JP2001072820A - 水性エマルジョン組成物 - Google Patents

水性エマルジョン組成物

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JP2001072820A JP24985299A JP24985299A JP2001072820A JP 2001072820 A JP2001072820 A JP 2001072820A JP 24985299 A JP24985299 A JP 24985299A JP 24985299 A JP24985299 A JP 24985299A JP 2001072820 A JP2001072820 A JP 2001072820A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放置粘度安定性に優れ、耐水性、耐煮沸水接着
力に優れる水性エマルジョン組成物を得ること。 【解決手段】分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単
位を1〜20モル%含有し、けん化度95モル%以上の
ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不
飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくと
も一種の単量体単位100重量部に対し、カルボキシル
基含有エチレン性不飽和単量体単位0.1〜20重量部
を含有する重合体を分散質とする水性エマルジョン(A)
およびアルミニウム化合物(B)からなる水性エマルジョ
ン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性エマルジョン
組成物に関し、詳しくは、α−オレフィン単位を有する
ビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性不
飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なくと
も一種の単量体単位及びカルボキシル基含有エチレン性
不飽和単量体単位を有する重合体を分散質とする水性エ
マルジョンとアルミニウム化合物からなる水性エマルジ
ョン組成物に関する。さらに詳細には、耐水性および放
置安定性に優れる水性エマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール(以下、P
VAと略記することがある)はエチレン性不飽和単量
体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量
体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられてお
り、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得ら
れるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工用
およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用およ
び不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。しかしなが
ら、該水性エマルジョンのあるものは、流動性(高速塗
工性)が不足している、また耐水性が悪い、エマルジョ
ン粘度の温度依存性が大きい、低温時のエマルジョン粘
度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの性
質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが大
であることが知られている。
【0003】すなわち、乳化重合用分散剤としてのPV
A系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわ
ゆる”完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の”部
分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐
水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温
放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易
いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使
用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化
性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、両者のPVA系
重合体の併用、両者の中間的な鹸化度のPVA系重合体
の使用等が行われているが、耐水性、エマルジョン粘度
の低温放置安定性を同時に満足することはできなかっ
た。そこで、エチレン単位を含有するビニルアルコール
系重合体が提案され、耐水性と低温放置安定性が大幅に
改善された。しかしながら、エチレン単位を有していて
も、PVAであるが故に、厳しい耐水性を要求される用
途、例えば耐煮沸水浸漬試験をクリアしなければならな
い用途では要求を完全に満足することができないのが現
状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、耐水性、放置安定性の両者に優れ、さら
に耐煮沸水接着力に優れる水性エマルジョン組成物を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する水性エマルジョン組成物を開発すべ
く鋭意研究を重ねた結果、分子内に炭素数4以下のα−
オレフィン単位を1〜20モル%含有し、けん化度95
モル%以上のビニルアルコール系重合体を分散剤とし、
エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ば
れる少なくとも一種の単量体単位100重量部に対し、
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位0.1
〜20重量部を含有する重合体を分散質とする水性エマ
ルジョン(A)およびアルミニウム化合物(B)からな
る水性エマルジョン組成物が目的を満足するものである
ことを見出し、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水性エマルジョン組成物
に用いる水性エマルジョン(A)の分散剤として用いら
れる分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜
20モル%含有し、けん化度95モル%以上のビニルア
ルコール系重合体は、ビニルエステルと炭素数4以下の
α−オレフィンとの共重合体をけん化することにより得
ることができる。ここで炭素数4以下のα−オレフィン
単位としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソ
ブチレン単位が挙げられるが、エチレン単位が好適であ
る。
【0007】ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど
が挙げられるが、酢酸ビニルが経済的にみて好ましい。
【0008】炭素数4以下のα−オレフィン単位の含有
量としては、1〜20モル%であることが必要であり、
好ましくは3〜15%、さらに好ましくは5〜10%で
ある。炭素数4以下のα−オレフィン単位の含有量が1
モル%未満の場合には、上述の耐水性と放置安定性を同
時に満足する水性エマルジョンが得られず、20モル%
を越える場合には、水溶性が低下し、安定な水性エマル
ジョンが得られない懸念が生じる。
【0009】また、分散剤に用いられる分子内に炭素数
4以下のα−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、
けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体
は、本発明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチ
レン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。このよ
うなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、
(無水)イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニ
ルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリ
ドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビ
ニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。また、チオール酢酸、メル
カプトプロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、
酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、エチレン
と共重合し、それをけん化することによって得られる末
端変性物も用いることができる。また、分散剤に用いら
れるビニルアルコール系重合体(B)も、本発明の効果
を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量
体を共重合することができる。このようなエチレン性不
飽和単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、
トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロ
ピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エ
チルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニ
ルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオ
ロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスル
ホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、チオール酢
酸、メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物の存
在下で、酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を、
カルボキシル基を有するエチレン性単量体と共重合し、
それをけん化することによって得られる末端変性物も用
いることができる。
【0010】本発明の水性エマルジョンの分散剤として
用いる分子内にα−オレフィン単位を1〜20モル%含
有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重
合体のけん化度は、95.0モル%以上であることが必
要であり、より好ましくは96.0モル%以上、さらに
好ましくは97.0モル%以上である。けん化度が9
5.0モル%未満の場合には、耐水性に優れた水性エマ
ルジョン組成物が得られない。ビニルアルコール系重合
体の重合度は、100〜8000の範囲が好ましく、3
00〜3000がより好ましい。重合度が100未満の
場合には、PVA保護コロイドとしての特徴が発揮され
ず、8000を越える場合には、該PVA系重合体の工
業的な製造に問題がある。
【0011】本発明の水性エマルジョン組成物を構成す
る水性エマルジョンにおける分散質を構成するエチレン
性不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少な
くとも一種の単量体単位としては、エチレン、プロピレ
ン、イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル、フッ
化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリド
などのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどの
ビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
などのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこ
れらの四級化物、さらには、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリ
ルアミド系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、p
−スチレンスルホン酸およびナトリウム、カリウム塩な
どのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンな
ど、また、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなど
のジエン系単量体が挙げられ、これらは単独あるいは二
種以上混合して用いられる。上記エチレン性不飽和単量
体の中でも、ビニルエステル系単量体、エチレンとビニ
ルエステル系単量体との併用が好適である。ビニルエス
テル系単量体としては一般的に酢酸ビニルが用いられ
る。
【0012】また、本発明においてはカルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体を用いることが不可欠であ
る。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体として
は特に制限されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸等が挙げられ、特にアクリル
酸が好適に用いられる。
【0013】本発明において、カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和単量体および
ジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体1
00重量部に対して、0.1〜20重量部用いることが
重要で、好ましくは0.2〜15重量部、より好ましく
は0.25〜10重量部である。カルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体が0.1重量部未満の場合、耐水
性、耐煮沸水接着力が不足し、20重量部をこえると重
合安定性が低下する場合がある。
【0014】また、カルボキシル基含有エチレン性不飽
和単量体の添加方法も特に制限されないが、カルボキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体をエチレン性不飽和単
量体あるいはジエン系単量体に均一に混合して使用す
る、あるいは、重合初期に投入する単量体のなかにカル
ボキシル基含有エチレン性不飽和単量体全量を投入する
方法などが挙げられる。
【0015】本発明の水性エマルジョン組成物を構成す
る水性エマルジョンは、前述した炭素数4以下のα−オ
レフィン単位を有するビニルアルコール系重合体(以後
α−オレフィン変性PVAと略記することがある)の水
溶液を分散剤に用いて、従来公知の重合開始剤の存在下
に、上記エチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量
体を一時又は連続的に添加して、該エチレン性不飽和単
量体あるいはジエン系単量体を乳化重合することにより
得られる。また、エチレン性不飽和単量体を、予めα−
オレフィン変性PVA水溶液を用いて乳化したものを、
連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用でき
る。該α−オレフィン変性PVAの使用量については特
に制限はないが、エチレン性不飽和単量体あるいはジエ
ン系単量体の重合体100重量部に対して好ましくは1
〜30重量部、より好ましくは2〜20重量部の範囲で
ある。該使用量が1重量部未満および30重量部を越え
る場合には、重合安定性が低下したり、初期接着力や耐
水接着力が低下することがある。本発明に用いる水性エ
マルジョンは、上記の方法で得られる水性エマルジョン
をそのまま用いることができるが、必要があれば、本発
明の効果を損なわない範囲で、従来公知の各種エマルジ
ョンを添加して用いることができる。なお、本発明に用
いる水性エマルジョンにおける分散剤としては、前述の
エチレン変性PVA系重合体およびα−オレフィン変性
PVAが用いられるが、必要に応じて、従来公知のアニ
オン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界面活性剤
や、PVA系重合体、ヒドロキシエチルセルロースなど
を併用することもできる。
【0016】本発明に用いられるアルミニウム化合物
(B)としては特に制限はないが、塩化アルミニウム、
硝酸アルミニウムおよびその水和物、硫酸アルミニウム
(硫酸バンド)などが好ましく用いられる。なかでも、
塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムがより好ましく用
いられる。
【0017】本発明の水性エマルジョン組成物におい
て、アルミニウム化合物(B)の水性エマルジョンに対
する配合量に特に制限はないが、水性エマルジョン(A)
100重量部に対して、0.01〜5重量部の割合で配
合されることが好ましく、0.02〜3重量部、さらに
は0.03〜2.5重量部配合されることがより好まし
い。アルミニウム化合物(B)の配合比率が0.01重
量部未満の場合には耐水性、耐煮沸水接着力が低く、5
重量部を越えると水性エマルジョン組成物の粘度安定性
が低下する場合がある。
【0018】本発明の水性エマルジョン組成物は、必要
に応じて、その乾燥性、セット性、粘度、造膜性などを
調製するために、トルエン、パークレン、ジクロロベン
ゼン、トリクロロベンゼンなどの各種有機溶剤、でんぷ
ん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダ、
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、無水マレイン酸/イソブテン
共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水マ
レイン酸/メチルビニルエーテル共重合体、ポリビニル
アルコールなどの水溶性高分子や尿素/ホルマリン樹
脂、尿素/メラミン/ホリマリン樹脂、フェノール/ホ
リマリン樹脂などの熱硬化性樹脂、さらに、クレー、カ
オリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉などの充填剤、
小麦粉などの増量剤、酸化チタンなどの顔料あるいはそ
の他、消泡剤、分散剤、凍結防止剤、防腐剤、防錆剤な
どの各種添加剤を含有するものでも良い。本発明の水性
エマルジョン組成物は、耐水性、耐煮沸水接着力が高い
という特徴を生かして、木工用接着剤、紙加工用接着
剤、塗料、繊維処理剤等の各種用途において用いられ
る。
【0019】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。
【0020】水性エマルジョン製造例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水260
g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.0
%、エチレン変性量7.0mol%)37gを仕込み95℃
で2時間攪拌し、完全に溶解した。次に、このPVA水
溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら
酢酸ビニル37gおよびアクリル酸3.7gを仕込み、
60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス
開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始15分後
から酢酸ビニル333gを3時間にわたって連続的に添
加し、重合を完結させた。固形分濃度48.3%のポリ
酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョ
ンの100重量部に対してジブチルフタレート5部を添
加混合した(Em−1)。
【0021】水性エマルジョン製造例2 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水260
g、PVA−2(重合度1700、けん化度97.3mo
l%、エチレン変性量4.0mol%)37gを仕込み95
℃で完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、
窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル3
7gおよびアクリル酸3.7gを仕込み、60℃に昇温
した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系の存
在下で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸ビニ
ル333gを3時間にわたって連続的に添加し、重合を
完結させた。固形分濃度48.4%のポリ酢酸ビニル系
エマルジョンが得られた。このエマルジョンの100重
量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した
(Em−2)。
【0022】水性エマルジョン製造例3 水性エマルジョン製造例1において用いたPVA−1、
PVA−2を用いる代わりにPVA−3(クラレ製PV
A−217;重合度1700、けん化度88.0モル
%)を用いた以外は水性エマルジョン製造例1と同様に
して、水性エマルジョン(Em−3)を得た。
【0023】水性エマルジョン製造例4 水性エマルジョン製造例1において用いたアクリル酸を
用いなかった以外は水性エマルジョン製造例1と同様に
して、水性エマルジョン(Em−4)を得た。
【0024】水性エマルジョン製造例5 水性エマルジョン製造例1において用いたアクリル酸を
10g用いた以外は水性エマルジョン製造例1と同様に
して、乳化重合を試みたが、重合途中で凝集し、安定な
水性エマルジョンは得られなかった。
【0025】実施例1 水性エマルジョン製造例1で得られたEm−1 100
重量部(固形分)に対して、塩化アルミニウムを0.5
重量部配合して水性エマルジョン組成物を調整した。得
られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性、耐煮沸水
接着力および粘度安定性を下記の要領で評価した。結果
を表1に示す。
【0026】(エマルジョンの評価) (1)皮膜の耐水性 得られた水性エマルジョンを20℃65%RH下で、P
ET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥皮
膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、それ
を試料として煮沸水に4時間浸漬した場合の、皮膜の吸
水率、溶出率を求めた。 (2)耐煮沸水接着力 得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g
/m2塗布し、はりあわせて7kg/m2の荷重で16
時間圧締した。その後、解圧し、20℃65%RH下で
5日間養生した後、煮沸水に4時間浸漬し、ぬれたまま
の状態で圧縮せん断強度を測定した。 (3)粘度安定性 エマルジョンを5℃および50℃に放置した場合の30
日後の粘度変化を観察した。
【0027】実施例2 実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いる代わ
りに硝酸アルミニウムを1重量部用いる他は実施例1と
同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0028】実施例3 実施例1において用いた塩化アルミニウムを0.05重
量部用いる他は実施例1と同様にして試験を行った。結
果を併せて表1に示す。
【0029】実施例4 実施例1において用いた塩化アルミニウムを2.3重量
部用いる他は実施例1と同様にして試験を行った。結果
を併せて表1に示す。
【0030】比較例1 実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いない以
外は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて
表1に示す。
【0031】実施例5 実施例1において用いた水性エマルジョン製造例1で得
られたEm−1を用いる代わりに水性エマルジョン製造
例2で得られたEm−2を用いた他は実施例1と同様に
して試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0032】実施例6 実施例5において用いた塩化アルミニウムを用いる代わ
りに硝酸アルミニウムを1重量部用いる他は実施例5と
同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0033】比較例2 実施例5において用いた塩化アルミニウムを用いない以
外は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて
表1に示す。
【0034】比較例3 実施例1において用いた水性エマルジョン製造例1で得
られたEm−1を用いる代わりに水性エマルジョン製造
例3で得られたEm−3を用いた他は実施例1と同様に
して試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0035】比較例4 実施例1において用いた水性エマルジョン製造例1で得
られたEm−1を用いる代わりに水性エマルジョン製造
例4で得られたEm−4を用いた他は実施例1と同様に
して試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0036】比較例5 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水100
部、アセトアセチル基変性PVA(重合度1030、けん化
度98.5%、アセトアセチル基変性量5.0モル%)
のビニルアルコール系重合体5部を仕込み95℃で完全
に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換
後、140rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を仕
込み、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレド
ックス開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始1
5分後から酢酸ビニル90部を3時間にわたって連続的
に添加し、重合を完結させた。固形分濃度55%のポリ
酢酸ビニルエマルジョンが得られた。このエマルジョン
の100重量部に対してジブチルフタレート5部を添加
混合した(Em−5)。得られた「Em−5」 100
重量部に対して、40%グリオキザール水溶液を5重量
部配合して水性エマルジョン組成物を調整した。得られ
た水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性、耐煮沸水接着
力および粘度安定性を実施例1と同様の要領で評価し
た。結果を併せて表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】Em−1:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-1(重
合度1000,けん化度99.0mol%,エチレン変性量7.0mol%)使
用、固形分濃度48.3%} Em−2:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-2(重合度1700,け
ん化度97.3mol%,エチレン変性量4.0mol%)使用、固形分濃度4
8.4%} Em−3:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-3(クラレ製PVA-217;
重合度1700,けん化度88.0mol%)使用,固形分濃度48.5%} Em−4:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-1,固形分濃度48.4
%} Em−5:変性ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{アセトアセチル基変性PV
A;重合度1030,けん化度98.5mol%,アセトアセチル基変性量5.0mo
l%)使用、固形分濃度55%} アルミニウム化合物;(1) 塩化アルミニウム、(2) 硝酸アルミニウ
ム、(3) 40%ク゛リオキサ゛ール水溶液
【0039】
【発明の効果】本発明の水性エマルジョン組成物は、放
置粘度安定性に優れる上、耐水性、耐煮沸水接着力に優
れており、木工用接着剤、合板用接着剤、紙加工剤、塗
料、繊維加工剤などに幅広く好適に用いられる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に炭素数4以下のα−オレフィン
    単位を1〜20モル%含有し、けん化度95モル%以上
    のビニルアルコール系重合体を分散剤とし、エチレン性
    不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なく
    とも一種の単量体単位100重量部に対し、カルボキシ
    ル基含有エチレン性不飽和単量体単位0.1〜20重量
    部を含有する重合体を分散質とする水性エマルジョン
    (A)およびアルミニウム化合物(B)からなる水性エマルジ
    ョン組成物。
  2. 【請求項2】 炭素数4以下のα−オレフィン単位がエ
    チレン単位である請求項1記載の水性エマルジョン組成
    物。
  3. 【請求項3】 アルミニウム化合物(B)が、水性エマル
    ジョン(A)100重量部(固形分)に対して、0.01
    〜5重量部の割合で配合されている請求項1または2の
    いずれかに記載の水性エマルジョン組成物。
  4. 【請求項4】 アルミニウム化合物(B)が、塩化アルミ
    ニウムあるいは硝酸アルミニウムから選ばれる少なくと
    も一種の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の
    水性エマルジョン組成物。
  5. 【請求項5】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系
    単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体が、ビニル
    エステル系単量体とエチレンである請求項1〜4のいず
    れかに記載の水性エマルジョン組成物。
  6. 【請求項6】エチレン性不飽和単量体およびジエン系単
    量体から選ばれる少なくとも一種の単量体が、ビニルエ
    ステル系単量体である請求項1〜4のいずれかに記載の
    水性エマルジョン組成物。
  7. 【請求項7】カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
    体が、アクリル酸である請求項1〜6のいずれかに記載
    の水性エマルジョン組成物。
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