JPH09241466A - 乳化重合用分散安定剤 - Google Patents

乳化重合用分散安定剤

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JPH09241466A
JPH09241466A JP5743796A JP5743796A JPH09241466A JP H09241466 A JPH09241466 A JP H09241466A JP 5743796 A JP5743796 A JP 5743796A JP 5743796 A JP5743796 A JP 5743796A JP H09241466 A JPH09241466 A JP H09241466A
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polyvinyl alcohol
mol
emulsion
vinyl
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Masato Nakamae
昌人 仲前
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 平均ケン化度が80モル%以下であり、
カルボキシル基含有単量体単位の含有量が0.1〜20
モル%のカルボキシル基変性ポリビニルアルコールから
なる乳化重合用分散安定剤。 【効果】 本発明の乳化重合用分散安定剤を用いると、
皮膜の耐水性の高い水性エマルジョンが得られる。本発
明の乳化重合用分散安定剤を用いて得られる水性エマル
ジョンは、例えば塗料,接着剤,繊維加工剤,紙加工剤
などに幅広く、かつ有効に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乳化重合用分散安定
剤に関する。さらに詳しくは、耐水性に優れる水性エマ
ルジョンが得られる乳化重合用分散安定剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコールを保護コロイド
(分散安定剤)に用いて製造したエマルジョンは、古く
から塗料,接着剤,繊維加工剤,紙加工剤などの多くの
用途で賞用されている。しかし、ポリビニルアルコール
は、水溶性であるため、上記エマルジョンから水分を蒸
発させて得られる皮膜は水に膨潤しやすい上、その皮膜
を水に浸漬した場合には、ポリビニルアルコールが溶出
しやすく、耐水性が不充分である。さらに、この皮膜を
水に入れて煮沸すると、膨潤や溶出が促進され、皮膜は
その原形をとどめなくなる。
【0003】このようなことから、今までに、ポリビニ
ルアルコール系重合体を分散安定剤とするエマルジョン
から得られる皮膜の耐水性を高めるために、種々の手段
が試みられてきた。その代表例としては、ポリビニルア
ルコールの耐水化剤(架橋剤)を配合する方法や、乳化
分散安定剤として使用するポリビニルアルコールにアセ
トアセチル基等の架橋性基を導入する方法がある。しか
しながら、いずれも皮膜の耐水性を発現するために架橋
(化学)反応を伴うものであり、耐水性は向上するが、
ポットライフの短縮や作業性の低下等の問題を抱えてい
た。また、高ケン化度のポリビニルアルコールを用いる
と、ある程度皮膜の耐水性は高くなるが、乳化重合時の
安定性低下や低温時の経時増粘の問題がある。
【0004】さらに、特公平1−27082号および特
公平1−27083号には特定のカルボキシル基変性量
と特定のケン化度を有するカルボキシル基変性ポリビニ
ルアルコールを乳化重合分散安定剤に用いるビニル化合
物の乳化重合方法が開示されている。しかしながら、こ
れらの公報に開示されているカルボキキシル基変性量及
びケン化度の範囲内においては、構造粘性指数が小さく
粘度安定性の良好なエマルジョンが得られるが、皮膜の
耐水性が発現しないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、乳化重合時の安定性や粘度経時変化が少
なく、皮膜の耐水性が高いエマルジョンを得ることがで
きる乳化重合用分散安定剤を提供することを目的として
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の好
ましい性質を有する乳化重合用分散安定剤を開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、平均ケン化度が80モル%以下
であり、カルボキシル基含有単量体単位の含有量が0.
1〜20モル%のカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ールからなる乳化重合用分散安定剤を見出し、本発明を
完成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において乳化重合用分散安
定剤として使用される平均ケン化度が80モル%以下で
あり、カルボキシル基含有単量体単位の含有量(以下、
カルボキシル基含有量と略記する)が0.1〜20モル
%のカルボキシル基変性ポリビニルアルコールは、分子
内にカルボキシル基を有する変性ポリビニルアルコール
であれば特に制限はないが、通常は、酢酸ビニルに代表
されるビニルエステル系単量体を、アクリル酸,メタク
リル酸,(無水)フタル酸,(無水)マレイン酸,(無
水)イタコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸(好
ましくはエチレン性不飽和ジカルボン酸)と共重合した
後、けん化したもの(ランダム共重合体)か、末端にチ
オール基を有するポリビニルアルコール系重合体の存在
下、上記エチレン性不飽和カルボン酸をラジカル重合し
たもの(ブロック共重合体)が好適に用いられる。な
お、上記のビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニ
ル以外に、ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサチ
ック酸ビニル,ピバリン酸ビニルなどを用いることも可
能である。
【0008】カルボキシル基変性ポリビニルアルコール
の重合度については特に制限はないが、50〜3000
の範囲が好ましく、100〜2000の範囲がより好ま
しい。また、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール
のケン化度は80モル%以下であることが必要があり、
水溶性の観点から50〜80モル%が好ましく、60〜
78モル%が特に好ましい。ケン化度が80モル%を越
える場合には、目的とする皮膜の耐水性が発現しない。
さらに、カルボキシル基含有量については、0.1〜2
0モル%の範囲であることが必要であり、0.2〜15
モル%の範囲がより好ましく、0.5〜10モル%の範
囲が特に好ましい。カルボキシル基含有量が0.1モル%
未満では、カルボキシル基変性ポリビニルアルコールの
水溶性が低下し、重合安定性の確保が困難となる。一
方、カルボキシル基含有量が20モル%を超えると、安
定なエマルジョンを得ることが困難となる上、本発明の
効果である皮膜の耐水性が発現しない。
【0009】また、本発明におけるカルボキシル基変性
ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範
囲で、共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合す
ることもできる。このようなエチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、エチレン,イソブチレン,アクリロニ
トリル,メタクリロニトリル,アクリルアミド,メタク
リルアミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3−
ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド,エチルビ
ニルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピロ
リドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化
ビニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレ
ン,ビニルスルホン酸ナトリウム,アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。また、チオール酢酸,メル
カプトプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、酢
酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、エチレン性
不飽和カルボン酸と共重合し、それをけん化することに
よって得られる末端変性物も用いることができる。
【0010】次に、本発明の乳化重合用分散安定剤を用
いて得られるの水性エマルジョンの分散質を構成する重
合体は、エチレン性不飽和単量体の重合体であり、各種
のものがある。この重合体の原料であるエチレン性不飽
和単量体の好ましい例としては、エチレン,プロピレ
ン,イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル,フッ
化ビニル,ビニリデンクロリド,ビニリデンフルオリド
などのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル,酢酸ビニ
ル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニルなどの
ビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アク
リル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ドデシル,アク
リル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタ
クリル酸ドデシル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
などのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこ
れらの四級化物、さらには、アクリルアミド,メタクリ
ルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジ
メチルアクリルアミド,アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリ
ルアミド系単量体、スチレン,α−メチルスチレン,p
−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム,カリウム
塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリド
ン、ブタジエン,イソプレン,クロロプレンなどのジエ
ン系単量体が挙げられ、これらは単独あるいは、二種以
上混合して用いられる。
【0011】上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ビ
ニルエステル,(メタ)アクリル酸エステル,スチレン
およびジエン系単量体が好ましく、特にビニルエステ
ル,エチレンとビニルエステルとの併用および(メタ)
アクリル酸エステルが好適である。本発明の乳化重合用
分散安定剤を用いた上記エチレン性不飽和単量体の乳化
重合方法は特に制限はないが、前述したカルボキシル基
変性ポリビニルアルコールの水溶液を分散安定剤に用い
て、重合開始剤の存在下に、上記のエチレン性不飽和単
量体を一時又は連続的に添加することにより行われる。
また、エチレン性不飽和単量体を、予めカルボキシル基
変性ポリビニルアルコール水溶液を用いて乳化したもの
を、連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用で
きる。本発明の乳化重合用分散安定剤であるカルボキシ
ル基変性ポリビニルアルコールの使用量は、エチレン性
不飽和単量体の重合体100重量部に対して1〜25重
量部、好ましくは2〜15重量部の範囲である。該使用
量が1重量部より少ない場合および20重量部を超える
場合には、乳化重合安定性が低下したり、皮膜の耐水性
が低下する。なお、本発明の乳化重合用分散安定剤に
は、必要に応じて、従来公知のアニオン性、ノニオン性
あるいはカチオン性の界面活性剤や、通常のポリビニル
アルコール系重合体、ヒドロキシエチルセルロースなど
を併用することもできる。
【0012】本発明の乳化重合用分散安定剤を用いて得
られる水性エマルジョンは、そのまま一液型としても使
用されるが、そのエマルジョン粒子に導入されたカルボ
キシル基を利用し、各種架橋剤との併用による二液型と
しても使用できる。その場合の架橋剤としては、カルボ
キシル基と反応するものであれば特に制限はないが、例
えば、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、エポキシ系
架橋剤、アジリジン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤等
が挙げられる。また、該水性エマルジョンには、さらに
必要に応じて、でんぷん,変性でんぷん,酸化でんぷ
ん,アルギン酸ソーダ,カルボキシメチルセルロース,
メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,無水
マレイン酸/イソブテン共重合体,無水マレイン酸/ス
チレン共重合体,無水マレイン酸/メチルビニルエーテ
ル共重合体などの水溶性高分子化合物や尿素/ホルマリ
ン樹脂,尿素/メラミン/ホルマリン樹脂,フェノール
/ホルマリン樹脂などの熱硬化性樹脂もそれぞれ併用す
ることができる。さらに、本発明の乳化重合用分散安定
剤を用いて得られる水性エマルジョンには、クレー,カ
オリン,タルク,炭酸カルシウム,木粉などの充填剤、
小麦粉などの増量剤、ホウ酸,硫酸アルミニウムなどの
反応促進剤、酸化チタンなどの顔料あるいはその他、防
腐剤,防錆剤などの各種添加剤をも適宜添加することが
できる。
【0013】本発明の乳化重合用分散安定剤を用いて得
られる水性エマルジョンは、耐水性が高いという特徴を
生かして、木工用接着剤、紙工用接着剤、塗料、繊維処
理剤等の各種用途において用いられる。
【0014】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお以下の実施例及び比較例におい
て「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を
意味する。なお、皮膜の耐水性は下記の要領で評価し
た。
【0015】(耐水性の評価) (1)皮膜の耐水性 得られた水性エマルジョンを20℃65%RH下で、P
ETフィルム上に流延し、7日間乾燥させて500μm
の乾燥皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜
き、それを試料として20℃の水に24時間浸漬した場
合の、皮膜の吸水率および溶出率を求めた。 (2)耐水接着力 得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g
/m2 塗布し、貼り合わせて7kg/cm2 の荷重で1
6時間圧締した。その後、解圧し、20℃,65%RH
下で5日間養生した後、60℃の温水に3時間浸漬し、
ぬれたままの状態で圧縮せん断強度を測定した。
【0016】実施例1 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルのガラス製重合容器に、水400g,カルボ
キシル基変性ポリビニルアルコール(重合度1750,
ケン化度75. 5モル%,イタコン酸2モル%ランダム
共重合変性)30gを仕込み、95℃で完全に溶解し
た。次に、この変性ポリビニルアルコール水溶液を冷却
し、窒素置換後、140rpmで攪拌しながら酢酸ビニ
ル400gを仕込み、60℃に上昇したのち、過酸化水
素/ロンガリットのレドックス開始剤系の存在下で重合
を行った。2時間で重合は終了し、重合率99.8%,固
形分濃度50. 3%,粘度7900mPa・sの安定な
ポリ酢酸ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジ
ョンの固形分100部に対して、可塑剤としてジブチル
フタレート10部を添加し、耐水性を評価した。重合条
件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0017】比較例1 実施例1におけるカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ールの代わりに、重合度1700、ケン化度83.0モ
ル%、イタコン酸2モル%ランダム共重合変性のカルボ
キシル基変性ポリビニルアルコールを用いる以外は実施
例1と同様にした。重合条件を表1に、評価結果を表2
に示す。
【0018】比較例2 実施例1におけるカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ールの代わりに、重合度1700、ケン化度83.0モ
ル%の無変性ポリビニルアルコールを用いる以外は実施
例1と同様にした。重合条件を表1に、評価結果を表2
に示す。
【0019】比較例3 実施例1におけるカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ールの代わりに、重合度1700、ケン化度77.5モ
ル%の無変性ポリビニルアルコールを用いる以外は実施
例1と同様にしたが、乳化重合安定性が悪く水性エマル
ジョンが得られなかった。重合条件を表1に、評価結果
を表2に示す。
【0020】実施例2 実施例1におけるカルボキシル基変性ポリビニルアルコ
ールの代わりに、重合度550、ケン化度71.0モル
%、イタコン酸6モル%ランダム共重合変性のカルボキ
シル基変性ポリビニルアルコールを用いる以外は実施例
1と同様にした。重合条件を表1に、評価結果を表2に
示す。
【0021】実施例3 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルのガラス製重合容器に、水400g,末端に
チオール基を有するカルボキシル基変性ポリビニルアル
コール(重合度500,けん化度73. 2モル%,イタ
コン酸1モル%ランダム共重合変性,〔SH〕濃度5×
10-5モル/g−ポリビニルアルコール)24gを仕込
み、95℃で完全に溶解した。次に、この変性ポリビニ
ルアルコール水溶液を冷却後、希硫酸でpHを4.0に調
整し、窒素置換を行い、140rpmで攪拌しながら、
メタクリル酸メチル80gとアクリル酸n−ブチル80
gを仕込み、70℃に上昇したのち、5%過硫酸アンモ
ニウム水溶液5gを添加して重合を開始した。その後、
メタクリル酸メチル120gとアクリル酸n−ブチル1
20gを2時間かけて逐次添加した。4時間で重合は完
了し、重合率99.9%,固形分濃度51.5%,粘度95
0mPa・sの安定なポリ(メタクリル酸メチル/アク
リル酸ブチル)共重合体エマルジンが得られた。このエ
マルジョンを用いて、実施例1と同様(但し、可塑剤で
あるジブチルフタレートは添加せず)にして耐水性を評
価した。重合条件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0022】比較例4 実施例3におけるカルボキシル変性PVAの代わりに、
重合度500、ケン化度88.2モル%、〔SH〕濃度
5×10-5モル/g−ポリビニルアルコールの末端にチ
オール基を有するポリビニルアルコールを用いて実施例
3と同様にした。重合条件を表1に、評価結果を表2に
示す。
【0023】実施例4 末端にチオール基を有するカルボキシル基変性ポリビニ
ルアルコール(重合度300,けん化度70.0モル
%,マレイン酸モノメチル3モル%ランダム共重合変
性,〔SH〕濃度7×10-5モル/g−ポリビニルアル
コール)15gをイオン交換水290g中で加熱溶解
し、それを窒素吹込口および温度計を備えた耐圧オート
クレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に調整した
後、スチレン165gを仕込み、次いで耐圧計量器より
ブタジエン135gを仕込み、70℃に昇温後、2%過
硫酸カリウム水溶液10gを圧入して重合を開始した。
内圧は4.8kg/cm2 Gから重合の進行とともに低下
し、15時間後に0.4kg/cm2 Gに低下した。重合率
を測定したところ99.4%であった。得られたエマル
ジョンをアンモニア水でpH6.0とし、固形分濃度49.
3%および粘度3500mPa・sの安定なポリ(スチ
レン−ブタジエン)共重合体エマルジョンを得た。この
エマルジョンを用いて、実施例1と同様(但し、可塑剤
であるジブチルフタレートは添加せず)にして耐水性を
評価した。重合条件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0024】比較例5 実施例4におけるカルボキシル変性PVAの代わりに重
合度300、ケン化度82.0モル%、〔SH〕濃度7
×10-5モル/g−ポリビニルアルコールの末端にチオ
ール基を有するポリビニルアルコールを用いて実施例4
と同様にした。重合条件を表1に、評価結果を表2に示
す。
【0025】実施例5 カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(重合度17
50,けん化度75.0モル%,イタコン酸2モル%ラ
ンダム共重合変性)14.4gをイオン交換水290g
に加熱溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備えた
耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に
調整後、酢酸ビニル300gを仕込み、次いで、エチレ
ンを45kg/cm2 Gまで昇圧した(エチレンの仕込量は
60gに相当する)。温度を60℃まで昇温後、過酸化
水素−ロンガリット系レドックス開始剤で重合を開始し
た。2時間後、残存酢酸ビニル濃度が0.7%となったと
ころで重合を終了した。固形分濃度52.5%,粘度3
600mPa・sの安定なポリ(酢酸ビニル−エチレ
ン)共重合体エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンを用いて、実施例1と同様(但し、可塑剤であるジブ
チルフタレートは添加せず)にして耐水性を評価した。
重合条件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0026】比較例6 実施例5におけるカルボキシル変性PVAの代わりに、
重合度1750、ケン化度88.0モル%の無変性ポリ
ビニルアルコールを用いて実施例5と同様にした。重合
条件を表1に、評価結果を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の乳化重合用分散安定剤を用いる
と、皮膜の耐水性の高い水性エマルジョンが得られる。
したがって、本発明の乳化重合用分散安定剤を用いて得
られる水性エマルジョンは、例えば塗料,接着剤,繊維
加工剤,紙加工剤などに幅広く、かつ有効に利用でき
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均ケン化度が80モル%以下であり、
    カルボキシル基含有単量体単位の含有量が0.1〜20
    モル%のカルボキシル基変性ポリビニルアルコールから
    なる乳化重合用分散安定剤。
JP5743796A 1996-03-14 1996-03-14 乳化重合用分散安定剤 Pending JPH09241466A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012188501A (ja) * 2011-03-09 2012-10-04 Denki Kagaku Kogyo Kk ポリクロロプレンラテックス及びその製造方法、並びに水系接着剤
US20180243706A1 (en) * 2015-09-15 2018-08-30 Kuraray Co., Ltd. Crude oil dispersion stabilizer
WO2023171666A1 (ja) * 2022-03-07 2023-09-14 積水化学工業株式会社 変性ポリビニルアルコール樹脂

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