JP4359126B2 - 水系アレルゲン抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、スギなどの草木の花粉、ダニ、室内の塵などのアレルゲンが特異抗体と反応
するのを抑制する水系アレルゲン抑制剤に関する。
近年、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎などの多くのアレルギー疾患
が問題となってきている。このアレルギー疾患の主な原因としては、住居内に生息するダ
ニ類、特に、室内塵中に多く存在するヒョウダニのアレルゲン(Der1、Der2)や
、主に春季に多量に空気中に浮遊するスギ花粉アレルゲン(Crij1、Crij2)な
どのアレルゲンが生活空間内に増加してきているためである。
そして、ヒョウダニのアレルゲンは、ヒョウダニを駆除しても、ヒョウダニの死骸がア
レルゲンとなるために、アレルギー疾患の根本的な解決にはならない。又、スギ花粉アレ
ルゲンであるCrij1は分子量が約40kDaの糖タンパク質であり、Crij2は分
子量が約37kDaの糖タンパク質である。そして、スギ花粉アレルゲンは、鼻粘膜など
に付着すると生体外異物として認識されて炎症反応を引き起こす。
従って、アレルギー疾患の症状を軽減し或いは新たなアレルギー症状を防止するために
は、生活空間からアレルゲンを完全に取り除くか、アレルゲンを変性させるなどして不活
性化させることが必要となる。
特に、カーペット、ソファ、畳、寝具などの家庭用品は、アレルギー疾患を持つ患者に
とっては最もアレルゲンの抑制が望まれているものである。その理由は次の通りである。
第一に、人が長時間に亘って接触するものであること、第二に、カーペットなどは繊維か
ら構成されていることから、繊維間の隙間にダニなどが繁殖し易いと共にその他の微小粒
子状のアレルゲンも蓄積され易いからである。
そこで、特許文献1には、家庭用品をタンニン酸で処理してアレルゲンを除去する方法
が提案されている。しかしながら、タンニン酸は水溶性であることから、家庭用品をタン
ニン酸で処理しても、タンニン酸が洗濯や空気中の水分中に溶解して家庭用品から流れ出
てしまってアレルゲンの除去効果が持続しないといった問題点があった。
特公平2−16731号公報
本発明は、水分中に溶解し流れ出て消失することがなく、アレルゲン抑制効果を長期間
に亘って発揮し得る水系アレルゲン抑制剤を提供する。
本発明の水系アレルゲン抑制剤は、非水溶性アレルゲン抑制剤がpH12以上の水溶液
中に溶解されてなることを特徴とする。なお、本発明において「非水溶性」とは、20℃
におけるpH7の水への溶解度(100gの水に溶解する物質のグラム数)が1g未満で
あることをいう一方、「水溶性」とは、20℃におけるpH7の水への溶解度(100g
の水に溶解する物質のグラム数)が1g以上であることをいう。
そして、上記非水溶性アレルゲン抑制剤としては、後述する芳香族ヒドロキシ化合物が挙げられ、単独で用いられても二種以上を併用してもよい。
ここで、上記固体担体としては、例えば、タルク、ベントナイト、クレー、カオリン、
珪藻土、シリカ、バーミュライト、パーライトなどの無機系担体、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどの有機系高分子担体などが挙げられる。
又、上記アレルゲン抑制効果とは、ヒョウヒダニのアレルゲン(Der1、Der2)
、空気中に浮遊するスギ花粉アレルゲン(Crij1、Crij2)、犬や猫に起因する
アレルゲン(Can f1、Fel d1)などのアレルゲンを変性し或いは吸着し、ア
レルゲンの特異抗体に対する反応性を抑制する効果をいう。
上記アレルゲン抑制効果を確認する方法としては、例えば、アレルゲン量測定具(LC
Dアレルギー研究所社製 商品名「ELISAキット」)を用いてELISA法に基づい
てアレルゲン量を測定する方法が挙げられる。
次に、上記芳香族ヒドロキシ化合物について説明する。上記芳香族ヒドロキシ化合物と
しては、芳香族ヒドロキシル基を有し且つアレルゲン抑制効果を備えたものであれば、特
に限定されず、例えば、線状高分子に下記一般式(1)〜(6)で示される置換基のうち
の少なくとも一つの置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物などの、一般式(1)〜(6
)で示される置換基を少なくとも一つ含む単量体を重合又は共重合してなる芳香族ヒドロ
キシ化合物;芳香族複素環式ヒドロキシ化合物;線状高分子に置換基として芳香族複素環
式ヒドロキシ基を有する芳香族ヒドロキシ化合物などの、芳香族複素環式ヒドロキシ基を
有する単量体を重合又は共重合してなる芳香族ヒドロキシ化合物などが挙げられ、線状高
分子に下記一般式(1)〜(6)で示される置換基のうちの少なくとも一つの置換基を有
する芳香族ヒドロキシ化合物、線状高分子に置換基として芳香族複素環式ヒドロキシ基を
有する芳香族ヒドロキシ化合物が好ましい。
先ず、一般式(1)〜(6)で示される置換基を少なくとも一つ含む単量体を重合又は
共重合してなる芳香族ヒドロキシ化合物について説明する。この芳香族ヒドロキシ化合物
の置換基は、下記一般式(1)〜(6)で示される。
Figure 0004359126
なお、一般式(1)〜(6)において、nは、0〜5の整数である。これは、nが6以
上となると、一般式(1)〜(6)で示される置換基が発現するアレルゲン抑制効果が不
充分となるからである。
そして、置換基Rは、水素又は水酸基である。更に、置換基Rの少なくとも一つは、芳
香族ヒドロキシ化合物がアレルゲン抑制効果を発揮するために、水酸基である必要がある
。しかしながら、水酸基の数が多過ぎると、アレルゲン抑制剤を施したものが着色したり
或いは変色し易くなるため、水酸基の数は一つが好ましい。即ち、置換基Rのうちの一つ
のみが水酸基である一方、この置換基以外の置換基Rが全て水素であることが好ましい。
更に、水酸基の位置は、立体障害の最も少ない位置に結合していることが好ましく、例
えば、一般式(1)では、水酸基がパラ位に結合していることが好ましい。
上記一般式(1)〜(6)で示される置換基を少なくとも一つ含む単量体としては、一
般式(1)〜(6)で示される置換基を有しておれば、特に限定されず、例えば、ビニル
フェノール、チロシン、1,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)エテン(一般式(7))
などの一価のフェノール基を有する単量体が挙げられる。
Figure 0004359126
更に、芳香族ヒドロキシ化合物のアレルゲン抑制効果を阻害しない範囲内において、一
般式(1)〜(6)で示される置換基を少なくとも一つ含む単量体、好ましくは、一価の
フェノール基を一個以上有する単量体に、この単量体と共重合可能な単量体を共重合させ
てもよい。
このような単量体としては、例えば、エチレン、アクリレート、メタクリレート、メチ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロシキエ
チルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、スチレンなどが挙げられる。
そして、一般式(1)〜(6)で示される置換基が結合している線状高分子としては、
特に限定されず、ビニル重合体、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。この線状
高分子と一般式(1)〜(6)で示される置換基との間の化学結合については、特に限定
されず、炭素−炭素結合、エステル結合、エーテル結合、アミド結合などが挙げられる。
ここで、線状高分子に一般式(1)〜(6)で示される置換基のうちの少なくとも一つ
の置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物としては、例えば、(1) 一般式(1)〜(6)
で示される置換基を少なくとも一つ含む単量体の線状重合体又は線状共重合体、(2) 一般
式(1)〜(6)で示される置換基を少なくとも一つ含む単量体と、この単量体と共重合
可能な単量体との線状共重合体などが挙げられる。
そして、線状高分子に一般式(1)〜(6)で示される置換基のうちの少なくとも一つ
の置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物としては、具体的には、ポリ3,4,5−ヒド
ロキシ安息香酸ビニル、ポリビニルフェノール、ポリチロシン、ポリ( 1−ビニル−5−
ヒドロキシナフタレン) 、ポリ( 1−ビニル−6−ヒドロキシナフタレン) 、ポリ( 1−
ビニル−5−ヒドロキシアントラセン) が好ましい。
なお、上記単量体を重合させて得られる芳香族ヒドロキシ化合物の分子量としては、特
に限定されないが、単量体を2個以上重合させてなる芳香族ヒドロキシ化合物が好ましく
、単量体を5個以上重合させてなる芳香族ヒドロキシ化合物がより好ましい。
又、上記芳香族複素環式ヒドロキシ化合物としては、アレルゲン抑制効果を奏すれば、
特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシフラン、2−ヒドロキシチオフェン、ヒドロキ
シベンゾフラン、3−ヒドロキシピリジンなどが挙げられる。
次に、線状高分子に置換基として芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する芳香族ヒドロキ
シ化合物などの、芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する単量体を重合又は共重合してなる
芳香族ヒドロシキ化合物について説明する。
上記芳香族複素環式ヒドロキシ基としては、チオフェンやフランなどの複素環骨格にヒ
ドロキシ基が結合したもの(一般式(8)(9))や、複素環と芳香族環とを持つ骨格に
ヒドロキシ基が結合したもの(一般式(10))、複素環骨格にヒドロキシ基及び炭素数
が5以下のアルキル基が結合したもの、複素環と芳香族環とを持つ骨格にヒドロキシ基及
び炭素数が5以下のアルキル基が結合したものなどが挙げられる。
Figure 0004359126
そして、芳香族複素環式ヒドロキシ基が結合している線状高分子としては、特に限定さ
れず、ビニル重合体、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。この線状高分子と芳
香族複素環式ヒドロキシ基との間の化学結合については、特に限定されず、炭素−炭素結
合、エステル結合、エーテル結合、アミド結合などが挙げられる。
このような線状高分子に置換基として芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する芳香族ヒド
ロキシ化合物としては、例えば、(1) 芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する単量体の線状
重合体又は線状共重合体、(2) 芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する単量体と、この単量
体と共重合可能な単量体との線状共重合体などが挙げられる。
上記芳香族複素環式ヒドロキシ基を有する単量体と共重合可能な単量体としては、例え
ば、エチレン、アクリレート、メタクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロシキエチルメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレンなどが挙げられる。
本発明の水系アレルゲン抑制剤は、上述した非水溶性アレルゲン抑制剤をpH12以上
の水溶液中に溶解させてなる。このように、水溶液のpHを12以上とすることによって
、本来であれば水溶液中に殆ど溶解させることができない非水溶性アレルゲン抑制剤を水
溶液中に確実に溶解させることができる。
そして、有機溶媒を用いる場合と異なり、水系アレルゲン抑制剤を製造するにあたって
、防爆設備や有機溶媒を処理するための設備を要せず、本発明の水系アレルゲン抑制剤は
、環境衛生上及び地球環境上の観点において優れている。
しかも、本発明の水系アレルゲン抑制剤は、アレルゲン抑制剤として非水溶性のものを
用いていることから、アレルゲンが存在する対象物(以下、「アレルゲン対象物」という
)に噴霧、分散、塗布などによって供給された後、アレルゲン抑制剤が空気中の水分や洗
濯水などに溶解してアレルゲン対象物から流出する事態は生じ難く、アレルゲン対象物に
付与したアレルゲン抑制効果を長期間に亘って効果的に発揮させることができる。
ここで、上記非水溶性アレルゲン抑制剤を溶解させるpH12以上の水溶液の作製要領
としては、特に限定されず、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン類、アミド類などのアルカリ生成化合物を水に溶解させる方法が挙げられ、
アルカリ金属塩を水に溶解させる方法が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを
水に溶解させる方法がより好ましい。なお、水溶液のpHは、JIS Z8802に準拠
して測定されたものをいう。
そして、上記非水溶性アレルゲン抑制剤の水溶液中における含有量は、少ないと、アレ
ルゲン抑制効果を発揮しないことがある一方、多いと、水系アレルゲン抑制剤の粘度が増
大して使用勝手が悪くなることがあるので、3〜70重量%が好ましく、10〜50重量
%がより好ましい。
上記水系アレルゲン抑制剤の製造方法としては、特に限定されず、例えば、(1)非水
溶性アレルゲン抑制剤、アルカリ生成化合物及び水を攪拌装置に供給して攪拌し、水中に
非水溶性アレルゲン抑制剤及びアルカリ生成化合物を溶解させて水系アレルゲン抑制剤を
製造する方法、(2)アルカリ生成化合物を予め溶解させた水を攪拌装置に供給した後、
この水中に非水溶性アレルゲン抑制剤を徐々に攪拌しながら添加して溶解させる水系アレ
ルゲン抑制剤の製造方法などが挙げられる。なお、非水溶性アレルゲン抑制剤を水中に溶
解させる際に、溶解補助剤として界面活性剤を水中に添加してもよく、更に、水系アレル
ゲン抑制剤には、物性を阻害しない範囲内において、湿潤剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤などの製剤用補助剤や、殺ダニ剤、殺菌剤、防黴剤、消臭剤などが配合されても
よい。
ここで、上記攪拌装置としては、汎用されている攪拌装置を用いることができ、水系ア
レルゲン抑制剤の製造を効率良く行なうために、集中剪断攪拌翼と全体混合翼とを備えた
攪拌装置が好ましい。
そして、上記水系アレルゲン抑制剤をアレルゲン対象物に噴霧、分散又は塗布すること
によって供給することにより、アレルゲン対象物に存在するアレルゲンを抑制することが
できる。なお、上記アレルゲン対象物としては、生活空間においてアレルゲンの温床とな
る生活用品等が挙げられる。この生活用品としては、例えば、畳、絨毯、床、家具(ソフ
ァー、布ばり椅子、テーブル)、寝具(ベッド、布団、シーツ)、車内用品(シート、チ
ャイルドシート)、キッチン用品、ベビー用品、カーテン、壁紙、タオル、衣類、ぬいぐ
るみ、繊維製品、空気清浄機(本体及びフィルター)等が挙げられる。更に、上記アレル
ゲン抑制剤は、上述以外に、洗剤や柔軟仕上げ剤等に添加することによってもアレルゲン
抑制効果を発揮することができる。
特に、アレルゲン対象物が繊維から形成されている場合、繊維は精練工程において一般
的にアルカリ剤を用いて処理される。従って、本発明の水系アレルゲン抑制剤は、上記精
練工程においても好適に用いることができ、上記水系アレルゲン抑制剤を用いて繊維にそ
の製造工程中にアレルゲン抑制効果を付与することができる。
更に、上記アレルゲン対象物には、空気中の水分子を集めることによって非水溶性アレ
ルゲン抑制剤がアレルゲンとの相互作用を起こし得る反応場を形成するために、吸湿性化
合物を含有させておくことが好ましい。なお、水系アレルゲン抑制剤に吸湿性化合物を含
有させておき、水系アレルゲン抑制剤をアレルゲン対象物に供給した際に、吸湿性化合物
も同時にアレルゲン対象物に供給されるようにしてもよい。
このような吸湿性化合物としては、塩化カルシルム、塩化マグネシウム、シリカゲルな
どの無機物;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシメチレン
等のポリエーテル;ポリビニルアルコール等のポリアルコール;ポリアクリル酸ナトリウ
ム塩等のポリマー塩;ポリアクリル酸等のポリマー酸等が挙げられ、吸湿性に優れ且つ捉
えた水分子を系中に放出し易いことからポリエーテルが好ましい。
本発明の水系アレルゲン抑制剤が対象とするアレルゲンとしては、動物性アレルゲン、
花粉などの植物性アレルゲンが挙げられる。特に効果のある動物アレルゲンとしては、ダ
ニ類のアレルゲン(ダニ類、節足動物一蛛形綱−ダニ目の生物で、主に7つの亜目に分か
れている。アシナガダニに代表される背気門、カタダニに代表される四気門、ヤマトマダ
ニ、ツバメヒメダニに代表される後気門、イエダニ、スズメサシダニ代表される中気門、
クワガタツメダニ、ナミホコリダニに代表される前気門、コナヒョウヒダニなどのヒョウ
ヒダニ類、ケナガコナダニに代表される無気門、イエササラダニ、カザリヒワダニに代表
される隠気門等)のいずれの種類でも対象となり得るが、室内塵中、特に寝具類に多く、
アレルギー疾患の原因となるヒョウヒダニ類に特に効果がある。
本発明の水系アレルゲン抑制剤は、非水溶性アレルゲン抑制剤がpH12以上の水溶液
中に溶解されてなることを特徴とするので耐水性に優れており、アレルゲン対象物に噴霧
、分散、塗布などによって供給した非水溶性アレルゲン抑制剤が、空気中の水分やその他
の水分中に溶解することによってアレルゲン対象物から流出するといった事態は発生しに
くく、アレルゲン抑制効果をアレルゲン対象物に長期間に亘って効果的に付与することが
できる。
しかも、本発明の水系アレルゲン抑制剤は、有機溶媒を用いることなく、水溶液のpH
を12以上とすることによって非水溶性アレルゲン抑制剤を水溶液中に溶解させてなるも
のであることから、製造工程において、有機溶媒を用いる際に必要となる防爆設備や有機
溶媒の処理設備を必要とせず、環境衛生上及び地球環境上においても優れたものである。
(実施例1)
水酸化ナトリウム(和光純薬品工業社製 試薬特級)18重量部を水52重量部に溶解
させた。この水溶液のpHは14以上であった。そして、この水酸化ナトリウムを溶解さ
せた水中に、非水溶性アレルゲン抑制剤としてポリ−4−ビニルフェノール(アルドリッ
チ社製 重量平均分子量:8000)20重量部及び吸湿性化合物としてポリアクリル酸
ナトリウム(アルドリッチ社製)10重量部を攪拌機に供給して4000rpmの攪拌速
度で攪拌し、ポリ−4−ビニルフェノール及びポリアクリル酸ナトリウムを水中に均一に
溶解させて水系アレルゲン抑制剤を得た。
(実施例2)
水酸化カリウム(和光純薬品工業社製 試薬特級)8重量部を水82重量部に溶解させ
た。この水溶液のpHは14以上であった。そして、この水酸化カリウムを溶解させた水
中に、非水溶性アレルゲン抑制剤としてポリ−4−ビニルフェノール(アルドリッチ社製
重量平均分子量:20000)5重量部及び吸湿性化合物としてポリエチレングリコー
ル(アルドリッチ社製)5重量部を攪拌機に供給して4000rpmの攪拌速度で攪拌し
、ポリ−4−ビニルフェノール及びポリエチレングリコールを水中に均一に溶解させて水
系アレルゲン抑制剤を得た。
(実施例3)
水酸化ナトリウム(和光純薬品工業社製 試薬特級)1重量部を水86重量部に溶解さ
せた。この水溶液のpHは12.5であった。そして、この水酸化ナトリウムを溶解させ
た水中に、非水溶性アレルゲン抑制剤としてポリ−L−チロシン(ICNバイオメディカ
ル社製 重量平均分子量:15000〜36000)3重量部及び吸湿性化合物としてポ
リアクリル酸ナトリウム(アルドリッチ社製)10重量部を攪拌機に供給して4000r
pmの攪拌速度で攪拌し、ポリ−L−チロシン及びポリアクリル酸ナトリウムを水中に均
一に溶解させて水系アレルゲン抑制剤を得た。
(比較例1)
水酸化ナトリウムを用いなかったこと、水を52重量部の代りに70重量部用いたこと
以外は実施例1と同様にして水系アレルゲン抑制剤を得ようとしたが、ポリ−4−ビニル
フェノールが水に溶解せず、水系アレルゲン抑制剤を得ることができなかった。なお、水
のpHは7であった。
(比較例2)
水酸化カリウムを8重量部の代わりに0.1重量部用いたこと、水を82重量部の代り
に89.9重量部用いたこと以外は実施例2と同様にして水系アレルゲン抑制剤を得よう
としたが、ポリ−4−ビニルフェノールが水に溶解せず、水系アレルゲン抑制剤を得るこ
とができなかった。なお、水酸化カリウムを水に溶解させて得られた水溶液のpHは11
であった。
以上の如くして製造した水系アレルゲン抑制剤の溶解性及びアレルゲン抑制性を下記に
示した方法によって測定し、その結果を表1に示した。
(溶解性)
水系アレルゲン抑制剤を100メッシュのふるいで濾過し、このふるい上に残った残渣
の有無を目視観察した。実施例1〜3の水系アレルゲン抑制剤では、ふるい上に残渣は無
かったが、比較例1、2の水系アレルゲン抑制剤では、ふるい上に残渣が多量に残ってい
た。
(アレルゲン抑制性)
一辺10cmの平面正方形状の評価布片を20枚用意した。各評価布片に水系アレルゲ
ン抑制剤10mlを含浸させて100℃で1時間に亘って加熱した後、各評価布片を流水
で洗浄した。
一方、エチルアルコール90g及びイオン交換水10gを混合してなる溶液中に、塵ゴ
ミ(Der p1アレルゲン10μg/g含有)1gを分散させたアレルゲン液を作製し
た。
アレルゲン液5mlを各評価布片に噴霧し、各評価布片を50℃のオーブンで5分間に
亘って乾燥させて20枚の汚染布片を作成した。各汚染布片の作成直後のアレルゲン量と
、各汚染布片を25℃、75%RH(絶対湿度17.4g/m3 )の恒温恒湿槽内に16
時間放置後のアレルゲン量を以下の方法によって測定した。なお、汚染布片20枚のうち
、10枚の汚染布片を作成直後のアレルゲン量を測定するために用い、残りの10枚の汚
染布片を16時間放置後のアレルゲン量を測定するために用いた。又、各アレルゲン量は
、10枚の汚染布片のアレルゲン量の相加平均とした。
先ず、汚染布片を15mlのガラス試験管に丸めて入れた後、ガラス試験管に10ml
の抽出液(リン酸バッファー(pH7.35)に1重量%のBSAと0.05重量%のポ
リオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを加えたもの)を供給した。
しかる後、ガラス試験管を20分間に亘ってよく振とうした後、直ちに抽出液を採取し
た。得られた抽出液中のアレルゲン量を、ELISAキット(LCDアレルギー研究所社
製)を用いてELISA法に基づいて測定し、1m2 あたりのDer p1量に換算した
Figure 0004359126

Claims (6)

  1. 非水溶性アレルゲン抑制剤がpH12以上の水溶液中に溶解されてなり、かつ、非水溶性アレルゲン抑制剤が、芳香族ヒドロキシ化合物であることを特徴とする水系アレルゲン抑制剤。
  2. 非水溶性アレルゲン抑制剤を3〜70重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の水系アレルゲン抑制剤。
  3. 非水溶性アレルゲン抑制剤が、線状高分子に下記一般式(1)〜(6)で示される置換基のうちの少なくとも一つの置換基を有する芳香族ヒドロキシ化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水系アレルゲン抑制剤。
    Figure 0004359126
    (Rは水素又は水酸基で、少なくとも1つは水酸基を示し、nは0〜5を示す)
  4. 非水溶性アレルゲン抑制剤が、一般式(1)〜(6)で示される少なくとも一つの置換基を有する単量体を重合又は共重合させてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水系アレルゲン抑制剤。
    Figure 0004359126
    (Rは水素又は水酸基で、少なくとも1つは水酸基を示し、nは0〜5を示す)
  5. 置換基Rのうち、一の置換基Rのみが水酸基であると共に、それ以外の置換基Rが全て水素であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の水系アレルゲン抑制剤。
  6. 芳香族ヒドロキシ化合物が、芳香族複素環式ヒドロキシ化合物であることを特徴とする請求項に記載のアレルゲン抑制剤。
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