他の具体例としては、配列番号1で示される塩基配列を有するDNA、又は配列番号7で示される塩基配列を有するDNAを挙げることができる。前者は配列番号3で示されるリシルオキシダーゼ遺伝子と、その推定プロモータ領域と、及びターミネータ領域とを含むDNAである。後者は配列番号4で示されるDNA(リシルオキシダーゼ遺伝子からイントロン領域を除いたDNA)と、その推定プロモータ領域と、及びターミネータ領域とを含むDNAである。このようなDNAを利用した場合にも、効率的なリシルオキシダーゼ生産系を構築することができる。
ここで配列番号1、5、6、又は7の配列における推定プロモータ領域はおよそ1600bpであってプロモータ領域としては大きいことから、プロモータ活性に直接関与しているのは一部の領域であると予想される。このことを考慮して、これらの配列内の推定プロモータ領域(5’側の約1600bp)における連続した一部からなる領域であってもリシルオキシダーゼ遺伝子に対するプロモータとしての機能が認められれば、これを本発明のDNAにおけるプロモータとして用いることができる。従って、例えばこのようにして特定されたプロモータ領域と、配列番号3で示される配列の構造遺伝子と組合わせて、本発明のDNA(リシルオキシダーゼをコードするDNA)を構成することができる。ここで、一般に、プロモータの機能領域は構造遺伝子の直前に位置することが多いことを考慮すれば、例えば、配列番号1の配列における569番目の塩基〜1568番目の塩基まで、好ましくは769番目の塩基〜1568番目の塩基まで機能領域の有力な候補となる。
以上の本発明のDNAは、適当な糸状菌ゲノムDNAライブラリー又はcDNAライブラリー、或は糸状菌の菌体内抽出液から、本発明のリシルオキシダーゼをコードする遺伝子(例えば配列番号3で示される塩基配列を有するDNA)に対して特異的にハイブリダイズ可能なプローブ、プライマーなどを適宜利用して調製することができる。尚、本発明のDNAを調製するために用いる糸状菌ゲノムDNAライブラリー又はcDNAライブラリーの作製方法については、例えばMolecular Cloning,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New Yorkを参照できる。
具体的には、例えば次の手順で本発明のDNAを調製することができる。まず、目的のDNAを保有すると予想される糸状菌を所定時間培養した後、ろ過により集菌する。洗浄後、菌体を凍結乾燥させる。続いて乳鉢などを用いて菌体を粉砕した後、適当量の抽出用緩衝液(例えばSDS含有Tris−HCl緩衝液)を加えて抽出液とする。続いて、フェノール抽出、エタノール沈殿等によってゲノムDNAの抽出、精製を行う。このようにして得られたゲノムDNAを鋳型として目的のDNAに特異的なプライマーを用いたPCR法を実施することにより、目的のDNAが増幅産物として得られる。
適当な糸状菌ゲノムDNAライブラリー又はcDNAライブラリーを入手可能な場合にはこれらを利用して本発明のDNAを調製することもできる。使用するライブラリーの種類に応じてプラークハイブリダイゼーション法あるいはコロニーハイブリダイゼーション法などが利用される(Molecular Cloning,Third Edition,Col d Spring Harbor Laboratory Press,New York等を参照)。例えばプラスミドを用いて構築されたライブラリーの場合を例に採ればコロニーハイブリダイゼーション法が利用される。目的のDNAを保有するクローンの選択には、本発明のDNAに特異的な配列を有するプローブが用いられる。目的とするクローンが選択されれば、このクローンが保有するDNAを鋳型とし、目的のDNAの配列に特異的なプライマーを用いたPCR法等を実施することにより、本発明のDNAを増幅産物として得ることができる。
得られたクローンが保有するDNAを適当なベクターにサブクローニングして以降の利用に供することができる。これによって例えば、形質転換用の組換えベクターの構築や、或は塩基配列解読に適したプラスミドの構築ができる。
ここで、一般に、あるタンパク質をコードするDNAの一部に改変を施した場合において、改変後のDNAがコードするタンパク質が、改変前のDNAがコードするタンパク質と同等の機能を有することがある。即ちDNA配列の改変が、コードするタンパク質の機能に実質的に影響を与えず、コードするタンパク質の機能が改変前後において維持されることがある。このことを考慮して、上述した本発明のDNAの一部を改変した塩基配列を有するDNA(以下、「改変DNA」ともいう)であっても、それがコードするタンパク質がリシルオキシダーゼとしての機能を有する限りにおいて本発明のDNAを構成することができる。換言すれば、コードするタンパク質が有する、リシルオキシダーゼとしての機能が維持される限りにおいて一部の配列の改変が許容される。尚、改変の前後において、コードするタンパク質のリシルオキシダーゼ活性が低下しないことが好ましいが、多少の変動(上昇又は低下)があってもよい。
ここで「一部の改変」とは、典型的には、改変前の塩基配列において1若しくは複数の塩基が置換、欠失、挿入、又は付加されることをいう。このような改変は複数の部位に生じていてもよい。ここでの「複数」とは改変が行われる位置や改変の種類によっても異なるが例えば2〜100個、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜10個である。以上のような改変DNAは例えば、制限酵素処理、エキソヌクレアーゼやDNAリガーゼ等による処理、位置指定突然変異導入法(Molecular Cloning,Third Edition,Chapter13,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York)やランダム突然変異導入法(Molecular Cloning,Third Edition,Chapter13,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York)による変異の導入などによって得られる。また、リシルオキシダーゼ遺伝子を保有する糸状菌を紫外線で処理し、その後改変された遺伝子を単離することなど、公知の変異処理を利用した方法によっても取得することができる。
尚、上記のような塩基の置換、欠失、挿入、付加、又は逆位等の変異にはリシルオキシダーゼを保持する微生物の個体差、種や属の違いに基づく場合など、天然に生じる変異も含まれる。
改変DNAの調製方法としては、改変DNAを保有する天然の糸状菌(例えばアスペルギルス・オリゼ)からゲノム(染色体)DNAを抽出し、これを適当な制限酵素で処理した後に本発明のDNA(例えば配列番号3で示される配列を有するDNA)又はその一部をプローブとしたスクリーニングにおいてストリンジェントな条件でハイブリダイズするDNAを選択、単離する方法を例示することができる。改変DNAを保有するクローンを含むゲノム(染色体)DNAライブラリーを利用可能な場合には、当該ライブラリーを本発明のDNA(例えば配列番号3で示される配列を有するDNA)又はその一部をプローブとしてストリンジェントな条件下でスクリーニングすることによっても得ることができる
上記本発明のDNA(例えば配列番号3で示される配列を有するDNAやこれに上記改変を加えて得られるDNA)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつそれがコードするタンパク質がリシルオキシダーゼとして機能するDNAを本発明のDNAとすることもできる。ここでいう「ストリンジェントな条件」とはいわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。ストリンジェントな条件は配列の長さや構成塩基の種類によっても変動するが、例えば、ハイブリダイゼーション液(50%ホルムアルデヒド、10×SSC(0.15M NaCl,15mM sodium citrate,pH7.0)、5×Denhardt溶液、1%SDS、10%デキストラン硫酸、10μg/mlの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いて42℃でインキュベーションし、その後0.1×SSC、0.1%SDSを用いて68℃で洗浄する条件である。更に好ましいストリンジェントな条件としては、ハイブリダイゼーション液として50%ホルムアルデヒド、5×SSC(0.15M NaCl,15mM sodium citrate,pH7.0)、1×Denhardt溶液、1%SDS、10%デキストラン硫酸、10μg/mlの変性サケ精子DNA、50mMリン酸バッファー(pH7.5))を用いる条件を例示することができる。
(ベクター)
本発明の他の局面は、上記本発明のDNA(改変DNAを含む)を保持するベクターを提供する。このようなベクターは、既存のベクター又はそれに改変を施したベクター内に本発明のDNAを組込むことにより作製される。本発明のDNAを保持し得るものであれば原則としていかなるベクターを出発材料としてもいが、使用目的(クローニング、ポリペプチドの発現)に応じて、また宿主細胞の種類を考慮して適当なベクターが選択される。本発明のDNAのベクターへの組込みは、制限酵素及びDNAリガーゼを用いた周知の方法(Molecular Cloning,Third Edition,1.84,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York)により行うことができる。
尚、プロモータ領域をも含むDNA(例えば配列番号1、5、6、7のいずれかに示される配列を有するDNA)を用いる場合には、別個に用意したプロモータ領域と構造遺伝子(及びターミネータ)とをベクターに組込むことにより組換えベクターを構築してもよい。このような場合には、プロモータ機能が適切に発揮されることを条件として、ベクター内において両者の間に他の配列が介在していてもよい。また、まずプロモータ領域を保持するベクターを構築し、その後に構造遺伝子の連結を行ってもよい。
形質転換用のベクターには、典型的には、リシルオキシダーゼ遺伝子(例えば配列番号3に示される配列を有するDNA)、プロモータ、およびターミネータが含有される。プロモータによる構造遺伝子の適切な転写が達成されるように、上流から下流に向かって順にプロモータ、リシルオキシダーゼ遺伝子、及びターミネータが配置される。ベクター内に、選択マーカーやエンハンサー機能を有する配列、シグナルペプチドをコードする配列などを含有させてもよい。
(形質転換体)
形質転換用ベクターは糸状菌の形質転換に利用される。即ち、上記の形質転換用ベクターを用いて、糸状菌の形質転換体の調製方法を構築することができる。かかる調製方法によれば、本発明のDNAが外来的に導入された糸状菌が得られる。このようにして得られた糸状菌形質転換体はリシルオキシダーゼの生産に利用され得る。具体的には、本発明のDNAが外来的に導入された糸状菌形質転換体を、当該DNAのコードするタンパク質(リシルオキシダーゼ)が発現可能な条件で培養することにより、リシルオキシダーゼを産生させることができる。培地は使用する宿主に応じて適切なものが用いられる。例えば市販の各種培地又はこれらにアルギニン、ウリジン等の形質転換体の生育、選択、タンパク質の発現促進などに必要な成分を添加した培地を用いることができる。
所望時間培養した後の培養液又は菌体より目的のタンパク質(リシルオキシダーゼ)を回収することができる。菌体外に産生された場合には培養液より、それ以外であれば菌体内より回収することができる。培養液から回収する場合には、例えば培養上清をろ過、遠心処理して不溶物を除去した後、硫安沈殿等の塩析、透析、各種クロマトグラフィーなどを組み合わせて分離、精製を行うことにより目的のタンパク質を取得することができる。他方、菌体内から回収する場合には、例えば菌体を加圧処理、超音波処理などによって破砕した後、上記と同様に分離、精製を行うことにより目的のタンパク質を取得することができる。尚、ろ過、遠心処理などによって予め培養液から菌体を回収した後、上記一連の工程(菌体の破砕、分離、精製)を行ってもよい。尚、本発明のリシルオキシダーゼは通常菌体外に産生されることから、その分離、精製は比較的容易である。
形質転換に供される宿主糸状菌の種類は特に限定されず、アスペルギルス属(アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニドランス、アスペルギルス・ソーヤ、アスペルギルス・アワモリ、アスペルギルス・カワチ、アスペルギルス・パラシティクス、アスペルギルス・フラバス、アスペルギルス・ノミウス、アスペルギルス・フミガタス等)、ペニシリウム属、トリコデルマ属、リゾプス属、ムコール属、又はフザリウム属等に分類される糸状菌を用いることができる。好ましくはアスペルギルス属の糸状菌が用いられる。中でもアスペルギルス・オリゼ、又はニガーを用いることが安全性点から好ましい。
形質転換用ベクターの宿主糸状菌への導入(形質転換)は公知の方法で行うことができる。例えば、プロトプラスト化した菌体を用いたTurnerら方法(Gene,36,321−331(1985))により行うことができる。その他、五味らの方法(Agric.Biol.Chem.,51,323−328(1987))などを採用してもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。なお、実施例における各種遺伝子操作は、上記のCurrent protocols in molecular biology(edited by Frederick M.Ausubel et al.,1987)に記載されている方法に従った。
<実施例1>
[ホールゲノムショットガンライブラリーの作製方法]
1.インサート側の調製
(1)染色体DNAの取得
糸状菌Aspergillus oryzae RIB−40株(ATCC42149)の胞子をYPD培地(0.5%Yeastextract,1%Peptone,2%Glucose)に植菌し30℃で一晩振盪培養した。その後、飯村(Argric.Biol.Chem.323−328,51(1987))の方法に従ってゲノムDNAの抽出を行った。ゲノムDNAに混在しているミトコンドリアDNAをWatsonらの方法(Methods Enzymol.57−75 118(1986))に従って染色体DNAのみになるよう塩化セシウム超遠心による精製を行った。
(2)染色体DNAの断片化
取得した純粋な染色体DNAをランダムDNA断片化装置HydroShear(トミー精工)にかけ、染色体DNAを1−2kb程度に断片化した。
(3)断片化したDNAの末端処理
断片化した染色体DNAをBAL31ヌクレアーゼ(TAKARA)処理、その後Klenow Fragment(TAKARA)処理を行い末端を平滑化した。
(4)末端へのAdaptorの付加
末端を平滑化した染色体DNA断片の両端に、(P)5’−CGAGAGCGGCCGCTAC−3’および(P)5’−GTAGCGGCCGCTC−3’からなるアダプターをT4 DNA Ligase(TAKARA)を用いて連結した。
2.形質転換
pUC19を制限酵素SalI(TAKARA)により切断を行った後、dTをTaq DNAポリメラーゼ(ロシュ.ダイアグノスティクス)によりSalI切断部分に挿入した。このようにして作製したプラスミドをAlkaline Phosphatase(TAKARA)処理により脱リン酸化しベクターとして利用した。ベクターと上記で作製した染色体DNA断片をT4 DNA Ligaseを用いて連結させ、大腸菌DH10B(Gibco)にエレクトロポレーション法により形質転換を行った。
3.塩基配列の決定
プラスミドDNAは、大腸菌形質転換体を2xYP培地で37℃、10時間培養し、集菌後、滅菌水中で99℃、10分間加熱処理した。この上澄を鋳型DNA水溶液として用い、98℃で20秒、68℃で2分の30サイクルのPCRによって、シークエンス用プライマーがアニールする部位を含む挿入断片全長を増幅した。得られたDNA断片は、サンガー法の鋳型として用い、M13ユニバーサルプライマーあるいはM13リバースプライマーと、Perkin Elmer社製PRISM Dye−Terminatorシークエンシングキットを用いて、キットに添付の説明書に従ってシークエンス反応を行った。シークエンス反応産物は、ゲルろ過法などを用いて未反応のDye−terminatorを除去した後、Perkin Elmer社製3700DNA Sequencerを用いて、DNA断片の塩基配列を解読した。3700DNA Sequencerによって出力された波形データは、Phred(Phil Green)で再解析し、ベクター及びアダプター配列を除去した後、SPS Phrap(Southwest Paraliel Software社)を使用してアッセンブルし、麹菌ゲノムDNA塩基配列のコンティグを構築した。
<実施例2>
[遺伝子の特定]
ゲノムDNA塩基配列からの遺伝子の特定については、以下の手法を用いた。遺伝子の特定手法は、ゲノムDNA塩基配列のコンティグに対し、すでに取得したESTの配列情報、既知のタンパク質アミノ酸配列データベースとの相同性情報を考慮しながら、浅井潔らによるアルゴリズム(Pacific Symposium on Biocomputing 98,228−239.)に基づく遺伝子領域予測システムGeneDecoderと後藤修によるアルゴリズム(Bioinformatics2000 16:190−202.)に基づく遺伝子領域予測システムALNを組み合わせて用いた。また、tRNA遺伝子の予測はtRNA−scanを用いた。
第1『BLAST相同性遺伝子候補領域の抽出』
ゲノムDNA塩基配列のコンティグから既知のタンパク質アミノ酸配列と高い相同性をもつ領域を抽出する。アミノ酸配列の相同性はKarlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc.Natl.Acad.Sei.USA87:2264−2268,1990、Proc.Natl.Acad.Sei.USA90:5873−5877,1993)によって決定することができるが、このアルゴリズムに基づいて、BLASTXと呼ばれるプログラムが開発されており(Altschul et al.J.Mol.Biol.215:403−410,1990)、ゲノムDNA塩基配列がアミノ酸配列に翻訳された場合に相同性が高い領域を直接検索することができる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。本手法では、ゲノムDNA塩基配列のコンティグを問い合わせ配列、SWISSPROTバージョン39(Bairoch,A.& Apweiler,R.Nucleic Acids Res.28,45−48(2000).)およびNRaaをデータベースとしてBLASTXの検索を行い、BLASTアルゴリズムにおける相同性の指標であるE−valueで10−30以下の値を持つ(E−valueは値が低いほど相同性が高いことを示す)領域を抽出する。これらの領域から、より相同性の高い部分を優先させるようにして、互いに重ならないBLAST相同性遺伝子候補領域を抽出する。
第2『ALN遺伝子候補領域の抽出』
BLAST相同性遺伝子候補領域のうち、相同性の対象となるタンパク質アミノ酸配列の全長の90%以上の領域に対して相同性をもつものを核として、コンティグ配列に対して遺伝子領域予測システムALNを適用してALN遺伝子候補領域を抽出する。ALNは、相同性の対象となるタンパク質アミノ酸配列の全長を、コンティグに対して整列させながらスプライス部位を特定することにより、遺伝子領域を予測する。
第3『GD相同性遺伝子候補領域の抽出』
BLAST相同性遺伝子候補領域のうち、相同性の対象となるタンパク質アミノ酸配列の残長の20%以上90%未満の領域に対して相同性を持つものを核として、コンティグ配列に対して遺伝子領域予測システムGeneDecoderを適用してGD相同性遺伝子候補領域を抽出する。GeneDecoderは、BLASTXのE−valueと、タンパク質コード領域の指向性の指標である2連コドン統計量を統合し、さらにスプライス部位の位置依存1次マルコフモデルによるスコアを考慮して遺伝子領域を予測する。
第4『EST−GD遺伝子候補領域の抽出』
コンティグ配列に対応したESTによって遺伝子発現が確認されている領域については、その付近のコンティグ配列にGeneDecoderを適用することにより、EST配列によって決定される遺伝子領域のみならず、遺伝子領域全体を予測し、EST−GD遺伝子候補領域とする。
第5『一般GD遺伝子候補領域の抽出』
第1から第4までの遺伝子候補領域に含まれないコンティグ配列に対しては、GeneDecoderを適用することにより、遺伝子領域を予測する。
第6『tRNA遺伝子候補領域の抽出』
tRNA−scanを全コンティグに適用することにより、tRNA遺伝子候補領域を抽出する。
第7『遺伝子候補領域の統合』
以下の手順により、第2から第6までの遺伝子候補領域を統合する。まず、第2から第6までの遺伝子候補領域のうち、ESTによって決定されるスプライス部位と矛盾した遺伝子領域を予測するものは取り除かれる。残った遺伝子候補領域を、互いに重なるものを取り除くことによって統合する。その際、tRNA、ALN相同性遺伝子候補領域、GD相同性遺伝子候補領域、GD−EST遺伝子候補領域、一般GD遺伝子候補領域の順で優先させて統合する。この統合された遺伝子候補領域を、予測遺伝子のセットとする。
以上の手順により、相同性の観点からは、既知タンパク質の全長にわたって相同性をもつ遺伝子、既知タンパク質と部分的に相同性をもつ遺伝子、既知タンパク質と相同性をもたない遺伝子がこの順に従った信頼性で特定されることが保証される。また、発現の確認の観点からは、ESTで発現が確認されている遺伝子、ESTで発現が確認されていない遺伝子の順に従った信頼性で特定され、また、すべての候補遺伝子がESTによって特定されるスプライス部位と矛盾しないことが保証される。
用いられた手法はすべて終始コドンをタンパク質コード領域中に含むことを許さないアルゴリズムを採用しており、偽遺伝子を遺伝子として予測する可能性は少ない。
機能決定に関しては、予測された遺伝子領域に対して、NraaをデータベースとするBLASTによる相同性検索を行い、機能を特定するために十分な相同性(E−valueで10−30)を閾値として機能を決定した。
<実施例3>
[リシルオキシダーゼをコードする配列の検索]
実施例2の結果、麹菌ゲノムDNAの中から特定の機能を有する配列(機能配列)が予測、抽出された。これら機能配列の中でタンパク質をコードしていると予想される配列の全てを対象として、NCBIが提供するBLASTサーチ(Standard protein−proteinBLAST:blastp)を用い、ピキア・パストリス(Pichia Pastoris)由来リシルオキシダーゼ遺伝子と相同性の高い領域を検索した。その結果、ピキア・パストリス(Pichia Pastoris)由来リシルオキシダーゼ遺伝子と相同性の高い領域を配列番号24で示される配列内(当該配列は先の出願において配列番号36845として示された配列(配列番号8)を包含する)に見出すことに成功した。そこで、当該領域の機能を解析する目的、及び当該領域がコードするタンパク質のアミノ酸配列を同定する目的の下、以下に示す種々の実験を行った。
<実施例4>
[染色体遺伝子の取得]
アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)RIB−40株をポテトデキストロース培地(Difco社)100mlを入れた坂口フラスコを用いて30℃一晩培養した後、ブフナー漏斗及びヌッチェ吸引瓶を用いて培養液をろ過し、菌体を得た。水300mlを用いて菌体を洗浄し、−80℃で凍結後、凍結乾燥させた。その結果得られた重量約0.3gの菌体を薬匙1杯の海砂とともに乳鉢、乳棒を用いて破砕し、TE(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA)溶液8mlに懸濁した。そこへ4mlの10%SDS水溶液を加え、激しく攪拌した。続いて等量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)溶液を加えて攪拌した後、遠心分離(1,500g、5min、室温)して上清を得た。この上清に20mg/mlのプロテイナーゼK(Roche社)を含むTE溶液100μlを加えて攪拌し、37℃、30分間インキュベートした。その後再び等量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール溶液を加えて攪拌した後、遠心分離(1,500g、5min、室温)を行い、その結果得られた上清に等量のイソプロパノールを穏やかに加えた。この処理によって界面に析出した染色体DNAをパスツールピペットで巻き取り、70%エタノールで洗浄し、風乾した。このようにして得られた染色体DNAを再びTE3mlに溶解し、10mg/ml RNase A(SIGMA社)100μlを加えた後、37℃、30分間インキュベートした。次いで、20mg/mlプロテイナーゼK溶液25μlを加えて37℃、30分間インキュベートした後、等量のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)溶液を加えた。攪拌後、遠心分離(1,500g、5min、室温)を行い上清を得た。この洗浄操作を2回繰り返した後、得られた上清に等量のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)溶液を加えて攪拌し、その後遠心分離(1,500g、5min、室温)を行った。その結果得られた上清に対して、その1/10容量の3M NaOAc(pH4.8)と2倍容量のエタノールを加えて−80℃で冷却することにより染色体DNAを析出させた。析出した染色体DNAを遠心処理(1,500g、5min、室温)により回収した。回収された染色体DNAを70%エタノールで洗浄した後、真空乾燥させ、最後に300μlのTE溶液に溶解して濃度約1mg/mlの染色体DNA溶液を得た。
<実施例5>
[コロニーハイブリダイゼーションのプローブ作製]
実施例1で得られた麹菌ゲノムDNAコンティグの配列情報をもとに、制限酵素BalI断片(配列番号24)中に存在し、目的の遺伝子(推定リシルオキシダーゼ遺伝子)領域の一部を含むゲノムDNA断片を増幅させるプライマー対を以下の様に設計した。
Figure 0004205589
このプライマー対を用いてPCR反応を行った。尚、反応液の組成は以下のとおりとした。
滅菌水: 36.75μl
Pyrobest DNA Polymerase用 10xバッファー: 5μl
2.5mM dNTP溶液: 4μl
10pmol/μl LO−2: 1μl
10pmol/μl LOR−2: 1μl
60ng/μl RIB40染色体DNA: 2μl
5U/μl Pyrobest DNA Polymerase(宝酒造社): 0.25μl/50μl
上記反応液にミネラルオイル50μlを滴下しPEバイオシステム社GeneAmpTMPCR System PJ9600を用い、以下の条件でPCRを実施した。
(1)94℃で1分間、(2)94℃で30秒間、50℃で30秒間、及び72℃で2分間のサイクルを30サイクル、(3)4℃で放置。
PCR反応の結果、約900bpのDNA断片が特異的に増幅し、アガロースゲル電気泳動後GeneCleanIII(BIO 101社)を用いて増幅DNA断片を抽出した。抽出したDNA断片をpUC19にサブクローンした後、挿入DNA断片をDIG High Prime(Roche社)を用いてDIG標識し、推定リシルオキシダーゼ遺伝子のプローブとした。
<実施例6>
[コロニーハイブリダイゼーション]
実施例4で得られた染色体DNA40μgを制限酵素BalI(宝酒造社)50Uを用い37℃で完全消化した後、アガロース電気泳動により鎖長9.1kbpのDNA断片を切り出し、続いてGeneCleanIII(BIO 101)を用いて抽出し、ライブラリー作製の為のインサートとした。一方、pUC19をSmaI(宝酒造社)80Uで完全消化(30℃で一晩インキュベート)した後、アルカリフォスファターゼ(宝酒造社)を用いて脱リン酸化し、ライブラリー作製の為のベクターとした。以上のようにして調製したインサートDNA及びベクターDNAをLigation Kit ver.2(宝酒造社)を用いてライゲーションし、これを用いて大腸菌DH5株コンピテントセル(TOYOBO社)を形質転換した。アンピシリン耐性形質転換株を、LAプレート(アンピシリン(SIGMA社)100μg/ml)一枚あたり約200個のコロニーが形成されるように撒き、37℃で一晩インキュベートしてコロニーを生育させた。生育した総計約4,000のコロニーをNylon Membranes for Colony and Plaque Hybridization(Roche社)にリフトし、メンブレン上にDNAを固定化した。実施例5で作製したプローブを用いてコロニーハイブリダイゼーションを行いDIG Nucleic Acid Detection Kit(Roche社)を用いて強いシグナルを示すコロニーを検出した。コロニーハイブリダイゼーションの結果選択されたクローンが保持するプラスミドをpULOと名づけ、推定リシルオキシダーゼ遺伝子を含むプラスミドとした。尚、以上の各操作は、使用した試薬又はキットに添付のプロトコールに従って行った。
<実施例7>
[推定リシルオキシダーゼ遺伝子を含むクローンの塩基配列解析]
実施例1〜3によって明らかとなった、リシルオキシダーゼをコードすると予想される領域を含む配列(配列番号24:BalI断片(当該配列は推定プロモータ領域及び推定ターミネータ領域を含む))の情報をもとに、以下の合成プライマー10種を作製し、これらを用いてクローンpULOのインサートの塩基配列を決定した。Sequence反応はBigDyeTM Terminator Cycle Sequencing FS Ready Kit VER.2(アプライド・バイオシステムズ社)を用い、解析はABI PRISM 310シークエンサー(アプライド・バイオシステムズ社)を使用した。
Figure 0004205589
決定された塩基配列の一部は、配列番号8に示される配列(推定リシルオキシダーゼの構造遺伝子並びにプロモータ及びターミネータを含む配列)と完全に一致した。従って、プラスミドpULOは配列番号8に示される配列(リシルオキシダーゼの推定プロモータ、推定構造遺伝子、推定ターミネータを含む配列)を完全にカバーするDNA断片を保持していることが判明した。
<実施例8>
[発現ベクターpBALOの構築]
次に、3μgのpULOを制限酵素BglII(宝酒造社)で消化し、約7.0kbpのDNA断片(配列番号10。以下、「推定リシルオキシダーゼDNA断片」ともいう)を得た。得られたDNA断片の末端をT4 DNA Polymerase(宝酒造社)を用いて末端平滑化しこれをインサートDNAとした。一方、pBluescript II KS(+)のSalI−XhoIサイトにアスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)由来のArgB遺伝子を挿入した発現ベクターpBAR75μgをSmaI(宝酒造社)80Uを用いて完全消化(30℃で一晩インキュベート)した。その後、Alkaline Phosphatase(宝酒造社)を用いて脱リン酸化し、ベクターDNAとした。以上のようにして調製したインサートDNAとベクターDNAをLigation Kit ver.2(宝酒造社)を用いてライゲーションし、これを用いて大腸菌DH5株コンピテントセル(TOYOBO社)を形質転換しアンピシリン耐性形質転換体を得た。得られたクローンの保持するプラスミドをpBALOと名づけ発現ベクターとして用いた(図1)。
<実施例9>
[アスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)への形質転換]
アルギニン要求株であるアスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)ABPU1株(アスペルギルス・ニドランスのオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ遺伝子欠損株)を以下の培地条件で37℃一晩培養した。
<Complete培地>
マルトエキス 20g
グルコース 20g
バクトペプトン 1g
ウリジン 2g
p−アミノ安息香酸 2.5mg
リボフラビン 2.5mg
ピリドキシン 2.5mg
ビオチン 2.5mg
アルギニン塩酸塩 0.55g/L(pH6.5)
上記条件下で培養して得た培養液200mlからガラスフィルター(100μm)を用いて集菌して得られた菌体を以下の組成のプロトプラスト調製液に懸濁した。
滅菌MillQ水 37ml
塩化ナトリウム 1.9g
0.4Mリン酸ナトリウム水溶液(pH5.8) 1ml
1M塩化カルシウム水溶液 0.8ml
ノボザイム234(ノボノルディスク) 150mg/40ml
(セルロース・ニトレイトフィルター(0.45μm)により無菌ろ過)
上記懸濁液を用いて30℃、78rpmの条件下で1時間プロトプラスト化処理を行った。得られたプロトプラスト懸濁液をナイロン製フィルター(230mesh)によりろ過し、ろ液を遠心分離(400g、5min、室温)してプロトプラストを得た。プロトプラストを10mlの0.8M NaClを用いて洗浄後、再び遠心分離(400g、5min、室温)し、次いで10mlの0.8M NaCl−50mM CaClを用いて洗浄後、遠心分離(400g、5min、室温)し、得られたプロトプラストの沈殿を200μlの0.8M NaCl−50mM CaClに懸濁し、プロトプラスト液とした。顕微鏡による観察によりプロトプラスト濃度を算出した。約2x10/mlに希釈したプロトプラスト懸濁液を用いて以下の手順で形質転換を行った。50μlプロトプラスト懸濁液に5μlのpBALO溶液(3μg/μl)を加え懸濁後、12.5μlのPEG溶液(25%PEG6000、50mM CaCl、10mM Tris−HCl(pH7.5))を加え更に懸濁し、そのまま氷中に20分間静置した。次いで500μlの25%PEG6000、50mM CaCl、10mM Tris−HCl(pH7.5)を加えて再び懸濁し、氷中に5分間静置した。最後に1mlの0.8M NaCl−50mM CaClを加えて懸濁し、懸濁液0.5mlをシャーレに入れた後、以下に示す再生培地を注ぎプレートとして固化させた。37℃で3日間から4日間インキュベート後、生育した形質転換体を以下に示す最少培地で単菌分離し、推定リシルオキシダーゼDNA断片が導入された形質転換株を得た。
<再生培地>
硝酸ナトリウム 6g
リン酸−カリウム 1.52g
塩化カリウム 0.52g
ソルビトール 218.6g
ウリジン 2.0g
p−アミノ安息香酸 2.5mg
リボフラビン 2.5mg
ピリドキシン 2.5mg
ビオチン 2.5mg
寒天 20g/L(pH6.5)
(以下については滅菌(121℃ 20min)後に添加)
50%グルコース 20ml
5.2%硫酸マグネシウム・7水和物 10ml
<最少培地>
硝酸ナトリウム 0.85g
リン酸−カリウム 1.525g
塩化カリウム 0.525g
Trace element 1.5ml
ウリジン 2g
p−アミノ安息香酸 2.5mg
リボフラビン 2.5mg
ピリドキシン 2.5mg
ビオチン 2.5mg
寒天 15g/L(pH6.5)
(以下については滅菌(121℃ 20min)後に添加)
50%グルコース 20ml
5.2%硫酸マグネシウム・7水和物 10ml
【0055】
<トレイス・エレメント>
4ほう酸ナトリウム・10水和物 40mg
硫酸銅・5水和物 0.4g
硫酸鉄・7水和物 1.6g
硫酸マンガン・4水和物 0.8g
モリブデン酸ナトリウム・2水和物 0.8g
硫酸亜鉛・7水和物 8g/L
<実施例10>
[形質転換体の培養]
形質転換体を以下に示す培地条件で30℃、3日間振盪培養した。
<SPY培地+ヴィタミン類>
デンプン 30g
ポリペプトン 10g
イーストエキストラクト 5g
塩化カリウム 2g
リン酸カリウム 1g
アルコール醗酵かす 0.1g
ウリジン 2g
p−アミノ安息香酸 2.5mg
リボフラビン 2.5mg
ピリドキシン 2.5mg
ビオチン 2.5mg
(以下については滅菌(121℃ 20min)後に添加)
5.2%硫酸マグネシウム・7水和物 10ml/L(pH6.5)
上記条件下で培養した培養培地10mlを遠心分離(2,400g、10min、4℃)し、培養上清を得た。
<実施例11>
[リシルオキシダーゼの酵素活性測定]
得られた各培養上清を用いて、以下の手順でリシルオキシダーゼ活性を測定した。コントロールには、形質転換を行っていないアスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)ABPU1株を、上記の培地にアルギニン塩酸塩を濃度0.55g/Lまで添加した培地で同様に培養して得られた培養上清を用いた。
リシルオキシダーゼの活性は、基質リジンがリシルオキシダーゼにより酸化されて生ずるアリシンとリジンとが重合して生ずるダイマーの生成量より求めた。リジンダイマー量はLC−MS(Agilent社)を用いて測定した。
まず、各培養上清(粗酵素サンプル)を用いて以下の反応液を調製した。
0.1Mリン酸カリウムバッファー(pH7.0) 235μl
1.0Mリジン塩酸塩水溶液 60μl
培養上清 6μl
合計 301μl
各反応液を37℃で保温し、1,2,4,8,24時間毎に30μlずつサンプリングした。サンプリングした反応液を100℃、15分間の熱処理に供して反応を停止させ、その後LC移動相を用いて10倍に希釈して測定用サンプルとした。尚、予め100℃、15分間の熱処理により酵素を失活させた培養上清を使用して同様に処理して得られたものをブランクとして用いた。
各測定用サンプル中のリジンダイマー量の測定にはAgilent1100シリーズLC/MSDシステム(Agilent社)を使用した。分離カラムとしてsupelco ABZ plus(スペルコ社)を用い、Positiveモードにおいてリジンダイマーのピークとして検出される質量電荷比(m/Z)275のピーク面積値からブランクサンプル値を差し引いた値を各サンプルの測定値とした。
測定の結果、いくつかの形質転換体の培養上清を用いたサンプルにおいて、反応時間に比例した測定値の上昇が認められた。即ち、反応時間に比例してリジンダイマー量が増大していることが認められた。反応時間が24時間の測定サンプルを用いた測定結果を図2の表及びグラフに示す。尚、リジンダイマー量の増大が確認されたサンプルの結果のみを抜粋して示した。この表及びグラフから明らかなように、形質転換体LO−3、10、17、26、48の培養上清を用いたサンプルではコントロール(ABPU1株)に比較して6倍以上も高い活性を示した。このことから、これらの形質転換体はリシルオキシダーゼ遺伝子を保持していることが確認された。
以上の結果から、形質転換体の作製に使用した推定リシルオキシダーゼDNA断片がリシルオキシダーゼをコードする領域を含むことが実証された。
<実施例12>
[リシルオキシダーゼ遺伝子転写終結点の決定]
アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)RIB−40株、及び上記の活性測定において最大のリシルオキシダーゼ活性を示した形質転換体LO−3(Aspergillus nidulans・ABPU1)について、実施例10と同様な培養を行い菌体を調製した。得られた各菌体からトリゾール試薬(Gibco BRL社)を用いて全RNAを抽出し、それらを鋳型にして3’−Full RACE Core Set(宝酒造社)を用いて3’DNA断片を増幅した。以下にその際に使用した、リシルオキシダーゼゲノム情報から設計した合成プライマー中の特異的配列を示す。
Figure 0004205589
増幅されたDNA断片の塩基配列を解析した結果、当該DNA断片の塩基配列(配列番号9)は、実施例1〜3によって当初リシルオキシダーゼの構造遺伝子と予想された領域(推定リシルオキシダーゼ構造遺伝子)の塩基配列の一部と一致しており、またポリA配列を有していた。これらの事実から当該DNA断片は、推定リシルオキシターゼ構造遺伝子の3’末端を示すDNA断片である事が解った。これにより、当該推定リシルオキシダーゼ構造遺伝子の転写終結点が明らかとなったが、それは当初の予測よりも3’末端側に位置していた。即ち、以上の結果から得られた構造遺伝子の配列は、当初構造遺伝子として特定された配列とは3’末端領域において異なることが判明した。尚、配列番号3及び配列番号2に、以上の結果に基づいて新たに同定されたリシルオキシダーゼの構造遺伝子及びアミノ酸配列をそれぞれ示す。
<実施例13>
[3’側領域を欠失させたインサートDNAを保持する発現ベクターの構築]
実施例12の結果より、発現ベクターpBALOに挿入された約7.0kbpのインサートDNAにはリシルオキシダーゼ活性に不要な領域がその3’領域に存在することが明らかとなった。そこで、リシルオキシダーゼ活性に必要とされる領域を絞り込むことを目的として、前記インサートDNAの3’側の一部を欠失させたインサートDNA(以下、「欠失インサートDNA」という)を保持する発現ベクターを次のように構築した。3μgのpBALOを制限酵素AccIII、AflII(宝酒造社)で消化し、発現に不要と考えられる約2.2kbpの3’側領域と、欠失インサートDNAを含む約9.4kbpのベクター断片とに分断した。そしてベクター断片のみを抽出し、その末端をT4 DNA Polymerase(宝酒造社)で末端平滑化した後、Ligation Kit ver.2(宝酒造社)を用いてセルフライゲーションさせた。このようにして得られた発現ベクターを用いて大腸菌DH5株(TOYOBO社)を形質転換し、アンピシリン耐性形質転換体を選択した。選択されたクローンの保持するプラスミドをpBALO−Dと名づけ新たな発現ベクターとして以降の実験に用いた(図4)。
<実施例14>
[形質転換体の取得とリシルオキシダーゼ活性の測定]
実施例9〜11と同様の手順で、pBALO−Dを導入した形質転換体のリシルオキシダーゼ活性を測定した。反応時間が8時間の測定用サンプルを用いた測定結果を図5に示す。尚、リジンダイマー量の増大が確認されたサンプルの結果のみを抜粋して示した。これらの表及びグラフから明らかなように、実施例11の結果と同様にコントロール(ABPU1株)に比較して5倍以上も高い活性を示す形質転換体LOD−9、16が得られた。この結果から、pBALO−Dはリシルオキシダーゼ遺伝子を発現可能な状態に保持していることが確認された。したがって、pBALO−Dが保持する欠失インサートDNA(配列番号1)はリシルオキシダーゼ遺伝子の発現に必要な配列を有していることが判明した。以上のように、本実施例によってリシルオキシダーゼ遺伝子を発現させるのに必要な最小領域が更に特定された。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、糸状菌由来のリシルオキシダーゼ及びそれをコードするDNAが提供される。本発明のDNAを利用すれば、安全性の高い糸状菌を用いたリシルオキシダーゼの生産系が構築される。
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
図1は、ベクターpBALOの構築手順を模式的に示した図である。
図2は、ベクターpBALOで形質転換した糸状菌を用いたリシルオキシダーゼ活性測定の結果をまとめた表(上段)及びグラフ(下段)である。ABPU1はコントロール(アスペルギルス・ニドランスABPU1株の培養上清を用いたサンプル)を表す。
図3は、リシルオキシダーゼ遺伝子を保持する形質転換体から抽出したRNAを鋳型とし、当該遺伝子に特異的なプライマーを用いて増幅した3’DNA断片の配列である。下線部は使用したプライマー(LO−3’)の位置を示す。
図4は、ベクターpBALO−Dの構築手順を模式的に示した図である。
図5は、ベクターpBALO−Dで形質転換した糸状菌を用いたリシルオキシダーゼ活性測定の結果をまとめた表(上段)及びグラフ(下段)である。ABPU1はコントロール(アスペルギルス・ニドランスABPU1株の培養上清を用いたサンプル)を表す。

Claims (6)

  1. 以下の(a)又は(b)のタンパク質からなるリシルオキシダーゼ:
    (a)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質;
    (b)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、全アミノ酸の1%に相当する数のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/又は挿入されてなるアミノ酸配列からなり、リシルオキシダーゼとして機能するタンパク質。
  2. 以下の(A) DNA:
    (A)請求項1に記載のリシルオキシダーゼをコードするDNA。
  3. 以下の(i)〜(vi)のいずれかの配列からなるDNA:
    (i)配列番号3で示される塩基配列;
    (ii)配列番号4で示される塩基配列;
    (iii)配列番号5で示される塩基配列;
    (iv)配列番号6で示される塩基配列;
    (v)配列番号1で示される塩基配列;
    (vi)配列番号7で示される塩基配列。
  4. 請求項2又は3に記載のDNAを保持するベクター。
  5. 請求項2又は3に記載のDNAが外来的に導入されている糸状菌。
  6. 以下の(1)及び(2)のステップを含む、リシルオキシダーゼの生産方法:
    (1)請求項5に記載の糸状菌を、前記DNAのコードするタンパク質が産生可能な条件で培養するステップ;及び
    (2)産生されたタンパク質を回収するステップ。
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