JP2008184494A - 水性分散液およびその製造方法、並びに接着剤およびコーティング剤 - Google Patents

水性分散液およびその製造方法、並びに接着剤およびコーティング剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐水性、耐熱性に優れ、さらに粘度放置安定性に優れた(ポットライフが長い)水性分散液、接着剤およびコーテイング剤の提供。
【解決手段】 (A)エチレン性不飽和単量体およびジエン系不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種以上の単量体単位主成分としカルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる一種以上の架橋性不飽和単量体単位を0.1〜10重量%および多官能エチレン性不飽和単量体単位を0.01〜2重量%含有する重合体微粒子、(B)エチレン単位を1〜10モル%含有し、鹸化度が85.0〜99.5モル%のビニルアルコール系重合体、(C)カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体、(D)架橋剤からなりる水性分散液とその製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は水性分散液およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の不飽和単量体単位および多官能エチレン性不飽和単量体単位を含む重合体微粒子、特定量のエチレン単位と鹸化度を有するビニルアルコール系重合体、カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体および架橋剤からなる水性分散液とその製造方法に関する。本発明の水性分散液は、耐水性、耐熱性および粘度放置安定性に優れる(ポットライフが長い)ので、接着剤やコーティング剤として好適である。
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)は、エチレン性不飽和単量体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられており、これを保護コロイドとして乳化重合して得られるビニルエステル系水性分散液(以下、水性分散液をエマルジョンということがある)は、紙用、木工用およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用、不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工、繊維加工などの分野で広く用いられている。
このような水性分散液は、乾燥条件下においては強固な機械強度を有する皮膜を形成することで上記各種用途において効果を発揮するものの、高湿度あるいは水湿潤条件においては皮膜中で連続相を形成するPVAが水溶性であるためにPVAの溶出や吸水が大きく、機械強度が顕著に低下するという問題と、熱可塑性樹脂を主成分とするために耐熱性が不十分であり、高温化における機械的強度が低下するという問題がある。
このようなことから、これまで、PVAを分散剤とするエマルジョンから得られる皮膜
の耐水性、耐熱性を高めるために、種々の方法が試みられてきた。その代表例としては
、PVAを分散剤とするエマルジョンに多価イソシアネート化合物を配合する方法が知ら
れている。この方法では、イソシアネートがPVAの水酸基等と強固に反応するために顕
著な耐水性が発現するが、一方で、イソシアネートは水と反応するため、組成物のポット
ライフが非常に短く、作業性に問題がある。
また、PVA系重合体を分散剤とする水性エマルジョンを用いた種々の接着剤が提案されている。例えば、(1)PVAを分散剤とした水性エマルジョン、およびグリオキザールなどの脂肪族アルデヒドからなる接着剤(特許文献1)、(2)PVA、水性エマルジョン、架橋剤、およびキトサンなどのアミノ化合物からなる接着剤(特許文献2)、(3)PVA、水性エマルジョン、塩化アルミニウムなどの架橋剤ならびに多価イソシアネート化合物からなる接着剤(特許文献3)、(4)炭素数4以下のα−オレフィン単位を有するPVAを分散剤とするエマルジョンを主成分とする接着剤(特許文献4)、(5)カルボキシル基変性PVA存在下に乳化重合して得られるエマルジョン、ポリアミドとエポキシ基含有化合物との反応物からなる組成物(特許文献5)、(6)分子内にα−オレフィン単位を有するPVA系重合体とカルボキシル基を有するPVA系重合体を分散剤とする水性エマルジョン、エポキシ化合物、アミノ基含有水性樹脂、アルミニウム化合物およびチタン化合物から選ばれる耐水化剤からなる組成物(特許文献6)などが知られている。
特開昭55−94937号公報 特開平3−45678号公報 特公昭57−16150号公報 特許第3466316号公報 特許第3311086号公報 特開2001−40231号公報
しかしながら、(1)、(2)、(4)、(5)および(6)に開示された接着剤においては、耐水性の改善が認められるものの、耐熱性は必ずしも十分ではない。また(3)の接着剤はポットライフが短く、作業性に問題がある。したがって、高度な耐水性、耐熱性、ポットライフを満足する水性分散液、それを用いた接着剤およびコーティング剤は現在の技術レベルでは存在しないといっても過言ではなく、なお一層の改良が望まれている。
本発明は、このような事情のもとで、耐水性、耐熱性およびポットライフの全てにおいて優れる水性分散液およびその製造方法、並びに接着剤およびコーティング剤を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、このような目的を達成する水性分散液として、特定の架橋性不飽和単量体単位を含む重合体微粒子、エチレン単位を有するPVA系重合体、カルボキシル基を有するPVA系重合体および架橋剤を含み、これらを特定の組成比で有する水性分散液について先に特願2005−203788として特許出願した。この水性分散液は、前記した好ましい性質を有するものであり、接着剤やコーティング剤として今後有望な水性分散液である。
本発明者らは、水性分散液についてさらに検討を重ねた結果、特定の架橋性不飽和単量体単位および多官能エチレン性不飽和単量体単位を含む重合体微粒子、特定量のエチレン単位と鹸化度を有するビニルアルコール系重合体、カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体、および架橋剤からなる水性分散液によっても上記目的を達成できることを見出し本発明に至った。すなわち本発明は、(A)エチレン性不飽和単量体およびジエン系不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種以上の単量体単位主成分としカルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる一種以上の架橋性不飽和単量体単位を0.1〜10重量%および多官能エチレン性不飽和単量体単位を0.01〜2重量%含有する重合体微粒子、(B)エチレン単位を1〜10モル%含有し、鹸化度が85.0〜99.5モル%のビニルアルコール系重合体、(C)カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体、(D)架橋剤からなり、(B)/(C)=90/10〜10/90(固形分重量比)、(A)/{(B)+(C)}=99/1〜80/20(固形分重量比)、{(A)+(B)+(C)}/(D)=99.9/0.1〜90/10(固形分重量比)である水性分散液である。
本発明の別の発明は、このような水性分散液からなる接着剤である。また、本発明の別の発明は、このような水性分散液からなるコーティング剤である。
さらに本発明の別の発明は、エチレン単位を1〜10モル%含有し、鹸化度が85.0〜99.5モル%のビニルアルコール系重合体とカルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体を分散安定剤とし、エチレン性不飽和単量体およびジエン系不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種以上の単量体、カルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の架橋性不飽和単量体および多官能エチレン性不飽和単量体からなる単量体を分散質として乳化重合して得た水性分散液に、架橋剤を配合することを特徴とする水性分散液の製造方法である。
本発明により、架橋性不飽和単量体単位と多官能エチレン性不飽和単量体単位を含む重合体微粒子、特定量のエチレン単位と鹸化度を有するビニルアルコール系重合体、カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体および架橋剤からなる水性分散液とその製造方法を提供することができる。このような水性分散液は、高い耐水性、耐熱性、および優れたポットライフを有しており、高性能な接着剤およびコーティング剤として好適に用いられる。
本発明の水性分散液における重合体微粒子(A)は、エチレン性不飽和単量体およびジエン系不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種以上の単量体単位を主成分としカルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドおよびアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の架橋性不飽和単量体単位を0.1〜10重量%および多官能エチレン性不飽和単量体単位を0.01〜2重量%含有する。
ここで重合体微粒子を主として構成するエチレン性不飽和単量体単位およびジエン系単量体単位としては各種のものが使用できるが、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体が挙げられる。
また、ビニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン基を有する架橋性不飽和単量体、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有する架橋性不飽和単量体、ビニルオキサゾリン、2−プロペニル−2−オキサゾリンなどのオキサゾリン基を有する架橋性不飽和単量体なども本発明の性能を損なわない範囲で使用することができる。
上記不飽和単量体の中でも、ビニルエステル系単量体、エチレンとビニルエステル系単量体およびビニルエステルと(メタ)アクリル酸エステル系単量体の併用が好適であり、工業的な観点から、ビニルエステル系単量体単位としては酢酸ビニルが特に好ましい。
さらに、本発明において、重合体微粒子(A)を構成するカルボキシル基を有する不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマール酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、ケイ皮酸などが用いられる。これらは、ナトリウ
ム塩などの中和物、ハーフエステルなどの形態でも使用することができる。
本発明において、重合体微粒子(A)は、カルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドおよびアセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の架橋性不飽和単量体単位を全単量体単位中に0.1〜10重量%含有することが必要であり、好ましくは、0.2〜8重量%、さらに好ましくは0.3〜6重量%である。
架橋性不飽和単量体単位の含有量が0.1重量%未満の場合、得られる架橋性水性分散液を皮膜化した場合に架橋密度が低いために耐水性、耐熱性が十分ではなく、また、この含有量が10重量%を超える場合、得られる水性分散液の分散安定性の低下およびポットライフ低下の問題がある。これらの架橋性不飽和単量体のうちで、カルボキシル基を有する不飽和単量体が好適であり、カルボキシル基を有する不飽和単量体のなかでは、アクリル酸、メタクリル酸が好適である。
本発明において、重合体微粒子(A)は、さらに多官能エチレン性不飽和単量体単位を0.01〜2重量%含有することが必要であり、0.01重量%未満の場合は耐熱性が低下し、また2重量%を超えると水性分散液の安定性が低下する。好ましくは0.15〜1.8重量%、さらに好ましくは0.02〜1.5重量%である。ここで、多官能エチレン性不飽和単量体とは、2個以上のエチレン性不飽和結合を有する単量体であり、各種のものが挙げられる。
このような多官能エチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール(n:2以上)ジアクリレート、1,3―ブタンジオールジアクリレート、1,4―ブタンジオールジアクリレート、1,6―ヘキサンジオールジアクリレート、1,9―ノナンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール(n:2以上)ジアクリレート、エトキシ化トリシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性アクリル系単量体、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール(n:2以上)ジメタクリレート、1,3―ブタンジオールジメタクリレート、1,4―ブタンジオールジメタクリレート、1,6―ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9―ノナンジオールジメタクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール(n:2以上)ジメタクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等の多官能性メタクリル系単量体、ジアリルフタレート、ジアリルテトラブロモフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等の多官能アリル系単量体、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミドなどを例示することができる。
これらの多官能エチレン性不飽和単量体は一種あるいは二種以上で用いられる。中でも、トリアリルシアヌレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミドが耐熱性と分散安定性の点で好ましい。
本発明の水性分散液における重合体微粒子(A)の粒径は、動的光散乱法による測定値で0.05〜10μm程度が好適であり、さらに好適には0.1〜7μmであり、さらに好適には0.1〜5μmである。
本発明においてエチレン単位を1〜10モル%含有し、鹸化度が85.0〜99.5モル%のビニルアルコール系重合体(B)は、ビニルエステルとエチレンとの共重合体を鹸化することにより得ることができる。ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。
本発明において、エチレン単位を有するビニルアルコール系重合体(B)におけるエチレン単位の含有量としては、1〜10モル%であることが必要であり、好ましくは2〜8モル%である。エチレン単位の含有量が1モル%未満の場合には、得られる水性分散液を皮膜化した場合の耐水性が十分ではなく、10モル%を越える場合には、該ビニルアルコール系重合体の水溶性が低下するために、安定な水性分散液が得られない。
また、本発明において、エチレン単位を有するビニルアルコール系重合体(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したものでもよい。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、エチレンと共重合し、それを鹸化することによって得られる末端変性物を用いることもできる。
本発明において、エチレン単位を有するビニルアルコール系重合体(B)の鹸化度は、85.0〜99.5モル%であることが必要であり、より好ましくは88.0モル%〜99.5モル%、さらに好ましくは90.0〜99.5モル%である。鹸化度が85.0モル%未満の場合には、得られる水性分散液を皮膜化した場合の耐水性が十分ではなく、99.5モル%を超える場合には、該ビニルアルコール系重合体の特に低温における水溶液の粘度安定性が低下するために、安定な水性分散液が得られない。
また、該ビニルアルコール系重合体の重合度は、100〜4000の範囲が好ましく、200〜3000がより好ましい。この範囲を外れると、該重合体の工業的な製造に問題がある上、本発明の水性分散液の安定性やその皮膜の耐水性が問題になる場合がある。
本発明において、カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体(C)は、各種の方法により得ることができるが、代表的には特公昭60−31844公報などに記載されているように、ビニルエステルとカルボキシル基を有する不飽和単量体との共重合体を鹸化化することにより得ることができる。ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。
この場合のビニルアルコール系重合体のカルボキシル基含有量は特に制限されないが、通常0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜8モル%、より好ましくは0.25〜7モル%のものが用いられる。ここでカルボキシル基を有する不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などが例示されるが、このうちジカルボン酸およびそのハーフエステルあるいは無水物が好適である。
本発明において、カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体(C)は、本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体単位を含有することができる。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、カルボキシル基を有するエチレン性単量体と共重合し、それを鹸化することによって得られる末端変性物も用いることができる。
本発明において、カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体(C)の鹸化度は、その水溶性および得られる水性分散液の安定性の観点から70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上がより好ましく、85モル%以上がさらに好ましい。
また、該ビニルアルコール系重合体(C)の重合度は、100〜4000の範囲が好ましく、200〜3000がより好ましい。この範囲を外れると、該重合体の工業的な製造に問題がある上、本発明の水性分散液の安定性やその皮膜の耐水性が問題になる場合がある。
本発明において、カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体(C)は、代表的には上記方法により得られるが、その他の方法としては、末端にチオール基を有するビニルアルコール系重合体の水溶液中でアクリル酸等のカルボン酸を有する不飽和単量体を従来公知の開始剤によりラジカル重合して得られるビニルアルコール系重合体とカルボン酸を有する重合体のブロックポリマーや、ビニルアルコール系重合体に従来公知の方法でカルボン酸を有するアルデヒド化合物をアセタール付加させたものが挙げられる。
本発明において、架橋剤(D)は、カルボキシル基および水酸基と架橋反応するものから選ぶことができ、水性分散液中における上記官能基との架橋における架橋反応性とポットライフ等の観点から、メチロール基含有化合物(樹脂)、エポキシ化合物(樹脂)、アジリジン基含有化合物(樹脂)、オキサゾリン基含有化合物(樹脂)、カルボジイミド化合物、アルデヒド化合物(樹脂)、各種水溶性あるいはコロイド性金属塩などを挙げることができる。水溶性エポキシ化合物、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン付加物、尿素−グリオキザール系樹脂、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、チタン塩などが好ましい。
さらに具体的には、架橋性とポットライフの観点から、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン付加物、塩化アルミニウムや硝酸アルミニウム等の水溶性アルミニウム塩、尿素−グリオキザール系樹脂などのグリオキザール系樹脂が挙げられる。これらは二種以上で用いるのが好ましい。とくに、水溶性アルミニウム塩とポリアミドアミンエピクロルヒドリン付加物あるいはグリオキザール系樹脂との併用が高い効果を発揮する。
本発明の水性分散液は、各種の方法によって得ることができるが、エチレン単位を1〜10モル%含有し、鹸化度が85.0〜99.5モル%のビニルアルコール系重合体とカルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体を分散安定剤とし、エチレン性不飽和単量体およびジエン系不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種以上の単量体としカルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の架橋性不飽和単量体および多官能エチレン性不飽和単量体からなる単量体を分散質として乳化重合して得た水性エマルジョンに、架橋剤を配合することによって好ましく製造することができる。
上記の(A)、(B)および(C)を用いた乳化重合方法は、特に制限はなく、従来公知の乳化重合の条件(温度、圧力、攪拌速度等)、単量体の添加方法{初期一括添加、連続添加、単量体プレ乳化液添加(単量体を分散安定剤水溶液に乳化したものを連続添加)等}で、従来公知の開始剤を用いて行うことができる。また、該乳化重合に際し、(B)または(C)のビニルアルコール系重合体のいずれかを分散安定剤にし、(A)の重合体微粒子を構成する単量体の乳化重合を開始し、重合途中あるいは重合終了後に残りの(B)または(C)の水溶液を後添加する手法等も採用できる。
本発明の(A)、(B)、(C)および(D)を含む水性分散液のそれぞれの量的な関係は、固形分重量比で、(B)/(C)=90/10〜10/90である必要があり、好ましくは85/15〜20/80、より好ましくは80/20〜30/70である。この場合、(B)/(C)=90/10よりも(B)が多い場合、十分な架橋が起こらず、水性分散液を皮膜化した場合に耐水性および耐熱性が低下する。また、(B)/(C)=10/90よりも(C)が多い場合には、耐水性や耐熱性の低下と同時にポットライフが悪化する。
また、(B)および(C)のビニルアルコール系重合体と重合体微粒子(A)の含有割合は、固形分重量比で(A)/{(B)+(C)}=99/1〜80/20である必要があり、好ましくは(A)/{(B)+(C)}=98.5/1.5〜87/13、より好ましくは(A)/{(B)+(C)}=98/2〜85/15である。(A)/{(B)+(C)}=99/1よりも(A)が多い場合には、該水性分散液の放置安定性、機械的安定性が低下し、(A)/{(B)+(C)}=80/20よりも(A)が少ない場合には、水性分散液を皮膜化した場合の耐水性および耐熱性が低下すると同時に、ポットライフが悪化する。
さらに、架橋剤(D)の含有割合は、固形分重量比で{(A)+(B)+(C)}/(D)=99.9/0.1〜90/10である必要があり、好ましくは{(A)+(B)+(C)}/(D)=99.8/0.2〜91/9、より好ましくは{(A)+(B)+(C)}/(D)=99.7/0.3〜92/8である。{(A)+(B)+(C)}/(D)=99.9/0.1よりも(D)が少ない場合は、架橋密度の低下により水性分散液を皮膜化した場合の耐水性および耐熱性が充分発現しない。また、{(A)+(B)+(C)}/(D)=90/10よりも(D)が多い場合、水性分散液のポットライフが悪化する。
本発明の架橋性水性分散液には、充填剤を配合することにより、各種接着性、耐水性、耐煮沸水性などを向上させることができる。充填剤としては、有機系または無機系の充填剤を挙げることができる。有機系の充填剤としては、木粉、小麦粉、澱粉などを挙げることができ、無機系充填剤としては、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタンを挙げることができる。なかでも、無機系の充填剤を配合した場合は、耐水性、とくに耐煮沸水性の向上効果が著しく好ましい。本発明の水性分散液と充填剤の配合割合に特に制限はなく、用途、目的によって適宜設定することができるが、充填剤の配合量は、好適には{(A)+(B)}100重量部に対し5〜200重量部、さらに好適には10〜150重量部である。
本発明の架橋性水分散液は、乾燥性、セット性、粘度、造膜性などを調整するために、トルエン、パークレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどの各種有機溶剤、フタル酸ジブチルなどの各種可塑剤、グリコールエーテル類などの各種造膜助剤、エステルでんぷん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、無水マレイン酸/イソブテン共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体、上記(B)以外の各種PVAなどの水溶性高分子、ノニオン、アニオンおよびカチオン性の各種界面活性剤、消泡剤、分散剤、凍結防止剤、防腐剤、防錆剤などの各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例において、「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を意味する。実施例および比較例の架橋性水性分散液の組成および分散安定性をまとめて表1に示す。表1中における記号などは次のとおりである。
*1)括弧内は重量%、*2)括弧内は(A)100重量部当たりの重量部、*3)括弧内は(A)+(B)100重量部当たりの重量部、VAC:酢酸ビニル、Et:エチレン、BA:ブチルアクリレート、St:スチレン、Bd:ブタジエン、AA:アクリル酸、MAA:メタクリル酸、NMA:N−メチロールアクリルアミド、BMA:N−ブトキシメチルメタクリルアミド、AAEM:アセトアセトキシエチルメタクリレート、DAA:ジアセトンアクリルアミド、MBA:メチレンビスアクリルアミド、TAC:トリアリルシアヌレート、EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート、PAEpi:ポリアミドアミンエピクロルヒドリン樹脂、GOX:グリオキザール系樹脂
実施例1
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水350g、PVA−1(エチレン単位の含量4.5モル%、鹸化度98.1モル%、重合度1500)20.7gおよびPVA−2(無水マレイン酸単位の含量2.0モル%、鹸化度97.8モル%、重合度1700)8.9gを仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル36.5g、アクリル酸0.4g、メチレンビスアクリルアミド0.1gを仕込み、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸系のレドックス開始剤により重合を開始した。
重合開始15分後から酢酸ビニル328.9g、アクリル酸3.3g,メチレンビスアクリルアミド0.82gを混合したものを3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度50.0%のポリ酢酸ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの固形分100重量部に対して可塑剤としてジブチルフタレート5部を添加混合し、さらにポリアミドアミンエピクロルヒドリン付加物(星光PMC製、WS−4020、25%水溶液)を2.7部と硝酸アルミニウム2.0部を添加し水性分散液を得た。得られた水性分散液は、凝集・ゲル化もなく高い分散安定性を有しており、皮膜耐水性、耐水接着力およびポットライフ(粘度放置安定性)を以下の要領で評価した。結果を表2に示す。
(水性分散液の評価)
(1)皮膜の耐水性
水性分散液を20℃65%RH下で、PETフィルム上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それを試料として20℃水に24時間浸漬した場合の、皮膜の吸水率%〔{(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/浸漬前の重量}×100〕を求めた。
(2)木材接着力
水性分散液をツガ材(柾目)に150g/m2塗布し、貼り合わ
せて7kg/m2の荷重で16時間圧締した。その後、解圧し、20℃65%RH下で5
日間養生してテストピースを作製し、耐水接着力および耐熱接着力を測定した。
耐水接着力:テストピースを4時間沸騰水中に浸漬し、60℃で20時間乾燥、さらに4時間沸騰水中に浸漬した後、ぬれたままの状態で圧縮せん断強度を測定した。
耐熱接着力:テストピースを100℃の恒温チャンバーに4時間放置し、取り出してすぐに熱い状態で圧縮せん断強度を測定した。
(3)ポットライフ(粘度放置安定性)
架橋性水性分散液を、30℃に放置した場合の30日後の粘度変化を観察した。
実施例2
実施例1において、ポリアミドエピクロルヒドリン付加物を添加しない以外は実施例1と同様に水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例3
実施例1において、硝酸アルミニウムを添加しない以外は実施例1と同様に水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例4
実施例1において、ポリアミドエピクロルヒドリン付加物と硝酸アルミニウムの代わりにグリオキザール系樹脂(クラリアント製、カータボンドTSI,42%水溶液)2.4部を添加する以外は実施例1と同様に水性分散液を得た。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン付加物および硝酸アルミニウムを添加しない以外は実施例1と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例5
実施例1において、アクリル酸18.5g(初期1.9g、逐次添加16.6g)用いる以外は実施例1と同様にして水性分散液を得た。結果を表2に示す。
比較例2
実施例1において、アクリル酸40.7g(初期4.1g、逐次添加36.6g)用いる以外は実施例1と同様にしたが、分散安定性が悪く、凝集体を形成した。
実施例6
実施例1において、メチレンビスアクリルアミド4.5g(初期0.4g、逐次添加4.1g)用いる以外は実施例1と同様にして水性分散液を得た。結果を表2に示す。
比較例3
実施例1において、メチレンビスアクリルアミド8.2g(初期0.8g、逐次添加7.4g)用いる以外は実施例1と同様にしたが、乳化重合中に重合系が不安定となり水分散体が得られなかった。
比較例4
実施例1において、メチレンビスアクリルアミドを用いない以外は実施例1と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
比較例5
実施例1において、アクリル酸を用いない以外は実施例1と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例7
実施例1において、アクリル酸の代わりに同重量のN-メチロールアクリルアミドを用いる以外は実施例1と同様にして水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例8
実施例1において、アクリル酸の代わりに同重量のN-ブトキシメチルメタクリルアミドを用いる以外は実施例1と同様にして架橋性水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例9
実施例1において、アクリル酸の代わりに同重量のアセトアセトキシエチルメタクリレートを用いる以外は実施例1と同様にして水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例10
実施例1において、アクリル酸の代わりに同重量のジアセトンアクリルアミドを用いる以外は実施例1と同様にして水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例11
実施例1において、メチレンビスアクリルアミドの代わりに同重量のトリアリルシアヌレートを用いる以外は実施例1と同様にして水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例12
実施例1において、メチレンビスアクリルアミドの代わりに同重量のエチレングリコールジメタクリレートを用いる以外は実施例1と同様にして水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例13
実施例1において、PVA−1およびPVA−2の代わりに、PVA−3(エチレン単位の含量2.5モル%、鹸化度92.5モル%、重合度1650)8.9gおよびPVA−4(イタコン酸単位0.8モル%、鹸化度87.8モル%、重合度1700)20.7gを用いる以外は実施例1と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例14
実施例13において、PVA−3の代わりにPVA−5(エチレン単位の含量8.1モル%、鹸化度99.1モル%、重合度500)18.5gを用いる以外は実施例13と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例15
実施例1において、PVA−1およびPVA−3の代わりにPVA−6(エチレン単位の含量1.4モル%、鹸化度87.3モル%、重合度2000)14.8gとPVA−7(イタコン酸単位4.2モル%、鹸化度95.4モル%、重合度600)3.7gを用いる以外は実施例1と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
比較例6
実施例15において、PVA−6の代わりにPVA−8(エチレン単位の含量12.0モル%、鹸化度99.2モル%、重合度400)を14.8g用いる以外は実施例15と同様にし水性分散液を得た。水性分散液は不安定で、凝集体を形成した。
比較例7
実施例1において、PVA−2を用いない以外は実施例1と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
比較例8
実施例13において、PVA−3を用いない以外は実施例13と同様にし水性分散液を得た。結果を表2に示す。
実施例16
PVA−3(エチレン単位の含量2.5モル%、鹸化度92.5モル%、重合度1650)5.4gとPVA−4(イタコン酸単位0.8モル%、鹸化度87.8モル%、重合度1700)5.4gをイオン交換水290gに加熱溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備えた耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に調整後、酢酸ビニル288g、メタクリル酸3.6g、トリアリルシアヌレート0.36gを仕込み、次いで、エチレンを42kg/cm2 Gまで昇圧した(エチレンの仕込量は68.4gに相当する)。温度を60℃まで昇温後、過酸化水素−ロンガリット系レドックス開始剤で重合を開始した。
2時間後、残存酢酸ビニル濃度が0.7%となったところで重合を終了し、固形分濃度52.6%の酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンを得た。このエマルジョンの固形分100重量部に対して炭酸カルシウム50重量部を添加混合し、さらに硝酸アルミニウム5.0部を添加し水性分散液を得た。この水性分散液を用い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
実施例17
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水350g、PVA−1(エチレン単位の含量4.5モル%、鹸化度98.1モル%、重合度1500)11.1gおよびPVA−7(イタコン酸単位4.2モル%、鹸化度95.4モル%、重合度600)22.2gを仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル25.9g、ブチルアクリレート10.4gを仕込み、60℃に昇温した後、2%過硫酸カリウム水溶液10gを添加し重合を開始した。
重合開始15分後から酢酸ビニル233.1g、N−ブチルアクリレート93.2g、N−イソブトキシメチルメタクリルアミド7.4g、エチレングリコールジメタクリレート0.37gを混合したものを4時間にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度49.6%の酢酸ビニル−ブチルアクリレート系共重合エマルジョンが得られた。このエマルジョンの固形分100重量部に対して小麦粉50重量部を添加混合し、硝酸アルミニウム5.0部を添加し水性分散液を得た。この水性分散液を用い、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す
比較例10
実施例16において、硝酸アルミニウムを12部用いる以外は実施例16と同様にして架橋性水性分散液を得た。しかし、増粘が激しく、評価が不可能であった。
実施例18
アニオン性界面活性剤(サンデットBL:三洋化成製)1.5gと非イオン性界面活性剤(ノニポール200:三洋化成製)3.0gをイオン交換水290g中で加熱溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備えた耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に調整した後、スチレン120g、メタクリル酸3.0g、エチレングリコールジメタクリレート0.3gを仕込み、次いで耐圧計量器よりブタジエン177gを仕込み、70℃に昇温後、2%過硫酸カリウム水溶液10gを圧入して重合を開始した。内圧は4.8kg/cm2 Gから重合の進行とともに低下し、15時間後に0.4kg/cm2 Gに低下したところで重合を終了した。
得られたエマルジョンをアンモニア水でpH6.0とし、固形分濃度48.5%のスチレン−ブタジエン系共重合体エマルジョンを得た。このエマルジョンの固形分100重量部に対し、PVA−5(エチレン単位の含量8.1モル%、鹸化度99.1モル%、重合度500)3重量部とPVA−7(イタコン酸単位4.2モル%、鹸化度95.4モル%、重合度600)3重量部をイオン交換水34重量部に加熱溶解したものを添加混合し、さらにポリアミドアミンエピクロルヒドリン付加物(星光PMC製、WS−4020、25%水溶液)を2.7部と硝酸アルミニウム2.0部を添加し水性分散液を得た。得られた水性分散液は、凝集・ゲル化もなく高い分散安定性を有しており、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2008184494
Figure 2008184494
本発明の水性分散液は、耐水性、耐熱性に優れ、さらに粘度放置安定性に優れて(ポットライフが長い)おり、その特性を生かして、木工用や紙加工用の各種接着剤、塗料、紙加工、繊維加工等の各種コーティング剤などの用途に極めて有用である。

Claims (8)

  1. (A)エチレン性不飽和単量体およびジエン系不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種以上の単量体単位主成分としカルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる一種以上の架橋性不飽和単量体単位を0.1〜10重量%および多官能エチレン性不飽和単量体単位を0.01〜2重量%含有する重合体微粒子、(B)エチレン単位を1〜10モル%含有し、鹸化度が85.0〜99.5モル%のビニルアルコール系重合体、(C)カルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体、(D)架橋剤からなり、(B)/(C)=90/10〜10/90(固形分重量比)、(A)/{(B)+(C)}=99/1〜80/20(固形分重量比)、{(A)+(B)+(C)}/(D)=99.9/0.1〜90/10(固形分重量比)である水性分散液。
  2. 該多官能エチレン性不飽和単量体が、多官能性(メタ)アクリル系単量体、多官能性アリル系単量体、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドから選ばれる少なくとも一種以上の不飽和単量体である請求項1記載の水性分散液。
  3. 該重合体微粒子(A)が、酢酸ビニル単位を主成分とする重合体微粒子である請求項1または2記載の水性分散液。
  4. 該架橋剤(D)が、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン付加物、水溶性アルミニウム塩およびグリオキザール系樹脂から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3いずれかに記載の水性分散液。
  5. さらに充填剤を配合した請求項1〜5いずれかに記載の水性分散液。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の水性分散液からなる接着剤。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載の架橋性水性分散液からなるコーティング剤。
  8. エチレン単位を1〜10モル%含有し、鹸化度が85.0〜99.5モル%のビニルアルコール系重合体とカルボキシル基を有するビニルアルコール系重合体を分散安定剤とし、エチレン性不飽和単量体およびジエン系不飽和単量体から選ばれる少なくとも一種以上の単量体、カルボキシル基を有する不飽和単量体、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の架橋性不飽和単量体および多官能エチレン性不飽和単量体からなる単量体を分散質として乳化重合して得た水性分散液に、架橋剤を配合することを特徴とする水性分散液の製造方法。
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