JP4828277B2 - ポリビニルアセタール組成物の製法 - Google Patents

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本発明は、ポリビニルアセタールと微粉体とからなるポリビニルアセタール組成物の製法に関する。
無機微粉体を配合することでポリビニルブチラールの機能をさらに高めようとする試みが知られており、例えば、ポリビニルブチラールと無機微粉体とを混合したものをインク受容層とし、これを支持体上に設けた水性インク用記録材(特許文献1)、およびポリビニルブチラールと無機微粉体とを混合し、これを溶融混練することで無機微粉体を微細に分散させた複合材料(特許文献2)などが提案されている。しかしながら、ポリビニルブチラールと無機微粉体とをただ単に混合したり、あるいは溶融混練するだけでは、ポリビニルブチラール中に無機微粉体が均一に分散されることがなく、そのため優れた強度および透明性を有する成形物および塗膜を形成することのできるポリビニルブチラールと無機微粉末とからなる組成物を得ることは困難であった。
特開平11−309939号公報 特開2001−26724号公報
本発明は、上記の従来技術における問題点を解決して、微粉体の分散性に優れ、皮膜化した場合の引張り強度および透明性に優れた成形物および塗膜を形成することができるポリビニルアセタール組成物を低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記課題は、ポリビニルアルコール(A)の濃度が1〜20重量%の水溶液に、分散粒子径が1000nm以下の微粉体(B)を、(A)と(B)の重量比[(B)/(A)]が0.5/100〜50/100となる割合で含有させ、酸触媒および炭素数2〜6のアルデヒドの存在下にアセタール化反応に付するポリビニルアセタール組成物の製法であって、該ポリビニルアセタールのアセタール化度が50〜85モル%であり、かつ、該ポリビニルアセタール組成物からなる厚さ500μmのフィルムを、5cm/分の速度で測定した引張り強度が300kg/cm以上であるポリビニルアセタール組成物の製法によって達成することができる。
本発明によれば、微粉体がポリビニルアセタール中に均一に分散されたポリビニルアセタール組成物を低コストで製造することができる。このようにして得られるポリビニルアセタール組成物を用いて製造されるフイルム、シートなどの成形物および塗膜は、強度および透明性に優れている。本発明の方法によって得られるポリビニルアセタール組成物は、金属、ガラスなどの基材との接着性に優れているため、基材に塗布または積層して使用する場合にプライマーなどによる前処理をしなくとも基材との優れた接着性を付与することができ、特に微粉体として、層状の無機化合物の微粉体を使用する場合には、高い硬度を有する塗膜および成形物を得ることができる。
本発明において、アセタール化反応に使用されるポリビニルアルコール(以下、「ポリビニルアルコール」をPVAと呼称することがある。)(A)の水溶液の濃度は1〜20重量%の範囲内にあることが重要であり、好適には3〜15%、さらに好適には5〜15重量%である。ポリビニルアルコールの濃度がこの範囲内にあるポリビニルアルコール水溶液を用いることにより、分散粒子径が1000nm以下の微粉体をポリビニルアルコール水溶液中に均一に分散させることができ、このような微粉体が均一に分散されたポリビニルアルコール水溶液を用いてアセタール化反応を行なうことにより、優れた引張り強度および透明性を有する成形物および塗膜を形成するポリビニルアセタール組成物を製造することができる。
なお、ポリビニルアルコール水溶液の濃度(重量%)は、[{(ポリビニルアルコールの乾燥重量)/(ポリビニルアルコール水溶液の重量)(微粉体の重量を含まない)}]×100の式にしたがって求めることができ、ここで乾燥重量とは、ポリビニルアルコールを105℃の温度条件下で3時間乾燥したときの値である。
本発明において用いられるポリビニルアルコール(A)は、ビニルエステル系単量体を重合し、得られた重合体をけん化することによって得ることができる。ビニルエステル系単量体を重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、従来公知の方法を適用することができる。重合開始剤としては、採用される重合方法に応じて、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤などが適宜選ばれる。けん化反応は、従来公知のアルカリ触媒または酸触媒を用いる加アルコール分解、加水分解などを適用することができ、具体的には、メタノールを溶媒として用い、苛性ソーダ(NaOH)触媒の存在下にけん化反応を行なうのが簡便であり最も好ましい。
ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられ、とりわけ酢酸ビニルが好ましい。
また、前記ビニルエステル系単量体を重合する場合、本発明の主旨を損なわない範囲でビニルエステル系単量体と他の単量体を共重合させることもできる。他の単量体の例としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン;アクリル酸またはその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類、塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸およびその塩またはそのエステルまたはその無水物、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。これらの単量体は、通常ビニルエステル系単量体に対して10モル%未満の割合で用いられる。
ポリビニルアルコール(A)水溶液に微粉体(B)を含有させる方法としては、特に制限されないが、微粉体(B)が塊状物にあるいはままこ状物になることなくポリビニルアルコール(A)水溶液に均一に分散されるよう、例えば、まず水中に微粉体(B)を徐々に、または一括して添加し、攪拌、分散させた後に、ポリビニルアルコール(A)の粉末を徐々に添加し、攪拌、加熱溶解させる方法が望ましい。攪拌時間は、通常、微粉体(B)を投入後、20分〜1時間程度が望ましい。また、ポリビニルアルコールを水に溶解させるには、微粉体(B)が分散した水溶液を80℃以上、好適には90℃以上に加熱するのが好ましい。また、他の方法として、予めポリビニルアルコール(A)を水に溶解しておき、その後で微粉体(B)を分散させるという方法を採用することもできる。
本発明において用いられる微粉体(B)は、分散粒子径(微粉体をポリビニルアルコール水溶液に分散させた後の粒子径)が1000nm以下であることが重要であり、好適には700nm以下、最適には500nm以下である。また、分散粒子径の下限値についてとくに制限はないが、30nm以上が好適であり、50nm以上がさらに好適である。上記した分散粒子径を有する微粉体(B)を用いることにより、微粉体をポリビニルアルコール水溶液に均一に分散させることができ、このようなポリビニルアルコール水溶液を用いてアセタール化反応を行なうことにより、優れた引張り強度および透明性を有する成形物および塗膜を形成するポリビニルアセタール組成物を製造することができる。
なお、微粉体の分散粒子径は、レーザー回折法による測定により求めることができ、測定に用いることができる装置として、例えば、(株)島津製作所製の粒度分布測定装置SALD2200等が挙げられる。
微粉体(B)としては、無機微粉体および有機微粉体が挙げられ、この中でも無機微粉体が好適である。無機微粉体としては、天然ベントナイトから精製されるスメクタイト(モンモリロナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、サポナイト)、合成スメクタイト、マイカ、膨潤性マイカ、コロイダルシリカなどが挙げられる。また、これらの無機微粉体のうち、層状の無機化合物の粉体、例えば、モンモリロナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト、サポナイトなどのスメクタイト類、膨潤性マイカが最適である。
本発明において、微粉体(B)はポリビニルアルコール(A)の水溶液に、ポリビニルアルコール(A)と微粉体(B)の重量比[(B)/(A)]が0.5/100〜50/100となる割合で含有されることが重要であり、好適には1/100〜45/100であり、さらに好適には2/100〜40/100である。ポリビニルアルコール(A)と微粉体(B)の重量比がこの条件を満足することによって、引張り強度および透明性に優れる成形物または塗膜を形成するポリビニルアセタール組成物を製造することができる。
次に、微粉体を含有するポリビニルアルコール水溶液を、酸触媒および炭素数2〜6のアルデヒドの存在下にアセタール化反応に付する方法としては、例えば、微粉体が分散されたポリビニルアルコールの濃度が1〜20重量%の水溶液の温度を80〜100℃に調節し、徐々に温度を下げながら、10〜60分かけて、−10〜30℃の温度にまで低下させ、次に、アルデヒドおよび触媒を添加し、温度を一定に保ちながら、30〜300分反応を進め、さらに30〜200分かけて、40〜80℃になるまで昇温した後、その温度を1〜3時間保持し、さらに好適には室温まで冷却し、水洗後、中和剤(アルカリ等)を添加する方法が挙げられる。
アセタール化に用いられる酸触媒としては特に限定されず、有機酸および無機酸のいずれでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。これらの中で塩酸、硫酸、硝酸が好適に用いられ、とりわけ塩酸が好ましく用いられる。
アセタール化に用いられる炭素数2〜6のアルデヒドとしては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、二種以上が併用されてもよい。中でも炭素数4〜6のアルデヒド、とくにn−ブチルアルデヒドが好ましく用いられる。炭素数が2〜6、とくに炭素数が4〜6のアルデヒドを使用することにより、本発明の目的とするポリビニルアセタール組成物を得ることができる。
本発明の方法によって得られるポリビニルアセタールのアセタール化度は50〜85モル%である。また、ポリビニルアセタールのビニルエステル単位の含有量は0.1〜30モル%、ビニルアルコール単位の含有量は10〜50モル%であることが好適である。
なお、上記アセタール化度、ビニルエステル単位の含有量、ビニルアルコール単位の含有量の値は、全ビニルモノマー単位に対する割合である。
本発明においてポリビニルアセタールは、分子内にカルボキシル基、一級水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等の官能基を含有するものであっても差支えない。分子内に前記の官能基を導入する手法について特に制限はなく、例えば、(1)(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基あるいは一級水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をポリビニルアルコール水溶液中で重合させることにより、該単量体に由来する重合体をポリビニルアルコールにグラフトさせ、続いてアセタール化する方法、(2)別途調製したカルボキシル基含有ポリビニルアルコールまたはアミノ基含有ポリビニルアルコールをアセタール化する方法、(3)ポリビニルアルコールをグリオキシル酸などのカルボキシル基を有するアルデヒド化合物でアセタール化する方法などが挙げられる。
微粉体を含有するポリビニルアルコール水溶液を酸触媒および炭素数2〜6のアルデヒドの存在下にアセタール化反応に付することで、ポリビニルアルコール水溶液中でポリビニルアセタール粉体が析出するので、この粉体をろ過し、乾燥することによりポリビニルアセタール組成物を得ることができる。
このようにして得られるポリビニルアセタール組成物の190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、0.2〜200g/10分であることが好適であり、さらに好ましくは0.4〜150g/10分、最適には1〜120g/10分である。ここで、MFRは、JIS K7210に記載の方法に基づき、190℃の温度条件下、2160gの荷重により測定することができる。
本発明の方法によって得られるポリビニルアセタール組成物を製膜することにより、ヘイズが10%以下の透明性に優れたフイルム(厚さ500μm)を得ることができる。ポリビニルアセタール組成物は、フィルム以外にも、例えば、シートなどの成形物(自動車のフロントガラスの中間膜、建築用ガラスの中間膜)に加工することができ、あるいは粉体塗料、溶剤系塗料、プライマー、印刷インク、セラミックバインダーなどの用途に使用することができる。
本発明の方法によって得られるポリビニルアセタール組成物を各種用途に使用する場合、該組成物に添加剤、例えば、可塑剤、分散剤、酸化防止剤、老化防止剤、溶剤などを適宜配合することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」および「重量部」を意味する。
ポリビニルアセタール、組成物、無機微粉体の諸物性の測定は以下の方法にしたがって行った。
(ポリビニルアセタールの酢酸ビニル基の含有量)
JIS K6728:1977に記載の方法に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタールのビニルアルコール基の含有量)
JIS K6728:1977に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタール組成物のMFR)
JIS K7210:1999に記載の方法に基づき、190℃の温度条件下、2160gの荷重により測定した。
(無機微粉体の分散粒子径)
(株)島津製作所製の粒度分布測定装置SALD2200を用いて測定した。
(ポリビニルアセタールの調製)
還流冷却器、温度計、イカリ型攪拌翼を備えた2リットルガラス製容器に、イオン交換水1350gを仕込み、120rpmで攪拌しながら、無機微粉体(クニミネ工業(株)製のクニピアG:モンモリロナイト)5gを約1分間かけて徐々に添加し、添加が終了した後、さらに30分間攪拌して、無機微粉体が均一に分散した分散液を得た。この分散液にポリビニルアルコール(PVA−1:重合度1700、けん化度98モル%)110gを仕込み(PVA濃度7.5重量%)、120rpmで攪拌しながら、95℃の温度下で90分かけてポリビニルアルコールを完全に溶解させ、ポリビニルアルコール水溶液を得た。
ポリビニルアルコール水溶液に分散している無機微粉体の分散粒子径は420nmであった。
次いで、ポリビニルアルコール水溶液を120rpmで攪拌しながら、温度が10℃になるまで約30分かけて徐々に冷却した後、ブチルアルデヒド64gと20%の塩酸90mlを添加し、アセタール化反応を150分間行った。その後、60分かけて温度を50℃まで昇温し、120分間保持した後、室温まで冷却した。この操作により析出した樹脂をイオン交換水で洗浄後、中和のために水酸化ナトリウム水溶液を添加し、再洗浄し、乾燥して、ポリビニルブチラール(PVB−1)組成物の粉体を得た。この粉体のMFRは0.4g/10分であり、PVB−1のブチラール化度は68モル%、酢酸ビニル単位の含有量は2モル%、ビニルアルコール単位の含有量は30モル%であった。
(フィルムの製造)
上記により作製したポリビニルブチラール組成物の粉体を200℃の温度条件下で溶融し、プレス成形してフィルム(500μm)を得た。以下の方法にしたがってフィルムの引張り強度、透明性および硬度、並びにフィルムとガラス板との接着性について測定した結果を表1に示す。
(フィルムの引張り強度)
引張試験機を用い、5cm/分の速度で測定した。
(フィルムの透明性)
JIS K7105に記載の方法に基づきフィルムのヘイズを測定した。
(フィルムの硬度)
JIS K 5600−5−4(1999)に記載されている、塗料一般般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)にしたがって評価した。
(フィルムとガラス板との接着性)
フィルムをガラス板に重ね、仮圧着させた後、200℃の温度に5分加熱して熱圧着させた。この熱圧着されたフィルムとガラス板との接着性について測定した。測定は、JIS K 5600−5−6(1999)に記載されている、塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)にしたがって行なった。接着性の評価は、同JIS規格に記載されている分類にしたがって行なった(分類0が最もよく接着しており、分類5が最も接着性が劣っていることを示す)。
実施例1において、PVA−1に代えてPVA−2(重合度600、けん化度98モル%)を用いた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得た。この粉体のMFRは10g/10分であり、ポリビニルブチラールのブチラール化度は75モル%、酢酸ビニル単位の含有量は2モル%、ビニルアルコール単位の含有量は23モル%であった。得られたポリビニルブチラール組成物の粉体を用い、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA−1に代えてPVA−3(重合度1000、けん化度98モル%)を用いた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得た。この粉体のMFRは1.5g/10分であり、ポリビニルブチラールのブチラール化度は78モル%、酢酸ビニル単位の含有量は2モル%、ビニルアルコール単位の含有量は20モル%であった。得られたポリビニルブチラール組成物の粉体を用い、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例1において、PVA−1に代えてPVA−4(重合度200、けん化度98モル%)を用いた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得た。この粉体のMFRは140g/10分であり、ポリビニルブチラールのブチラール化度は78モル%、酢酸ビニル単位の含有量は2モル%、ビニルアルコール単位の含有量は20モル%であった。得られたポリビニルブチラール組成物の粉体を用い、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例1において、無機微粉体の種類をクニミネ工業(株)製スメクトンSA:サポナイトに代えた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例1において、無機微粉体の種類をコープケミカル(株)製ME−100:膨潤性マイカに代えた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例1において、無機微粉体の種類を扶桑化学工業(株)PL−20:コロイダルシリカに代えた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、無機微粉体の添加量を5gから60gに変えた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、無機微粉体の添加量を5gから0.4gに変えた他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、無機微粉体が均一に分散した分散液へのPVA−1の仕込み量を110gから380gに変え、PVA濃度を22重量%とした他は実施例1と同様にしてポリビニルブチラール組成物の粉体を得、実施例1と同様にしてフィルムの評価を行なった。結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、無機微粉体の添加をしないで調製したPVA水溶液をアセタール化反応に付することにより、ポリビニルブチラール組成物の粉体を得、この粉体に無機微粉体(クニミネ工業(株)製のクニピアG:モンモリロナイト)5gを配合し、実施例1と同様にして、200℃の温度条件下で溶融し、プレス成形してフィルムを得た。得られたフィルムについて実施例1と同様にして評価を行なった。結果を表1に示す。
Figure 0004828277
本発明によれば、微粉体がポリビニルアセタール中に均一に分散されたポリビニルアセタール組成物を低コストで製造することができる。このようにして得られるポリビニルアセタール組成物を用いて製造されるフイルム、シートなどの成形物および塗膜は、強度および透明性に優れている。ポリビニルアセタール組成物からは、微粉体として層状の無機物化合物を使用することにより、硬度の優れた成形物を製造することができ、得られた成形物は、フィルム、シートなどの成形物(自動車のフロントガラスの中間膜、建築用ガラスの中間膜)、粉体塗料、溶剤系塗料、プライマー、印刷インク、セラミックバインダーなどの広範な用途に使用することができる。

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール(A)の濃度が1〜20重量%の水溶液に、分散粒子径が1000nm以下の微粉体(B)を、(A)と(B)の重量比[(B)/(A)]が0.5/100〜50/100となる割合で含有させ、酸触媒および炭素数2〜6のアルデヒドの存在下にアセタール化反応に付することを特徴とするポリビニルアセタール組成物の製法であって、該ポリビニルアセタールのアセタール化度が50〜85モル%であり、かつ、該ポリビニルアセタール組成物からなる厚さ500μmのフィルムを、5cm/分の速度で測定した引張り強度が300kg/cm以上であるポリビニルアセタール組成物の製法。
  2. ポリビニルアセタール組成物の、JIS K7210に基づく、190℃、2160g荷重下におけるメルトフローレートが0.2〜200g/10分である請求項1記載のポリビニルアセタール組成物の製法。
  3. ポリビニルアセタールがポリビニルブチラールである請求項1または2記載のポリビニルアセタール組成物の製法。
  4. ポリビニルアセタールがビニルエステル単位の含有量が0.1〜30モル%であり、ビニルアルコール単位の含有量が10〜50モル%であるポリビニルアセタールである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリビニルアセタール組成物の製法。
  5. 微粉体(B)が無機微粉体である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリビニルアセタール組成物の製法。
  6. 無機微粉体(B)が層状無機化合物の微粉体である請求項5記載のポリビニルアセタール組成物の製法。
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