JP2006087395A - 可食性被膜組成物及び食肉加工品の製造方法 - Google Patents

可食性被膜組成物及び食肉加工品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成加熱調理後も内部の食肉具材の肉汁、油分、水分を保持できる強度を有し、さらには食肉加工品表面に充分な焼色と適度な焦げを付与し、良好な風味・芳香性・外観を付与することのできる可食性被膜組成物を提供する。また、180℃以下の焼成加熱でも、食肉加工品表面に充分な焼色と適度な焦げを付与することができ、風味・旨味・芳香性が良好で、外観上も優れた食肉加工品を提供する。
【解決手段】可食性被膜組成物に、金属イオンとの反応でゲルを形成する高分子多糖類、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を含む。食肉加工品を可食性被膜組成物で食肉具材の表面を覆い、180℃以下で焼成加熱する。
【選択図】なし

Description

本発明は、食肉加工品用の可食性被膜組成物及び食肉加工品の製造方法に関する。詳細には、被膜組成物自体がソフトな食感であるにもかかわらず、焼成加熱調理後も内部の食肉具材の肉汁、油分、水分を保持できる強度を有し、さらには、食肉加工品表面に充分な焼色と適度な焦げを付与し、良好な風味・芳香性・外観を付与することのできる可食性被膜組成物に関する。より詳細には、180℃以下の焼成加熱でも、食肉加工品表面に充分な焼色と適度な焦げを付与することができ、風味・旨味・芳香性が良好で、外観上も優れた食肉加工品を提供することのできる可食性被膜組成物に関する。
昨今のグルメ嗜好、食の多様化に伴い、より本格的で、美味しく、今までの市場にないタイプの食品が望まれている。食肉加工業においても同様であり、既存の食品とは異なる製法、形状、風味、食感の食品を生み出すべく様々な検討が行われている。例えばドイツ風の生ソーセージは、通常のソーセージ類の製造工程では必ず行われる燻製処理を経ず、ロースターや鉄板等で焼成加熱されるもので、市場に出回っているソーセージとは異なる製法で製造される。このようにして得られたソーセージは、焼成加熱によって生じる食品表面の焼色や適度な焦げが、通常のソーセージの燻煙臭、風味とはまた異なる良好な風味や芳香、外観、食感を与えている食品の1つである。
このように、食肉加工品において、焼成加熱工程は食品に焼色や適度な焦げを発生させ、畜肉の風味や旨味、芳香性を増強させる、優れた加熱方法であり、多くの食品の製造工程に利用されている。しかし、その一方で、焼成加熱により食肉に加わるダメージは大きく、過剰な高温で食肉の焼成加熱を行うと、旨味や油分、水分が流出し、加熱後の歩留まりが低下、硬くしまった食感となり、風味も劣るという問題があった。特に、被膜で外部を覆うソーセージ類の様な形態を有していない食肉加工品、特に、ハンバーグやつくねの様にひき肉を使用する食品は、外面に曝される肉粒断面の表面積が大きいため、食肉からの旨味や油分、水分の流出が甚だしく、品質劣化の傾向が強くみられる。しかし、逆に低い温度で食肉を焼成加熱すると、肉汁や油分、水分の流出は比較的減少し、歩留りや食感は若干改善されるが、表面に焼色や焦げが発生せず風味や旨味、芳香性に欠けてしまい、また食品として外観の劣るものとなってしまうという問題があった。
一方で、食品の表面に程良い焦げ色を発色させて外観の優れた製品を製造する方法として、メイラード反応を利用する方法がある。メイラード反応とは、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、アミン、核酸等の有するアミノ基が、還元糖と反応を起こし最終生成物としてメラノイジンという褐色物質を生成する反応であり、食品の焼き色、焦げに深く関わる反応である。このメイラード反応を使用したハムやソーセージの着色方法として、還元糖とアミノ酸、蛋白加水分解物を生地に添加し、70℃30分の乾燥、70℃20分の燻製を行うことで、メイラード反応によるハムやソーセージの燻煙色着色を行う方法がある(特許文献1)。しかし、還元糖や蛋白加水分解物は甘味や苦味等を有することから、最終食品への添加量に限界があり、原料食肉中に還元糖や蛋白加水分解物を添加する(練り込み、加水等)という特許文献1に記載の方法により製造する場合、食品表面における還元糖や蛋白加水分解物の濃度が非常に低くなり、燻製処理による燻煙色の補強以上の効果は得られず、焼色付与の効果は得られなかった。
更に、低温から高温まで広い温度域で発色する魚肉ハム、ソーセージ等の食品用発色剤として、燻液剤とキシロースを主成分とする食品用発色剤(特許文献2)がある。但し、この方法により発色した食品は全体が均一に燻煙色に発色されたものとなり、通常焼成加熱によってハンバーグやつくね等の表面に得られる、不均一な濃淡を有する自然な焼色と適度な焦げ、芳香は得られなかった。また、燻液剤の使用により付与される特有の燻煙臭は、人によって嗜好性が大きく分かれ、また食品によっては違和感が感じられるため、広い分野の食肉加工品には応用できなかった。
また、一方で、ハムやソーセージなどのケーシング剤に、アルギン酸やその塩などの高分子多糖類を使用することは知られている。例えば、アルギン酸ナトリウムなどの高分子多糖類及びゼラチンなどの水溶性タンパク質を含む被膜形成剤溶液層がカルシウムイオン等の金属イオンを含む硬化液により被膜化されてなる可食性外皮で、ハム・ソーセージ類生地成型体表面が覆われているとともに、燻製処理が施されてなるソーセージ(特許文献3)がある。しかし、ケーシング剤自体が固い食感となることがあり、また、特許文献3は、ハム・ソーセージ類に燻製処理を行うことで被膜と中の具材との結着性を向上させること、従来のハム・ソーセージを改良することが目的であり、新たな形態の食品を生み出すことを目的とはしていなかった。また、この方法により製造される食品は、特許文献2と同様、食品表面が均一な燻煙色に発色されるため、通常焼成加熱によってハンバーグやつくね等の表面に得られる、不均一な濃淡を有して発生する自然な焼色と適度な焦げは得られなかった。また、燻製処理工程を経ることが必須のため、前述の理由等により広く全ての食肉加工品には応用できなかった。
特開平7−255424号公報 特開平10−313821号公報 特公平6−61240号公報
本発明は上記のような事情に鑑みて開発されたものであり、広範囲の食肉加工品に適応し、被膜組成物自体がソフトな食感であるにもかかわらず、焼成加熱調理後も内部の食肉具材の肉汁、油分、水分を保持できる強度を有し、更には、食肉加工品表面に充分な焼色と適度な焦げを付与する焼成加熱用の被膜組成物を提供することを目的とする。更には、焼成加熱の温度としては比較的低い180℃以下の温度でも充分な焦げ色を付与することができ、具材の油分や水分の流出を防ぎ、充分な肉汁や旨味が保持されたジューシーで良好な食感を有する食肉加工品を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、可食性被膜組成物に金属イオンとの反応でゲルを形成する高分子多糖類、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を含むことにより、ソフトな食感であり、かつ食肉具材の肉汁、油分、水分を保持できる充分な強度の可食性被膜を調製することができることを見いだした。更には、当該可食性被膜組成物を使用して焼成工程を行うと、肉汁や油分、水分の流出を防ぎ、加熱調理後の歩留まりが向上し、充分な肉汁や旨味が保持されたジューシーで良好な食感を有する食肉加工品が製造できることを見出した。さらに、焼成工程を180℃以下という比較的低温で行っても充分な焼色と適度な焦げを付与することができるため、風味、旨味、芳香性が良好で外観上も優れた食肉加工品が製造できることを見出した。
本発明は以下の態様を有する;
項1.金属イオンとの反応でゲルを形成する高分子多糖類、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を含むことを特徴とする可食性被膜組成物。
項2.項1に記載の可食性被膜組成物で食肉具材の表面を覆い、180℃以下で焼成加熱することを特徴とする食肉加工品の製造方法。
本発明により、ソフトな食感であり、かつ食肉具材の肉汁、油分、水分を保持できる充分な強度の可食性被膜組成物を調製することができる。更に、焼成工程により調製した場合でも、肉汁や油分、水分の流出を防ぎ、充分な肉汁や旨味が保持されたジューシーで良好な食感を有する食肉加工品が製造できる。さらに、焼成工程が、180℃以下という比較的低温で行っても充分な焼色と適度な焦げを付与することができるため、風味、旨味、芳香性が良好で外観上も優れた食肉加工品となる。また、従来の製法では被膜化することが難しかった、ハンバーグやミートボールなどの食肉加工品についても容易に被膜化することができるため、今までに無い新しい食感、外観の食肉加工品を製造することができる。
本発明の可食性被膜組成物は、金属イオンとの反応でゲルを形成する高分子多糖類、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を含むことを特徴とする。本発明で言う可食性被膜組成物は、ハムやソーセージのケーシング剤としても使用できるが、従来筒状のケーシング剤で覆うことが困難であった、ハンバーグ、ミートボール、つくねなどの任意形状、大きさの食肉加工具材の被膜に適する組成物である。
本発明の可食性被膜組成物で被覆することができる食肉具材は、牛肉、豚肉等の畜肉、鶏肉等の家禽肉等、猪肉、鹿肉、兎肉、鯨肉等食用に適する動物肉であり、食用に適した肉を原料として調製された具材であれば特に制限はない。例えば、ソーセージ、ハムなどの具材、ハンバーグ、ミートボール、つくね、ロールキャベツの具材などの食肉及び野菜やその他の原料を合わせて調製した具材、鶏の唐揚げなどの食肉そのものについても適用可能である。
本発明で可食性被膜組成物を形成するのに用いる高分子多糖類は、金属イオンとの反応でゲルを形成するものであればよく、可食性のものであれば特に限定はされない。具体的にはアルギン酸ナトリウム、アルギン酸、脱アシル型ジェランガム、ペクチン等が挙げられる。中でも溶解性やゲル化反応速度等の面から、アルギン酸ナトリウムを好適に用いることができる。添加量としては、目的とする被膜の強度、形状、作業性等に応じて、溶解可能な範囲で任意に調整することができるが、添加量としては、可食性被膜組成物に対して、0.5〜5重量%を例示することができる。
また、本発明の可食性被膜組成物は、前記高分子多糖類とともに、金属イオンを添加することによりゲル化し、被膜組成物を形成するものである。高分子多糖類と金属イオンを反応させる方法としては、高分子多糖類を含む溶液と、金属イオンを含む被膜を固定化させる溶液を別々に調製し、食肉具材を、高分子多糖類を含む溶液に浸漬した後、金属イオンを含む溶液に浸漬して被膜を固定化させる方法が好ましい。
金属イオンを供給する無機化合物質としては、水溶液中で一価または多価のイオンを放出し、上述した高分子多糖類をゲル化させ得るものであれば限定はされないが、反応性の面から特にカルシウム塩が好ましい。具体的には、乳酸カルシウム、発酵乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム等から選ばれる1種又は2種以上をあげることができる。添加量としては、目的とする被膜の強度、形状、作業性等に応じて、溶解可能な範囲で任意に調整することができるが、添加量としては、被膜を固定化させる溶液に対して、1〜10重量%を例示することができる。
また、本発明は、更に前記の金属イオンとの反応でゲルを形成する高分子多糖類に加えて、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を併用することを特徴とする。これは、上記成分を食品表面の被膜中に集中して存在させることで、食肉加工品全体の味に影響を与えることなく効率的に表層でメイラード反応が起こり、180℃以下という、焼成温度としては比較的低温で焼成した場合にも充分な焼き色と、適度な焦げを生じさせることを目的としている。また、高分子多糖類のみの被膜組成物と比較して、高分子多糖類と、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を併用することにより、被膜が充分な強度を有しつつ、食感がソフトになるという効果も有する。
更には、被膜構成成分として還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物、アミノ酸等のメイラード反応を生じる物質を具材表面に集中して存在させられることより、結果として食肉加工品全量に対する前記成分の添加量が少なくても充分な焼き色と、適度な焦げを生じさせることができるため、過度の甘味や苦味等の悪影響が少なく、風味・旨味・芳香性が良好で、外観上も優れた食肉加工品を提供することができる。
本発明で使用する還元糖は、分子の末端に還元基があり還元性を有する糖類であればよく、特に制限はされないが、その目的からメイラード反応性の高いもの、より好ましくは食品の味に関する面から甘味度の低いものが好適に用いられる。例としてはグルコースやフルクトース、キシロース、ガラクトース、マンノース等の単糖類、マルトース、ラクトース、セロビオース、ラクトース等の二糖類等があげられる。好ましくはキシロース、フルクトース、グルコース、リボース、ラクトース、マルトース及びガラクトースから選ばれる1種又は2種以上であり、更に好ましくは、キシロースである。なお還元糖の添加量としては、可食性被膜組成物に対して1〜25重量%を例示することができる。
本発明で使用する乳清タンパク質は、乳からチーズまたはカゼイン等を製造する際に出る上澄み(乳清、ホエイ)中から、濃縮、分離、精製されたタンパク質のことであり、原料となる乳の由来は特に限定されないが、工業的に供給可能なものとして牛由来の乳が好適に用いられる。なお、乳清タンパク質の添加量としては、特に制限はされないが可食性被膜組成物に対して、0.5〜15重量%が挙げられる。0.5重量%未満では焼き色付与や風味改善の効果が弱く、また15%を超えると風味の問題から好ましくない。
なお、本発明は、乳清タンパク質加水分解物を併用する。乳清タンパク質加水分解物は、上記乳清タンパク質を酵素等の処理により部分的に加水分解したものであればよく、特に制限はされない。なお、乳清タンパク質加水分解物の添加量としては、特に制限はされないが可食性被膜組成物に対して、0.5%〜5%が挙げられる。0.5%未満では焼き色付与の効果が弱く、また5%を超えるとその起泡性の高さから溶液調製時に気泡をかみ作業性が悪く、また風味の問題からも好ましくない。
また、本発明で使用するアミノ酸としては特に限定はされないが、具体的には、グリシン、アルギニン、リジン、アラニン、グルタミン酸、ヒスチジン、スレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、セリン、チロシン、イソロイシン、メチオニンといったアミノ酸やそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムなどの塩、或は無機酸、有機酸などの塩を挙げることができる。好ましくは、アルギニン、リジン、アラニン、グルタミン酸、ヒスチジン、スレオニン及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上であるが、更に好ましくは、グルタミン酸ナトリウムが挙げられる。可食性被膜組成物への添加量としては、0.1%〜10%が挙げられる。0.1%未満では焼色付与の効果が弱く、10%を超えると風味の面で好ましくない。
食品具材表面への可食性被膜の形成方法としては、まず、前述の高分子多糖類、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を含み、必要に応じて他の原料を含む溶液(以下一次液と言う)を具材表面に付着させ、続いて金属イオンを含む固定液(以下二次液と言う)を塗布、噴霧、浸漬等の方法で接触させ被膜を形成させる。前述の一次液の具材表面への付着方法としては、塗布、噴霧、浸漬等の方法があげられる。また、二重ノズルからの具材と一次液の同時押し出し等の方法により具材の成型と一次液付着を同時に行うことも可能である。
本発明を利用して食肉加工品を製造する際の加熱方法としては、130〜180℃程度の比較的低温の焼成加熱工程を経ればよく、スチーム加熱、乾燥、燻製処理等の工程も任意に併用することができる。本発明では、例えば200℃以上の高温で加熱しなくても食肉具材の表面に充分な焦げ色を付与することができ、しかも高温の焼成でないため、被膜が破れにくく、具材の油分や水分の流出を防ぎ加熱調理後の歩留まりが向上、充分な肉汁や旨味が保持されたジューシーで良好な食感を有する食肉加工品となる。
なお、本発明の可食性被膜組成物は、金属イオンとの反応でゲルを形成する高分子多糖類、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を含むことを特徴とするが、本発明の効果に悪影響を与えない限度に於いて、各種食品や食品添加物を添加することができる。例えば、調味料、クエン酸、コハク酸等の酸味料、グリシン、酢酸塩等の日持向上剤、ε−ポリリジン等の保存料、リゾチーム等の酵素、pH調整剤、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン等の乳化剤、香料、色素、カラギナン、キサンタンガム等の増粘多糖類、膨張剤、大豆タンパク質などの乳清タンパク質以外のタンパク質、ショ糖、果糖、還元デンプン糖化物、エリスリトール、キシリトール等の糖類、スクラロース、ソーマチン等の甘味料、澱粉、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類、鉄、カルシウム等のミネラル類等を添加することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、%は重量%を示し、文中*印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を示す。
実験例1:ハンバーグの調製(1)
下記表1のハンバーグ具材の処方通りに秤量し、具材を攪拌機で良く混合して30gに小分けし、小判型に成型したハンバーグを、下記表2の処方で調製した一次液に浸漬し、表面の余分な液を落とした後、続いて下記表2の処方で調製した二次液に浸漬し被膜を形成させた後、140℃のコンベクションオーブンで10分間焼成した。得られたハンバーグの焼成後の外観及び食感について評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006087395
Figure 2006087395
注1) キシロース製剤(サンポリマー※KC-18*):D−キシロース45%、ブドウ糖35%、麦芽糖20%含有
表2の結果から明らかなように、アルギン酸ナトリウム(高分子多糖類)、キシロース(還元糖)、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びL-グルタミン酸ナトリウム(アミノ酸)を併用することで、それぞれ単品で使用した場合よりも良好な焼き色と適度な焦げが生じ、食品として好ましい外観と風味が得られた。
実験例2:ハンバーグの調製(2)
実験例1、表1の処方で具材部を調製した後、下記表3に示す処方で調製した一次液に浸漬し、表面の余分な液を落とす。続いて表3の処方で調製した二次液に浸漬し被膜を形成させ、140℃(又は180℃)のコンベクションオーブンで10分間(9分間)焼成し、実施例2のハンバーグを調製した。比較例として、表1の具材部を調製した後、浸漬工程を経ず、そのまま焼成して、比較例5のハンバーグを調製した。140℃及び180℃で焼成したハンバーグの焼成加熱歩留まりを測定し、また食感及び外観を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2006087395
表3の実施例2と比較例5の結果より、本発明の方法で被膜化することで、焼き色と適度な焦げ、芳香が付与され外観上に好ましいだけではなく、焼成後の食品の歩留まりが向上し、ジューシーで好ましい食感と風味に改良されたことがわかった。
実験例3:鶏つくねの調製
下記表4の鶏つくね具材の処方通りに秤量し、具材を攪拌機で良く混合して30gに小分けし、球状に成型した鶏つくねを、下記表5の処方で調製した一次液に浸漬し、表面の余分な液を落とした後、続いて下記表5の処方で調製した二次液に浸漬し被膜を形成させた後、140℃のコンベクションオーブンで13分間焼成した。得られた鶏つくねの焼成加熱歩留まりを測定し、また食感及び外観を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2006087395
Figure 2006087395
表5の結果から明らかなように、高分子多糖類の被膜に乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物、アミノ酸、還元糖を併用することで、焼成後の歩留まりが向上し、膜の食感もソフトになった。

Claims (2)

  1. 金属イオンとの反応でゲルを形成する高分子多糖類、還元糖、乳清タンパク質、乳清タンパク質加水分解物及びアミノ酸を含むことを特徴とする可食性被膜組成物。
  2. 請求項1に記載の可食性被膜組成物で食肉具材の表面を覆い、180℃以下で焼成加熱することを特徴とする食肉加工品の製造方法。

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