JP3916764B2 - 水性エマルジョン組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性エマルジョン組成物に関し、詳しくは、ダイラタンシー性を有する水性エマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリビニルアルコール系重合体(以下PVA系重合体と略す)を分散剤とする水性エマルジョンは、PVA系重合体の保護コロイド性が高いために極めて高い機械的安定性、化学的安定性、顔料混和性を有し、また、該水性エマルジョンから形成される皮膜は極めて強靱であるために、古くから塗料,接着剤,繊維加工剤,紙加工剤などの多くの用途で賞用されている。
また、PVA系重合体を分散剤とする水性エマルジョンの粘性(流動性)は、一般的にせん断速度の増加に伴い見かけ粘度が低下する、いわゆるシェアシンニング性(以下チキソトロピック性と表現することもある)を有しており、実用に際してこの流動性が好まれる場合もある。
しかし、最近、PVA系重合体を分散剤とする水性エマルジョンを用いて生産する製品(例えば、木工接着製品、紙接着製品、繊維製品等)においては、生産性の向上を目的に生産ライン(ロール回転速度)をスピードアップすることが行われる中で、従来のシェアシンニング性の水性エマルジョンでは、ロール塗工時の塗布量コントロールやロールからの水性エマルジョンの飛散の問題が顕在化してきている。
【0003】
この問題を解決する目的で、水性エマルジョンの流動性を見かけ粘度がせん断速度に依存しないニュートニアン性やせん断速度の増加に伴い見かけ粘度が増加するシェアシックニング性(以下ダイラタンシ−性と表現する場合もある)にすることが行われている。
PVA系重合体を分散剤とする水性エマルジョンをチキソトロピック性からニュートニアン性に近づける方法としては、乳化重合方法(開始剤量、分散剤量等)の改良や分散剤に使用するPVA系重合体の種類を選択する(鹸化度、分子量等)ことである程度制御可能である。
【0004】
また、さらにニュートニアン性からダイラタンシー性に該水性エマルジョンの流動性を変化させるためには、上記の如き乳化重合方法や、PVA系重合体の選定だけでは水性エマルジョンの分散安定性を維持した状態で流動性だけを変化させることは一般的には難しい。したがって、チキソトロピック性のPVA系重合体を分散剤とする水性エマルジョンにPVA系重合体のゲル化剤(例えば、ホウ酸やコンゴーレッド等)を後添加し、流動性をダイラタンシー性にする方法が使用されるケースがある。しかしながら、これらゲル化剤は安全性の問題や着色の問題があり、用途においては使用に際して制限を受ける場合がある。
また、特開平6−211911号公報には、乳化重合するに際し、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物およびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩を用いて得た、高速塗工性に優れた紙塗工用水性共重合体エマルジョンについて記載されている。また、前記公報にはPVAを任意的に配合することができることも記載されているが、PVAとナフタレンスルホン塩ホルムアルデヒド縮合物とを配合することの意義、配合割合、さらにはPVAの配合量が同縮合物の配合量より多いことについて記載されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、上記の如き問題が少なく、水性エマルジョンのせん断速度に対する見かけ粘度の低下を抑制し、あるいは見かけ粘度を増加させうる水性エマルジョン組成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の好ましい性質を有する水性エマルジョン組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、分散質がビニルエステル系(共)重合体であり、分散剤が(A)ポリビニルアルコール系重合体である水性エマルジョンにおいて、(B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物を含有し、かつ(A)/(B)の重量割合が固形分比で100/0.05〜100/100であることを特徴とする水性エマルジョン組成物が、目的とする性能を備えたものであることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における水性エマルジョン組成物は、分散質としてビニルエステル系(共)重合体を含有する。
分散質を構成するビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニルなどのビニルエステルが挙げられ、ビニルエステルと共重合しうる共単量体としてはエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体が挙げられる。エチレン性不飽和単量体の好ましい例としては、エチレン,プロピレン,イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル,フッ化ビニル,ビニリデンクロリド,ビニリデンフルオリドなどのハロゲン化オレフィン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの四級化物、さらには、アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド,アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン,α−メチルスチレン,p−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム,カリウム塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリドンなどが挙げられ、また、ジエン系単量体の好ましい例としては、ブタジエン,イソプレンが挙げられる。ビニルエステル系(共)重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルで代表されるビニルエステル系(共)重合体が挙げられる。
【0008】
本発明の水性エマルジョン組成物は、分散剤としてPVA系重合体を含有する。
分散剤を構成するPVA系重合体は、特に制限はなく各種のものが使用できるが、通常は、酢酸ビニルに代表されるビニルエステル系単量体を重合した後、鹸化することによって得られるPVA系重合体が用いられる。
なお、上記のビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル以外に、ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニル,ピバリン酸ビニルなどを用いることも可能である。
【0009】
また、本発明の水性エマルジョン組成物を構成する分散剤であるPVA系重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニルエステル系単量体と共重合可能な単量体を共存させ、共重合することも可能である。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類、メチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタクリロニトニル等のニトリル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメット酸または無水イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物及びそのエステル、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有化合物、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン化合物、酢酸イソプロペニル、3−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0010】
また、チオール酢酸,メルカプトプロピオン酸などのチオール化合物存在下で、
酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体を重合し、それをけん化することによって得られる末端変性物も用いることができる。
【0011】
本発明の水性エマルジョン組成物を構成する分散剤であるPVA系重合体の重合度については特に制限はないが、50〜8000の範囲が好ましく、100〜4000の範囲がより好ましく、最適には、200〜3500である。重合度が50未満の場合、PVA系重合体の保護コロイド性が低く、水性エマルジョンの分散安定性が悪化し、また、重合度が8000以上では水性エマルジョンの粘度が高くなると共に分散安定性も低下するため好ましくない。また、該PVA系重合体の鹸化度は一概には限定できないが一般的に水溶性の観点から50モル%以上、好ましくは60モル%以上が好ましく、70モル%以上が特に好ましい。上限については、100モル%以下、好ましくは98モル%以下、さらに好ましくは96モル%以下である。
【0012】
本発明の水性エマルジョン組成物に含有する芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物は、各種芳香族スルホン酸アルカリ金属塩とホルムアルデヒドの縮合物であれば特に制限はないが、代表的には、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物が使用される。ここで、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとしては、α−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ナトリウムがあげられる。これらのホルムアルデヒド縮合物のうち、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物が最良である。本発明で使用される芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物は、水溶性または水分散性で、かつ一分子中に芳香族スルホン酸アルカリ金属塩単位を二単位以上含有するものであれば良い。また、芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の縮合度(n)は2〜20であることが好適で、さらに好適には4〜18、最適には8〜16である。また(B)成分としては、メラミンスルホン酸アルカリ金属塩のホルムアルデヒド縮合物などの複素環式スルホン酸アルカリ金属塩のホルムアルデヒド縮合物も使用できる。
【0013】
本発明の水性エマルジョン組成物に含有する(A)PVA系重合体と(B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の割合は、(A)/(B)=100/0.05〜100/100(固形分比)である必要がある。(A)/(B)=100/0.05よりも(B)の比率が少ない場合、目的とする効果(水性エマルジョンのせん断速度に対する見かけ粘度の低下を抑制し、あるいは見かけ粘度を増加させる効果)が十分に発現せず、また、(B)の割合が100/100を越えると水性エマルジョン皮膜の耐水性が低下し、また凝集が発生する問題が出てくる。好適な割合は、(A)/(B)=100/0.1〜100/80であり、最適には(A)/(B)=100/0.2〜100/50である。
【0014】
本発明の水性エマルジョン組成物は、分散質がビニルエステル系(共)重合体であり、分散剤が(A)ポリビニルアルコール系重合体と(B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物からなり、(A)/(B)の重量割合が固形分比で100/0.05〜100/100であれば良く、その製法は特に制限はない。例えば、PVA系重合体と芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の存在下で、ビニルエステル系単量体、またはビニルエステル系単量体と共単量体を従来公知の方法で乳化(共重合)する方法、PVA系重合体の存在下で、ビニルエステル系単量体、またはビニルエステル系単量体と共単量体を従来公知の方法で乳化(共重合)した水性エマルジョンに芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物を後添加する方法、芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の存在下で、ビニルエステル系単量体、またはビニルエステル系単量体と共単量体を従来公知の方法で乳化(共重合)した水性エマルジョンにPVA系重合体を後添加する方法等が実施できる。
【0015】
本発明の水性エマルジョン組成物の(A)と(B)の合計使用量は、ビニルエステル系(共)重合体100重量部に対して1〜50重量部であることが、分散安定性の低下、過度な粘度上昇、皮膜耐水性の低下等を防止することができることから好ましく、さらに好ましくは2〜30重量部の範囲である。
【0016】
本発明の水性エマルジョン組成物を得るために行う乳化(共)重合は、上記ビニルエステル系単量体、またはビニルエステル系単量体と共単量体を一時又は連続的に乳化重合系に添加することにより行われる。また、ビニルエステル系単量体、またはビニルエステル系単量体と共単量体を、予め乳化重合時に使用する分散剤水溶液を用いて乳化したものを、連続的に重合反応系に添加する乳化重合法も採用できる。
乳化重合に使用する開始剤は、従来公知のものが使用できる。例えば、過硫酸塩、過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等の水溶性開始剤や、各種アゾ系あるいはパーオキサイド系油溶性開始剤が単独または酒石酸、アスコルビン酸、ロンガリット、二価鉄イオン等の還元剤と組み合わせたレドックス系で用いられる。
乳化重合温度は開始剤の種類等により異なり一概には限定できないが、一般的には−20℃から100℃の範囲から選択される。
このようにして得られた本発明の水性エマルジョン組成物は、ニュ−トリアン性あるいはダイラタンシ−性を有している。ここでダイラタンシ−性とは、たとえば実施例に示すとおり、6rpmと60rpmの30℃における粘度比(6rpm)/(60rpm)が1より小さいことを意味している。
【0017】
本発明の水性エマルジョン組成物には、必要に応じて、従来公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の界面活性剤や、でんぷん,変性でんぷん,酸化でんぷん,アルギン酸ソーダ,カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,無水マレイン酸/イソブテン共重合体,無水マレイン酸/スチレン共重合体,無水マレイン酸/メチルビニルエーテル共重合体などの水溶性高分子化合物や尿素/ホルムアルデヒド樹脂,尿素/メラミン/ホルムアルデヒド樹脂,フェノール/ホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂もそれぞれ併用することができる。
さらに、本発明の水性エマルジョン組成物には、クレー,カオリン,タルク,炭酸カルシウム,木粉などの充填剤、小麦粉などの増量剤、酸化チタンなどの顔料あるいはその他、防腐剤,防錆剤、消泡剤などの各種添加剤をも適宜添加することができる。
【0018】
本発明の水性エマルジョン組成物の固形分濃度は、20〜75重量%が好ましい。固形分濃度が20重量%よりも低い場合には実用に際して乾燥速度が遅い問題があり、75重量%を越えると過度な粘度上昇や分散安定性低下の問題がある。
【0019】
本発明の水性エマルジョン組成物は、特に、高速生産ラインで生産される製品に使用する紙用接着剤、木工接着剤、繊維処理剤、塗料等の各種用途において好適に用いられる。
【0020】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明する。なお以下の実施例及び比較例において「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を意味する。水性エマルジョンの流動性は下記の要領で評価した。
【0021】
(水性エマルジョンの流動性の評価)
BM型粘度計を用い、60rpmと6rpmの30℃における粘度を測定し、その比(6rpm粘度)/(60rpm粘度)を求めて流動性の指標とした。
【0022】
実施例1
還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた1リットルガラス製重合容器に、水320g,ポリビニルアルコール(PVA−1:重合度1700,鹸化度88.0モル%)20gを仕込み、95℃で完全に溶解した。
次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、140rpmで攪拌しながら酢酸ビニル40gを仕込み、60℃に上昇したのち、10%酒石酸水溶液10gを添加し、さらに1%過酸化水素水の連続滴下を始め重合を開始した。0.5時間後に温度を80℃まで上昇させ、酢酸ビニル360gの連続滴下を開始した。酢酸ビニルの連続滴下は2時間で終了し(この間1%過酸化水素水50gを連続添加)、固形分濃度52.0%,粘度5000mPas・sのPVAを分散剤とするポリ酢酸ビニルエマルジョン(Em−1)が得られた。Em−1はその固形分あたり5重量%のPVA−1を含有している。
Em−1に縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あたり5重量部(固形分)となるように添加し、さらに水を添加して固形分濃度45%の水性エマルジョン組成物を調製し流動性を上記方法により評価した。
【0023】
実施例2
実施例1のEm−1に縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あたり0.5重量部(固形分)となるように添加し、さらに水を添加して固形分濃度45%の水性エマルジョン組成物を調製し流動性を実施例1と同様に評価した。
【0024】
実施例3
実施例1のEm−1に縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あたり20重量部(固形分)となるように添加し、さらに水を添加して固形分濃度45%の水性エマルジョン組成物を調製し流動性を実施例1と同様に評価した。
【0025】
比較例1
実施例1のEm−1に水を添加して固形分濃度45%の水性エマルジョンを調製し流動性を実施例1と同様に評価した。
【0026】
実施例4
ポリビニルアルコール(PVA−2:重合度1000、鹸化度94.2モル%)
14.4gをイオン交換水230gに加熱溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備えた耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に調整後、酢酸ビニル300gを仕込み、次いで、エチレンを45kg/cm2 Gまで昇圧した(エチレンの仕込量は60gに相当する)。温度を60℃まで昇温後、過酸化水素−ロンガリット系レドックス開始剤で重合を開始した。2時間後重合は終了し固形分濃度56. 2%,粘度2100mPas・sのPVAを分散剤とするポリ(酢酸ビニル−エチレン)共重合体エマルジョン(Em−2)が得られた。Em−2はその固形分あたり4重量%のPVA−2を含有している。
Em−2に縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あたり10重量部(固形分)となるように添加し、さらに水を添加して固形分濃度50%の水性エマルジョン組成物を調製し流動性を上記方法により評価した。
【0027】
実施例5
実施例4において、PVA−2を14.4gと縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)粉末を13.0gをイオン交換水250gに溶解したものを分散剤として使用する以外は実施例4と同様にしてポリ(酢酸ビニル−エチレン)共重合体エマルジョンを得た(Em−3)。Em−3中にはPVA100重量部あたり90重量部のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物を含有している。Em−3に水を添加して固形分濃度50%の水性エマルジョン組成物を調製し流動性を上記方法により評価した。
【0028】
比較例2
実施例4のEm−2に水を添加して固形分濃度50%の水性エマルジョンを調製し流動性を実施例1と同様に評価した。
【0029】
比較例3
実施例5のEm−3に縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あたり20重量部追加添加し、さらに水を添加して固形分濃度50%の水性エマルジョンを調製した。該水性エマルジョン組成物中にはPVA100重量部あたりナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物を110重量部(固形分)含有する。該水性エマルジョン組成物を用いて流動性を上記方法により評価した。
【0030】
比較例4
実施例4において、PVA−2の代りに、縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)14.4gを用いる以外は実施例4と同様にしたが、凝集が発生し、安定な水性エマルジョンは得られなかった。
【0031】
比較例5
実施例4において、縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あたり10重量部(固形分)添加する代りに、同縮合物の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あたり0.01重量部(固形分)添加する以外は実施例4と同様にしたが、ダイランシーを示す水性エマルジョンは得られなかった。
【0032】
比較例6
実施例4において、PVA−2の代りに、縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)7.2gとアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(サンデットBL:三洋化成製)7.2gを用いる以外は実施例4と同様にして、固形分濃度55.3%、粘度4800mPas・sのポリ(酢酸ビニルーエチレン)共重合体エマルジョンを得た。これを用いて、実施例4と同様に評価したが、ダイランシーを示す水性エマルジョンは得られなかった。
【0033】
実施例6
実施例4において、縮合度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の代りに、縮合度(n)4〜5のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(ローマD:サンノプコ製)を使用する以外は、実施例4と同様の条件で水性エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの流動性を上記方法により評価した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】
本発明の水性エマルジョン組成物は、せん断速度の増加に対して見かけ粘度の低下が抑制され、また、せん断速度の増加に対して見かけ粘度が増加する流動性を有する。
したがって、本発明の水性エマルジョン組成物は、高速塗工時の問題点がなく、紙用接着剤、木工用接着剤、繊維処理剤、紙用塗工剤、塗料等に幅広く、かつ有効に利用できる。
Claims (4)
- 分散質がビニルエステル系(共)重合体であり、分散剤が(A)ポリビニルアルコール系重合体である水性エマルジョンにおいて、(B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物を含有し、かつ(A)/(B)の重量割合が固形分比で100/0.05〜100/100であることを特徴とする水性エマルジョン組成物。
- ビニルエステル系(共)重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体またはポリ酢酸ビニルである請求項1記載の水性エマルジョン組成物。
- (B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の縮合度が2〜20である請求項1または2記載の水性エマルジョン組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の水性エマルジョン組成物からなるダイラタンシー性を有する水性エマルジョン組成物。
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