JP5473611B2 - ポリビニルアセタール系粉体塗料 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリビニルアセタール系粉体塗料に関する。本発明はまた、ポリビニルアセタール系粉体塗料を塗装して得られる塗膜に関する。本発明はさらに、ポリビニルアセタール系粉体塗料を塗装したカートに関する。
従来、粉体塗装用樹脂として、ポリエチレン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニルなどの樹脂が、金属などの基盤を錆びや溶剤などから守るために用いられている。特に最近では、有機溶剤系の塗料が環境負荷の面から敬遠され、非溶剤系塗装への転換が加速度的に進んでいる。水系塗装も有機溶剤の使用をゼロにする事は出来ず、塗装作業性にも難がある上、排水処理の問題が残る。一方、粉体塗装は、溶剤を全く用いない上、生産速度の向上、コストの低減などの面からも期待されている。
粉体塗料の中でもポリアミド系粉体塗料は、耐衝撃性に優れていることから高評価されているが、基材との接着性が不十分であり、塗装前にプライマーなどで金属表面を前処理する必要がある。また塗膜の硬度に劣るという欠点もある。
一方で、基材との接着性が良好で、耐衝撃性および硬度の高い塗膜を形成することができる粉体塗料として、ポリビニルアセタール系粉体塗料が開発されている。例えば、特開昭63−193970号公報(特許請求の範囲)では、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂100重量部に対し、ポリビニルブチラール又はポリビニルホルマール5〜20重量部を配合し、さらに硬化剤および充填剤を配合したエポキシ樹脂粉体塗料が提案されている。特開2000−281966号公報(特許請求の範囲)では、疎水性樹脂(ポリビニルブチラールなど)と吸水性樹脂(ポリアクリル酸塩など)からなる粉体塗料が提案されている。
しかしながら、上記のようなポリビニルアセタール系粉体塗料は、基盤温度が低いものでは平滑性が必ずしも良好であるとは言えず、またピンホールなどの塗装欠陥を引き起こす事もある。そのため塗装後に加熱を必要に応じて行う場合もあるが、加熱条件が長時間や高温であると、樹脂の劣化が進行して塗膜の黄変を引き起こす事がある。またメルトフローレート(MFR)値が小さいものでは、後加熱や高温で塗装してもピンホールなどの平滑性の改善に繋がらない事も多い。
また、基材の最終形状は複雑なものもあり、場合によっては、塗装後に基材を組み立てる為、塗装後の基材を折り曲げることがある。この際、塗膜の耐屈曲性が劣ると、折り曲げ時、折り曲げ部位に割れや剥がれが生じることがある。
本発明は、上記の従来技術の課題を解決したものであり、塗膜表面の平滑性に優れ、加熱による黄変が起こりにくく、かつ塗装物の屈曲などの加工に適した塗膜を形成することができるポリビニルアセタール系粉体塗料を提供することを目的とする。また本発明は、平滑性に優れ、黄変もほとんど見られず、耐屈曲性に優れるポリビニルアセタール系粉体塗料の塗膜を提供することを目的とする。さらに本発明は、塗膜の平滑性に優れ、ピンホール、黄変もほとんど見られず、屈曲部にもヒビ等がみられず外観が良好であるカートを提供することを目的とする。
上記目的を達成した本発明は、ポリビニルアセタール樹脂と、当該ポリビニルアセタール樹脂に対し0.02〜5重量%の、分子量380〜1000かつ融点80〜230℃の酸化防止剤とを含有するポリビニルアセタール系粉体塗料である。
本発明はまた、前記のポリビニルアセタール系粉体塗料を塗装して得られる塗膜である。
本発明はさらに、前記のポリビニルアセタール系粉体塗料を塗装したカートである。
本発明の粉体塗料は、高温塗装、長時間の後加熱による、塗膜の垂れ、ピンホールなどの塗装欠陥が少なく、塗膜表面の平滑性に優れている。また、高温、低温を問わず広い塗装温度領域において塗膜に黄変が起こりにくい。さらに、塗膜の耐屈曲性に優れていることから、基材を塗装後に加工しても、割れや剥がれが生じにくい。本発明の粉体塗料で塗装して得られる塗膜は平滑性に優れ、黄変もほとんど見られず、耐屈曲性に優れている。本発明の粉体塗料で塗装されたカートは、塗膜の平滑性に優れ、ピンホール、黄変もほとんど見られず、屈曲部に割れや剥がれが生じにくく、外観が良好である。
本発明において、重要なことは、ポリビニルアセタール樹脂に酸化防止剤を、当該樹脂に対して0.02〜5重量%含有させることである。酸化防止剤の含有量が0.02重量%未満の場合は、後述する比較例からも明らかなように、塗膜の耐屈曲性が低下する。一方、5重量%を超える場合は、塗膜の平滑性が悪くなり、塗装時に垂れ、ピンホールなどが生じる虞がある。酸化防止剤の好適な含有量は0.05〜3重量%である。
本発明において、酸化防止剤は、分子量が380〜1000かつ融点が80〜230℃の酸化防止剤であることも、本発明の目的を達成する上で必要である。分子量が380以上の酸化防止剤を使用することにより、耐屈曲性がより向上し、塗膜の割れや剥がれが生じにくくなり、また、樹脂の溶融時の流動性が向上し、平滑性がより向上する。分子量の下限は400以上であることが好適であり、600以上であることがより好適である。分子量が1000を越えると、相溶性不良による、平滑性の低下を招く可能性があり、また、取り扱い性の観点から、本発明に使用されている酸化防止剤の分子量の上限は1000以下であることが必要であり、800以下であることが好適である。また、融点が80〜230℃の酸化防止剤を使用することにより、耐屈曲性がより向上し、平滑性もより向上し、さらに黄変も起こりにくくなる。また、ポリビニルアセタール樹脂にドライブレンドすることが可能となり、溶融混練などと比較し低コストでの製造が可能となる。酸化防止剤の融点は90〜180℃であることが好適である。
本発明に用いられる好適な酸化防止剤としては、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 259)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン(アデカ社製 アデカスタブAO−80)、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 1098)、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリルメチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 3790)、2,6−ジ−t−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジニルアミノ]フェノール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 565)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 3114)、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)(住友化学社製 Sumilizer BBM−S)などのヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
酸化防止剤は、化学構造の見地からは、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005473611
ただし、R1〜R8はそれぞれ炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子を表し、l、m、nはそれぞれ1〜10までの整数を表す。XはNまたはOのヘテロ原子を表す。炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状のアルキル基の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル等が挙げられる。
なかでも、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 259)やN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 1098)は、本発明の目的をより好適に達成することができることから最適である。なお、上記の酸化防止剤は二種以上を併用することもできる。二種以上用いることで本発明の効果がより向上することがある。
また、本発明の特性を損なわない範囲で、上記の酸化防止剤に加えて、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGAFOS 16)、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]ホスホラスアシッドエチルエステル(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGAFOS 38)、ホスホナイト(IRGAFOS P−EPQ)などのリン系加工熱安定剤、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGASTAB FS 042)などのヒドロキシルアミン系加工熱安定剤、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオナート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX PS 802)などのイオウ系耐熱安定剤、ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 1010)、トリエチレングリコールビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 245)、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−α,α’,α”−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 1330)、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 1076、アデカスタブ AO−50など)、ジエチル{[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシルフエニル]メチル}ホスホネート(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGAMOD 295)、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 1035)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウムとポリエチレンワックスの混合物(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 IRGANOX 1425 WL)などの別の酸化防止剤も任意に使用できる。これらの熱安定剤および酸化防止剤は二種以上を併用することもできる。二種以上用いることで本発明の効果がより向上することがある。
酸化防止剤は、平均粒子径が150μm以下であり、かつ最大粒子径が250μm以下であることが、本発明の目的達成のためにより好適である。酸化防止剤の平均粒子径は、好ましくは130μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。酸化防止剤は、たとえば、顆粒やペレットを粉砕して、所望の粒子径とすることができる。酸化防止剤の平均粒子径および最大粒子径は、後述のポリビニルアセタール樹脂の集合粒子の平均粒子径および最大粒子径と同様の方法で求められる。
本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂は、水分量2.5重量%以下、かつアルデヒド含有量1000重量ppm以下のポリビニルアセタール樹脂であることが、本発明の目的をより好適に達成する上でより好適である。
水分量が2.5重量%以下である場合、本発明の粉体塗料を塗装して得られる塗膜の平滑性がより向上する。より好適な水分量は2重量%以下である。下限値は0.1重量%以上が好適であり、さらに好適には0.5重量%以上である。水分量をこのような範囲に調整する方法としては、アセタール化後の水又は水/アルコールの混合溶液等による洗浄の後に、乾燥により水分量を規定の値以下にまで除去する方法等が挙げられる。
また、残存するアルデヒドの含有量が1000重量ppm以下である場合、本発明の粉体塗料を塗装して得られる塗膜のピンホールの発生がより少なくなり、さらに黄変をより防止することができる。残存アルデヒドの含有量は、より好ましくは500重量ppm以下、さらに好ましくは120重量ppm以下である。下限値は5重量ppm以上であり、さらに好適には10重量ppm以上である。アルデヒド含有量をこのような範囲に調整する方法としては、ポリビニルアセタールを、水又は水/アルコールの混合溶液等による洗浄操作により精製して、アルデヒド量を規定の値以下にまで除去する方法等が挙げられる。
本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂は、通常、ビニルアルコール系重合体を原料として製造される。上記ビニルアルコール系重合体は、従来公知の手法、すなわちビニルエステル系単量体を重合し、得られた重合体をけん化することによって得ることができる。ビニルエステル系単量体を重合する方法としては、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、従来公知の方法を適用することができる。重合開始剤としては、重合方法に応じて、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤などが適宜選ばれる。けん化反応は、従来公知のアルカリ触媒または酸触媒を用いる加アルコール分解、加水分解などが適用でき、この中でもメタノールを溶剤とし苛性ソーダ(NaOH)触媒を用いるけん化反応が簡便であり最も好ましい。
ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが挙げられるが、とりわけ酢酸ビニルが好ましい。
また、前記ビニルエステル系単量体を重合する場合、本発明の主旨を損なわない範囲で他の単量体と共重合させることもできる。他の単量体の例としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン;アクリル酸およびその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその酸塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸およびその塩またはそのエステルまたはその無水物;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。これらの単量体は通常ビニルエステル系単量体に対して10モル%未満の割合で用いられる。
アセタール化に用いる酸触媒としては特に限定されず、有機酸および無機酸のいずれでも使用可能であり、例えば、酢酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。これらの中でも塩酸、硫酸、硝酸が好ましく用いられ、とりわけ塩酸が好ましく用いられる。
本発明においては、ビニルアルコール系重合体(特にポリビニルアルコール)を炭素数2〜6のアルデヒドでアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂を用いることが好ましい。炭素数2〜6のアルデヒドとしては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。これらの中でも炭素数4〜6のアルデヒド、特にn−ブチルアルデヒドが好ましく用いられる。すなわち、本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂としては、炭素数2〜6のアルデヒド、特に炭素数4〜6のアルデヒドを用いたポリビニルアセタール樹脂、中でもn−ブチルアルデヒドを用いたポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、40〜85モル%であることが好適であり、さらに好適には50〜85モル%である。アセタール化度がこの範囲にあるとき、流動性に優れ、均一な塗膜厚を付与することができ、さらに基材との接着性に優れた粉体塗料が得られる。また、本発明の目的をより好適に達成するためには、ポリビニルアセタール樹脂のビニルエステル単位含有量は0.1〜30モル%、ビニルアルコール単位含有量は10〜50モル%であることが好適である。
なお、上記アセタール化度、ビニルエステル単位含有量、ビニルアルコール単位含有量の値は、アセタール化度(ビニルアセタール単位含有量)、ビニルエステル単位含有量、ビニルアルコール単位含有量の合計量に対する値である。
本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂の原料となるビニルアルコール系重合体の重合度は、150〜2000の範囲から適宜選択される。好適なビニルアルコール系重合体の重合度は、200〜1700であり、さらに好ましくは250〜1000である。
本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂は、分子内にカルボキシル基、一級水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基等の官能基を含有するものであっても構わない。分子内に前記の官能基を導入する手法については特に制限はないが、例えば(1)(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカルボキシル基あるいは一級水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をビニルアルコール系重合体水溶液中で重合することにより、ビニルアルコール系重合体にグラフトさせ、続いてアセタール化する方法、(2)カルボキシル基含有ビニルアルコール系重合体またはアミノ基含有ビニルアルコール系重合体をアセタール化する方法、(3)ビニルアルコール系重合体を、グリオキシル酸などカルボキシル基を有するアルデヒド化合物でアセタール化する方法などが挙げられる。
さらに、本発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂は、1次粒子の集合粒子の形態にあることが好適であり、さらに1次粒子は平均粒子径が5μm以下で、かつ最大粒子径が10μm以下であることが好適である。また集合粒子は、平均粒子径が150μm以下で、かつ最大粒子径が250μm以下であることが好適である。集合粒子の平均粒子径は、好ましくは130μm以下であり、より好ましくは100μm以下である。ここで1次粒子とは、ビニルアルコール系重合体のアセタール化反応において、最初に生成する粒子である。
ポリビニルアセタール樹脂が、このような特定の1次粒子径および集合粒子径を満足する場合、得られる粉体塗料に基材との優れた接着性と、高い塗膜硬度を付与することができ、また、さらに優れた流動性と、さらに均一な塗膜厚を付与することができることから、好適である。
ポリビニルアセタール樹脂の集合粒子の平均粒子径は、レーザー回折法による測定により求めることができ、測定に用いることができる装置として、例えば(株)島津製作所製の粒度分布測定装置SALD2200等が挙げられる。また、集合粒子の最大粒子径は、同測定により得られた粒度分布の終点値から求められる。
1次粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)により、倍率1000で、ポリビニルアセタール樹脂の写真を3箇所(3枚)撮影し、それぞれの写真より判定可能な1次粒子径を測定(写真1枚につき50点以上)し、その平均値を求めればよい。なお、それぞれの1次粒子の径は長径を測定する。また、1次粒子の最大粒子径は、上記SEM写真から観察される1次粒子の最大粒子径である。
このような特定の1次粒子径および集合粒子径を有するポリビニルアセタール樹脂は、たとえば、次のような方法によって得られる。
まず、ビニルアルコール系重合体の濃度3〜15重量%水溶液を、80〜100℃に調整し、徐々に温度を下げながら、10〜60分かけて、−10〜30℃に低下したところで、アルデヒドおよび触媒を添加し、温度を一定に保ちながら、30〜200分反応を進め、さらに30〜200分かけて、40〜80℃まで昇温し、1〜3時間保持後、冷却し、さらに水洗後、中和剤(アルカリ等)を添加し、乾燥することにより目的とするポリビニルアセタール樹脂が得られる。また、上記方法により最大粒子径が250μmを越える集合粒子はほとんど生成しないが、最大粒子径250μmを越える集合粒子が生成した場合は、フイルターにより除去することが好適である。
本発明の粉体塗料は、上記ポリビニルアセタール樹脂に酸化防止剤をドライブレンドすることにより、またはポリビニルアセタール樹脂に酸化防止剤を混合し溶融した後、粉砕することにより得ることができる。製造コストの観点から、本発明の粉体塗料は、ポリビニルアセタール樹脂と酸化防止剤がドライブレンドされているものであることが好ましい。
本発明の粉体塗料には、さらに無機物微粒子を配合することも、粉体塗料の流動性を改善し、細部への流れ込み性、基材との接着性、さらには塗膜硬度を改善することから、好適な態様である。無機物微粒子としては、シリカ、酸化アルミニウムなどが好適な例として挙げられる。
無機物微粒子は、平均粒子径が1μm以下であることが、本発明の目的達成のためにより好適である。前記無機物微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.1μm以下である。無機物微粒子は、たとえば、無機物を粉砕して、所望の粒子径にすることができる。無機物微粒子の平均粒子径は、前記したポリビニルアセタール樹脂の集合粒子の平均粒子径と同様の方法で求められる。無機物微粒子は、ポリビニルアセタール樹脂に対し、0.0001〜2重量%配合することが好適であり、さらに好適には0.001〜1重量%配合する。
また、本発明において、レベリング剤や、消泡剤などの表面調整剤を配合することも、粉体塗料の細部への流れ込み性、基材との接着性、さらにはピンホールや欠点の発生などを抑え、塗膜表面をより平滑に改善することから、好適な態様である。表面調整剤としては、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系などの高分子添加剤やベンゾインなどが挙げられる。
表面調整剤は、平均粒子径が150μm以下で、かつ最大粒子径が250μm以下であることが好適である。平均粒子径は、好ましくは130μm以下であり、より好ましくは100μm以下であることが、本発明の目的達成のためにより好適である。表面調整剤は、たとえば、顆粒を粉砕して、所望の粒子径にすることができる。表面調整剤の平均粒子径および最大粒子径は、前記したポリビニルアセタール樹脂の集合粒子の平均粒子径および最大粒子径と同様の方法で求められる。表面調整剤は、ポリビニルアセタール樹脂に対し、0.001〜10重量%配合することが好適であり、さらに好適には0.01〜5重量%配合する。
また、本発明においては、紫外線吸収剤なども適宜配合することができる。
さらに、本発明の粉体塗料には、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシアルキルアミド、アミノ化合物、脂肪族二塩基酸、酸無水物等の硬化剤を配合することもできる。硬化剤の使用量はポリビニルアセタール樹脂に対して、通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。硬化剤を該範囲で用いることにより、得られる塗膜の耐溶剤性等を改善することが可能である。
上記のイソシアネート化合物としては特に制限はないが、ブロックドイソホロンジイソシアネート化合物が好ましく用いられ、なかでも、ε−カプロラクタム等のブロック剤でブロックされたε−カプロラクタムブロックドイソホロンジイソシアネートや、自己ブロックタイプであるウレトジオン結合型イソシアネートが好ましい。このようなε−カプロラクタムブロックドイソホロンジイソシアネートとしては、ヒュルス社製の「ベスタゴンB1530」、バイエル社製の「クレラン(登録商標)U−1」等が挙げられる。ウレトジオン結合型イソシアネートとしては、ヒュルス社製の「ベスタゴンBF1540」等が挙げられる。
エポキシ化合物としてはエポキシ基を含有する化合物であれば特に制限はないが、トリグリシジルイソシアヌレートなどが用いられる。
ヒドロキシアルキルアミドは、例えば、カルボン酸および/またはカルボン酸エステルと、β−ヒドロキシアルキルアミンとを、ナトリウムやカリウム等のアルコキシドの存在下で反応させることにより得られる。上記カルボン酸およびカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジメチル等が挙げられる。上記β−ヒドロキシアルキルアミンとしては、例えば、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン等が挙げられる。上記ヒドロキシアルキルアミドは、EMS−PRIMD社製「プリミド」シリーズ等が挙げられる。
アミノ化合物としてはアミノ基を含有する化合物であれば特に制限はないが、尿素、メラミン、尿素樹脂などが汎用的に用いられる。
脂肪族二塩基酸としては特に制限はないが、ドデカン二酸などが汎用的に用いられる。
酸無水物も特に制限はないが、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などが汎用的に用いられる。
本発明の粉体塗料は、高温塗装、長時間の後加熱による、塗膜の垂れ、ピンホールなどの塗装欠陥が少なく、塗膜表面の平滑性に優れている。また、高温、低温を問わず広い塗装温度領域において塗膜に黄変が起こりにくい。さらに、塗膜の耐屈曲性に優れていることから、基材を塗装後に加工しても、割れや剥がれが生じにくい。本発明の粉体塗料はまた、ポリビニルアセタール系粉体塗料の本来の性質、すなわち、基材との良好な接着性、塗膜の高い硬度と耐衝撃性を有し、プライマーなどによる前処理を必要としない。
本発明の粉体塗料は、さまざまな粉体塗装法で使用可能である。粉体塗装法としては、流動浸漬法、静電塗装法、溶射法等が挙げられる。塗装温度条件は、塗装方法や、用いられるポリビニルアセタールの重合度等により異なるが、100〜400℃程度が好ましい。
本発明の粉体塗料を塗装して得られる塗膜は、平滑性に優れ、黄変もほとんど見られず、耐屈曲性に優れている。また、高い硬度と耐衝撃性を有している。
本発明のポリビニルアセタール系粉体塗料を用いた塗装の対象となる基材としては、鋼管、鋼板などの金属が挙げられる。通常、これらの金属に粉体塗装する場合は、塗膜との接着性、耐食性、外観などを改善するため、脱脂、リン酸塩処理、メッキなどの前処理、エポキシ系樹脂等のプライマー塗布が必要に応じて実施される。また、本発明の粉体塗料は、陶器、セラミック、ガラス、プラスチックなどの塗装にも使用できる。また、本発明の粉体塗料を、上述のように、金属を代表とする基材上に粉体塗装により塗布する際に、塗膜を多層構造とすることもできる。この時、必要に応じて他の樹脂層との多層化を行うことも自由である。多層化を行う方法は特に限定されないが、粉体塗装を複数回行う方法、本発明の粉体塗料と他の樹脂からなる混合物を溶融させ、親和性の差により相分離させて一度の塗装で2層以上の樹脂層を得る方法などが例示される。これらの内、粉体塗装を複数回行う方法が樹脂間の親和性等を考慮する必要がなく好適である。
本発明のポリビニルアセタール系粉体塗料を用いた塗装の対象となる最終製品としては、カート(例、ショッピングカート、かご置き台、台車、空港用カート等、特にショッピングカート)、水道配管、金属カゴ、薬品用タンク、家電製品のオーバーコート、自動車部品が挙げられ、これらのうち、カートが好適である。本発明のポリビニルアセタール系粉体塗料で塗装されたカートは、塗膜の平滑性に優れ、ピンホール、黄変もほとんど見られず、屈曲部にも割れや剥がれが生じにくく、外観が良好である。また、カートの塗膜の硬度および耐衝撃性にも優れる。当該粉体塗料の塗膜が形成されたカートを製造するには、当該粉体塗料が塗装された鋼管を用いてカートを組み立てればよく、また、当該粉体塗料にカートをディッピングして塗膜を形成してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、以下の実施例において「%」および「部」は特に断りのない限り、「重量%」および「重量部」を意味する。
ポリビニルアセタール樹脂および酸化防止剤の諸物性の測定は以下の方法に従って行った。
(ポリビニルアセタール樹脂のビニルエステル単位含有量)
JIS K6728に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコール単位含有量)
JIS K6728に記載の方法に基づき測定した。
(ポリビニルアセタール樹脂の水分量)
ポリビニルアセタール樹脂を、乾燥機により105℃で3時間乾燥させ、式{(乾燥前の樹脂の重量)−(乾燥後の樹脂の重量)}/{乾燥前の樹脂の重量}×100(%)により算出した。
(ポリビニルアセタール樹脂のアルデヒド残存量)
本体に島津製作所製ヘッドスペースガスクロマトグラフィーGC−14B、カラムにGL Science Inc製TC−1(内径0.25mm.長さ30m)を用いて測定した。
ポリビニルアセタール樹脂および酸化防止剤の粒子径の測定は以下の方法に従って行った。
(ポリビニルアセタール樹脂の集合粒子および酸化防止剤の平均粒子径)
(株)島津製作所製の粒度分布測定装置SALD2200により測定した。
(ポリビニルアセタール樹脂の1次粒子の平均粒子径)
走査型電子顕微鏡(SEM)により、倍率1000で、ポリビニルアセタール樹脂の写真を3箇所(3枚)撮影し、それぞれの写真より判定可能な1次粒子径を測定(写真1枚につき50点以上)し、その平均値を求めた。なお、それぞれの1次粒子の径は長径を測定した。
(ポリビニルアセタール樹脂の1次粒子の最大粒子径)
上記SEM写真から観察される1次粒子の最大粒子を測定した。
実施例1
(ポリビニルアセタール樹脂の調製)
還流冷却器、温度計およびイカリ型攪拌翼を備えた内容積2リットルのガラス製容器に、イオン交換水1295gと、ポリビニルアルコール(PVA−1:重合度600、けん化度98モル%)105gとを仕込み、全体を95℃に昇温してポリビニルアルコールを完全に溶解させ、ポリビニルアルコール水溶液(濃度7.5重量%)を形成した。形成したポリビニルアルコール水溶液を、回転速度120rpmにて攪拌し続けながら、約30分かけて10℃まで徐々に冷却した後、当該水溶液に、ブチルアルデヒド66gと、ブチラール化触媒である酸触媒として濃度20重量%の塩酸90mlとを添加して、ポリビニルアルコールのブチラール化を開始した。ブチラール化を150分間行った後、60分かけて全体を50℃まで昇温し、50℃にて120分間保持した後に、室温まで冷却した。冷却によって析出した樹脂をろ過後、イオン交換水(樹脂に対して100倍量のイオン交換水)で洗浄した後、中和のために0.3重量%水酸化ナトリウム溶液を加え、40℃で10時間保持した後、さらに100倍量のイオン交換水で再洗浄し、脱水したのち、40℃、減圧下で18時間乾燥し、ポリビニルブチラール樹脂(PVB−1:水分含有量0.7%)を得た。
得られたポリビニルブチラール樹脂(PVB−1)は、ブチラール化度が68モル%、ビニルエステル単位の含有量が2モル%、ビニルアルコール単位の含有量が30モル%であった。また、PVB−1の水分量は0.7%、残存するブチルアルデヒドの含有量は80重量ppmであった。
(ポリビニルアセタール樹脂の粉体の調製)
上記のようにして作製したポリビニルブチラール樹脂(PVB−1)を、60メッシュ(目開き250μm)の金網を用いて篩にかけ、粒子径が250μm以上の粉体を除去して、ポリビニルブチラール粉体(A−1)を得た。粉体(A−1)における1次粒子の平均粒子径は3.5μm、粉体(A−1)の平均粒子径(集合粒子)は80μmであった。
(粉体塗料の調製)
上記で得られた粉体(A−1)100部に対し、酸化防止剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点104℃−108℃、分子量639)を0.5部添加し、ドライブレンダーにより混合し、粉体塗料1を得た。
[粉体塗料の塗装および得られた塗膜の評価]
作製した粉体塗料1を用いて、以下のようにして塗装と評価を行った。
(粉体塗料を用いた鉄板の塗装)
0.2mm(厚)×50mm×100mm鉄板の表面を洗剤を用いて洗浄して脱脂した後、イオン交換水で十分に洗浄して基材とした。この基材表面に、粉体塗料1を用い、流動浸漬法により塗装を行った。具体的には、微細多孔板を低部に有する円筒状の塗装室(流動室)(高さ50cm、直径30cm)を備えた容器に粉体塗料1を投入し、上記微細多孔板の下部から、当該多孔板を通じて塗装室に空気を吹き込み、粉体塗料1を流動させた。前記鉄板からなる基材を予熱し(温度300℃、10分間)、これを粉体塗料1の流動層中に懸垂し、10秒経過した後に取り出し、230℃の温度条件で10分間加熱して、塗装物を得た。
得られた塗装物の塗膜の評価を以下の方法にしたがって行った。結果を表1に示す。黄変、塗膜の平滑性については、0.2mm(厚)×50mm×100mm鉄板に塗装した粉体塗料の付着状況を目視により、耐屈曲性は直径5mm×長さ20cmの鉄棒に上記鉄板と同様に塗装した後、十分に冷却したのを確認した上で、万力を使用して基材を屈曲させ、屈曲部位の塗膜を目視にて以下の基準で評価した。
(黄変)
A:黄色味がなく透明。
B:僅かに黄変が見られるが実用上問題なし。
C:黄色に変色してしまい外観不良。
(塗膜の平滑性)
A:平滑性に優れ、垂れ、ピンホールなどが全くみられない。
B:塗膜にわずかな垂れが見られるが、ピンホールは全く見られない。
C:粉体塗料の大きな垂れ、ピンホールが見られる。
(耐屈曲性)
A:基材を折り曲げた際に、塗膜の剥離やヒビが全く見られない。
B:基材を折り曲げた際に、塗膜表面に素地が露出しない範囲で軽微なヒビが見られる。
C:基材を折り曲げた際に、一部に塗膜の剥離やヒビが見られる。
D:基材を折り曲げた際に、大きな塗膜の剥離やヒビが見られる。
実施例2
PVA−1に代わって、ポリビニルアルコール(PVA−2:重合度300、けん化度95モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルブチラール樹脂(PVB−2)を得た。PVB−2のブチラール化度は75モル%、ビニルエステル単位の含有量は5モル%、ビニルアルコール単位の含有量は20モル%であった。PVB−2の水分量は0.8%、残存ブチルアルデヒド含有量は100重量ppmであった。
次に、得られたPVB−2を実施例1と同様に篩にかけ、粒子径が250μm以上の粉体を除去して、ポリビニルブチラール粉体(A−2)を得た。粉体(A−2)における1次粒子の平均粒子径は3.2μm、粉体(A−2)の平均粒子径(集合粒子)は60μmであった。
次に、粉体(A−1)の代わりに上記作製した粉体(A−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、粉体塗料2を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
PVA−1に代わって、ポリビニルアルコール(PVA−3:重合度1000、けん化度98モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルブチラール樹脂(PVB−3)を得た。PVB−3のブチラール化度は78モル%、ビニルエステル単位の含有量は2モル%、ビニルアルコール単位の含有量は20モル%であった。PVB−3の水分量は0.9%、残存ブチルアルデヒド含有量は100重量ppmであった。
次に、得られたPVB−3を実施例1と同様に篩にかけ、粒子径が250μm以上の粉体を除去して、ポリビニルブチラール粉体(A−3)を得た。粉体(A−3)における1次粒子の平均粒子径は3.0μm、粉体(A−3)の平均粒子径(集合粒子)は80μmであった。
次に、粉体(A−1)の代わりに上記作製した粉体(A−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、粉体塗料3を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
PVA−1に代わって、ポリビニルアルコール(PVA−4:重合度200、けん化度98モル%)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリビニルブチラール樹脂(PVB−4)を得た。PVB−4のブチラール化度は78モル%、ビニルエステル単位の含有量は2モル%、ビニルアルコール単位の含有量は20モル%であった。PVB−4の水分量は0.7%、残存ブチルアルデヒド含有量は90重量ppmであった。
次に、得られたPVB−4を実施例1と同様に篩にかけ、粒子径が250μm以上の粉体を除去して、ポリビニルブチラール粉体(A−4)を得た。粉体(A−4)における1次粒子の平均粒子径は3.0μm、粉体(A−4)の平均粒子径(集合粒子)は80μmであった。
次に、粉体(A−1)の代わりに上記作製した粉体(A−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、粉体塗料4を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 1098」(平均粒子径59μm);N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)](融点156℃−161℃、分子量637)を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料5を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点104℃−108℃、分子量639)を0.05部添加した以外は実施例1と同様にして、粉体塗料6を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点104℃−108℃、分子量639)を0.2部添加した以外は実施例1と同様にして、粉体塗料7を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例8
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点104℃−108℃、分子量639)を1.0部添加した以外は実施例1と同様にして、粉体塗料8を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点104℃−108℃、分子量639)を3.0部添加した以外は実施例1と同様にして、粉体塗料9を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例10
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](融点104℃−108℃、分子量639)を4.8部添加した以外は実施例1と同様にして、粉体塗料10を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例11
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、住友化学社製の「Sumilizer BBM−S」(平均粒子径63μm);4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)融点209℃、分子量383)を1.0部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料11を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例12
実施例1で得られた粉体(A−1)100部に対し、アデカ社製「アデカスタブAO−80」(平均粒子径74μm);3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン(融点110−120℃、分子量741)を1.0部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料12を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す
比較例1
実施例1で得られた粉体(A−1)をそのまま粉体塗料13として使用した。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1で得られた粉体(A−1)100重量部に対して、「BHT」(平均粒子径77μm);3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(融点71℃、分子量220)を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料14を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1で得られた粉体(A−1)100重量部に対して、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を7部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料15を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4
実施例1で得られた粉体(A−1)100重量部に対して、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 259」(平均粒子径83μm);ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.015部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料16を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例5
実施例1で得られた粉体(A−1)100重量部に対して、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGAMOD 295」(平均粒子径89μm);ジエチル{[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシルフエニル]メチル}ホスホネート(融点116℃−121℃、分子量356)を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料17を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例6
実施例1で得られた粉体(A−1)100重量部に対して、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 1076」(平均粒子径81μm);n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(融点50℃−53℃、分子量531)を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料18を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
比較例7
実施例1で得られた粉体(A−1)100重量部に対して、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製の「IRGANOX 1330」(平均粒子径78μm);3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−α,α’,α”−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール(融点240℃−245℃、分子量775)を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして、粉体塗料19を得た。
さらに実施例1と同様にして、粉体塗料を塗装した塗装物を作製し、その塗膜の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005473611
表1に示すように、比較例1〜7に対し、実施例1〜12では、黄変をすることなく、平滑で垂れなどがなく、かつ屈曲しても割れや剥がれがない良好な塗装物を得ることができることがわかった。
本発明の粉体塗料は、鋼管、鋼板などの金属基材の塗装に好適であり、塗装対象の最終製品としては、カート(例、ショッピングカート、かご置き台、台車、空港用カート等、特にショッピングカート)、水道配管、金属カゴ、薬品用タンク、家電製品のオーバーコート、自動車部品が挙げられる。本発明の粉体塗料を、回転成形や圧縮成形などの成形方法にも用いることもできる。

Claims (9)

  1. ポリビニルアセタール樹脂と、
    当該ポリビニルアセタール樹脂に対し0.02〜5重量%の、分子量400〜1000かつ融点80〜230℃の酸化防止剤とを含有するポリビニルアセタール系粉体塗料であって、
    前記酸化防止剤が、一般式(1)で表される化合物であるポリビニルアセタール系粉体塗料
    Figure 0005473611
    (式中、R1〜R8はそれぞれ炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子を表し、l、m、nはそれぞれ1〜10までの整数を表す。XはNまたはOのヘテロ原子を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、またはN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]である請求項1に記載のポリビニルアセタール系紛体塗料。
  3. ポリビニルアセタール樹脂と、
    当該ポリビニルアセタール樹脂に対し0.02〜5重量%の、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)とを含有するポリビニルアセタール系粉体塗料。
  4. ポリビニルアセタール樹脂と、
    当該ポリビニルアセタール樹脂に対し0.02〜5重量%の、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカンとを含有するポリビニルアセタール系粉体塗料。
  5. 前記ポリビニルアセタール樹脂が、水分量2.5重量%以下、かつ残存アルデヒド含有量1000重量ppm以下のポリビニルアセタール樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアセタール系粉体塗料。
  6. 前記ポリビニルアセタール樹脂が、ビニルアルコール系重合体を炭素数2〜6のアルデヒドでアセタール化することにより得られるポリビニルアセタール樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアセタール系粉体塗料。
  7. 前記ポリビニルアセタール樹脂が、ポリビニルブチラール樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアセタール系粉体塗料。
  8. 前記ポリビニルアセタール樹脂と前記酸化防止剤が、ドライブレンドされている請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアセタール系粉体塗料。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニルアセタール系粉体塗料を塗装したカート。
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