JP4157692B2 - アレルゲン低減化剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダニや花粉等のアレルゲンを低減化することができる、アレルゲン低減化剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎など多くのアレルギー疾患が問題となってきている。その主な原因は、住居内性ダニ類、特に室内塵中に多いチリダニのアレルゲン(Der1、Der2)や、おもに春季に猛威を振るうスギ花粉アレルゲン(Crij1,Crij2)等の多くのアレルゲンが生活空間内に増えてきているためである。
特にチリダニのアレルゲンはその原因となるチリダニを駆除しても、その死虫が更にアレルゲン性の高い物質を生活空間に供給することになり、アレルゲンが原因となるアレルギー疾患の根本的な解決には至らない。また、スギ花粉アレルゲンであるCrij1は分子量約40kDaの糖タンパク質、Crij2は分子量約37kDaの糖タンパク質であり、鼻粘膜等に付着すると生体外異物として認識され炎症反応を引き起こす。
よって、アレルギー疾患の症状軽減あるいは新たな感作を防ぐためには、生活空間から完全にアレルゲンを取り除くか、アレルゲンを変性させるなどして不活性化させることが必要となる。
【0003】
上記のようなアレルゲンは蛋白質であるため熱や強酸/強アルカリ等で変成しアレルゲン性を失うと考えられるが、非常に安定性が高く、家庭で安全に使用できる程度の酸化剤や還元剤、熱、アルカリや酸では容易に分解されない(TheJournal of Immunology Vol.144:1353−1360)。このような方法で無理にアレルゲンを変成させようとすると、アレルゲンの汚染場所である生活用品、例えば、畳、絨毯、床(フローリング)、家具(ソファー、布ばり椅子、テーブル)、寝具(ベッド、布団、シーツ)、車内用品(シート、チャイルドシート)、キッチン用品、赤ちゃん用品、カーテン、壁紙、タオル、衣類、ぬいぐるみ、繊維製品、空気清浄機・空気洗浄機(本体及びフィルター)等が条件によっては破損してしまう可能性があった。
【0004】
このため、アレルゲンの分子表面を比較的温和な条件で化学的に変成する方法が考えられてきた。例えば、生皮などのなめし(タンニング)などに用いられているタンニン酸を用いて(特開昭61−44821号公報)、茶抽出物などを用いて(特開平6−279273号公報)、ヒドロキシ安息香酸系化合物、またはその塩を用いて(特開平11−292714号公報)それぞれアレルゲンを低減化する方法等が開示されている。しかし、これらのほとんどはポリフェノールの1種であり、効果は見られるものの着色しているため前述したような生活用品を汚染してしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、アレルゲンが付着した生活用品表面を汚染したり破損することなく、アレルゲンを効果的に低減化することができるアレルゲン低減化剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、芳香族ヒドロキシ化合物を有効成分とするアレルゲン低減化剤を提供する。上記芳香族ヒドロキシ化合物は、線状高分子の側鎖に上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物である。
また、請求項2記載の本発明は、上記芳香族ヒドロキシ化合物が、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物であるアレルゲン低減化剤を提供する。
また、請求項3記載の本発明は、上記芳香族ヒドロキシ化合物が、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物であるアレルゲン低減化剤を提供する。
また、請求項4記載の本発明は、リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛を有効成分とするアレルゲン低減化剤を提供する。
また、請求項5記載の本発明は、アレルゲンがチリダニ由来である請求項1〜4いずれか1項に記載のアレルゲン低減化剤を提供する。
【0007】
上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、絨毯への着色の心配が少ないという点から、線状高分子の側鎖に下記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物であることが好ましい。
【0008】
【化2】
(Rは水素又は水酸基で、少なくとも1つは水酸基を示し、nは0〜5を示す)
【0009】
上記一般式(1)〜(6)で示される官能基を線状高分子の側鎖に有する化合物において、nの数は0〜5である。5を越えると、線状高分子を使用する効果がなくなることがある。また、Rの少なくとも1つは水酸基であり、水酸基がないと、アレルゲン低減化効果を十分発揮できないことがある。水酸基が多すぎると着色性が強くなることがあるため、水酸基は一つが好ましい。また、水酸基の位置は、立体障害が最も少ない箇所に結合していることが好ましく、例えば一般式(1)ではパラ位にあるのが好ましい。
【0010】
上記線状高分子とは、例えば、合成高分子ではビニル重合体、ポリエステル、ポリアミドなどのことをいう。
また、上記一般式(1)〜(6)で示される官能基と線状高分子との化学結合については、特に限定されず、炭素−炭素結合、エステル結合、エーテル結合、アミド結合等が挙げられる。
上記一般式(1)〜(6)で示される官能基を線状高分子の側鎖に有する化合物としては、安全性や入手しやすさから、例えば、ポリ3,4,5−ヒドロキシ安息香酸ビニル、ポリビニルフェノール、ポリチロシン、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−6−ヒドロキシナフタレン)、ポリ(1−ビニル−5−ヒドロキシアントラセン)が好ましい。
【0011】
また、上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなるものが好ましい。
【0012】
上記1価のフェノール基を一個以上有する単量体としては、ベンゼン環に一個の水酸基を有する単量体が一個以上結合している化合物であれば特に限定されず、例えば、ビニルフェノール、チロシン、下記一般式7に示される1,2−ジ(4-ヒドロキシフェニル)エテン等が挙げられる。有効成分が、1価のフェノール基を有すると多価フェノールに比べて変色しにくいといった効果がある。
【化3】
【0013】
上記1価のフェノール基を一個以上有する単量体に共重合される他の単量体としては、エチレン、アクリレート、メタクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン等が挙げられる。
【0014】
上記単量体を重合又は共重合してなる化合物の分子量としては特に限定されないが、例えば、上記1価のフェノール基を有する単量体等が、最低2個以上、好ましくは5個以上重合したものが好ましい。
【0015】
また、上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物であることが好ましい。
【0016】
上記芳香族複素環式ヒドロキシ化合物は、特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシフラン、2−ヒドロキシチオフェン、ヒドロキシベンゾフラン、3−ヒドロキシピリジン等が挙げられる。また、線状高分子の側鎖に芳香族複素環式ヒドロキシ基を含有する化合物、芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物等であってもよい。
【0017】
上記芳香族複素環式ヒドロキシ基としては、例えば、下記一般式8、9に示されるチオフェンやフラン等の複素環骨格にヒドロキシ基が結合したものや、下記一般式10に示される複素環と芳香族環とを持つ骨格にヒドロキシ基が結合したもの、複素環骨格にヒドロキシ基とアルキル基(炭素数5以下)とを有するもの、複素環と芳香族とを持つ骨格にヒドロキシ基とアルキル基(炭素数5以下)とを有するもの等が挙げられる。
【化4】
【0018】
上記芳香族ヒドロキシ化合物が、本発明のアレルゲン低減化剤に配合される量としては、アレルゲン低減化剤としての使用形態にもよるため、特に限定されず、例えばダニの生息する絨毯に散布する場合には、通常1m2あたり上記化合物1mg程度散布されるように配合されていることが好ましい。それ以上の量を使用しても効果が落ちることはないが、使用上、10g程度以上を使用した場合、化合物の析出により処理後の清掃などが必要となることがある。
【0019】
本発明のアレルゲン低減化成分としては、リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛が、アレルゲン低減化剤が使用される対象、場所への着色の心配が少ないという点から好ましく用いられる。
【0023】
上記リン酸塩としては、水系溶媒に溶解したときPO4 3-イオンを生成する塩類を指し、例えば、実施例に用いたようなリン酸二水素ナトリウム(リン酸一ナトリウム)、リン酸水素二ナトリウム(リン酸二ナトリウム)の他に、リン酸二水素カリウム等が挙げられる。
本発明のアレルゲン低減化剤に配合される量としては、特に限定されず、リン酸緩衝液として0.001M程度以上配合されていることが好ましい。それ以上の量を使用しても効果が落ちることはないが、使用する塩の合計量が10g程度以上を使用した場合、塩の析出により処理後の清掃などが必要となることを考えると大過剰の使用は避けるべきである。
【0024】
上記硫酸亜鉛としては、主に水和物(七水和物)あるいは無水物が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であってもよい。
硫酸亜鉛は古来より、白ばんあるいは亜鉛華などとして知られており日本薬局方にも収載されている。また、食品添加物であり、人の成長、健康維持に必須の微量金属元素であるZnの供給を目的として、母乳代替食品に添加されているため安全性が高いものである。
本発明のアレルゲン低減化剤に配合される量としては、アレルゲン低減化剤としての使用形態にもよるため、特に限定されず、例えばダニの生息する絨毯に散布する場合には、通常1m2あたり硫酸亜鉛七水和物の重量として0.1mg程度以上散布されるように配合されていることが好ましい。それ以上の量を使用しても効果が落ちることはないが、使用上、10g程度以上を使用した場合、塩の析出により処理後の清掃などが必要となることを考えると大過剰の使用は避けるべきである。
【0025】
上記酢酸鉛とは、水和物(三水和物)、あるいは無水物が用いられるが、水和物が水分子を段階的に失う過程で存在する部分的な水和物であっても良い。上記酢酸鉛は、古来より、鉛糖として知られており日本薬局方にも収載されている。
本発明のアレルゲン低減化剤に配合される量としては、アレルゲン低減化剤としての使用形態にもよるため、特に限定されず、例えばダニの生息する絨毯に散布する場合には、通常1m2あたり酢酸鉛三水和物で0.03mg程度散布されるように配合されていることが好ましい。それ以上の量を使用しても効果が落ちることはないが、使用上、10g程度以上を使用した場合、塩の析出により処理後の清掃などが必要となることを考えると大過剰の使用は避けるべきである。
【0026】
なお、本発明のアレルゲン低減化剤は、アレルゲン低減化成分が少なくとも1つが有効成分として配合されていればよく、2つ以上を組み合わせて使用することも可能である。
また、本発明のアレルゲン低減化剤中において、有効成分として上記化合物が複数配合されている場合の配合量としては、使用形態にもよるため、特に限定されず、散布場所1m2あたり上記化合物総量として10g程度以上を使用すると、塩の析出により処理後の清掃などが必要となるため大過剰の使用は避けるべきである。
【0027】
本発明のアレルゲン低減化成分は、上記化合物の有効成分を適当な溶媒に溶解あるいは分散して液状成分として用いられることが好ましい。
上記溶媒としては、例えば水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等)、炭化水素類(トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ケロセン、シクロヘキサン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アミド類(N,N-ジメチルホルムアミド等)等が挙げられる。
【0028】
本発明のアレルゲン低減化剤には、アレルゲン低減化効果の有効性を阻害しない範囲において、分散剤、乳化剤、湿潤剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の製剤用補助剤が配合されていてもよく、また、殺ダニ剤、殺菌剤、防黴剤、消臭剤等が配合されていてもよい。
【0029】
本発明のアレルゲン低減化剤の使用形態としては、スプレー型、エアゾール型、燻煙型、加熱蒸散型等が挙げられる。
上記スプレー型としては、水溶剤、油剤、乳剤、懸濁剤等を配合することによりスプレー型のアレルゲン低減化剤とすることが出来る。
上記スプレー型の配合材料に、固体担体(タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、珪藻土、シリカ、バーミュライト、パーライト等)を併用することにより、上記エアゾール型、燻煙型、加熱蒸散型とすることが出来る。上記エアゾール型としては、噴射剤(窒素、炭酸ガス、ジメチルエーテル、LPG等)等が配合される。上記燻煙型としては、酸素供給剤(過塩素酸カリウム、硝酸カリウム、塩素酸カリウム等)、燃焼剤(糖類、澱粉等)、発熱調整剤(硝酸グアニジン、ニトログアニジン、リン酸グアニル尿素等)、酸素供給剤分解用助剤(塩化カリウム、酸化銅、酸化クロム、酸化鉄、活性炭等)等が配合される。
【0030】
本発明のアレルゲン低減化剤が対象とするアレルゲンとしては、動物性アレルゲン、、花粉などの植物性アレルゲンが挙げられる。本発明のアレルゲン低減化成分は、これらのアレルゲンの特異抗体との反応を抑えることにより、本剤を使用した場所のアレルゲンを低減化する。特に効果のある動物アレルゲンとしては、ダニ類のアレルゲン(ダニ類、節足動物一蛛形綱−ダニ目の生物で、主に7つの亜目に分かれている。アシナガダニに代表される背気門、カタダニに代表される四気門、ヤマトマダニ、ツバメヒメダニに代表される後気門、イエダニ、スズメサシダニ代表される中気門、クワガタツメダニ、ナミホコリダニに代表される前気門、ケナガコナダニ、コナヒョウヒダニに代表される無気門、イエササラダニ、カザリヒワダニに代表される隠気門等)のいずれの種類でも対象となり得るが、室内塵中、特に寝具類に多く、アレルギー疾患の原因となるチリダニ科、ヒョウヒダニ類に特に効果がある。
【0031】
本発明のアレルゲン低減化剤が使用される対象、場所としては、生活空間においてアレルゲンの温床となる生活用品等が挙げられる。
上記生活用品としては、例えば、畳、絨毯、床(フローリング)、家具(ソファー、布ばり椅子、テーブル)、寝具(ベッド、布団、シーツ)、車内用品(シート、チャイルドシート)、キッチン用品、赤ちゃん用品、カーテン、壁紙、タオル、衣類、ぬいぐるみ、繊維製品、空気清浄機・空気洗浄機(本体及びフィルター)等への使用が挙げられる。
また、上記使用方法としては、上記生活用品、及び上記生活用品に使用されるマットの中綿、カーペットの繊維及びその他原材料(樹脂・繊維)などにあらかじめ処理することによってもその効果を発揮することができる。また、繊維集合体(織布・不織布) 等の基材に含浸し、清拭シートのように使用してもよい。
さらに、洗濯時に使用する洗剤や柔軟仕上げ剤等に添加することによっても効果を発揮することができる。
【0032】
有効成分が、線状高分子の側鎖に上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを有する化合物や、上記一般式(1)〜(6)に示される少なくとも一つを含む単量体及び/又は一価のフェノール基を有する単量体を重合又は共重合してなる化合物、である場合には、高分子であるため有効成分の効果を持続させるための加工が容易である。例えば、繊維に本発明で用いられる化合物をグラフト重合することにより、容易にアレルゲン低減化剤で処理された繊維及び繊維加工品を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0034】
(実施例1〜7)
有効成分として重量平均分子量(Mw)8000のポリ−4−ビニルフェノール(アルドリッチ社製)、(Mw)20000のポリ−4−ビニルフェノール(アルドリッチ社製)、(Mw)15000〜36000のポリ−L−チロシン(ICNバイオメディカル社製)、溶媒としてエチルアルコール(和光純薬品工業社製;試薬特級)と水を用いてアレルゲン低減化剤を調製した。得られたアレルゲン低減化剤をトリガータイプのスプレー型容器(1回の噴射で約0.8ml噴射)に入れた。上記配合量及び評価結果を表1に示す。
【0036】
(実施例8〜16)
有効成分として、硫酸亜鉛七水和物(和光純薬品工業社製)、酢酸鉛(II)二水和物(和光純薬品工業社製)、リン酸塩としてリン酸一ナトリウム2水和物(関東化学社製)及びリン酸二ナトリウム12水和物(和光純薬品工業社製)を精製水に溶解させて濃度を0.01M又は0.001Mに調整したリン酸緩衝液(pH=7.35)を用いてアレルゲン低減化剤を調整した。上記配合量及び評価結果を表1に示す。
【0037】
(比較例1〜3)
上記有効成分を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてアレルゲン低減化剤を調製した。配合量及び評価結果を表1に示す。
【0038】
(比較例4、5)
有効成分としてタンニン酸(東京化成製)、コハク酸(東京化成製)を配合したりしたこと以外は実施例1と同様にしてアレルゲン低減化剤を調製した。上記配合量及び評価結果を表1に示す。
【0039】
(比較例6)
アレルゲン低減化剤として、pH=12の水酸化ナトリウム水溶液(0.1Nの水酸化ナトリウムに0.1Nの塩酸を加え、滴定を行い、pH=12に調製したもの)を用いた。得られたアレルゲン低減化剤をトリガータイプのスプレー型容器(1回の噴射で約0.8ml噴射)に入れた。上記配合量及び評価結果を表1に示す。
【0040】
(比較例7、8)
リン酸塩緩衝液の代わりに水を表1に示す配合量を用いたこと以外は実施例8、12と同様にアレルゲン低減化剤を調整した。上記配合量及び評価結果を表1に示す。
【0041】
(アレルゲン低減化の評価)
上記のように調製したアレルゲン低減化剤を、スプレー型容器で汚染カーペットに一様に4回噴霧した。なお、汚染カーペットは、新品のカーペットに、1m2あたり50μgのダニ抗原(ダニ抗原量は、シントーファイン社製「マイティーチェッカー」を用いて定量)を含む塵ゴミを散布し下面よりバイブレーターで振動させ絨毯内部に塵ゴミをなじませて作成を行った。
2時間放置後、掃除機(三洋電機社製「舞姫510」SC−9)に塵ゴミ捕獲用のフィルター(シントーファイン社製;マイティフェルト、ダストフィルター、ダストサンプラー)をセットし、噴霧場所1m2から1分かけて塵ゴミを採取した。採取した塵ゴミを、シントーファイン社製「マイティーチェッカー」のキットに従って、アレルゲン成分を抽出し、アレルゲン量を測定比較した。
マイティチェッカーの判定基準は以下のとおり。結果を表1に示す。
++・・・ダニアレルゲンレベル>35μg/1m2
+ ・・・ダニアレルゲンレベル 10μg/1m2
± ・・・ダニアレルゲンレベル 5μg/1m2
− ・・・ダニアレルゲンレべル <1μg/1m2
【0042】
(着色性の評価)
上記のように調製したアレルゲン低減化剤を、スプレー型容器で新品の白色カーペットに一様に4回噴霧し、目視で着色性を評価した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明のアレルゲン低減剤は、上記のような化合物を有効成分としてなるので、アレルゲンに汚染された生活用品を汚染したり損傷することなく、アレルゲンを効果的に低減化することができる。
Claims (5)
- 芳香族ヒドロキシ化合物を有効成分とするアレルゲン低減化剤であって、芳香族ヒドロキシ化合物が、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物であることを特徴とするアレルゲン低減化剤。
- リン酸塩と、硫酸亜鉛及び/又は酢酸鉛を有効成分とすることを特徴とするアレルゲン低減化剤。
- アレルゲンがチリダニ由来であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載のアレルゲン低減化剤。
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