JP4079806B2 - 側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂およびその製造方法 - Google Patents

側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ポリビニルアルコール系樹脂は、その製膜特性(造膜性、耐油性、強度等)、水溶性等を利用して、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、繊維加工剤、各種バインダー、紙加工剤、接着剤、フィルム等として広く用いられている。そして、特殊な場合を除いて通常は、水溶液として使用に供せられている。
使用目的により種々のケン化度のポリビニルアルコールが使用されるが、比較的ケン化度の高いポリビニルアルコール系樹脂を使用する場合、水に溶解して水溶液とすると、水温の低い冬期等においては、時間と共に該水溶液の粘度が上昇し、流動性が悪くなり、極端な場合には水溶液がゲル化して流動性が全くなくなることもあり、大きな問題となっている。
【0003】
かかる対策として、本出願人は、ビニルエステル系モノマーとビニルエチレンカーボネートの共重合物をケン化・脱炭酸して得られる側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂を提案し(例えば、特許文献1参照。)、かかるポリビニルアルコール系樹脂は、高速塗工性や接着性能等にも優れるものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−241433号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のポリビニルアルコール系樹脂は、上記の諸物性には優れるものの、かかるポリビニルアルコール系樹脂中に、ビニルエチレンカーボネートを用いて1,2−グリコール結合量の高変性量、例えば7モル%以上を導入しようとすると、ビニルエチレンカーボネートとビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化する時に、該重合体のメタノール溶液等への溶解性が低下する傾向があるため、工業的に通常使用されるメタノール溶媒のもとでのケン化では、変性量の制約を受け、また、ビニルエチレンカーボネートをアルカリを用いて加水分解してジオールへ誘導する際に、溶剤回収系に混入してくる炭酸ジメチル等の副生成物の処理をしなければならないという課題が残されているものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
しかるに、本発明者はかかる課題の下にビニルエステルモノマーと共重合させる共重合成分について鋭意研究をした結果、ビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化することによって得られる側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂においては、上記の課題を解決でき、さらには、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶解性及び放置安定性を大幅に向上することができる等の特徴も有することを見出して、本発明を完成するに至った。
また、本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が99.0モル%未満、すなわち部分ケン化物が有する従来より問題のあった熱履歴を受けた際の不溶化の問題も、かかるモノマーを使用することによって解消することができる等の特徴も有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化することによって得られるもので、かかるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
【0008】
かかるビニルエステル系モノマーと共重合される3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとは、下記の化学式で示されるものである。
【化1】
Figure 0004079806
(ここで、Rはアルキル基で、好ましくは、メチル基である。)
なお、上記の(1)式で示される化合物は、イーストマンケミカル社やアクロス社の製品を市場から入手することができる。
【0009】
また、本発明においては、上記の共重合成分以外にも本発明の目的を阻害しない範囲において、他のモノマーを0.5〜10モル%程度共重合させることも可能で、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0010】
さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体、アセトアセチル基含有単量体等も挙げられる。
【0011】
上記のビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(さらには他のモノマー)を共重合するに当たっては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンがポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる、架橋剤との反応性が向上する、ポリビニルアルコールの融点が降下する等の物性面から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
【0012】
かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
【0013】
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して0.01〜0.2モル%が好ましく、特には0.02〜0.15モル%が好ましい。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により40℃〜沸点程度とすることが好ましい。
【0014】
本発明においては、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの共重合割合は特に限定されないが、後述の1,2−グリコール結合の導入量に合わせて共重合割合を決定すればよい。
【0015】
得られた共重合体は、次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては、上記で得られた共重合体をアルコール又は含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
【0016】
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマー及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの合計量1モルに対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルが適当である。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂は上記の如くケン化時にビニルエステル系モノマーのエステル部分と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのアセトキシ部分を同時に水酸基へ変換することによって製造されるので、ビニルエチレンカーボネートを使用するときの欠点である炭酸ジメチル等の副生成物が発生しないという特徴を有する。
【0017】
かくして、側鎖に1,2−グリコール結合を有する本発明のポリビニルアルコール系樹脂が得られるのであるが、本発明では、かかるポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)が150〜4000(さらには300〜2600、特には500〜2200)のものが好ましく、かかる平均重合度が150未満ではフィルム用途等に用いたときには機械的強度が低下する恐れがあり、逆に平均重合度が4000を越えるときは1,2−グリコール結合を多く導入することが困難となる場合があり好ましくない。
【0018】
また、かかるポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、60モル%以上(さらには70モル%以上、特には80モル%以上、殊に90モル%以上)が好ましく、かかるケン化度が60モル%未満では水溶性が低下して好ましくない。
なお、本発明におけるケン化度とは、ビニルエステル系モノマーのエステル部分及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのアセトキシ部分の総量の水酸基への変化率(モル%)で表示される(ケン化反応において、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのアセトキシ部分はほぼ完全にケン化される)。
かかるケン化度の上限については用途によって多少変動し、水性ビニルウレタン用接着剤、紙加工剤(サイジング剤)、インクジェット用紙のインク受理層等への使用を目的とするときには99.0モル%未満とすることが好ましく、農薬や洗剤等の酸性、若しくはアルカリ性包装材料への適用へは、ケン化度が、99.0モル%以上が、フィルムの水溶解性が経時的に殆ど変化しないという特有の作用効果を示す点で大変好ましい実施態様である。
【0019】
また、ポリビニルアルコール系樹脂中に導入される1,2−グリコール結合量としては特に制限はされないが、0.1〜40モル%(さらには0.1〜20モル%、特には1〜15モル%)で、かかる導入量が0.1モル%未満では架橋剤等を併用して用いたときに架橋剤との反応性が低く、また水溶液としたときの粘度安定性が低下する傾向にあり、さらには水溶液を高速塗工用途に供したときにはその塗工性も低下して好ましくなく、逆に40モル%を越えるとポリビニルアルコール系樹脂の重合度が低くなりすぎる傾向にあり好ましくない。
特に、本発明においては、前述のように1,2−グリコール結合量を7モル%以上の如く多量導入する場合でも、工業的な実施には何の支障もなく、その製造が容易にでき、しかも導入量の高いポリビニルアルコール系樹脂は、さらに結晶性が低下して、水溶解性が容易となったり、また著しくポリビニルアルコール系樹脂の水溶液安定性にも優れ、かつ該ポリビニルアルコール系樹脂から得られるフィルムは、アルカリ下に長期期間放置されても水溶解性は低下することがないという特徴を有するため、アルカリ洗剤包装等の水溶性包装材用途に有用である。また一方では、1,2−グリコール結合は1級水酸基を持ち、その導入量も大幅に向上することができるため、水性ビニルウレタン接着剤用途等に供した場合には、接着強度を大幅に向上させることができ、木工接着、特に針葉樹合板等の接着剤用途に有用である。
また、本発明のポリビニルアルコール系樹脂は、ケン化度が99モル%前後の高鹸化度であっても融点が低いため、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量1〜40重量%程度)等のオレフィン系樹脂に相溶化剤(マレイン酸変性の各種オレフィン系樹脂等)と共にブレンドする場合、容易に溶融ブレンドすることができ、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して、本発明のポリビニルアルコール系樹脂を20重量%程度ブレンドすることで、塩ビフィルムと同等の保温性をもった農業用フィルムを得ることができる等の有用性も有している。
【0020】
上述した如く側鎖に1,2−グリコール結合を有する本発明のポリビニルアルコール系樹脂は、ケン化度が高くても低結晶性であるため水への溶解速度が高く、水溶液の放置安定性の面でも非常に優れた効果を示し、さらに1級アルコールとして水酸基が存在するため、イソシアネート系化合物、ポリアミドエピクロルヒドリン、グリオキザール、メラミン系樹脂、メチロールメラミン、メチロール化ビスフェノールS等の架橋剤との反応性も高いものである。中でも該イソシアネート系化合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが有用であり、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、水素化TDI、トリメチロールプロパン−TDIアダクト(例えばバイエル社製、「Desmodur L」)、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスジフェニルイソシアネート(MDI)、水素化MDI、重合MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。その他、ポリオールに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化した末端基がイソシアネート基を持つプレポリマーも挙げられる。かかるイソシアネート系化合物の配合割合としては、イソシアネート基と水酸基のモル比(NCO/OH)で0.1〜2であることが好ましい。又、高速塗工時の高剪断下においても増粘することなく良好な塗工性を有するものである。さらには、ブチラール化やアセタール化に際しても、アルデヒド類との反応性が高く、柔軟性の高いブチラール樹脂等を得ることができる。
【0021】
本発明のポリビニルアルコール系樹脂は各種用途に使用することができ、一部の用途については前述したが、以下具体例としてつぎのものが挙げられる。
(1)接着剤関係
木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー、石膏ボードや繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホットメルト型接着力、感圧接着剤、アニオン性塗料の固着剤、等。
【0022】
(2)成形物関係
繊維、フィルム(特に農薬、洗剤、洗濯用衣類、土木用添加剤、殺菌剤、染料、顔料等の物品包装用の易水溶性フィルム:ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度としては65モル%以上が好ましい)、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース用、水溶性繊維、等。
【0023】
(3)被覆剤関係
紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙のサイジング剤、繊維製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定塗料、等。
【0024】
(4)乳化剤関係
エチレン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物、各種アクリル系モノマーの乳化重合用乳化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等の疎水性樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳化剤、等。
【0025】
(5)懸濁剤関係
塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤、等。
【0026】
(6)疎水性樹脂用ブレンド剤関係
疎水性樹脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊維、フィルム(特に農業用フィルム用途においては保温性を付与することができる)、その他成形物用添加剤、等。
【0027】
(7)増粘剤関係
各種水溶液やエマルジョンの増粘剤、等。
(8)凝集剤関係
水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾水性、等。
【0028】
(9)土壌改良剤関係
(10)感光剤、感電子関係、感光性レジスト樹脂、等。
(11)その他イオン交換樹脂、イオン交換膜関係、キレート交換樹脂、等。
上記の中でも、(1)〜(5)の用途に特にその有用性が期待される。
なお、各種用途に適用するにあたっては、必要に応じて、可塑剤を添加することが好ましく、該可塑剤としては3価〜6価の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、キシロール、アラビノース、リブロース、ソルビトール等)、各種アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合付加体等)が挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
【0030】
実施例1
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1300g、メタノール650g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン78.1g(3モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ重合を行った。
その後、酢酸ビニルの重合率が87.5%となった時点で、重合禁止剤としてm−ジニトロベンゼン50ppm(対仕込酢酸ビニル)を仕込み、重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
【0031】
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの総量に対して8ミリモル%となる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出して、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、ポリビニルアルコール系樹脂を得た。
上記のポリビニルアルコール系樹脂の製造において、ケン化終了後の廃液をGC−MS(agilent社製「597N GC/MSD」システム)により、以下の条件で副生成物の有無を調べた。
〔カラム条件〕
カラム:HP−WAX(crosslinked polyethyleneglycol)キャピラリカラム
カラム温度:40℃×5分固定して10℃/minで昇温し、240℃×10分放置
注入口温度:240℃
キャリアーガス:He
カラム流量:1.0ml/min
〔MS部条件〕
使用機器:agilent社製「5973MSD」システム
mass range:10−600
threshold:20
scan/sec.:2.54
その結果、炭酸ジメチルは検出されず。また、塩類として、酢酸ナトリウム以外は検出されなかった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び残存3,4−ジアセトキシ−1-ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.5モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、870であった。また、該ポリビニルアルコール系樹脂の4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、8.6mPa・s(20℃)であり、1,2−グリコール結合の導入量はH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して算出したところ3.1モル%であった。なお、NMR測定には日本ブルカー社製「AVANCE DPX400」を用いた。
【0032】
H−NMR](図1参照)
1.2〜1.5ppm:メチレンプロトン
1.8ppm:メチンプロトン(変性種に起因)
3.5ppm:1級メチロールのメチレンプロトン
3.82〜3.84ppm:メチンプロトン
4.13〜4.6ppm:水酸基
4.25ppm:ジオール水酸基
また、ケン化途中でサンプルを抜き取ることによりポリビニルアルコール系樹脂(II)〔部分ケン化物(ケン化度84.2モル%)〕を得た。該ポリビニルアルコール系樹脂(II)のH−NMR(溶媒:d6−DMSO)チャートは以下の通りであった。
H−NMR](図2参照)
1.36〜1.8ppm:メチレンプロトン
1.93〜1.95ppm:メチルプロトン
3.5ppm:1級メチロールのメチレンプロトン
3.8ppm:メチンプロトン
4.15〜4.57ppm:水酸基
4.3 ppm :ジオールの水酸基
4.7〜5.2ppm:メチンプロトン
【0033】
得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)について、以下の評価を行った。
(溶解性)
得られたポリビニルアルコール系樹脂を150℃下で3時間乾燥を行い、10%水溶液を調整後、該水溶液を400meshの金網で濾過を行って濾過残量を測定して、以下のように評価した。
○・・・濾過残量が0.005%未満
△・・・ 〃 が0.005%以上0.01%以下
×・・・ 〃 が0.01%を越える
【0034】
実施例2
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1300g、メタノール190g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(B)60.5g(2.28モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、67℃で重合を開始したと同時に3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの5.4%メタノール溶液を均一に滴下仕込みを行い、重合率85.3%までに116ml仕込んだ。
酢酸ビニルの重合率が85.3%となった時点で、重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
【0035】
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの総量に対して9ミリモル%となる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、ポリビニルアルコール系樹脂を得た。
上記のポリビニルアルコール系樹脂の製造において、ケン化終了後の廃液を実施例1と同様の方法によって調べたところ、炭酸ジメチルは検出されなかった。
得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.6モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、1320であった。また、該ポリビニルアルコールの4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、18.7mPa・s(20℃)であり、1,2−グリコール結合の導入量はH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して算出したところ3.2モル%であった。また、ケン化途中でサンプルを抜き取ることによりポリビニルアルコール系樹脂(II)〔部分ケン化物(ケン化度95.0モル%)〕を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)について実施例1と同様に評価を行った。
【0036】
実施例3
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル(A)1000g、メタノール50g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(6モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.03モル%(対仕込み酢酸ビニルモノマー)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ重合を行った。酢酸ビニルの重合率が72%となった時点で、重合禁止剤仕込み重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
【0037】
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの総量に対して8ミリモル%となる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、遂には粒子状となった。生成したポリビニルアルコールを濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、ポリビニルアルコール系樹脂を得た。
【0038】
得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.5モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、1450であった。また、該ポリビニルアルコールの4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、18.6mPa・s(20℃)であり1,2−グリコール結合の導入量はH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して(図3参照)算出したところ6.2モル%であった。また、ケン化途中でサンプルを抜き取ることによりポリビニルアルコール系樹脂(II)〔部分ケン化物(ケン化度87.8モル%)〕を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)について実施例1と同様に評価を行った。
【0039】
実施例4
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000g、メタノール50g、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(15モル%)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.06モル%(対仕込み酢酸ビニルモノマー)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ重合を行った。酢酸ビニルの重合率が70%となった時点で、重合禁止剤仕込み重合を終了した。続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
【0040】
次いで、該溶液をメタノールで希釈して濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシー1−ブテンの総量に対して11ミリモル%となる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、遂には粒子状となった。生成したポリビニルアルコールを濾別し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、ポリビニルアルコール系樹脂を得た。
【0041】
得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.2モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、900であった。また、該ポリビニルアルコールの4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、9.5mPa・s(20℃)であり1,2−グリコール結合の導入量はH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して算出したところ14.9モル%であった。また、ケン化途中でサンプルを抜き取ることによりポリビニルアルコール系樹脂(II)〔部分ケン化物(ケン化度87.8モル%)〕を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)について実施例1と同様に評価を行った。
【0042】
比較例1
実施例1において、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに替えて、下記化学式で示されるビニルエチレンカーボネートを用いて、同様に側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂を得て、実施例1と同様に評価を行った。
なお、上記のポリビニルアルコール系樹脂の製造において、ケン化終了後の廃液を実施例1と同様の方法によって調べたところ、炭酸ジメチルが多量に検出され、溶剤回収の工程で炭酸ジメチルを加水分解する工程が必要であった。
【0043】
【化2】
Figure 0004079806
【0044】
得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)のケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.5モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、1220であった。また、該ポリビニルアルコール系樹脂の4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、15.1mPa・s(20℃)であり、1,2−グリコール結合の導入量はH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して算出したところ2.8モル%であった。また、ケン化途中でサンプルを抜き取ることによりポリビニルアルコール系樹脂(II)〔部分ケン化物(ケン化度81.9モル%)〕を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)について実施例1と同様に評価を行った。
【0045】
比較例2
実施例1において、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに替えて、比較例1と同様にビニルエチレンカーボネートを用いて、実施例1に準じて(但し、S/M=0.05、S:メタノール、M:酢酸ビニル、重合率70%)、側鎖に1,2−グリコール結合を15モル%有するポリビニルアルコール系樹脂の製造を試みた。
共重合体は得られたが、重合終了後、メタノールを仕込ながら残存する未反応の酢酸ビニルを除去していくと、重合体がメタノール中で析出するという問題が生じた。
また、上記の共重合体のケン化時にはメタノール溶媒中への該共重合体の析出が認められ、不均一ケン化を余儀なくされた。また、ケン化終了後の廃液を実施例1と同様の方法によって調べたところ、炭酸ジメチルが多量に検出され、溶剤回収の工程で炭酸ジメチルを加水分解する工程が必要であった。
【0046】
得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)のケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.5モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、720であった。また、該ポリビニルアルコール系樹脂の4%水溶液の粘度は、ヘプラー粘度計により測定したところ、7.5mPa・s(20℃)であり、1,2−グリコール結合の導入量はH−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して算出したところ15モル%であった。また、ケン化途中でサンプルを抜き取ることによりポリビニルアルコール系樹脂(II)〔部分ケン化物(ケン化度85.1モル%)〕を得た。得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)について実施例1と同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0047】
Figure 0004079806
【0048】
実施例5
実施例1で得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)を用いて、以下の要領で2液型接着剤を調製した。
〔2液型接着剤の調製〕
下記の主剤[固形分43.5%の水性エマルジョン]および硬化剤[多価イソシアネート化合物]を調製した。
[主剤]
ポリビニルアルコール系樹脂(I)又は(II)の15%水溶液 40部
固形分50%のスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン 35部
(旭化成社製『DL612』)
炭酸カルシウム 20部
水 5部
[硬化剤]
MDI(NCO基含有量6.71×10−3モル/g) 9.72部
【0049】
次いで、上記で調製した2液型接着剤を混合攪拌して、以下の評価を行った。
【0050】
▲1▼常態接着強度
2片の樺材柾目目版(10mm×25mm×30mm)の片面に上記の接着剤を100±10g/mとなるように塗布し、塗布面同士を接着させて8kg/cmで12時間圧締して、その時の接着強度をJIS K 6852に準拠して測定した。
【0051】
▲2▼初期接着強度
上記と同様に樺材の両面を接着させて、8kg/cmで5分または10分圧締して、その時の接着強度をJIS K 6852に準拠して測定した。
【0052】
▲3▼耐久接着強度
上記の▲1▼と同様に接着サンプルを作製して、25℃で6日間養生後、沸騰水中に5時間浸漬し、60℃の空気中で24時間乾燥後、さらに煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中に冷めるまで放置して、水中から取り出し直後(濡れたまま)の接着強度をJIS K 6852に準拠して測定した。
【0053】
実施例6〜8
実施例2(実施例6)〜実施例4(実施例8)で得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)及び(II)を用いて実施例5と同様に評価を行った。
【0054】
比較例3
実施例1において、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの使用を省略して、酢酸ビニルのみを重合(S/M=0.5、S:メタノール、M:酢酸ビニル)し、ケン化を行った以外は同様に行い、ポリビニルアルコールを2種類得た。
得られたポリビニルアルコールのケン化度は、残存酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.1モル%〔ポリビニルアルコール系樹脂(I)〕と88.2モル%〔ポリビニルアルコール系樹脂(II)〕であり、重合度は、JIS K 6726に準じて分析を行ったところ、1200であった。
上記で得られたポリビニルアルコールを用いて、実施例5と同様に評価を行った。
実施例5〜8及び比較例3の評価結果をまとめて表2に示す。
【0055】
Figure 0004079806
【0056】
実施例9
実施例1で得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)を用いて、下記の要領でフィルムを作製した後、得られたフィルムの冷水溶解性、耐アルカリ性及び耐薬剤性を下記の要領で評価した。
【0057】
(フィルムの作製)
ポリビニルビニルアルコール系樹脂(I)の15%水溶液を調製して、ポリビニルアルコール系樹脂(I)100部に対してグリセリン15部を添加し、70℃の熱ロールへ流延し、厚さ50μmのフィルムを得た。
【0058】
(冷水溶解性)
10℃の水1000ccに上記のフィルム(3cm×3cm)を浸漬し、攪拌下に完溶するまでの時間を測定した。
【0059】
(耐アルカリ性)
上記のフィルムを熱シールして作製した10cm×15cmの袋に、炭酸ナトリウムを実包し、40℃×85%RHの条件にて半年間放置した後、袋から3cm×3cmのフィルム片を採集し、15℃の水1000ccに浸漬し、攪拌下に完溶するまでの時間を測定した。
【0060】
(耐薬剤性)
上記の耐アルカリ性の評価において、炭酸ナトリウムの代わりにトリクロロイソシアヌル酸を用いた以外は、同様に評価を行った。
【0061】
実施例10〜12、比較例4
実施例2(実施例10)〜実施例4(実施例12)及び比較例3(比較例4)で得られたポリビニルアルコール系樹脂(I)を用いて実施例9と同様に評価を行った。
なお、比較例4においては、いずれの評価においてもフィルムが膨潤するだけで溶解はしなかった。
実施例9〜12及び比較例4の評価結果をまとめて表3に示す。
【0062】
Figure 0004079806
【0063】
【発明の効果】
本発明の側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂ビニルエステル系モノマーに3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを共重合させて得られているため、その製造時において、炭酸ジメチル等の生成がなくケン化後の廃液中の回収液工程での炭酸ジメチルの除去工程が不要で、また1,2−グリコール結合の導入量を増やしてもケン化前の共重合体(ペースト)のケン化溶液(メタノール)への溶解性が損なわれることがないため、非常に工業的に有用な方法で製造することができ、さらには、得られるポリビニルアルコール系樹脂(特に部分ケン化物)が熱履歴を受けても水不溶解分を発生しない等の特徴も有するもので、従来のポリビニルアルコール系樹脂の各種用途に作業性並び製品品質の面で有用で、特には接着剤関係、成形物関係、被覆剤関係、乳化剤関係、懸濁剤関係等の用途に有用で、殊にアルカリ洗剤包装等の水溶性包装材用途や木工接着、中でも針葉樹合板等の接着剤用途に有用である。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたポリビニルアルコール(I)のH−NMRチャートである。
【図2】 実施例1で得られたポリビニルアルコール(II)のH−NMRチャートである。
【図3】 実施例3で得られたポリビニルアルコール(I)のH−NMRチャートである。

Claims (6)

  1. ビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化して得られたことを特徴とする側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂。
  2. ケン化度が99.0モル%以上であることを特徴とする請求項1記載の側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂。
  3. ケン化度が99.0モル%未満であることを特徴とする請求項1記載の側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂
  4. ビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化することを特徴とする側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
  5. ケン化度が99.0モル%以上であることを特徴とする請求項記載の側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
  6. ケン化度が99.0モル%未満であることを特徴とする請求項記載の側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂の製造方法
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