JPH11119023A - 偏光フィルム - Google Patents

偏光フィルム

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JPH11119023A
JPH11119023A JP28504597A JP28504597A JPH11119023A JP H11119023 A JPH11119023 A JP H11119023A JP 28504597 A JP28504597 A JP 28504597A JP 28504597 A JP28504597 A JP 28504597A JP H11119023 A JPH11119023 A JP H11119023A
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JP
Japan
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vinyl
ethylene
film
polarizing film
degree
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JP28504597A
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English (en)
Inventor
Takanori Isozaki
孝徳 磯▲ざき▼
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性の向上した偏光フィルムを提供する。 【解決手段】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
(A)とポリビニルアルコール重合体(B)との配合物
からなる原反フィルムを一軸延伸してなる偏光フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐久性能に優れる偏
光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置は時計、電卓、ワー
プロおよび機械の計器類等の比較的小画面の表示装置と
して用いられ、表示品質に対する要求は特にきびしくな
かった。しかし、近年液晶表示装置がラップトップワー
プロ、ラップトップパソコン、ノートブックパソコン用
のディスプレイ、自動車、航空機のインパネ用ディスプ
レイ、液晶プロジェクター等として幅広く利用されるよ
うになり、大型化、表示品質の高級化、特に耐久性の向
上が要求されている。したがって、液晶表示装置の構成
要素である偏光フィルムに関しても、大面積化、高偏光
度かつ高透過度といった光学特性に加えて、耐久性の向
上が求められている。
【0003】偏光板は一般にポリビニルアルコール重合
体フィルムを一軸延伸し、染色して作成した偏光フィル
ムと、その両面を三酢酸セルロース(TAC)などの支
持板を貼り合わせた構成をしている。しかし、一般のポ
リビニルアルコール重合体は熱や湿度、特に湿度に対し
て不安定であり、偏光板を形成した場合にも変形した
り、偏光性能が低下したりする問題があった。このポリ
ビニルアルコール重合体フィルムの耐久性(耐水性)を
向上させるため、エチレン−ビニルアルコール共重合体
を用いて偏光フィルムを作製する方法が従来知られてい
る。しかし、耐水性を向上させるためにエチレンを共重
合の割合を増加させると耐久性は向上するが光学性能が
低下するという問題があった。そこで、光学性能の低下
を抑えながら、耐久性を向上させる方法が求められてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
は偏光度、透過度等の光学特性に優れ、さらに耐久性に
優れている偏光フィルムを提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
解決に向けて鋭意検討した結果、エチレン−ビニルアル
コール共重合体(A)とポリビニルアルコール重合体
(B)との配合物からなる原反フィルムを一軸延伸して
なる偏光フィルムを見いだし、本発明を完成したもので
ある。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の偏光フィルムの作成に使用されるエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(A)とポリビニルアルコール
重合体(B)からなるフィルムに含有される成分(A)
と成分(B)の配合割合は、成分(B)100重量部に
対して、成分(A)が0.1〜1000重量部が好まし
く、より好ましくは0.5〜200重量部、さらに好ま
しくは1〜100重量部、最も好ましくは2〜20重量
部である。成分(A)の配合割合が0.1重量部より小
さい場合には耐久性向上の効果が認められず、1000
重量部より多い場合には偏光性能が低下する。
【0007】本発明のエチレン−ビニルアルコール共重
合体(A)のエチレン含有率は偏光フィルムの性能(特
に耐久性)に大きく影響する。エチレン含有率の低下は
偏光膜の耐水性、耐湿熱性及び耐久性を低下させるた
め、エチレン−ビニルアルコール共重合体の効果を充分
に発揮するためにはエチレン含有率を1モル%以上にす
ることが重要であり、好ましくは2モル%以上、さらに
好ましくは5モル以上である。エチレン含有率の増加
は、偏光フィルムの耐水性や耐熱性を向上させるが、あ
まりエチレン含有率が高くなると、偏光性能が低下する
ため、エチレン含有率は25モル%以下であることが必
要であり、好ましくは10モル%以下である。
【0008】エチレン−ビニルアルコール共重合体の重
合度も本発明の偏光フィルムの性能に影響する。重合度
が500より小さいと光学特性、耐水性、耐湿熱性、耐
久性等の性能が低下するため、重合度が500以上であ
ることが重要であり、好ましくは1000以上、より好
ましくは2000以上である。製膜や延伸等の加工特性
の点から30000以下であることが好ましい。エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体の重合度(P)はJIS
−K6726に準じて測定される。すなわち、エチレン
−ビニルアルコール共重合体を再けん化し、精製した
後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:d
l/g)から次式により求められる。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
【0009】エチレン−ビニルアルコール共重合体はエ
チレンと酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマーとの
共重合により得られるエチレン−ビニルエステル共重合
体を鹸化し、ビニルエステル単位をビニルアルコール単
位とする事により得られる。エチレン−ビニルアルコー
ル重合体のビニルアルコール単位における鹸化度も本発
明の偏光フィルムの性能に影響する。ここで鹸化度は、
鹸化によりビニルアルコール単位に変換され得る単位の
中で、実際にビニルアルコール単位に鹸化されている単
位の割合を表したものであり、残基はビニルエステル単
位である。鹸化度としては少なくとも90モル%以上、
好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%
以上である。
【0010】エチレンとビニルエステルを共重合させる
際に、これら以外のモノマーを本発明の主旨を損なわな
い程度で共重合させても良い。このようなコモノマーと
して例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等の
オレフィン類、アクリル酸およびその塩とアクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オ
クタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸お
よびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチ
ル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタ
デシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸および
その塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよび
その塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミ
ドおよびその誘導体等のアクリルアミド誘導体、メタク
リルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチル
メタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン
酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルア
ミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメ
タクリルアミドおよびその誘導体等のメタクリルアミド
誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニ
ルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニ
ルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエー
テル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニ
トリル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル、酢酸アリ
ル、塩化アリル等のアリル化合物、マレイン酸およびそ
の塩またはそのエステル、ビニルトリメトキシシラン等
のビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等がある。
【0011】本発明のポリビニルアルコール重合体
(B)は酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマーをラ
ジカル重合して得られたポリビニルエステル重合体をけ
ん化することにより得られる。ビニルエステル系重合体
の重合法としては溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法
および乳化重合法が挙げられる。
【0012】ビニルエステルとしてはギ酸ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウ
リン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、
ピバリン酸ビニルおよびバーサテイツク酸ビニル等が挙
げられるが、とりわけ酢酸ビニルが好ましい。
【0013】また、上記のビニルエステルモノマー類に
共重合可能なモノマーを共重合した共重合体であること
も差し支えなく、本発明の主旨を損なわない範囲で使用
される。このようなコモノマーとして例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィ
ン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸
i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−
ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシ
ル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその
塩、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル,メタク
リル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等の
メタクリル酸エステル類、イタコン酸およびその塩、イ
タコン酸の炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエス
テル類、無水マレイン酸、マレイン酸およびその塩、マ
レイン酸の炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエス
テル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプ
ロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピ
ルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−
メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリ
ルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタク
リルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリル
アミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルア
ミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4
級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導
体等のメタクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテ
ル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエ
ーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニル
エーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニル
エーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物、マレイン酸およびその塩またはそのエステル、ビニ
ルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イ
ソプロペニル等がある。
【0014】ポリビニルアルコール重合体の重合度は、
耐久性能の点から、1000以上、好ましくは1700
以上、さらに好ましくは2000以上、最も好ましくは
3000〜10000が有利であり、製膜や延伸等の加
工特性の点からは30000以下である。重合度が20
00以上の場合には耐久性に加えて偏光性能も向上する
ことから好ましい。ここでポリビニルアルコール重合体
の重合度(P)はJIS−K6726に準じて測定され
る。すなわち、ポリビニルアルコール重合体を再けん化
し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度
[η](単位:dl/g)から次式により求められる。 P=([η]×103/8.29)(1/0.62) ポリビニルアルコール重合体におけるケン化度は、少な
くとも85モル%以上、好ましくは95モル%以上、さ
らに好ましくは98モル%以上である。
【0015】本発明のエチレン−ビニルアルコール共重
合体(A)とポリビニルアルコール重合体(B)からな
る原反フィルムを製膜する方法としては、キャスト製膜
や乾式製膜(空気中や窒素等不活性気体中への押し出
し)、湿式製膜、乾湿式製膜、ゲル製膜(重合体溶液を
一旦ゲル化させた後フィルムを得る方法)によって行わ
れるが、このときに使用される溶剤としてはジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、メタノール、n−プロパノール、i−プロパノー
ル、フェノールおよび水等が単独または混合して使用さ
れる。また塩化リチウム、塩化カルシウム等の無機塩の
水溶液も単独または前記有機溶媒と混合して使用でき
る。この中で水、ジメチルスルホキシドやジメチルスル
ホキシドと水の混合溶媒またはn−プロパノールと水と
の混合溶媒が好んで使用される。延伸前のフィルムの厚
さは、延伸性とフィルム強度などの点から、通常20〜
200μmであり、好ましくは50〜100μmであ
る。厚さが20μm未満では強度的に問題があり、20
0μmを越えると均一な延伸が困難となる。
【0016】本発明の原反フィルムは本発明の主旨を損
なわない範囲において上記の重合体以外のものを含有す
ることは何ら差し支えなく、例えばその他の重合体、グ
リセリン、ジグリセリン、ジブチルフタレート、ジオク
チルフタレート、リン酸トリクレジル等の可塑剤、クレ
イ、シリカ、炭酸カルシウム、Ti、Ni化合物等の無
機化合物、界面活性剤、ホウ素化合物等の架橋剤が挙げ
られる。また、必要に応じて着色のための染料や顔料、
酸化防止剤等の安定化剤が添加されることもある。
【0017】本発明の偏光フィルムは、たとえば以下の
方法によって製造される。一つの方法としては、原反フ
ィルムを調製した後にヨウ素化合物や染料などの二色性
物質の吸着と一軸延伸を行う方法であり、二色性物質の
吸着と延伸処理の順序は任意である。もう一つの方法と
してはフィルムの製造時に二色性物質を添加し、得られ
た二色性物質を含有するフィルムを一軸延伸する方法で
あり、本発明の偏光フィルムはどちらの方法でも製造可
能である。
【0018】上記製膜法によって得られた原反フィルム
は二色性物質の吸着と一軸延伸による配向処理が行われ
るか、もしくは製膜時に二色性物質を添加したフィルム
については一軸延伸のみが行われる。吸着処理と配向処
理は同時に行っても別々に行っても問題なく、その順序
は任意である。二色性物質の基材フィルムへの吸着は、
通常二色性物質を含有する液体中に浸漬させることによ
り行われるが、その処理条件や方法等に特に制限はな
く、たとえば通常ヨウ素化合物を用いる場合にはヨウ素
−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、染料の場合には
染料水溶液が用いられる。また、これらの水溶液にホウ
酸,ホウ砂等のホウ素系化合物を添加しても良い。
【0019】延伸は湿式延伸や乾熱式延伸で行われ、一
軸方向に3倍以上に行うことが好ましく、5倍以上の延
伸を行うことがより好ましい。延伸時の温度は延伸の条
件によっても異なるが、通常20〜250℃の間であ
る。また乾熱延伸時は不活性気体中で処理を実施するの
が好ましい。延伸後の膜厚は特に制限はないが3〜10
0μmが好ましく、5〜40μmが特に好ましい。
【0020】本発明の偏光フィルムに使用される二色性
物質は、ヨウ素化合物のほか、いわゆる二色性染料が単
独または混合して用いられる。代表的なものとしてたと
えばDirect black 17,19,154、Direct brown 44,10
6,195,210,223、Direct red 2,23,28,31,37,3
9,79,81,240,242,247、Direct blue 1,15,22,7
8,90,98,151,168,202,236,249,270、Direct vi
olet 9,12,51,98、Direct green 1,85、Direct yel
low 8,12,44,86,87、Direct orange 26、39,106,
107等が挙げられる。
【0021】フィルム中の二色性物質の量は、少なすぎ
ると偏光フィルムの光学的性質を発揮できず、多すぎて
も光学的性質や耐水性、耐熱性を低下させる要因となる
ことから通常原反フィルムに対して、0.01〜1重量
%の範囲に調整される。
【0022】吸着と延伸が行われたフィルムは定長下で
空気中または不活性気体中で乾燥される。乾燥されたフ
ィルムは耐水性、耐湿熱性などを付与するため、さらに
80〜230℃の温度で熱処理を行っても良い。また、
基材フィルムへの二色性物質の吸着を強固にすることを
目的にホウ酸やホウ砂のようなホウ素化合物を添加する
ことがあるが、これは吸着や延伸と同時に実施してもこ
れらの処理の前後や間のどの時点で実施しても任意であ
る。
【0023】このようにして得られた偏光フィルムは、
その両面あるいは片面に光学的に透明で、かつ機械的強
度を有した保護膜を貼り合わせて偏光板として使用され
る。保護膜としては通常セルロースアセテート系フィル
ム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム等が
使用される。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例によりなんら制限されるも
のではない。なお、実施例中の「%」および「部」は特
にことわりのない限りそれぞれ「重量%」および「重量
部」を表す。透過度、偏光度、色相の測定は日本電子機
械工業会規格(EIAJ)LD−201−1983に準
拠し、分光光度計を用いて、C光源,二度視野にて計算
した。偏光フィルムは通常保護フィルムをラミネートし
た状態で使用されるが、以下の実施例および比較例で
は、保護フィルムのない偏光フィルム単独について測定
した。
【0025】実施例1 重合度1530、ケン化度99.6モル%、エチレン5
モル%変性のエチレン−ビニルアルコール共重合体1部
と重合度1750、ケン化度99.9モル%のポリビニ
ルアルコール重合体99部に、グリセリン10部と水9
00部に加え、90℃に加熱することによって溶解し
た。この原液をルミラーフィルム(東レ製ポリエステル
フィルム)上に約1mm厚さに流延し、乾燥して得た無
色透明フィルム(100μm)を得た。ヨウ素0.2g
/l、ヨウ化カリウム30g/l、ほう酸40g/lを
溶解した水溶液中に、30℃で3分間浸漬した。続い
て、ほう酸40g/lを溶かした水溶液中で、50℃で
4.5倍に一軸延伸し、ヨウ化カリウム40g/l、ほ
う酸40g/l、塩化亜鉛10g/lを溶解した35℃
の水溶液中に10分間の浸漬処理を行った後、定長下で
40℃の熱風下に乾燥した。さらに定長下で100℃で
3分間熱処理を行い、厚さ50μmの偏光フィルムとし
た。得られた偏光フィルムの透過度および偏光度を表1
に示した。さらに、この偏光フィルムを60℃、90%
RHの恒温恒湿器で5時間耐久性試験を行った。耐久性
試験後の透過度および偏光度、さらに耐久性試験前後の
二色性比を表1に示す。
【0026】実施例2 重合度1530、ケン化度99.6モル%、エチレン5
モル%変性のエチレン−ビニルアルコール共重合体10
部と重合度1750、ケン化度99.9モル%のポリビ
ニルアルコール重合体90部に、グリセリン10部と水
900部に加え、90℃に加熱することによって溶解し
た。偏光フィルムの作成および耐久性試験を実施例1と
同様にして行った。得られた偏光フィルムの耐久性試験
前後の透過度、偏光度および二色性比を表1に示す。
【0027】実施例3 重合度2000、ケン化度99.2モル%、エチレン2
モル%変性のエチレン−ビニルアルコール共重合体60
部と重合度4000、ケン化度99.7モル%のポリビ
ニルアルコール重合体40部に、グリセリン10部と水
900部に加え、90℃に加熱することによって溶解し
た。偏光フィルムの作成および耐久性試験を実施例1と
同様にして行った。得られた偏光フィルムの耐久性試験
前後の透過度、偏光度および二色性比を表1に示す。
【0028】比較例1 重合度1750、ケン化度99.9モル%のポリビニル
アルコール重合体100部に、グリセリン10部と水9
00部に加え、90℃に加熱することによって溶解し
た。偏光フィルムの作成および耐久性試験を実施例1と
同様にして行った。得られた偏光フィルムの耐久性試験
前後の透過度、偏光度および二色性比を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】上記実施例で明らかなように、本発明の
偏光フィルムは、従来の偏光フィルムに比べて耐久性が
高い。本発明で得られた偏光フィルムは上記特徴を生か
して、例えばLCDナビゲーションシステムあるいはL
CDモニターなどの温度、湿度変化の大きい車載LCD
用の偏光板として有効である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00 11:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)とポリビニルアルコール重合体(B)との配合物
    からなる原反フィルムを一軸延伸してなる偏光フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール重合体(B)10
    0重量部に対するエチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)の配合量が0.1〜1000重量部である請求項
    1記載の偏光フィルム。
  3. 【請求項3】 エチレン−ビニルアルコール共重合体
    (A)のエチレン含有率が1〜25モル%である請求項
    1記載の偏光フィルム。
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