JP6418930B2 - ポリビニルアルコール系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、2種のアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含有するポリビニルアルコール系樹脂組成物に関し、更に詳しくは、耐水性に優れるポリビニルアルコール系樹脂組成物に関するものである。
従来から、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂をアセトアセチル(AA)化したアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAという)が提案されている。AA化PVAは架橋剤との反応で、耐水性を付与できるため、種々の用途に用いられている。
かかる架橋剤としては、アルデヒド化合物、アミン化合物、ヒドラジド化合物、メチロール化合物、金属化合物などが知られているが、中でも少量の使用で耐水性に優れた架橋物が得られる点や、水溶液で流通しているため、一般的に水系で用いるPVA系樹脂に適用が容易である点などから、アルデヒド化合物であるグリオキザールやヒドラジド化合物であるアジピン酸ジヒドラジドが好適に用いられてきた。
しかしながら、グリオキザールやアジピン酸ヒドラジドは架橋反応が速く、AA化PVAとの水系樹脂組成物としたときに経時増粘しやすく、ポットライフが短いという問題点があり、これに代わる架橋剤として、分子内にジアルキルアセタール基と1つのアルデヒド基を有するアセタール化合物(例えば、特許文献1)や、グリオキシル酸塩(例えば、特許文献2)が提案されている。
特開2008−127458号公報 特開2010−77385号公報
しかしながら、耐水性の検討において、AA化PVA自身の設計を変更する試みは行われておらず、架橋剤と反応して高い耐水性が得られるAA化PVAの検討が望まれていた。
そこで、本発明では、耐水性に優れるポリビニルアルコール系樹脂組成物を得ることを目的とする。
本発明者らは、比較的低重合度のAA化PVAに対して、高重合度のAA化PVAを特定少量含有させることによって、耐水性に優れるPVA系樹脂組成物が得られることを見いだした。
すなわち、本発明は、平均重合度300〜1500、4重量%水溶液粘度3〜25mPa・s、アセトアセチル基を有する構造単位の含有量が構造単位全体の0.1〜10モル%、ケン化度75〜99.9モル%、及び、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーの含有量が、全構造単位の10モル%以下である、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、低重合度AA化PVAという)(A)と、平均重合度2000〜4000、4重量%水溶液粘度40〜200mPa・s、アセトアセチル基を有する構造単位の含有量が構造単位全体の0.1〜10モル%、ケン化度75〜99.9モル%、及び、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーの含有量が、全構造単位の10モル%以下であるアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、高重合度AA化PVAという)(B)と、架橋剤(C)を含有する組成物であり、低重合度AA化PVA(A)と高重合度AA化PVA(B)の含有比(A/B)(重量比)が99.5/0.5〜85/15であり、ケン化度差が0〜20モル%、架橋剤(C)の含有量がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と(B)の合計量に対して、0.05〜30重量%であることを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂組成物である。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂組成物によれば、耐水性に優れたフィルム等の成形体を得ることができる。
かかる効果の発現メカニズムは、明確には解明されていないが、高重合度のAA化PVAの近傍に多量の低重合度のAA化PVAが存在することにより、低重合度のAA化PVAが高重合度のAA化PVA同士の橋渡しをし、耐水性が向上したものであると推測される。
更に、低重合度のAA化PVAは、高重合度のAA化PVAよりも分子鎖が短いため、分子の動きの自由度が高く、架橋点に移動しやすく、架橋が緻密になり、耐水性が向上すると推測される。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
〔低重合度AA化PVA(A)〕
本発明に用いられる低重合度AA化PVA(A)は、PVA系樹脂の主鎖に直接、あるいは酸素原子や連結基を介してAA基が結合したもので、例えば一般式(1)で表されるAA基を有する構造単位を含むポリビニルアルコール系樹脂が上げられる。なお、かかる低重合度AA化PVA(A)は、AA基を有する構造単位以外にビニルアルコール構造単位を有し、更に未ケン化部分のビニルエステル構造単位を有する。
Figure 0006418930
低重合度AA化PVA(A)の平均重合度は、通常、300〜1500、好ましくは500〜1400、更に好ましくは800〜1300である。平均重合度が低すぎると、耐水性が低下する傾向があり、高すぎると、粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、平均重合度はJIS K 6726に準拠して測定することができる。
低重合度AA化PVA(A)の4重量%水溶液粘度は、通常3〜25mPa・sであり、好ましくは5〜20mPa・s、更に好ましくは8〜18mPa・sである。かかる粘度が低すぎると耐水性が低下する傾向があり、高すぎると粘度が上昇し、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
なお、本明細書において、低重合度AA化PVA(A)の4重量%水溶液粘度は、AA化PVA(A)の4重量%水溶液を調製し、JIS K6726に準拠して測定した20℃における粘度である。
AA基を有する構造単位の含有量(AA化度)は、通常、構造単位全体の0.1〜10モル%であり、好ましくは0.3〜8モル%、特に好ましくは0.5〜6モル%である。AA化度が小さすぎると、耐水性が低下する傾向がある。
なお、AA化度は、低重合度AA化PVA(A)の総エステル基量と酢酸エステル基量との差から求めることができる。
低重合度AA化PVA(A)のケン化度は、通常、75〜99.9モル%であり、好ましくは80〜99.5モル%、更に好ましくは85〜99.3モル%である。ケン化度が低すぎると、水への溶解性が低下する傾向がある。
なお、ケン化度はJIS K 6726に準拠して測定することができるもので、PVA系樹脂中のビニルエステル構造単位以外の構造単位の含有率である。
低重合度AA化PVA(A)は、一種類を単独で用いてもよく、また、粘度や平均重合度、ケン化度が異なる二種類以上を組み合わせて用いてもよい。二種類以上を組み合わせて用いる場合には、粘度、平均重合度、ケン化度の平均値が上述の範囲内であることが好ましい。
かかる低重合度AA化PVA(A)の製造法としては、特に限定されるものではないが、例えば、PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法、PVA系樹脂とアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルの共重合体をケン化する方法等を挙げることができる。特に、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られることから、PVA系樹脂とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。以下、かかる方法について説明する。
原料となるPVA系樹脂としては、一般的にはビニルエステル系モノマーの重合体のケン化物またはその誘導体が用いられる。かかるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済性の点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、ビニルエステル系モノマーと該ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーとの共重合体のケン化物等を用いることもでき、かかる共重合モノマーとしては、例えばエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
更に、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等のポリオキシアルキレン基含有モノマー、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー等も挙げられる。なお、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
かかる共重合モノマーの導入量は、モノマーの種類によって異なるため一概にはいえないが、通常は全構造単位の10モル%以下、特には5モル%以下である。共重合モノマーの導入量が多すぎると、水溶性が損なわれたり、架橋剤との相溶性が低下したりする傾向がある。
また、ビニルエステル系モノマーおよびその他のモノマーを重合、共重合する際の重合温度を高温にすることにより、主として生成する1,3−結合に対する異種結合の生成量を増やし、PVA主鎖中の1,2−ジオール結合を1.6〜3.5モル%程度としたものを使用することが可能である。
上記ビニルエステル系モノマーの重合体および共重合体をケン化して得られるPVA系樹脂とジケテンとの反応によるアセトアセチル基の導入には、PVA系樹脂とガス状或いは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をPVA系樹脂に予め吸着吸蔵させた後、不活性ガス雰囲気下でガス状または液状のジケテンを噴霧、反応するか、またはPVA系樹脂に有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応する等の方法が用いられる。
上記の反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置が挙げられる。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を用いることができる。
〔高重合度AA化PVA(B)〕
本発明に用いられる高重合度AA化PVA(B)は、平均重合度が2000〜4000であり、好ましくは2200〜3500、特に好ましくは2300〜3000である。
また、高重合度AA化PVA(B)の4重量%水溶液粘度は、通常40〜200mPa・sであり、好ましくは50〜180mPa・s、更に好ましくは55〜120mPa・sである。かかる粘度が低すぎると、耐水性が低下する傾向があり、高すぎると、製造が困難となる傾向がある。
また、高重合度AA化PVA(B)のケン化度、AA化度、製造方法は低重合度AA化PVA(A)に準ずるものである。
〔ポリビニルアルコール系樹脂組成物〕
本発明のポリビニルアルコール系樹脂組成物の低重合度AA化PVA(A)と低重合度AA化PVA(B)との含有比(A/B)(重量比)は、通常、99.5/0.5〜85/15であり、好ましくは99/1〜90/10、更に好ましくは95/5〜90/10である。低重合度AA化PVA(A)および高重合度AA化PVA(B)が多すぎても、または少なすぎても、耐水性が低下する傾向がある。
低重合度AA化PVA(A)と高重合度AA化PVA(B)の平均重合度の差は、通常、500〜3000、好ましくは800〜2500、更に好ましくは1000〜2000である。平均重合度が低すぎると、耐水性が低下する傾向があり、高すぎると、製造が困難となる傾向がある。
また、低重合度AA化PVA(A)と高重合度AA化PVA(B)のケン化度の差は、通常、0〜20モル%、好ましくは0〜10モル%、特に好ましくは0〜5モル%である。かかる差が大きすぎると相溶性が低下する傾向がある。
また、低重合度AA化PVA(A)と高重合度AA化PVA(B)のAA化度の差は、通常、0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、特に好ましくは0〜3.5モル%である。かかる差が大きすぎると耐水性が低下する傾向がある。
本発明のPVA系樹脂組成物は公知の混合方法により調製することができる。例えば、(i)低重合度AA化PVA(A)の粉末と高重合度AA化PVA(B)の粉末とを混合し、必要に応じて水溶液とし、乾燥する方法、(ii)低重合度AA化PVA(A)の溶液に高重合度AA化PVA(B)の粉末を添加し、乾燥する方法、(iii)高重合度AA化PVA(B)の溶液に低重合度AA化PVA(A)の粉末を添加し、乾燥する方法等が挙げられる。低重合度AA化PVA(A)の溶液および高重合度AA化PVA(B)の溶液に用いられる溶媒としては、水、メタノールやエタノール等の水溶性有機溶媒、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。
乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、凝析後の温風乾燥が挙げられる。
〔架橋剤〕
本発明のPVA系樹脂組成物は、更に、架橋剤(C)を含有していてもよい。
かかる架橋剤(C)としては、特に限定されず、例えば、AA化PVA(A)及び(B)の架橋剤として公知のものを用いることができ、クロム化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物、ホウ素化合物等の無機系架橋剤や、グリオキザール、グリオキシル酸及びその金属塩、尿素樹脂、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジン系化合物、イソシアネート系化合物、メラミン系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、N−メチロール系化合物、アクリロイル系化合物、活性ハロゲン系化合物、エチレンイミノ系化合物等の有機系架橋剤や、金属、金属錯塩を挙げることができる。
かかる架橋剤(C)の含有量は、AA化PVA(A)と(B)の合計量に対して、0.05〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは0.08〜20重量%、特に好ましくは0.1〜15重量%である。架橋剤(C)の含有量が少なすぎると、架橋剤(C)による効果が乏しくなる傾向があり、多すぎると増粘して、取り扱いや製造が困難となる傾向がある。
また、本発明のPVA系樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、補強剤、充填剤、可塑剤、顔料、染料、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、帯電防止剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤等が含有されていてもよい。
本発明のPVA系樹脂組成物の用途としては、下記の用途が挙げられる。
(1)成形物関係:繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース用繊維、水溶性繊維など
(2)接着剤関係:木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー、石膏ボードや繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホットメルト型接着剤、感圧接着剤、アニオン性塗料の固着剤など
(3)被覆剤関係:紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤、繊維製品用ザイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定塗料など
(4)疎水性樹脂用ブレンド剤関係:疎水性樹脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊維、フィルムその他成形物用添加剤など
(5)懸濁分散安定剤関係:塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤など
(6)乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマー、エチレン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物の乳化重合用乳化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等疎水性樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳化剤など
(7)増粘剤関係:各種水溶液やエマルジョンや石油掘削流体の増粘剤など
(8)凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾水性など
(9)交換樹脂等関係:イオン交換樹脂、キレート交換樹脂、イオン交換膜など
(10)その他:土壌改良剤、感光剤、感光性レジスト樹脂など
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
なお、PVA系樹脂の平均重合度、ケン化度、AA化度は、以下の方法により測定した。
(a)平均重合度
JIS K6726に基づいて測定した値である。
(b)ケン化度
原料PVA系樹脂の残存酢酸エステル基の加水分解に要するアルカリ消費量から求めた値であり、JIS K6726に基づいて測定した値である。
(c)AA化度
ケン化度と同様の方法によってAA化PVAの総エステル基量(アセト酢酸エステル基+酢酸エステル基)を求め、ケン化度測定で求めた原料PVA系樹脂の酢酸エステル基量との差からAA化度(モル%)を求めた。
〔実施例1〕
{AA化PVA(A)の製造}
PVA系樹脂(ケン化度99モル%、4重量%水溶液の粘度14.5mPa・s、重合度1100)を、ニーダーに100部仕込み、これに酢酸30部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで攪拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン5部を3時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、メタノールで洗浄した後、70℃で12時間乾燥してAA化PVA(A)を得た。かかるAA化PVA(A)のAA化度5モル%であり、ケン化度および平均重合度は用いたPVA系樹脂の通りである。
{AA化PVA(B)の製造}
PVA系樹脂(ケン化度98.0モル%、4重量%水溶液の粘度52mPa・s、重合度2400)を、ニーダーに100部仕込み、これに酢酸30部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで攪拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン5部を5時間かけて滴下し、更に1時間反応させた。反応終了後、メタノールで洗浄した後、70℃で12時間乾燥してAA化PVA(B)を得た。かかるAA化PVA(B)のAA化度4.5モル%であり、ケン化度および平均重合度は用いたPVA系樹脂の通りである。
〔PVA系樹脂組成物の作製〕
該AA化PVA(A)99重量部と、AA化PVA(B)1重量部とを混合し、90℃の水に溶解させ、濃度10重量%の水溶液を得た。
かかる水溶液を室温まで冷却し、グリオキシル酸ナトリウムの10重量%水溶液を、AA化PVA(A)と(B)の合計量に対して5重量%を添加し、よく混合した後、10cm×10cmの型に流し込み、23℃、50%RHの条件下で3日間風乾し、厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフィルムをオーブン中で70℃、5分間熱処理をした。
(評価方法)
得られたフィルムを80℃の熱水に1時間浸漬して、フィルムの溶出率(%)を測定した。なお、溶出率(%)の算出にあたっては、熱水浸漬前のフィルムの乾燥重量(X1)および熱水浸漬後のフィルムの乾燥重量(X2)(いずれもg)を求め、下式にて溶出率(%)を算出した。その結果を表1に示した。
溶出率(%)=[(X1―X2)/X1]×100
〔実施例2〕
AA化PVA(A)とAA化PVA(B)の含有比(A/B)(重量比)を95/5に変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様に評価して、その結果を表1に示した。
〔実施例3〕
AA化PVA(A)とAA化PVA(B)の含有比(A/B)(重量比)を90/10に変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様に評価して、その結果を表1に示した。
〔比較例1〕
AA化PVA(B)を含有させなかった以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様に評価して、その結果を表1に示した。
〔比較例2〕
AA化PVA(A)を含有させなかった以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様に評価して、その結果を表1に示した。
〔比較例3〕
AA化PVA(A)とAA化PVA(B)の含有比(A/B)(重量比)を80/20に変更した以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。実施例1と同様に評価して、その結果を表1に示した。
Figure 0006418930
AA化PVA(A)とAA化PVA(B)の含有比(A/B)が本願の範囲内である実施例1〜3では、溶出率が非常に低かった。したがって、実施例1〜3のPVA系樹脂組成物からなるフィルムは、耐水性に優れることがわかる。
一方、AA化PVA(A)のみの比較例1、及びAA化PVA(A)とAA化PVA(B)の含有比(A/B)が80/20である比較例3では、溶出率が2.5となり、実施例1と比較すると、約25%も溶出率が増加した。AA化PVA(B)のみを含有した比較例2は、溶出率が更に高く、耐水性に劣るものであった。
本発明のポリビニルアルコール系樹脂組成物は、耐水性に優れるため、紙へのコーティング層、感熱記録媒体の保護層、接着剤、フィルムなどに有用である。

Claims (1)

  1. 平均重合度300〜1500、4重量%水溶液粘度3〜25mPa・s、アセトアセチル基を有する構造単位の含有量が構造単位全体の0.1〜10モル%、ケン化度75〜99.9モル%、及び、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーの含有量が、全構造単位の10モル%以下である、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と、平均重合度2000〜4000、4重量%水溶液粘度40〜200mPa・s、アセトアセチル基を有する構造単位の含有量が構造単位全体の0.1〜10モル%、ケン化度75〜99.9モル%、及び、ビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーの含有量が、全構造単位の10モル%以下であるアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)と、架橋剤(C)を含有する組成物であり、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)とアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(B)の含有比(A/B)(重量比)が99.5/0.5〜85/15であり、ケン化度差が0〜20モル%、架橋剤(C)の含有量がアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(A)と(B)の合計量に対して、0.05〜30重量%であることを特徴とするポリビニルアルコール系樹脂組成物。
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