JP3481788B2 - 合成樹脂粉末 - Google Patents

合成樹脂粉末

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JP3481788B2
JP3481788B2 JP23388396A JP23388396A JP3481788B2 JP 3481788 B2 JP3481788 B2 JP 3481788B2 JP 23388396 A JP23388396 A JP 23388396A JP 23388396 A JP23388396 A JP 23388396A JP 3481788 B2 JP3481788 B2 JP 3481788B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中での分散性に
優れた合成樹脂粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】水性媒体中に小粒径の重合体粒子が分散
した水性エマルジョンは、セメントあるいはモルタルへ
の混和剤、接着剤、塗料用バインダーなどの広範な用途
に使用されているが、媒体として50重量%程度の水を
含んでいることから、輸送コストが高く、また使用後の
容器の処理が問題であった。このような状況下におい
て、輸送時には粉末の形態であるが、使用時には水を添
加して攪拌することにより容易に水中に分散する合成樹
脂粉末が求められている。
【0003】水中分散性を有する合成樹脂粉末として
は、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)
を分散剤に使用して、ビニルエステル系単量体を乳化重
合して得られた水性エマルジョンを噴霧乾燥することに
より得られるビニルエステル系重合体粉末(特開平4−
185606号);低分子界面活性剤を分散剤に使用し
て、(メタ)アクリル酸エステル系単量体またはジエン
系単量体を乳化重合して得られた水性エマルジョンを噴
霧乾燥することにより得られる(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体粉末およびジエン系重合体粉末が知られて
いる。しかしながら、従来の合成樹脂粉末は、いずれも
水への分散性が低いという問題があった。さらに、ビニ
ルエステル系重合体粉末の場合には、モルタル用混和剤
としては耐アルカリ性が低いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モル
タル用混和剤などに好適な水中分散性に優れた合成樹脂
粉末を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、エチレン性不飽和
単量体またはジエン系単量体の重合体粒子の表面に、末
端(好ましくは片末端)のスルフィド結合を介してポリ
ビニルアルコール系重合体が化学的に結合した合成樹脂
粉末;末端(好ましくは片末端)にメルカプト基を有す
るポリビニルアルコール系重合体の存在下に、エチレン
性不飽和単量体またはジエン系単量体を乳化重合するこ
とにより得られた水性エマルジョンを乾燥して得られる
合成樹脂粉末;ならびに該合成樹脂粉末からなるモルタ
ル用混和剤を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の合成樹脂粉末において、水へ投入
した場合に分散質となる重合体粒子は、エチレン性不飽
和単量体またはジエン系単量体の重合体粒子である。エ
チレン性不飽和単量体としては、エチレン、プロピレ
ン、イソブテン等のオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン
化オレフィン類;ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル等
のビニルエステル;(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メ
タ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸およびそれらのナトリウム塩等のアクリ
ルアミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等のニトリル類;酢酸アリル、塩化アリル等のアリ
ル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、P−メチル
スチレンスルホン酸およびそれらのナトリウム、カリウ
ム塩等のスチレン系単量体;N−ビニルピロリドン等が
挙げられる。また、ジエン系単量体としては、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。これら
の単量体は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用
される。
【0007】一方、重合体粒子の表面に、末端のスルフ
ィド結合を介して化学的に結合(グラフト結合)したP
VA系重合体は、水へ投入した場合に分散剤としての機
能を奏する。
【0008】合成樹脂粉末の水中分散性および皮膜の強
度等の観点から、PVA系重合体の粘度平均重合度(以
下、重合度と略記する)の下限は100以上が好まし
く、200以上がより好ましく、500より大が特に好
ましく、PVA系重合体の重合度の下限は上限は500
0以下が好ましく、3500以下がより好ましく、20
00以下が特に好ましい。重合体粒子がアクリル酸エス
テル系重合体の場合には、PVA系重合体の重合度は、
500より大で2500以下が好ましく、500より大
で1500以下がより好ましい。重合体粒子がジエン系
重合体の場合には、PVA系重合体の重合度は、100
〜2000が好ましく、100〜1500がより好まし
い。PVA系重合体は一種類でもよいが、ブレンド物の
重合度が上記の範囲になるように、重合度の異なる2種
以上のPVA系重合体を併用してもよい。一方、PVA
系重合体のけん化度は、PVA系重合体の水溶性等の観
点から、40〜99.99モル%が好ましく、50〜9
9.9モル%がより好ましく、60〜99.5モル%が
特に好ましい。
【0009】重合体粒子の表面に、末端のスルフィド結
合を介して化学的に結合したPVA系重合体としては、
末端にメルカプト基を有するPVA系重合体に由来する
ものが好ましい。末端にメルカプト基を有するPVA系
重合体としては、該PVA系重合体自体のジスルフィド
結合を防止し、水溶性を保持するという観点から、PV
A系重合体の片末端のみにメルカプト基を有するPVA
系重合体が好ましい。片末端のみにメルカプト基を有す
るPVA系重合体は、例えば、チオール酢酸の存在下
に、ビニルエステル系単量体を重合して得られたポリビ
ニルエステル系重合体をけん化することにより得られ
る。
【0010】ビニルエステル系単量体としては、ギ酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビ
ニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙
げられ、これらの中でも工業的には酢酸ビニルが好まし
い。
【0011】また、PVA系重合体には、他のコモノマ
ーを共重合してもよい。コモノマーの例としては、エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフ
ィン;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n
−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メ
タ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデ
シル等の(メタ)アクリル酸エステル類;メチルビニル
エーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピル
ビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチ
ルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシ
ルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニ
ルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトニル等
のニトリル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニ
ル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリ
ル、塩化アリル等のアリル化合物;フマール酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無
水トリメット酸、無水イタコン酸等のカルボキシル基含
有化合物及びそのエステル;エチレンスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、メタアリルスルホン酸、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基
含有化合物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラ
ン化合物;酢酸イソプロペニル;3−(メタ)アクリル
アミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等が
挙げられる。これらの単量体単位の含有量は5モル%以
下が好ましい。
【0012】本発明の合成樹脂粉末(2次粒子)の平均
粒径は、1〜1000μmが好ましく、2〜500μm
がより好ましい。本発明の合成樹脂粉末(2次粒子)
は、水に投入して撹拌することにより、さらに小粒径の
粒子(1次粒子)に分散することができる。
【0013】本発明の合成樹脂粉末は、末端にメルカプ
ト基を有するPVA系重合体の存在下に、エチレン性不
飽和単量体またはジエン系単量体を水性媒体中において
乳化重合することにより得られたエマルジョンを乾燥し
て得られる。乳化重合に使用される開始剤としては、臭
素酸カリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、
過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の水
溶性開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイル
パーオキサイド等の油溶性開始剤が挙げられ、その中で
もPVA系重合体の末端のメルカプト基とのレドックス
反応によってのみラジカルを発生させるものが好まし
い。これらの開始剤は、単独または各種還元剤と組み合
わせたレドックス系で使用される。開始剤の添加化方法
としては、初期に一括添加する方法、重合の経過に伴っ
て連続的に添加する方法が挙げられる。
【0014】乳化重合時におけるPVA系重合体の使用
量は、単量体100重量部に対して、0.5〜100重
量部が好ましく、1〜50重量部がより好ましく、2〜
30重量部が特に好ましい。PVA系重合体の使用量が
0.5重量部未満の場合には、乳化重合の安定性が低下
し、合成樹脂粉末を水に投入して得られる水性分散液の
機械的安定性や化学的安定性が低下したり、皮膜の強度
が低下する。一方、PVA系重合体の使用量が100重
量部よりも大である場合には、乳化重合時の粘度が上昇
し、反応熱の除去が難しくなったり、皮膜の耐水性が低
下する。PVA系重合体の添加方法としては、初期に一
括添加する方法、初期にPVA系重合体の一部を添加
し、重合の経過に伴って連続的に添加する方法が挙げら
れる。乳化重合に際しては、末端にメルカプト基を有す
るPVA系重合体に、従来公知のノニオン性、アニオン
性、カチオン性、両性の界面活性剤、各種のPVA、ヒ
ドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子を併用して
もよい。
【0015】乳化重合における単量体の添加方法として
は、初期に一括添加する方法、初期に単量体の一部を添
加し、残りを重合の経過に伴って連続的に添加する方
法、分散剤を用いて予め単量体を水に乳化したものを連
続的に添加する方法が可能である。
【0016】乳化重合においては、連鎖移動剤を添加す
ることもできる。連鎖移動剤としては、連鎖移動効率の
点で、メルカプト基を有する化合物が好ましい。メルカ
プト基を有する化合物としては、n−オクチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカ
プタン等のアルキルメルカプタン、2−メルカプトエタ
ノール、3−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
連鎖移動剤の添加量は、単量体100重量部に対して、
5重量部以下が好ましい。連鎖移動剤が5重量部を越え
る場合には、乳化重合の安定性が低下し、重合体粒子の
分子量が著しく低下し、皮膜物性が低下する。
【0017】本発明の合成樹脂粉末は、上記の乳化重合
により得られた水性エマルジョンを乾燥することにより
得られる。乾燥方法としては、噴霧乾燥、加熱乾燥、送
風乾燥、凍結乾燥等が挙げられ、この中でも噴霧乾燥が
好ましい。噴霧の方法としては、ディスク式、ノズル式
などが挙げられる。乾燥の熱源としては、熱風や加熱水
蒸気等が挙げられる。乾燥条件としては、乾燥温度が4
0〜150℃の範囲で十分に乾燥した粉末が得られるよ
うに、噴霧乾燥機の大きさや種類、水性エマルジョンの
濃度、粘度および流量の条件を設定するのが好ましい。
合成樹脂粉末の揮発分は、平衡含水率程度であればよ
く、具体的には3重量%以下が好ましく、2重量%以下
がより好ましい。
【0018】本発明の合成樹脂粉末には、水中分散性を
さらに向上させるために、水溶性添加剤を添加すること
ができる。水溶性添加剤は、水性エマルジョンに添加し
て噴霧乾燥するのが好ましい。水溶性添加剤の使用量
は、合成樹脂粉末の耐水性等の物性に悪影響を与えない
程度に設定される。水溶性添加剤としては、ポリビニル
アルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセル
ロース、でんぷん誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリ
エチレンオキサイド、水溶性アルキッド樹脂、水溶性フ
ェノール樹脂、水溶性尿素樹脂、水溶性メラミン樹脂、
水溶性ナフタレンスルホン酸樹脂、水溶性アミノ樹脂、
水溶性ポリアミド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性ポ
リカルボン酸樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポ
リウレタン樹脂、水溶性ポリオール樹脂、水溶性エポキ
シ樹脂等の水溶性高分子が挙げられる。
【0019】また、本発明の合成樹脂粉末には、貯蔵安
定性および水中分散性を向上させるために、ブロッキン
グ防止剤(抗粘結剤)を添加することが好ましい。ブロ
ッキング防止剤は、噴霧乾燥して得られた合成樹脂粉末
に添加して均一に混合しても良いが、水性エマルジョン
に添加して噴霧乾燥するのが好ましい。ブロッキング防
止剤としては、平均粒径0.1〜10μmの微粒子の無
機粉末が好ましい。無機粉末としては、炭酸カルシウ
ム、クレー、無水珪酸、珪酸アルミニウム、ホワイトカ
ーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。ま
た、有機系のフィラーも使用できる。ブロッキング防止
剤の使用量は、合成樹脂粉末に対して20重量%以下が
好ましく、0.2〜10重量%以下がより好ましい。
【0020】本発明の合成樹脂粉末は、用途に応じて、
各種の添加剤を配合することができる。セメントおよび
モルタルなどへの混和剤に使用される場合には、AE
剤、減水剤、流動化剤、保水剤、増粘剤、防水剤等が添
加される。接着剤に使用される場合には、粘性改良剤、
保水剤、粘着付与剤、増粘剤等が添加される。塗料用バ
インダーに使用される場合には、粘性改良剤、増粘剤、
顔料分散剤、安定剤等が添加される。
【0021】モルタル用混和剤として使用される場合に
は、合成樹脂粉末の添加量は、モルタルに含まれるセメ
ント100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、
2〜30重量部がより好ましい。合成樹脂粉末の添加方
法としては、予め、合成樹脂粉末の水性分散液を調整し
た後、モルタルの水スラリー組成物を調整する方法;モ
ルタルの水スラリーの調整時に、粉末の形態で添加する
方法;セメントおよび砂などの粉体組成物に、粉末の形
態で添加した後、モルタルの水スラリー組成物を調整す
る方法が挙げられ、これらの中でも最後の方法が最も好
ましい。本発明の合成樹脂粉末(モルタル用混和剤)を
添加して得られたモルタルの水スラリー組成物は、通常
公知の方法により養生されて、成形体が得られる。該成
形体は、従来のアクリル酸エステル重合体エマルジョン
またはスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)エマル
ジョンが添加されたモルタル成形物の用途に好適に使用
される。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。なお、実施例中、「部」および「%」はいずれも重
量基準を意味する。 [合成樹脂粉末の評価方法]合成樹脂粉末100部にイ
オン交換水100部を添加し、攪拌機により十分攪拌す
ることにより得られた水性分散液について、下記の方法
により、物性を評価した。
【0023】・水中分散性 ○:均一に分散している。(325メッシュオンは20
%以下) △:実質的に分散しているが、分散粒子の粒径が大き
い。(325メッシュオンは30〜50%) ×:分散性不良。(325メッシュオンは60%以上) −:合成樹脂粉末が得られない。
【0024】・造膜性 水性分散液をガラス板上に流延し、50℃で乾燥させた
皮膜の物性を評価した。 ○:均一で、かつ強靱な皮膜が得られる。 △:皮膜は得られるが、脆い。 ×:均一な皮膜が得られない。 −:合成樹脂粉末の水性分散液が得られない。
【0025】・耐ブロッキング性 合成樹脂粉末を容器に入れ、25g/cm2 の荷重をか
けて、20℃,65%RH下で10日間放置した場合の
状態を観察した。 ○:ブロッキングは、ほとんど生じない。 △:ブロッキングにより、一部が塊りになる。 ×:ブロッキングにより、全体が塊になる。 −:合成樹脂粉末が得られない。
【0026】・平均粒径 合成樹脂粉末(2次粒子)を顕微鏡観察し、100個に
ついての平均粒径を求めた。なお、記号「−」は、乳化
重合により安定な水性エマルジョンが得られないため
に、合成樹脂粉末が得られないことを示す。
【0027】[モルタル混和剤としての性能評価]下記
の組成のモルタルを調整し、それを成形して得られた成
形体の物性を下記の方法により評価した。 (モルタルの組成) セメント 1部 合成樹脂粉末 0.1部 砂 3.0部 水 0.6部 ・スランプ値 :JIS A−1173に準じて測定 ・曲げ強さ、圧縮強さ、接着強さ、吸水率:JIS A
−6203に準じて測定 ・耐衝撃性 :モルタルを6cm,6cm,0.35
cmに成形し、25日間20℃、65%RH(相対湿
度)下で養生後、剛球(67g)の落下より供試体が破
壊する剛球の落下高さを測定。
【0028】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機
を備えたガラス製容器に、片末端にメルカプト基を有す
るPVA(PVA−1:重合度1500、鹸化度96.
0mol%、メルカプト基含量1.5×10ー5当量/
g)8部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全
溶解させた。PVA水溶液を希硫酸によりpH=4に調
整し、150rpmで撹拌しながら酢酸ビニル10部を
添加した。次に、系を窒素置換した後、60℃まで昇温
した。濃度5%の酒石酸水溶液5部を添加した後、濃度
0.5%の過酸化水素水溶液の連続添加を行うことによ
り乳化重合を開始した。2時間かけて酢酸ビニル90部
を連続的に添加し、重合開始3時間後に、残存酢酸ビニ
ル濃度が1%以下になった時点で重合を終了した。固形
分濃度50.5%の安定なポリ酢酸ビニルエマルジョン
を得た。このエマルジョン100部と水100部の混合
物、および該エマルジョン中の固形分に対して3%の無
水珪酸微粉末(平均粒径2μm)を、それぞれ別々に1
00℃の熱風中に同時に噴霧して乾燥することにより、
平均粒径60μmの合成樹脂粉末を得た。評価結果を表
1〜2に示す。
【0029】比較例1 PVA−1に代えて、表1に示す分散剤を用いたこと以
外は、実施例1と同様にしてエマルジョンを得た。この
エマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て合成樹脂粉末を得た。評価結果を表1〜2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】1)VAc:酢酸ビニル 2)PVA−1:重合度1500、ケン化度96.0mo
l%、メルカプト基含量1.5×10-5当量/g PVA−2:重合度1500、ケン化度96.0mol
%、無変性PVA
【0032】
【表2】
【0033】実施例2 還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹込口、撹拌機
を備えたガラス製容器に、片末端にメルカプト基を有す
るPVA(PVA−3:重合度550、鹸化度88.3
mol%、メルカプト基含量3.3×10ー5当量/g)
5部とイオン交換水90部を仕込み、95℃で完全溶解
させた。PVA水溶液を希硫酸によりpH=4に調整
し、150rpmで撹拌しながらメチルメタクリレート
10部、n−ブチルアクリレート10部、n−ドデシル
メルカプタン0.1部を添加した。次に、系を窒素置換
した後、70℃まで昇温した。濃度1%の過硫酸カリウ
ム5部を添加することにより重合を開始した。2時間か
けてメチルメタクリレート40部、n−ブチルアクリレ
ート40部、n−ドデシルメルカプタン0.4部の混合
物を連続的に添加し、重合開始3時間後、転化率99.
5%となった時点で重合を終了した。固形分濃度52.
0%の安定なメチルアクリレート/n−ブチルアクリレ
ート共重合体エマルジョンを得た。このエマルジョンを
用いたこと以外は、実施例1と同様にして合成樹脂粉末
を得た。評価結果を表3〜4に示す。
【0034】実施例3〜4、比較例2〜3 PVA−3に代えて、表3に示す分散剤を用いたこと以
外は、実施例2と同様にしてエマルジョンを得た。この
エマルジョンを用いたこと以外は、実施例2と同様にし
て合成樹脂粉末を得た。評価結果を表3〜4に示す。
【0035】
【表3】
【0036】1)MMA :メタクリル酸メチル、 n−BA:アクリル酸n−ブチル 2)PVA−1:重合度1500、ケン化度96.0mo
l%、メルカプト基含量1.5×10-5当量/g PVA−3:重合度550、ケン化度88.3mol
%、メルカプト基含量3.3×10-5当量/g PVA−4:重合度550、ケン化度88.3mol% 無変性PVA PVA−5:重合度510、ケン化度93.0mol
%、メルカプト基含量4.0×10-5当量/g 非イオン界面活性剤:ノニポール200(三洋化成製)
【0037】
【表4】
【0038】実施例5 窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オートクレーブ
に、片末端にメルカプト基を有するPVA(PVA−
6:重合度350、鹸化度88.5mol%、メルカプ
ト基含量7.0×10-5当量/g)の4%水溶液100
部を仕込み、希硫酸でpH=4に調製し、スチレン60
部、t−ドデシルメルカプタン1部を仕込んだ。次に、
系を窒素置換した後、ブタジエン40部を耐圧計量器よ
り圧入して、70℃まで昇温した。濃度2%の過硫酸ア
ンモニウム10部を圧入して重合を開始した。内圧は、
重合開始前には4.5Kg/cm2 であったが、20時
間後には0.3Kg/cm2 に低下した。その時点での
重合率は99.2%であった。固形分濃度49.1%の
安定なスチレン−ブタジエン共重合体エマルジョンを得
た。このエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と
同様にして合成樹脂粉末を得た。評価結果を表5〜6に
示す。
【0039】実施例6、比較例4〜5 PVA−6に代えて、表5に示す分散剤を用いたこと以
外は、実施例5と同様にしてエマルジョンを得た。この
エマルジョンを用いたこと以外は、実施例5と同様にし
て合成樹脂粉末を得た。評価結果を表5〜6に示す。
【0040】
【表5】
【0041】1)St:スチレン BD:ブタジエン 2)PVA−3:重合度550、ケン化度88.3mol
%、メルカプト基含量3.3×10-5当量/g PVA−6:重合度350、ケン化度88.5mol
%、メルカプト基含量7.0×10-5当量/g PVA−7:重合度350、ケン化度88.5mol% 無変性PVA アニオンン界面活性剤:サンデットBL(三洋化成製)
【0042】
【表6】
【0043】実施例7 窒素吹き込み口、温度計を備えた耐圧オートクレーブ
に、末端にメルカプト基を有するPVA(PVA−8:
重合度800、鹸化度88.0mol%、メルカプト基
含量2.7×10ー5当量/g)の6.25%水溶液80
部を仕込み、希硫酸でpH=3.5に調整し、酢酸ビニ
ル80部を仕込んだ。次に、系を窒素置換した後、60
℃まで昇温した。エチレンを45Kg/cm2 まで圧入
し、濃度5%のロンガリット水溶液を5部添加した後、
濃度0.4%の過酸化水素水溶液を連続的に添加して重
合を開始した。3時間後、酢酸ビニル濃度が1.0%と
なった時点で重合を終了した。固形分濃度55.0%の
安定なエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンを得
た。このエマルジョンを用いたこと以外は、実施例1と
同様にして合成樹脂粉末を得た。評価結果を表7〜8に
示す。
【0044】比較例6 PVA−8に代えて、表7に示す分散剤を用いたこと以
外は、実施例7と同様にしてエマルジョンを得た。この
エマルジョンを用いたこと以外は、実施例7と同様にし
て合成樹脂粉末を得た。評価結果を表7〜8に示す。
【0045】
【表7】
【0046】1)VAc:酢酸ビニル Et:エチレン 2)PVA−8:重合度800、ケン化度88.0mol
%、メルカプト基含量2.7×10-5当量/g PVA−9:重合度800、ケン化度88.0mol% 無変性PVA
【0047】
【表8】
【0048】
【発明の効果】本発明の合成樹脂粉末は、水中分散性お
よび耐ブロッキング性に優れていることから、輸送時に
は粉末の形態であるが、使用に際しては水を添加して攪
拌することにより容易に水中に分散する。また、本発明
の合成樹脂粉末は、造膜性に優れていることから、モル
タル用混和剤などに好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 220:12) C08F 236:04 (C08F 261/04 236:04) (56)参考文献 特開 昭60−197229(JP,A) 特開 平4−185607(JP,A) 特開 平5−112605(JP,A) 特開 平6−128443(JP,A) 特開 平7−138306(JP,A) 特公 昭46−9468(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 261/04 C08F 2/44

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体またはジエン系
    単量体の重合体粒子の表面に、末端のスルフィド結合を
    介してポリビニルアルコール系重合体が化学的に結合し
    た合成樹脂粉末。
  2. 【請求項2】 重合体粒子がアクリル酸エステル系重合
    体粒子であり、ポリビニルアルコール系重合体の平均重
    合度が500より大である請求項1記載の合成樹脂粉
    末。
  3. 【請求項3】 重合体粒子がジエン系重合体粒子であ
    り、ポリビニルアルコール系重合体の平均重合度が10
    0以上である請求項1記載の合成樹脂粉末。
  4. 【請求項4】 メルカプト基を有するポリビニルアルコ
    ール系重合体の存在下に、エチレン性不飽和単量体また
    はジエン系単量体を乳化重合することにより得られた水
    性エマルジョンを乾燥して得られる合成樹脂粉末。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の合成樹
    脂粉末にブロッキング防止剤を0.2〜10重量%含有
    する合成樹脂粉末。
  6. 【請求項6】 ブロッキング防止剤が、無機粉末である
    請求項5記載の合成樹脂粉末。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれか1項に記載の合
    成樹脂粉末からなるモルタル用混和剤。
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