JP4177323B2 - 透明導電体 - Google Patents

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本発明は、透明導電体に関する。
LCDや、PDP、有機EL、タッチパネル等には、透明電極が使用され、このような透明電極として、透明導電体が使用されている。透明導電体は、基体と導電層から形成されるものであり、これらの透明導電体は基体上にスパッタ膜(導電層)を成膜したものや導電粒子とバインダーからなる導電層を形成したものがある。しかしながら、これらの透明導電体を高湿度環境下や化学物質雰囲気で用いると、徐々に水分や化学物質を吸収して、透明導電体自体の電気抵抗値が上昇し、さらにかかる電気抵抗値の経時的変化も大きくなる傾向にある。
このため、このような透明導電体を例えばタッチパネル等に用い上記環境下におくと、徐々にタッチパネルの作動が不安定になる虞がある。
そこで、水分や化学物質の吸収に起因した電気抵抗値の上昇や経時的変化を抑制する透明導電体が望まれている。例えば、導電粒子を固着する樹脂として、吸湿性の小さいとされているフェノキシ樹脂またはフェノキシ樹脂とエポキシ樹脂の混合樹脂、或いはポリフッ化ビニリデンを用いた光透過性導電材料が提案されている(例えば下記特許文献1、2参照)。
特開平08−78164号公報 特開平11−273874号公報
しかしながら近年では、透明導電体の更なる高信頼性を求め、上記環境下であっても、より電気抵抗値の変化が小さい透明導電体が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高湿度環境下や化学物質雰囲気であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができる透明導電体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、上記特許文献1、2に記載の吸湿性が小さいとされている樹脂を用いた場合も、特に高湿度環境下において長期間使用されると抵抗値が上昇する場合があることを見出した。すなわち、本発明者らは、基体と導電層とを有する透明導電体に水分や溶剤、有機性ガス等の化学物質が拡散すると、基体が膨潤し、これに伴って導電層が引き伸ばされ、これによって導電粒子同士間の接合点が切断されて抵抗値が上昇するのではないかと考えた。そして、本発明者らはかかる推測に基づいて更に鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の透明導電体は、基体と、導電粒子及び樹脂を含有する導電層と、金属又は無機化合物を含有するバリア層と、を備え、バリア層が、基体と導電層との間、及び、基体に対し導電層と反対側、の少なくともいずれか一方に設けられており、導電粒子の表面が、末端基が疎水基である表面処理剤で処理されていることを特徴とする。ここで、本発明における透明導電体は、膜状及び板状のものを含み、膜状透明導電体は厚みが50nm〜1mmの範囲のものをいい、板状透明導電体は厚みが1mmを超えるものをいう。
本発明の透明導電体においては、金属又は無機化合物を含有するバリア層により、基体を膨潤させる要因となる水分や溶剤、有機性ガス等の化学物質が基体に浸入することを抑制することができ、基体の膨潤が十分に防止される。従って、基体の膨潤に伴う導電層の引き伸ばしが防止され、導電粒子間の接合点の接断が十分に防止される。よって、本発明の透明導電体によれば、前記環境下であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができる。
また、上記透明導電体において、バリア層が、基体と導電層との間に設けられており、バリア層が金属単体又は導電性酸化物を含有する導電性連続層であり、かつ前記導電層中の前記導電粒子と前記バリア層とが接触していることが好ましい。
このようにバリア層を金属又は無機化合物とすると、上記同様、上記透明導電体は、水分や有機性ガス等が基体に浸入することをより抑制することができる。さらに、上記透明導電体において、上記バリア層が導電性連続層であるため、透明導電体が基体の膨張に起因して導電粒子間の接合点が切断された場合であっても、導電性連続層であるバリア層を介して導電粒子間の導通を確保することが可能となる。したがって、高湿度環境下または化学物質雰囲気であっても透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化をより一層抑制することができる。
上記透明導電体において、バリア層が、SiO、Al、TiO、ZnO、又はZrOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物を含有することが好ましい。
バリア層が上記無機化合物を含有すると、得られる透明導電体は、透明性を保ちながらバリア層の厚さを大きくすることが可能となる。従って、上記環境下であっても、電気抵抗値の上昇や経時的変化をより十分に抑制することができる。
上記透明導電体において、バリア層は、基体と前記導電層との間、及び、基体に対し導電層と反対側、に設けられていることが好ましい。
基体の両側にバリア層を設けることにより、基体内部への水分や有機性ガス等の浸入を更に抑制することが可能となる。また、バリア層自身が伸張、収縮に対する抑制効果を有するため、基体の形状保持性にも効果的である。
本発明によれば、上記環境下であっても、透明導電体における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができる透明導電体を提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[第1実施形態]
まず、本発明の透明導電体10の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の透明導電体の第1実施形態を示す模式断面図である。図1に示すように、本実施形態の透明導電体10は、基体13と、導電層14と、基体13と導電層14との間に設けられるバリア層15とを備えている。
基体13は樹脂を含有し、導電層14は、樹脂12と、樹脂12中に含まれる導電粒子11とを含んでいる。
バリア層15は、その透湿度が基体13よりも小さくなっている。このため、バリア層15により、基体13を膨潤させる要因となる水分や有機性ガスが基体13に浸入することを抑制することができ、基体13の膨潤が十分に防止される。従って、基体13の膨潤に伴う導電層14の引き伸ばしが防止され、導電粒子11間の接合点の接断が十分に防止される。よって、透明導電体10によれば、高湿度環境下や化学物質雰囲気であっても透明導電体10における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができる。
次に導電層14、バリア層15及び基体13の各層について更に詳細に説明する。
<導電層>
導電層14は、上述したように導電粒子11及び樹脂12を含有している。この導電粒子11は、隣合う導電粒子11同士が互いに接触するように、充填されている。このことにより、導電体としての機能を発揮する。
導電粒子11は、透明導電性酸化物材料から構成される。透明導電性酸化物材料は、透明性及び導電性を有すれば特に限定されないが、かかる透明導電性酸化物材料としては、例えば、酸化インジウム、又は酸化インジウムに、錫、亜鉛、テルル、銀、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム又はマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素がドープされたものや、酸化錫、又は酸化錫に、アンチモン、亜鉛又はフッ素からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素がドープされたものや、酸化亜鉛、又は酸化亜鉛に、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ホウ素、フッ素、又はマンガンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素がドープされたもの等が挙げられる。
導電粒子11が上記材料で構成されると、この導電粒子と樹脂とを含む透明導電体は、高湿度環境下や化学物質雰囲気においても、抵抗値の経時的変化をより防止することができる。
また、上記導電粒子11の平均粒径は10nm〜80nmであることが好ましい。平均粒径が10nm未満であると、平均粒径が10nm以上である場合と比べて、透明導電体10の導電性が変動しやすくなる傾向がある。すなわち、本実施形態に係る透明導電体10は導電粒子11において生じる酸素欠陥によって導電性が発現することとなるが、導電粒子11の粒径が10nm未満では、例えば外部の酸素濃度が高い場合には酸素欠陥が減少し、導電性が変動する虞がある。一方、平均粒径が80nmを超えると、例えば可視光の波長領域では、平均粒径が80nm以下である場合に比べて光散乱が大きくなり、可視光の波長領域で透明導電体10の透過率が低下し、ヘイズ値が増加する傾向がある。
さらに透明導電体10における導電粒子11の充填率は、10体積%〜70体積%であることが好ましい。充填率が10体積%未満であると、透明導電体10の抵抗値が高くなる傾向にあり、充填度が70体積%を超えると、膜の機械的強度が低下する傾向にある。
このように、導電粒子11の平均粒径及び充填率が上記範囲であると、透明導電体10の透明度がより向上し、かつ初期の電気抵抗値を低減することができる。
また上記導電粒子11の比表面積は10m/g〜50m/gであることが好ましい。比表面積が10m/g未満であると、可視光の光散乱が大きくなる傾向があり、比表面積が50m/gを超えると、透明導電材料の安定性が低くなる傾向がある。なお、ここで言う比表面積は、比表面積測定装置(型式:NOVA2000、カンタクローム社製)を用いて、試料を300℃で30分間真空乾燥した後に測定した値をいうものとする。
上記導電粒子11は、導電粒子11の表面が表面処理剤で処理されていることが好ましい。導電粒子の表面が表面処理剤で処理されることによって、導電層の導電粒子が水分を吸着することを抑制することができる。
このような表面処理剤としては、シランカップリング剤、シラザン化合物、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤、ホスフォネートカップリング剤等が挙げられる。この中でもシランカップリング剤、又はシラザン化合物であることが好ましい。これらの表面処理剤には多種にわたる分子構造のものが存在し、適宜使用することができる。なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記表面処理剤としては、末端基が疎水基であるものが好ましい。この場合、透明導電体10において、導電粒子11の樹脂12中への分散性が向上し、結果として透明導電体10の強度や透明度が向上する。このような表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
上記疎水基としては、ビニル基、アルキル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリール基が挙げられるが、これらのうちビニル基、アルキル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリール基が疎水基として好ましい。この場合、疎水基が上記ビニル基等以外の基である場合に比べると、透明導電体10が高湿度環境下に置かれた場合に、電気抵抗値の上昇や経時的変化が一層抑制される。
上記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャリーブチル基、ステアリル基等が挙げられ、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
かかる疎水基は、当該表面処理剤と導電粒子11に含まれる水酸基との化学反応に関与しないため、得られる表面処理剤で処理された導電粒子は、疎水基を末端基として有することとなる。換言すれば、こうすることによって導電粒子の表面を疎水化処理することが可能となる。
また、上記疎水基がビニル基又はメチル基であると特に好ましい。言い換えると、表面処理剤としては、シランカップリング剤又はシラザン化合物からなり、末端基が疎水基としてのビニル基又はメチル基である表面処理剤が最も好ましいこととなる。
上記疎水基がビニル基である場合、表面処理剤は、導電粒子のみならず、樹脂12とも化学的に結合させることが可能となる。従って、このような透明導電体10においては、導電粒子11と、樹脂12との密着性をより高くすることができ、更に樹脂12中に水分が拡散することをより一層抑制することができる。よって、高湿度環境下や化学物質雰囲気において、電気抵抗値の上昇や経時的変化をより一層抑制することが可能となる。
また、表面処理剤がその末端にビニル基を有することにより、導電層14において、表面処理剤で処理された導電粒子11は樹脂12中に均一に分散させることができるため、導電粒子11が凝集している場合と比較すると、ヘイズ値が低下することになる。したがって、末端にビニル基を有する表面処理剤を用いた透明導電体10は透明性の点で特に有用である。また、この場合、表面処理剤で処理された導電粒子11が樹脂12中に均一に分散されることで樹脂12と導電粒子11との接触面積が増加するので透明導電体10の全体としての強度も向上する。
さらに、上記表面処理剤は、その分子中にビニル基のほか、エポキシ基を含有していても良い。この場合、光反応でビニル基を反応させ、後でエポキシ基を熱で反応させることで樹脂12をより強固なものとすることが可能である。
一方、上記疎水基がメチル基であると、得られる透明導電体10は、透明導電体10における表面処理剤で処理された導電粒子11の分散性が向上するため、いわゆるフィラーによるピン留め効果により透明導電体10の透湿性を低下させることができる。また、メチル基自体は分子構造が小さいため、表面処理剤で処理された導電粒子同士の接合点における立体的障害の影響が最も少なく、接合点が他の疎水基と比較して確保しやすいことから、この透明導電体10は、初期の電気抵抗値をより低減することが可能となる。
上記表面処理剤の配合量は、導電粒子100質量部に対して0.1質量部〜5質量部であることが好ましい。配合量が0.1質量部未満であると、導電粒子11の表面を十分に処理することができない傾向にあり、配合量が5質量部を超えると、導電粒子11の表面を処理する効果が十分に向上しない傾向にある。
また、導電層14に含まれる樹脂12は、樹脂であれば特に限定されない。樹脂12としては、光硬化性化合物、熱硬化性化合物等を硬化させたもの、すなわち架橋構造を有するものが好ましい。この場合、透明導電体の耐湿性が向上し、より十分に抵抗変化を防止できる。光硬化性化合物としては、光によって硬化する有機化合物であればどのようなものでもよく、熱硬化性化合物としては、熱により硬化する有機化合物であればどのようなものでもよい。ここで、上記有機化合物は、上記樹脂12の原料となる物質を含み、具体的には樹脂12を形成できるモノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマー等を含む。上記樹脂12の中では、光硬化性化合物が好ましい。上記硬化性化合物が光硬化性化合物であると、硬化反応の制御ができ、かつ、短い所要時間で硬化させることができるため、工程管理が簡便になる利点がある。
上記光硬化性化合物としては、ビニル基やエポキシ基、又はそれらの誘導体を含むモノマー等を好ましく用いることができる。これらは1種類単独であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。なお、光硬化性化合物又は熱硬化性化合物が高分子化合物である場合、樹脂12は、光硬化性化合物又は熱硬化性化合物であってもよい。
本実施形態の透明導電体10において、上述した表面処理剤で処理された導電粒子11が、表面にビニル基等を有する場合、上記樹脂12として、アクリル樹脂を用いることが好ましい。この場合、表面処理剤で処理された導電粒子11のビニル基と、上記アクリル樹脂とを化学的に結合させることができる。その結果、表面処理剤で処理された導電粒子11と硬化したアクリル樹脂との密着性を更に高めることができ、アクリル樹脂の膨潤を抑制することができる。よって、高湿度環境下や化学物質雰囲気下において、電気抵抗値の上昇や経時的変化を更に抑制することが可能となる。
なお、導電層14は、必要に応じて添加剤を更に含有してもよい。添加剤としては、難燃剤、紫外線吸収剤、着色剤、可塑剤等が挙げられる。
<バリア層>
本実施形態におけるバリア層15は、基体13と導電層14との間に設けられており、基体13に水分や溶剤、有機性ガス等の化学物質が浸入することを抑制する作用を示す。
バリア層15を構成する材料としては、例えば金属、無機化合物、無機−有機複合物などが挙げられるが、これらのうち金属又は無機化合物を含有するものが好ましい。バリア層15が金属又は無機化合物を含有すると、透明導電体10は、水分や溶剤、有機性ガス等の化学物質が基体13に浸入することを一層抑制することができる。
このバリア層15に用いられる金属は、特に限定されないが、例えばAl、Ag、Au、Cr、Cu、Pd、Pt、Rh、Zn等が挙げられる。また、無機化合物としては、例えば、SiO、Al、TiO、ZnO、ZrO等の金属酸化物やITO、IZO、ATO、FTO、AZO、GZO等の導電性酸化物が挙げられる。これらの中でも、バリア層15を構成する材料としては、金属単体又は導電性酸化物を含有するものが好ましい。バリア層15が金属単体又は導電性酸化物であると、バリア層15自体が導電性を有するため、導電層14に含まれる導電粒子とバリア層15とが接することにより、導電性を向上させることが可能となる。
ここで、導電層14に含まれる導電粒子とバリア層15とが接触しているか、導通されている場合、上記バリア層15は導電性連続層であることが好ましい。このようにバリア層15を導電性連続層とすると、透明導電体10が基体13の膨張等に起因して導電粒子11間の接合点が切断された場合であっても、導電性連続層であるバリア層15を介して導電粒子11間の導通を確保することが可能となる。したがって、高湿度環境下や化学物質雰囲気であっても透明導電体10における電気抵抗値の上昇や経時的変化をより一層抑制することが可能となる。
さらに、バリア層15は、SiO、Al、TiO、ZnO、又はZrOからなる群より選ばれる少なくとも1種の導電性酸化物を含有することが好ましい。バリア層15がこれらの化合物を含有すると、得られる透明導電体10は、透明性を保ちながら、バリア層15の厚さを大きくすることが可能である。このため、高湿度環境下や化学物質雰囲気であっても透明導電体10における電気抵抗値の上昇や経時的変化をより一層抑制することが可能となる。
<基体>
基体13は、後述する高エネルギー線及び可視光に対して透明な材料で構成されるものであれば特に限定されない。すなわち基体13としては公知の透明フィルムや板でよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム、ノルボルネンフィルム(JSR(株)製、アートンなど)等が挙げられる。また、基体13は、樹脂のほか、シリカ等のフィラー成分等を含有してもよい。
<製造方法>
次に、上述した導電粒子として酸化インジウムに錫をドープしたもの(以下、「ITO」という。)を用いた場合について本実施形態に係る透明導電体10の製造方法について説明する。
バリア層15はスパッタリング法や蒸着法、又は塗布法により得られる。バリア層15としては、そのガス透過性が基体13よりも小さいものが好ましく用いられる。ここで、基体13上には、バリア層15を形成する前にアンカー層やコロナ処理等の前処理を予め設けておくことも可能である。基体13上に予めアンカー層を設けたり、コロナ処理を施しておくと、バリア層15を基体13上により強固に固着させることができる。なお、上記アンカー層としては、ポリウレタンやシリコーン等が好適に用いられる。
バリア層15は、上記基体13上に金属、無機酸化物の連続層を形成することによって得られる。本実施形態においては、基体13上に無機酸化物をスパッタリングすることによりバリア層15を形成する。スパッタリング法を用いると、緻密かつ膜厚制御が容易であるという利点がある。
次に、導電粒子11と樹脂12を含有する導電層14を上記バリア層15上に形成する。ここで、導電粒子11について説明する。
まず、塩化インジウム及び塩化錫を、アルカリを用いて中和処理することにより共沈させる(沈殿工程)。このとき副生する塩はデカンテーションや遠心分離法によって除去する。得られた共沈物に対して乾燥を行い、得られた乾燥体に対して雰囲気焼成及び粉砕の処理を行う。こうして導電粒子11が製造される。上記焼成の処理は、酸素欠陥の制御の観点から、窒素雰囲気中、若しくはヘリウム、アルゴン、キセノン等の希ガス雰囲気中にて行うことが好ましい。
ここで、上記導電粒子11は、上述したように表面を表面処理剤で処理されているものが好ましい。この場合は、上記導電粒子11と表面処理剤とを混合して反応させることにより得ることができる。
こうして得られた導電粒子11と、樹脂12を形成する化合物としての光硬化性化合物とを混合し液体中に分散させ、分散液を得る。上記導電粒子11及び光硬化性化合物を分散させる液体としては、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げられる。このとき光硬化性化合物を上記液体に溶かして用いてもよい。
こうして得られた分散液を樹脂層15上に塗布する。なお、上記液体を用いた場合は塗布後、乾燥工程を施すことが好ましい。また、上記塗布方法は、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、ノズル法、カーテン法、グラビアロール法、バーコート法、ディップ法、キスコート法、スピンコート法、スクイズ法、スプレー法の方法で塗布することができる。そして、上記導電粒子11と光硬化性化合物とを塗布した後、高エネルギー線を照射して光硬化性化合物を硬化させる。これにより導電層14が形成される。なお、上述した高エネルギー線は、例えば紫外線のほか、電子線、γ線、x線等であってもよい。
そして、図1に示す透明導電体10が得られる。
こうして得られる透明導電体10は、ノイズ対策部品や、発熱体、EL用電極、バックライト用電極、LCD、PDP、タッチパネル等の用途として好適に用いることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の透明導電体の第2実施形態について説明する。
図2は、本発明の透明導電体20の第2実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、本実施形態の透明導電体20は、基体13に対し導電層14とは反対側に更にバリア層16が設けられている点で第1実施形態の透明導電体10と相違する。なお、バリア層16は、バリア層15と同様の機能を有する。即ちバリア層16は、バリア層15と同様に、基体13よりも小さいガス透過性を有し、バリア層15と同様の材料で構成される。バリア層15と、バリア層16とは同一材料で構成されても異なる材料で構成されてもよい。
このように基体13の両側にバリア層15及びバリア層16を設けることにより、本実施形態の透明導電体20は、基体内部への水分や有機性ガスの浸入を更に抑制することが可能となり、基体13の膨潤が十分に防止される。また、バリア層16自身が伸張収縮抑制機能を有する。従って、基体13の膨潤に伴う導電層14の引き伸ばしが防止され、導電粒子11間の接合点の接断が十分に防止される。よって、透明導電体20によれば、高湿度環境下や化学物質雰囲気であっても透明導電体20における電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制することができる。
<製造方法>
上記透明導電体20の製造方法について説明する。
本実施形態の透明導電体20は、基体13上の両面にバリア層15及びバリア層16を形成する。ここで、基体13上には、バリア層15及びバリア層16を形成する前にアンカー層を予め設けたり、コロナ処理を施しておくことが好ましい。基体13上に予めアンカー層を設けたり、コロナ処理を施しておくと、バリア層15及びバリア層16を基体13上により強固に固着させることができる。なお、上記アンカー層としては、例えばポリウレタンやシリコーン等が好適に用いられる。
上記バリア層15及びバリア層16は金属、無機酸化物の連続層を形成することによって得られる。本実施形態においては、基体13上に無機酸化物をスパッタリングすることによりバリア層15及びバリア層16を形成する。スパッタリング法を用いると、緻密かつ膜厚制御が容易であるという利点がある。
次に、導電粒子11と樹脂12を含有する導電層14を上記バリア層15上に形成する。導電層14は上記透明導電体10と同様に形成され、図2に示す透明導電体20が得られる。
こうして得られる透明導電体20は、ノイズ対策部品や、発熱体、EL用電極、バックライト用電極、LCD、PDP、タッチパネル等の用途として好適に用いることができる。
本発明は、上記第1及び第2実施形態に限定されない。例えば上記第1実施形態においては、樹脂が光硬化性化合物であり、光硬化性化合物をバリア層15上若しくは基体13上に塗布し、光を照射して硬化させているが、光硬化性化合物に光を照射することにより硬化して得られる樹脂を溶剤に溶かして、基体13の一面上に塗布し、乾燥させることによって透明導電体10を形成してもよい。
また、上述した透明導電体10の製造において、樹脂を形成するために用いた光硬化性化合物の代わりに、熱硬化性化合物を用いてもよい。熱硬化性化合物を用いる場合には、熱硬化性化合物を樹脂層上若しくは基体上に塗布した後、加熱して硬化させることにより、樹脂とすることができる。このとき熱硬化性化合物を溶剤に溶かして用いてもよい。なお、この場合は塗布後、乾燥工程を施すことが好ましい。また、熱硬化性化合物を加熱により硬化して得られる樹脂を溶剤に溶かして、バリア層15上若しくは基体13上に塗布し、乾燥させることによって樹脂としてもよい。
また、上記第1又は第2実施形態においては、導電層14を圧縮層としてもよい。上記圧縮層の製造方法は、次の通りである。即ちまず、基板上に導電粒子11を載置する。このとき、基板上には、導電粉を基板上に固定するためのアンカー層を予め設けておくことが好ましい。予めアンカー層を設けておくと、導電粒子11を基板上にしっかりと固定させることができる。上記導電粒子11の載置を容易に行うことができる。上記アンカー層としては、例えばポリウレタン等が好適に用いられる。
そして、基板上の導電粒子11を基板側に向かって圧縮して圧縮層を形成する。この圧縮はシートプレス、ロールプレス等により行うことができる。
次に、光硬化性化合物を圧縮層の一面上に塗布する。このとき、光硬化性化合物の一部が圧縮層に浸透することとなる。その後は、上記第1又は第2の実施形態と同様にしてバリア層15を形成し、最後に基体13を光硬化性化合物上に設け、高エネルギー線を照射することにより光硬化性化合物を硬化させると本発明の透明導電体を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(導電粉の作製)
塩化インジウム四水和物(関東化学社製)19.9g及び塩化第二錫(関東化学社製)2.6gを水980gに溶解した水溶液と、アンモニア水(関東化学社製)を水で10倍に希釈したものとを調製しながら混合し、白色の沈殿物(共沈物)を生成させた。
生成した沈殿物を含む液体を遠心分離機で固液分離し固形物を得た。これを更に水1000gに投入し、ホモジナイザーで分散して、遠心分離機で固液分離を行なった。分散及び固液分離を5回繰り返したのち、固形物を乾燥し、窒素雰囲気中、600℃で1時間加熱して、ITO粉(導電粉)を得た。
(実施例1)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一方の面にコロナ処理を行い、次いでRFスパッタリング法によりSiO層を50nmの厚さで形成しバリア層とした。
次に、上記ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)25質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)25質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、バリア層の上面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Aを得た。
(実施例2)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一方の面にコロナ処理を行い、次いでRFスパッタリング法によりSiO層を50nmの厚さで形成しバリア層とした。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)30質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)5質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−100H)15質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、バリア層の上面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Bを得た。
(実施例3)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の両面にコロナ処理を行い、次いでRFスパッタリング法により両面にSiO層を50nmの厚さで形成しバリア層とした。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)25質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)25質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、一方のバリア層の上面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Cを得た。
(実施例4)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一方の面にコロナ処理を行い、次いでSiO粉(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル300)を50体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)10質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)10質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−100H)30質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、コロナ処理を施した面にMEK揮発後の膜厚が5μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量200mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、バリア層を形成した。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)30質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)5質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−100H)15質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、バリア層の上面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Dを得た。
(実施例5)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一方の面にコロナ処理を行い、次いでRFスパッタリング法によりSiO層を50nmの厚さで形成した。更にSiO粉(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル300)を50体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)10質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)10質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−100H)30質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、SiO層の上面にMEK揮発後の膜厚が5μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量1000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、バリア層を形成した。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)25質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)25質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、バリア層とは反対の面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Eを得た。
(実施例6)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の両面にコロナ処理を行い、次いで一方の面にRFスパッタリング法によりSiO層を50nmの厚さで形成した。次にSiO粉(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル300)を50体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)10質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)10質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−100H)30質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、SiO層とは他方の面にMEK揮発後の膜厚が5μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量1000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、バリア層を形成した。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)25質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)25質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、SiO層の面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Fを得た。
(実施例7)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の両面にコロナ処理を行い、次いで両面にRFスパッタリング法によりSiO層を50nmの厚さで形成した。次にSiO粉(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル300)を50体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)10質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)10質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−100H)30質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、SiO層が形成された基体の一方の面にMEK揮発後の膜厚が5μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量1000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、バリア層を形成した。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)25質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)25質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、上記SiO粉含有ペーストが塗布された面とは反対のSiO層が露出しているの面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Gを得た。
(比較例1)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一方の面にコロナ処理を行った。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)25質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−512)25質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、コロナ処理面の上面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Hを得た。
(比較例2)
50mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基体、帝人株式会社製、厚さ100μm)の一方の面にコロナ処理を行った。
次に、ITO粉(平均粒径30nm)を40体積%含むアクリルポリマー(平均分子量約5万、1分子当たりビニル基を平均50基、トリエトキシシランを平均25基含有)50質量部と、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:702A)30質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名A−DPH)5質量部と、ウレタン変性アクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名:UA−100H)15質量部と、UV重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名:IRGACURE907)1質量部と、メチルエチルケトン(MEK)50質量部と、を混合してペーストとした。これをスピンコート法により、コロナ処理面の上面にMEK揮発後の膜厚が20μmとなるように製膜した。さらにこれを窒素雰囲気中にて積算照度量3000mJ/cmの高圧水銀灯を光源とするUV照射を行うことにより、導電層を形成して、透明導電体Iを得た。
[評価方法]
(透明導電体膜の抵抗評価)
上記のようにして得られた透明導電体A〜Iについて、以下のようにして電気抵抗の評価を行った。すなわち、上記のようにして得られた透明導電体の予め定められた測定点につき、四端子四探針式表面抵抗測定器(三菱化学社製MCP−T600)で電気抵抗の値を測定し、その測定値を初期電気抵抗値とした。その後、この透明導電体を60℃95%RH環境下で1000時間放置し、それを取り出した後、この透明導電体が室温まで下がったところで、加湿前に定めた測定点において再度電気抵抗の値を測定し、これを加湿後電気抵抗値とした。そして、下記式:
変化率=加湿後電気抵抗値/初期電気抵抗値
に基づいて変化率を算出した。得られた結果を、表1に示す。
Figure 0004177323
表1から明らかなように、バリア層を用いた実施例1〜7は、バリア層を用いない比較例1,2に比べて電気抵抗値変化が小さく、電気抵抗値の上昇が十分に抑制できていることが分かった。以上の結果より、本発明の透明導電材料によれば、高湿環境下であっても、電気抵抗値の上昇や経時的変化を十分に抑制できることが確認された。
本発明の透明導電体の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明の透明導電体の第2実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
10,20・・・透明導電体、11・・・導電粒子、12・・・樹脂、13・・・基体、14・・・導電層、15,16・・・バリア層。

Claims (7)

  1. 基体と、
    導電粒子及び樹脂を含有する導電層と、
    金属又は無機化合物を含有するバリア層と、
    を備え、
    前記バリア層が、前記基体と前記導電層との間、及び、前記基体に対し前記導電層と反対側、の少なくともいずれか一方に設けられており、
    前記導電粒子の表面が、末端基が疎水基である表面処理剤で処理されている、透明導電体。
  2. 前記バリア層が、前記基体と前記導電層との間に設けられており、前記バリア層が金属単体又は導電性酸化物を含有する導電性連続層であり、かつ前記導電層中の前記導電粒子と前記バリア層とが接触している、請求項1記載の透明導電体。
  3. 前記バリア層が、SiO、Al、TiO、ZnO、又はZrOからなる群より選ばれる少なくとも1種の無機化合物を含有する、請求項1記載の透明導電体。
  4. 前記バリア層は、前記基体と前記導電層との間、及び、前記基体に対し前記導電層と反対側に設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電体。
  5. 前記基体の一方の面にスパッタリング法により形成されたSiO 層からなる前記バリア層と、
    前記基体の他方の面に、SiO 粉を含むアクリル樹脂から形成された前記バリア層と、
    前記SiO 層の面に形成された前記導電層と、
    を備える、請求項4に記載の透明導電体。
  6. 前記基体の両面にスパッタリング法により形成されたSiO 層からなる前記バリア層と、
    前記SiO 層が形成された前記基体の一方の面に、SiO 粉を含むアクリル樹脂から形成された前記バリア層と、
    前記SiO 層が露出している面に形成された前記導電層と、
    を備える請求項4に記載の透明導電体。
  7. 前記導電層が、前記導電粒子を圧縮して形成された圧縮層である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明導電体。
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