JP4828278B2 - ポリビニルアセタールの製法 - Google Patents

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本発明は、低粘度のポリビニルアセタールの製法に関する。
重合条件を制御することにより低粘度(低重合度)のポリビニルアルコール(以下、「ポリビニルアルコール」をPVAと呼称することがある)を得、これをアセタール化してポリビニルアセタールを得ること、および該ポリビニルアセタールを印刷用インク組成物のバインダーとして使用することは知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかしながら、この方法はポリビニルアセタールの生産性が低く、さらに得られたポリビニルアセタールを使用して一定粘度のインク用組成物を得ようとする場合に、顔料の濃度を高くすることが難しく、さらにまた得られたインク組成物は、これを塗布する基材、とくにポリプロピレン基材との接着性の点で十分であるとは言い難い。
特開平11−349889号公報(特許請求の範囲、[0011] ) 特許第3670943号明細書(特許請求の範囲) 特開2002−114931号公報(特許請求の範囲)
本発明は、上記の従来技術における問題点を解決して、一定粘度のインク用組成物を得ようとする場合に、顔料の濃度を高くすることができ、インク組成物を塗布する基材、とくにポリプロピレン基材との接着性に優れたインク組成物のバインダーとして用いることができる低粘度のポリビニルアセタールを高い生産性で製造することを目的とする。
本発明によれば、上記課題は、ポリビニルアルコールと炭素数2〜6のアルデヒドとを酸触媒の存在下に反応させてポリビニルアセタールを製造する方法であって、炭素数2〜6のアルデヒドとの反応に供するポリビニルアルコールとして、(1)重合度が100〜300であるポリビニルアルコールの水溶液に過酸化物と還元剤とを組合せたレドックス系酸化剤を添加し、または、(2)重合度が100〜300であるポリビニルアルコールおよび過酸化物と還元剤とを組合せたレドックス系酸化剤を水中に添加し、該水溶液の温度を80〜100℃に調節することにより得られる、酸化剤により低粘度化したポリビニルアルコールの水溶液を用いるポリビニルアセタールの製法によって達成することができる。
本発明によれば、低粘度のポリビニルアセタールを高い生産性で製造することができ、このようにして得られるポリビニルアセタールをインク用組成物のバインダーとして用いることにより、一定粘度のインク用組成物を得ようとする場合に、顔料の濃度を高くすることができ、さらにポリビニルアセタールを用いることにより調製されるインク用組成物は、これを塗布する基材、とくにポリプロピレン基材との接着性に優れている上に顔料分散性にも優れている。
本発明において、酸化剤により低粘度化したPVAを使用することが、本発明の目的を達成する上で極めて重要である。酸化剤により低粘度化したPVAを得る方法としては、たとえば、(1)還元剤を併用したレドックス系酸化剤をPVA水溶液に添加する方法、あるいは(2)還元剤を併用したレドックス系酸化剤およびPVAを水中に添加する方法が好適である。このような方法を適用することにより、PVAの主鎖が切断され、たとえば主鎖中の1,2−グリコール結合またはカルボニル結合が切断され、低粘度化したPVAが得られる。
上記(1)および(2)の方法を採用して低粘度化したPVAを得るのに用いられるPVA水溶液の濃度は1〜25重量%であることが好適であり、さらに好適には3〜20%、最適には5〜15重量%である。PVA水溶液の濃度がこの範囲を満足することにより、酸化剤によるPVAの低粘度化をより均一に行うことができる。なお、PVA水溶液の濃度(重量%)は、(PVAの乾燥重量/PVA水溶液の重量)×100の式にしたがって求めることができ、ここで乾燥重量とは、PVAを105℃の温度条件下で3時間乾燥したときの値である。
(1)および(2)の方法を採用して低粘度化したPVAを得るには、PVAおよび還元剤を併用したレドックス系酸化剤を含有する水溶液の温度を80〜100℃、好適には85〜95℃に調節し、攪拌を10〜90分間、好適には20〜70分間行えばよく、これにより低粘度化したPVAの水溶液が得られる。
上記(1)および(2)の方法を採用して低粘度化したPVAを得るに際し、酸化剤の配合割合はPVAに対し0.5〜30重量%、好適には1〜20重量%、最適には2〜10重量%であり、また還元剤の配合割合は、用いる酸化剤1モルに対し、0.05〜5モル、好適には0.08〜3モル、最適には0.08〜2モルである。
酸化剤としては、たとえば過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイドなどの過酸化物、および過硫酸アンモニウム、重クロム酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸塩、次亜塩素酸、過ヨウ素酸などが挙げられ、このうち過酸化物、とくに過酸化水素が好適である。
還元剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、チオ亜硫酸ソーダ、メルカプタン、第一鉄塩、第一銅塩、ヒドラジン、ギ酸、アルデヒド類、ジイミド類、糖類、酒石酸、L−アスコルビン酸などが挙げられ、このうち酒石酸が好適である。
本発明において用いられるPVAは、ビニルエステル系単量体を重合し、得られた重合体をけん化することによって得ることができる。ビニルエステル系単量体を重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、従来公知の方法を採用することができる。重合開始剤としては、採用される重合方法に応じて、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤などが適宜選ばれる。けん化反応は、従来公知のアルカリ触媒または酸触媒を用いる加アルコール分解、加水分解などを採用することができ、具体的には、メタノールを溶剤として用い、苛性ソーダ(NaOH)触媒の存在下にけん化反応を行うのが簡便であり最も好ましい。PVAの重合度は100〜300であり、好適には150〜300である。

ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられ、とりわけ酢酸ビニルが好ましい。
また、前記ビニルエステル系単量体を重合する場合、本発明の主旨を損なわない範囲でビニルエステル系単量体と他の単量体を共重合させることもできる。他の単量体の例としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン;アクリル酸またはその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸およびその塩またはそのエステルまたはその無水物;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。これらの単量体は、通常ビニルエステル系単量体に対して10モル%未満の割合で用いられる。
酸化剤により低粘度化したPVAの水溶液を、酸触媒および炭素数2〜6のアルデヒドの存在下にアセタール化し、ポリビニルアセタールを得る方法としては、たとえば、酸化剤により低粘度化した1〜25重量%濃度のPVA水溶液の温度を80〜100℃に調節し、徐々に温度を下げながら、10〜60分かけて、−10〜30℃の温度にまで低下させ、次に、アルデヒドおよび酸触媒を添加し、温度を一定に保ちながら、30〜300分反応を進め、さらに30〜200分かけて、40〜80℃になるまで昇温した後、その温度を1〜3時間保持し、さらに好適には室温まで冷却し、析出したポリビニルアセタール粉体を水洗後、中和剤(アルカリ等)を添加する方法が好適である。
アセタール化に用いられる酸触媒としては特に限定されず、有機酸および無機酸のいずれでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。これらの中でも塩酸、硫酸、硝酸が好適であり、とりわけ塩酸が好適である。
アセタール化に用いられる炭素数2〜6のアルデヒドとしては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。中でも炭素数4〜6のアルデヒド、とくにn−ブチルアルデヒドが好ましく用いられる。炭素数が2〜6、とくに炭素数4〜6のアルデヒドを使用することにより、インク用組成物のバインダーとして有用なポリビニルアセタールを好適に得ることができる。
本発明の方法によって得られるポリビニルアセタールのアセタール化度は、40〜85モル%であることが好適であり、さらに好適には50〜85モル%である。また、ポリビニルアセタールのビニルエステル単位の含有量は0.1〜30モル%、ビニルアルコール単位の含有量は10〜50モル%であることが好適である。
なお、上記したアセタール化度、ビニルエステル単位の含有量、ビニルアルコール単位の含有量の値は、全ビニルモノマー単位に対する割合である。
本発明においてポリビニルアセタールは、分子内にカルボキシル基、一級水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等の官能基を含有するものであっても差支えない。分子内に前記の官能基を導入する手法について特に制限はなく、例えば、(1)(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基または一級水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をPVA水溶液中で重合させることにより、該単量体に由来する重合体をPVAにグラフトさせ、続いてアセタール化する方法、(2)別途調製したカルボキシル基含有PVAまたはアミノ基含有PVAをアセタール化する方法、(3)PVAをグリオキシル酸などのカルボキシル基を有するアルデヒド化合物でアセタール化する方法などが挙げられる。
本発明の方法によって得られるポリビニルアセタールは低粘度であり、ポリビニルアセタールの10重量%濃度の20℃における粘度は、3〜50mPa・sであり、さらに好適には5〜30mPa・sである。なお、ここで、ポリビニルアセタールの10重量%濃度エタノール溶液とは、{(ポリビニルアセタールの重量)/(エタノールとポリビニルアセタールの合計重量)}×100の式にしたがって求められる値である。
本発明の方法によって得られるポリビニルアセタールをインク用組成物のバインダーとして用いることにより、一定粘度のインク用組成物を得ようとする場合に、顔料の濃度を高くすることができ、さらに調製されたインク用組成物は、これを塗布する基材、とくにポリプロピレン基材との接着性に優れている上に顔料分散性にも優れている。このことから、本発明の方法によって得られるポリビニルアセタールは、インク用組成物のバインダーとして極めて有用である。インク用組成物は、主成分として顔料、バインダーおよび溶剤を含有し、さらにその他の成分として、可塑剤、分散剤、酸化防止剤、老化防止剤などを適宜含有することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」および「重量部」を意味する。
ポリビニルアセタールにおける酢酸ビニル単位とビニルアルコール単位の測定、およびポリビニルアセタールのエタノール溶液の粘度の測定は、以下の方法にしたがって行った。
(ポリビニルアセタールの酢酸ビニル単位の含有量)
JIS K6728:1977に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタールのビニルアルコール単位の含有量)
JIS K6728:1977に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタールのエタノール溶液の粘度)
DIN53015によるヘプラー粘度を20℃の温度条件下で測定
(ポリビニルアセタールの調製)
還流冷却器、温度計、イカリ型攪拌翼を備えた2リットルガラス製容器に、イオン交換水1350g、PVA−1(重合度300、けん化度96モル%)110gを仕込み(PVA濃度7.5重量%)、95℃の温度条件下で60分かけて120rpmで攪拌を行い、PVAがイオン交換水に完全に溶解したPVA水溶液を得た。得られたPVA水溶液に、30%過酸化水素水14gと10%酒石酸水溶液14gからなるレドックス系酸化剤を添加して、90℃の温度条件下で30分かけて120rpmで攪拌を行い、低粘度化したPVA水溶液を得た。この水溶液を120rpmの攪拌下、温度が10℃になるまで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒド64gと20%の塩酸90mlを添加し、アセタール化反応を150分間行った。その後、60分かけて50℃まで昇温し、その温度を120分間保持した後、室温まで冷却した。この操作により析出した樹脂をイオン交換水で洗浄後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、再洗浄し、乾燥して、ポリビニルブチラール(PVB−1)を得た。得られたPVB−1のブチラール化度は68モル%、酢酸ビニル単位の含有量は4モル%であり、ビニルアルコール単位の含有量は28モル%であった。
PVB−1の10重量%濃度エタノール溶液の粘度を測定した。その結果を表1に示す。
(インク用組成物の調製)
上記により作製したポリビニルブチラール15gをエタノール70gに溶解し、これに青色顔料(Clariant社製のHostaperm BlueB2G)15gを添加し、直径2mmのガラスビーズを100g使用し、20℃の温度条件下、グラインダー(Dispermat CA−40C:VWA−GETZMANN GMBH(ドイツ)製)を用い、30分間強攪拌(5000rpm)してインク用組成物を調製した。
このインク用組成物について、以下の方法にしたがって粘度を測定し、さらに延伸配向ポリプロピレンフイルムとの接着性および延伸配向ポリプロピレンフイルム上の印刷面の光沢を評価した。結果を表1に示す。
インク用組成物の粘度:
DIN53211により、穴径4mmのFord Cupに120gのインク用組成物を充填し、23℃の温度条件下、カップの底部から流れ落ち切る時間(Efflux Time)を測定した。
延伸配向ポリプロピレンフイルムとの接着性:
バーコーターを用いて、インク用組成物を延伸配向ポリプロピレンフィルムの表面に12μmの厚みで塗工し、20℃、65%RHの条件下に1時間放置して乾燥を行い、延伸配向ポリプロピレンフイルム上に印刷を施した。その後、フイルム上の印刷面にセロテープを貼り、指圧後、手で引き剥がした後の印刷面の状態を観察し、下記の基準にしたがって3段階で評価した。
1:フイルムからの印刷面の剥がれが全くない、2:フイルムからの印刷面の剥がれがわずかにある、3:フイルムから印刷面の大部分が剥がれる
延伸配向ポリプロピレンフイルム上の印刷面の光沢:
リフラクトメータを用いて、延伸配向ポリプロピレンフイルム上の印刷面からの入射角60度における反射率を測定し(n=10の平均値)、印刷面の光沢を評価した。
数値が大きいほど、顔料分散性が良好で、発色性が高いことを示す。
実施例1において、PVA−1に代えてPVA−2(重合度200、けん化度95モル%)を用いた他は実施例1と同様にして、ブチラール化度69モル%、酢酸ビニル単位の含有量5モル%、ビニルアルコール単位の含有量26モル%のポリビニルブチラール(PVB−2)を得た。得られたPVB−2を用いて、実施例1と同様にしてインク用組成物を調製した。結果を表1に示す。
実施例1において、30%過酸化水素水の使用量を30gに変えたことと、10%酒石酸水溶液の使用量を30gに変えた以外は実施例1と同様にして、ブチラール化度68ル%、酢酸ビニル単位の含有量4モル%、ビニルアルコール単位の含有量28モル%のポリビニルブチラール(PVB−3)を得た。得られたPVB−3を用いて、実施例1と同様にしてインク用組成物を得た。結果を表1に示す。
実施例1において、30%過酸化水素水14gの代わりに30%過硫酸アンモニウム28gを用いたことと、10%酒石酸水溶液14gの代わりに30%亜硫酸水素ナトリウム26gを用いた以外は実施例1と同様にして、ブチラール化度68モル%、酢酸ビニル単位の含有量4モル%、ビニルアルコール単位の含有量28モル%のポリビニルブチラール(PVB−4)を得た。得られたPVB−4を用いて、実施例1と同様にしてインク用組成物を得た。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、PVA−1がイオン交換水に完全に溶解したPVA水溶液を、これに酸化剤を添加することなくそのまま120rpmの攪拌下、温度が10℃になるまで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒドとの反応に用いた以外は実施例1と同様にして、ブチラール化度68モル%、酢酸ビニル単位の含有量4モル%、ビニルアルコール単位の含有量28モル%のポリビニルブチラール(PVB−5)を得た。得られたPVB−5を用いて、実施例1と同様にしてインク用組成物を得た。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、PVA−1の代わりにPVA−5(重合度200、けん化度98%)を使用したことと、PVA−5がイオン交換水に完全に溶解したPVA水溶液を、これに酸化剤を添加することなくそのまま120rpmの攪拌下、温度が10℃になるまで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒドとの反応に用いた以外は実施例1と同様にして、ブチラール化度67モル%、酢酸ビニル単位の含有量2モル%、ビニルアルコール単位の含有量31モル%のポリビニルブチラール(PVB−6)を得た。得られたPVB−6を用いて、実施例1と同様にしてインク用組成物を得た。結果を表1に示す。
Figure 0004828278
実施例1〜3および比較例1〜2において、顔料の添加量を変更することで粘度が同じ(Efflux Time 25秒)になるように調整したインク用組成物を得た。得られたインク用組成物における顔料の濃度を表2に示す。
なお、ここで、顔料濃度とは、{(顔料の重量)/(顔料+PVB+エタノールの合計重量)}×100で示される重量%である。
Figure 0004828278
本発明によれば、低粘度のポリビニルアセタールを高い生産性で製造することができ、このようにして得られるポリビニルアセタールは低粘度であることから、インク用組成物のバインダーとして用いることにより、一定粘度のインク用組成物を得ようとする場合に、顔料の濃度を高くすることができ、さらにポリビニルアセタールを用いることにより調製されるインク用組成物は、これを塗布する基材、とくにポリプロピレン基材との接着性に優れている上に顔料分散性にも優れている。
また、本発明により得られるポリビニルアセタールは、インク用組成物のバインダー以外の用途、たとえば、粉体塗料、溶剤系塗料、プライマー、セラミックス用バインダーなどにも使用することができる。


Claims (5)

  1. ポリビニルアルコールと炭素数2〜6のアルデヒドとを酸触媒の存在下に反応させてポリビニルアセタールを製造する方法であって、炭素数2〜6のアルデヒドとの反応に供するポリビニルアルコールとして、(1)重合度が100〜300であるポリビニルアルコールの水溶液に過酸化物と還元剤とを組合せたレドックス系酸化剤を添加し、または、(2)重合度が100〜300であるポリビニルアルコールおよび過酸化物と還元剤とを組合せたレドックス系酸化剤を水中に添加し、該水溶液の温度を80〜100℃に調節することにより得られる、酸化剤により低粘度化したポリビニルアルコールの水溶液を用いるポリビニルアセタールの製法。
  2. ポリビニルアセタールがポリビニルブチラールである請求項1に記載のポリビニルアセタールの製法。
  3. ポリビニルアセタールが、アセタール化度40〜85モル%、ビニルエステル単位の含有量0.1〜30モル%、ビニルアルコール単位の含有量10〜50モル%のポリビニルアセタールである請求項1または2に記載のポリビニルアセタールの製法。
  4. ポリビニルアセタールの10重量%濃度エタノール溶液の20℃における粘度が3〜50mPa・sである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルアセタールの製法。
  5. インク用組成物のバインダーとして有用なポリビニルアセタールの製法である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルアセタールの製法。
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