JP2001106856A - 水性エマルジョン組成物 - Google Patents

水性エマルジョン組成物

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JP2001106856A
JP2001106856A JP28411699A JP28411699A JP2001106856A JP 2001106856 A JP2001106856 A JP 2001106856A JP 28411699 A JP28411699 A JP 28411699A JP 28411699 A JP28411699 A JP 28411699A JP 2001106856 A JP2001106856 A JP 2001106856A
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emulsion
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Seiji Tanimoto
征司 谷本
Naokiyo Inomata
尚清 猪俣
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放置粘度安定性に優れ、かつ耐水性および耐
煮沸水接着力に優れる水性エマルジョンを得ること。 【解決手段】 けん化度95モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤として、ビニルエステル系単量体
およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を乳
化重合する際に、ビニルエステル系単量体100重量部
に対し、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
0.01〜3重量部を均一に混合して乳化重合して得た
水性エマルジョン(A)およびアルミニウム化合物(B)から
なる水性エマルジョン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性および放置
安定性に優れる水性エマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール(以下、P
VAと略記することがある)はエチレン性不飽和単量
体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量
体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられてお
り、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得ら
れるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工用
およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用およ
び不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。しかしなが
ら、該水性エマルジョンのあるものは、流動性(高速塗
工性)が不足している、また耐水性が悪い、エマルジョ
ン粘度の温度依存性が大きい、低温時のエマルジョン粘
度の上昇が著しいなどの欠点を有しており、これらの性
質は乳化重合に用いたPVA系重合体に依るところが大
であることが知られている。
【0003】すなわち、乳化重合用分散剤としてのPV
A系重合体は、一般的には鹸化度98モル%程度のいわ
ゆる”完全鹸化PVA”と鹸化度88モル%程度の”部
分鹸化PVA”があり、前者を使用した場合、比較的耐
水性および流動性(高速塗工性)は良好なものの、低温
放置時のエマルジョン粘度の上昇が著しく、ゲル化し易
いという欠点がある。他方、後者のPVA系重合体を使
用した場合、エマルジョンの低温時の粘度上昇やゲル化
性向は改善されるものの耐水性に劣る欠点を有してい
る。このような欠点を改良するために、乳化重合初期に
少量のアクリル酸を使用する方法が提案(特開平2−2
8203、特開平7−145363等)されているが、
耐水性、エマルジョン粘度の放置安定性を同時に満足す
ることはできなかった。そこで、エチレン単位を含有す
るビニルアルコール系重合体が提案(特開平11−21
529、特開平11−21380、特開平10−226
774等)され、耐水性と低温放置安定性が大幅に改善
された。しかしながら、エチレン単位を有していても、
PVAであるが故に、厳しい耐水性を要求される用途、
例えば耐煮沸水浸漬試験をクリアしなければならない用
途では要求を完全に満足することができないのが現状で
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、耐水性、放置安定性の両者に優れ、さら
に耐煮沸水接着力に優れる水性エマルジョン組成物を提
供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する水性エマルジョン組成物を開発すべ
く鋭意研究を重ねた結果、けん化度95モル%以上のビ
ニルアルコール系重合体を分散剤として、ビニルエステ
ル系単量体およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和
単量体を乳化重合する際に、ビニルエステル系単量体1
00重量部に対し、カルボキシル基含有エチレン性不飽
和単量体0.01〜3重量部を均一に混合して乳化重合
して得た水性エマルジョン(A)およびアルミニウム化合
物(B)からなる水性エマルジョン組成物が上記目的を達
成するものであることを見出した。また、分散剤である
ビニルアルコール系重合体として分子内にエチレン単位
を1〜15モル%含有し、けん化度95モル%以上のビ
ニルアルコール系重合体を用いるとさらに好ましい物性
を有する水性エマルジョン組成物が得られることを見出
し、本発明を完成させるにいたった。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水性エマルジョン組成物
に用いる水性エマルジョン(A)の分散剤として用いら
れる、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重
合体は、定法により、ビニルエステル系重合体をけん化
することにより得ることができる。
【0007】また、本発明の水性エマルジョン組成物に
用いる水性エマルジョン(A)の分散剤として用いられ
る分子内にエチレン単位を1〜15モル%含有し、けん
化度95モル%以上のビニルアルコール系重合体は、ビ
ニルエステルとエチレンとの共重合体をけん化すること
により得ることができる。
【0008】ここで、ビニルエステルとしては、蟻酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどが挙げられるが、酢酸ビニルが経済的にみて好
ましい。
【0009】エチレン単位の含有量としては、1〜20
モル%であることが好適であり、好ましくは3〜15
%、さらに好ましくは5〜10%である。エチレン単位
の含有量が1モル%未満の場合には、上述の耐水性と放
置安定性を同時に満足する水性エマルジョンが得られ
ず、20モル%を越える場合には、水溶性が低下し、安
定な水性エマルジョンが得られない懸念が生じる。
【0010】また、分散剤に用いられるけん化度95モ
ル%以上のビニルアルコール系重合体、あるいは分子内
にエチレン単位を1〜20モル%含有し、けん化度95
モル%以上のビニルアルコール系重合体は、本発明の効
果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単
量体を共重合したものでも良い。このようなエチレン性
不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコ
ン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アク
リルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムク
ロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブ
チルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニ
ル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホ
ン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムなどが挙
げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン
酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニルなどの
ビニルエステル系単量体を、エチレンと共重合し、それ
をけん化することによって得られる末端変性物も用いる
ことができる。
【0011】本発明の水性エマルジョンの分散剤として
用いるけん化度95モル%以上のビニルアルコール系重
合体あるいは分子内にエチレン単位を1〜20モル%含
有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系重
合体のけん化度は、95モル%以上であることが必要で
あり、より好ましくは96モル%以上、さらに好ましく
は97モル%以上である。けん化度が95モル%未満の
場合には、耐水性に優れた水性エマルジョン組成物が得
られない。ビニルアルコール系重合体の重合度は、10
0〜8000の範囲が好ましく、300〜3000がよ
り好ましい。重合度が100未満の場合には、PVA保
護コロイドとしての特徴が発揮されず、8000を越え
る場合には、該PVA系重合体の工業的な製造に問題が
ある。
【0012】本発明の水性エマルジョン組成物を構成す
る水性エマルジョンにおける分散質を構成するビニルエ
ステル系単量体単位としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが
挙げられ、一般的に酢酸ビニルが好ましく用いられる。
【0013】また、本発明においてはカルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体を用いることが不可欠であ
る。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体として
は特に制限されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、無水マレイン酸等が挙げられ、特にアクリル
酸が好適に用いられる。
【0014】本発明において、カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体は、ビニルエステル系単量体100
重量部に対して、0.01〜3重量部用いることが重要
で、好ましくは0.02〜2.5重量部、より好ましく
は0.03〜2重量部である。カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体が0.01重量部未満の場合、耐水
性、耐煮沸水接着力が不足し、3重量部をこえると重合
安定性が低下する場合がある。
【0015】本発明においてはカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体をビニルエステル系単量体に均一に
混合して乳化重合することが重要である。ここで、均一
に混合して乳化重合する方法としては、攪拌などにより
両単量体を均一に混合し、これを乳化重合器に導入して
乳化重合する方法、それぞれの単量体を乳化重合器中に
同時に添加して攪拌しながら乳化重合する方法などが挙
げられる。均一混合しないまま乳化重合すると、後述す
る比較例1から明らかなように、耐水性、耐煮沸接着性
の優れたエマルジョン組成物が得られない。
【0016】また、本発明の効果を阻害しない範囲で、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸
エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル
およびこれらの四級化物、さらには、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩な
どのアクリルアミド系単量体、スチレン、α−メチルス
チレン、p−スチレンスルホン酸およびナトリウム、カ
リウム塩などのスチレン系単量体、ジビニルベンゼン、
テトラアリロキシエタン、 N,N‘−メチレンビス−
アクリルアミド、1,3−ブチレングリコールジアクリ
レート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジアクリレート等の多官能性エチレン性不飽和単量
体、その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体を
併用しても構わない。
【0017】本発明の水性エマルジョン組成物を構成す
る水性エマルジョン(A)は、前述したけん化度95モ
ル%以上のビニルアルコール系重合体(以後PVAと略
記することがある)あるいは分子内にエチレン単位を1
〜20モル%含有するビニルアルコール系重合体(以後
エチレン変性PVAと略記することがある)の水溶液を
分散剤に用いて、従来公知の重合開始剤の存在下に、上
記ビニルエステル系単量体およびカルボキシル基含有エ
チレン性不飽和単量体を一時又は連続的に添加して、該
ビニルエステル系単量体およびカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体を乳化重合することにより得られ
る。また、ビニルエステル系単量体およびカルボキシル
基含有エチレン性不飽和単量体を、予めPVAあるいは
エチレン変性PVA水溶液を用いて乳化したものを、連
続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。
該PVAあるいはエチレン変性PVAの使用量について
は特に制限はないが、ビニルエステル系単量体およびカ
ルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の重合体10
0重量部に対して好ましくは1〜30重量部、より好ま
しくは2〜20重量部の範囲である。該使用量が1重量
部未満および30重量部を越える場合には、重合安定性
が低下したり、初期接着力や耐水接着力が低下すること
がある。本発明に用いる水性エマルジョンは、上記の方
法で得られる水性エマルジョンをそのまま用いることが
できるが、必要があれば、本発明の効果を損なわない範
囲で、従来公知の各種エマルジョンを添加して用いるこ
とができる。なお、本発明に用いる水性エマルジョンに
おける分散剤としては、前述のPVA系重合体およびエ
チレン変性PVA系重合体が用いられるが、必要に応じ
て、従来公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオ
ン性の界面活性剤や、PVA系重合体、ヒドロキシエチ
ルセルロースなどを併用することもできる。
【0018】本発明に用いられるアルミニウム化合物
(B)としては特に制限はないが、塩化アルミニウム、
硝酸アルミニウムおよびその水和物、硫酸アルミニウム
(硫酸バンド)などが好ましく用いられる。なかでも、
塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムがより好ましく用
いられる。
【0019】本発明の水性エマルジョン組成物におい
て、アルミニウム化合物(B)の水性エマルジョンに対
する配合量に特に制限はないが、水性エマルジョン(A)
100重量部(固形分)に対して、0.01〜5重量部
の割合で配合されることが好ましく、0.02〜3重量
部、さらには0.03〜2.5重量部配合されることが
より好ましい。アルミニウム化合物(B)の配合比率が
0.01重量部未満の場合には耐水性、耐煮沸水接着力
が低く、5重量部を越えると水性エマルジョン組成物の
粘度安定性が低下する場合がある。
【0020】本発明の水性エマルジョン組成物には、必
要に応じて、その乾燥性、セット性、粘度、造膜性など
を調製するために、トルエン、パークレン、ジクロロベ
ンゼン、トリクロロベンゼンなどの各種有機溶剤、でん
ぷん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソー
ダ、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、無水マレイン酸/イソブ
テン共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無
水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体、ポリビ
ニルアルコールなどの水溶性高分子や尿素/ホルマリン
樹脂、尿素/メラミン/ホリマリン樹脂、フェノール/
ホリマリン樹脂などの熱硬化性樹脂、さらに、クレー、
カオリン、タルク、炭酸カルシウム、木粉などの充填
剤、小麦粉などの増量剤、酸化チタンなどの顔料あるい
はその他、消泡剤、分散剤、凍結防止剤、防腐剤、防錆
剤などの各種添加剤を配合しても良い。本発明の水性エ
マルジョン組成物は、耐水性、耐煮沸水接着力が高いと
いう特徴を生かして、木工用接着剤、紙加工用接着剤、
塗料、繊維処理剤等の各種用途において用いられる。
【0021】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。
【0022】水性エマルジョン製造例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、PVA−1(重合度1000、けん化度99.3モ
ル%、エチレン変性量7.0モル%)26gを仕込み9
5℃で2時間攪拌し、完全に溶解した。また、別の容器
を用い、酢酸ビニルとアクリル酸を重量比で99.5:
0.5の割合で均一に混合した単量体を調整した(混合
単量体1)。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換
後、200rpmで撹拌しながら単量体1 26gを仕
込み、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレド
ックス開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開始1
5分後から混合単量体1 234gを3時間にわたって
連続的に添加し、重合を完結させた。固形分濃度47.
8%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られた。この
エマルジョンの100重量部に対してジブチルフタレー
ト5部を添加混合した(Em−1)。
【0023】水性エマルジョン比較製造例1(アクリル
酸初期一括添加) 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300
g、「PVA−1」 26gを仕込み95℃で2時間攪
拌し、完全に溶解した。次に、このPVA水溶液を冷
却、窒素置換後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニ
ル25.9gとアクリル酸1.3gを仕込み、60℃に
昇温した後、過酸化水素/酒石酸のレドックス開始剤系
の存在下で重合を開始した。重合開始15分後から酢酸
ビニル234gを3時間にわたって連続的に添加し、重
合を完結させた。固形分濃度47.7%のポリ酢酸ビニ
ル系エマルジョンが得られた。このエマルジョンの10
0重量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合し
た(Em−2)。
【0024】水性エマルジョン製造例2 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水260
g、PVA−2(重合度1700、けん化度97.3モ
ル%、エチレン変性量4.0モル%)18.2gを仕込
み95℃で完全に溶解した。また、別の容器に、酢酸ビ
ニルとアクリル酸を重量比で99.5:0.5の割合で
加えて攪拌し、均一に混合した単量体を調整した(混合
単量体1)。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換
後、200rpmで撹拌しながら酢酸ビニル25.8g
およびアクリル酸0.15gをそれぞれ滴下ロートによ
り滴下し、60℃に昇温した後、過酸化水素/酒石酸の
レドックス開始剤系の存在下で重合を開始した。重合開
始15分後から酢酸ビニル232.8gおよびアクリル
酸1.2gを3時間にわたって同時かつ連続的に添加
し、重合を完結させた。固形分濃度46.9%のポリ酢
酸ビニル系エマルジョンが得られた。このエマルジョン
の100重量部に対してジブチルフタレート5部を添加
混合した(Em−3)。
【0025】水性エマルジョン比較製造例2 水性エマルジョン製造例1において用いた酢酸ビニルと
アクリル酸を重量比で99.5:0.5の割合で均一に
混合した単量体(混合単量体1)を用いる代わりに酢酸
ビニルのみを用いた以外は水性エマルジョン製造例1と
同様にして、固形分濃度47.9%のポリ酢酸ビニル系
エマルジョンが得られた。このエマルジョンの100重
量部に対してジブチルフタレート5部を添加混合した
(Em−4)。
【0026】水性エマルジョン比較製造例3 水性エマルジョン製造例2において用いた酢酸ビニルと
アクリル酸を重量比で99.5:0.5の割合で均一に
混合した単量体を用いる代わりに酢酸ビニルのみを用い
た以外は水性エマルジョン製造例1と同様にして、固形
分濃度46.8%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得
られた。このエマルジョンの100重量部に対してジブ
チルフタレート5部を添加混合した(Em−5)。
【0027】水性エマルジョン製造例3 水性エマルジョン製造例2において用いたPVA−2を
用いる代わりにPVA−3(重合度1700、けん化度
98.5モル%、クラレ製PVA−117)を用いた以
外は水性エマルジョン製造例2と同様にして、固形分濃
度47.0%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られ
た。このエマルジョンの100重量部に対してジブチル
フタレート5部を添加混合した(Em−6)。
【0028】水性エマルジョン比較製造例4 水性エマルジョン製造例2において用いたPVA−3を
用いる代わりにPVA−4(重合度1700、けん化度
88.0モル%、クラレ製PVA−217)を用いた以
外は水性エマルジョン製造例2と同様にして、固形分濃
度47.0%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得られ
た。このエマルジョンの100重量部に対してジブチル
フタレート5部を添加混合した(Em−7)。
【0029】水性エマルジョン製造例4 水性エマルジョン製造例1において用いた酢酸ビニルと
アクリル酸を重量比で99.5:0.5の割合で均一に
混合した単量体を用いる代わりに、酢酸ビニルとアクリ
ル酸を重量比で99.9:0.1の割合で均一に混合し
た単量体を用いた他は水性エマルジョン製造例1と同様
にして、固形分濃度48.0%のポリ酢酸ビニル系エマ
ルジョンが得られた。このエマルジョンの100重量部
に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em
−8)。
【0030】水性エマルジョン製造例5 水性エマルジョン製造例1において用いた酢酸ビニルと
アクリル酸を重量比で99.5:0.5の割合で均一に
混合した単量体を用いる代わりに、酢酸ビニルとアクリ
ル酸を重量比で98.5:1.5の割合で均一に混合し
た単量体を用いた他は水性エマルジョン製造例1と同様
にして、固形分濃度48.3%のポリ酢酸ビニル系エマ
ルジョンが得られた。このエマルジョンの100重量部
に対してジブチルフタレート5部を添加混合した(Em
−9)。
【0031】実施例1 水性エマルジョン製造例1で得られたEm−1 100
重量部(固形分)に対して、塩化アルミニウムを0.5
重量部配合して水性エマルジョン組成物を調整した。得
られた水性エマルジョン組成物の皮膜耐水性、耐煮沸水
接着力および粘度安定性を下記の要領で評価した。結果
を表1に示す。
【0032】(エマルジョンの評価) (1)皮膜の耐水性 得られた水性エマルジョンを20℃、65%RH下で、
PET上に流延し、7日間乾燥させて500μmの乾燥
皮膜を得た。この皮膜を直径2.5cmに打ち抜き、そ
れを試料として煮沸水に4時間浸漬した場合の、皮膜の
吸水率、溶出率を求めた。 (2)耐煮沸水接着力 得られた水性エマルジョンをツガ材(柾目)に150g
/m2塗布し、はりあわせて7kg/m2の荷重で16
時間圧締した。その後、解圧し、20℃65%RH下で
5日間養生した後、煮沸水に4時間浸漬し、ぬれたまま
の状態で圧縮せん断強度を測定した。 (3)粘度安定性 エマルジョンを5℃および40℃に放置した場合の30
日後の粘度変化を観察した。
【0033】比較例1 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン比較製造例1で得られたEm−2を用いた
他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて
表1に示す。
【0034】実施例2 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン製造例2で得られたEm−3を用いた他は
実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1
に示す。
【0035】比較例2 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン比較製造例2で得られたEm−4を用いた
他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて
表1に示す。
【0036】比較例3 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン比較製造例3で得られたEm−5を用いた
他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて
表1に示す。
【0037】実施例3 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン製造例3で得られたEm−6を用いた他は
実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1
に示す。
【0038】比較例4 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン比較製造例4で得られたEm−7を用いた
他は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて
表1に示す。
【0039】実施例4 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン製造例4で得られたEm−8を用いた他は
実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1
に示す。
【0040】実施例5 実施例1において用いたEm−1を用いる代わりに水性
エマルジョン製造例5で得られたEm−9を用い、塩化
アルミニウムを0.1重量部用いた他は実施例1と同様
にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0041】実施例6 実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いる代わ
りに硝酸アルミニウムを1重量部用いる他は実施例1と
同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0042】実施例7 実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いる代わ
りに硝酸アルミニウムを0.1重量部用いる他は実施例
1と同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示
す。
【0043】実施例8 実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いる代わ
りに硝酸アルミニウムを3重量部用いる他は実施例1と
同様にして試験を行った。結果を併せて表1に示す。
【0044】比較例5 実施例1において用いた塩化アルミニウムを用いない以
外は実施例1と同様にして試験を行った。結果を併せて
表1に示す。
【0045】比較例6 実施例1において用いた塩化アルミニウムを10重量部
用いた以外は実施例1と同様にして試験を行った。結果
を併せて表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】Em−1:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-1(重
合度1000,けん化度99.3mol%,エチレン変性量7.0mol%)使
用、固形分濃度47.8%} Em−2:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-1使用、固形分濃
度47.7%} Em−3:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-2(重合度1700,け
ん化度97.3mol%,エチレン変性量4.0mol%)使用、固形分濃度4
6.9%} Em−4:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-1使用、固形分濃
度47.9%、アクリル酸使用せず} Em−5:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-2使用、固形分濃
度46.8%} Em−6:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-3(クラレ製PVA-117;
重合度1700,けん化度98.5mol%)使用,固形分濃度47.0%} Em−7:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-4(クラレ製PVA-217;
重合度1700,けん化度88.0mol%)使用,固形分濃度47.0%} Em−8:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-1使用、固形分濃
度48.0%} Em−9:ホ゜リ酢酸ヒ゛ニルエマルシ゛ョン{PVA-1使用、固形分濃
度48.3%} アルミニウム化合物;(1) 塩化アルミニウム、(2) 硝酸アルミニウム
【0048】
【発明の効果】本発明の水性エマルジョン組成物は、放
置粘度安定性に優れる上、耐水性、耐煮沸水接着力に優
れており、木工用接着剤、合板用接着剤、紙加工剤、塗
料、繊維加工剤などに幅広く好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 131/02 C09J 131/02 Fターム(参考) 4J002 BF021 DD076 DF036 GJ01 HA07 4J011 KA01 KA16 KB29 4J038 CE022 CE032 CE042 CF011 CF061 GA01 GA02 GA06 GA09 GA10 GA12 GA13 HA106 HA156 HA336 HA376 KA02 KA09 MA08 MA10 NA04 NA14 NA26 4J040 DD022 DD032 DE011 DE021 GA01 GA03 GA07 GA08 GA13 GA17 GA22 GA24 GA25 GA32 HA096 HA126 HA226 HA256 JA03 LA05 LA07 LA08 MA08 NA12 NA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けん化度95モル%以上のビニルアルコ
    ール系重合体を分散剤として、ビニルエステル系単量体
    およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を乳
    化重合する際に、ビニルエステル系単量体100重量部
    に対し、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
    0.01〜3重量部を均一に混合して乳化重合して得た
    水性エマルジョン(A)およびアルミニウム化合物(B)から
    なる水性エマルジョン組成物。
  2. 【請求項2】 けん化度95モル%以上のビニルアルコ
    ール系重合体が分子内にエチレン単位を1〜20モル%
    含有し、けん化度95モル%以上のビニルアルコール系
    重合体である請求項1記載の水性エマルジョン組成物。
  3. 【請求項3】 アルミニウム化合物(B)が、水性エマルジ
    ョン(A)100重量部(固形分)に対して、0.01〜
    5重量部の割合で含有する請求項1または2記載の水性
    エマルジョン組成物。
  4. 【請求項4】 アルミニウム化合物(B)が、塩化アルミ
    ニウムおよび硝酸アルミニウムから選ばれる少なくとも
    一種の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の水
    性エマルジョン組成物。
  5. 【請求項5】 カルボキシル基含有エチレン性不飽和単
    量体が、アクリル酸である請求項1〜4のいずれかに記
    載の水性エマルジョン組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002371164A (ja) * 2001-06-13 2002-12-26 Kuraray Co Ltd 水性エマルジョン組成物
JP2002371165A (ja) * 2001-06-13 2002-12-26 Kuraray Co Ltd 水性エマルジョン組成物およびその製造方法
JP2008184495A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Kuraray Co Ltd 架橋性水性分散液およびその製造方法、並びに接着剤およびコーティング剤

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