JP3311086B2 - エマルジョン組成物 - Google Patents

エマルジョン組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエマルジョン組成物に関
し、さらに詳しくは、可使時間(ポットライフ)が長い
上、塗布後水分を蒸発させて得られる皮膜の湿潤強度が
高く、かつ該皮膜の耐水性,耐熱性および耐熱水性に優
れたエマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコールを保護コロイド
(分散剤)に用いて製造したエマルジョンは、古くから
塗料,接着剤,繊維加工剤,紙加工剤などの多くの用途
で賞用されている。しかし、ポリビニルアルコールは、
水溶性であるため、上記エマルジョンから水分を蒸発さ
せて得られる皮膜は水に膨潤しやすい上、その皮膜を水
に浸漬した場合には、ポリビニルアルコールが溶出しや
すく、耐水性が不充分である。さらに、この皮膜を水に
入れて煮沸すると、上述した膨潤,溶出が促進され、皮
膜はその原形をとどめなくなる。また、通常、エマルジ
ョンは、皮膜となって性能を発現する場合が多い。その
ため、分散質である樹脂のガラス転移温度は、室温ある
いは短時間の加熱処理で造膜可能な程度に調節されてい
る。したがって、このガラス転移温度を超えると上記皮
膜は軟化するため耐熱性も不充分なものである。
【0003】このようなことから、今までに、ポリビニ
ルアルコール系重合体を分散剤とするエマルジョンから
得られる皮膜の耐水性,耐熱水性,耐熱性を高めるため
に、種々の手段が試みられてきた。その代表例として
は、ポリビニルアルコール系重合体を分散剤とするエマ
ルジョンに多価イソシアネート化合物を配合する方法が
知られている。この方法は、イソシアネートは水と反応
するため、組成物のポットライフが短く、作業性に問題
がある。また、ポリビニルアルコール系重合体を分散剤
とする水性エマルジョンを用いた種々の接着剤が提案さ
れている。例えば(1)重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)との比Mw/Mnが2.4以下のポリビ
ニルアルコールを分散剤とした水性エマルジョンおよび
架橋剤からなる接着剤(特開昭61−108603号公
報)、(2)ポリビニルアルコールを分散剤とした水性
エマルジョン、およびグリオキザールなどの脂肪族アル
デヒドからなる接着剤(特開昭55−94937号公
報)、(3)ポリビニルアルコール、水性エマルジョ
ン、架橋剤、およびキトサンなどのアミノ化合物からな
る接着剤(特開平3−45678号公報)、(4)ポリ
ビニルアルコール、水性エマルジョン、塩化アルミニウ
ムなどの架橋剤ならびに多価イソシアネート化合物から
なる接着剤(特公昭57−16150号公報)などが開
示されている。
【0004】しかしながら、上記(1)の接着剤におい
ては、具体的な架橋剤の例示がなく、従来の架橋剤が用
いられているとした場合にはポットライフが短く、作業
性に問題がある。また(2)および(3)の接着剤にお
いては、得られる皮膜の湿潤強度が低いという欠点を有
している。また(4)の接着剤はポットライフが短く作
業性に問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、ポットライフが長くて作業性がよい上、
塗布後水分を蒸発させて得られる皮膜の湿潤強度が高
く、かつ該皮膜の耐水性、耐熱水性及び耐熱性に優れる
エマルジョン組成物を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の好
ましい性質を有するエマルジョン組成物を開発すべく鋭
意研究を重ねた結果、分散剤としてカルボキシル基変性
ポリビニルアルコールを所定の割合で用い、エチレン性
不飽和単量体を乳化重合して得られる水性エマルジョン
およびポリアミドとエポキシ基含有化合物との反応物
らなるエマルジョン組成物が、目的とする性状を備えた
ものであることを見出した。本発明はかかる知見に基づ
いて完成したものである。すなわち、本発明は、エチレ
ン性不飽和単量体100重量部を、分散剤としてのカル
ボキシル基変性ポリビニルアルコール1〜15重量部の
存在下に乳化重合して得られる水性エマルジョン(A)
および前記水性エマルジョンの固形分100重量部に対
し0.1〜30重量部のポリアミドとエポキシ基含有化
合物との反応物(B)からなるエマルジョン組成物を提
供するものである。
【0007】本発明のエマルジョン組成物は、特定の水
性エマルジョン(A)とポリアミドとエポキシ基含有化
合物との反応物(B)から構成されるものである。ここ
で、(A)成分である水性エマルジョンは、上述の如
く、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールを分散剤
とし、エチレン性不飽和単量体の重合体を分散質とする
ものである。この分散剤であるカルボキシル基変性ポリ
ビニルアルコールは、分子内にカルボキシル基を有する
変性ポリビニルアルコールであれば特に制限はないが、
通常は、酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量
体を、アクリル酸,メタクリル酸,(無水)フタル酸,
(無水)マレイン酸,イタコン酸などのエチレン性不飽
和カルボン酸と共重合した後、けん化したもの(ランダ
ム共重合体)か、末端にチオール基を有するポリビニル
アルコール系重合体の存在下、上記エチレン性不飽和カ
ルボン酸をラジカル重合したもの(ブロック共重合体)
が好適に用いられる。なお、上記のビニルエステル系単
量体としては、酢酸ビニル以外に、ギ酸ビニル,プロピ
オン酸ビニル,バーサチック酸ビニル,ピバリン酸ビニ
ルなどを用いることも可能である。
【0008】本発明におけるカルボキシル基変性ポリビ
ニルアルコールの重合度については特に制限はないが、
50〜3000の範囲が好ましく、100〜2000の
範囲がより好ましい。また、該カルボキシル基変性ポリ
ビニルアルコールのけん化度についても特に制限はない
が、70〜100モル%の範囲が好ましく、80〜98
モル%の範囲がより好ましい。さらに、カルボキシル基
変性量についても特に制限はないが、0.1〜50モル%
の範囲が好ましく、0.5〜10モル%の範囲がより好ま
しく、0.5〜5モル%の範囲が特に好ましい。カルボキ
シル基変性量が0.1モル%未満では、充分な架橋密度が
得られず耐水性が向上しない。一方、カルボキシル基変
性量が50モル%を超えると、安定なエマルジョンを得
ることが難しくなり、また、安定なエマルジョンが得ら
れても、(B)成分のポリアミドとエポキシ基含有化合
物との反応物を添加後のポットライフが短くなる上、接
着性や流動特性が発現しにくくなる。
【0009】また、本発明におけるカルボキシル基変性
ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範
囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合す
ることもできる。このようなエチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、エチレン,イソブチレン,アクリロニ
トリル,メタクリロニトリル,アクリルアミド,メタク
リルアミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3−
ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,エチルビ
ニルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピロ
リドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化
ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレ
ン,ビニルスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。また、チオール酢酸,メル
カプトプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢
酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、エチレン性
不飽和カルボン酸と共重合し、それをけん化することに
よって得られる末端変性物も用いることができる。
【0010】次に、(A)成分の水性エマルジョンにお
ける分散質であるエチレン性不飽和単量体の重合体は、
各種のものがあるが、この重合体の原料であるエチレン
性不飽和単量体の好ましい例としては、エチレン,プロ
ピレン,イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル,
フッ化ビニル,ビニリデンクロリド,ビニリデンフルオ
リドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル,酢酸ビ
ニル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニルなど
のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,ア
クリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ドデシル,ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタ
クリル酸ドデシル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
などのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこ
れらの四級化物、さらには、アクリルアミド,メタクリ
ルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジ
メチルアクリルアミド,アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリ
ルアミド系単量体、スチレン,α−メチルスチレン,p
−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム,カリウム
塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリド
ンなど、また、ブタジエン,イソプレン,クロロプレン
などのジエン系単量体が挙げられ、これらは単独あるい
は、二種以上混合して用いられる。
【0011】上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ビ
ニルエステル,(メタ)アクリル酸エステル,スチレン
およびジエン系単量体が好ましく、特にビニルエステ
ル,エチレンとビニルエステルとの併用および(メタ)
アクリル酸エステルが好適である。上記(A)成分であ
る水性エマルジョンは、前述したカルボキシル基変性ポ
リビニルアルコールの水溶液を分散剤に用いて、重合開
始剤の存在下に、上記エチレン性不飽和単量体を一時又
は連続的に添加して、該エチレン性不飽和単量体を乳化
重合することにより得られる。また、エチレン性不飽和
単量体を、予めカルボキシル基変性ポリビニルアルコー
ル水溶液を用いて乳化したものを、連続的に重合反応系
に添加する乳化重合法も採用できる。該カルボキシル基
変性ポリビニルアルコールの使用量は、エチレン性不飽
和単量体の重合体100重量部に対して1〜15重量
部、好ましくは2〜12重量部の範囲である。該使用量
が1重量部より少ない場合および15重量部を超える場
合には、重合安定性が低下したり、得られる皮膜の湿潤
強度および耐水性などが低下する。なお、本発明の組成
物において、(A)成分として用いられる水性エマルジ
ョンにおける分散剤としては、カルボキシル基変性ポリ
ビニルアルコールが用いられるが、必要に応じて、従来
公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界
面活性剤や、ポリビニルアルコール系重合体、ヒドロキ
シエチルセルロースなどを併用することもできる。
【0012】本発明の組成物において、(B)成分とし
て用いられるポリアミドとエポキシ基含有化合物との反
応物としては、(A)成分である水性エマルジョンと架
橋反応を起こすものが好ましく、水性エマルジョンの分
散剤であるカルボキシル基変性ポリビニルアルコールの
カルボキシル基と反応するものがより好ましい。(B)
成分の具体例としては、ポリアミドとグリシジル基含有
化合物との反応物がさらに好ましく、ポリアミドとエピ
クロルヒドリンとの反応物であるポリアミドエピクロル
ヒドリンが特に好ましい。
【0013】ここでポリアミドエピクロルヒドリンと
は、アルキルポリアミン化合物とアルキルジカルボン酸
との縮合反応で得られるポリアミド樹脂にエピクロルヒ
ドリンを作用させて、第四級化した水溶性樹脂であり、
例えばアジピン酸とジエチレントリアミンとから得られ
たポリアミドにエピクロルヒドリンを作用させたものな
どが挙げられる。上記(B)成分であるポリアミドとエ
ポキシ基含有化合物との反応物の重合度については、特
に制限はないが、濃度10重量%水溶液の温度25℃に
おけるブルックフィールド型粘度(B型粘度)が、好ま
しくは5〜10,000mPas・s(ミリパスカル
秒)、より好ましくは10〜5,000mPas・s、さ
らに好ましくは10〜1,000mPas・sの範囲にあ
るのがよい。該ポリアミドとエポキシ基含有化合物との
反応物の官能基含有量については、特に制限はないが、
0.01〜1モル/100gの範囲が好ましく、0.03〜
0.5モル/100gの範囲がより好ましい。
【0014】本発明のエマルジョン組成物を調製するに
は、各種の方法があるが、一般には上記(B)成分であ
るポリアミドとエポキシ基含有化合物との反応物をその
まま、または水溶液として、あるいは適当な水溶性溶剤
に溶解させてから、(A)成分である水性エマルジョン
に添加,混合することによって調製する。なお、その際
の(B)成分の添加量は、該エマルジョンの固形分10
0重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲が好まし
く、0.2〜15重量部の範囲がより好ましい。該(B)
成分の添加量が0.1重量部未満では、本発明の効果、す
なわち皮膜の湿潤強度,耐水性,耐熱水性,耐熱性が不
充分となりやすく、また添加量が30重量%を超えると
エマルジョンとの混合安定性の低下や、ポットライフの
短縮,耐水性の低下などが生じる場合があり好ましくな
い。
【0015】本発明のエマルジョン組成物は、基本的に
は上記(A)成分である水性エマルジョンと(B)成分
であるポリアミドとエポキシ基含有化合物との反応物
らなるが、さらに必要に応じて、でんぷん,変性でんぷ
ん,酸化でんぷん,アルギン酸ソーダ,カルボキシメチ
ルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセ
ルロース,無水マレイン酸/イソブテン共重合体,無水
マレイン酸/スチレン共重合体,無水マレイン酸/メチ
ルビニルエーテル共重合体などの水溶性高分子化合物や
尿素/ホルマリン樹脂,尿素/メラミン/ホルマリン樹
脂,フェノール/ホルマリン樹脂などの一般に接着剤と
して使用されている熱硬化性樹脂もそれぞれ適宜使用す
ることができる。さらに、本発明のエマルジョン組成物
には、クレー,カオリン,タルク,炭酸カルシウム,木
粉などの充填剤、小麦粉などの増量剤、ホウ酸,硫酸ア
ルミニウムなどの反応促進剤、酸化チタンなどの顔料あ
るいはその他、防腐剤,防錆剤などの各種添加剤をも適
宜添加することができる。
【0016】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお以下の実施例及び比較例におい
て「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を
意味する。また、組成物のポットライフ,皮膜の湿潤引
張強度,皮膜の耐水性,耐熱水性および耐熱性は下記の
要領で測定した。 (1)ポットライフ 組成物を蓋付容器に入れ20℃に放置した場合のゲル化
時間(組成物の流動性がなくなるまでの時間)を測定し
た。 (2)皮膜の湿潤引張強度 組成物をガラス板上に流延し、50℃で乾燥することに
より、厚さ0.5mmの皮膜を形成させた。この皮膜を20
℃の水中に24時間浸漬した後、皮膜を水から引上げ、
乾燥させないでそのまま、オートグラフ(島津製作所
製)を用いて、引張速度100mm/分で最大強度を測定
した。 (3)皮膜の耐水性 上記(2)のようにして得られた皮膜を、30℃の水中
に24時間浸漬した後、皮膜を水から引き上げてから表
面の水を濾紙で拭い重量変化を求め、次式により膨潤度
を算出した。 膨潤度=(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/浸漬前の重
量 (4)皮膜の耐熱水性 上記(2)のようにして得られた皮膜を100℃の熱水
中に1時間浸漬し、変化を肉眼で調べた。 (5)皮膜の耐熱性 上記(2)のようにして得られた皮膜の先端に、断面1
mm2 当たり10gの錘をつけ、外気を1分間に5℃ずつ
上昇させ、皮膜が軟化して錘が落下する温度を測定し
た。
【0017】実施例1 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、水400g,カルボキ
シル基変性ポリビニルアルコール(重合度1750,け
ん化度87.5モル%,イタコン酸1モル%ランダム共重
合変性)24gを仕込み、95℃で完全に溶解した。次
に、このポリビニルアルコール水溶液を冷却、窒素置換
後、140rpmで攪拌しながら酢酸ビニル400gを
仕込み、60℃に上昇したのち、過酸化水素/ロンガリ
ットのレドックス開始剤系の存在下で重合を行った。2
時間で重合は終了し、重合率99.8%,固形分濃度50.
4%,粘度2900mPas・sの安定なポリ酢酸ビニ
ルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの固形分
100部に対して、可塑剤としてジブチルフタレート1
0部を添加し、さらにポリアミドエピクロルヒドリン
(WS−525,日本PMC社製)1部を混合して組成
物を調製した。上記組成物のポットライフ,皮膜の湿潤
引張強度,皮膜の耐水性,耐熱水性および耐熱性を求め
た。その結果を第1表に示す。
【0018】比較例1 実施例1で調製したポリ酢酸ビニルエマルジョンに、
リアミドエピクロルヒドリンを添加しなかったこと以外
は、実施例1と同様にして組成物を調製し、評価した。
その結果を第1表に示す。
【0019】比較例2〜4 実施例1において、ポリアミドエピクロルヒドリンの代
わりに、塩化アルミニウム(比較例2),ジフェニルメ
タンジイソシアネート(比較例3)およびグリオキザー
ル(比較例4)をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同
様にして組成物を調製し、評価した。その結果を第1表
に示す。
【0020】比較例5 実施例1において、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コール80gを用いた以外は、実施例1と同様にして酢
酸ビニルの乳化重合を行った。その結果、重合率99.8
%,固形分濃度51.0%および粘度13000mPas
・sの安定なポリ酢酸ビニルエマルジョンが得られた。
このエマルジョンを用いて、実施例1と同様にして組成
物を調製し、評価した。その結果を第1表に示す。
【0021】比較例6 実施例1において、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コールの代わりに無変性ポリビニルアルコール(重合度
1750,けん化度87.5モル%)を用いた以外は、実
施例1と同様にして酢酸ビニルの乳化重合を行った。そ
の結果、重合率99.8%,固形分濃度50.4%および粘
度2800mPas・sの安定なポリ酢酸ビニルエマル
ジョンが得られた。このエマルジョンの固形分100部
に対して、ジブチルフタレート10部およびカルボキシ
ル基変性ポリビニルアルコール(イタコン酸1モル%ラ
ンダム共重合変性,重合度1750,けん化度87.5モ
ル%)6部を後添加し、さらにポリアミドエピクロルヒ
ドリン(WS−525,日本PMC社製)1部を配合し
て組成物を調製し、評価した。その結果を第1表に示
す。
【0022】比較例7 比較例6において、ポリアミドエピクロルヒドリン1部
の代わりにポリアミドエピクロルヒドリン(WS−52
5,日本PMC社製)1部とキトサン(OTS,大日精
化社製)2.5部を用いた以外は、比較例6と同様にして
組成物を調製し、評価した。その結果を第1表に示す。
【0023】比較例8 比較例6において、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コールを後添加しなかったこと以外は、比較例6と同様
にして組成物を調製し、評価した。その結果を第1表に
示す。
【0024】比較例9 比較例6において、ポリアミドエピクロルヒドリン1部
の代わりにジフェニルメタンジイソシアネート1部を用
いた以外は、比較例6と同様にして組成物を調製し、評
価した。その結果を第1表に示す。
【0025】比較例10 比較例6において、ポリアミドエピクロルヒドリン1部
の代わりにジフェニルメタンジイソシアネート1部と塩
化アルミニウム0.3部を用いた以外は、比較例6と同様
にして組成物を調製し、評価した。その結果を第1表に
示す。
【0026】
【表1】
【0027】注1)単量体100重量部に対する重量部
である。 2)固形分100重量部に対する重量部である。 3)IA−PVA:イタコン酸(1モル%)ランダム共
重合変性ポリビニルアルコール,重合度1750,けん
化度87.5モル% 4)無変性PVA:重合度1750,けん化度87.5モ
ル%
【0028】
【表2】
【0029】実施例2 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、水400g,末端にチ
オール基を有するカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ール(重合度500,けん化度88.2モル%,イタコン
酸1モル%ランダム共重合変性,〔SH〕濃度:5×1
-5モル/g−ポリビニルアルコール)28gを仕込
み、95℃で完全に溶解した。次に、このポリニルアル
コール水溶液を冷却後、希硫酸でpHを4.0に調整し、
窒素置換を行い、140rpmで攪拌しながら、メタク
リル酸メチル80gとアクリル酸n−ブチル80gを仕
込み、70℃に上昇したのち、5%過硫酸アンモニウム
水溶液5gを添加して重合を開始した。その後、メタク
リル酸メチル120gとアクリル酸n−ブチル120g
を2時間かけて逐次添加した。4時間で重合は完了し、
重合率99.9%,固形分濃度51.5%,粘度900mP
as・sの安定なポリ(メタクリル酸メチル/アクリル
酸ブチル)共重合体エマルジョンが得られた。このエマ
ルジョンを用いて、実施例1と同様(但し、可塑剤であ
るジブチルフタレートは添加せず。以下の実施例3およ
び4、ならびに比較例11〜15においても同じ。)に
して、エマルジョン固形分100部に対して、ポリアミ
ドエピクロルヒドリン(WS−525,日本PMC社
製)1部を添加混合して、組成物を調製し、評価した。
その結果を第2表に示す。
【0030】比較例11 実施例2において、ポリアミドエピクロルヒドリンを添
加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして組成物
を調製し、評価した。その結果を第2表に示す。
【0031】比較例12 実施例2において、末端チオール基変性ポリビニルアル
コール(重合度500,けん化度88.2モル%,〔S
H〕濃度:5.0×10-5モル/g−ポリビニルアルコー
ル)を用いた以外は、実施例2と同様にして、メタクリ
ル酸メチルとアクリル酸n−ブチルの乳化重合を行っ
た。得られたエマルジョンは重合率99.9%、固形分濃
度51.4%および粘度850mPas・sの安定なポリ
(メタクリル酸メチル/アクリル酸n−ブチル)共重合
体エマルジョンであった。このエマルジョンを用いた以
外は、実施例2と同様にしてポリアミドエピクロルヒド
リン1部を添加混合して組成物を調製し、評価した。そ
の結果を第2表に示す。
【0032】比較例13 実施例2において、末端チオール基を有するカルボキシ
ル基変性ポリビニルアルコールの代わりに、非イオン性
乳化剤(ノニポール200,三洋化成社製)16gを用
いた以外は、実施例2と同様にしてポリ(メタクリル酸
メチル/アクリル酸n−ブチル)共重合体エマルジョン
を得た。このエマルジョンは重合率99.9%、固形分濃
度51.4%および粘度25mPas・sの安定なもので
あった。このエマルジョンの固形分100部に対して、
カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(重合度50
0,けん化度88.0モル%,イタコン酸1モル%変性)
7部を添加し、さらに実施例2と同様のポリアミドエピ
クロルヒドリン1部を添加混合して組成物を調製し、評
価した。その結果を第2表に示す。
【0033】実施例3 末端にチオール基を有するカルボキシル基変性ポリビニ
ルアルコール(重合度300,けん化度96.0モル%,
イタコン酸1モル%ランダム共重合変性,〔SH〕濃
度:7×10-5モル/g−ポリビニルアルコール)12
gをイオン交換水290g中で加熱溶解し、それを窒素
吹込口および温度計を備えた耐圧オートクレーブ中に仕
込んだ。希硫酸でpH4.0に調整した後、スチレン16
5gを仕込み、次いで耐圧計量器よりブタジエン135
gを仕込み、70℃に昇温後、2%過硫酸カリウム水溶
液10gを圧入して重合を開始した。内圧は4.8kg/cm
2 Gから重合の進行とともに低下し、15時間後に0.4
kg/cm2 Gに低下した。重合率を測定したところ99.2
%であった。得られたエマルジョンをアンモニア水でp
H6.0とし、固形分濃度49.0%および粘度2000m
Pas・sの安定なポリ(スチレン−ブタジエン)共重
合体エマルジョンを得た。このエマルジョンの固形分1
00部に対して、実施例1と同様にしてポリアミドエピ
クロルヒドリン(WS−525,日本PMC社製)1部
を添加して組成物を調製し、評価した。その結果を第2
表に示す。
【0034】比較例14 実施例3において、ポリアミドエピクロルヒドリンを添
加しなかったこと以外は、実施例3と同様にして組成物
を調製し、評価した。その結果を第2表に示す。
【0035】実施例4 カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(重合度17
50,けん化度86.5モル%,イタコン酸2モル%ラン
ダム共重合変性)12gをイオン交換水290gに加熱
溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備えた耐圧オ
ートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に調整
後、酢酸ビニル300gを仕込み、次いで、エチレンを
45kg/cm2 Gまで昇圧した(エチレンの反応量は60
gに相当する)。温度を60℃まで昇温後、過酸化水素
−ロンガリット系レドックス開始剤で重合を開始した。
2時間後、残存酢酸ビニル濃度が0.7%となったところ
で重合を終了した。固形分濃度52.5%,粘度3200
mPas・sの安定なポリ(酢酸ビニル−エチレン)共
重合体エマルジョンが得られた。このエマルジョンの固
形分100部に対して実施例1と同様にしてポリアミド
エピクロルヒドリン(WS−525,日本PMC社製)
1部を添加して組成物を調製し、評価した。その結果を
第2表に示す。
【0036】比較例15 実施例4において、ポリアミドエピクロルヒドリンを添
加しなかったこと以外は、実施例4と同様にして組成物
を調製し、評価した。その結果を第2表に示す。
【0037】
【表3】
【0038】注1)単量体100重量部に対する重量部
である。 2)固形分100重量部に対する重量部である。 3)IA−SH−PVA:末端にチオール基を有し、イ
タコン酸(1モル%)ランダム共重合変性ポリビニルア
ルコール,重合度500,けん化度88.2モル%,〔S
H〕5×10-5モル/g−PVA 4)SH−PVA:末端チオール基変性ポリビニルアル
コール,重合度500,けん化度88.2モル%,〔S
H〕5.0×10-5モル/g−PVA 5)IA−PVA:イタコン酸(1モル%)ランダム共
重合変性ポリビニルアルコール,重合度500,けん化
度88.0モル% 6)IA−SH−PVA:末端にチオール基を有し、イ
タコン酸(1モル%)ランダム共重合変性ポリビニルア
ルコール,重合度300,けん化度96.0モル%,〔S
H〕7×10-5モル/g−PVA 7)IA−PVA:イタコン酸(2モル%)ランダム共
重合変性ポリビニルアルコール,重合度1750,けん
化度86.5モル% モノマーの記号の意味 MMA : メタクリル酸メチル n−BA: アクリル酸n−ブチル St : スチレン Bu : ブタジエン Et : エチレン VAc : 酢酸ビニル
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】本発明のエマルジョン組成物は、ポット
ライフが長い上、塗布後水分を蒸発させて得られる皮膜
の湿潤強度が高く、かつ該皮膜の耐水性,耐熱水性およ
び耐熱性が得られたものである。したがって、本発明の
エマルジョン組成物は、例えば塗料,接着剤,繊維加工
剤,紙加工剤などに幅広く、かつ有効に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 均 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 昭57−187335(JP,A) 特開 平1−146976(JP,A) 特開 昭58−29845(JP,A) 特開 昭57−94002(JP,A) 特開 昭55−131001(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08F 2/18 - 2/30

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体100重量部
    を、分散剤としてのカルボキシル基変性ポリビニルアル
    コール1〜15重量部の存在下に乳化重合して得られる
    水性エマルジョン(A)および前記水性エマルジョンの
    固形分100重量部に対し0.1〜30重量部のポリア
    ミドとエポキシ基含有化合物との反応物(B)からなる
    エマルジョン組成物。
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