JP4689854B2 - 2液型速硬化水性接着剤 - Google Patents

2液型速硬化水性接着剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記する)からなる2液型速硬化水性接着剤に関し、更に詳しくは、接着性に優れ、特に接着力のバラツキの少ない2液型速硬化水性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、木質材料等用の接着剤として、「ハネムーン接着剤」と呼ばれる接着剤が知られている。
かかる接着剤は、一方の被着材の被着面に主剤を塗布し、もう一方の被着材の被着面に硬化剤を塗布して、これらの面を合わせて、一定時間圧締することにより、被着面で主剤と硬化剤が瞬時に反応して被着材同士を接着せしめるというものであり、瞬時に被着材同士を接着できるという特徴を有するものである。
【0003】
近年、木材工業等では、生産工程をコンベアーシステムで連続的に量産する試みがあり、この様な生産工程では接着速度が生産性に大きく影響を及ぼし、接着速度の速い接着剤が要望されている。
【0004】
かかる接着速度の改善を目的として、特開平6−172727号公報には、平均重合度1500〜2000,ケン化度85〜90モル%,アセトアセチル基含有量5〜15モル%のアセトアセチル化ポリビニルアルコールの水性液とヒドラジン化合物の水性液からなる2液分別塗布型の速硬化型水系接着剤が記載されており、また、特公平1−60192号公報にも、アセトアセチル基を有する水性液および/または水性エマルジョンとヒドラジン化合物からなる2液別塗布型の瞬硬化水性接着剤が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者が上記接着剤について詳細に検討したところ、いずれの接着剤も、一般のAA化PVAを用いており、硬化速度は速いものの、接着力にバラツキが生じる恐れがあることが判明した。
【0006】
すなわち、主剤としてAA化PVAを用いるときには、通常、接着剤層の柔軟性、強靱性、弾性等を付与するために合成樹脂エマルジョンを併用する(特公平1−60192号公報の第11欄第23〜26行参照)ことが行われており(上記のいずれの公知文献の実施例においても、酢酸ビニル樹脂エマルジョンを併用)、このような場合には、AA化PVAとかかるエマルジョンのミクロ的な相溶性や分散性等に起因する接着力のバラツキが生じているのではないかと推察される。
特に、上記の如き生産ラインでのメリットは、バラツキのない均一(均質)な製品を効率的に製造できることであり、接着力のバラツキが大きいと、不良品発生率が高くなり、生産性の向上を阻害する要因となる。したがって、このバラツキをできるだけ押さえるということは、非常に有用なことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はかかる現況に鑑みて鋭意検討した結果、ブロックキャラクター[η]が0.3〜0.6のAA化PVAを含有する水性液(A)とヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、ポリエチレンイミン、ポリアミド樹脂、シラン化合物の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む水性液(B)からなる2液型速硬化水性接着剤が、上記の目的に合致することを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
なお、ここで言うブロックキャラクター[η]とは、13C−NMRの測定(内部標準物質として3-(Trimethylsilyl)propionic-2,2,3,3,-d4acid,sodiumsaltを使用)により、40〜49ppmの範囲に見られるメチレン炭素部分に基づく吸収[(OH,OH)=46〜49ppmの吸収、(OH,OR)=43.5〜45.5ppmの吸収、(OR,OR)=40〜43ppmの吸収、但し、ORはO−酢酸基又はO−アセト酢酸基を表す]の吸収強度比から求められるもので、より具体的には下記(1)式より算出される値である。
【0009】
[η]=(OH,OR)/2(OH)(OR) ・・・(1)
〔但し、(OH,OR)、(OH)、(OR)は、いずれもモル分率で計算するものとする〕
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0011】
本発明の2液型速硬化水性接着剤の水性液(A)に用いられるAA化PVAは、上記の如くそのブロックキャラクター[η]が0.3〜0.6(更には0.3〜0.55、特には0.3〜0.5)であることが必要で、かかるブロックキャラクターが0.3未満のアセト酢酸基含有PVAを工業的に得ることが困難で、逆に0.6を越えると本発明の作用効果を得ることが困難となる。
【0012】
従来より、未変性PVAのブロックキャラクター値をコントロールするにあたっては、酸ケン化してブロック性を下げたり、或いは(誘電率の低い溶媒の存在下で)アルカリケン化したりしてブロック性を上げたりすることが行われてきたが、本発明で用いられるような上記の如き特定のブロックキャラクター値のAA化PVAを得るには、一般のAA化PVAの製造時に多少の工夫を要する。
【0013】
すなわち、ケン化反応時に酢酸基をブロック性が高い状態で残存させておき、その後アセト酢酸エステル化することが必要であり、該ブロック性を上げる手段としては、誘電率の低い溶剤(酢酸メチル、ヘキサン、ベンゼン、酢酸エチル、流動パラフィン、トルエン、アセトン、酢酸イソプロピル、トリクロロエチレン、キシレン等)を3〜40重量%(更には5〜20重量%、特に10〜20重量%)含有させる方法、ケン化温度を40〜50℃に上げる方法、ケン化時の樹脂分を上げる方法、ケン化反応系内の水分をなくする方法等が挙げられ、これらの方法を適宜組み合わせることにより可能となる。
【0014】
以下、具体的に本発明で用いるAA化PVAの製造法について説明する。
本発明に用いられるAA化PVAは、後述するようにPVAにジケテンを反応させたり、PVAとアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換したりして、PVAにアセト酢酸エステル基を導入させたもので、かかるPVAとしては、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリや酸などのケン化触媒によってケン化したケン化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を用いることもできる。
【0015】
該単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられる。
【0016】
AA化PVAの原料となるPVAは、上記の如きケン化物を用いることができるのであるが、かかるケン化物を製造する時には、上述したように多少の工夫が必要となってくる。
すなわち、得られるPVAのケン化度を98モル%以下(更には80〜97モル%、特に85〜95モル%)とすることが必要で、かかるケン化度が98モル%以上では、[η]=0.3〜0.6のPVAを得ることが困難となる。かかるケン化度の下限は特定されないが、低すぎるとPVAの水溶性が低下して水性液とすることが困難な場合がある。
【0017】
また、得られるPVAの平均重合度は300〜4000(更には500〜3500、特に700〜3000)であることが好ましく、かかる重合度が300未満では充分な接着強度を得ることが困難となり、逆に4000を越えると接着剤の粘度が高くなりすぎて作業性に問題があるばかりではなく、被着体に対する”ぬれ性”が低下して接着強度の低下を招いて好ましくない。
【0018】
さらに該PVAの形状としては、特に限定されないが、後述のジケテンの均一吸着、吸収による反応の均一化及びジケテンとの反応率の向上等を考慮すれば、粉末状、なかんずく粒径分布が狭く、かつ多孔性であるものが好ましく、その粒度としては50〜450メッシュが好ましく、更には80〜320メッシュのものが好ましい。
【0019】
また、該PVAは製造工程中のアルコール類及び水分を数重量%含むことがあるが、これらの成分中にはジケテンと反応して、ジケテンを消費し、ジケテンの反応率を低下せしめるので、反応に供する際には、加熱、減圧操作を行うなどして可及的に減少せしめてから使用することが望ましい。
【0020】
また、本発明においては、上記の如く粉末状のPVAを原料PVAとすることができるが、製造工程の簡略化の点を考慮すれば、原料PVAの製造時のケン化工程後の溶剤(メタノール、メタノール、(イソ)プロパノール等)を含有したスラリー状のPVAを脂肪酸エステルで置換して原料PVAとして用いることが好ましい。
【0021】
上記の如く得られたPVAにアセト酢酸エステル基を導入するにあたっては、PVAとジケテンを反応させる方法、PVAとアセト酢酸エステルを反応させエステル交換する方法や、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合させる方法等を挙げることができるが、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られる点から、PVA(粉末)とジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。
【0022】
以下、かかる方法について説明するが、これに限定されるものではない。
PVA粉末とジケテンを反応させる方法としては、PVAとガス状あるいは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をPVA粉末に予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状又はガス状のジケテンを噴霧、反応するか、またはPVA粉末に有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応するなどの方法が用いられる。
【0023】
有機酸を使用する方法では、有機酸としては酢酸が最も有利であるが、これのみに限られるものではなく、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸等も任意に使用される。有機酸の量は反応系内のPVA粉末が吸着及び吸蔵しうる限度内の量、換言すれば反応系の該樹脂と分離した有機酸が存在しない程度の量が好ましい。具体的には、PVA100重量部に対して0.1〜80重量部、好ましくは、0.5〜50重量部、特に好ましくは5〜30重量部の有機酸を共存させるのが適当である。かかる範囲外では、アセト酢酸エステル化度(以下、AA化度と略記することがある)分布の不均一な生成物が得られやすく、未反応のジケテンが多くなる傾向があり、又、ゲル等が生じたりする場合もあり、好ましくない。
【0024】
有機酸をPVAに均一吸着、吸蔵するには、有機酸を単独でPVAに噴霧する方法、適当な溶剤に有機酸を溶解しそれを噴霧する方法等、任意の手段が実施可能である。
PVAとジケテンとの反応条件としては、PVA粉末に液状ジケテンを噴霧等の手段によって均一に吸着、吸収せしめる場合は、不活性ガス雰囲気下、温度20〜120℃に加温し、所定の時間撹拌あるいは流動化を継続することが好ましい。
【0025】
また、ジケテンガスを反応させる場合、接触温度は0〜250℃、好ましくは、25〜100℃であり、ガス状のジケテンがPVAとの接触時に液化しない温度とジケテン分圧条件下に接触させることが好ましいが、一部のガスが液滴となることは、なんら支障はない。
接触時間は接触温度に応じて、即ち温度が低い場合は時間が長く、温度が高い場合は、時間が短くてよいのであって、1分〜6時間の範囲から適宜選択する。
【0026】
ジケテンガスを供給する場合には、ジケテンガスそのままか、ジケテンガスと不活性ガスとの混合ガスでも良く、粉末PVAに該ガスを吸収させてから昇温しても良いが、該粉末を加熱しながら、加熱した後に該ガスを接触させるのが好ましい。
【0027】
アセト酢酸エステル化(以下、AA化と略記することがある)の反応の触媒としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、第一アミン、第二アミン、第三アミンなどの塩基性化合物が有効であり、該触媒量は公知の反応方法に比べて少量で良く、PVA粉末に対し0.1〜1.0重量%である。PVA粉末は、通常酢酸ナトリウムを含んでいるので触媒を添加しなくてもよい場合が多い。触媒量が多すぎるとジケテンの副反応が起こりやすく好ましくない。
【0028】
AA化を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー
その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置である。
【0029】
また、AA化PVAのアセト酢酸エステル基の含有量は1〜10モル%(更には2〜8モル%、特に3〜7モル%)とすることが好ましく、かかる含有量が1モル%未満では接着強度が充分に得られず、逆に10モル%を越えても、作用効果に顕著な向上が認められず好ましくない。
【0030】
かくして本発明の2液型速硬化水性接着剤の主剤に用いるAA化PVAが得られるのであるが、本発明においては、かかる主剤として、該AA化PVAを含有する水性液(A)(以下、A液と称することがある)として用いるのである。
すなわち、かかるAA化PVAの水溶液、あるいは分散液(エマルジョン)等の形にして、主剤とするのである。
【0031】
前者の水溶液にする場合には、かかるAA化PVAをそのまま水に溶解させることにより可能であり、この時の水溶液の濃度としては、1〜30重量%(更には1〜25重量%、特に1〜20重量%)とすることが好ましく、かかる濃度が1重量%未満では、作用効果を充分に得ることが困難となる場合があり、逆に30重量%を越えると水溶液の粘度が高くなり作業性が困難となる場合があり好ましくない。
【0032】
後者のエマルジョンの場合は、AA化PVAを含有するエマルジョンを調製すれば良く、かかる調製にあたっては、1)AA化PVAを乳化剤あるいは保護コロイドとして単量体を乳化重合する方法、2)合成樹脂の溶液あるいは溶融液をAA化PVAの存在下で後乳化する方法、3)任意の方法で得られた合成樹脂エマルジョンにAA化PVAを添加してより安定なエマルジョンを製造する方法等を挙げることができ、これらについて具体的に説明するが、これらの方法に限定されるものではない。
【0033】
1)乳化重合による方法
水、AA化PVA及び重合触媒の存在下にエチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き通常の乳化重合法や、水、AA化PVA及び重合触媒の存在下に、エチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体をAA化PVAの水溶液に混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が実施し得る。
【0034】
AA化PVAの使用量としては、エマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化重合反応系の全体に対して下限を0.1重量%(更には1重量%、特には2重量%)とすることが好ましく、上限を30重量%(更には25重量%、特には20重量%)とすることが好ましい。
【0035】
かかる使用量が0.1重量%未満ではポリマー粒子の安定な乳化状態で維持することが困難となり、逆に30重量%を越えるとエマルジョン粘度が上昇しすぎて作業性が低下することとなり好ましくない。
【0036】
重合開始剤としては、普通過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム等がそれぞれ単独で又は酸性亜硫酸ナトリウムと併用して、更には過酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−アスコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸化水素−ロンガリット−鉄塩等の水溶性のレドックス系の重合開始剤が用いられ、また、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の油溶性の重合開始剤も用いることができる。
【0037】
重合開始剤の添加方法としては、特に制限はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って連続的に添加する方法等を採用することができる。
上記の乳化重合においては、乳化分散安定剤として、水溶性高分子や非イオン性活性剤、アニオン性活性剤を併用することもできる。
【0038】
水溶性高分子としては、AA化PVA以外の、未変性PVA、カルボキシル基含有PVA、PVAのホルマール化物、アセタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物、スルホン酸、カルボン酸等とのエステル化物等のPVA、ビニルエステルとそれと共重合可能な単量体との共重合体ケン化物等が挙げられる。ビニルエステルと共重合可能な単量体としてはエチレン、ブチレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0039】
また、上記のPVA以外の水溶性高分子として、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体類、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸又はその塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、酢酸ビニルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等不飽和酸との共重合体、スチレンと上記不飽和酸との共重合体、ビニルエーテルと上記不飽和酸との共重合体及び前記共重合体の塩類又はエステル類が挙げられる。
【0040】
非イオン性活性剤としては、例えばポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0041】
アニオン性活性剤としては、例えば高級アルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩等が挙げられる。
更に、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得る。
【0042】
2)後乳化による方法
後乳化方法によりエマルジョンを製造するに当たっては、AA化PVAを水に溶解し、これに溶液状のエチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体の重合体を滴下し撹拌するか、溶液状態の該重合体中に該AA化PVA水溶液を滴下し撹拌すればよい。エマルジョン化に当たり加熱等の必要は特にないが、必要であれば45〜85℃程度に加熱すればよい。乳化する物質には特に限定はなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿素−ホルマリン初期縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物、アルキッド樹脂、ケテンダイマー、ロジン、シリコン樹脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン、アスファルト等が挙げられる。
【0043】
AA化PVAの使用量としては、要求されるエマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化対象物に対して0.1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%程度の範囲から選択される。必要であれば、該樹脂と共にポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を適宜併用することもできる。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合しておくことも可能である。
【0044】
必要であればポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を始めとし、前記した乳化重合時に使用される各種界面活性剤が何れも併用可能である。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合しておくことも可能である。更にフタル酸エステル、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤も併用され得る。
【0045】
3)後添加による方法
この方法は任意の方法で得られた合成樹脂エマルジョンにAA化PVAを添加するもので、対象となるエマルジョンとしては、スチレン/ブタジエン系エマルジョン、シス−1,4ポリイソプレンエマルジョン、クロロプレンエマルジョン、アクリロニトリル/ブタジエンエマルジョン、ビニルピリジンエマルジョン、メチルメタクレート/ブタジエンエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、アクリルエステル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレン/酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、シリコーンエマルジョン、ポリブテンエマルジョン、チオコールエマルジョンなどが挙げられる。
【0046】
エマルジョンにAA化PVAを添加する場合、該PVAを水溶液としてから添加する時にはエマルジョンを室温にて、撹拌しながらこれに該水溶液を添加するだけでよいが、該PVAの粉末を添加する時には、エマルジョンを撹拌しながら該粉末を添加し、50〜85℃に加温すれば短時間で均一な混合が終了するので好ましい。
【0047】
AA化PVAの使用量は、エマルジョン固形分に対して1〜40重量%(更には2〜30重量%)程度の範囲が好ましい。
【0048】
かくして、ブロックキャラクター[η]が0.3〜0.6のAA化PVAを含有する水性液(A)が得られるのであるが、かかる水性液(A)には、必要に応じて顔料、分散剤、消泡剤増粘剤等の添加剤を適宜混合することができる。
【0049】
次に、硬化剤である水性液(B)(以下、B液と称することがある)について説明する。
かかる水性液(B)は、ヒドラジン化合物、ジアルデヒド化合物、ポリエチレンイミン、ポリアミド樹脂、シラン化合物の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む水性液である。
【0050】
かかるヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラード、ヒドラジンの塩酸,硫酸,硝酸,亜硫酸,リン酸,チオシアン酸,炭酸等の無機塩類およびギ酸,シュウ酸等の有機塩類、ヒドラジンのメチル,エチル,プロピル,ブチル,アリル等の一置換体、1,1−ジメチル,1,1−ジエチル,4−n−ブチル−メタルなどの対称二置換体などを挙げることができ、さらに、ジヒドラジンとして、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、ダイマー酸ジヒドラジド等が挙げられ、特公平2−4607号公報に記載のジヒドラジド化合物等の2塩基酸ヒドラジド、カルボヒドラジド、2,4−ジヒドラジノ−6−メチルアミノ−sym−トリアジン、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドラジド等も挙げることができる。
【0051】
かかるヒドラジン化合物の水性液(B)中の含有量は、1〜50重量%(更には2〜25重量%、特に3〜20重量%)であることが好ましく、かかる含有量が1重量%未満では、本発明効果を充分に得られない場合があり、逆に30重量%を越えると水に溶解しない場合や本発明の作用効果の向上が見られなくなる場合もあり好ましくない。
【0052】
アルデヒド化合物としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド等のモノアルデヒド類、グリオキザール、グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ジアルデヒド澱粉などを挙げることができ、グリオキザールが好適に用いられる。
【0053】
かかるアルデヒド化合物の水性液(B)中の含有量は、1〜50重量%(更には2〜25重量%、特に3〜20重量%)であることが好ましく、かかる含有量が1重量%未満では、本発明効果を充分に得られない場合があり、逆に30重量%を越えると水に溶解しない場合や本発明の作用効果の向上が見られなくなる場合もあり好ましくない。
【0054】
ポリエチレンイミンとしては、下記一般式(2)で表され、分子量が300〜10万位のものを挙げることができ、低分子量の液状物はそのままでも使用できるが、高分子量のものは1〜40%の水溶液として使用するのが好ましい。
【0055】
Figure 0004689854
(但し、R1,R2,R3は水素又はCH2CH2NH2、x、yは整数)
【0056】
ポリアミド系脂としては、分子内にアミノ基とアミド基を2個以上有するポリアミノアミド樹脂が用いられ、かかる樹脂は乾性油、半乾性油、トール油等からの脂肪酸より得られるダイマー酸とポリアミンとの縮合物か、ポリカルボン酸とポリアミンとの縮合体及び変性物であって分子中に反応性の第1及び第2アミノ基を有するポリアミド樹脂で、一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として広く用いられているものを指す。
かかる樹脂は特に限定するものではないが、アミン価は100〜800、30℃における粘度は0.5〜700ポイズが適している。
【0057】
かかるポリアミド樹脂の水性液(B)中の含有量は、1〜30重量%(更には2〜25重量%、特に3〜20重量%)であることが好ましく、かかる含有量が1重量%未満では、本件発明の作用効果を充分に得ることが出来ない場合があり、逆に30重量%を越えると水性液の粘度が高くなり作業性に問題が生じる場合もあって好ましくない。
【0058】
シラン化合物としては、好ましくは下記一般式(3)で示されもので、
Y−R−Si(CH33-nn ・・・(3)
(但し、Yはビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、クロル基、Xはアルコキシ基、Rはアルキル基、アルキレン基、nは1、2あるいは3を示す。)
具体的には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクロロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、β−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどを挙げることができる。
【0059】
かかるシラン化合物の水性液(B)中の含有量は、1〜50重量%(更には2〜40重量%、特には3〜30重量%)であることが好ましく、かかる含有量が1重量%未満では、本件発明の作用効果が充分に得られない場合があり、逆に50重量%を越えても作用効果に顕著な向上が見られず好ましくない。
【0060】
かくして、上記の如き水性液(A)および(B)からなる2液型速硬化水性接着剤が得られるのであるが、かかる水性液(A)および(B)の2液よりなる速硬化水性接着剤は、通常A液とB液を別々に被着体に塗布して使用される。
【0061】
すなわち、A液を接着せんとする基材の被着面、例えば木材等の表面に塗布し、B液を接着せんとするもう一方の基材の被着面に塗布し、直ちにこの両面を合わせて接触させ、圧締すると室温で数秒〜10分以内にかなりの強度にまで接着するので解圧することができ、そのまま放置養生すると充分に高い接着強度のものが得られる。
【0062】
本発明の2液型速硬化水性接着剤は、初期接着力に優れていると共に恒久的接着力も発揮され、耐熱水接着力にも優れ、さらに接着力のバラツキが少なく、木材、合板、パーテイクルボード、ハードボード等の繊維質材料、スレート板、珪カル板、モルタル、タイル等の無機質材料、メラミン化粧板、ベークライト、発泡スチロール等のプラスチック材料、段ボール、板紙、クラフト紙等の紙質材料等の高速接着に有用である。
【0063】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて更に詳しく説明する。
尚、例中に断りのない限り、「%」、「部」とあるのは、重量基準を示す。
【0064】
実施例1
(PVAの製造)
常法により得られたポリ酢酸ビニル(平均重合度2000;完全ケン化してJIS K 6726に準拠して測定、以下同様)のメタノール溶液に酢酸メチルを添加して、ポリ酢酸ビニル/メタノール/酢酸メチル=48/39/13(重量比)になるように調整してポリ酢酸ビニル溶液を得た後、該溶液100部をニーダーに仕込んで、液温を40℃に調整した。液温が40℃になった時点で、触媒として2%の水酸化ナトリウム水溶液3部を仕込んでケン化を1.4時間行った。その後、酢酸で中和してケン化反応を停止させた後、メタノールで繰り返し洗浄を行い、次いで乾燥を行って、ケン化度88モル%(残酢酸基12モル%)のPVAを得た。
【0065】
(AA化PVAの製造)
上記で得られたPVAの粉末200部をニーダーに仕込み、これに酢酸20部を入れて膨潤させ、回転数20rpmで攪拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン20部を4時間かけて滴下し、更に30分反応させて、AA化PVAを得た。
得られたAA化PVAのアセトアセチル化度は2.5モル%、ブロックキャラクター[η]は0.48であった。
【0066】
なお、ブロックキャラクター[η]の算出に当たっては、下記の条件で測定した13C−NMRの測定結果より算出した。
測定機器 :BURKER社製「AVANCE DPX400」
溶媒 :D2
積算回数 :8192回
パルス間隔 :2秒
内部標準物質:3-(Trimethylsilyl)propionic-2,2,3,3,-d4acid,sodiumsalt
測定温度 :50℃
濃度 :7.5%
【0067】
〔2液型速硬化水性接着剤の調製〕
下記の主剤および硬化剤を調製した。
Figure 0004689854
【0068】
上記で調製した2液型速硬化水性接着剤を用いて、以下の評価を行った。
▲1▼常態接着強度
25mm×30mm×10mmの2片の樺材の一方の被着面に主剤(A液)を100g/m2となるように塗布し、他方の被着面に硬化剤(B液)を50g/m2となるように塗布し、両面を接着させて直ちに5kg/cm2で圧締し、5秒後に解圧し、直後、5分後および72時間(室温放置)後の接着強度をJIS K 6852に準拠してそれぞれ測定した。
なお、測定は、100個のサンプルについて行い、その平均値を接着力(kg/cm2)とし、また、かかる平均値の80%の接着力より低い値を示したサンプルの個数を調べて接着力のバラツキとした。
【0069】
▲2▼耐水接着強度
上記と同様に作製した接着サンプルを室温で72時間放置後、沸騰水中に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥し、再び沸騰水中で4時間浸漬し、その後浸漬した状態で室温になるまで放置して、水中から取り出し直後(濡れたまま)の接着強度をJIS K 6852に準拠して測定した。
【0070】
▲3▼放置後の接着強度
上記で調製した2液型速硬化水性接着剤を、30℃で1ヶ月間放置した後、上記の(常態接着強度)と同様の評価を行った。
【0071】
実施例2
実施例1において、2液型速硬化水性接着剤として、
Figure 0004689854
を調製して、同様に評価を行った。
【0072】
実施例3
実施例2において、2液型速硬化水性接着剤の硬化剤(B液)として、重合度が約7万のポリエチレンイミンの20%水溶液を調製して用いた以外は、同様に評価を行った。
【0073】
実施例4
実施例2において、2液型速硬化水性接着剤の硬化剤(B液)として、ポリアミノアミド樹脂(富士化成工業社製『トーマイド #2500』)の20%水溶液を調製して用いた以外は、同様に評価を行った。
【0074】
実施例5
実施例2において、2液型速硬化水性接着剤の硬化剤(B液)として、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシランの20%水溶液を調製して用いた以外は、同様に評価を行った。
【0075】
実施例6
実施例1の(PVAの製造)において、ケン化反応を2時間とした以外は同様に行って、ケン化度92.9モル%(残酢酸基7.1モル%)のPVAを得て、次いでジケテンの滴下量を34部とした以外は同様にAA化PVAの製造を行って、アセトアセチル化度4.5モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAのブロックキャラクター[η]は0.54であった。
得られたAA化PVAを用いて、実施例1と同様に2液型速硬化水性接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0076】
実施例7
実施例1の(PVAの製造)において、ポリ酢酸ビニル溶液の組成をポリ酢酸ビニル/メタノール/酢酸メチル=48/44/8(重量比)とした以外は同様に行って、ケン化度90.1モル%(残酢酸基9.9モル%)のPVAを得て、次いでジケテンの滴下量を20部とした以外は同様にAA化PVAの製造を行って、アセトアセチル化度2.5モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAのブロックキャラクター[η]は0.57であった。
得られたAA化PVAを用いて、実施例1と同様に2液型速硬化水性接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0077】
実施例8
実施例1の(PVAの製造)において、重合度1200のポリ酢酸ビニルを用いた以外は同様に行って、ケン化度 88.5モル%(残酢酸基11.5モル%)のPVAを得て、次いでジケテンの滴下量を33部とした以外は同様にAA化PVAの製造を行って、アセトアセチル化度4.5モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAのブロックキャラクター[η]は0.57であった。
得られたAA化PVAを用いて、実施例1と同様に2液型速硬化水性接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0078】
実施例9
実施例1の(PVAの製造)において、ポリ酢酸ビニル溶液の組成をポリ酢酸ビニル/メタノール/酢酸メチル=48/34/18(重量比)とし、さらに水酸化ナトリウム溶液の仕込み量を3.5部とした以外は同様に行って、ケン化度87.5モル%(残酢酸基12.5モル%)のPVAを得て、次いでジケテンの滴下量を35部とした以外は同様にAA化PVAの製造を行って、アセトアセチル化度4.4モル%のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAのブロックキャラクター[η]は0.49であった。
得られたAA化PVAを用いて、実施例1と同様に2液型速硬化水性接着剤を調製して、同様に評価を行った。
【0079】
実施例10
実施例9で得られたAA化PVA10部を攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたセパラブルフラスコに水90部を加えて温度を70度にして溶解させ、更にpH調整剤として酢酸ナトリウム0.02部、酢酸ビニルモノマー10部を仕込み攪拌しながら、重合開始剤として1%過硫酸アンモニウム水溶液5部を加えて重合を開始した。重合開始後1時間で更に酢酸ビニルモノマー90部を4時間かけて滴下し重合を行った。その間1時間おきに1%過硫酸アンモニウム水溶液5部を加えた。その後1時間熟成した後、冷却して固形分50%のポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。このエマルジョン150部を主剤(A剤)とした以外は実施例1に準じて評価を行った。
【0080】
比較例1
実施例1のポリ酢酸ビニルを用いて、酢酸ビニル/メタノール=50/50(重量比)のポリ酢酸ビニル溶液を調製した。
得られた該溶液100部をニーダーに仕込み、温度を上げて還流させた後、硫酸0.8部を仕込んでケン化を12時間行った後、水酸化ナトリウムで中和し、鹸化度88.9モル%のPVAを得た。
得られたPVAを実施例1に準じてAA化しAA化度2.7モル%、ブロックキャラクター[η]が0.81のAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAを用いて、実施例1と同様に評価を行った。
【0081】
比較例2
実施例2において、AA化PVAを比較例1で用いたAA化PVAに変更した以外は同様に評価をおこなった。
【0082】
比較例3
実施例3において、AA化PVAを比較例1で用いたAA化PVAに変更した以外は同様に評価をおこなった。
【0083】
比較例4
実施例4において、AA化PVAを比較例1で用いたAA化PVAに変更した以外は同様に評価をおこなった。
【0084】
比較例5
実施例5において、AA化PVAを比較例1で用いたAA化PVAに変更した以外は同様に評価をおこなった。
実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
【0085】
Figure 0004689854
【0086】
【発明の効果】
本発明の2液型速硬化水性接着剤は、特定のブロックキャラクター[η]値を有するAA化PVAを用いているため、初期接着力に優れていると共に恒久的接着力も発揮され、耐熱水接着力にも優れ、さらに接着力のバラツキが少なく、木材、合板、パーテイクルボード、ハードボード等の繊維質材料、スレート板、珪カル板、モルタル、タイル等の無機質材料、メラミン化粧板、ベークライト、発泡スチロール等のプラスチック材料、段ボール、板紙、クラフト紙等の紙質材料等の高速接着に有用である。

Claims (3)

  1. ブロックキャラクター[η]が0.3〜0.6のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコールを含有する水性液(A)とヒドラジン化合物、アルデヒド化合物、ポリエチレンイミン、ポリアミド樹脂、シラン化合物の群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む水性液(B)からなることを特徴とする2液型速硬化水性接着剤。
  2. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコールの平均重合度が300〜4000であることを特徴とする請求項1記載の2液型速硬化水性接着剤。
  3. アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコールのアセト酢酸エステル基の含有量が1〜10モル%であることを特徴とする請求項1または2記載の2液型速硬化水性接着剤。
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