JP4358145B2 - 透明導電体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電体の製造方法に関する。
LCDや、PDP、有機EL、タッチパネル等には、透明電極が使用され、このような透明電極として、透明導電体が使用されている。透明導電体は、基体と導電層から形成されるものであり、この透明導電体の製造方法としては基体上にスパッタ膜(導電層)を成膜する方法や導電性粒子とバインダーの硬化体とからなる導電層を形成する方法等が知られている。
例えば、特許文献1には、樹脂を溶解した溶液中に粒径の小さい透明導電性粉末を分散させたペーストを塗布して透光性導電膜を製造する方法が記載されており、特許文献2には、酸化インジウム錫の針状結晶粉を含む光透過性導電性粒子を分散した光透過性樹脂を用いて光透過性電極を製造する方法が記載されている。
特開平08−78164号公報 特開平11−273874号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の透光性導電膜(透明導電体)や光透過性電極(透明導電体)を製造しても、透明導電体自体の透明性が十分ではなく、電気抵抗値についても十分に低くすることが困難となる傾向にある。そのため、当該透明導電体をタッチパネル等に用いた場合、視認性に乏しく、また、電気抵抗値が既存の制御回路で制御できる範囲を超えるため、別途、制御回路を開発する必要が生じる。
さらに、近年では、透明導電体の更なる高信頼性を求め、より透明度に優れ、かつ電気抵抗値が低い透明導電体が求められている。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、透明度に優れ、かつ電気抵抗値を十分に低くすることができる透明導電体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、従来の透明導電体において、導電性粒子をバインダー中に分散させると、電気抵抗値が高くなることを見出した。このことから本発明者等は、透明導電体の電気抵抗値が高くなるのは、導電性粒子同士の接触数、いわゆる導電経路が少なくなっているためではないかと考えた。また、上記透明導電体において、導電性粒子をバインダー中に分散させると、上記導電性粒子同士の間の距離が広げられているため、光が透明導電体を透過する際、各導電性粒子が光を散乱することとなり、透明導電体の透明度が低下することを見出した。そして、本発明者らは更に鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、導電性粒子及びバインダーを含む混合液を基体上に塗布する塗布工程と、混合液を硬化させ導電層を形成する硬化工程と、を備える透明導電体の製造方法において、混合液における導電性粒子のゼータ電位の絶対値が70以下であり、バインダーが水溶性モノマー又は乳化作用を有するモノマーを少なくとも含むモノマーから重合されたものであり、導電性粒子が、水酸基を有する導電粉の表面を表面処理剤で処理したものであり、且つ表面処理剤が、ビニル基、フッ化炭素基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を分子内に有する透明導電体の製造方法を提供する。
ここで、本発明における透明導電体とは、膜状及び板状のものを含み、膜状透明導電体は厚みが50nm〜1mmの範囲のものをいい、板状透明導電体は厚みが1mmを超えるものをいう。
本発明の透明導電体の製造方法は、混合液における導電性粒子のゼータ電位の絶対値が70以下であるため、当該導電性粒子をバインダー中に均一に分散させずにバインダー中で凝集させることができる。
そして、混合液を基体上に塗布し、導電性粒子が凝集した状態で硬化させて導電層を形成することにより本発明の透明導電体が製造される。
こうして得られる導電層においては、導電性粒子同士が凝集しているため、隣合う導電性粒子同士の間にバインダーが浸入することが抑制される。したがって、本発明の透明導電体の製造方法によれば、透明導電体の電気抵抗値を十分に低くすることができる。
また、上記透明導電体の製造方法によれば、導電性粒子を凝集させることにより、導電性粒子の周囲に、複数の他の導電性粒子を接触させることができるため、透明導電体の電気的な補償をすることができる。すなわち、上記透明導電体は、導電層にクラック等が生じ、一対の導電性粒子間の接触が失われた場合であっても、他の導電性粒子を通じて導電することが可能となる。したがって、本発明の透明導電体の製造方法によれば、上記透明導電体の電気抵抗値が上昇することを抑制することができる。
さらに、上述したように導電性粒子を凝集させることにより、隣合う導電性粒子間の距離が小さくなることから、上記透明導電体は、透明導電体に光が透過する際、一つの導電性粒子で光が散乱した場合であっても、隣合う導電性粒子により、光が散乱する幅を小さくさせることができる。このことにより、ヘイズ値を小さくすることが可能となり、透明導電体の透明度が向上する。
したがって、本発明によれば、透明度に優れ、かつ電気抵抗値を十分に低くすることができる透明導電体の製造方法を提供することができる。
上記透明導電体の製造方法において、導電性粒子が、酸化物からなるものであり、バインダーが、重合性官能基と、下記一般式(1)〜(4)に表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基と、を分子内に有するモノマーを重合させたものを含み、かつバインダーに含まれるフッ素の含有率が、バインダーの全量を基準として、1.85質量%以上であることが好ましい。
Figure 0004358145

[式(1)〜(3)中、n、m及びpはそれぞれ正の整数を示す。]
この場合、重合性官能基と、上記一般式(1)〜(4)に表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基と、を分子内に有するモノマーを重合させたものを含むバインダーを、導電性粒子と混合させることにより、導電性粒子をバインダー中に均一に分散させずにバインダー中で更に凝集させることができる。
そして、導電性粒子同士が凝集した混合液を、基体上に塗布し、導電性粒子を凝集させたまま硬化させて導電層を形成することにより透明導電体が製造される。
こうして得られる透明導電体は、導電性粒子同士が更に凝集しているため、隣合う導電性粒子同士の間にバインダーが浸入することがより抑制される。したがって、本発明の透明導電体の製造方法によれば、透明導電体の電気抵抗値をより十分に低くすることができる。
このように、導電性粒子を更に凝集させることができるメカニズムについては未だ明らかではないが、導電性粒子は表面に水酸基を有していることから、従来は、バインダーを親水性として、導電性粒子をバインダー中に均一に分散させていたところ、本発明は、このバインダーを疎水性とすることにより、疎水性のバインダーと親水性の導電性粒子とが混ざらないことになるため、疎水性のバインダーと親水性の導電性粒子との混合液において、導電性粒子がバインダー中に均一に分散されずに導電性粒子同士がバインダー中で凝集するものと本発明者等は考えている。したがって、導電性粒子同士を凝集させた状態で、透明導電体とすることで、隣合う透明導電体同士の間にバインダー等が浸入することが抑制されると本発明者等は考えている。なお、本発明において、「疎水性」とは、水と水素結合を生じない性質をいい、例えば水をはじく状態のものであり、「親水性」とは、それ以外の性質をいう。
本発明の透明導電体の製造方法においては、上記バインダーが上記一般式(1)〜(4)に表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を含み、かつ上記バインダーに含まれるフッ素の含有率が、バインダーの全量を基準として、1.85質量%以上とすることにより、上記バインダーを十分に疎水性とすることができる。
また、上記バインダーは、側鎖にフッ化炭素基を備えることにより、フッ化炭素基が結晶性を有することから当該硬化体の側鎖同士が密な構造となる。また、フッ化炭素基は分子間力が極めて小さく、かつ、表面エネルギーも低いため、フッ化炭素基を備える上記透明導電体は、外部から水分や化学物質が導電層内に浸入することを妨げることができる。
さらに、上記バインダーは、フッ化炭素基を備えることにより、導電層の表面には、潤滑性に優れるフッ化炭素基が存在することとなるため、潤滑性に優れる透明導電体を製造することができる。したがって、本発明の透明導電体の製造方法によれば、高湿度環境下や化学物質雰囲気下であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができ、また、透明導電体間で摩擦が生じても、透明導電体の表面が削れることを防止し、電気抵抗値の局所的上昇を十分に抑制することができる。
また、このことにより、本発明の透明導電体は、削れた透明導電体が再付着するという事態も防止できる。更に、上記導電層は、透明導電体間の摩擦によって透明導電体が削れるのを防止するだけでなく、汚れ等をつきにくくする、いわゆる撥水、撥油の働きも示し、透明導電体の劣化も十分に抑制される。更にまた、上記透明導電体は、上記導電層は透明導電体にクラックが生じることも抑制することが可能となり、透明導電体の寿命を延ばすことができる。
上記透明導電体の製造方法において、重合性官能基の少なくとも1つが下記一般式(5)に表される基であることが好ましい。
Figure 0004358145

[式(5)中、Rは、二価の炭化水素基を示し、Rは、水素原子、若しくはメチル基を示す。]
上記バインダーが、重合性官能基の少なくとも1つが上記一般式(5)に表される基を分子内に有するモノマーを重合させたものを含むと、バインダーの屈折率を低下させることができる。すなわち、このバインダーの硬化体を含む導電層を備える透明導電体は、より透明性を向上させることができる。また、上記バインダーは、酸・アルカリに対する耐薬品性に優れるとともに耐スクラッチ性(表面硬度)にも優れる。したがって、このバインダーの硬化体を含む導電層を備える透明導電体は、有機溶剤、界面活性剤等を含む拭き取り剤で拭くことや、対向する導電面同士の接触、擦れ等が想定されるタッチパネル等により好適に用いられる。
上記透明導電体の製造方法において、バインダーが水溶性モノマー又は乳化作用を有するモノマーを少なくとも含むモノマーから重合されたものであり、導電性粒子が、水酸基を有する導電粉の表面を表面処理剤で処理したものであり、且つ表面処理剤が、ビニル基、フッ化炭素基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を分子内に有することが好ましい。ここで、「表面処理」とは、導電性粒子表面の表面エネルギーを低下させ、撥水性、撥油性、または親油性を付与する処理のことをいい、例えば導電性粒子表面の水酸基の量を減少させることをいう。
上記透明導電体の製造方法は、上記表面処理剤で処理された導電性粒子を、バインダーと混合させることにより、導電性粒子をバインダー中に均一に分散させずにバインダー中で更に凝集させることができる。
そして、導電性粒子同士が凝集した混合液を、基体上に塗布し、導電性粒子を凝集させたまま硬化させて導電層を形成することにより透明導電体が製造される。
こうして得られる透明導電体は、導電性粒子同士が更に凝集しているため、隣合う導電性粒子同士の間にバインダーが浸入することがより抑制される。したがって、本発明の透明導電体の製造方法によれば、透明導電体の電気抵抗値をより十分に低くすることができる。
このように、導電性粒子を更に凝集させることができるメカニズムについては未だ明らかではないが、本発明は、この導電性粒子を疎水性とすることにより、親水性のバインダーと疎水性の導電性粒子とは混ざらないことになるため、親水性のバインダーと疎水性の導電性粒子との混合液において、導電性粒子がバインダー中に均一に分散されずに導電性粒子同士をバインダー中で凝集するものと本発明者等は考えている。したがって、導電性粒子同士を凝集させた状態で、透明導電体とすることで、隣合う透明導電体同士の間にバインダー等が浸入することが抑制されると本発明者等は考えている。
本発明の透明導電体の製造方法においては、上記透明導電体を処理する表面処理剤を、ビニル基、フッ化炭素基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を分子内に有するものとすることで、上記透明導電体を十分に疎水性とすることができる。
上記透明導電体の製造方法において、表面処理剤の含有量は、導電性粒子100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部であることが好ましい。
表面処理剤の含有量が上記範囲であると、本発明の透明導電体の製造方法により得られる透明導電体は、電気抵抗値をより低くすることができる。
上記透明導電体の製造方法において、混合液中の導電性粒子を基体側に沈降させる沈降工程を更に含むことが好ましい。
導電性粒子を上述したように凝集させることに加え、沈降させる沈降工程を加えることにより、凝集した導電性粒子同士がさらに密に充填されることとなるため、この場合の透明導電体の製造方法により得られる透明導電体は、電気抵抗値を一層低くすることができる。
本発明の透明導電体の製造方法によれば、透明度に優れ、かつ電気抵抗値を十分に低くすることができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[第1実施形態]
まず、本発明の透明導電体の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の透明導電体の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、本実施形態の透明導電体10は、基板13と、導電性粒子11及びバインダーの硬化体12を含む導電層14とを有する。導電性粒子11は、凝集した状態で導電層14内部に充填されており、導電性粒子11は、バインダーの硬化体12に固着されている。導電性粒子11は、導電層14において、基板13側で粗となっており、基板13と反対の面10a側で密となっている。ここで、バインダーの硬化体12とは、バインダーを硬化させたものである。
ここで、本実施形態に係る透明導電体10の製造方法について説明する。
本実施形態に係る透明導電体10の製造方法は、導電性粒子11及びバインダーを混合して混合液とする混合工程と、混合液を基体上に塗布する塗布工程と、混合液を硬化させ導電層を形成する硬化工程と、を備えており、上記混合液における導電性粒子のゼータ電位の絶対値が70以下であるものである。
本実施形態の透明導電体10の製造方法は、混合液における導電性粒子11のゼータ電位の絶対値が70以下であるため、当該導電性粒子11をバインダー中に均一に分散させずにバインダー中で凝集させることができる。
本実施形態に係る透明導電体10は、導電性粒子11同士が凝集して製造されているため、隣合う導電性粒子11同士の間にバインダーが浸入することが抑制される。したがって、上記透明導電体10は、透明導電体の電気抵抗値を十分に低くすることができる。
また、上記透明導電体10は、透明導電体10の導電性粒子11を凝集させることにより、隣合う一対の導電性粒子11が接触するのみならず、複数の他の導電性粒子11とも接触させることができるため、透明導電体10の電気的な補償をすることができる。すなわち、導電層14にクラック等が生じ、一対の導電性粒子11間の接触が失われた場合であっても、他の導電性粒子11を通じて導電することが可能となる。したがって、上記透明導電体10の電気抵抗値が上昇することを抑制することができる。
さらに、隣合う導電性粒子11間の距離が小さくなることから、上記透明導電体10は、透明導電体10に光が透過する際の光の散乱を小さくすることができる。すなわち、ヘイズ値を小さくすることが可能となり、透明導電体の透明度が向上する。
[混合工程]
混合工程は、導電性粒子11に上記バインダーを加えて、液体中で混合し混合液とする工程である。なお、斯かる工程は任意であり、必ずしも本発明に必須の工程ではない。
まず、上記混合液に含まれる導電性粒子とバインダーについて説明する。
<バインダー>
上記バインダーは、特に限定されないが、疎水性であり、重合性官能基と、上記一般式(1)〜(4)に表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基と、を分子内に有するモノマーを重合させたものであることが好ましい。
ここで、上記一般式(1)〜(3)で表される置換基のn、m及びpの値はそれぞれ正の整数であればよいが、好ましくは、nが1〜10であり、m及びpが1〜5である。nの値が10を超えると、nが上記範囲内にある場合と比較して、他のモノマーとの混合時において相分離しやすくなる傾向にあり、m及びpの値が5を超えると、m及びpが上記範囲内にある場合と比較して、他のモノマーとの混合時において相分離しやすくなる傾向にある。
また、上記バインダーは、上記一般式(1)〜(4)に表される置換基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有するモノマーの重合体であると、上記バインダーはフッ化炭素基を有することとなる。このときのバインダー中のフッ素の含有率は、1.85質量%以上であることが好ましい。上記フッ素の含有率が、1.85質量%未満であると、バインダーが十分な疎水性を示さず、導電性粒子11が十分に凝集されない傾向にある。
また、このときのバインダー中のフッ素の含有率は、68.3質量%以下であることが好ましい。上記フッ素の含有率が、68.3質量%を超えると、フッ素の含有率が上記範囲にある場合と比較して、硬化体の機械的強度が低下する傾向にある。
上記バインダーは、側鎖にフッ化炭素基を備えることにより、フッ化炭素基が結晶性を有することから当該硬化体の側鎖同士が密な構造となる。また、フッ化炭素基は分子間力が極めて小さく、かつ、表面エネルギーも低いため、フッ化炭素基を備える本実施形態の透明導電体は、外部から水分や化学物質が導電層内に浸入することを妨げることができる。
さらに、上記バインダーは、フッ素基を備えることにより、導電層の表面には、潤滑性に優れるフッ化炭素基が存在することとなるため、潤滑性に優れる透明導電体を製造することができる。したがって、本発明の透明導電体の製造方法によれば、高湿度環境下や化学物質雰囲気下であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができ、また、透明導電体間で摩擦が生じても、透明導電体の表面が削れることを防止し、電気抵抗値の局所的上昇を十分に抑制することができる。
このことにより、本実施形態の透明導電体は、削れた透明導電体が再付着するという事態も防止できる。更に、上記導電層は透明導電体間の摩擦によって透明導電体が削れるのを防止するだけでなく、汚れ等をつきにくくする、いわゆる撥水、撥油の働きも示し、透明導電体の劣化も十分に抑制される。更にまた、上記導電層は透明導電体にクラックが生じることも抑制することが可能となり、透明導電体の寿命を延ばすことができる。
重合により上記バインダーを形成可能なモノマーは、重合性官能基を有し、かつ上記一般式(1)〜(4)で表される置換基を有していれば、特に限定されないが、具体的には、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、パーフルオロ(3,6,9,12−テトラオキサテトラデカノイル)アクリレート、パーフルオロ(3,7,11−トリオキサペンタデカノイル)アクリレート、ペンタフルオロスチレン等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
この中でも、上記一般式(5)に表される重合性官能基を有するモノマーであることが好ましい。
上記バインダーが、重合性官能基の少なくとも1つが下記一般式(5)に表される基を分子内に有するモノマーを重合させたものを含むと、バインダーの屈折率を低下させることができる。すなわち、このバインダーの硬化体12を含む導電層14を備える透明導電体10は、より透明性を向上させることができる。また、上記バインダーは、酸・アルカリに対する耐薬品性に優れるとともに耐スクラッチ性(表面硬度)にも優れる。したがって、このバインダーの硬化体12を含む導電層14を備える透明導電体10は、有機溶剤、界面活性剤等を含む拭き取り剤で拭くことや、対向する導電面同士の接触、擦れ等が想定されるタッチパネル等により好適に用いられる。
また、上記一般式(5)のRは、二価の炭化水素基であれば特に限定されないが、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、又はイソプロピレン基であることが好ましい。Rがこれらの置換基であると、フッ化炭素基の自由運動時の回転範囲が適度に制御されるという利点がある。
本実施形態のバインダーは、上記一般式(1)〜(4)に表される置換基がエーテル結合を有することが好ましい。この場合、上記置換基がエーテル結合を有しない場合と比較して、エーテル結合部分で自由に回転、振動、伸縮等の運動ができるため、上記バインダーを有する導電層14を柔らかくすることができる。従って、この導電層14は、潤滑性を向上させるだけでなく、クラックが生じることを一層抑制することができる。このような観点から、上記モノマーが有する置換基は、一般式(1)〜(4)に表される基の中でも、上記一般式(2)又は(3)に表される基であることがより好ましい。
上記バインダーは、上記一般式(5)の重合性官能基を有するモノマー(以下「第1のモノマー」ともいう。)と、ビニル基を有する他のモノマー(以下「第2のモノマー」ともいう。)との共重合体を含むことが好ましい。このように第1のモノマーと第2のモノマーとを共重合させることにより、上記バインダーに所望の機能を付加することができる。例えば、第2のモノマーとして重合性官能基を分子内に複数有するモノマーを用いると、得られる共重合体の硬化体を含む導電層は、機械的強度を向上させることができる。
この中でも、共重合体を含む導電層の機械的強度を向上させることができる他のモノマーとして、ジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート、ヘキサアクリレート等を用いることが好ましい。この場合、透明導電体の機械的強度が向上することから、タッチパネル等にこの透明導電体を用いると、タッチパネルを繰り返し使用した場合であっても耐久性にも優れるものとなる。
<導電性粒子>
本実施形態に係る導電性粒子11は、ゼータ電位の絶対値が70以下である。このため、当該導電性粒子を導電性粒子をバインダー中に均一に分散させずにバインダー中で凝集させることができる。
また、上記導電性粒子11は、酸化物であることが好ましい。具体的には、水酸基を有する導電粉を備えるものであることが好ましい。この場合、斯かる導電性粒子は親水性を示す。また、導電粉は、透明導電性酸化物材料から構成される。透明導電性酸化物材料は、透明性及び導電性を有すれば特に限定されないが、かかる透明導電性酸化物材料としては、例えば、酸化インジウム、又は酸化インジウムに、錫、亜鉛、テルル、銀、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム又はマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素がドープされたものや、酸化錫、又は酸化錫に、アンチモン、亜鉛又はフッ素からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素がドープされたものや、酸化亜鉛、又は酸化亜鉛に、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ホウ素、フッ素、又はマンガンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素がドープされたもの等が挙げられる。
また、上記導電粉の平均粒径は10nm〜80nmであることが好ましい。平均粒径が10nm未満であると、平均粒径が10nm以上である場合と比べて、透明導電体10の導電性が変動しやすくなる傾向がある。すなわち、本実施形態に係る透明導電体10は導電性粒子11において生じる酸素欠陥によって導電性が発現することとなるが、導電粉の粒径が10nm未満では、粒径が上記範囲にある場合と比較して、例えば外部の酸素濃度が高い場合には酸素欠陥が減少し、導電性が変動する虞がある。一方、平均粒径が80nmを超えると、粒径が上記範囲にある場合と比較して、例えば可視光の波長領域では、平均粒径が80nm以下である場合に比べて光散乱が大きくなり、可視光の波長領域で透明導電体10の透過率が低下し、ヘイズ値が増加する傾向がある。
また、上記導電粉の比表面積は10m/g〜50m/gであることが好ましい。比表面積が10m/g未満であると、比表面積が上記範囲である場合と比較して、可視光の光散乱が大きくなる傾向があり、比表面積が50m/gを超えると、比表面積が上記範囲である場合と比較して、透明導電体10の安定性が低くなる傾向がある。なお、ここで言う比表面積は、比表面積測定装置(型式:NOVA2000、カンタクローム社製)を用いて、試料を300℃で30分間真空乾燥した後に測定した値をいうものとする。
さらに透明導電体10における導電性粒子11の充填率は、10体積%〜70体積%であることが好ましい。充填率が10体積%未満であると、充填率が上記範囲である場合と比較して、透明導電体10の電気抵抗値が高くなる傾向にあり、充填度が70体積%を超えると、充填率が上記範囲である場合と比較して、導電層14を形成する膜の機械的強度が低下する傾向にある。
このように、導電性粒子11の平均粒径及び充填率が上記範囲であると、透明導電体10の透明度がより向上し、かつ電気抵抗値をより低くすることができる。
ここで、上述した導電粉として酸化インジウムに錫をドープしたもの(以下、「ITO」ともいう。)を用いた場合について導電性粒子11の製造方法について説明する。
まず、塩化インジウム及び塩化錫を、アルカリを用いて中和処理することにより共沈させる(沈殿工程)。このとき副生する塩はデカンテーションや遠心分離法によって除去する。得られた共沈物に対して乾燥を行い、得られた乾燥体に対して雰囲気焼成及び粉砕の処理を行う。こうして導電性粒子が製造される。上記焼成の処理は、酸素欠陥の制御の観点から、窒素雰囲気中、若しくはヘリウム、アルゴン、キセノン等の希ガス雰囲気中にて行うことが好ましい。
上述した混合液の粘度は、1000mPa・s以下であることが好ましい。粘度が1000mPa・sを超えると、粘度が上記範囲にある場合と比較して、導電性粒子の凝集、沈降が起き難い傾向にある。また、上記粘度は、10mPa・s以上であることが好ましい。粘度が10mPa・s未満であると、粘度が上記範囲にある場合と比較して、混合液を基体に均一に塗布することが困難となる傾向にある。
また、導電性粒子11と、バインダーとを混合させたときに、混合液の粘度が高すぎる場合は、更に液体を加えて混合液の粘度を調整することが可能である。この液体としては、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。
上記混合液には、上述した導電性粒子11及びバインダーを含有させるのみならず、更に凝集剤を含ませてもよい。かかる凝集剤としては、ポリアクリル酸系、ポリアクリルアミド、ポリカルボン酸系等が挙げられる。凝集剤を含ませることにより、導電性粒子11をより凝集させることが可能となる。
また、上記混合液には、架橋剤を含有させることができる。導電層14に架橋剤を含有させると、バインダー同士を架橋させることができるため、バインダーの硬化体を、より密な構造とすることができる。したがって、この場合、外部の水分が導電層内に浸入することを妨げることができ、高湿度環境下や化学物質雰囲気下であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができる。また、クラックが生じることを抑制する効果も奏する。
かかる架橋剤としては、分子内にビニル基を複数有するものであれば特に限定されない。この架橋剤は、ビニル基の数に相当する数の架橋が可能となる。このような観点からビニル基の数は多いほうが好ましく、具体的には、2〜100であることが好ましい。なお、上記ビニル基の数が100を超えると、ビニル基の数が上記範囲にある場合と比較して、自由運動の抑制により架橋密度が低下する傾向にある。
上記架橋剤の中でも、好ましくは、分子内にフッ化炭素基を有する架橋剤であり、また、下記一般式(6)で表される化合物も好適に使用される。この場合、導電層14が潤滑性により優れるものとなるため、透明導電体間で摩擦が生じても、透明導電体の表面が削れることを防止し、電気抵抗値の局所的上昇をより十分に抑制することができる。
Figure 0004358145

[式(6)中、qは正の整数を示す。]
上記一般式(6)で表される架橋剤のqの値は正の整数であればよいが、好ましくは、qが1〜10である。qの値が10を超えると、qが上記範囲内にある場合と比較して、機械的強度が低下する傾向にある。
また、混合液には、必要に応じて添加剤を更に含有してもよい。添加剤としては、上述の架橋剤の他に、表面処理剤、光重合開始剤、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、可塑剤等が挙げられる。
[塗布工程]
塗布工程は、上述した混合液を基体上に塗布する工程である。
上記塗布方法は、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、ノズル法、カーテン法、グラビアロール法、バーコート法、ディップ法、キスコート法、スピンコート法、スクイズ法、スプレー等の方法で塗布することができる。また、上述したように混合液の粘度を調製するために液体を用いた場合は塗布後、乾燥工程を施すことが好ましい。
ここで、上記基体について説明する。
<基体>
基体は、後述する高エネルギー線及び可視光に対して透明な材料で構成されるものであれば特に限定されない。すなわち基体は公知の透明フィルムでよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートンなど)等が挙げられる。樹脂フィルムの他に、基体として、ガラスを用いることもできる。
[沈降工程]
沈降工程は、凝集した導電性粒子を沈降させる工程である。なお、斯かる工程は任意であり、必ずしも本発明に必須の工程ではない。
凝集した導電性粒子を沈降させる方法としては、例えば、凝集剤を混合液に添加させる方法や、混合液を長時間放置する方法が挙げられる。その他にも混合液を遠心分離機を用いて遠心分離させる方法を用いてもよい。また、これらの方法は、単独で行ってもよく、複数組み合わせて行ってもよい。
なお、上記凝集剤としては、ポリアクリル酸系、ポリアクリルアミド、ポリカルボン酸系等が挙げられる。
かかる工程を行う順序は、上記混合工程の後であれば、特に限定されない。すなわち、混合液を作製した状態で導電性粒子を沈降させてもよく、基体上に混合液を塗布した状態で導電性粒子を沈降させてもよい。
導電性粒子を上述したように凝集させることに加え、沈降させる沈降工程を加えると、凝集した導電性粒子同士がさらに密に充填されることとなるため、この場合の透明導電体の製造方法により得られる透明導電体は、透明性をより向上させることができ、電気抵抗値を一層低くすることができる。
次に、基体上に塗布した混合液の上に基板13を載せ、基体と基板13とで混合液を挟むようにする。ここで、基板13としては、基体と同様な材質のものを用いることができる。基板13は、樹脂のみからなることが好ましい。この場合、基板13が樹脂と、樹脂以外のものとを含む場合と比較して、透明導電体10は透明性、屈曲性に優れるものとなる。したがって、例えばタッチパネルに用いた場合には特に有効である。なお、基板13には、混合液を塗布する前に導電層14との接着面にアンカー層を予め設けておくことも可能である。基板13上に予めアンカー層を設けておくと、アンカー層を経て導電層14を基板13上に、より強固に固着させることができる。上記アンカー層としては、ポリウレタン等が好適に用いられる。
[硬化工程]
硬化工程は、上記基体11上に塗布された混合液を硬化させる工程である。ここで、混合液を硬化させるとは、混合液中のバインダーを硬化させることである。斯かるバインダーを硬化させることにより、バインダーのみならず導電性粒子も固定させることができる。
このとき混合液に含まれるバインダー等の成分が熱硬化性であれば、加熱することにより基体と基板13との間に導電層14が形成され、混合液に含まれるバインダー等の成分が光硬化性であれば、高エネルギー線を照射することにより基体と基板13との間に導電層14が形成される。なお、混合液に含まれるバインダー等の成分が光硬化性であれば、混合液が光重合開始剤を含有することが好ましい。換言すれば、上記混合液に光重合開始剤を含有させることが好ましい。また、上述した高エネルギー線は、例えば紫外線のほか、電子線、γ線、X線等であってもよい。
こうして導電性粒子11は、導電層14に隣合う導電性粒子11同士が凝集し互いに接触するように、充填されることになる。このことにより、導電体としての機能を発揮する。
また、導電層14は、光硬化により形成させることが好ましい。導電層14を熱硬化で形成すると、混合液中の導電性粒子11が熱エネルギーにより活性化し、溶液中を自由運動することとなるため、凝集した導電性粒子11が分散される虞がある。
混合液を硬化させた後の導電層14の厚みは、50nm〜5μmであることが好ましい。厚みが50nm未満であると、厚みが上記範囲にある場合と比較して、潤滑性が低下する傾向にあり、厚みが5μmを超えると、厚みが上記範囲にある場合と比較して、導電層14の表面粗さや屈折率の影響等によりぎらつき等が発生し、視認性が低下する傾向にある。
上記のようにして混合液を硬化させた後は、基体を導電層14から剥離する。
以上より、導電層14が基板13の一面上に形成された透明導電体10が得られる(図1参照)。この透明導電体10は、タッチパネル以外にも、光透過スイッチ等のパネルスイッチに用いることができ、さらにパネルスイッチ以外にも、ノイズ対策部品や、発熱体、EL用電極、バックライト用電極、LCD、PDP等の用途に好適に用いることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明のタッチパネルの第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る透明導電体は、混合工程において、用いるバインダーと導電性粒子とが異なる以外は上述した第1実施形態と同様である。したがって、以下に第2実施形態のバインダーと透明導電体について説明する。
<バインダー>
本実施形態で用いられるバインダーは親水性であれば特に限定されないが、水溶性モノマー又は乳化作用を有するモノマーを少なくとも含むモノマーから重合されたものであることが好ましい。この場合、十分に親水性を示すバインダーとすることができる。
水溶性モノマー又は乳化作用を有するモノマーとしては、分子内にポリエチレンオキサイド、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の極性基、親水性基を有するような、例えば、ポリエチレンオキサイドジアクリレート、モルホリンアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メトキシポリメチレングリコールアクリレート等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
この中でも、上記バインダーがポリエチレンオキサイドジアクリレート等のポリアルキレン(C1〜C3)オキサイドを分子内に含む多官能アクリレートであることが好ましい。この場合、バインダーの機械的強度が増強され、かつ、屈折率を低下させることができる。すなわち、このバインダーの硬化体を含む導電層を備える透明導電体は、より耐久性、透明性を向上させることができる。また、上記バインダーは、酸・アルカリに対する耐薬品性に優れるとともに耐スクラッチ性(表面硬度)にも優れる。したがって、このバインダーの硬化体を含む導電層を備える透明導電体は、有機溶剤、界面活性剤等を含む拭き取り剤で拭くことや、対向する導電面同士の接触、擦れ等が想定されるタッチパネル等により好適に用いられる。
<導電性粒子>
導電性粒子は、水酸基を有する導電粉の表面を表面処理剤で処理したものである。したがって、斯かる導電性粒子は疎水性を示す。また、当該導電粉が透明導電性酸化物材料から構成されること、ゼータ電位の絶対値、導電粉の平均粒径、及び導電粉の比表面積は第1実施形態で述べたことと同様である。
本実施形態に係る導電性粒子は、表面処理剤で処理されたものであり、表面処理剤が、ビニル基、フッ化炭素基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を分子内に有する。このことにより上記導電性粒子を疎水性とすることができる。
したがって、本発明の透明導電体の製造方法は、上記表面処理剤で処理された導電性粒子を、バインダーと混合させることにより、導電性粒子がバインダー中に均一に分散されずに導電性粒子同士をバインダー中で凝集させることができる。
そして、導電性粒子同士が凝集した混合液を、基体上に塗布し、導電性粒子を凝集させたまま硬化させて導電層を形成することにより透明導電体が製造される。こうして得られる透明導電体は、導電性粒子同士が凝集しているため、隣合う導電性粒子同士の間にバインダーが浸入することが抑制される。したがって、本発明の透明導電体の製造方法によれば、透明導電体の電気抵抗値を十分に低くすることができる。
さらに本実施形態に係る透明導電体における導電性粒子の充填率は、10体積%〜70体積%であることが好ましい。充填率が10体積%未満であると、充填率が上記範囲である場合と比較して、透明導電体の電気抵抗値が高くなる傾向にあり、充填度が70体積%を超えると、充填率が上記範囲である場合と比較して、導電層を形成する膜の機械的強度が低下する傾向にある。
また、上記表面処理剤は、ビニル基、フッ化炭素基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を分子内に有していれば特に限定されないが、シランカップリング剤又はシラザン化合物であることが好ましい。この場合、導電性粒子をより疎水性とすることができる。かかるシランカップリング剤としては、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基を含むアルコキシシランを有し、且つ上記ビニル基、フッ化炭素基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有するものが挙げられる。また、シラザン化合物には、シラザン化合物を直鎖状に結合したジシラザン化合物も含まれる。なお、これらは単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いてもよい。
さらに、上記フッ化炭素基の中でも、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキル基を用いることが好ましい。したがって、上記シランカップリング剤又はシラザン化合物が分子内にビニル基、パーフルオロポリエーテル基及びパーフルオロアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を分子内に有することが更に好ましい。
上記パーフルオロポリエーテル基としては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールをパーフルオロ化した基が挙げられ、パーフルオロアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基をパーフルオロ化した基が挙げられる。
上記シランカップリング剤又はシラザン化合物が、分子内にビニル基を有する場合は、導電性粒子が疎水性を示すのみならず、導電性粒子とバインダーとをカップリングさせことも可能となる。換言すると、この場合、導電性粒子とバインダーとの間に高分子ネットワークを形成することができる。したがって、本実施形態に係る透明導電体は、外部の水分が導電層内に浸入することをより一層妨げることができ、高湿度環境下や化学物質雰囲気下であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を特に抑制することができる。また、この場合、クラックが生じることを抑制する効果も奏する。
また、上記シランカップリング剤又はシラザン化合物が、分子内にパーフルオロポリエーテル基又はパーフルオロアルキル基を有する場合は、それらは分子間力が極めて小さく、かつ、表面エネルギーも低いため、水分や化学物質の吸収、吸着を妨げることができる。さらに、上記導電性粒子は、フッ化炭素基を備えることにより、導電層の表面には、潤滑性に優れるフッ化炭素基が存在することとなるため、潤滑性に優れる透明導電体を製造することができる。したがって、本実施形態の透明導電体によれば、高湿度環境下や化学物質雰囲気下であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができ、また、透明導電体間で摩擦が生じても、透明導電体の表面が削れることを防止し、電気抵抗値の局所的上昇を十分に抑制することができる。
また、このことにより、本実施形態の透明導電体は、削れた透明導電体が再付着するという事態も防止できる。更に、上記導電層は透明導電体間の摩擦によって透明導電体が削れるのを防止するだけでなく、汚れ等をつきにくくする、いわゆる撥水、撥油の働きも示し、透明導電体の劣化も十分に抑制される。更にまた、上記導電層は透明導電体にクラックが生じることも抑制することが可能となり、透明導電体の寿命を延ばすことができる。
以上のことから、上記シランカップリング剤又はシラザン化合物は、分子内にビニル基と、パーフルオロポリエーテル基又はパーフルオロアルキル基とを有することが更に好ましい。
上記透明導電体の製造方法において、表面処理剤の含有量は、導電性粒子100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部であることが好ましい。表面処理剤の含有量が、0.01質量部未満であると、含有量が上記範囲にある場合と比較して、導電性粒子を十分に疎水性とできない場合があり、含有量が5質量部を超えると、含有量が上記範囲にある場合と比較して、余分な表面処理剤が導電性粒子間に入り込み、逆に電気抵抗値が高くなる傾向にある。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<導電粉の作製>
塩化インジウム四水和物(関東化学社製)19.9g及び塩化第二錫(関東化学社製)2.6gを水980gに溶解した水溶液と、アンモニア水(関東化学社製)を水で10倍に希釈したものとを調製しながら混合し、白色の沈殿物(共沈物)を生成させた。
生成した沈殿物を含む液体を遠心分離機で固液分離し固形物を得た。これを更に水1000gに投入し、ホモジナイザーで分散して、遠心分離機で固液分離を行った。分散及び固液分離を5回繰り返したのち、固形物を乾燥し、窒素雰囲気中、600℃で1時間加熱して、ITO粉(導電粉)を得た。
(実施例1)
ガラス基板上に10cm×30cm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一端を両面粘着テープを用いて貼り付け、ガラス基板上に基体を固定した。
一方、上記方法で得られた水酸基を有するITO粉の表面を表面処理剤(シラザン化合物信越化学工業社製、商品名:KP−801M)で処理した。そして、得られた表面処理ITO粉(平均粒径30nm)を導電性粒子Aとし、表面処理ITO粉150質量部と、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(モノマー、新中村化学工業株式会社製、商品名:A−BPE−20)20質量部と、ポリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:14G)35質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(モノマー、新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)25質量部と、ウレタン変性アクリレート(モノマー、新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)10質量部と、アクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりアクリロイル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)10重量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部とを混合させて混合液Aを得た。
そして、この混合液Aをバーコート法により基体上に硬化後の厚さが50μmとなるように塗布した。そして、混合液Aの上に、上記基体と同一の基板を載せ、基体と基板とで混合液Aを挟み、積層体を形成した。そして、この積層体に対し、高圧水銀灯を光源として積算照度量3000mJ/cmとするUV照射を行うことにより混合液Aを硬化させて基体と基板との間に導電層を形成した。その後、この積層体を80℃85%RH環境下にて1時間放置した。
そして、ガラス基板を基体から分離し、更に基体を導電層から分離することにより、基板上に導電層が積層された透明導電体Aを得た。
(実施例2)
ガラス基板上に10cm×30cm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一端を両面粘着テープを用いて貼り付け、ガラス基板上に基体を固定した。
一方、上記方法で得られたITO粉(平均粒径30nm)を導電性粒子Bとし、このITO粉150質量部と、2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレート(モノマー、株式会社ダイキンファインケミカル研究所製、商品名:R−1820)50質量部と、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−400)20質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(モノマー、新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)5質量部と、アクリルポリマー(平均分子量約10万、1分子当たりアクリロイル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基)25質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、トルエン30質量部とを混合させて混合液Bを得た。
そして、この混合液Bをバーコート法により基体上に硬化後の厚さが50μmとなるように塗布した。そして、混合液Bの上に、上記基体と同一の基板を載せ、基体と基板とで混合液Bを挟み、積層体を形成した。そして、この積層体に対し、高圧水銀灯を光源として積算照度量3000mJ/cmとするUV照射を行うことにより混合液Bを硬化させて基体と基板との間に導電層を形成した。その後、これを80℃85%RH環境下にて1時間放置した。
そして、ガラス基板を基体から分離し、更に基体を導電層から分離することにより、基板上に導電層が積層された透明導電体Bを得た。
(実施例3)
図2に示すように50mm角形状の開口部を有するPTFE容器20の内部に50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム21(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)を設置し、その露出面側に実施例1と同様の混合液22を硬化後の膜厚が50μmになるようにスポイトで滴下し、直ちに、高速遠心機(日立工機株式会社製 CR20B2)を用いて遠心加速度5000gを与えた。そして、上記フィルム21と同一材質の基板13を、図2の矢印A方向からPTFE容器20内に入れ、混合液22の上に基板13を載せ、フィルム21と基板13とで混合液22を挟み、積層体を形成した。そして、この積層体に対し、高圧水銀灯を光源として積算照度量3000mJ/cmとするUV照射を行うことにより混合液22を硬化させてフィルム21と基板13との間に導電層を形成し、その後、この積層体を図2の矢印B方向に引き上げ、80℃85%RH環境下にて1時間放置した。そして、導電層からフィルム21を分離することにより透明導電体Cを得た。なお、本実施例で用いた透明導電粒子を透明導電粒子Cといい、混合液を混合液Cという。
(比較例1)
実施例1において、ITO粉に対し、表面処理剤で処理しなかったこと以外は実施例1と同様にして、透明導電体Dを得た。なお、本比較例で用いた透明導電粒子を透明導電粒子Dといい、混合液を混合液Dという。
[評価方法]
(ゼータ電位)
各実施例及び比較例で用いた導電性粒子A〜D0.1gを各実施例及び比較例で用いた混合液A〜D10gに混ぜ、測定直前まで超音波分散機で分散を行った。そして、このサンプルを適宜取り分け、これを0.2μmまたはそれ以下の孔径をもつフィルターでろ過した上記混合液A〜Dで希釈した。この希釈液をゼータ電位測定器(大塚電子社製:ELS−8000)内の測定セルに挿入し、散乱光をモニターした。光量値がND値1〜3%において10000cps±2000cpsであることを確認し、印加電圧100Vとしてゼータ電位を測定した。得られた結果を表1に示す。
(透明導電膜の抵抗評価)
上記実施例1〜3及び比較例1で得られた透明導電体A〜Dを50mm角に切り取り、ITO面の予め定められた測定点につき、四端子四探針式表面抵抗測定器(三菱化学社製MCP−T600)で電気抵抗の値を測定し、その測定値を初期表面抵抗値とした。次に、60℃95%RH環境下にて1000時間放置後の表面抵抗値を上記と同様の方法にて測定し、負荷後表面抵抗値とした。そして、下記式:
変化率=負荷後表面抵抗値/初期表面抵抗値
に基づいて変化率を算出した。得られた結果を、表1に示す。
(透明性試験)
上記実施例1〜3及び比較例1で得られた透明導電体A〜Dを50mm角に切り取り、その切片を光透過吸収測定装置(島津製作所社製UV−3101PC、MPC−3100)を用いて波長550nmにおける切片の透過率を測定した。得られた結果を、表1に示す。
Figure 0004358145
表1から明らかなように、疎水性の導電性粒子と親水性のバインダーを用いる実施例1、3及び親水性の導電性粒子と疎水性のバインダーを用いる実施例2は、親水性の導電性粒子と親水性のバインダーを用いる比較例1に比べて透明度に優れ、かつ電気抵抗値を十分に低くすることができるのみならず、電気抵抗値の変化率が小さく、電気抵抗値の上昇が十分に抑制できていることが分かった。以上の結果より、本発明の透明導電材料によれば、透明度に優れ、かつ電気抵抗値を十分に低くすることができることが確認された。
図1は、本実施形態に係る透明導電体を示す模式断面図である。 図2は、実施例3の遠心分離の態様を示す模式断面図である。 10・・・透明導電体、11・・・導電性粒子、12・・・バインダーの硬化体、13・・・基体、14・・・導電層。

Claims (3)

  1. 導電性粒子及びバインダーを含む混合液を基体上に塗布する塗布工程と、
    前記混合液を硬化させ導電層を形成する硬化工程と、
    を備える透明導電体の製造方法において、
    前記混合液における前記導電性粒子のゼータ電位の絶対値が70以下であり、
    前記バインダーが水溶性モノマー又は乳化作用を有するモノマーを少なくとも含むモノマーから重合されたものであり、
    前記導電性粒子が、水酸基を有する導電粉の表面を表面処理剤で処理したものであり、且つ
    前記表面処理剤が、ビニル基、フッ化炭素基、アルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を分子内に有する、透明導電体の製造方法。
  2. 前記表面処理剤の含有量は、前記導電性粒子100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部である、請求項記載の透明導電体の製造方法。
  3. 前記混合液中の前記導電性粒子を前記基体側に沈降させる沈降工程を更に含む、請求項1又は2記載の透明導電体の製造方法。

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