JP5000127B2 - 光学用ポリビニルアルコール系フィルム及び偏光膜、偏光板 - Google Patents

光学用ポリビニルアルコール系フィルム及び偏光膜、偏光板 Download PDF

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本発明は、光学用ポリビニルアルコール系フィルムに関し、更に詳しくは、可視光線全域、特には波長460nm付近において、偏光性能に優れた偏光膜を製造するための光学用ポリビニルアルコール系フィルムに関するものである。
従来、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を水などの溶媒に溶解して原液を調製した後、溶液流延法(キャスティング法)により製膜して、金属加熱ロール等を使用して乾燥することにより製造される。このようにして得られたポリビニルアルコール系フィルムは、透明性に優れたフィルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに偏光膜が挙げられる。かかる偏光膜は液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられており、近年では高品位で高信頼性の要求される機器へとその使用が拡大されている。
このような中、液晶テレビなどの画面の高輝度化、高精細化に伴い、従来品より一段と光学特性に優れた偏光膜が要求されている。
かかる要求に対して、ポリビニルアルコール系樹脂の改善を図り偏光膜を得たものとして、例えば、主鎖に直接結合した1,2−グリコールの結合量が1.8モル%以上であるポリビニルアルコール系重合体からなる一軸延伸フィルムを基材とする偏光フィルム(例えば、特許文献1参照。)や、カチオン性基含有単位を0.01〜20モル%含有し、かつ炭素数4以下のα−オレフィン単位を0.5〜24モル%含有するビニルアルコール系重合体からなるポリビニルアルコールフィルムで作製した偏光膜(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。また、波長400〜500nm付近の偏光性能を向上させる手段として、偏光膜の製造工程である洗浄工程において0.8%以上のヨウ化カリウム水溶液で洗浄すること(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
特開平8−136728号公報 特開2003−248123号公報 特開2004−341503号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2の開示技術では、得られるポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜は、可視光線の波長域である460nm付近においては偏光性能が不十分であり、そのため液晶ディスプレイの階調表示性能やコントラストが向上しないなどの問題があり、更なる改良が望まれている。また、特許文献3の開示技術では400〜500nm付近の偏光性能を向上させることはできるものの、無機物を混入させた水でフィルムを洗浄しているため、フィルム上に異物(光学的な欠点)が多くなる等の問題を抱えている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、従来の偏光膜の製造条件においても、可視光線全域、特には波長460nm付近において偏光性能に優れた偏光膜を製造するための光学用ポリビニルアルコール系フィルムを提供することを目的とするものである。
しかるに、本発明者等が上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、側鎖に1,2−グリコール結合を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)及びポリビニルアルコール系樹脂(B)(ポリビニルアルコール系樹脂(A)は除く。)を含有してなり、かつ下記(1)式を満足する光学用ポリビニルアルコール系フィルムが上記目的に合致することを見出し、本発明を完成した。
0.01≦A×G/(A+B)≦6 ・・・(1)
ここで、Aは、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)の合計に対するポリビニルアルコール系樹脂(A)の含有割合(重量比)、Bは、ポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有割合(重量比)、Gは、側鎖の1,2−グリコール結合量(モル%)を表す。
また、本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂(A)の側鎖の1,2−グリコール結合量が0.01〜20モル%であることが好ましい。
本発明では、更に、可塑剤(C)及び界面活性剤(D)を含有してなることが好ましい。
更に、本発明は、フィルム幅が2m以上であること、フィルムの厚みが30〜70μmであることが好ましい。
また、本発明は、前記光学用ポリビニルアルコール系フィルムからなる偏光膜、更には偏光膜の少なくとも片面に保護膜を設けてなる偏光板も提供するものである。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、可視光線全域、特には波長460nm付近において、偏光性能に優れた偏光膜を得るという効果を有するものであり、偏光サングラスや液晶表示装置などに用いられる偏光膜の原反フィルムや1/2波長板や1/4波長板に用いられる原反フィルム、液晶表示装置に用いられる位相差フィルムの原反フィルムとして非常に有用である。
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、側鎖に1,2−グリコール結合を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)及びポリビニルアルコール系樹脂(B)(ポリビニルアルコール系樹脂(A)は除く。)を含有してなるものである。
本発明で用いるポリビニルアルコール系樹脂(A)としては、側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂、即ち、一般式(1)で示される1,2−グリコール構造単位を含有するポリビニルアルコール系樹脂であれば特に限定されない。
Figure 0005000127
(ここで、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基である。)
このようなポリビニルアルコール系樹脂(A)は、例えば、(ア)ビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化することによって製造することができる。
かかるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
かかるビニルエステル系モノマーと共重合される3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとは、下記の化学式(2)で示されるものである。
Figure 0005000127
(ここで、Rはアルキル基で、好ましくはメチル基である。)
なお、上記の(2)式で示される化合物は、イーストマンケミカル社やアクロス社の製品として市場から入手したり、ブタンジオール製造時の中間体を精製して使用することができる。
また、本発明においては、上記の共重合成分以外にも本発明の目的を阻害しない範囲において、他のモノマーを共重合させることも可能で、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、グリセリンモノアリルエーテル、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン、エチレンカーボネート、アリルアセテート等が挙げられる。
さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体、アセトアセチル基含有単量体等も挙げられる。
上記のビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(さらには他のモノマー)を共重合するに当たっては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンがポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる、ポリビニルアルコール の融点が降下する等の物性面での点から滴下重合が好ましく、特にはHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して0.01〜0.2モル%が好ましく、特には0.02〜0.15モル%が好ましい。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により40℃〜沸点程度とすることが好ましい。
本発明においては、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの共重合割合は特に限定されないが、後述の1,2−グリコール結合の導入量に合わせて共重合割合を決定すればよい。
得られた共重合体は、次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては、上記で得られた共重合体をアルコールまたは含水アルコールに溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマー及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの合計量1モルに対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルが適当である。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
上記ポリビニルアルコール系樹脂(A)は上記の如くケン化時にビニルエステル系モノマーのエステル部分と3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのアセトキシ部分を同時に水酸基へ変換することによって製造される。
かくして、側鎖に1,2−グリコール結合を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)が得られるのであるが、本発明では、かかるポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度は、90モル%以上、特には95モル%以上、更には98モル%以上が好ましく、かかるケン化度が下限値未満では偏光膜作成時における耐水性が不足し好ましくない。
なお、本発明におけるケン化度とは、ビニルエステル系モノマーのエステル部分及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのアセトキシ部分の総量の水酸基への変化率(モル%)で表示される(ケン化反応において、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンのアセトキシ部分はほぼ完全にケン化される)。
また、上記ポリビニルアルコール系樹脂(A)の4重量%水溶液粘度は8〜400mPa・s、特には40〜300mPa・s、更には50〜270mPa・sが好ましく、かかる4重量%水溶液粘度が下限値未満では偏光膜作成時における延伸性が不足し、上限値を超えるとフィルムの平面平滑性や透過率が低下し好ましくない。
更に、ポリビニルアルコール系樹脂(A)の側鎖に導入される1,2−グリコール結合量としては、0.01〜20モル%であることが必要で、好ましくは0.01〜15モル%、特に好ましくは0.01〜10モル%未満である。かかる結合量が下限値未満では本発明の効果が得られず、逆に上限値を超えるとポリビニルアルコール系樹脂の製造が困難となり好ましくない。
また、本発明で用いるポリビニルアルコール系樹脂(A)の製造方法として、上記(ア)ビニルエステル系モノマーと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法について詳述したが、かかる方法に限定されることなく、例えば、(イ)ビニルエステル系モノマーと一般式(3)で示されるビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化及び脱炭酸する方法、(ウ)ビニルエステル系モノマーと一般式(4)で示される2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化及び脱ケタール化する方法、(エ)ビニルエステル系モノマーとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等も挙げられ、特に限定されるものではない。なお、ビニルエチレンカーボネートは、イーストマンケミカル社品として市場から入手することができる。
Figure 0005000127
但し、R1、R2、R3はそれぞれ独立して水素又はアルキル基である。
Figure 0005000127
但し、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立して水素又はアルキル基である。
また、本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂(A)のほかに、ポリビニルアルコール系樹脂(B)(ポリビニルアルコール系樹脂(A)は除く。)を含有してなるものであり、これにより、延伸性および染色性がより向上するのである。
本発明で用いるポリビニルアルコール系樹脂(B)としては、特に限定されないが、ケン化度が90モル%以上であることが好ましく、特に好ましくは95モル%以上、更に好ましくは98モル%以上である。かかるケン化度が下限値未満では偏光膜作成時の耐水性が不足し好ましくない。
更に、かかるポリビニルアルコール系樹脂(B)の4重量%水溶液粘度は8〜500mPa・sであることが好ましく、特には20〜400mPa・s、更には40〜400mPa・sが好ましい。4重量%水溶液粘度が下限値未満では偏光膜作成時の延伸性が不足する傾向にあり、上限値を超えるとフィルムの平面平滑性や透明性が低下する傾向にあり好ましくない。
なお、かかるポリビニルアルコール系樹脂(B)は、ポリビニルアルコール系樹脂(A)以外のポリビニルアルコール系樹脂であれば特に限定されず、未変性のポリビニルアルコール系樹脂や、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有するポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。
本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)を含有するに際しては、下記(1)式を満たすことが好ましく、特には下記(2)式を満たすことが好ましい。
0.01≦A×G/(A+B)≦6 ・・・(1)
0.05≦A×G/(A+B)≦4 ・・・(2)
ここで、Aは、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)の合計に対するポリビニルアルコール系樹脂(A)の含有割合(重量比)、Bは、ポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有割合(重量比)、Gは、側鎖の1,2−グリコール結合量(モル%)を表す。
上記(1)式において、下限値未満では本発明の効果が得られず、逆に上限値を超えると偏光膜作成時における耐水性が不足する傾向にあり好ましくない。
また、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール樹脂(B)を含有するにあたり、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)のケン化度の差が6モル%以下であることがフィルムの透明性の点で好ましく、特には3モル%以下である。ケン化度の差が上限値を超えるとフィルムの透過率が低下することとなり好ましくない。
更に本発明では、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)のほかに、可塑剤(C)や界面活性剤(D)を含有させることが好ましい。
本発明で用いる可塑剤(C)は、偏光膜を製造する際の延伸性に効果的に寄与するものであり、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンや、重合度が300以下のポリエチレングリコール等の多価アルコールなどが挙げられ、これらの多価アルコールは単独または二種以上組み合わせて使用することができる。中でも特に好ましいものとしてはグリセリン単独、もしくはグリセリンとジグリセリンまたはグリセリンとトリメチロールプロパンの組み合わせ等が挙げられる。
かかる可塑剤(C)の含有量としては用いる全ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1〜20重量部であることが好ましく、特には3〜15重量部、更には7〜13重量部であることが好ましい。可塑剤(C)の含有量が下限値未満では偏光膜の作成時に延伸性が低下する傾向にあり、上限値を超えると得られる光学用ポリビニルアルコール系フィルムの経時安定性が低下する傾向になり好ましくない。
また、本発明で用いる界面活性剤(D)は、光学用ポリビニルアルコール系フィルムを製膜する場合に、フィルム表面の平滑性や、ロール状に巻き取る際のフィルム同士の付着を抑制する働きがあり、例えば、アニオン系界面活性剤やノニオン系界面活性を単独または二種以上組み合わせて使用することができるが、特には、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤を併用することが、フィルムの透明性の点で好ましい。
かかるアニオン系界面活性剤としては、例えば、
(1)脂肪族アルキルスルホン酸塩、
(2)アルキル硫酸エステル塩、
(3)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、
(4)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、
(5)高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩
等が挙げられる。
(1)脂肪族アルキルスルホン酸塩の具体例としては、例えば、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、ヘプチルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウム、炭素数6〜18の脂肪族アルキルスルホン酸ナトリウムの混合物等が挙げられ、好適には、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、炭素数10〜18の二級アルキルスルホン酸ナトリウムの混合物等が使用される。また、かかる脂肪族アルキルスルホン酸塩のカウンターカチオンとしては、特に限定されないが、Na+、Ca2+、NH4 +、またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中では、Na+が特に好ましい。
(2)アルキル硫酸エステル塩の具体例としては、例えば、ヘキシル硫酸ナトリウム、ヘプチル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ノニル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、エイコシル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の有機アミン塩が挙げられ、好適にはドデシル硫酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム等が使用される。また、カウンターカチオンとしては、特に限定されないが、Na+、Ca2+、NH4 +、またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中では、Na+が特に好ましい。
(3)ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等の有機アミン塩等が挙げられ、好適にはポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム等が使用される。また、カウンターカチオンとしては、特に限定されないが、Na+、Ca2+、NH4 +、またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中では、Na+が特に好ましい。
(4)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘプチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクタデシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンエイコシルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、あるいはこれらのカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等の有機アミン塩が挙げられ、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムの使用が望ましい。また、カウンターカチオンとしては、特に限定されないが、Na+、Ca2+、NH4 +、またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中では、Na+が特に好ましい。
(5)高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩の具体例としては、例えば、カプロン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリル酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、カプリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ラウリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、パルミチン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、ステアリン酸エタノールアミド硫酸ナトリウム、オレイン酸エタノールアミドあるいはこれらのカリウム塩、更にはこれらエタノールアミドに変えてプロパノールアミド、ブタノールアミドが挙げられる。また、カウンターカチオンとしては、特に限定されないが、Na+、Ca2+、NH4 +、またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中では、Na+が特に好ましい。
また、上記(1)〜(5)のアニオン系界面活性剤の他にも、硫酸化油、高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェート等の硫酸エステル塩や、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸及びその塩、ポリオキシエチレンアルキルエステルカルボン酸塩、アシル化ペプチド等のカルボン酸塩型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸の塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩等のスルホン酸塩型、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩等のリン酸エステル塩型等のアニオン系界面活性剤を併用することもできる。
一方、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、
(7)一般式
R−O(C24O)n
(ここで、Rはアルキル基またはアルケニル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。)
で示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、
(8)一般式
R−X−O(C24O)n
(ここで、Rはアルキル基またはアルケニル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。Xはフェニレン基、nは1〜20、好ましくは2〜10の整数を示す。)
で示されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
(9)一般式
RCONH−R′−OH 又は RCON−(R′−OH)2
(ここで、Rはアルキル基またはアルケニル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。R′は−C24−、−C36−、−C48−のいずれかである。)
で示される高級脂肪酸モノ又はジアルカノールアミド、
(10)一般式
RCONH2
(ここで、Rはアルキル基またはアルケニル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。)
で示される高級脂肪酸アミド
(11)一般式
RNH(C24O)xH あるいはH(C24O)yN(R)(C24O)x
(ここで、Rはアルキル基であり、その炭素数が6〜22、好ましくは8〜18が好適である。これらは単独のアルキル基であっても、混合アルキル基であっても良い。また、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂等から得られるアルキル分布を有するアルキル基を用いることもできる。x及びyは1〜30、好ましくは3〜15の整数を示す。)
で示されるポリオキシエチレンアルキルアミン、
(12)ポリオキシエチレン高級脂肪酸アミド
(13)アミンオキシド
等が挙げられる。
(7)ポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンエイコシルエーテル等が挙げられる。特に、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルエーテル等が好適である。
(8)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘプチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクタデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンエイコシルフェニルエーテル等が挙げられる。特に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが好適である。
(9)高級脂肪酸モノ又はジアルカノールアミドの具体例としては、例えば、カプロン酸モノ又はジエタノールアミド、カプリル酸モノ又はジエタノールアミド、カプリン酸モノ又はジエタノールアミド、ラウリン酸モノ又はジエタノールアミド、パルミチン酸モノ又はジエタノールアミド、ステアリン酸モノ又はジエタノールアミド、オレイン酸モノ又はジエタノールアミド、やし油脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、あるいはこれらのエタノールアミドに変えてプロパノールアミド、ブタノールアミドが挙げられる。この中でもアルキルジエタノールアミドが好ましく、具体的にはラウリン酸ジエタノールアミド、やし油脂肪酸ジエタノールアミドが好適に使用され、特には、その製造過程で副生する該ジエタノールアミドとジエタノールアミン〔NH−(C24OH)2〕との付加物との混合物(1:2モル型)の使用が水溶性の点で有利である。
(10)高級脂肪酸アミドの具体例としては、例えば、カプロン酸アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等が挙げられ、中でもパルミチン酸アミド、ステアリン酸アミドが好適である。
(11)ポリオキシエチレンアルキルアミンの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンヘキシルアミン、ポリオキシエチレンヘプチルアミン、ポリオキシエチレンオクチルアミン、ポリオキシエチレンノニルアミン、ポリオキシエチレンデシルアミン、ポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンテトラデシルアミン、ポリオキシエチレンヘキサデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンエイコシルアミン等が挙げられ、中でもポリオキシエチレンドデシルアミンが好適である。
(12)ポリオキシエチレン高級脂肪酸アミドの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンカプロン酸アミド、ポリオキシエチレンカプリル酸アミド、ポリオキシエチレンカプリン酸アミド、ポリオキシエチレンラウリル酸アミド、ポリオキシエチレンミリスチン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等が挙げられ、中でもポリオキシエチレンラウリル酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミドが好適である。
(13)アミンオキシドの具体例としては、例えば、ジメチルラウリルアミンオキシド、ジメチルステアリルオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド等が挙げられ、中でもジメチルラウリルアミンオキシドが好適である。
また、上記(7)〜(13)のノニオン系界面活性剤の他にも、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油および硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル等のエーテルエステル型ノニオン系界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤を併用することもできる。
かかる界面活性剤(D)の含有量としては、用いる全ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましく、特には0.02〜0.5重量部、更には0.03〜0.2重量部であることが好ましい。界面活性剤(D)の含有量が下限値未満ではブロッキング防止効果が得難く、上限値を超えるとフィルムの透明性が低下する傾向にあり好ましくない。
また、アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤を併用する場合には、用いる全ポリビニルアルコール系樹脂に対して、アニオン系界面活性剤が0.01〜1重量部、特には0.02〜0.2重量部、更には0.03〜0.1重量部であり、ノニオン系界面活性剤が0.01〜1重量部、特には0.02〜0.2重量部、更には0.03〜0.1重量部であることが好ましい。アニオン系界面活性剤が下限値未満では偏光膜作成時の染料の分散性が低下し、染色斑が多くなる傾向にあり、上限値を超えるとポリビニルアルコール系樹脂溶解時の泡立ちが激しく、フィルム中に気泡が混入しやすくなり光学用フィルムとして使用できなくなる傾向にあり、ノニオン系界面活性剤が下限値未満ではブロッキング防止効果が得難く、上限値を超えるとフィルムの透明性や平面平滑性が低下する傾向になり好ましくない。
また本発明においては、フィルムの黄変を防止するために、酸化防止剤を配合することも有用であり、フェノール系酸化防止剤等の任意の酸化防止剤が例示され、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチルー6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が好適である。酸化防止剤はポリビニルアルコール系樹脂に対して2〜100ppm程度の範囲で使用される。
かくして本発明では、上記の側鎖に1,2−グリコール結合を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)及びポリビニルアルコール系樹脂(B)(ポリビニルアルコール系樹脂(A)は除く。)、好ましくは更に可塑剤(C)及び界面活性剤(D)を用いて、ポリビニルアルコール系フィルムを製膜するのである。
以下、本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法について具体的に説明する。なお、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)をあわせて表現するときに、「ポリビニルアルコール系樹脂」と表記することがある。
本発明においては、側鎖に1,2−グリコール結合を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)及びポリビニルアルコール系樹脂(B)、好ましくは更に可塑剤(C)、界面活性剤(D)を用いて、ポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液を調製し、該水溶液をドラム型ロールまたはエンドレスベルト、好ましくはドラム型ロールに流延して製膜、乾燥することにより、ポリビニルアルコール系フィルムを製造する。
本発明の製造方法において、まず、ポリビニルアルコール系樹脂粉末は、通常樹脂に含有されている酢酸ナトリウムを除去するため、洗浄される。洗浄に当たっては、メタノールあるいは水で洗浄されるが、メタノールで洗浄する方法では溶剤回収などが必要になるため、水で洗浄する方法がより好ましい。
次に、洗浄後の含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを溶解し、ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製するが、かかる含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキをそのまま水に溶解すると所望する高濃度の水溶液が得られないため、一旦脱水を行なうことが好ましい。脱水方法は特に限定されないが、遠心力を利用した方法が一般的である。
前記洗浄及び脱水により、含水率50重量%以下、好ましくは30〜45重量%の含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキとすることが好ましい。含水率が上限値を超えると、所望する水溶液濃度にすることが難しくなり好ましくない。
次いで、ポリビニルアルコール系フィルムの製膜に用いられるポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液は、溶解槽に、水、前述した脱水後の含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキ、可塑剤(C)、界面活性剤(D)などを仕込み、加温し、撹拌して溶解させることにより調製される。本発明の製造方法においては、特に、上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解槽中で水蒸気を吹き込んで含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを溶解させることが、溶解性の点より好ましい。
上下循環流発生型撹拌翼を備えた溶解槽中で水蒸気を吹き込んで含水ポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを溶解させる際には、水蒸気を吹き込み、樹脂温度が40〜80℃、好ましくは45〜70℃となった時点で、撹拌を開始することが均一溶解できる点で好ましい。樹脂温度が下限値未満ではモーターの負荷が大きくなり、上限値を超えるとポリビニルアルコール系樹脂の固まりができて均一な溶解ができなくなり好ましくない。さらに、水蒸気を吹き込み、樹脂温度が90〜100℃、好ましくは95〜100℃となった時点で、缶内を加圧することも均一溶解ができる点で好ましい。樹脂温度が下限値未満では未溶解物ができ好ましくない。そして、樹脂温度が130〜150℃となったところで水蒸気の吹き込みを終了し、0.5〜3時間撹拌を続け、溶解が行なわれる。溶解後は、所望する濃度となるように濃度調整が行なわれる。
かくして得られるポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液の濃度は、10〜50重量%であることが好ましく、さらに好ましくは15〜40重量%、特に好ましくは20〜30重量%である。水溶液濃度が下限値未満では乾燥負荷が大きくなり生産能力が劣り、上限値を超えると粘度が高くなりすぎて均一な溶解ができず好ましくない。
次に、得られたポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液は、脱泡処理される。脱泡方法としては、静置脱泡や多軸押出機による脱泡等が挙げられるが、本発明の製造方法においては、生産性の点より、多軸押出機を用いて脱泡する方法が好ましい。
脱泡処理が行なわれたのち、多軸押出機から排出されたポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液は、一定量ずつT型スリットダイに導入され、ドラム型ロールまたはエンドレスベルトに流延されて、製膜、乾燥される。
T型スリットダイとしては、通常、細長の矩形を有したT型スリットダイが用いられる。T型スリットダイ出口の樹脂温度は80〜100℃であることが好ましく、より好ましくは85〜98℃である。T型スリットダイ出口の樹脂温度が下限値未満では流動不良となり、上限値を超えると発泡し好ましくない。
流延に際しては、ドラム型ロールまたはエンドレスベルトで行われるが、幅広化や長尺化、膜厚の均一性などの点からドラム型ロールで行うことが好ましい。
ドラム型ロールで流延製膜するにあたり、例えばドラムの回転速度は5〜30m/分であることが好ましく、特に好ましくは6〜20m/分である。ドラム型ロールの表面温度は70〜99℃であることが好ましく、より好ましくは75〜97℃である。ドラム型ロールの表面温度が下限値未満では乾燥不良となり、上限値を超えると発泡し好ましくない。
ドラム型ロールで製膜されたポリビニルアルコール系フィルムの乾燥は、膜の表面と裏面とを複数の乾燥ロールに交互に通過させることにより行なわれる。乾燥ロールの表面温度は特に限定されないが、60〜100℃、さらには65〜90℃であることが好ましい。かかる表面温度が下限値未満では乾燥不良となり、上限値を超えると乾燥しすぎることとなり外観不良を招き好ましくない。また本発明においては、乾燥の後、熱処理を行うことが好ましい。
熱処理については、(1)表面をハードクロムメッキ処理又は鏡面処理した、直径0.2〜2mのロール(1〜30本)を温度60〜180℃に調整して通過させる方法、(2)フローティング型ドライヤー(長さ:2〜30m、温度80〜180℃)にて行う方法等が挙げられる。
かくして得られる本発明のポリビニルアルコール系フィルムは、可視光全域において、光線透過率が90%以上であり、光学用ポリビニルアルコール系フィルムとして非常に有用である。したがって、本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、特に偏光膜の原反フィルムとして好ましく用いられる。
以下、本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムを用いた本発明の偏光膜の製造方法について説明する。
本発明の偏光膜は、通常の染色、延伸、ホウ酸架橋および熱処理などの工程を経て製造される。偏光膜の製造方法としては、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸してヨウ素または二色性染料の溶液に浸漬し染色したのち、ホウ素化合物処理する方法、延伸と染色を同時に行なったのち、ホウ素化合物処理する方法、ヨウ素または二色性染料により染色して延伸したのち、ホウ素化合物処理する方法、染色したのち、ホウ素化合物の溶液中で延伸する方法などがあり、適宜選択して用いることができる。このように、ポリビニルアルコール系フィルム(未延伸フィルム)は、延伸と染色、さらにホウ素化合物処理を別々に行なっても同時に行なってもよいが、染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程中に一軸延伸を実施することが、生産性の点より望ましい。
延伸は一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜7倍延伸することが望ましい。この際、延伸方向の直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度、またはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度は、20〜170℃から選ぶのが望ましい。さらに、延伸倍率は最終的に前記範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
フィルムへの染色は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜2g/L、ヨウ化カリウムの濃度は10〜50g/L、ヨウ化カリウム/ヨウ素の重量比は20〜100が適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜50℃が好ましい。水溶液には、水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させても差し支えない。接触手段としては浸漬、塗布、噴霧などの任意の手段が適用できる。
染色処理されたフィルムは、ついでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ酸、ホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度0.3〜2モル/L程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリウムを共存させるのが実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが、もちろん塗布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は20〜60℃程度、処理時間は3〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行なってもよい。
このようにして得られる本発明の偏光膜は、その片面または両面に光学的に等方性の高分子フィルムまたはシートを保護膜として積層接着して、偏光板として用いることもできる。本発明の偏光板に用いられる保護膜としては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド、シクロ系ないしはノルボルネン系ポリオレフィンなどのフィルムまたはシートが挙げられる。
また、偏光膜には、薄膜化を目的として、上記保護膜の代わりに、その片面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂などの硬化性樹脂を塗布し、積層させることもできる。
偏光膜(少なくとも片面に保護膜あるいは硬化性樹脂を積層させたものを含む)は、その一方の表面に必要に応じて、透明な感圧性接着剤層が通常知られている方法で形成されて、実用に供される場合もある。感圧性接着剤層としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステルと、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸などのα−モノオレフィンカルボン酸との共重合物(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールのようなビニル単量体を添加したものも含む)を主体とするものが、偏光フィルムの偏光特性を阻害することがないので特に好ましいが、これに限定されることなく、透明性を有する感圧性接着剤であれば使用可能で、例えばポリビニルエーテル系、ゴム系などでもよい。
本発明の偏光膜は、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、パソコン、携帯情報端末機、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCDなど)用反射低減層、医療機器、建築材料、玩具などに用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
各物性について、次のようにして行なった。
(1)側鎖の1,2−グリコール結合量
1H−NMR(内部標準物質:テトラメチルシラン、溶媒:d6−DMSO)で測定して算出した。
(2)ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度
残酢酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費で分析を行なった。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂の4%水溶液粘度
水温を20℃に調整しヘプラ−粘度計により測定した。
(4)光学特性
高速多波長複屈折測定装置(大塚電子(株)製「RETS−2000」)を用いて、得られた偏光膜の波長460nm、540nm、640nmおける偏光度、透過率および二色比を測定した。
実施例1
500Lのタンクに5℃の水200kgを入れ、撹拌しながら、4%水溶液粘度107mPa・s、ケン化度99.3モル%、側鎖の1,2−グリコール結合量1.0モル%のポリビニルアルコール系樹脂(A)21kg、4%水溶液粘度64mPa・s、ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコール系樹脂(B)21kgを加え、15分間撹拌を続けた。その後一旦水を抜いた後、さらに水200kgを加え、15分間撹拌した。得られたスラリーを脱水し、含水率40%のポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキを得た。
得られたポリビニルアルコール系樹脂ウェットケーキ70kg(樹脂分42kg)を溶解槽に入れ、可塑剤(C)としてグリセリン4.2kg、界面活性剤(D)としてドデシルスルホン酸ナトリウム21g、ポリオキシエチレンドデシルアミン8g、水10kgを加え、槽底から水蒸気を吹き込んだ。内部樹脂温度が50℃になった時点で撹拌を行い、内部樹脂温度が100℃になった時点で系内を加圧し、150℃まで昇温した後、水蒸気の吹き込みを停止した。30分間撹拌を行い均一に溶解した後、濃度調整により濃度26%のポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液を得た。
次に、ポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液(液温147℃)を、2軸押出機に供給し、脱泡した。脱泡されたポリビニルアルコール系樹脂組成物の水溶液を、T型スリットダイ(ストレートマニホールドダイ)よりキャストドラムに流延して製膜した。かかる流延製膜の条件は下記の通りである。
ドラム型ロール
直径(R1):3200mm、幅:4.3m、回転速度:8m/分、表面温度:90℃、T型スリットダイ出口の樹脂温度:95℃
得られた膜の表面と裏面とを下記の条件にて乾燥ロールに交互に通過させながら乾燥を行なった。
乾燥ロール
直径(R2):320mm、幅:4.3m、本数(n):10本、回転速度:8m/分、表面温度:80℃
連続して、この膜を両面から温風を吹き付けるフローティングドライヤー(長さ18.5m)により、140℃で熱処理を行い、幅4.0m、厚さ50μm、長さ4000mの光学用ポリビニルアルコール系フィルムを得た。
上記で得られた本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムを用いて、以下の要領で偏光膜を得て、偏光特性を評価した。
得られた光学用ポリビニルアルコール系フィルムを、水温30℃の水槽に浸漬しつつ、1.5倍に延伸した。次に、ヨウ素0.2g/L、ヨウ化カリウム15g/Lよりなる染色槽(30℃)にて240秒浸漬しつつ1.3倍に延伸し、さらにホウ酸50g/L、ヨウ化カリウム30g/Lの組成のホウ酸処理槽(40℃)に浸漬するとともに、同時に2.8倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行なった。その後、乾燥して偏光膜を得た。
次に得られた偏光膜の両面にポリビニルアルコール系水溶液を接着剤として用いて、膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルムを貼合し、50℃で乾燥して偏光板を得た。この偏光板について、偏光度、光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。表1に示すように、460nmの偏光性能が非常に高いものが得られた。
実施例2
実施例1において、ポリビニルアルコール系樹脂として、4%水溶液粘度173mPa・s、ケン化度99.8モル%、側鎖の1,2−グリコール結合量8.0モル%のポリビニルアルコール系樹脂(A)4kgと4%水溶液粘度64mPa・s、ケン化度99.8モル%の未変性ポリビニルアルコール系樹脂(B)38kgに変更した以外は同様に行い、光学用ポリビニルアルコール系フィルム(長さ4000m、幅4m、厚さ50μm)を得た。
得られた光学用ポリビニルアルコール系フィルムについて、実施例1と同様にして偏光膜及び偏光板を得、偏光度、光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。表1に示すように、460nmの偏光性能が非常に高いものが得られた。
比較例1
実施例1において、ポリビニルアルコール系樹脂として、4%水溶液粘度64mPa・s、ケン化度99.8モル%の未変性ポリビニルアルコール系樹脂42kgに変更した以外は同様に行い、ポリビニルアルコール系フィルム(長さ4000m、幅4m、厚さ50μm)を得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルムについて、実施例1と同様にして偏光膜及び偏光板を得、偏光度、光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。表1に示すように、460nmの二色比は31.72であり、十分な偏光性能が得られなかった。
比較例2
実施例1において、ポリビニルアルコール系樹脂として、4%水溶液粘度27mPa・s、ケン化度99.8モル%、主鎖に1,2−グリコール結合を1.8モル%有するポリビニルアルコール系樹脂42kgに変更した以外は同様に行い、ポリビニルアルコール系フィルム(長さ4000m、幅4m、厚さ50μm)を得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルムについて、実施例1と同様にして偏光膜及び偏光板を得、偏光度、光線透過率を測定した。測定結果を表1に示す。表1に示すように、460nmの二色比は27.01であり、十分な偏光性能が得られなかった。
Figure 0005000127
本発明の光学用ポリビニルアルコール系フィルムは、側鎖に1,2−グリコール結合を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)及びポリビニルアルコール系樹脂(B)(ポリビニルアルコール系樹脂(A)は除く。)を特定割合で含有してなるため、可視光線全域、特には波長460nm付近において、偏光性能に優れた偏光膜を得るという効果を有するものであり、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、パソコン、携帯情報端末機、自動車や機械類の計器類などの液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCDなど)用反射低減層、医療機器、建築材料、玩具などに用いられる偏光膜の原反フィルムや1/2波長板や1/4波長板に用いられる原反フィルム、液晶表示装置に用いられる位相差フィルムの原反フィルムとして非常に有用である。


Claims (14)

  1. 側鎖に1,2−グリコール結合を含有するポリビニルアルコール系樹脂(A)及びポリビニルアルコール系樹脂(B)(ポリビニルアルコール系樹脂(A)は除く。)を含有してなり、かつ下記(1)式を満足することを特徴とする光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
    0.01≦A×G/(A+B)≦6 ・・・(1)
    ここで、Aは、ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール系樹脂(B)の合計に対するポリビニルアルコール系樹脂(A)の含有割合(重量比)、Bは、ポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有割合(重量比)、Gは、側鎖の1,2−グリコール結合量(モル%)を表す。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂(A)の側鎖の1,2−グリコール結合量が0.01〜20モル%であることを特徴とする請求項1記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂(A)のケン化度が90モル%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  4. ポリビニルアルコール系樹脂(A)の4重量%水溶液粘度が8〜400mPa・sであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂(B)のケン化度が90モル%以上であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  6. ポリビニルアルコール系樹脂(B)の4重量%水溶液粘度が8〜500mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  7. ポリビニルアルコール系樹脂(A)とポリビニルアルコール樹脂(B)のケン化度の差が6モル%以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  8. 更に、可塑剤(C)を含有してなる請求項1〜7いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  9. 更に、界面活性剤(D)を含有してなることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  10. フィルム幅が2m以上であることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  11. フィルムの厚みが30〜70μmであることを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  12. 偏光膜の原反フィルムとして用いることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルム。
  13. 請求項1〜12いずれか記載の光学用ポリビニルアルコール系フィルムからなることを特徴とする偏光膜。
  14. 請求項13記載の偏光膜の少なくとも片面に保護膜を設けてなることを特徴とする偏光板。
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