JPH0616691B2 - 熟成風味を有する肉製品の製造法 - Google Patents

熟成風味を有する肉製品の製造法

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JPH0616691B2
JPH0616691B2 JP61273683A JP27368386A JPH0616691B2 JP H0616691 B2 JPH0616691 B2 JP H0616691B2 JP 61273683 A JP61273683 A JP 61273683A JP 27368386 A JP27368386 A JP 27368386A JP H0616691 B2 JPH0616691 B2 JP H0616691B2
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和郎 井上
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、長期間熟成させた場合と同様の風味を有する
肉製品の製造法に関する。
従来の技術 従来、肉製品の製造工程における熟成は、肉を低温に長
時間保存することにより、肉に本来内在しているプロテ
アーゼ、ペプチダーゼの酵素作用により肉中における呈
味性を有するペプチド並びに遊離アミノ酸の量を増加さ
せるために行われるものであつて、これにより風味の良
好な熟成肉製品が得られる。
しかし、このような肉の熟成には非常に長い時間を要す
るという問題があり、したがつて、熟成味を有する肉製
品を短期間に大量生産することは実際上不可能と言え
る。
発明が解決しようとする課題 本発明は、熟成風味を有する肉製品を短期間に製造する
目的でなされたものであつて、従来の酵素作用による熟
成で得られる熟成味のある肉製品に近似した風味を有す
る肉製品を短期間に大量生産方式で製造し得る方法を提
供することを課題とする。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明の特徴は、L−グルタミン酸、L−システイン、
L−メチオニン、L−ロイシン及びL−アルギニンを下
記割合に配合して成るアミノ酸配合物を、もしくは該ア
ミノ酸配合物と他のアミノ酸とを肉製品の製造工程にお
いて添加して肉製品に熟成風味を付与することにある。
L−グルタミン酸 20〜40重量% L−システイン 1〜5重量% L−メチオニン 5〜20重量% L−ロイシン 39〜20重量% L−アルギニン 35〜15重量% 合計 100重量% 課題を解決するための手段 本発明は、上述のとおり、L−グルタミン酸、L−シス
テイン、L−メチオニン、L−ロイシン及びL−アルギ
ニンの5種類のアミノ酸を特定割合に配合したアミノ酸
配合物を、肉製品の製造過程に添加することにより、肉
製品に熟成味を付与するものであるが、上記5種類のア
ミノ酸配合物を用いることの技術的根拠は下記の知見に
基づいている。
本発明者らは、肉の熟成により生成する熟成味について
検討した結果、熟成時には蛋白質を構成する、いわゆる
20種類のアミノ酸が規則的な量的パターンを形成するこ
と、この20種類のアミノ酸のうち、特に、L−グルタ
ミン酸、L−システイン、L−メチオニン、L−ロイシ
ン及びL−アルギニンの5種類のアミノ酸が上記熟成味
に大きく関与していることを見出した。次いで、上記5
種類のアミノ酸を種々の比率に混合してその風味を調べ
た結果、これらアミノ酸を上述した特定割合に配合した
ものが上記熟成味に近似した風味を再現し得ることを見
出した。
したがつて、本発明では上記5種類のアミノ酸を特定な
割合に配合して成るアミノ酸配物を、各種の肉製品の製
造工程中に添加することにより、極めて短時間に熟成味
を有する肉製品を提供することができる。
また、本発明では上記アミノ酸配合物に加えて、さらに
他のアミノ酸、すなわち、L−ヒスチジン、L−リジ
ン、L−トリプトフアン、L−フエニルアラニン、L−
イソロイシン、L−バリン、L−アラニン、L−グリシ
ン、L−プロリン、L−グルタミン、L−アスパラギ
ン、L−セリン、L−スレオニン、及びL−アスパラギ
ン酸等の2種以上を添加することができ、これらアミノ
酸の添加により一そう熟成味を向上できる。
肉製品に対する上記アミノ酸配合物の添加量は、肉製品
の種類に応じて調整するとよく、例えば、ロースハムの
場合は、上記5種以上のアミノ酸配合物のみを使用する
ときは、肉製品100重量部に対し該アミノ酸配合物を0.1
〜0.15重量部になるように添加するとよく、また、他の
アミノ酸混合物と組合わせて使用するときは、肉製品10
0重量部に対し上記アミノ酸配合物を0.03〜0.05重量部
と他のアミノ酸混合物0.1〜0.13重量部になるように添
加するとよい。なお、ロースハム以外の肉製品に対して
も上記に準じて使用するとよい。本発明において熟成味
付与の対象となる肉製品としては、ハム(ロームハム、
ボンレスハム、プレスハム、骨付ハム、ラツクスハム
等)、ソーセージ(ウインナーソーセージ、魚肉ソーセ
ージ、サラミソーセージ等)、ベーコン、蓄肉缶詰、ハ
ンバーグステーキ等を例示し得る。
本発明は、これらの肉製品の製造工程、通常は原料肉の
調整工程において他の処理材料と共にアミノ酸配合物又
はアミノ酸配合物と他のアミノ酸との混合物を添加す
る。例えば、ハムやベーコンでは食塩、硝酸、亜硝酸を
用いた塩漬け時、また、ソーセージでは原料肉をサイレ
ントカツターなどでカツテイングする時に添加するのが
好ましい。
また、焼肉用並びにカツレツ用の肉の場合は、上記アミ
ノ酸配合物もしくは該アミノ酸配合物と他のアミノ酸と
の混合物を水溶液の形態にして注射器で直接注入しても
よい。
なお、ロースハムなどの製造においても、豚ロース肉に
上記と同様の水溶液を注射器で注入し、次いで5℃程度
の低温ロータリーマツサジヤーなどを用いて5時間位真
空マツサージを行つて、アミノ酸を均一に肉中に浸透さ
せることもできる。
発明の効果 次に、本発明による肉製品の熟成風味の向上効果を調べ
るためにソーセージについて実験を行つた結果を示す。
実験方法: 原料肉の調整 豚ロース肉 100g 塩化ナトリウム 4g 亜硝酸ナトリウム 0.03g 砂糖 2g ポテトスターチ 7g リン酸塩 0.6g 水 86g 上記配合の原材料を用いて豚肉を塩漬けした後、サイレ
ントカツターを用いてカツテイングを行い、その初期段
階(肉がある程度細かくなつた段階)にソーセージ100
gに対し、下記の3種類の配合割合の5種類のアミノ酸
配合物を香辛料、調味料などの副原料と共にそれぞれ添
加し、以後は常法に従つてソーセージを製造した。
アミノ酸配合物の配合割合 (単位mg)アミノ酸 試料 試料 試料 L−グルタミン酸 14 42 130 L−システイン 1 4.5 15 L−メチオニン 5 15 48 L−ロイシン 12 35 120 L−アルギニン 11 32 100 なお、対照として上記アミノ酸配合物に代えて水を添加
して同様にソーセージを製造した。
上述のようにして得られた各ソーセージについて、分析
パネラー10名により官能検査を行い、対照に比べて熟成
味を感じる度合を調べた。
その結果、試料については、10名中8名が熟成味を感
じると評価し、試料については、10名中8名が熟成味
を感じ風味が非常に良くなると評価し、試料について
は、10名中10名が熟成味を強く感じるが風味が強すぎ
て、くどくなる傾向があると評価した。
上記実験結果から、本発明に従つて、少なくとも上記5
種類のアミノ酸を特定の割合に配合したアミノ酸配合物
を肉製品の製造工程に添加することにより、肉製品に熟
成風味を付与することができるので、熟成風味を有する
肉製品を簡単に得ることができるようになる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。
実施例1 本例は、ハムの製造を対象として、原料の豚ロース肉
に、5種類のアミノ酸からなる配合物を他の材料と一緒
に水溶液にして注射器により注入することにより、肉に
熟成味を付与する態様を示したものである。
注入液の調製: 下記配合により水溶液を作成した。
(wt%) 塩化ナトリウム 3.5 亜硝酸ナトリウム 0.03 リン酸塩 1.6 粉末卵白 2.9 植物性タンパク 3.25 カゼイン 2.5 糖類 6.0 水 79.703 アミノ酸配合物 L−グルタミン酸 0.17 L−システイン 0.017 L−メチオニン 0.06 L−ロイシン 0.14 L−アルギニン 0.13 豚ロース100重量部に対し、上記配合の水溶液80重量部
を大型注射器で注入し、次いで5℃で5時間、ロータリ
ーマツサージヤーを用いて真空マツサージを行い、5℃
で12時間放置した。このようにして得られた肉を、直
径約10cmの塩化ビニリデンケーシングに充填し、85℃の
温水浴中で120分加熱してロースハムを得た。
また、比較として、上記5種類のアミノ酸配合物を用い
ることなく、その分を水に代えて同様にしてハムを製造
した。
得られた各ハムについて、分析型パネラー25名に食させ
たところ、全員がアミノ酸配合物を添加したハムの熟成
味の点での優位性を認めた。
実施例2 本例はハンバーグステーキの製造を対象とし、下記配合
の原材料を用いて常法により製造した。
原材料の配合: (g) ひき肉(牛肉:豚肉 6:4) 1200 パン粉 50 玉ネギ 200 卵 50 塩化ナトリウム 8 牛乳 30 香辛料 0.2 アミノ酸配合物 L−グルタミン酸 0.84 L−システイン 0.08 L−メチオニン 0.3 L−ロイシン 0.7 L−アルギニン 0.46 上記配合の原材料のうちひき肉、アミノ酸配合物、香辛
料、玉ネギ(炒めたもの)を混合して良く練り合わせ、
次いでこれに卵、パン粉を加えて更に良く練つた後、そ
の適当量を手で取つて成型した。この成型物を、よく加
熱されたフライパンを用いて中心部まで十分加熱される
まで中火にて焼成してハンバーグステーキを得た。
得られたハンバーグステーキについて分析型パネラー
(21名)により評価させたところ、全員熟成味があり、
美味であると評価した。
実施例3 本例は、ハムの製造を対象とし、5種類のアミノ酸から
なる配合物と更にその他のアミノ酸との混合物を添加し
た態様を示したものである。
塩漬け溶液の調製: (wt%) 塩化ナトリウム 7.38 リン酸塩 1.53 砂糖 3.0 グリタミン酸ナトリウム 2.0 エリソルビン酸ナトリウム 0.72 ポークエキス 2.0 コラーゲンパウダー 0.25 亜硝酸ナトリウム 0.18 香料 1.0 アミノ酸配合物 L−グルタミン酸 0.070 L−システイン 0.007 L−メチオニン 0.025 L−ロイシン 0.060 L−アルギニン 0.055 他のアミノ酸 L−アスパラギン酸 0.025 L−スレオニン 0.045 L−セリン 0.050 L−バリン 0.042 L−イソロイシン 0.033 L−チロシン 0.038 L−フエニルアラニン 0.035 L−アスパラギン 0.026 L−グルタミン 0.055 L−プロリン 0.042 L−グリシン 0.037 L−アラニン 0.082 L−トリプトフアン 0.016 L−リジン 0.062 L−ヒスチジン 0.024 水 81.111 上記配合からなる混合物の水溶液を、豚ロース肉100重
量部に対し20重量部を大型注射器で注入し、次いで5℃
で5時間ロータリーマツサージヤーを用いて真空マツサ
ージを行つた。得られた肉を直径約10cmの塩化ビニリデ
ンケーシングに充填し、85℃の温水浴中で120分加熱し
てハムを得た。得られたハムについて分析型パネラー
(パネラー数15)に味を評価させたところ、全員熟成味
があり、美味であると評価した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】L−グルタミン酸、L−システイン、L−
    メチオニン、L−ロイシン及びL−アルギニンを下記割
    合に配合して成るアミノ酸配合物を、もしくは該アミノ
    酸配合物と他のアミノ酸とを肉製品の製造工程において
    添加することを特徴とする熟成風味を有する肉製品の製
    造法: L−グルタミン酸 20〜40重量% L−システイン 1〜5重量% L−メチオニン 5〜20重量% L−ロイシン 39〜20重量% L−アルギニン 35〜15重量% 合計 100重量%
  2. 【請求項2】他のアミノ酸は、L−ヒスチジン、L−リ
    ジン、L−トリプトフアン、L−フエニルアラニン、L
    −イソロイシン、L−バリン、L−アラニン、L−グリ
    シン、L−プロリン、L−グルタミン、L−アスパラギ
    ン、L−セリン、L−スレオニン、及びL−アスパラギ
    ン酸から成る群から選択される2種以上の混合物である
    特許請求の範囲第(1)項記載の肉製品の製造法。
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