JP2002234904A - ポリビニルエステル系樹脂エマルジョンおよび接着剤 - Google Patents

ポリビニルエステル系樹脂エマルジョンおよび接着剤

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JP2002234904A
JP2002234904A JP2001033660A JP2001033660A JP2002234904A JP 2002234904 A JP2002234904 A JP 2002234904A JP 2001033660 A JP2001033660 A JP 2001033660A JP 2001033660 A JP2001033660 A JP 2001033660A JP 2002234904 A JP2002234904 A JP 2002234904A
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resin emulsion
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Seiji Tanimoto
征司 谷本
Naokiyo Inomata
尚清 猪俣
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高粘度で流動性に優れ、かつ木質材の接着性
に優れ、さらに低温安定性、耐水性に優れるポリビニル
エステル系樹脂エマルジョンおよび該ポリビニルエステ
ル系樹脂エマルジョンを用いた接着剤、とくに木工用接
着剤を提供すること。 【解決手段】 エチレン単位を0.5〜10モル%含有
し、けん化度が80モル%以上であるビニルアルコール
系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体単位お
よび1級水酸基含有単量体単位を有する重合体を分散剤
とするポリビニルエステル系樹脂エマルジョンおよび該
エマルジョンを用いた接着剤、とくに木工用接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高粘度で流動性に
優れ、かつ木質材の接着性に優れ、さらに低温安定性、
耐水性に優れるポリビニルエステル系樹脂エマルジョン
および該ポリビニルエステル系樹脂エマルジョンを用い
た接着剤、とくに木工用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリビニルアルコール(以下、P
VAと略記することがある)はエチレン性不飽和単量
体、特に酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量
体の乳化重合用保護コロイドとして広く用いられてお
り、これを保護コロイドとして用いて乳化重合して得ら
れるビニルエステル系水性エマルジョンは紙用、木工用
およびプラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用およ
び不織製品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ
材、塗料、紙加工および繊維加工などの分野で広く用い
られている。このような水性エマルジョンは、PVA系
重合体のけん化度を調整することにより、一般的に粘度
が低く、ニュートニアン流動に近い粘性を有し、比較的
耐水性の良好なものから、一般的に粘度が高く、比較的
エマルジョン粘度の温度依存性が小さいものが得られる
ことから、種々の用途に賞用されてきた。木工用接着剤
としては、より高粘度のエマルジョンが好ましく、いわ
ゆる部分けん化PVAを保護コロイドとしたビニルエス
テル系水性エマルジョンが広く用いられている。部分け
ん化PVAを保護コロイドとしたビニルエステル系水性
エマルジョンは、低温安定性に優れ、高粘度のものが得
やすい反面、耐水性に劣る問題点を有している。一方、
完全けん化PVAを保護コロイドとしたビニルエステル
系水性エマルジョンは、耐水性に優れるものの、低温安
定性に劣る問題点を有している。このような状況の中
で、エチレン単位を含有するビニルアルコール系重合体
が提案(特開平11−21529号公報、特開平11−
21380号公報、特開平10−226774号公報
等)され、耐水性と低温放置安定性が大幅に改善され
た。しかしながら、得られるエマルジョンの粘度は部分
けん化PVAを保護コロイドとしたエマルジョンよりも
一般に低く、木工用接着剤としては不十分であるのが現
状であった。また、エチレン単位を含有するビニルアル
コール系重合体を保護コロイドとしたエマルジョンはエ
チレン単位を含有しない従来のビニルアルコール系重合
体を保護コロイドとしたエマルジョンに比べ、ニュート
ニアン粘性を示す。木工用接着剤として用いる場合、流
動性が充分でないため、とくに高粘度時の流動性が充分
でないため、基材に塗工しにくい、接着剤の“のび”が
悪いといった問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、低温安定性および耐水性に優れ、さらに
高粘度でありながら流動性に優れるポリビニルエステル
系樹脂エマルジョンおよび該ポリビニルエステル系樹脂
エマルジョンを用いた接着剤、とくに木工用接着剤を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するポリビニルエステル系樹脂エマルジ
ョンおよび木工用接着剤を開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、エチレン単位を0.5〜10モル%含有し、けん
化度が80モル%以上であるビニルアルコール系重合体
を分散剤とし、ビニルエステル系単量体単位および1級
水酸基含有単量体単位を有する重合体を分散質とするポ
リビニルエステル系樹脂エマルジョンが上記目的を満足
するものであることを見出した。また、該ポリビニルエ
ステル系樹脂エマルジョンからなる接着剤、とくに木工
用接着剤が上記目的を満足するものであることを見出し
本発明を完成させるに到った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるエチレン単位
を0.5〜10モル%含有し、けん化度が80モル%以
上であるビニルアルコール系重合体の製造方法としては
特に制限はなく、公知の方法によりビニルエステルとエ
チレンとの共重合体をけん化することにより得ることが
できる。
【0006】また、ここで、ビニルエステルとしては、
蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリ
ン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢酸ビニルが好
ましく用いられる。
【0007】また、エチレン単位を0.5〜10モル%
含有し、けん化度が80モル%以上であるビニルアルコ
ール系重合体は本発明の効果を損なわない範囲で共重合
可能なエチレン性不飽和単量体を共重合したものでも良
い。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マ
レイン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメ
チル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)
−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロ
リドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナ
トリウム、N−ビニルピロリドン、 N−ビニルホルム
アミド、 N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミ
ド類が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプ
ロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステル系単量体をエチレンと共重合
し、それをけん化することによって得られる末端変性物
も用いることができる。
【0008】本発明に用いるエチレン単位を0.5〜1
0モル%含有し、けん化度が80モル%以上であるビニ
ルアルコール系重合体のけん化度は、80モル%以上で
あることが必要であり、好ましくは、90モル%以上で
あり、より好ましくは95モル%以上である。けん化度
が80モル%未満の場合には、得られるポリビニルエス
テル系樹脂エマルジョンの耐水性が低下する懸念が生じ
る。該ビニルアルコール系重合体の重合度も特に制限さ
れないが、通常100〜8000の範囲のものが用いら
れ、300〜3000がより好ましく用いられる。重合
度が100未満の場合には、ビニルアルコール系重合体
の保護コロイドとしての特徴が発揮されず、8000を
越える場合には、該ビニルアルコール系重合体の工業的
な製造に問題がある。また、エチレン単位を0.5〜1
0モル%含有することは重要で、この範囲のエチレン単
位を含有するビニルアルコール系重合体を使用すること
により、高粘度で流動性に優れた、しかも接着性、耐水
接着性、および低温安定性に優れたエマルジョンを得る
ことができる。エチレン単位は2〜9モル%含有するこ
とが好適である。
【0009】本発明に用いられる1級水酸基含有単量体
は特に制限されないが、通常、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレートから選ばれる少なくとも1種の単
量体が好ましく用いられる。
【0010】本発明に用いるビニルエステル系単量体単
位(A)と1級水酸基含有単量体単位(B)の重量比率
(A)/(B)は特に制限されないが、通常100/
0.5〜100/10、好ましくは100/1〜100
/7の重量比率で用いられる。1級水酸基含有単量体単
位(B)の割合が前記割合より小さい場合、得られるポ
リビニルエステル系樹脂エマルジョンの粘度が低下する
恐れがある。また、1級水酸基含有単量体単位(B)の
割合が前記割合より大きい場合、得られるポリビニルエ
ステル系樹脂エマルジョンの耐水性が低下する恐れがあ
る。
【0011】本発明のポリビニルエステル系樹脂エマル
ジョンの分散質を構成するビニルエステル系単量体とし
て、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピ
バリン酸ビニルなどが挙げられるが、一般に酢酸ビニル
が好ましく用いられる。
【0012】本発明においては分散質にさらにエチレン
を共重合したものを用いることは本発明の好ましい態様
のひとつである。また、本発明の効果を損なわない範囲
で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合しても
構わない。エチレン性不飽和単量体およびジエン系単量
体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位としては、
エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィ
ン、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、
ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、ギ
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチ
ック酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの
アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル、アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチルおよびこれらの四級化物、さらには、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウ
ム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン、α−メ
チルスチレン、p−スチレンスルホン酸およびナトリウ
ム、カリウム塩などのスチレン系単量体、その他N−ビ
ニルピロリドンなど、また、ブタジエン、イソプレン、
クロロプレンなどのジエン系単量体、さらに、ジビニル
ベンゼン、テトラアリロキシエタン、N,N’−メチレ
ンビス−アクリルアミド、2,2’−ビス(4−アクリ
ロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジオ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、アリルメタクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジ
プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタン
トリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、2,2 −ビス(4−メタクリロキシポリエト
キシフェニル)プロパン、メタクリル酸アルミニウム、
メタクリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリ
ル酸マグネシウム、N,N‘−m−フェニレンビスマレ
イミド、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリ
テート、ジアリルクロレンデート、エチレングリコール
ジグリシジルエーテルアクリレート等の多官能性単量体
が挙げられ、これらは単独あるいは二種以上混合して用
いられる。
【0013】本発明に用いるポリビニルエステル系樹脂
エマルジョンの製法は特に制限されないが、例えばエチ
レン単位を0.5〜10モル%含有し、けん化度が80
モル%以上であるビニルアルコール系重合体の水溶液を
分散剤に用い、ビニルエステル系単量体を一時又は連続
的に添加し、アゾ系重合開始剤、過酸化水素、過硫酸ア
ンモニウムおよび過硫酸カリウム等の過酸化物系重合開
始剤等の重合開始剤を添加し、乳化重合する方法が挙げ
られる。
【0014】エチレン単位を0.5〜10モル%含有
し、けん化度が80モル%以上であるビニルアルコール
系重合体の使用量については特に制限はないが、上記ビ
ニルエステル系単量体および1級水酸基含有単量体を含
有する重合体100重量部に対して好ましくは3〜15
重量部、より好ましくは5〜13重量部の範囲である。
該使用量が3重量部未満の場合には重合安定性が低下す
る恐れがあり、15重量部を越える場合には、得られた
エマルジョンの放置安定性が低下することがある。
【0015】本発明のポリビニルエステル系樹脂エマル
ジョンおよび接着剤は、上記の方法で得られるポリビニ
ルエステル系樹脂エマルジョンをそのまま用いることが
できるが、必要があれば、本発明の効果を損なわない範
囲で、従来公知の各種エマルジョンを添加して用いるこ
とができる。なお、本発明のポリビニルエステル系樹脂
エマルジョンにおける分散剤としては、前述のビニルア
ルコール系重合体が用いられるが、必要に応じて、従来
公知のアニオン性、ノニオン性あるいはカチオン性の界
面活性剤や、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等の水溶性高分子を併用することがで
きるし、また本発明の目的を損なわない範囲でエチレン
単位を0.5〜10モル%含有し、けん化度が80モル
%以上であるビニルアルコール系重合体以外のビニルア
ルコール系重合体を併用しても構わない。また、多価イ
ソシアネート化合物等の架橋剤を併用しても構わない。
【0016】本発明のポリビニルエステル系樹脂エマル
ジョンは、粘度が高く、流動性に優れ、また耐水性、低
温安定性に優れており、各種接着剤として有用であり、
とくにフラッシュパネル、集成材、ツキ板、合板加工
用、合板二次加工用(練り合わせ)、一般木工等の木工
用接着剤としてとくに有用である。また、含浸紙用、不
織製品用のバインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加
工および繊維加工などの分野でも好適に用いられる。
【0017】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエマルジョンの耐水
性、放置安定性を、下記の要領で評価した。
【0018】(エマルジョンの評価) (1)エマルジョン粘度 BH型粘度計((株)トキメック製)を用い、30℃に
おいて、2rpm、20rpmの回転数で、得られた水
性エマルジョンの粘度を測定した。測定した数値を用
い、次式によりエマルジョンの流動性を求めた。 (流動性)=log(η2rpm/η20rpm) この数値が大きい方が一般に塗工性は良いとされる。 (2)木材接着力 得られた水性エマルジョンを刷毛を用い、カバ材(柾
目)に150g/m2塗布し、はりあわせて10kg/
m2の荷重で16時間圧締した。その際の塗工性を下記
基準により判定した。 ○:塗工しやすい、△:ややのびが悪い、×:非常に塗
工しにくい その後、解圧し、20℃65%RH下で5日間養生した
後、圧縮せん断強度を測定した(常態接着力)。また、
養生後、60℃の温水に3時間浸漬し、ぬれたままの状
態で圧縮せん断強度を測定した(耐温水接着力)。 (3)低温安定性 エマルジョンを0℃に放置した場合の1月後の粘度変化
を観察した。 ○ほとんど変化なし、△やや増粘、×増粘・ゲル化
【0019】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、イオン交換水300、
PVA−1(重合度1000、けん化度99.2モル
%、エチレン単位含有量7モル%)26g、酢酸ナトリ
ウム0.3gを仕込み95℃で完全に溶解した。次に、
このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、200rpmで
撹拌しながら、60℃に昇温した後、酒石酸の10%水
溶液を4.4gおよび5%過酸化水素水3gをショット
添加後、酢酸ビニル26gを仕込み重合を開始した。重
合開始30分後に初期重合終了を確認した。酒石酸の1
0%水溶液を0.9g添加後、5%過酸化水素水3g、
酢酸ビニル234g、ヒドロキシエチルアクリレート
5.2g(酢酸ビニル100重量部に対しヒドロキシエ
チルアクリレート2重量部:重合体中の重量比率も同
じ)を2時間にわたって連続的に添加し、重合を完結さ
せた後、冷却した。その後、60メッシュのステンレス
製金網を用いてろ過した。以上の結果、固形分濃度(T
SC)48.7%のポリ酢酸ビニル系エマルジョンが得
られた。このエマルジョンの100重量部に対してエチ
レングリコールモノフェニルエーテル5部を添加混合し
た。このエマルジョン(Em−1)の物性を前述の方法
により測定した。結果を表1に示す。
【0020】実施例2 実施例1で用いたヒドロキシエチルアクリレートをヒド
ロキシエチルメタクリレートに変えた他は実施例1と同
様にしてEm−2を得た。このエマルジョンの物性を併
せて表1に示す。
【0021】実施例3 実施例1で用いたヒドロキシエチルアクリレートをヒド
ロキシプロピルアクリレートに変えた他は実施例1と同
様にしてEm−3を得た。このエマルジョンの物性を併
せて表1に示す。
【0022】比較例1 実施例1で用いたヒドロキシエチルアクリレートを用い
なかった他は実施例1と同様にしてEm−4を得た。こ
のエマルジョンの物性を併せて表1に示す。
【0023】比較例2 実施例1で用いたPVA−1を用いる代わりにPVA−
2(重合度1700、けん化度98.5モル%;(株)
クラレ製PVA−117)を用いた他は実施例1と同様
にしてEm−5を得た。このエマルジョンの物性を併せ
て表1に示す。
【0024】比較例3 実施例1で用いたPVA−1を用いる代わりにPVA−
3(重合度1700、けん化度88モル%;(株)クラ
レ製PVA−217)を用いた他は実施例1と同様にし
てEm−6を得た。このエマルジョンの物性を併せて表
1に示す。
【0025】実施例4 実施例1で用いたPVA−1を用いる代わりにPVA−
4(重合度1700、けん化度97.5モル%、エチレ
ン単位含有量5モル%)を用いた他は実施例1と同様に
してEm−6を得た。このエマルジョンの物性を併せて
表1に示す。
【0026】実施例5 実施例1で用いたヒドロキシエチルアクリレートを13
gとした他は実施例1と同様にしてEm−7を得た。こ
のエマルジョンの物性を併せて表1に示す。
【0027】実施例6 窒素吹き込み口、温度計、撹拌機を備えた耐圧オートク
レーブにイオン交換水92.5g、PVA−1を9.4
gを仕込み、95℃で完全に溶解した。その後内温を6
0℃に調整してから、窒素置換を行った。酢酸ビニル8
0g、ヒドロキシエチルメタクリレート1.6gを仕込
んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧し、0.
5%過酸化水素水溶液2gおよび2%ロンガリット水溶
液0.3gを圧入し、重合を開始した。残存酢酸ビニル
濃度が10%となったところで、エチレン放出し、エチ
レン圧力20kg/cm2とし、3%過酸化水素水溶液
0.3gを圧入し重合を完結させた。重合中に凝集など
がなく、重合安定性に優れており、固形分濃度49.5
%、エチレン含量15重量%のエチレン−酢酸ビニル共
重合体エマルジョン(Em−8)が得られた。評価を前
述の方法により行った。結果を併せて表1に示す。
【0028】比較例4 実施例6で用いたヒドロキシルエチルアクリレートを用
いなかった他は実施例6と同様にしてEm−9を得た。
このエマルジョンの物性評価結果を併せて表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】注1;酢酸ビニル単位100重量部に対す
る1級水酸基含有単量体単位 の重量部 (phm) PVA−1;重合度1000,けん化度99.2モル
%、エチレン単位含有量7モル% PVA−2;重合度1700,けん化度98.5モル%
{(株)クラレ製PVA−117} PVA−3;重合度1700,けん化度88モル%
{(株)クラレ製PVA−217} PVA−4(重合度1700、けん化度97.5モル
%、エチレン単位含有量5モル%)
【0031】
【発明の効果】本発明のポリビニルエステル系樹脂エマ
ルジョンおよび木工用接着剤は、粘度が高く、流動性に
優れ、また低温安定性、耐水性、木質材への接着性に優
れており、フラッシュパネル、集成材、ツキ板、合板加
工用、合板二次加工用(練り合わせ)、一般木工等の木
工用接着剤、各種接着剤、含浸紙用、不織製品用のバイ
ンダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、紙加工および繊維加
工などの分野で好適に用いられる。
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Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン単位を0.5〜10モル%含有
    し、けん化度が80モル%以上であるビニルアルコール
    系重合体を分散剤とし、ビニルエステル系単量体単位
    (A)および1級水酸基含有単量体単位(B)を有する
    重合体を分散質とするポリビニルエステル系樹脂エマル
    ジョン。
  2. 【請求項2】 ビニルエステル系単量体単位(A)と1
    級水酸基含有単量体単位(B)の重量比率(A)/
    (B)が100/0.5〜100/10である請求項1
    記載のポリビニルエステル系樹脂エマルジョン。
  3. 【請求項3】 1級水酸基含有単量体単位が、ヒドロキ
    シエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
    トおよびヒドロキシプロピルアクリレートから選ばれる
    少なくとも1種の単量体単位である請求項1または2記
    載のポリビニルエステル系樹脂エマルジョン。
  4. 【請求項4】 分散質がさらにエチレン単位を有する重
    合体である請求項1〜3のいずれかに記載のポリビニル
    エステル系樹脂エマルジョン。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のポリビ
    ニルエステル系樹脂エマルジョンからなる接着剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載のポリビニ
    ルエステル系樹脂エマルジョンからなる木工用接着剤。
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