JPH1171562A - 接着剤 - Google Patents

接着剤

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JPH1171562A
JPH1171562A JP17551898A JP17551898A JPH1171562A JP H1171562 A JPH1171562 A JP H1171562A JP 17551898 A JP17551898 A JP 17551898A JP 17551898 A JP17551898 A JP 17551898A JP H1171562 A JPH1171562 A JP H1171562A
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adhesive
pva
emulsion
polymer
formaldehyde condensate
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JP17551898A
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Masato Nakamae
昌人 仲前
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期接着力が極めて高い接着剤を得ること、
とくに初期接着力の要求される紙用接着剤(紙管用、タ
バコ用チップ糊、一般紙工等)、木工接着剤を得るこ
と。 【解決手段】 分散質がエチレン性不飽和単量体および
ジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単
位からなる(共)重合体であり、分散剤が(A)ポリビ
ニルアルコール系重合体である水性エマルジョンに、
(B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒ
ド縮合物を含有させ、かつ(A)/(B)の割合が固形
分比で100/0.05〜100/100である接着
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤に関し、詳
しくは、初期接着力に優れる接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール系重合体(以下P
VA系重合体と略す)を分散剤とする水性エマルジョン
は、PVA系重合体の保護コロイド性が高いために極め
て高い機械的安定性、化学的安定性、顔料混和性を有
し、また、該水性エマルジョンから形成される皮膜は極
めて強靱であるために、古くから接着剤を中心に多岐に
渡る用途で賞用されている。その中で、接着剤用途にお
いては、PVA系重合体を分散剤とする水性エマルジョ
ンは、各種低分子界面活性剤を安定剤とする水性エマル
ジョンと比べて極めて高い初期接着力を発現することか
ら、作業性や作業効率が向上する点も大きなメリットと
なっている。
【0003】しかし、最近、PVA系重合体を分散剤と
する水性エマルジョンを用いて生産される接着製品(例
えば、木工製品、紙製品、繊維等)においては、生産性
のさらなる向上を目的に生産ラインのスピードをアップ
するケースが多く、PVA系重合体を分散剤とする水性
エマルジョンでもまだ初期接着力が不足するが故に不良
品率の増加等の問題が生じることが多くなってきた。
【0004】このような状況において、水性エマルジョ
ンを成分とする接着剤の初期接着力を向上させる方法、
例えば、水性エマルジョンの固形分濃度を上げる方法
やPVAのゲル化剤(例えばホウ酸等)を添加する方
法が検討されている。いずれにせよ、水性エマルジョン
の初期接着力を向上させるためには、乾燥による固形分
濃度の上昇に伴うエマルジョン粘度の上昇を大きくする
ことが有効である。しかし、の方法では乳化重合にお
ける重合安定性が確保しにくい問題があり、の方法で
はゲル化剤の安全性の問題やエマルジョン粘度の経時変
化の問題等があり、用途、使用条件によっては制限を受
けることがありさらなる改良が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、上記の如き問題がなく、しかも初期接着
力に優れた水性エマルジョンを主成分とする接着剤を提
供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の好
ましい性質を有する接着剤を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、分散質がエチレン性不飽和単量体およびジエン
系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位から
なる(共)重合体であり、分散剤が(A)ポリビニルア
ルコール系重合体である水性エマルジョンに、(B)芳
香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物
を含有させ、かつ (A)/(B)の重量割合が固形分比で
100/0.05〜100/100である接着剤が、目
的とする性能を備えたものであることを見出した。本発
明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における接着剤は、分散質
としてエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から
選ばれる少なくとも一種の単量体単位からなる(共)重
合体を含有する水性エマルジョンを主成分とする。分散
質を構成するエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系
単量体としては、各種のものが使用できるが、エチレン
性不飽和単量体の好ましい例としては、エチレン,プロ
ピレン,イソブチレンなどのオレフィン、塩化ビニル,
フッ化ビニル,ビニリデンクロリド,ビニリデンフルオ
リドなどのハロゲン化オレフィン、ギ酸ビニル,酢酸ビ
ニル,プロピオン酸ビニル,バーサチック酸ビニルなど
のビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,ア
クリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ドデシル,ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタ
クリル酸ドデシル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
などのメタクリル酸エステル、アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル,メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこ
れらの四級化物、さらには、アクリルアミド,メタクリ
ルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジ
メチルアクリルアミド,アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩などのアクリ
ルアミド系単量体、スチレン,α−メチルスチレン,p
−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム,カリウム
塩などのスチレン系単量体、その他N−ビニルピロリド
ンなどが挙げられ、また、ジエン系単量体の好ましい例
としては、ブタジエン,イソプレン,クロロプレンなど
が挙げられる。これら単量体は、単独あるいは、二種以
上混合して用いられる。これらの単量体からなる(共)
重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
酢酸ビニルで代表されるビニルエステル系(共)重合
体、(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体、スチレ
ン−ジエン系共重合体が好適なものとして使用される。
【0008】本発明の接着剤は、分散剤として(A)P
VA系重合体を含有する水性エマルジョンを主成分とす
る。分散剤を構成するPVA系重合体は、特に制限はな
く各種のものが使用できるが、通常は、酢酸ビニルに代
表されるビニルエステル系単量体を重合した後、鹸化す
ることによって得られるPVA系重合体が用いられる。
なお、上記のビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル以外に、ギ酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バーサ
チック酸ビニル,ピバリン酸ビニルなどを用いることも
可能である。
【0009】また、本発明の接着剤を構成する水性エマ
ルジョンの分散剤であるPVA系重合体は、本発明の効
果を損なわない範囲で、ビニルエステル系単量体と共重
合可能な単量体を共存させ、共重合することも可能であ
る。例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ
ブテン等のオレフィン類、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アク
リル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸
エステル類、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリ
ル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメ
タクリル酸エステル類、メチルビニルエーテル、n−プ
ロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、
n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテ
ル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
アクリロニトリル、メタクリロニトニル等のニトリル
類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン等のハロゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩
化アリル等のアリル化合物、フマール酸、マレイン酸、
イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリ
メット酸または無水イタコン酸等のカルボキシル基含有
化合物及びそのエステル、エチレンスルホン酸、アリル
スルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含
有化合物、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン
化合物、酢酸イソプロペニル、3−アクリルアミドプロ
ピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−メタクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等
が挙げられる。
【0010】また、チオール酢酸,メルカプトプロピオ
ン酸などのチオール化合物存在下で、酢酸ビニルなどの
ビニルエステル系単量体を重合し、それをけん化するこ
とによって得られる末端変性物も用いることができる。
【0011】本発明の接着剤を構成する水性エマルジョ
ンの分散剤であるPVA系重合体の重合度については特
に制限はないが、50〜8000の範囲が好ましく、1
00〜4000の範囲がより好ましく、最適には200
〜3500である。重合度が50未満の場合、PVA系
重合体の保護コロイド性が低く、水性エマルジョンの分
散安定性が悪化し、また、重合度が8000以上では水
性エマルジョンの粘度が高くなると共に分散安定性も低
下するため好ましくない。また、該PVA系重合体の鹸
化度は一概には限定できないが一般的に水溶性の観点か
ら50モル%以上、好ましくは60モル%以上が好まし
く、70モル%以上が特に好ましい。上限については1
00モル%以下、好ましくは98モル%以下、さらに好
ましくは96モル%以下である。
【0012】本発明の接着剤を構成する水性エマルジョ
ンに含有される(B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩
ホルムアルデヒド縮合物は、各種芳香族スルホン酸アル
カリ金属塩とホルムアルデヒドの縮合物であれば特に制
限はないが、代表的にはナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸ナトリ
ウムホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸ナト
リウムホルムアルデヒド縮合物が使用される。ここで、
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとしては、α−ナフタ
レンスルホン酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸
ナトリウムがあげられる。これらのホルムアルデヒド縮
合物のうち、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムア
ルデヒド縮合物が最適である。本発明で使用される芳香
族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物
は、水溶性または水分散性で、かつ一分子中に芳香族ス
ルホン酸アルカリ金属塩単位を二単位以上含有するもの
であれば良い。また芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホ
ルムアルデヒド縮合物の縮合度(n)は2〜20である
ことが好適で、さらに好適には4〜18、最適には8〜
16である。また(B)成分としては、メラミンスルホ
ン酸アルカリ金属塩のホルムアルデヒド縮合物などの複
素環式スルホン酸アルカリ金属塩のホルムアルデヒド縮
合物も使用できる。
【0013】本発明の接着剤を構成する水性エマルジョ
ンに含有する(A)PVA系重合体と(B)芳香族スル
ホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の割合
は、(A)/(B)=100/0.05〜100/10
0(固形分比)である必要がある。 (A)/(B)=
100/0.05よりも(B)の比率が少ない場合、目
的とする初期接着力が発現せず、また、(B)の割合が
100/100を越えると水性エマルジョン皮膜の耐水
性や接着力が低下し、また凝集が発生する問題が出てく
る。好適な割合は、(A)/(B)=100/0.1〜
100/80であり、最適には(A)/(B)=100
/0.2〜100/50である。
【0014】本発明の接着剤に用いる水性エマルジョン
は、分散質がエチレン性不飽和単量体及びジエン系単量
体から選ばれる少なくとも一種の単量体単位からなる
(共)重合体であり、分散剤が(A)ポリビニルアルコ
ール系重合体である水性エマルジョンに、(B)芳香族
スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物を含
有させたものであれば良く、その製法は特に制限はな
い。例えば、PVA系重合体と芳香族スルホン酸アルカ
リ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の存在下で、エチレン
性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種及
び二種以上の単量体を従来公知の方法で乳化(共重合)
する方法、PVA系重合体の存在下で、エチレン性不飽
和単量体及びジエン系単量体から選ばれる一種及び二種
以上の単量体を従来公知の方法で乳化(共重合)した水
性エマルジョンに芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホル
ムアルデヒド縮合物を後添加する方法、芳香族スルホン
酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒド縮合物の存在下で、
エチレン性不飽和単量体及びジエン系単量体から選ばれ
る一種及び二種以上の単量体を従来公知の方法で乳化
(共重合)した水性エマルジョンにPVA系重合体を後
添加する方法等が実施できる。
【0015】本発明の接着剤を構成する水性エマルジョ
ンの(A)と(B)との合計使用量は、エチレン性不飽
和単量体およびジエン系単量体の重合体(分散質)10
0重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜30
重量部の範囲である。該使用量が1重量部より少ない場
合および50重量部を超える場合には、分散安定性の低
下、過度な粘度上昇、皮膜耐水性、接着力の低下等が起
こるため好ましくない。
【0016】本発明の接着剤を構成する水性エマルジョ
ンを得るために行う乳化(共)重合は、上記エチレン性
不飽和単量体を一時又は連続的に乳化重合系に添加する
ことにより行われる。また、エチレン性不飽和単量体
を、予め乳化重合時に使用する分散剤水溶液を用いて乳
化したものを、連続的に重合反応系に添加する乳化重合
法も採用できる。乳化重合に使用する開始剤は、従来公
知のものが使用できる。例えば、過硫酸塩、過酸化水
素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等の水
溶性開始剤や、各種アゾ系あるいはパーオキサイド系油
溶性開始剤が単独または酒石酸、アスコルビン酸、ロン
ガリット、二価鉄イオン等の還元剤と組み合わせたレド
ックス系で用いられる。乳化重合温度は開始剤の種類等
により異なり一概には限定できないが、一般的には−2
0℃から100℃の範囲から選択される。
【0017】本発明の接着剤には、必要に応じて、従来
公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両
性の界面活性剤や、でんぷん,変性でんぷん,酸化でん
ぷん,アルギン酸ソーダ,カルボキシメチルセルロー
ス,メチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース,
無水マレイン酸/イソブテン共重合体,無水マレイン酸
/スチレン共重合体,無水マレイン酸/メチルビニルエ
ーテル共重合体などの水溶性高分子化合物や尿素/ホル
ムアルデヒド樹脂,尿素/メラミン/ホルムアルデヒド
樹脂,フェノール/ホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化
性樹脂もそれぞれ併用することができる。さらに、本発
明の水性エマルジョン組成物には、クレー,カオリン,
タルク,炭酸カルシウム,木粉などの充填剤、小麦粉な
どの増量剤、酸化チタンなどの顔料あるいはその他、防
腐剤,防錆剤、消泡剤などの各種添加剤をも適宜添加す
ることができる。
【0018】本発明の接着剤の固形分濃度は、20〜7
5重量%が好ましい。固形分濃度が20重量%よりも低
い場合には初期接着力が十分に発現しない問題があり、
75重量%を越えると粘度上昇や分散安定性低下の問題
がある。
【0019】本発明の接着剤は、特に、初期接着力が高
いために初期接着力が要求される紙用接着剤(紙管用、
タバコ用チップ糊、一般紙工等)、木工接着剤、繊維処
理剤、バインダー等の各種用途において好適に用いられ
る。
【0020】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお以下の実施例及び比較例におい
て「部」および「%」は、特に断らない限り重量基準を
意味する。水性エマルジョンの初期接着力は下記の要領
で評価した。
【0021】(接着剤の初期接着力の評価)日本たばこ
産業製初期接着力試験機(ASM−01)を用い、以下
の条件で初期接着力を評価した。 被着材 : クラフト紙(オリンパス95)同士 塗布量 : 100g/m2 (wet) 測定モード : せん断 測定速度 : 300mm/min 塗布後放置時間 : 1sec 接着時間 : 5sec 接着温度 : 20℃ 接着圧力 : 10kg 接着後放置時間 : 1sec
【0022】実施例1 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、水320g,ポリビニ
ルアルコール(PVA−1:重合度1700,鹸化度8
8.0モル%)20gを仕込み、95℃で完全に溶解し
た。次に、このPVA水溶液を冷却、窒素置換後、14
0rpmで攪拌しながら酢酸ビニル40gを仕込み、6
0℃に上昇したのち、10%酒石酸水溶液10gを添加
し、さらに1%過酸化水素水の連続滴下を始め重合を開
始した。0.5時間後に温度を80℃まで上昇させ、酢
酸ビニル360gの連続滴下を開始した。酢酸ビニルの
連続滴下は2時間で終了し(この間1%過酸化水素水5
0gを連続添加)、固形分濃度52.0%,粘度500
0mPas・sのPVAを分散剤とするポリ酢酸ビニル
エマルジョン(Em−1)が得られた。Em−1に縮合
度(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウム
ホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)
の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あ
たり5重量部(固形分)となるように添加し、さらに水
を添加して固形分濃度45%の接着剤を調製し初期接着
力を上記方法により評価した。
【0023】実施例2 実施例1のEm−1に縮合度(n)10〜12のナフタ
レンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三
洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン
中のPVA100重量部あたり0.5重量部(固形分)
となるように添加し、さらに水を添加して固形分濃度4
5%の接着剤を調製し初期接着力を実施例1と同様に評
価した。
【0024】実施例3 実施例1のEm−1にナフタレンスルホン酸ナトリウム
ホルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)
の5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あ
たり20重量部(固形分)となるように添加し、さらに
水を添加して固形分濃度45%の接着剤を調製し初期接
着力を実施例1と同様に評価した。
【0025】比較例1 実施例1のEm−1に水を添加して固形分濃度45%の
接着剤を調製し初期接着力を実施例1と同様に評価し
た。
【0026】実施例4 ポリビニルアルコール(PVA−2:重合度1000、
鹸化度94.2モル%)14.4gをイオン交換水23
0gに加熱溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備
えた耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.
0に調整後、酢酸ビニル300gを仕込み、次いで、エ
チレンを45kg/cm2 Gまで昇圧した(エチレンの仕込
量は60gに相当する)。温度を60℃まで昇温後、過
酸化水素−ロンガリット系レドックス開始剤で重合を開
始した。2時間後重合は終了し固形分濃度56. 2%,
粘度2100mPas・sのPVAを分散剤とするポリ
(酢酸ビニル−エチレン)共重合体エマルジョン(Em
−2)が得られた。Em−2に縮合度(n)10〜12
のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮
合物(三洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマ
ルジョン中のPVA100重量部あたり10重量部(固
形分)となるように添加し、さらに水を添加して固形分
濃度50%の接着剤を調製し初期接着力を上記方法によ
り評価した。
【0027】実施例5 実施例4において、PVA−2を14.4gと縮合度
(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホ
ルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)を
13.0gをイオン交換水250gに溶解したものを分
散剤として使用する以外は実施例4と同様にしてポリ
(酢酸ビニル−エチレン)共重合体エマルジョンを得た
(Em−3)。Em−3に水を添加して固形分濃度50
%の接着剤を調製し初期接着力を上記方法により評価し
た。
【0028】比較例2 実施例4のEm−2に水を添加して固形分濃度50%の
接着剤を調製し初期接着力を実施例1と同様に評価し
た。
【0029】比較例3 実施例5のEm−3に縮合度(n)10〜12のナフタ
レンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三
洋レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン
中のPVA100重量部あたり20重量部(固形分)追
加添加し、さらに水を添加して固形分濃度50%の接着
剤を調製したが凝集物が発生した。
【0030】実施例6 還流冷却器,滴下ロート,温度計,窒素吹込口を備えた
1リットルガラス製重合容器に、水400g,末端にチ
オール基を有するポリビニルアルコール(PVA−3:
重合度500,けん化度85. 7モル%)24gを仕込
み、95℃で完全に溶解した。次に、このポリニルアル
コール水溶液を冷却後、希硫酸でpHを4.0に調整し、
窒素置換を行い、140rpmで攪拌しながら、メタク
リル酸メチル80gとアクリル酸n−ブチル80gを仕
込み、70℃に上昇したのち、5%過硫酸アンモニウム
水溶液5gを添加して重合を開始した。その後、メタク
リル酸メチル120gとアクリル酸n−ブチル120g
を2時間かけて逐次添加した。4時間で重合は完了し、
固形分濃度51.5%,粘度750mPas・sのPVA
を分散剤とするポリ(メタクリル酸メチル/アクリル酸
ブチル)共重合体エマルジョン(Em−4)が得られ
た。Em−4に縮合度(n)10〜12のナフタレンス
ルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋レベ
ロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中のP
VA100重量部あたり3重量部(固形分)となるよう
に添加し、さらに水を添加して固形分濃度45%の接着
剤を調製し初期接着力を上記方法により評価した。
【0031】比較例4 実施例6のEm−4に水を添加して固形分濃度45%の
接着剤を調製し初期接着力を上記方法により評価した。
【0032】実施例7 末端にチオール基を有するスルホン基変性ポリビニルア
ルコール(PVA−4:重合度300,けん化度98.
0モル%,アリルスルホン酸ナトリウム塩1.0モル%
ランダム共重合変性)15gをイオン交換水290g中
で加熱溶解し、それを窒素吹込口および温度計を備えた
耐圧オートクレーブ中に仕込んだ。希硫酸でpH4.0に
調整した後、スチレン165gを仕込み、次いで耐圧計
量器よりブタジエン135gを仕込み、70℃に昇温
後、2%過硫酸カリウム水溶液10gを圧入して重合を
開始した。内圧は4.8kg/cm2 Gから重合の進行ととも
に低下し、15時間後に0.4kg/cm2 Gに低下し、固形
分濃度49.3%および粘度1500mPas・sのPV
Aを分散剤とするポリ(スチレン−ブタジエン)共重合
体エマルジョン(Em−5)を得た。Em−5に縮合度
(n)10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホ
ルムアルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)の
5%水溶液をエマルジョン中のPVA100重量部あた
り10重量部(固形分)となるように添加し、さらに水
を添加して固形分濃度45%の接着剤を調製し初期接着
力を上記方法により評価した。
【0033】比較例5 実施例7のEm−5に水を添加して固形分濃度45%の
接着剤を調製し初期接着力を上記方法により評価した。
上記実施例および比較例の結果を表1に示す。
【0034】比較例6 実施例4において、PVA−2の代りに、縮合度(n)
10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムア
ルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)14.4
gを用いる以外は実施例4と同様にしたが、凝集が発生
し、安定な接着剤は得られなかった。
【0035】比較例7 実施例4において、縮合度(n)10〜12のナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋
レベロン:三洋化成製)の5%水溶液をエマルジョン中
のPVA100重量部あたり10重量部(固形分)添加
する代りに、同縮合物の5%水溶液をエマルジョン中の
PVA100重量部あたり0.01重量部(固形分)添
加する以外は実施例4と同様にしたが、目的とする優れ
た初期接着力を有する接着剤は得られなかった。
【0036】比較例8 実施例4において、PVA−2の代りに、縮合度(n)
10〜12のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムア
ルデヒド縮合物(三洋レベロン:三洋化成製)7.2g
とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム
(サンデットBL:三洋化成製)7.2gを用いる以外
は実施例4と同様にして、固形分濃度55.3%、粘度
4800mPas・sのポリ(酢酸ビニルーエチレン)
共重合体エマルジョンを得た。これを用いて、実施例4
と同様に評価したが、目的とする優れた初期接着力を有
する接着剤は得られなかった。
【0037】実施例8 実施例4において、縮合度(n)10〜12のナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮合物(三洋
レベロン:三洋化成製)の代りに、縮合度(n)4〜5
のナフタレンスルホン酸ナトリウムホルムアルデヒド縮
合物(ローマD:サンノプコ製)を使用する以外は、実
施例4と同様の条件で水性エマルジョンを得た。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の接着剤は、初期接着力が極めて
高い。したがって、本発明の接着剤は、初期接着力が要
求される紙用接着剤(紙管用、タバコ用チップ糊、一般
紙工等)、木工接着剤、繊維処理剤、バインダー等の各
種用途において幅広く、かつ有効に利用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散質がエチレン性不飽和単量体および
    ジエン系単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体単
    位からなる(共)重合体であり、分散剤が(A)ポリビ
    ニルアルコール系重合体である水性エマルジョンに、
    (B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホルムアルデヒ
    ド縮合物を含有させ、かつ (A)/(B)の重量割合が固
    形分比で100/0.05〜100/100である接着
    剤。
  2. 【請求項2】 (B)芳香族スルホン酸アルカリ金属塩ホ
    ルムアルデヒド縮合物の縮合度が2〜20である請求項
    1記載の接着剤。
JP17551898A 1997-07-01 1998-06-23 接着剤 Pending JPH1171562A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110699016A (zh) * 2019-11-11 2020-01-17 新乡市华洋粘合剂有限公司 一种香烟用中线胶及其制备方法

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