JP3285675B2 - 塗工紙 - Google Patents

塗工紙

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JP3285675B2
JP3285675B2 JP20750193A JP20750193A JP3285675B2 JP 3285675 B2 JP3285675 B2 JP 3285675B2 JP 20750193 A JP20750193 A JP 20750193A JP 20750193 A JP20750193 A JP 20750193A JP 3285675 B2 JP3285675 B2 JP 3285675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流動性、保水性および
安定性に優れた塗工液組成物を原紙に塗工してなる、
面強度の高い塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紙に塗工する塗工液組成物は、一般的に
は結合剤、顔料及び保水剤等を配合したものが使用され
ている。従来、結合剤としては、一般的にはスチレン−
ブタジエン系共重合体ラテックスを中心とした合成ゴム
系水性分散液にカゼインおよび澱粉等の水溶性天然高分
子が併用されている。顔料としては、カオリナイトクレ
ー、重質炭酸カルシウム等が用いられている。保水剤と
しては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、アルギン酸ソーダ等が用いられている。次に、グラ
ビア印刷紙用塗工液組成物を例に挙げて、従来の紙塗工
用塗工液組成物について詳細に説明する。塗工時におけ
るエネルギー消費の最大の要因は、塗工後の脱水、即ち
乾燥であることから、省エネルギーの観点からは、塗工
液組成物の高濃度化が要求される。又、塗工時における
生産性向上(スピードアップ)のためには、塗工液組成
物の流動性が良いこと、即ち粘度が高過ぎないことが要
求される。特に高濃度においても流動性が良いことが重
要になる。又、塗工液組成物の保水性も重要である。保
水性が低いと、塗工液組成物中の水分が原紙へ急激に浸
透することによる濃度変化によりストリーク等の操業及
び品質上のトラブルが生じるからである。また、前述の
ように塗工液組成物は結合剤、顔料及び保水剤等の添加
剤を配合したものであることから、結合剤として水性分
散液等を用いる場合には、該水性分散液等の化学的安定
性及び機械的安定性が要求される。さらに当然のことで
あるが、得られる塗工紙の表面強度が高いことが重要で
ある。
【0003】したがって、これらの諸要求特性がすべて
バランス良く具備されることが必要であるが、これらの
要求特性はそれぞれ互いに相反する要求である場合が多
い。これらの諸要求特性の点から見ると、カゼインおよ
び澱粉等の水溶性天然高分子結合剤あるいはカルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロースおよびアルギン酸
ソーダ等の保水剤を塗工液組成物に添加した場合には、
高い保水性が付与されるが、その一方で塗工液組成物の
流動性が低下する。即ち、低剪断速度下および高剪断速
度下における塗工液粘度が上昇し、特に高濃度塗工液で
はその傾向が顕著になり、塗工液の取扱性が低下し良好
な塗工が困難となる。また、顔料の面から、流動性改善
のために重質炭酸カルシウムを用いることが提案されて
いるが、保水性の点ではカオリナイトクレーに劣る。ま
た、水性分散液(エマルジョン、ラテックス)を結合剤
に用いる場合には、塗工液の低粘度化や高濃度化が可能
であり、接着力が高く、カレンダー効果が発現しやす
く、光沢および平滑性が向上しやすいこと等の長所があ
るが、その一方で一般の低分子界面活性剤存在下での乳
化重合により得られる水性分散液では、特に高剪断速度
下における流動性の点で問題があり、保水性、化学的安
定性および機械的安定性が不充分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の諸要求特性を全て満足できる塗工液組成物を原紙に塗
工してなる、表面強度の高い塗工紙を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行った結果、(a) スチレン系単量体単位、ジエン系単量体単位、ア
クリル酸エステル系単量体単位およびメタアクリル酸エ
ステル系単量体単位の中から選ばれた少なくとも一種の
単量体単位からなる重合体を分散質とし、末端にメルカ
プト基を有するポリビニルアルコール系重合体を分散剤
とする水性エマルジョン2〜25重量部(固形分換算)
および (b)クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、サチン白
の中から選ばれた少なくとも一種の鉱物性顔料100重
量部 からなる塗工液組成物を原紙に5.0g/m 以上
塗工してなる塗工紙を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるスチレン系単量体としては、例えばスチレン,α
−メチルスチレン,p−メチルスチレンスルホン酸およ
びそのナトリウム,カリウム塩などが挙げられる。ジエ
ン系単量体としては、例えばブタジエン,イソプレン,
クロロプレンなどが挙げられる。アクリル酸エステル系
およびメタアクリル酸エステル系単量体としては、各種
(メタ)アクリル酸エステルが挙げられ、例えば(メ
タ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,
(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル,(メタ)アクリル酸
ジメチルアミノエチルおよびその四級化物などが挙げら
れる。これらの単量体は一種でもよく、また二種以上を
組み合わせて用いてよい。本発明における水性エマルジ
ョンを構成する重合体には、性能が損なわれない範囲で
所望に応じて共重合可能な単量体を共重合させることが
できる。この共重合可能な単量体としては、例えばエチ
レン,プロピレン,イソブチレンなどのオレフィン,塩
化ビニル,フッ化ビニル,ビニリデンクロライド,ビニ
リデンフルオライドなどのハロゲン化オレフィン,ギ酸
ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサチッ
ク酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸,メタク
リル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン
酸,シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸およびその塩、(メタ)アクリルアミド,N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド,N,N´−ジメチル
アクリルアミド,アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸およびそのナトリウム塩などの(メタ)アク
リルアミド系単量体、その他ビニルピリジン,N−ビニ
ルピロリドンなどの単量体が挙げられる。
【0007】本発明における水性エマルジョンは、分散
剤として、末端にメルカプト基を有するPVA系重合体
を用いることが必要であり、該PVA系重合体の存在下
に、上記のスチレン系単量体、ジエン系単量体および
(メタ)アクリル酸エステルの中から選ばれた少なくと
も一種の単量体を乳化重合(単独重合または共重合)し
て得られた水性エマルジョンが好適である。
【0008】上記の末端にメルカプト基を有するPVA
系重合体のなかでも、分子の片末端にのみメルカプト基
を有するPVA系重合体が不溶化の心配がなく、特に好
ましい。このような分子の片末端にのみメルカプト基を
有するPVA系重合体は、チオール酸の存在下にビニル
エステル類を主体とするビニル系モノマーを重合して得
られたポリビニルエステル系重合体を常法によりけん化
して得られる。
【0009】以下において、その製造方法について詳述
する。使用するチオール酸は−COSH基を有する有機
チオール酸を包含する。例えばチオール酢酸,チオール
プロピオン酸,チオール酪酸,チオール吉草酸などが挙
げられるが、中でもチオール酢酸が分解性もよく好まし
い。また、ビニルエステル類はラジカル重合可能なビニ
ルエステルであれば使用できる。例えばギ酸ビニル,酢
酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサティック酸ビニ
ル,ラウリル酸ビニル,ステアリン酸ビニルなどが挙げ
られるが、中でも酢酸ビニルが最も重合性がよく、好ま
しい。またこれらのビニルエステル類と共重合可能なモ
ノマーを共存させて共重合することもできる。共重合可
能なモノマーとしては、例えばエチレン,プロピレン,
イソブチレン,(無水)マレイン酸,(無水)フマル
酸,イタコン酸,アクリル酸,メタクリル酸又はその塩
あるいはこれらのアルキルエステル,アクリロニトリ
ル,メタクリロニトリル,アクリルアミド,メタクリル
アミド,トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメ
チルプロピル)−アンモニウムクロライド,エチルビニ
ルエーテル,ブチルビニルエーテル,N−ビニルピロリ
ドン,塩化ビニル,臭化ビニル,フッ化ビニル,塩化ビ
ニリデン,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレ
ン,ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。
【0010】チオール酸の存在下での酢酸ビニルなどの
ビニルエステル類を主体とするビニル系モノマーの重合
は、ラジカル重合開始剤の存在下、塊状重合法,溶液重
合法,パール重合法,乳化重合法などいずれの方法でも
行うことができるが、メタノールを溶媒とする溶液重合
法が工業的には最も有利である。重合中に存在させるチ
オール酸の重合系への添加量,添加方法については特に
制限はなく、目的とするポリビニルエステル系重合体の
物性値によって適宜選択される。重合方式としては回分
式,半連続式,連続式など公知の方式を採用しうる。ラ
ジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル,過酸化ベンゾイル,過酸化カーボ
ネートなどの公知のラジカル重合開始剤が使用できる
が、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
系開始剤が取扱いやすく好ましい。また放射線,電子線
なども使用することができる。重合温度は使用する開始
剤の種類により適当な温度を採用すればよいが、通常3
0〜90℃の範囲から選ばれる。所定時間重合した後、
未重合のビニルエステル類を通常の方法で除去すること
により、末端にチオール酸エステル基を有するポリビニ
ルエステル系重合体が得られる。
【0011】このようにして得られたポリビニルエステ
ル系重合体は、常法によりけん化されるが、通常アルコ
ール溶液とりわけメタノール溶液中でけん化されるのが
好ましい。アルコールは無水物のみならず少量の含水系
のものも目的に応じて用いられ、また酢酸メチル,酢酸
エチルなどの有機溶媒を任意に含有させてもよい。けん
化温度は通常10〜70℃の範囲から選ばれる。けん化
触媒としては、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム,ナトリウムメチラート,カリウムメチラートなどの
アルカリ性触媒が好ましく、該触媒の使用量はけん化度
の大小および水分量などにより適宜決められるが、ビニ
ルエステル単位に対し、モル比で0.001以上、好ま
しくは0.002以上用いる。アルカリ量が多くなりす
ぎると残存アルカリをポリマー中より除去することが困
難となり、ポリマーが着色するなど好ましくなく、モル
比で0.2以下にするのが好ましい。なお、ポリビニル
エステル系重合体中にカルボキシル基やそのエステル基
などのアルカリ触媒と反応し、アルカリを消費する成分
が含有されている場合、その消費量分を加えた量のアル
カリ触媒を使用する。
【0012】上記のけん化反応により、末端にチオール
酸エステル基を有するポリビニルエステル系重合体の該
末端チオール酸エステルと主鎖のビニルエステル結合が
けん化され、ポリマー末端はメルカプト基に、主鎖はビ
ニルアルコールになるが、主鎖のビニルエステル単位の
けん化度は使用目的に応じて選択される。けん化反応後
析出した重合体は、例えばメタノールで洗浄するなどの
公知の方法で精製し、残存アルカリ,酢酸のアルカリ金
属塩などの不純物を除去して乾燥することにより通常白
色粉末として得ることができる。以上本発明で使用され
る末端にメルカプト基を有するPVA系重合体の製造方
法について述べたが、このPVA系重合体の重合度は3
500以下が好ましく、1500以下がより好ましい。
末端にメルカプト基を有するPVA系重合体のけん化度
は、他の変性基の種類によっても異なり一義的には言え
ないが、水溶性の点からは70モル%以上が好ましい。
【0013】該PVA系重合体の使用量は、上記(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体,スチレン系単量体お
よびジエン系単量体などのモノマー量に対して0.2〜
20重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。該P
VA系重合体の使用量がモノマー量に対して0.2重量
%より少ない場合には、重合安定性、化学的安定性およ
び機械的安定性が低下する上、PVA保護コロイド系水
性エマルジョンの特徴である流動特性および保水性が充
分に発現せず好ましくない。一方、該PVA系重合体の
使用量が20重量%を超える場合には、エマルジョン粘
度が高くなり、高濃度化が難しくなる。
【0014】該PVA系重合体を分散剤として用いて
(メタ)アクリル酸エステル系単量体,スチレン系単量
体およびジエン系単量体の中から選ばれた少なくとも一
種の単量体の乳化重合を実施するに当たっては、水,分
散剤および重合開始剤の存在下に上記不飽和単量体を一
時または連続的に添加して、加熱,攪拌するような通常
の乳化重合法をいずれも実施しうるし、また不飽和単量
体を予めPVA系重合体水溶液と混合乳化したものを連
続的に添加する方法も実施しうる。重合開始剤として
は、PVA系重合体の末端のメルカプト基と臭素酸カリ
ウム,過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム,過酸化水
素などの水溶性酸化剤によるレドックス系も可能であ
り、この中でも臭素酸カリウムは、通常の重合条件下で
は単独ではラジカルを発生せず、PVA系重合体の末端
のメルカプト基とのレドックス反応によってのみ分解
し、ラジカルを発生することから、PVA系重合体とブ
ロック共重合体を有効に生成し、その結果エマルジョン
の安定化効果を大ならしめるので特に好ましい開始剤で
ある。また、重合開始時に臭素酸カリウムを用いたの
ち、他の酸化剤を追加添加するといった方法も可能であ
る。
【0015】本発明における末端にメルカプト基を有す
るPVA系重合体からなる分散剤を用いて乳化重合を行
うに際し、重合系が酸性であることが好ましい。これ
は、ラジカル重合において極めて活性な反応性を示すメ
ルカプト基が、塩基性下においては、モノマーの二重結
合へイオン的に付加し、消失する速度が大きく、そのた
め重合効率が著しく低下するためであり、不飽和単量体
の種類にもよるが、すべての操作をpH6以下、好まし
くはpH4以下で実施することが好ましい。なお、本発
明においては、末端にメルカプト基を有するPVA系重
合体からなる分散剤は単独で用いるのが好ましいが、従
来公知のアニオン性,ノニオン性,カチオン性の界面活
性剤や水溶性高分子化合物を本発明の効果を損なわない
範囲で適宜併用することもできる。
【0016】次に、本発明における塗工液組成物につい
て詳細に説明する。本発明における塗工液組成物は、上
記の水性エマルジョンに、クレー、炭酸カルシウム、酸
化チタン、サチン白の中から選ばれた少なくとも一種の
鉱物性顔料を配合してなる。該塗工液組成物には、更に
顔料分散剤、螢光染料、着色顔料等を任意に配合するこ
とができる。本発明における水性エマルジョンの使用量
は、上記顔料100重量部に対して、固形分換算で2〜
25重量部である。エマルジョンの使用量が2重量部未
満の場合には、顔料との接着力が低下し、塗工紙の表面
強度の低下が著しく、ダスティングトラブルの原因とな
る。エマルジョンの使用量が25重量部より大の場合に
は、塗工工程において塗工組成物がロールに付着し、ロ
ール汚れが生じたり、塗工紙同士が付着する所謂ブロッ
キングトラブルが生じるため好ましくない。
【0017】本発明における水性エマルジョンに顔料を
配合する方法としては、充分に分散された顔料スラリー
中に水性エマルジョンを添加し、充分に攪拌する方法が
好ましい。本発明における水性エマルジョンからなる
工液組成物は塗工量5.0g/m以上で塗工原紙に
塗工される。上記の塗工液組成物は、必要に応じ、カ
ゼイン、デンプン等の水溶性天然高分子を結合剤として
添加することもできるし、又、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギン酸ソーダ等の保水剤を併用してもよい。
【0018】
【実施例】以下の実施例により、本発明をより具体的に
説明する。以下の実施例において、%及び部は特に断り
のない限り重量表示である。なお、実施例における各物
性値の測定方法は以下に示された方法による。 塗工液粘度: BL型粘度計(60rpm、No.4ス
ピンドル)によって25℃で測定 表面強度(ドライピック): 明製作所(株)RI印刷
試験機を使用し、タック10のインキで数回重ね刷りを
行い、印刷面のピッキング状態を肉眼判定する。(◎:
非常に良好、○:良好、△:やや不良、×:不良) 保水性試験: 粒度ゲージ(ヨシミツ科学(株)製)を
使用し、塗工液を粒度ゲージに塗布し直ちに塗工原紙を
上からかぶせ、塗工液がゲージの深さ70ミクロンまで
乾燥する時間を測定する。時間が長いほど保水性は良
好。
【0019】実施例1 末端にメルカプト基を有するPVA(PVA−1:重合
度300,けん化度98.5モル%)12gをイオン交
換水290g中で加熱溶解し、それを窒素吹込口,温度
計を備えた耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸で
pH=4.0にしたのち、スチレン165gおよびt−
ドデシルメルカプタン0.3gを仕込み、次いで耐圧計
量器よりブタジエン135gを仕込み、70℃に昇温
後、2%の過硫酸カリウム水溶液10gを圧入して重合
を開始した。内圧は、4.8kg/cmGから重合の
進行とともに低下し、15時間後に0.4kg/cm
Gとなり重合率を求めたところ、99.2%であった。
得られたエマルジョンをアンモニア水でpH=6.0と
し、表1に示す水性エマルジョンを得た。この水性エマ
ルジョンを用いて、以下に示す配合の組成物(固形分濃
度62%)を調製し、塗工組成物とした。 クレー(EMC社製のHT) 85部 炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製のスーパー1700) 15部 分散剤(東亜合成社製のアロンT−40) 0.3部 エマルジョン 11部 この塗工組成物の塗工液粘度及び保水性を上記方法に
より測定し、次に市販の中質紙に塗工量14g/m
塗工し、塗工紙の表面強度を測定した。結果を表2に示
す。
【0020】実施例2 実施例1において、分散剤として、末端にメルカプト基
を有するPVA(PVA−1:重合度300、けん化度
98.5モル%)3gとドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム3gを用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て表1に示すエマルジョンを得た。このエマルジョンを
用いて実施例1と同様にして塗工組成物を調製し、評
価した。結果を表2に示す。
【0021】比較例1 実施例1において、分散剤として、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム6gを用いたこと以外は、実施例1
と同様にして表1に示すエマルジョンを得た。このエマ
ルジョンを用いて実施例1と同様にして塗工組成物を
調製し、評価した。結果を表2に示す。
【0022】実施例3 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製容器に末端にメルカプト基を有する
PVA(PVA−2;重合度350,けん化度88.5
モル%)15gをイオン交換水280g中で加熱溶解
し、希硫酸でpH=3.5に調整した。次いで140r
pmで攪拌しながら、メタクリル酸メチル50gおよび
アクリル酸ブチル50gを仕込み、60℃に昇温したの
ち、5%の過硫酸アンモニウム水溶液10gを添加し、
重合を開始した。重合を開始して15分後に、メタクリ
ル酸メチル100gとアクリル酸ブチル100gを2時
間にわたって連続的に添加した。5時間後、重合率9
9.9%となり冷却した。生成したエマルジョンをアン
モニア水でpH=6.8に調整し、表1に示す水性エマ
ルジョンを得た。このエマルジョンを用いて実施例1と
同様にして塗工組成物を調製し、評価した。結果を表
2に示す。
【0023】実施例4 末端メルカプト基を有するPVA(PVA−3:重合度
250,けん化度96.0モル%)15gをイオン交換
水300g中で加熱溶解し、それを窒素吹込口および温
度計を備えた耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸
でpH=4.0に調整した。次いでスチレン120g、
イタコン酸9gおよびt−ドデシルメルカプタン0.3
gを仕込み、次いで耐圧計量器よりブタジエン180g
を仕込み、70℃に昇温したのち、2%の過硫酸カリウ
ム水溶液10g圧入して重合を開始した。内圧は、5.
2kg/cmGから重合の進行とともに低下し、15
時間後に0.4kg/cmGとなり重合率を求めたと
ころ99.3%であった。得られたエマルジョンをアン
モニア水でpH=6.0とし表1に示す水性エマルジョ
ンを得た。このエマルジョンを用いて実施例1と同様に
して塗工組成物を調製し、評価した。結果を表2に示
す。
【0024】比較例2 実施例4において、分散剤としてドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム6gを用いたこと以外は、実施例4と
同様にして表1に示すエマルジョンを得た。このエマル
ジョンを用いて実施例1と同様にして塗工組成物を調
製し、評価した。結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】本発明によれば、充分な保水性を有し、か
つ流動性および安定性に優れた塗工液組成物を使用する
ことにより、表面強度に優れた塗工紙が提供される。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)スチレン系単量体単位、ジエン系
    単量体単位、アクリル酸エステル系単量体単位およびメ
    タアクリル酸エステル系単量体単位の中から選ばれた少
    なくとも一種の単量体単位からなる重合体を分散質と
    し、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール
    系重合体を分散剤とする水性エマルジョン2〜25重量
    部(固形分換算)および (b)クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、サチン白
    の中から選ばれた少なくとも一種の鉱物性顔料100重
    量部 からなる塗工液組成物を原紙に5.0g/m 以上
    塗工してなる塗工紙
  2. 【請求項2】 原紙が中質紙である請求項1記載の塗工
    紙。
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