JP5036405B2 - 組成物および粉体塗料 - Google Patents

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本発明は、ポリビニルアセタール系熱硬化性樹脂組成物および粉体塗料に関する。
ポリビニルアセタールに多価カルボン酸を配合し、これを溶融混練して成形物を得ることは知られている(特許文献1)。しかしながら、溶融混練するやり方は、製造コストがかさみ、不利であるし、さらに、溶融混練中に架橋が進行するため、耐溶剤性を得るために必要な十分な架橋量を得ることができないという問題点がある。
特開2003−531226号公報(特許請求の範囲、[0020]〜[0022])
本発明は、上記の従来技術の課題を解決して、流動性に優れ、かつ耐溶剤性および平滑性に優れた塗膜を付与することができる熱硬化性樹脂組成物を提供すること、さらには、顔料を併用した場合は、顔料による着色性に優れた塗膜を形成することができる熱硬化性組成物、とくに粉体塗料を提供することを目的とするものである。
本発明によれば、上記目的は、ポリビニルアセタール粉体(A)および多価カルボン酸、無水多価カルボン酸、多価アルデヒド、多価イソシアネート化合物および多価エポキシ化合物、ならびにこれらの化合物の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)の粉体からなり、かつ下記条件を満足する熱硬化性樹脂組成物によって達成される。
(1)(A)の平均粒子径(AD)が10〜250μm
(2)(B)/(A)の重量比が0.1/100〜50/100
(3)(B)の平均粒子径(BD)が2〜150μm
(4)|AD−BD|<100μm
さらにまた、上記目的は、化合物(B)が、多価カルボン酸であることによって、より好適に達成される。
さらにまた、上記目的は、上記組成物に、さらに顔料粉体(C)を含有し、かつ下記条件を満足する熱硬化性樹脂組成物によって、より好適に達成される。
(5)(C)の平均粒子径(CD)が2〜150μm
(6)|AD−CD|<100μm
(7)(C)/(A)の重量比0.1/100〜50/100
さらに、上記目的は、上記熱硬化性樹脂組成物が、ドライブレンド組成物、とくに粉体塗料であることによって、より好適に達成される。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、流動性に優れ、かつ耐溶剤性および平滑性に優れた塗膜を付与することができる。さらにまた、顔料を併用した場合は、ポリビニルアセタールは透明性に優れているため、ポリビニルアセタールを顔料とドライブレンドするだけで、着色性に優れた塗膜を低コストで形成することができる。
ここで「耐溶剤性に優れる」とは、熱処理により得た塗膜が、ポリビニルアセタール粉体を溶解する溶剤、たとえばエタノール、プロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどに溶解しないか、または溶解しにくいことを意味する。
また、着色性に優れるとは、着色むらがないか、または極めて少ないことを意味し、塗膜中の顔料の分散状態が均一かどうかを意味するものではない。また、平滑性に優れるとは、塗膜厚が均一であることを意味する。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物、とくに粉体塗料は、樹脂粉体と顔料粉体が層分離を起こさず、粉体塗料の流動性が優れている。さらにまた、ポリビニルアセタールは基材との接着性に優れているので、とくにプライマーなどによる前処理をしなくとも、基材との優れた接着性を付与することができるし、また高い硬度を有する塗膜を形成することもできる。
本発明に用いられるポリビニルアセタール粉体を構成するポリビニルアセタールは、通常、ビニルアルコール系重合体を原料として製造される。上記ビニルアルコール系重合体は、従来公知の手法、すなわちビニルエステル系単量体を重合し、得られた重合体をけん化することによって得ることができる。ビニルエステル系単量体を重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、従来公知の方法を適用することができる。重合開始剤としては、重合方法に応じて、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤などが適宜選ばれる。けん化反応は、従来公知のアルカリ触媒または酸触媒を用いる加アルコール分解、加水分解などが適用でき、この中でもメタノールを溶剤とし苛性ソーダ(NAOH)触媒を用いるけん化反応が簡便であり最も好ましい。
ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル、イソプロペニルアセテートなどが挙げられるが、とりわけ酢酸ビニルが好ましい。
ビニルエステル系単量体を重合して得た重合体をけん化して得たビニルアルコール系重合体は、けん化度によりそれぞれの単位の含有率は異なるが、ビニルアルコール単位と、上記ビニルエステル系単量体に対応するビニルエステル単位とを含んでいる。たとえば、ビニルエステル系単量体として酢酸ビニルを用いた場合、上記製造方法により得られたビニルアルコール系重合体は、ビニルアルコール単位と酢酸ビニル単位とを含む。
また、前記ビニルエステル系単量体を重合する場合、本発明の主旨を損なわない範囲で他の単量体と共重合させることもできる。他の単量体の例としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類、塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン、酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。これらの単量体単位は通常ビニルエステル系単量体に対して10モル%未満の割合で用いられる。
アセタール化に用いる酸触媒としては特に限定されず、有機酸および無機酸のいずれでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。これらの中でもより一般的には塩酸、硫酸、硝酸が用いられ、とりわけ塩酸が好ましく用いられる。
本発明においては、炭素数2〜6のアルデヒドでアセタール化されたポリビニルアセタールを用いることが好ましい。炭素数2〜6のアルデヒドとしては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。中でも炭素数4〜6のアルデヒド、とくにn−ブチルアルデヒドが好ましく用いられる。炭素数2〜6、とくに炭素数4〜6のアルデヒドを使用することにより、本発明の目的とする粉体塗料を好適に得ることができる。
本発明に用いられるポリビニルアセタールのアセタール化度は、40〜85モル%であることが好適であり、さらに好適には50〜85モル%である。アセタール化度がこの範囲にあるとき、塗膜の着色性に優れ、さらに均一な塗膜厚を付与することができ、さらに基材との接着性に優れた粉体塗料が得られる。また、本発明の目的をより好適に達成するためには、ポリビニルアセタールのビニルエステル単位の含有量は0.1〜30モル%、ビニルアルコール単位の含有量は10〜50モル%であることが好適である。
次に、本発明において重要なことは、(1)の条件、すなわち、ポリビニルアセタール粉体(A)の平均粒子径(AD)が10〜250μmを満足することである。この条件を満足することにより、優れた着色性を付与することができる。平均粒子径は、好ましくは150μm以下であり、最適には100μm以下である。また下限値については、好ましくは20μm以上である。最大粒子径250μm以下であることが好適である。
ポリビニルアセタール粉体の平均粒子径を求める方法は特に限定されるわけではないが、例えばレーザー回折法による測定により求めることができ、測定に用いることができる装置として、例えば(株)島津製作所製の粒度分布測定装置SALD2200等により測定することができる。
このような特定の粒子径を有するポリビニルアセタールの粉体は、たとえば、次のような方法によって得られる。
まず、ビニルアルコール系重合体の水溶液{濃度3〜15重量%;濃度は(ビニルアルコール系重合体の重量)/(ビニルアルコール系重合体水溶液の重量)×100で算出された値}の温度を80〜100℃に調整し、徐々に温度を下げながら、10〜60分かけて、−10〜30℃に低下したところで、アルデヒドおよび触媒を添加し、温度を一定に保ちながら、30〜300分反応を進め、さらに30〜200分かけて、40〜80℃迄昇温し、この温度範囲において1〜3時間程度保持する。次に、全体を、好適には、室温まで冷却し、水洗後、中和剤(アルカリ等)を添加し、乾燥することにより目的とするポリビニルアセタール粉体が得られる。また、上記方法により最大粒子径が250μmを越える集合粒子はほとんど生成しないが、最大粒子径250μmを越える集合粒子が生成した場合は、フイルターにより除去することが好適である。
また、本発明において、ポリビニルアセタールの重合度は、好適には100〜2000であり、さらに好適には200〜1500である。
次に、本発明において、上記ポリビニルアセタール粉体と配合する化合物(B)としては、多価カルボン酸、無水多価カルボン酸、多価アルデヒド、多価イソシアネート化合物および多価多価エポキシ化合物、ならびにこれらの化合物の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
多価(無水)カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水フタール酸、フタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが例示される。
また、多価アルデヒドとは、アルデヒド基を2個以上有する脂肪族または芳香族化合物である。脂肪族アルデヒドとしては、例えば、プロパンジアルデヒド、スクシンアルデヒド、グリオキザール、アジパルデヒド、2−ヒドロキシヘキサンジアルデヒドなどが例示され、芳香族アルデヒドとしては、フタルアルデヒド、1,4−ベンゼンジアセトアルデヒド、4,4’−(エチレンジオキシ)ジベンズアルデヒド、2−ヒドロキシヘキサンジアルデヒドなどが例示される。
また、多価エポキシ化合物とは、エポキシ基を2個以上有する化合物、またはエポキシ樹脂を言う。エポキシ化合物としては、例えば、グリシジル型エポキサイド(ビスフェノール系エポキサイド、フェノール系エポキサイド、ポリグリコール系エポキサイド、エステル系エポキサイドなど)が挙げられる。ここで、フェノール系エポキサイドとしては、ノボラック系エポキサイド、アルキルフェノールジグリシジルエーテル、芳香族ポリグリシジル、フェノールフタレインエポキサイド、レゾルシンエポキサイドが例示される。また、ポリグリコール系エポキサイドとしては、グリセリントリグリシジル、グリコールビスフェノール共縮合物が例示される。また、エステル系エポキサイドとしては、ダイマー酸ジグリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステルおよびその重合物が例示される。さらに、他のエポキシ化合物としては、非グリシジル型エポキサイド(環状脂肪酸族エポキサイド、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化グリセリド)が例示される。これらのエポキシ樹脂粉体は単独で用いてもよく、また2種以上が併用されてもよい。
これらのうち、多価カルボン酸又はその無水物が好適であり、とくに、無水マレイン酸、マレイン酸、無水コハク酸、コハク酸が好適である。
化合物(B)は、化合物を内部又は表面に含む樹脂粉体(化合物マスターバッチ)として使用することもできる。化合物マスターバッチに使用される樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、好ましいものとしては、粉体(A)と相溶性の良いものが挙げられ、例えばポリビニルアセタール樹脂が挙げられる。化合物マスターバッチは、化合物とマスターバッチ用の樹脂とを溶融混練し、これを粉砕することにより得られる。化合物は、マスターバッチ用樹脂に対して0.5〜95重量%、好ましくは1〜80重量%、さらに好適は5〜70重量%、最適には10〜60重量%含有される。化合物マスターバッチを使用することは、本発明の目的を達成する上で好ましいことが多い。
さらに、本発明において重要なことは、(2)の条件、すなわちポリビニルアセタール粉体(A)と化合物(B)は重量比(B)/(A)が0.1/100〜50/100を満足することである。この条件を満足することにより、耐溶剤性に優れた硬化物が得られ、さらに優れた流動性、基材との優れた接着性、優れた塗膜硬度が付与される。好適な重量比(B)/(A)は、1/100〜30/100であり、最適には1.5/100〜25/100である。なお、ここで、化合物(B)を化合物マスターバッチとして使用する場合は、化合物(B)の重量には、マスターバッチ用樹脂の重量は含まない。
さらに、本発明においては、(3)の条件、すなわち化合物(B)が粉体であり、その平均粒子径(BD)が2〜150μmを満足することも好適な態様である。
化合物(B)の粉体がこの条件を満足することにより、耐溶剤性に優れた硬化物を付与することができ、さらに優れた流動性を付与することができる。化合物(B)を、化合物マスターバッチの粉砕物として使用する場合は、その平均粒子径が、平均粒子径(BD)2〜150μmを満足することが好適である。
平均粒子径は、好適には130μm以下であり、最適には100μm以下である。また平均粒子径の下限値については、好適には5μm以上、最適には10μm以上である。最大粒子径は250μm以下であることが好適である。
また、本発明においては、(4)の条件、すなわち|AD−BD|<100μmを満足することも好適な態様である。この条件を満足することにより、樹脂粉体と化合物粉体との層分離が起こらず、優れた流動性が付与される。より好適な条件は、|AD−BD|<80μmである。
本発明においては、上記(A)および(B)に、さらに顔料粉体(C)を、上記(5)〜(7)を満足するように配合することにより、塗膜により優れた着色性を付与することができ、さらに優れた流動性を付与することができる。
顔料粉体(C)としては、酸化チタン、酸化鉄、べんがら、カーボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ジアゾ系イエロー、キナクリドン、アルミニウム金属および雲母、光拡散剤(ガラスビーズ、シリコーン、ポリメチルメタクリレートなど)、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルクなどの顔料粉体及びこれらを含有する樹脂粉体(顔料マスターバッチ)が挙げられ、これらの少なくとも1種の粉体を用いることが好ましい。
顔料粉体(C)は、顔料を内部又は表面に含む樹脂粉体(顔料マスターバッチ)として使用することもできる。顔料マスターバッチに使用される樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、好ましいものとしては、粉体(A)と相溶性の良いものが挙げられ、例えばポリビニルアセタール樹脂が挙げられる。顔料マスターバッチは顔料とマスターバッチ用の樹脂とを溶融混練し、これを粉砕することにより得られる。顔料は、マスターバッチ用樹脂に対して0.1〜99重量%、好ましくは5〜95重慮%、さらに好適は10〜90重量%、最適には20〜80重量%含有する。顔料マスターバッチを使用することは、本発明の目的を達成する上で好ましいことが多い。
顔料マスターバッチに使用される樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−(メタ)アクリレート共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、好ましいものとしては、粉体(A)と相溶性の良いものが挙げられ、例えばポリビニルアセタール樹脂が挙げられる。
本発明においては、(5)の条件である顔料粉体(C)の平均粒子径(CD)が2〜150μmを満足することも好適である。顔料粉体を、顔料マスターバッチの粉砕物として使用する場合は、この粉砕物の粒子径が、平均粒子径(CD)2〜150μmを満足することが好適である。
顔料粉体がこの条件を満足することにより、塗膜に優れた着色性を付与することができ、さらに優れた流動性を付与することができる。平均粒子径は、さらに好適には30μm以下であり、最適には100μm以下である。また平均粒子径(CD)の下限値については、好適には5μm以上、最適には10μm以上である。
また、(6)の条件である|AD−CD|<100μmを満足することも好適である。この条件を満足することにより、樹脂粉体と顔料粉体との層分離が起こらず、優れた流動性が付与される。より好適な条件は、|AD−CD|<80μmである。
さらに、(7)の条件であるポリビニルアセタール粉体(A)と顔料粉体(C)は重量比(7)(C)/(A)が0.1/100〜50/100を満足することも好適である。この条件を満足することにより、着色性に優れた塗膜が得られ、さらに優れた流動性、基材との優れた接着性、優れた塗膜硬度が付与される。好適な重量比(C)/(A)は、1/100〜30/100であり、最適には1.5/100〜25/100である。なお、ここで、顔料粉体(C)を顔料マスタ−バッチとして使用する場合は、顔料粉体(C)の重量には、マスターバッチ用樹脂の重量は含まない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、ポリビニルアセタール粉体(A)と(B)、または(A)、(B)および(C)をドライブレンドして得ることが好適であり、ドライブレンドする方法としては、両者が均一に混ざるような方法、たとえばドライブレンダー、ヘンシエルミキサー、ボールミルなどによる方法があげられる。このようにドライブレンドして得られる粉体は粉体塗料として好適である。
また、本発明においては、化合物(B)と顔料粉体(C)を、化合物と顔料粉体を一緒にマスターバッチ用樹脂に配合し、溶融混練し、粉砕し、これを化合物−顔料マスターバッチとして使用することもできる。化合物−顔料マスターバッチの粉砕物として使用する場合は、この粉砕物の粒子径は、平均粒子径2〜150μmを満足することが好適である。
本発明においては、ポリアミド系樹脂粉体(D)を併用することも好適な態様である。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6共重合体、ナイロン−9、ナイロン−6,10、ナイロン−11、ナイロン12などがあげられ、これらは1種または2種以上が用いられる。なかでも、ナイロン−11、12は、より好適である。これらのポリアミド系樹脂粉体を併用することにより、塗膜に高い耐衝撃性を付与することができ、さらにまた、流動性、粉落ち性に優れた粉体塗料を得ることができる。ここで、「粉落ち性」とは、基材表面への粉体塗料の塗布時に、当該表面に付着する余分な塗料の量に対応する評価項目であり、目視により判定される。粉体塗料の粉落ち性が良好な場合、上記余分な塗料の量が少ない、あるいは、余分な塗料の付着が見られないため、塗料の塗布ムラが生じにくく、一方、粉落ち性が低下すると、上記余分な塗料の量が増大し、塗料の塗布ムラが生じやすくなる。
ポリアミド系樹脂粉体(D)は、平均粒子径が10〜250μm以下であり、かつ最大粒子径が250μmであることが、より好適である。ポリアミド系樹脂粉体の平均粒子径は、好ましくは150μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。また、下限値については好適には20μm以上である。ポリアミド系樹脂粉体は、たとえば、ポリアミド樹脂を粉砕して、所望の粒子径とすることができる。ポリアミド系樹脂粉体(D)の平均粒子径および最大粒子径は、前記したポリビニルアセタール(A)の平均粒子径および最大粒子径と同様の方法で求められる。
本発明において、ポリアミド系樹脂粉体を併用する場合、ポリビニルアセタール粉体(A)とポリアミド樹脂粉体(D)は重量比で、(A)/(D)が20/100〜100/5であることが好適である。好ましくは50/100〜100/5であり、さらに好ましくは50/100〜100/10である。
本発明において、無機物微粒子(E)を配合することも、粉体塗料の流動性をさらに改善し、さらに基材との接着性、さらには硬度を改善することから、好適な態様である。ここで無機物微粒子(E)とは、顔料とは区別されるもので、シリカ、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
無機物粒子(E)は、平均粒子径が1μm以下であることが、より好適である。前記無機物粒子(E)の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.1μm以下である。無機物微粒子(E)は、たとえば、無機物を粉砕して、所望の粒子径にすることができる。無機物微粒子(E)の平均粒子径および最大粒子径は、前記したポリビニルアセタール(A)の平均粒子径および最大粒子径と同様の方法で求められる。無機物微粒子(E)は、(A)単独、または(A)と(D)の合計100重量部に対し、0.0001〜2重量部配合することが好適であり、さらに好適には0.001〜1重量部である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物、とくに粉体塗料は、上記(A)および(B)の合計が全体の50重量%以上含んでいることが好適であり、さらに好適には70重量%以上であり、さらに好適には80%以上である。
さらにまた、本発明においては、添加剤としては、タレ防止剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、架橋を促進する触媒なども適宜配合することができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱処理(100〜300℃程度)により、耐溶剤性に優れた硬化物を付与することができるので、各種用途に適用できる。たとえば、粉体塗料、セラミックスバインダー、感光性材料バインダー、インクバインンダー、無機材料バインダー、自動車または建築のガラスの中間膜などに適用できるが、このうちとくに粉体塗料として好適である。
粉体塗料に使用する場合、さまざまな粉体塗装法で使用可能である。粉体塗装法としては、流動浸漬法、静電塗装法、溶射法等が挙げられる。塗装温度条件は、塗装方法や、用いられるポリビニルアセタールのMFR等により異なるが、100〜300℃程度が好ましい。
本発明のポリビニルアセタール系粉体塗料を用いた塗装の対象となる基材としては、鋼管、鋼板、かご、カートなどの金属を始め、陶器、セラミック、ガラス、プラスチックなどがあげられる。これらの金属に粉体塗装する場合、基材との接着性、あるいは塗膜の耐食性、外観などを改善するために必要に応じて、基材表面を脱脂処理、リン酸塩処理、メッキな処理、エポキシ系樹脂等のプライマー塗布処理を行ってもよい。
また、本発明の粉体塗料を、金属を代表とする基材上に塗布することにより、塗膜を多層構造とすることもできる。ここで、多層化を行う方法は特に限定されないが、たとえば、本発明の粉体塗料を複数回塗布する方法、本発明の粉体塗料と、他の粉体塗料との塗布を、所定のパターンで、たとえば交互に、複数回行う方法、本発明の粉体塗料と他の粉体塗料とからなる混合物を塗布し、両者の親和性の差により、基材表面での溶融時に相分離させることにより、一回の塗装により多層の樹脂層を形成する方法、などを用いることができる。なかでも、粉体塗料を複数回塗布する方法は、樹脂間の親和性などを考慮する必要がなく、より好適である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」および「重量部」を意味する。
ポリビニルアセタールおよびポリビニルアセタール粉体、顔料粉体の諸物性の測定は以下の方法にしたがって行った。
(ポリビニルアセタールの酢酸ビニル基含有量)
DMSO−d6に2%の濃度で溶解し、1H−NMR(日本電子製;AL400型)を用い、80℃で測定し、算出した。変性量はポリビニルブチラールの主鎖のエチレンパートに対して計算した。
(ポリビニルアセタールのビニルアルコール基含有量)
DMSO−d6に2%の濃度で溶解し、1H−NMR(日本電子製;AL400型)を用い、80℃で測定し、算出した。変性量はポリビニルブチラールの主鎖のエチレンパートに対して計算した。
(ポリビニルアセタール粉体の集合粒子、顔料粉体の平均粒子径)
(株)島津製作所製の粒度分布測定装置SALD2200を用いて測定した。
(ポリビニルアセタール粉体の水分量)
{(含水ポリビニルアセタール粉体の重量−ポリビニルアセタール粉体の乾燥重量)/含水ポリビニルアセタール粉体の重量}×100で求められる値。ここで、ポリビニルアセタール粉体の乾燥重量とは、ポリビニルアセタール粉体を乾燥機中105℃で3時間乾燥したときの重量である。
(耐エタノール性試験)
厚さ0.2mmのプレスフィルムを室温減圧下で24hr乾燥し、次いで、乾燥後の試量をエタノール100gにプレスフィルム0.5gを浸漬し、50℃で2時間静置した。エタノール中に残存しているプレスフィルムを取り出して、重量を測定した。さらにその取り出したフィルムを105℃にて3時間乾燥後、重量を測定(乾燥後フィルムの重量)して、残存率を下式により算出した。
(残存率)=(乾燥後フィルムの重量)/(浸漬前のプレスフィルムの重量)×100(%)
エタノール中に残存しているプレスフィルムの形状を目視で観察し、以下の基準にしたがって評価した。
(残存しているプレスフィルムの形状の評価)
○:フィルムの形状が残っている。
×:フィルムの形状が残っていない。
実施例1
還流冷却器、温度計およびイカリ型攪拌翼を備えた内容積2リットルのガラス製容器に、イオン交換水1295gと、ポリビニルアルコール(PVA−1:重合度600、けん化度98モル%)105gとを仕込み、全体を95℃に昇温してPVAを完全に溶解させ、PVA水溶液(濃度7.5重量%)を形成した。形成したPVA水溶液を、回転速度120rpmにて攪拌し続けながら、約30分かけて10℃まで徐々に冷却した後、当該水溶液に、ブチルアルデヒド58g、および、ブチラール化触媒である酸触媒として濃度20重量%の塩酸90mlとを添加して、PVAのブチラール化を開始した。ブチラール化を150分間行った後、60分かけて全体を50℃まで昇温し、50℃にて120分間保持した後に、室温まで冷却した。冷却によって析出した樹脂をろ過後、イオン交換水(樹脂に対して100倍量のイオン交換水)で洗浄した後、中和のために0.3重量%水酸化ナトリウム溶液を加え、40℃で10時間保持した後、さらに100倍量のイオン交換水で再洗浄し、脱水したのち、40℃、減圧下で18時間乾燥し、ポリビニルブチラール(PVB−1)の粉体(水分含有量1.0%)を得た。得られたPVB−1のブチラール化度は68モル%、酢酸ビニル基の含有量は2モル%であり、ビニルアルコール基の含有量は30モル%であった。
(ポリビニルブチラール粉体の調製)
上記により得られたポリビニルブチラール粉体(PVB−1)を乾燥後、60メッシュ(目開き250μm)の金網を用い、250μm以上の粒子を取り除いて、平均粒子径85μmのポリビニルブチラール粉体(A−1)を調製した。
(粉体の調製)
得られた粉体(A−1)100部と無水マレイン酸(MAN、平均粒子径25μm)(250μ以上の粒子含まず)10部とをドライブレンダーにより混合し、粉体(B−1)を得た。
(プレスフィルムの調製)
粉体(B−1)2.5gをポリイミドフィルムで挟み、これらをさらに金属板に挟んだ状態で、神藤金属工業製のプレス機械を用い、220℃で5分間予熱した後、温度を200℃に保持したまま、100kg/cmの圧力で15分間プレスした。このようにして得られたプレス片をプレス冷却機を用いて2分間プレスし、厚さ0.2mmのプレスフィルムを得た。
実施例2
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、無水マレイン酸の代わりに、マレイン酸(平均粒子径 20μm)10部を添加し、ドライブレンダーにより混合し、粉体(B−2)を得た。
粉体(B−2)を用いた以外は実施例1と同様にプレスフィルムを調製し、その評価を実施した。
結果を表1に示す。
実施例3
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、無水マレイン酸の代わりに、無水コハク酸(平均粒子径 30μm)10部を添加し、ドライブレンダーにより混合し粉体(B−3)を得た。
粉体(B−3)を用いた以外は実施例1と同様にプレスフィルムを調製し、その評価を実施した。
結果を表1に示す。
実施例4
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に、無水マレイン酸(MAN、平均粒子径25μm)(250μ以上の粒子含まず)10部、さらに顔料粉体{メルク(株)製の「Iriodin 100 Silver Pearl」(パール顔料)(平均粒子径35μm、粒子径250μm以上の粒子なし)5部をドライブレンダーにより混合して、粉体(C−1)を得た。得られた粉体(C−1)を用い、以下のようにして塗装および塗膜評価を行った。
(粉体塗料を用いた基材の塗装)
0.8mm(厚)×50mm×100mmのステンレス板(SAS304)の表面を洗剤を用いて洗浄して脱脂した後、イオン交換水で十分に洗浄して基材とした。この基材に対して、粉体(A−1)を用い、流動浸漬法により塗装を行った。多孔板および円筒状の塗装室(流動室)(高さ50Cm、直径30Cm)を備えた容器にポリビニルブチラール粉体を入れ、空気を多孔板を通して塗装室に吹き込むことで、ポリビニルブチラール粉体を流動させた。前記ステンレス板からなる基材を予熱し(温度230℃、10分間)、これをポリビニルブチラール粉体の流動層中に懸垂し、10秒経過した後取り出し、230℃の温度条件で10分間加熱して塗装物を得た。
(ポリビニルブチラール粉体の流動性)
塗装室内におけるポリビニルブチラール粉体の流動性を以下の基準にしたがって評価した。結果を表2に示す。
○:ポリビニルブチラール粉体が均一に流動する。
△:ポリビニルブチラール粉体は流動するが、その状態にムラがある。
×:ポリビニルブチラール粉体は全体が流動せず、空気が粉体表面の一部より噴出する。
(塗膜の着色性)
基材に塗布した塗膜の着色性を目視により以下の基準で評価した。
○:着色状態にムラなし。
△:若干ムラが見られる。
×:全面がマダラ模様。
(塗膜の厚みの均一性)
基材の表面に形成された塗膜の厚みの均一性を以下の方法にしたがって評価した。結果を表2に示す。
1サンプルについて、塗膜の厚みを5点測定して、その平均値を求め、その平均値に対する最大値と最小値の差を%で示した。値が低いほど塗膜の厚みの均一性が高い。
○:20%未満
×:20%以上
(塗膜の耐エタノール性試験)
塗装板の塗膜部分をエタノールで湿らせた布で5回拭き、塗膜表面の状態を目視により、以下の基準に従って評価した。
○:塗膜表面の変化なし。
×:塗膜表面が溶解し、塗膜変化(痕跡残、顔料付着)あり。
実施例5
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、マレイン酸10部、顔料{東海カーボン(株)製の「トーカカーボン#7100F」(カーボンブラック)、平均粒子径42μm}5部添加し、ドライブレンダーにより混合後、粉体(C−2)を得た。得られた粉体(C−2)を用い、実施例4と同様に塗装評価を行った。
結果を表2に示す。
実施例6
ポリビニルアセタール(Kuraray Europe GmBH製:Mowital B30H 平均粒子径 102μm)100部に対し、東海カーボン(株)製の「トーカカーボン#7100F」(カーボンブラック)20部添加し、ドライブレンダーにより混合後、エクストルーダーで混練、粉砕し、60メッシュで分級を行い平均粒径80μmの樹脂粉体(MB−1)を得た。
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、マレイン酸10部、粉体(MB−1)10部添加し、ドライブレンダーにより混合後、粉体(C−3)を得た。得られた粉体(C−3)を用い、実施例4と同様に塗装評価を行った。
結果を表2に示す。
実施例7
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、無水コハク酸10部、顔料{東海カーボン(株)製の「トーカカーボン#7100F」(カーボンブラック)、平均粒子径42μm}5部を添加し、ドライブレンダーにより混合後、粉体(C−4)を得た。
得られた粉体(C−4)を用い、実施例4と同様に塗装評価を行った。
結果を表2に示す。
比較例1
実施例1で得られた未変性ポリビニルブチラール粉体(A−1)を用いて、実施例1と同様にプレスフィルムを調整し、評価した。
結果を表1に示す。
比較例2
実施例1で得られた未変性ポリビニルブチラール粉体(A−1)100部に対し、無水マレイン酸(MAN、平均粒子径25μm)(250μ以上の粒子含まず)55部を添加し、ドライブレンダーにより混合し、粉体(B−4)を得た。
得られた粉体(B−4)を用い、実施例4と同様に塗装評価を行った。
結果を表2に示す。
比較例3
実施例1で得られた未変性ポリビニルブチラール粉体(A−1)100部に対し、無水マレイン酸(MAN、平均粒子径25μm)(250μ以上の粒子含まず)0.05部を添加し、ドライブレンダーにより混合し、粉体(B−5)を得た。
得られた粉体(B−5)を用い、実施例4と同様に塗装評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 0005036405
Figure 0005036405
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、熱処理することにより耐溶剤性に優れた硬化物を付与することができ、かつ顔料を併用することにより、低コストで着色性に優れた塗膜を形成することができ、さらに流動性に優れているので、広範な用途に用いることができる。たとえば、粉体塗料、セラミックスバインダー、感光性材料バインダー、インクバインンダー、無機材料バインダー、自動車または建築のガラスの中間膜などに適用できるが、このうちとくに粉体塗料として好適である。

Claims (7)

  1. ポリビニルアセタール粉体(A)および多価カルボン酸、無水多価カルボン酸、多価アルデヒド、多価イソシアネート化合物および多価エポキシ化合物、ならびにこれらの化合物の誘導体から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)の粉体からなり、かつ下記条件を満足する熱硬化性樹脂組成物。
    (1)(A)の平均粒子径(AD)が10〜250μm
    (2)(B)/(A)の重量比が0.1/100〜50/100
    (3)(B)の平均粒子径(BD)が2〜150μm
    (4)|AD−BD|<100μm
  2. 化合物(B)が、多価カルボン酸又はその無水物である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 顔料粉体(C)を含有し、かつ下記条件を満足する請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    (5)(C)の平均粒子径(CD)が2〜150μm
    (6)|AD−CD|<100μm
    (7)(C)/(A)の重量比0.1/100〜50/100
  4. 熱硬化性樹脂組成物が、ドライブレンド組成物である請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. (A)を構成するポリビニルアセタールが、ビニルアルコール系重合体を、炭素数2〜6のアルデヒドによりアセタール化して得たポリビニルアセタールである請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 顔料粉体(C)が、酸化チタン、酸化鉄、べんがら、カーボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、ジアゾ系イエロー、キナクリドン、アルミニウム金属および雲母から選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる粉体塗料。
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