JP4736907B2 - 透明導電体 - Google Patents

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本発明は、透明導電体に関する。
タッチパネルは、一般に、互いに対向する一対の透明電極を備えた構成を有する。このタッチパネルにおいては、一方の透明電極を押圧すると、この部分が他方の透明電極と接触して通電が起こり、これによって押圧部分が検知される。この透明電極としては、透明導電体が用いられる。
透明導電体は、一般に、透明フィルム等の基体上に透明導電層が設けられた構成を有する。このような透明導電体としては、例えば、基体上への透明導電層の支持を容易化することを目的として、基体と透明導電層との間に、樹脂等からなる層が設けられたものが知られている(特許文献1、2参照)。
特開2001−328193号公報 特開2006−059722号公報
ところで、タッチパネルには、一方の透明導電体が押圧されると、押圧により歪んだ透明導電体で反射する光と、これと対向している透明導電体で反射する光との干渉によって、押圧部分の周囲にいわゆるニュートンリングが発生し易いという問題がある。このようなニュートンリングの発生は、タッチパネルが設けられる液晶等の表示デバイス等の視認性を悪くすることから望ましくない。したがって、透明導電体としては、このようなニュートンリングの発生を抑制できるものが好ましいが、上記従来の透明導電体では、押圧時のニュートンリングの発生を十分に抑制できない場合が少なくなかった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ニュートンリングの発生を低減できる透明導電体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の透明導電体は、基体、透明樹脂層及び透明導電層がこの順に積層され、透明樹脂層は、その面方向に屈折率が異なる領域を複数有しており、透明樹脂層における上記領域のうちの少なくとも一つの領域は、主としてフッ素系ポリマーにより構成されることを特徴とする。
このような構成を有する本発明の透明導電体は、タッチパネルに適用した際に押圧されると、その押圧部分が窪むように湾曲される。この状態で透明導電体に光が入射すると、この光は透明樹脂層において屈折率が異なる複数の領域を通されることになる。この際、光は屈折率が低い領域から高い領域に入射する際に散乱され易いため、透明導電体に入射した光は透明樹脂層において散乱される。したがって、このような透明導電体を適用したタッチパネルにおいては、透明樹脂層における光の散乱によって上述したような押圧時の光の干渉が生じ難くなる。その結果、かかるタッチパネルは、ニュートンリングを発生し難いものとなる。
また、本発明の透明導電体は、上記のような光の散乱を生じさせるために、複数の異なる屈折率の領域を有する透明樹脂層を設けただけのものであるため、光の散乱を必要最小限とすることができ、優れた透明性を維持できる。したがって、このような透明導電体を備えるタッチパネルは、優れた透明性も有しており、その下部に配置される表示パネル等の視認性を良好にすることができる。
上記本発明の透明導電体においては、屈折率が異なる領域同士の屈折率差が0.02以上であると好ましい。これにより、透明樹脂層における光の散乱が適度に生じ、ニュートンリングの発生を一層効果的に抑制することが可能となる。
また、透明樹脂層は、任意の面方向の10μm×10μmの単位領域(単位面積)中に屈折率が異なる領域を2つ以上含むものであるとより好ましい。これは、透明樹脂層のどこであっても10μm×10μmの領域内には屈折率が異なる領域が2つ以上形成されていることを意味する。透明樹脂層がこのような条件を満たすように屈折率の異なる領域を有することで、当該層における光の散乱がより確実に生じるようになる。その結果、透明導電体をタッチパネルに適用した際のニュートンリングの発生が更に抑制されるようになる。
さらに、透明樹脂層は、任意の10μm×10μm×10μmの単位領域(単位体積)中に屈折率が異なる領域を2つ以上含むものであるとより好ましい。これは、透明樹脂層のどこであっても10μm×10μm×10μmの領域内には屈折率が異なる領域が2つ以上形成されていることを意味する。透明樹脂層がこのような条件を満たすように屈折率の異なる領域を有することで、当該層における光の散乱が一層確実に生じるようになる。その結果、透明導電体をタッチパネルに適用した際のニュートンリングの発生が更に抑制されるようになる。
また、透明樹脂層において、屈折率が異なる複数の領域のうちの少なくとも一つの領域は、主としてフッ素系ポリマーにより構成されることが好ましい。フッ素系ポリマーにより構成される領域は、極めて低い屈折率を有する領域となる。したがって、少なくとも一つの領域がフッ素系ポリマーにより構成されることで、透明樹脂層において異なる屈折率を有する複数の領域を形成し易くなる。
さらに、透明樹脂層における屈折率が異なる領域のうちの少なくとも一つの領域は、主としてアクリル系ポリマーにより構成されるとより好ましい。特に、透明樹脂層が、主としてフッ素系ポリマーにより構成される領域と、主としてアクリル系ポリマーにより構成される領域とを組み合わせて有すると更に好ましい。こうすれば、透明樹脂層は良好な屈折率差を有するようになるほか、透明樹脂層、ひいては透明導電体全体の透明性も向上するようになる。
さらにまた、透明樹脂層における屈折率が異なる領域のうちの少なくとも一つの領域は、主としてπ結合を有する環状化合物を分子内に有するポリマーにより構成されると、更に好ましい。
本発明によれば、ニュートンリングの発生を低減でき、しかも優れた透明性を有する透明導電体を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
[透明導電体]
まず、透明導電体の好適な実施形態について説明する。図1は、好適な実施形態に係る透明導電体の断面構成を模式的に示す図である。図1に示す透明導電体1は、基体10、透明樹脂層13及び透明導電層14がこの順に積層された構成を有する。以下、まず、本実施形態の透明導電体1の各構成についてそれぞれ説明する。
(基体)
基体10は、可視光に対して透明な材料から構成される。基体10としては、公知の樹脂材料からなる透明フィルムを適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートンなど)等が挙げられる。また、基体10としては、ガラス等も適用できる。
基体10としては、上述したなかでも樹脂材料から主に構成されるものが好ましい。この場合、基体10は、樹脂材料以外の成分が含まれていてもよい。ただし、優れた透明性及び屈曲性を得る観点からは、基体10は樹脂材料のみから構成されることが好ましい。樹脂材料からなる基体10を備える透明導電体1は、上述した特性のため、特にタッチパネルの用途において好適である。基体10の好適な厚さは、20〜500μm程度である。
(透明樹脂層)
透明樹脂層13は、主として樹脂から構成される可視光に対して透明な層である。この透明樹脂層13は、図1には示されないが、その面方向に屈折率が異なる領域を複数含む層である。このような透明樹脂層13は、それぞれ異なる屈折率を有している領域が複数含まれる断面を少なくとも1つ有することになる。透明樹脂層13の好適な厚さは、0.1〜200μmである。
この透明樹脂層13は、例えば、異なる屈折率を有する2種の領域が繰り返し配置された構成や、異なる屈折率を有する3種以上の領域が繰り返し又は不規則に配置された構成とされる。透明樹脂層13を容易に形成する観点からは、前者のような、2種の領域が繰り返し配置された構成を有していることが好ましい。
透明樹脂層13において、異なる屈折率を有している各種の領域は、規則的なパターンを形成するように配置されていてもよく、不規則なパターンを形成するように配置されていてもよい。この透明樹脂層13においては、隣接する領域同士が異なる屈折率を有することになるが、3種以上の異なる屈折率を有する領域が連続して配置されている場合は、これらの領域は、屈折率が順に高く又は低くなるように配置されていてもよく、屈折率の相対的な高低を交互に繰り返すように配置されていてもよい。ただし、樹脂がとり得る屈折率の幅はそれほど大きくないことや、樹脂の屈折率の調整は容易ではないこと等を考慮すれば、3種以上の領域が連続した部分は、屈折率の高低を繰り返すように配置されていることが好ましい。
透明樹脂層13は、屈折率が異なる領域として、少なくとも0.02以上の屈折率差が形成されるような領域の組み合わせを含むことが好ましい。これにより、透明樹脂層13での光散乱が生じ易くなる。このような屈折率差を有する領域同士は必ずしも隣接していなくてもよいが、光散乱は、光が屈折率の異なる領域の界面を通過する時に生じ易いことを考慮すれば、透明樹脂層13においては、隣接する領域同士が0.02以上の屈折率差を有しているとより好ましい。より確実に光散乱を生じさせる観点からは、上記の屈折率差は0.05以上であると好ましく、0.1以上であるとより好ましい。
また、透明樹脂層13に形成された各領域は、少なくとも一方向の幅が、当該透明樹脂層13の厚さよりも小さいことが好ましい。透明樹脂層13における各領域がこのような条件を満たすように形成されていることで、光の散乱が一層生じ易くなり、ニュートンリングの発生をより確実に防止することが可能となる。これは、以下のような理由によるものと考えられる。
図2は、タッチパネルに適用された透明導電体1が押圧されたときの押圧部分近傍の断面構成を拡大して示す模式図である。なお、図2には、説明の簡略化のため、透明樹脂層13とこれと対向している透明導電体Pの表面のみが示してあるが、透明導電体1を適用した場合でも以下の議論は同様に成立する。すなわち、まず、タッチパネルにおいて、一方の透明導電体1が押圧されて他方の透明導電体Pと接触すると、図示のように、透明樹脂層13の断面は押圧部分の近傍において折れ曲がった状態となる。
この状態の透明樹脂層13に対して光Lが入射すると、透明樹脂層13と透明導電体Pとの接触面同士のなす角度θ、透明樹脂層13の厚さd、及び、光Lが通過する透明樹脂層13の面方向の幅xは、x=d×tanθで表される関係を満たすことになる。透明樹脂層13と透明導電体P表面との角度θは、タッチパネルが用いられるデバイスに応じて両者の間隔が異なるため多様な値となり得るが、通常、ニュートンリングが発生する条件においては、θ=0.01〜45°の範囲となる。この場合、tanθは、1/10000〜1となり、かかる条件では、光Lが通過する透明樹脂層13の幅xは最大でもdとなる。したがって、透明樹脂層13における各領域の幅がdよりも小さければ、光Lは、透明樹脂層13における異なる領域の界面を確実に通されることになり、その結果、当該層13において確実に散乱され得る。
以上のように、透明樹脂層13においては、異なる屈折率を有する各領域の少なくとも一方向の幅が当該層13の厚さよりも小さいことが好ましいが、必ずしもこのような条件を満たしていなくても、透明樹脂層13における光の散乱は生じ得る。すなわち、透明樹脂層13は、異なる屈折率を有する領域を有してさえいれば、入射した光の少なくとも一部は散乱させることができる。また、例えば、透明樹脂層13において、異なる領域同士の界面が当該層13の面方向に対して垂直に形成されていない場合も考えられ、この場合も、上記の条件を満たさなくても光の散乱は十分に生じ得る。
透明樹脂層13は、その面方向の平面において、任意の50μm×50μmの単位領域あたりに2つ以上の領域を含むように構成されていると好ましく、任意の10μm×10μmの単位領域あたりに2つ以上の領域を含むように構成されているとより好ましく、これらの単位領域に5以上の領域を有するように構成されているとさらに好ましい。2つ以上の領域が確実に観察される単位面積が10μm×10μm以上である場合には、光の散乱を生じさせてニュートンリングの発生をより効果的に抑制することができる。
また、透明樹脂層13は、確実に光散乱を生じさせるために、任意の50μm×50μm×10μmの単位領域あたりに2つ以上の領域を含むように構成されていると好ましく、任意の10μm×10μm×10μmの単位領域あたりに2つ以上の領域を含むように構成されているとさらに好ましく、これらの単位領域に5以上の領域を有するように構成されているとより好ましい。2つ以上の領域が確実に観察される単位面積が10μm×10μm×10μm以上である場合には、光の散乱を生じさせてニュートンリングの発生をより効果的に抑制することができる。
ここで、上記の単位領域の幅は0.1μm以上が好ましい。単位領域の幅が0.1μm以下である場合には、レイリー散乱による散乱光が起こり、透過率が低下してしまう恐れがある。
透明樹脂層13を構成する樹脂としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素系ポリマー、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル等の熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂の硬化物が好ましい。透明樹脂層13において、異なる屈折率を有する複数の領域は、異なる種類の樹脂、又は、同種であっても異なる屈折率を有する樹脂をそれぞれ各領域に適用することによって好適に形成される。
特に、透明樹脂層13は、異なる屈折率を有する領域のうち、少なくとも一種の領域がフッ素系ポリマーによって構成されていると好ましい。フッ素系ポリマーは、樹脂の中でも低い屈折率を有している。そのため、フッ素系ポリマーからなる領域を含むことで、透明樹脂層13における屈折率差が形成され易くなる。フッ素系ポリマーとしては、特に限定されず、分子内にフッ素原子が1つ以上含まれるポリマーを適用できる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニールエーテル共重合体、パーフルオロエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体等のフッ素樹脂や、フッ素原子を有するモノマー、オリゴマー等を重合したもの等が挙げられる。
また、透明樹脂層13は、異なる屈折率を有する領域のうち、少なくとも一種の領域がアクリル系ポリマーから構成されることが好ましい。特に、透明樹脂層13は、上述したフッ素系ポリマーを含む領域を有する場合、この領域以外の領域としてアクリル系ポリマーを含む領域を更に有しているとより好ましい。つまり、透明樹脂層13は、フッ素系ポリマーを含む領域と、アクリル系ポリマーを含む領域とを組み合わせて有するとより好ましい。
アクリル系ポリマーは、樹脂の中でも高い透明性を有することから、アクリル系ポリマーを含む領域を有することで、透明樹脂層13全体の透明性も向上し、その結果、透明導電体1をタッチパネルに適用した際に一層優れた視認性が得られるようになる。また、アクリル系ポリマーは、上述したフッ素系ポリマーと良好な屈折率差を構成し易いため、これらを組み合わせることで、透明樹脂層3によるニュートンリングの抑制効果も一層優れるようになる。アクリル系ポリマーとしては、特に限定されず、ポリメタクリル酸メチル等の一般的なアクリル樹脂等を適用できる。
ここで、透明樹脂層13の好適な平面構成について図3〜5を参照して具体的に説明する。以下の例においては、2種の異なる屈折率を有する領域を含む透明樹脂層13の例について説明する。
まず、図3は、第1の例に係る透明樹脂層13の好適な平面構成を拡大して示す模式図である。第1の例の透明樹脂層13は、屈折率が異なる領域を区画する境界線を略平行に複数有している。図示されるように、第1の例に係る透明樹脂層13においては、第1の領域13aと第2の領域13bとがストライプ状に交互に配置されている。
この第1の例の平面構成においては、略平行に形成された境界線間の間隔は、10μm未満であると好ましく、1.0μm未満であるとより好ましい。この間隔が50μm以上であると、上述した好適な単位面積中に2つ以上の領域が観察されなくなる場合があり、透明樹脂層13での光散乱が十分に生じなくなるおそれがある。なお、この境界線間の間隔は図示のように必ずしも一定である必要はなく、上述した好適な範囲内で境界ごとに異なっていてもよい。
また、図4は、第2の例に係る透明樹脂層13の好適な平面構成を拡大して示す模式図である。第2の例の透明樹脂層13は、屈折率が異なる領域を区画する境界線として、複数の略平行な境界線群と、この境界線群と交差するように形成された複数の略平行な境界線群とを有している。
図示されるように、第2の例に係る透明樹脂層13においては、第1の領域13aと第2の領域13bとが格子状に規則的に配置されている。また、この透明樹脂層13においては、第1の領域13aと第2の領域13bとが一方向に交互に配置されており、同じ領域同士が隣接しないようになっている。この第2の例における境界線間の好適な間隔は、第1の例と同程度である。また、この間隔は必ずしも一定である必要はなく、境界ごとに異なっていてもよい。
さらに、図5は、第3の例に係る透明樹脂層13の好適な平面構成を拡大して示す模式図である。第3の例の透明樹脂層13は、第1の領域13a内に第2の領域13bが複数形成された構成を有している。このように、透明樹脂層13は、所定の屈折率を有する領域内に、これとは異なる屈折率の領域が複数形成された構成を有していてもよい。
(透明導電層)
透明導電層14は、バインダ24中に導電粒子34が分散された構造を有する。この透明導電層14の好適な厚さは、0.1〜5.0μm程度である。バインダ24は、樹脂から構成され、樹脂の硬化物から構成されるとより好ましい。樹脂としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を制限なく適用できる。バインダ24を形成する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
バインダ24を形成する樹脂としては、上述したなかでも、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂の硬化物からなるバインダ24を含むことにより、透明導電層14の透明性が良好となる。また、アクリル樹脂の硬化物は、耐薬品性に優れるほか、表面硬度が高く傷つきにくいという特性を有している。したがって、バインダ24としてアクリル樹脂を含む透明導電層14は、薬品による洗浄や、タッチパネルに適用した際の繰り返しの押圧等によるダメージを受け難い。
特に、バインダ24は、光硬化性樹脂の硬化物によって形成されると好適である。こうすれば、後述するような製造方法における透明導電層14の形成が容易となる。光硬化性樹脂としては、光により重合し得る官能基(ビニル基、アクリル基、メタクリル基等)を有するモノマー又はオリゴマーに、これらを重合し得る光重合開始剤が添加されたものが挙げられる。なお、バインダ24が光硬化性樹脂の硬化物からなる場合、バインダ24中には、光重合開始剤の残存物やその分解物等が残存していてもよい。
導電粒子34は、導電性を有するとともに、透明導電層14の透明性を低下させない程度の透明性を有する粒子である。このような特性を有する導電粒子34としては、例えば、酸化インジウムやこれに錫、亜鉛、テルル、銀、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、マグネシウム等の元素がドープされたもの、酸化錫やこれにアンチモン、亜鉛、フッ素等の元素がドープされたもの、酸化亜鉛やこれにアルミニウム、ガリウム、インジウム、ホウ素、フッ素、マンガン等の元素がドープされたもの等が挙げられる。
導電粒子34の平均粒径は、10nm〜80nmであると好ましい。平均粒径が10nm未満であると、透明導電層14の導電性が変動し易くなる傾向にある。すなわち、透明導電層14は導電粒子34により生じる酸素欠陥によって導電性が発現すると考えられるが、導電粒子34の粒径が10nm未満である場合、外部環境の変化により酸素欠陥が少なくなり易く、導電性が変動することがある。一方、導電粒子34の平均粒径が80nmを超えると、透明導電層14における可視光の光散乱が過度に大きくなり、透明導電体1の透明性が低下するおそれがある。
また、透明導電層14中の導電粒子34の充填率は、10〜70体積%であると好ましい。充填率が10体積%未満であると、透明導電層14の導電性が不十分となる傾向にある。一方、この充填率が70体積%を超えると、透明導電層14の機械的強度が低下するおそれがある。
さらに、導電粒子34の比表面積は10〜50m/gであると好ましい。比表面積が10m/g未満であると、透明導電層14における可視光の光散乱が過度に大きくなる傾向にある。一方、この比表面積が50m/gを超えると、透明導電層14中の導電粒子34の安定性が低くなる傾向にある。なお、比表面積としては、比表面積測定装置(型式:NOVA2000、カンタクローム社製)を用いて、試料を300℃で30分間真空乾燥した後に測定した値を適用できる。
さらにまた、導電粒子34は、その表面が表面処理剤で処理されていると好ましい。導電粒子34の表面が表面処理剤で処理されていると、導電粒子34への水の吸着が抑制され、これにより透明導電層14の耐水性が向上する。その結果、透明導電体1を高湿環境下でも用いることが可能となる。表面処理剤としては、シランカップリング剤、シラザン化合物、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ホスホネートカップリング剤等が挙げられる。なかでも、シランカップリング剤又はシラザン化合物が好ましい。
なお、透明導電層14は、必要に応じて添加剤を更に含有してもよい。添加剤としては、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、可塑剤等が挙げられる。
[透明導電体の製造方法]
次に、上述した構造を有する透明導電体1の好適な製造方法について説明する。
まず、基体10を準備する。次いで、基体10の表面上に透明樹脂層13を形成する。上述した構成を有する透明樹脂層13は、例えば、各種の領域を形成するための樹脂を溶媒に溶解した塗布液を、各領域のパターンに対応する開口を有するマスクを通して基板上にそれぞれ塗布した後、乾燥や樹脂の硬化等を行うことによって形成することができる。乾燥や樹脂の硬化は、各領域を形成するための塗布液を塗布するごとに行ってもよく、全ての塗布液の塗布が完了してからまとめて行ってもよい。
塗布液の塗布方法としては、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、カーテン法、スプレー法、バーコート法リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、ノズル法、キスコート法、スピンコート法、スクイズ法等が挙げられる。
また、樹脂を溶解するための溶媒としては、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
次に、透明樹脂層13上に、バインダ24の前駆体であるモノマーやオリゴマー、導電粒子34、溶媒及び必要に応じて重合開始剤を加えた塗布液を塗布した後、前駆体を重合させることで、透明導電層14を形成する。これにより、図1に示す構成を有する透明導電体1が得られる。溶媒としては、透明樹脂層形成用の塗布液に用いたのと同様のものが適用できる。また、塗布方法、重合方法等は、上述した透明樹脂層13の形成に用いたのと同様の方法を適用できる。
上述したように、好適な実施形態に係る透明導電体1は、基体10と透明導電層14との間に透明樹脂層13を備えるものである。この透明樹脂層13は、屈折率が異なる複数の領域(第1の領域13a及び第2の領域13b)を有していることから、透明導電体1に入射した光を適度に散乱させることができる。
このような光の散乱を生じさせるためには、例えば、光が散乱するような層を他に設けたり、光の散乱が生じるような表面形状の層を形成したりすることも考えられるが、この場合、これらの構成によって透明導電体の透明性が低下したり、透明導電体の信頼性が低下したりすることがある。これに対し、本実施形態の透明導電体1は、透明樹脂層13を有することで光の散乱が良好に生じ得ることから、上記の手法を採用した場合等に比して、透明導電体1全体の透明性を良好に維持し易く、しかも優れた信頼性を有するものとなる。
したがって、上記構成を有する透明導電体1によれば、表示デバイス上に配置するタッチパネルに適用した場合に、押圧等による歪みに起因する光の干渉を透明樹脂層13での光の散乱によって低減することができる。その結果、タッチパネルにおけるニュートンリングの発生が抑制される。また、透明導電体1は優れた透明性を有していることから、タッチパネルに適用した場合に良好な視認性が得られるようになる。
なお、本発明の透明導電体は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更が可能である。例えば、透明導電体1は、必ずしも基体10を有していなくてもよい。特に、透明樹脂層13が十分に透明導電層14を支持できる強度を有している場合には、このような構成とするのが好適である。
また、透明導電体1は、基体10と透明樹脂層13との間に、これらの層間の密着性を良好とするためのアンカー層を更に有していてもよい。こうすれば、基体10とその上の層との剥離等が大幅に抑制され、優れた信頼性を有する透明導電体1が得られる。さらに、透明導電体1において、透明樹脂層13は、必ずしも単一の層でなくてもよく、複数の層が積層されたものであってもよい。例えば、透明樹脂層13は、屈折率が異なる領域を複数含む層に加え、単一の屈折率を有する層が更に積層されたものであってもよい。
さらにまた、本発明の透明導電体は、上述したタッチパネルに限定されず、透明導電体が用いられる用途であれば特に制限なく適用することができる。他の用途としては、タッチパネル以外のパネルスイッチ(光透過スイッチ等)、ノイズ対策部品、発熱体、EL用電極、バックライト用電極、LCD、PDP等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[透明導電体の製造]
(実施例1)
まず、基体として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人株式会社製、厚さ100μm)を準備した。
次いで、まず、アクリル系ポリマー(平均分子量約10万、屈折率1.51、1分子当たりのアクリロイル基含有ユニット平均15モル%、シラン含有ユニット平均25モル%)60重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−DPH)10重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE819)2重量部と、溶剤(関東化学株式会社製、メチルエチルケトン(MEK))40重量部と、を混合して塗布液Aを調製した。この塗布液Aを、縦縞模様となるように形成された50μmの開口パターンを有するマスクを通して基体上にスクリーン印刷し、硬化後の厚さが50〜100μmとなるように製膜した。さらに、これにメタルハライドランプを光源とする積算照度量1000mJ/cmの光照射を行い、塗布液Aからなる膜を硬化させた。
次に、フッ素系ポリマー(平均分子量約5万、屈折率1.39、1分子当たりのフッ素含有ユニット平均55%、アクリロイル基含有ユニット平均10%、シラン含有ユニット平均20%)40重量部と、ポリエチレングリコールジメクリレート(新中村化学工業株式会社社製、商品名:NKエステル14G)20重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE184)2重量部と、溶剤(関東化学株式会社製、MEK)40重量部と、を混合して得た塗布液Bを調製した。この塗布液Bを、バーコート法により、上述した塗布液Aの硬化物が形成されていない部分に充填されるように塗布した。さらに、これに窒素雰囲気下、高圧水銀灯を光源とする積算照度量1000mJ/cmのUV照射を行い、塗布液Bからなる膜を硬化させた。こうして、塗布液A及び塗布液Bの硬化物がストライプ状に配置された構成を有する透明樹脂層を形成した。
それから、40体積%となる量のITO粉(平均粒径30nm)と、アクリル系ポリマー(平均分子量約5万、1分子あたりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基有する)30重量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)10重量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)15重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE184)3重量部と、溶剤であるMEK(関東化学株式会社製)100重量部と、を混合してペーストとし、透明導電層形成用の塗布液を得た。
これを、透明樹脂層上に、バーコート法によりMEK揮発後の厚さが10μmとなるように塗布した。得られた膜に対し、窒素雰囲気下にて、高圧水銀灯を光源として積算照度量2000mJ/cmとなる条件でUV照射を行いこの膜を硬化させて、透明導電層を形成した。これにより、基体、透明樹脂層及び透明導電層がこの順に積層された透明導電体を得た。
(実施例2)
塗布液Bにおいて、フッ素系ポリマーに代えて、スチレン系ポリマー(平均分子量約3万、屈折率1.58、1分子当たりのアクリロイル基含有ユニット平均15%、シラン含有ユニット20%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして透明導電体を得た。
(実施例3)
まず、表面にアンカー層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)を準備した。
次に、アクリル系ポリマー(平均分子量約1万、屈折率1.54、1分子当たりのアクリロイル基含有ユニット平均10%、シラン含有ユニット平均20%)40重量部と、ウレタンアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:U−15HA)10重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE819)2重量部と、光重合開始剤(SiberHegner社製、SpeedcureDETX)0.1重量部と溶剤(関東化学株式会社製、MEK)50重量部と、を混合して塗布液Cを得た。
また、フッ素系ポリマー(平均分子量約2万、屈折率1.43、1分子当たりのフッ素含有ユニット平均45%、アクリロイル基含有ユニット平均15%、シラン含有ユニット平均20%)45重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE184)2重量部と、溶剤(関東化学株式会社製、MEK)50重量部と、を混合して塗布液Dを得た。
得られた塗布液C及び塗布液Dを、それぞれインクジェット法により、硬化後に塗布液C及び塗布液Dの硬化物が格子状に配置されるように基体のアンカー層上に塗布した。この塗布後の膜に対し、メタルハライドランプを光源とする積算照度量1000mJ/cmのUV照射を行うことにより、上記膜を硬化させて、下地透明樹脂層を形成した。
次いで、ウレタン系共重合ポリマー(平均分子量約5万、屈折率1.56、1分子当たりのウレタン結合含有ユニット平均20%、アクリロイル基含有ユニット平均10%)40重量部と、トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社社製、商品名:A−TMPT)10重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE907)2重量部と、溶剤(関東化学株式会社製、MEK)50重量部と、を混合して塗布液Eを得た。この塗布液Eをバーコート法により、上記の下地透明樹脂層上に塗布した。さらにこの塗布液Eの膜に、高圧水銀灯を光源とする積算照度量1000mJ/cmのUV照射を行うことにより、塗布液Eの膜を硬化させ、上地透明樹脂層を形成した。これにより、基体側から下地透明樹脂層及び上地透明樹脂層をこの順に備える透明樹脂層を形成した。
その後、実施例1と同様の透明導電層形成用の塗布液を、バーコート法により透明樹脂層の上に、MEK揮発後の厚さが10μmとなるように塗布した。この膜に対し、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を光源とする積算照度量2000mJ/cmのUV照射を行うことにより、塗布液からなる膜を硬化させて、透明導電層を形成した。これにより、基体、アンカー層、透明樹脂層及び透明導電層がこの順に積層された透明導電体を得た。
(実施例4)
まず、第1の基体として、表面にアンカー層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人株式会社製、厚さ100μm)を準備した。
次に、この第1の基体におけるアンカー層上に、ITO粉(平均粒径30nm)を載せ、このITO粉をロールプレスすることによってアンカー層上に固定した。これにより、第1の基体上に圧縮形成された導電粒子層からなる透明導電層を形成した。
次いで、まず、アクリル系ポリマー(平均分子量約8万、屈折率1.54、1分子当たりのアクリロイル基含有ユニット平均15モル%、シラン含有ユニット平均20モル%)60重量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−DPH)10重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE819)2重量部と、溶剤(関東化学株式会社製、MEK)40重量部と、を混合して塗布液Fを得た。
この塗布液Fを、網目模様の開口パターンを有するマスクを通してスクリーン印刷することにより、硬化後の厚さが30〜50μmとなるように透明導電層上に塗布した。この際、塗布液Fの一部は、透明導電層を構成する導電粒子内に浸透された。この塗布液Fからなる膜に対し、メタルハライドランプを光源とする積算照度量1000mJ/cmの光照射を行う、かかる膜を硬化させた。
また、フッ素系ポリマー(平均分子量約5万、屈折率1.43、1分子当たりのフッ素含有ユニット平均40%、アクリロイル基含有ユニット平均15%、シラン含有ユニット25%)40重量部と、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチルアクリレート(株式会社ダイキンファインケミカル研究所社製、商品名:R−3620)5重量部と、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:A−600)10重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE184)2重量部と、溶剤(関東化学株式会社製、MEK)40重量部と、を混合して得た塗布液Gを、バーコート法により、塗布液Fの硬化物が形成されていない部分に充填されるように透明導電層上に塗布した。この際、塗布液の一部は透明導電層を構成する導電粒子内に浸透された。
それから、第2の基体であるPETフィルムを、透明樹脂層上に配置した。続いて、得られた積層体に対して、高圧水銀灯を光源として積算照度量2000mJ/cmとなる条件でUV照射を行った。これにより、塗布液F及びGからなる層及び導電粒子層内に浸透された塗布液F及びGを硬化させて、塗布液F及びGの硬化物が格子状に配置された構成を有する透明樹脂層を形成した。その後、積層体から第1の基体を剥離して、第2の基体、透明樹脂層及び透明導電層をこの順に備える透明導電体を得た。
(実施例5)
塗布液Fにおいて、アクリル系ポリマーに代えて、フッ素系ポリマー(平均分子量約3万、屈折率1.41、1分子当たりのフッ素含有ユニット平均50%、アクリロイル基含有ユニット平均15%、シラン含有ユニット20%)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして透明導電体を得た。
(比較例1)
透明樹脂層形成用の塗布液として、アクリル系ポリマー(平均分子量約3万、屈折率1.56、1分子あたりのアクリロイル基含有ユニット平均10モル%、シラン含有ユニット平均25モル%)50重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE184)1重量部と、溶剤であるMEK(関東化学株式会社製)50重量部と、を混合したものを用い、この塗布液の硬化物のみから構成される透明樹脂層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして透明導電体を得た。
(実施例6)
まず、アクリル系ポリマー(平均分子量約5万、屈折率1.55、1分子当たりのアクリロイル基含有ユニット平均10モル%、シラン含有ユニット平均20モル%)50重量部と、フェノキシエチルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:AMP−10G)10重量部と、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、IRGACURE819)2重量部と、溶剤(関東化学株式会社製、メチルエチルケトン(MEK))40重量部と、を混合して塗布液Hを調製した。この塗布液Hを、縦縞模様の開口パターンを有するマスクを通して基体上にスクリーン印刷し、硬化後の厚さが3〜5μmとなるように製膜した。さらに、これにメタルハライドランプを光源とする積算照度量1000mJ/cmの光照射を行い、塗布液Hからなる膜を硬化させた。
次に、比較例1で用いた塗布液を、バーコート法により、上述した塗布液Hの硬化物が形成されていない部分に充填されるように塗布した。さらに、これに窒素雰囲気下、高圧水銀灯を光源とする積算照度量1000mJ/cmのUV照射を行い、比較例1で用いた塗布液からなる膜を硬化させ、塗布液H及び比較例1で用いた塗布液の硬化物から構成される透明樹脂層を形成した。その後、実施例1と同様の工程を実施して透明導電体を完成させた。
(比較例2)
まず、PETフィルム面上に、平均粒径5.0μmのシリカ粒子を含有するアクリル樹脂層を、硬化後の厚さがシリカ粒子の粒径よりも小さくなるように形成し、これにより表面に凹凸形状を有する樹脂層を形成した。次いで、この樹脂層上にスパッタ法により厚さ10μmのシリカ層を形成した。さらに、このシリカ層上に30nmの透明導電層をスパッタ法により形成して、透明導電体を得た。
[特性評価]
(透明導電体の抵抗評価)
実施例1〜6及び比較例1〜2の透明導電体をそれぞれ用い、以下のようにして電気抵抗の評価を行った。すなわち、まず、透明導電体を50mm角に切り取り、この透明導電体における透明導電層表面の予め定められた測定点について、四端子四探針式表面抵抗測定器(三菱化学社製MCP−T600)で電気抵抗値を測定した。得られた測定値を初期抵抗値とした。
次いで、透明導電層表面の周縁部に5mm×45mmの両面粘着テープを貼り付けた。一方、50mm角のガラス板を準備し、その表面周縁部に5mm×45mm、厚さ100μmのスペーサーを、両面粘着テープを用いて貼り付けた。
そして、透明導電体とガラス板とを、前者の透明導電層上に貼り付けた両面粘着テープと後者の表面に貼り付けたスペーサーとの位置がずれないように貼り合わせた。これにより、透明導電体とガラス板とが対向して配置されたタッチパネルを得た。
そして、得られたタッチパネルに対し、25℃、50%RHの環境下で、先端部の形状がR0.8であるシリコンゴムを透明導電体の中心付近に当接させた状態とし、このシリコンゴムに200gの荷重を2Hzで100000回繰り返して加える打点負荷試験を行った。試験後、透明導電体における透明樹脂層の表面抵抗値を上記と同様に測定した。得られた測定値を、負荷後抵抗値とした。そして、初期抵抗値に対する付加後抵抗値の変化の割合(%)を算出し、これを抵抗変化率とした。得られた結果を表1に示す。
(ニュートンリングの発生)
実施例1〜6及び比較例1〜2の透明導電体をそれぞれ用い、上記「抵抗変化率の測定」試験と同様にタッチパネルを製造した。得られたタッチパネルにおける透明導電体の中心付近に、先端部の形状がR0.8であるシリコンゴムの先端部を当接させた状態で、このシリコンゴムに、200gの荷重を加え、これによってニュートンリングが発生するか否かを確認した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0004736907
表1に示すように、実施例1〜6の透明導電体は、タッチパネルに用いた場合にニュートンリングが殆ど発生していないことが確認された。また、実施例1〜6の透明導電体を用いたタッチパネルは、抵抗変化率が小さいことから信頼性にも優れることが確認された。
これに対し、比較例1及び2の透明導電体を用いた場合は、ニュートンリングが発生していた。また、比較例3の透明導電体を適用したタッチパネルは、ニュートンリングの発生は見られなかったものの、初期抵抗値が小さく、付加後抵抗値については測定中に透明導電層にクラックが生じて測定できなかった(測定上限外)ことから、タッチパネルとしての実用性が不十分であることが判明した。
好適な実施形態に係る透明導電体の断面構成を模式的に示す図である。 タッチパネルに適用された透明導電体1が押圧されたときの押圧部分近傍の断面構成を拡大して示す模式図である。 第1の例に係る透明樹脂層の好適な平面構成を拡大して示す模式図である。 第2の例に係る透明樹脂層の好適な平面構成を拡大して示す模式図である。 第3の例に係る透明樹脂層の好適な平面構成を拡大して示す模式図である。
符号の説明
1…透明導電体、10…基体、13…透明樹脂層、13a…第1の領域、13b…第2の領域、14…透明導電層、24…バインダ、34…導電粒子。

Claims (8)

  1. 基体、透明樹脂層及び透明導電層がこの順に積層され
    前記透明樹脂層は、その面方向に屈折率が異なる領域を複数有しており、
    前記透明樹脂層における前記領域のうちの少なくとも一つの領域は、主としてフッ素系ポリマーにより構成される、
    ことを特徴とする透明導電体。
  2. 前記屈折率が異なる領域同士の屈折率差は、0.02以上である、ことを特徴とする請求項1記載の透明導電体。
  3. 前記透明樹脂層は、任意の10μm×10μmの単位領域中に屈折率が異なる領域を2つ以上含む、ことを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電体。
  4. 前記透明樹脂層は、任意の10μm×10μm×10μmの単位領域中に屈折率が異なる領域を2つ以上含む、ことを特徴とする請求項1又は2記載の透明導電体。
  5. 前記透明樹脂層における前記領域のうちの少なくとも一つの領域は、主としてアクリル系ポリマーにより構成される、ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の透明導電体。
  6. 前記透明樹脂層は、屈折率が異なる領域を区画する境界線を略平行に複数有している、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電体。
  7. 前記透明樹脂層は、屈折率が異なる領域を区画する境界線として、複数の略平行な境界線群と、この境界線群と交差するように形成された複数の略平行な境界線群とを有している、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電体。
  8. 前記透明樹脂層は、所定の屈折率を有する領域内に、これとは異なる屈折率の領域が網目模様に複数形成されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明導電体。
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