JP4053196B2 - 水性エマルジョン組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性エマルジョン組成物に関し、詳しくは、α−オレフィン単位を有するビニルアルコール系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体、オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位及びカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とする水性エマルジョンと塩化アルミニウムあるいは硝酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物からなる水性エマルジョン組成物に関する。さらに詳細には、耐水性および放置安定性に優れる水性エマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記することがある)はエチレン性不飽和単量体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられており、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得られるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工用およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用および不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用いられている。
このような水性エマルジョンは、PVA系重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られることから、種々の用途に賞用されてきた。
しかしながら、該水性エマルジョンのあるものは、流動性(高速塗工性)が不足している、また耐水性が悪い、エマルジョン粘度の温度依存性が大きい、低温時のエマルジョン粘度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの性質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが大であることが知られている。
【0003】
すなわち、乳化重合用分散剤としてのPVA系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわゆる”完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の”部分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有している。このような欠点を改良するために、両者のPVA系重合体の併用、両者の中間的な鹸化度のPVA系重合体の使用等が行われているが、耐水性、エマルジョン粘度の低温放置安定性を同時に満足することはできなかった。そこで、エチレン単位を含有するビニルアルコール系重合体が提案され、耐水性と低温放置安定性が大幅に改善された。しかしながら、エチレン単位を有していても、PVAであるが故に、厳しい耐水性を要求される用途、例えば耐煮沸水浸漬試験をクリアしなければならない用途では要求を完全に満足することができないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、耐水性、放置安定性の両者に優れ、さらに耐煮沸水接着力に優れる水性エマルジョン組成物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する水性エマルジョン組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体、オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位100重量部に対し、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸から選ばれるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位0.1〜20重量部を含有する重合体を分散質とする水性エマルジョン(A)および塩化アルミニウムあるいは硝酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物(B)からなる水性エマルジョン組成物が目的を満足するものであることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の水性エマルジョン組成物に用いる水性エマルジョン(A)の分散剤として用いられる分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体は、ビニルエステルと炭素数4以下のα−オレフィンとの共重合体をけん化することにより得ることができる。ここで炭素数4以下のα−オレフィン単位としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン単位が挙げられるが、エチレン単位が好適である。
【0007】
ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。
【0008】
炭素数4以下のα−オレフィン単位の含有量としては、1〜20モル%であることが必要であり、好ましくは3〜15%、さらに好ましくは5〜10%である。炭素数4以下のα−オレフィン単位の含有量が1モル%未満の場合には、上述の耐水性と放置安定性を同時に満足する水性エマルジョンが得られず、20モル%を越える場合には、水溶性が低下し、安定な水性エマルジョンが得られない懸念が生じる。
【0009】
また、分散剤に用いられる分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、エチレンと共重合し、それをけん化することによって得られる末端変性物も用いることができる。また、分散剤に用いられるビニルアルコール系重合体(B)も、本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合することができる。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、カルボキシル基を有するエチレン性単量体と共重合し、それをけん化することによって得られる末端変性物も用いることができる。
【0010】
本発明の水性エマルジョンの分散剤として用いる分子内にα−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体のけん化度は、95.0モル%以上であることが必要であり、より好ましくは96.0モル%以上、さらに好ましくは97.0モル%以上である。けん化度が95.0モル%未満の場合には、耐水性に優れた水性エマルジョン組成物が得られない。ビニルアルコール系重合体の重合度は、100〜8000の範囲が好ましく、300〜3000がより好ましい。重合度が100未満の場合には、PVA保護コロイドとしての特徴が発揮されず、8000を越える場合には、該PVA系重合体の工業的な製造に問題がある。
【0011】
本発明の水性エマルジョン組成物を構成する水性エマルジョンにおける分散質を構成するエチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体が挙げられ、これらは単独あるいは二種以上混合して用いられる。上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ビニルエステル系単量体、エチレンとビニルエステル系単量体との併用が好適である。ビニルエステル系単量体としては一般的に酢酸ビニルが用いられる。
【0012】
また、本発明においてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸から選ばれるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を用いることが不可欠である。特にアクリル酸が好適に用いられる。
【0013】
本発明において、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部用いることが重要で、好ましくは0.2〜15重量部、より好ましくは0.25〜10重量部である。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が0.1重量部未満の場合、耐水性、耐煮沸水接着力が不足し、20重量部をこえると重合安定性が低下する場合がある。
【0014】
また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の添加方法も特に制限されないが、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体をエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体に均一に混合して使用する、あるいは、重合初期に投入する単量体のなかにカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体全量を投入する方法などが挙げられる。
【0015】
本発明の水性エマルジョン組成物を構成する水性エマルジョンは、前述した炭素数4以下のα−オレフィン単位を有するビニルアルコール系重合体(以後α−オレフィン変性PVAと略記することがある)の水溶液を分散剤に用いて、従来公知の重合開始剤の存在下に、上記エチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体を一時又は連続的に添加して、該エチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体を乳化重合することにより得られる。また、エチレン性不飽和単量体を、予めα−オレフィン変性PVA水溶液を用いて乳化したものを、連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。
該α−オレフィン変性PVAの使用量については特に制限はないが、エチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体の重合体100重量部に対して好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜20重量部の範囲である。該使用量が1重量部未満および30重量部を越える場合には、重合安定性が低下したり、初期接着力や耐水接着力が低下することがある。
本発明に用いる水性エマルジョンは、上記の方法で得られる水性エマルジョンをそのまま用いることができるが、必要があれば、本発明の効果を損なわない範囲で、従来公知の各種エマルジョンを添加して用いることができる。
なお、本発明に用いる水性エマルジョンにおける分散剤としては、前述のエチレン変性PVA系重合体およびα−オレフィン変性PVAが用いられるが、必要に応じて、従来公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界面活性剤や、PVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロースなどを併用することもできる。
【0016】
本発明に用いられるアルミニウム化合物(B)としては塩化アルミニウムあるいは硝酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物(B)が用いられる。
【0017】
本発明の水性エマルジョン組成物において、アルミニウム化合物(B)の水性エマルジョンに対する配合量に特に制限はないが、水性エマルジョン(A)100重量部に対して、0.01〜5重量部の割合で配合されることが好ましく、0.02〜3重量部、さらには0.03〜2.5重量部配合されることがより好ましい。アルミニウム化合物(B)の配合比率が0.01重量部未満の場合には耐水性、耐煮沸水接着力が低く、5重量部を越えると水性エマルジョン組成物の粘度安定性が低下する場合がある。
【0018】
本発明の水性エマルジョン組成物は、必要に応じて、その乾燥性、セット性、粘度、造膜性などを調製するために、トルエン、パークレン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどの各種有機溶剤、でんぷん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、無水マレイン酸/イソブテン共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子や尿素/ホルマリン樹脂、尿素/メラミン/ホリマリン樹脂、フェノール/ホリマリン樹脂などの熱硬化性樹脂、さらに、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉などの充填剤、小麦粉などの増量剤、酸化チタンなどの顔料あるいはその他、消泡剤、分散剤、凍結防止剤、防腐剤、防錆剤などの各種添加剤を含有するものでも良い。
本発明の水性エマルジョン組成物は、耐水性、耐煮沸水接着力が高いという特徴を生かして、木工用接着剤、紙加工用接着剤、塗料、繊維処理剤等の各種用途において用いられる。
【0019】
【実施例】
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例において「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を意味する。
【0020】
水性エマルジョン製造例1
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水260g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.0%、エチレン変性量7.0mol%)37gを仕込み95℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル37gおよびアクリル酸3.7gを仕込み、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル333gを3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度48.3%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em−1)。
【0021】
水性エマルジョン製造例2
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水260g、PVA−2(重合度1700、けん化度97.3mol%、エチレン変性量4.0mol%)37gを仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル37gおよびアクリル酸3.7gを仕込み、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル333gを3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度48.4%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em−2)。
【0022】
水性エマルジョン製造例3
水性エマルジョン製造例1において用いたPVA−1、PVA−2を用いる代わりにPVA−3(クラレ製PVA−217;重合度1700、けん化度88.0モル%)を用いた以外は水性エマルジョン製造例1と同様にして、水性エマルジョン(Em−3)を得た。
【0023】
水性エマルジョン製造例4
水性エマルジョン製造例1において用いたアクリル酸を用いなかった以外は水性エマルジョン製造例1と同様にして、水性エマルジョン(Em−4)を得た。
【0024】
水性エマルジョン製造例5
水性エマルジョン製造例1において用いたアクリル酸を10g用いた以外は水性エマルジョン製造例1と同様にして、乳化重合を試みたが、重合途中で凝集し、安定な水性エマルジョンは得られなかった。
【0025】
実施例1
水性エマルジョン製造例1で得られたEm−1 100重量部(固形分)に対して、塩化アルミニウムを0.5重量部配合して水性エマルジョン組成物を調整した。得られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性、耐煮沸水接着力および粘度安定性を下記の要領で評価した。結果を表1に示す。
【0026】
(エマルジョンの評価)
(1)皮膜の耐水性
得られた水性エマルジョンを20℃65%RH下で、PET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それを試料として煮沸水に4時間浸漬した場合の、皮膜の吸水率、溶出率を求めた。
(2)耐煮沸水接着力
得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g/m2塗布し、はりあわせて7kg/m2の荷重で16時間圧締した。その後、解圧し、20℃65%RH下で5日間養生した後、煮沸水に4時間浸漬し、ぬれたままの状態で圧縮せん断強度を測定した。
(3)粘度安定性
エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の30日後の粘度変化を観察した。
【0027】
実施例2
実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いる代わりに硝酸アルミニウムを1重量部用いる他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0028】
実施例3
実施例1において用いた塩化アルミニウムを0.05重量部用いる他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0029】
実施例4
実施例1において用いた塩化アルミニウムを2.3重量部用いる他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0030】
比較例1
実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いない以外は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0031】
実施例5
実施例1において用いた水性エマルジョン製造例1で得られたEm−1を用いる代わりに水性エマルジョン製造例2で得られたEm−2を用いた他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0032】
実施例6
実施例5において用いた塩化アルミニウムを用いる代わりに硝酸アルミニウムを1重量部用いる他は実施例5と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0033】
比較例2
実施例5において用いた塩化アルミニウムを用いない以外は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0034】
比較例3
実施例1において用いた水性エマルジョン製造例1で得られたEm−1を用いる代わりに水性エマルジョン製造例3で得られたEm−3を用いた他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0035】
比較例4
実施例1において用いた水性エマルジョン製造例1で得られたEm−1を用いる代わりに水性エマルジョン製造例4で得られたEm−4を用いた他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0036】
比較例5
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水100部、アセトアセチル基変性PVA(重合度1030、けん化度98.5%、アセトアセチル基変性量5.0モル%)のビニルアルコール系重合体5部を仕込み95℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、140rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を仕込み、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニル90部を3時間にわたって連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度55%のポリ酢酸ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em−5)。得られた「Em−5」 100重量部に対して、40%グリオキザール水溶液を5重量部配合して水性エマルジョン組成物を調整した。得られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性、耐煮沸水接着力および粘度安定性を実施例1と同様の要領で評価した。結果を併せて表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004053196
【0038】
Em−1:ポリ酢酸ビニルエマルジョン{PVA-1(重合度1000,けん化度99.0mol%,エチレン変性量7.0mol%)使用、固形分濃度48.3%}
Em−2:ポリ酢酸ビニルエマルジョン{PVA-2(重合度1700,けん化度97.3mol%,エチレン変性量4.0mol%)使用、固形分濃度48.4%}
Em−3:ポリ酢酸ビニルエマルジョン{PVA-3(クラレ製PVA-217;重合度1700,けん化度88.0mol%)使用,固形分濃度48.5%}
Em−4:ポリ酢酸ビニルエマルジョン{PVA-1,固形分濃度48.4%}
Em−5:変性ポリ酢酸ビニルエマルジョン{アセトアセチル基変性PVA;重合度1030,けん化度98.5mol%,アセトアセチル基変性量5.0mol%)使用、固形分濃度55%}
アルミニウム化合物;(1) 塩化アルミニウム、(2) 硝酸アルミニウム、(3) 40%グリオキザール水溶液
【0039】
【発明の効果】
本発明の水性エマルジョン組成物は、放置粘度安定性に優れる上、耐水性、耐煮沸水接着力に優れており、木工用接着剤、合板用接着剤、紙加工剤、塗料、繊維加工剤などに幅広く好適に用いられる。

Claims (6)

  1. 分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体を分散剤とし、
    ビニルエステル系単量体、オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位100重量部に対し、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸から選ばれるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位0.1〜20重量部を含有する重合体を分散質とする水性エマルジョン(A)および塩化アルミニウムあるいは硝酸アルミニウムから選ばれる少なくとも一種のアルミニウム化合物(B)からなる水性エマルジョン組成物。
  2. 炭素数4以下のα−オレフィン単位がエチレン単位である請求項1記載の水性エマルジョン組成物。
  3. アルミニウム化合物(B)が、水性エマルジョン(A)100重量部(固形分)に対して、0.01〜5重量部の割合で配合されている請求項1または2記載の水性エマルジョン組成物。
  4. ビニルエステル系単量体、オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体が、ビニルエステル系単量体とエチレンである請求項1〜3のいずれかに記載の水性エマルジョン組成物。
  5. ビニルエステル系単量体、オレフィン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体が、ビニルエステル系単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の水性エマルジョン組成物。
  6. カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が、アクリル酸である請求項1〜5のいずれかに記載の水性エマルジョン組成物。
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