JP2977245B2 - ねり製品の製造法とその製品 - Google Patents

ねり製品の製造法とその製品

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、食塩含有量が少なく、且つ優れた食感及び
味をもつ食肉魚肉のねり製品の製造法とその製品に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、食塩の摂取量過多が高血圧、脳卒中、心臓病、
腎不全等の成人病に悪影響を及ぼすことが指摘されてい
る。ハム、ソーセージ、蒲鉾等の食肉及び魚肉ねり製品
は優れた蛋白質食品であるにもかかわらず、食塩含有の
高い食品に挙げられていることから、食塩含量をできる
だけ下げたねり製品の製造技術が研究され報告されてい
る。例えば、塩摺剤として食塩の代わりに塩化カリウ
ム、硫酸マグネシウム(特公昭61−13792号公報)や塩
化カルシウム、塩化マグネシウム(特公昭60−28254号
公報)、また乳中のカリウム画分(特公昭63−173559号
公報)を使う方法、また、食塩を添加して通常法で作っ
たねり製品を湯に浸漬して塩抜きする方法(特公昭61−
279716号公報、特公昭62−282570号公報)等が報告され
ている。
また一方、生体中ではリジルジオキシダーゼ等の蛋白
質間架橋酵素が生物組織中のゲル構造を強化するために
働いていることが良く知られている。また更に、一般的
な化学薬剤の中にも、蛋白質間を架橋させてゲルを強化
する物質として水溶性カルボイミド、イリドイド化合
物、グルタルアルデヒド等が知られている。また蛋白質
間にS−S結合をつくらせる働きをもつ臭素酸カリウム
のような酸化剤が蛋白質ゲルの強度を高めることも知ら
れている。更に、これらの各物質を食品ゲルに応用する
研究も進められている(食品加工技術10巻1号頁80〜8
7、1990、J:Arch.Biochem.Biophys.,192,100(197
9))。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、ナトリウム塩以外の上記各金属塩を塩
摺剤として使用する方法は、エグ味や苦み等それぞれの
金属塩が持つ特有の味がねり製品に付いてしまい、それ
を除くことが難しく、また、塩抜きによる方法は、食塩
と同時に肉糊に含まれているアミノ酸等の旨味成分まで
除かれてしまい、また食感がふやけたものになる。
一方、蛋白質間に架橋を作る上記各方法は、ゼラチ
ン、カゼイン、大豆蛋白質のように水と混合するだけで
均質な溶液を作ることができる蛋白質原料の場合には、
そのまま添加するだけで弾力のあるゲルを作ることがで
きるが、ねり製品の原料となる筋肉蛋白質の場合には、
2.3%以上の食塩を添加してイオン強度を上げないと筋
原繊維蛋白質が溶け出さないため、2.3%より少ない食
塩添加量では蛋白質架橋物質を添加しても滑らかな食感
及び高い弾力を得ることはできない。従って、従来既存
のねり製品の製造技術では、食塩濃度が低く、且つ食
感、味共に優れた減塩ねり製品を作ることはできないと
いう課題があった。
従って、本発明の目的は、食塩濃度が低く、且つ食
感、味共に優れたねり製品の製造法とその製品を提供す
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、食塩濃度は低く、且つ食感、味共に優
れたねり製品の製造法について種々検討していた結果、
蛋白質間架橋酵素であるジルオキシダーゼ、蛋白質間架
橋剤、SH基架橋酸化剤のいずれか一つ、あるいはこれら
を適宜選択して特定量添加することにより上記目的を達
成し得ることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、食肉
又は魚肉蛋白質1g当りリジルオキシダーゼを10〜1×10
12U含有させ、更に該蛋白質に食塩を0.005〜2重量%添
加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気処理を行うことを特
徴とするねり製品の製造法(第1の方法)を提供するも
のである。
また、本発明は、食肉又は魚肉蛋白質に蛋白質間架橋
剤を0.005〜0.5重量%含有させ、更に該蛋白質に食塩を
0.005〜2重量%添加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気
処理を行うことを特徴とするねり製品の製造法(第2の
方法)を提供するものである。
また、本発明は、食肉又は魚肉蛋白質にSH基架橋酸化
剤を0.005〜0.5重量%含有させ、更に該蛋白質に食塩を
0.005〜2重量%添加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気
処理を行うことを特徴とするねり製品の製造法(第3の
方法)を提供するものである。
また、本発明は、食肉又は魚肉蛋白質に、上記リジル
オキシダーゼ、上記蛋白質間架橋剤及び上記SH基架橋酸
化剤から選択された少なくとも二種の混合物を0.005〜
0.5重量%含有させ、更に該蛋白質に食塩を0.005〜2重
量%添加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気処理を行うこ
とを特徴とするねり製品の製造法(第4の方法)を併せ
て提供するものである。
また更に、本発明は、上記製造法のいずれか一つによ
って製造される食肉又は魚肉のねり製品(第5発明)を
提供するものである。
以下、本発明について詳述する。
本発明の第1方法に用いられるリジルオキシダーゼ
は、蛋白質間を架橋する酵素であり、本発明方法では、
このリジルオキシダーゼを食肉又は魚肉蛋白質1g当り10
〜1×1012U、好ましくは100〜1×1010U含有させる。
リジルオキシダーゼが食肉又は魚肉1g当り10U未満では
ねり製品としての弾性を得難く、また、1×1012Uを超
えると蛋白質の架橋反応が極めて速いばかりなく、撹
拌、成型等の加工操作が困難になる虞がある。尚、リジ
ルオキシダーゼの酵素活性(U)はKarganとSillivanの
活性測定法(Methods in Enzymology,82,637(1982))
によるものである。
また、本発明の第1方法では、上記食肉又は魚肉蛋白
質に食塩を0.005〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量
%添加する。この添加量は、食味や栄養設計上必要な最
少量である。但し、この添加量では筋原繊維蛋白質が溶
出するイオン強度には遠く及ばず、筋肉蛋白質の溶解性
が不十分であるが、後述する脱気処理によって架橋反応
が製品全体で均質に進み、滑らかで均質な物性を得るこ
とができる。一方、ねり製品のゲルを形成する本体であ
る魚肉の筋原繊維蛋白質は、通常、イオン強度0.4(食
塩の場合約2.3%に相当)程度の塩濃度にならないと溶
け出さないことが知られており(“魚肉ねり製品”頁35
岡田他編、恒星社厚生閣出版1981)、市販のねり製品に
は、これに適合させた2.5〜3重量%の食塩に相当する
高濃度のナトリウムが含まれている(四訂、日本食品標
準成分表頁317科学技術庁1982)。従って、従来の斯る
事実からも本発明によるねり製品の製造法が、食塩によ
って筋原繊維蛋白質を溶かし出す従来の方法や単に蛋白
質架橋物質を添加する方法と異なり、食塩が低濃度であ
っても脱気処理を組み合わせることによって弾力が高く
且つ優れた食感及び味をもつ食肉魚肉のねり製品を得る
ことができ、新規な技術であることが判る。
また、擂潰時に行うこの脱気処理は、好ましくは真空
度300〜760mmHg、より好ましくは500〜760mmHgで0.5〜2
0分間擂潰時に行い、この脱気処理を組み合わせること
により食塩の添加量を上述のように格段に低下させるこ
とができる。この脱気処理は、回転刃、撹拌杵等の混合
器具と真空ポンプ等による脱気装置を組合せた市販の真
空擂潰機を使用することによって行うことができる。こ
の脱気、擂潰条件は、Robot Coupe社製のR−8型真空
擂潰機のように高速回転刃を付けた脱気擂潰機を用いた
場合には、真空度400〜760mmHgで0.5〜5分間、通常2
分間程度の処理時間で十分所期の食感を得ることができ
る。
また、本発明の第1の方法に用いられる食肉として
は、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ等の哺
乳類、ニワトリ、カモ、ウズラ等の鳥類、わに等の爬虫
類の肉が挙げられる。また、本発明方法に用いられる魚
肉としては、いわゆる生物分類学上の魚類、例えば、ス
ケトウダラ、シログチ、アジ、カレイ等の硬骨魚類、サ
メ、エイ等の軟骨魚類、及びイカ、タコ、貝類等の軟体
動物が挙げられる。また、上記食肉、魚肉の形態及び種
類は、使用目的に応じて決めれば良く、具体的には精
肉、すり身、落とし身、フィレー、凍結乾燥肉粉末等が
挙げられる。これらの肉素材に、蛋白質間架橋形成、脱
気処理、少量の食塩の作用を受けさせる。
また、本発明方法では、一般のねり製品に含有されて
いる卵白、大豆蛋白質、グルテン、澱粉、リン酸塩等を
その原料に添加して製造しても弾力の改良、硬化には、
何ら悪影響を与えることがなくねり製品を製造すること
ができる。
また、本発明の第2の方法では、食肉又は魚肉蛋白質
に蛋白質間架橋剤を0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01
〜0.3重量%含有させる以外は上記第1の方法と同様の
条件である。含有量が0.005重量%未満では弾力改善効
果が少なく、また、0.5重量%を超えると架橋反応が極
めて速いばかりなく、撹拌、成型等の加工操作が困難に
なる虞れがある。上記蛋白質間架橋剤は、通常、蛋白質
の架橋、固定あるいはペプチド合成に使われる薬剤であ
り、このような蛋白質間架橋剤としては、例えば、塩酸
1エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド、フェニルメタンスルフェニルフルオライド、
フェニルジスルフェニルクロリド、グルタルアルデヒ
ド、ゲニビン等が挙げられる。
また、本発明の第3の方法では、食肉又は魚肉蛋白質
にSH基架橋酸化剤を0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01
〜0.3重量%含有させる以外は上記各発明方法と同様の
条件である。この含有量を逸脱すると上記リジルオキシ
ダーゼ、蛋白質間架橋物質と同様の結果を招く虞れがあ
り好ましくない。上記SH基架橋酸化剤としては、例え
ば、臭素酸カリウム、ジビニルスルフォン、赤血塩、ヨ
ウド等が挙げられる。
また、本発明の第4の方法では、食肉又は魚肉蛋白質
に上記リジルオキシダーゼ、上記蛋白質間架橋剤及び上
記SH基架橋酸化剤から選択された少なくとも二種の混合
物を0.005〜0.5重量%、好ましくは0.01〜0.3重量%含
有させる以外は上記各発明と同様の条件にすることによ
って上記各発明方法と同様の効果を斯することができ
る。上記混合物の含有量は、上記各物質の組み合わせに
よってことなるが、それぞれの混合物は少なくとも上記
範囲にあれば本発明方法によって目的とする食肉又は魚
肉のねり製品を製造することができる。
また、本発明は、上記第1〜第4の方法によって製造
される食肉又は魚肉のねり製品は、上記蛋白質間架橋酵
素(リジルオキシダーゼ)、上記蛋白質間架橋剤及び上
記SH基架橋酸化剤の少なくとも一種と食塩それぞれを上
記各量だけ含有した低食塩濃度で且つ弾力が高く、均質
で品質に優れたねり製品である。
尚、本発明方法に用いられる食肉、魚肉、蛋白質架橋
剤及びSH基間架橋酸化剤は、上述したもの以外のもので
あってもよいことはいうまでもない。
〔作用〕
本発明によれば、食肉又は魚肉蛋白質に、蛋白質架橋
酵素(リジルオキシダーゼ)、蛋白質架橋剤及びSH基間
架橋酸化剤の少なくともいずれか一種を含有させ、更に
該蛋白質に低濃度の食塩を添加した後、擂潰時に脱気処
理することによって、弾力が高く、均質で、食感、味共
に優れたねり製品を製造することができる。
〔実施例〕
次に、下記実施例に基づいて本発明を説明する。尚、
本発明は下記実施例に何ら制限されるものでないことは
いうまもない。
実施例1 (1)脱気処理+LO添加の場合: スケトウダラ冷凍すり身AA級100重量部に対し、子牛
の胸部大動脈からKaganらの方法(Biochem.J.,177,203,
1979)で得られた比活性7.6×105(U/mg蛋白質)の粗製
リジルオキシダーゼ0.05重量部を加え、更に、食塩の濃
度を0〜3重量%まで変えて脱気擂潰処理した6種類の
ケーシング蒲鉾をそれぞれ調製した。この際、脱気擂潰
処理には、Robot Coupe社製R−8型小型真空擂潰機を
使用し真空度750mmHgで2分間行い、更に、30度の温湯
に調製した生カマボコを1時間浸漬し坐らせた後、90
℃、20分間の本加熱を行った。
(2)脱気処理のみの場合: リジルオキシダーゼを添加しないこと以外は(1)と
同一条件でケーシング蒲鉾を調製した。
(3)上記(1)及び(2)で得られたそれぞれの蒲鉾
で作製した試料について、レオメータを用いてそれぞれ
の破断強度(J.S.)を測定し、それぞれの測定結果を第
1図に示した。下記第1図に示す測定結果から以下のこ
とが判った。尚、第1図中リジルオキシダーゼをLOで略
記した。
通常対照の場合: 食塩濃度を1重量%まで変えて調製したそれぞれの加
熱蒲鉾ゲルは、いずれも食塩添加量の増加に伴って徐々
に弾力値が増加するものの、3重量%の食塩を添加した
通常対照のねり製品に比べて明らかに低い弾力値であ
る。
脱気処理のみの場合: の原料に脱気処理を付加すると、いずれの食塩濃度
においても弾力値の上昇が認められるものの増加する値
はいずれも小さい。
LO添加のみ、及び脱気処理+LO添加の場合: 一方、リジルオキシダーゼを0.03重量%添加すると、
通常対照の及びそれに脱気処理を加えたのものより
も明らかに弾力値の上昇が認められ、更に、それぞれに
脱気処理を行った本発明品では弾力値が更に上昇した。
本発明のゲル物性は弾力値が高いだけでなく、脱気処理
を行わなかったものがきめの粗いものであったのに対
し、滑らかで均質なものである。
仮想線との比較: 脱気処理とリジルオキシダーゼを組合せた本発明品の
弾力値(−−●−−)は、それぞれの単独処理によって
得られる値はもとより、それらを単純に加算して得られ
る第1図に示す仮想線(−△−)の値より明らかに高い
値を示した。このことは脱気処理と蛋白質間架橋酵素と
を組合せることによって達成される弾力値の著しい上昇
が単純な加算的なものではなく相乗的であることを示し
ている。
実施例2:笹蒲鉾 (1)スケトウダラSA級冷凍すり身とイトヨリ冷凍す
り身を2:1の割合で混合したもの100重量部に対し、実施
例1で使用したものと同じリジルオキシダーゼ0.03重量
部と50重量%の食塩を含む天然調味料2.0重量部とを加
え、Robot Coupe社製R−8型小型擂潰機を使用し、真
空度750mmHgで2分間擂潰して混練物を得た。次いで、
この混練物を板状の串に刺し、笹の葉状に成型して焼く
ことにより笹蒲鉾(本発明品)を得た。
(2)また、通常のサイレントカッターにより脱気処
理を行わずに擂潰を行い、以下同様にして笹カマボコ
(対照品)を得た。
(3)上記(1)及び(2)によって得られた笹カマ
ボコから以下のことが判った。
リジルオキシダーゼの添加と脱気処理とを組合せた
本発明品は、脱気処理を行わないものに比べ歯ごたえが
良く、均質で、しなやかさが増しており、塩味が少ない
ため多少物足りない味ではあるものの、明らかに食感が
優れている。
また、脱気処理を行わない対照品は、結着力が弱く
て崩れ易く、市販の笹蒲鉾とは全く異質な食感を呈す
る。
更に、本発明品及び対照品について、硬さ、しなや
かさについて5点法による官能評価と、厚さ2mm、幅2mm
に切出したそれぞれの試料片を使って引張り試験を行
い、それぞれの結果を示す下記第1表にによれば、本発
明品は、対照品に比べて硬さ、しなやかさ双方共に評価
がよく、また、引張り強度が強い。
実施例3:ポークソーセージ (1)5mm目で挽いた豚肉100重量部に対し、0.5重量
部のスパイス粉末を加え、Robot Coupe社製R−8型小
型真空擂潰機で脱気処理をせずに2分間混和し、次い
で、蛋白質間架橋剤である塩酸1−エチル−3(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド0.25重量部、50
重量%の食塩を含む天然調味料2.0重量部を加え、真空
度750mmHgで2分間擂潰した。更に、澱粉8重量部、砂
糖0.8重量部、大豆油2重量部、卵白4重量部、砕氷水1
2重量部を加えて2分間擂潰した。練りあげた肉は、ス
タッファーで径14〜22mmの羊腸に詰め、約10cmの長さに
括った。引き続き70度の温油中で15分間加熱して坐らせ
てポークソーセージ(本発明品)を得た。
(2)また、通常のサイレントカッターによって脱気
処理を行わない以外は本発明品と同様にしてポークソー
セージ(対照品)を得た。
(3)上記(1)及び(2)によって得られた各ポー
クソーセージから以下のことが判った。
蛋白質架橋物質の添加と脱気処理を組み合わせた本
発明品は、弾力が強く、歯ごたえが良く、均質でスパイ
スのために塩味が少ないことも気にならず、且つ食感に
優れている。
一方、脱気処理を行わない対照品は、羊腸よってポ
ークソーセージの形態を保っているものの内部は全く結
着力がない。
実施例4:焼チクワ (1)スケトウダラ冷凍すり身FA級とホキ冷凍すり身
を1:1の割合で混合したもの100重量部に対し、SH基架橋
酸化剤である臭素酸カリウム0.03重量部、50%の食塩を
含む天然調味料2.0重量部を加えた後、Robot Coupe社製
R−8型真空擂潰機を使用して真空度750mmHgで2分間
擂潰した。次いで、澱粉2.5重量部、卵白3.0重量部、ミ
リン2.0重量部、氷水20重量部を加えた後、更に20分間
擂潰して混合物を得た。この混合物をローター式焼チク
ワ成型機によって串に巻きつけて40℃で20分間坐らせた
後、あぶり焼きして、小型の焼チクワ(本発明品)を得
た。
(2)また、通常のサイレントカッターで脱気処理を
行わずに擂潰した混練物をローター式焼チクワ成型機に
かけたところ、この混練物は串にきれいに巻きつけるこ
とができず焼チクワとして得ることができなかった。
(3)上記(1)によって得られた本発明品は、塩味
が少なくて多少もの足りない味ではあるものの弾力があ
り、食感の優れたものであることが判った。
実施例5:さつま揚 (1)スケトウダラ陸上すり身とアジ冷凍すり身を1:
1の割合で混合したもの100重量部に対し、実施例1と同
じリジルオキシダーゼ0.02重量部、蛋白質間架橋剤であ
る塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド0.015重量部、SH基架橋酸化剤であ
る臭素酸カリウム0.02重量部、澱粉3.0重量部、卵白3.0
重量部、50%の食塩を含む天然調味料2.0重量部、でき
るだけ架橋反応を抑えるための氷50重量部をそれぞれ加
え、Robot Coupe社製R−8型小型真空擂潰機を使用
し、真空度750mmHgで2分間擂潰して混練物を得た。こ
の混練物を乾燥サクラエビ、細かく切断したニンジン、
ゴボウを混入して成型し、室温で30分間放置後、160℃
で湯渫してさつま揚(本発明品)を得た。
(2)また、通常のサイレントカッターによって脱気
処理を行わずに擂潰を行う以外は同様にしてさつま揚
(対照品)を得た。
(3)本発明品及び上記対照品について、硬さ、しな
やかさ、具の保持常態及び外観(表面色)について5点
法で官能評価を行い、それぞれの結果を下記第2表に示
した。そして、下記第2表に示す結果によれば、脱気処
理を行った本発明品は、弾力が強く、歯ごたえがあり、
ニンジン等の具が蒲鉾ゲルで良く保持されていたのに対
し、脱気処理を行わない対照品は、高温油によって蛋白
質の表面に皮膜が形成されるため、さつま揚の形は保た
れてい4たものの、弾力に劣り、具も保持されていない
ものであることが判った。
〔発明の効果〕 本発明のねり製品の製造法によれば、食肉又は魚肉蛋
白質に、蛋白質架橋酵素(リジルオキシダーゼ)、蛋白
質架橋剤及びSH基間架橋酸化剤の少なくともいずれか一
種を含有させ、更に擂潰時に脱気処理を組み合わせるだ
けで、食塩濃度が低く、且つ食感、味共に優れた食肉又
は魚肉のねり製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は蛋白質架橋酵素と脱気処理を組み合せることに
よって食塩含量が少ないにもかかわらず、著しく弾力を
高めることを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−203165(JP,A) 特開 平2−100653(JP,A) 特開 昭60−221059(JP,A) 特開 平2−135071(JP,A) 特開 昭55−48370(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/317 A23L 1/325 A23L 1/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食肉又は魚肉蛋白質1g当りリジルオキシダ
    ーゼを10〜1×1012U含有させ、更に該蛋白質に食塩を
    0.005〜2重量%添加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気
    処理を行うことを特徴とするねり製品の製造法。
  2. 【請求項2】食肉又は魚肉蛋白質に蛋白質間架橋剤を0.
    005〜0.5重量%含有させ、更に該蛋白質に食塩を0.005
    〜2重量%添加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気処理を
    行うことを特徴とするねり製品の製造法。
  3. 【請求項3】食肉又は魚肉蛋白質にSH基架橋酸化剤を0.
    005〜0.5重量%含有させ、更に該蛋白質に食塩を0.005
    〜2重量%添加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気処理を
    行うことを特徴とするねり製品の製造法。
  4. 【請求項4】食肉又は魚肉蛋白質に、上記リジルオキシ
    ダーゼ、上記蛋白質間架橋剤及び上記SH基架橋酸化剤か
    ら選択された少なくとも二種の混合物を0.005〜05重量
    %含有させ、更に該蛋白質に食塩を0.005〜2重量%添
    加した後、該蛋白質の擂潰時に脱気処理を行うことを特
    徴とするねり製品の製造法。
  5. 【請求項5】請求項(1)〜(3)記載の何れか一つの
    方法によって製造されたことを特徴とするねり製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7348170B2 (en) 2001-12-27 2008-03-25 Amano Enzyme Inc. Fungus-origin lysyl oxidases

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