JP5877698B2 - 偏光板用接着剤組成物およびこれを用いた偏光板 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光板用接着剤組成物およびこれを用いた偏光板に関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイが、省スペース、省電力、および高精細であることから広く普及している。特に、液晶ディスプレイについては、デジタル化された電子機器の普及に伴い、一般的な表示装置としての地位を確立している。当該液晶ディスプレイは、現在、テレビ、コンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機、電卓、時計等に広く用いられている。
液晶ディスプレイ(LCD)は、通常、光源、駆動回路、電源回路、接続コネクタ、および液晶パネルを含む。当該液晶ディスプレイは、光源から発する光の透過を液晶パネルの配向を変調させて調節し、透過光が出射されることにより画面が表示される。なお、駆動回路および電源回路は、電圧を制御することによって液晶パネルの配向を変調させている。液晶ディスプレイがこのような画像表示機構を有することから、液晶パネルに入射する光は直線偏光である必要があり、また、液晶パネルから出射する光は特定方向の偏光である必要がある。したがって、一般的に、液晶パネルは偏光板で挟まれてなる構造を有する。
偏光板は偏光子、接着層、および保護フィルムを含む。偏光子は、特定方向の光のみを通過させ、その他の光は遮断するものであり、通常、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素化合物を染色したものを一方向に延伸し、架橋処理を施したものである。このため、延伸方向に裂けやすく、偏光子はその片面または両面を保護フィルムにより強度が補強されて適用される。前記偏光子と保護フィルムは、接着層により接着される。よって、偏光子の両面が保護フィルムで補強される場合、偏光板は、保護フィルム−接着層−偏光子−接着層−保護フィルムがこの順に積層された構造を有する。前記構造を有する偏光板は、接着剤を含む溶液を介して偏光子を保護フィルムと貼り合わせ、次いで乾燥させて接着層を形成することによって製造される。
偏光子は延伸方向に裂けやすいことから、保護フィルムを用いた場合であっても偏光子割れが発生することがある。これは、偏光子は延伸された状態で保護フィルムと貼り合わされることに起因する。例えば、製造工程で偏光子と保護フィルムとの界面に生じる凹凸等によって製造された偏光板中の偏光子が変形し、当該偏光子の変形によって偏光子割れが生じうる。
上記偏光子割れを抑制する方法として、接着剤の構成を工夫する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤、および特定の粒径を有する金属コロイドを含有する偏光板用接着剤が報告されている。特許文献1によれば、当該偏光板用接着剤を用いると、偏光子と透明保護フィルムとの貼り合わせの際にその界面に生じる局所的な凹凸欠陥(クニック欠陥)の発生を抑えることができることが記載されている。
特開2008−15483号公報
しかしながら、特許文献1の偏光板用接着剤を用いた場合、偏光板表面にOrange Peel(ゆず肌)と呼ばれる細かな凹凸が生じ、偏光板の外観が不良になり、表示画像の歪みになりうることが判明した。
そこで本発明は、偏光子割れおよびOrange Peelの発生を抑制しうる偏光板用接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、ポリビニルアルコール系樹脂と、ヒュームド金属化合物と、硬化剤と、をそれぞれ所定の量で含有する偏光板用接着剤組成物を用いることで、上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部と、ヒュームド金属化合物20〜300質量部と、硬化剤5〜40質量部と、を含む偏光板用接着剤組成物に関する。
本発明に係る偏光板用接着剤組成物によれば、偏光子割れおよびOrange Peelの発生を抑制しうる。
実施例における偏光板の製造工程を説明するための概略図である。 実施例における熱衝撃試験の方法を説明するための概略図である。(a)は試片の構成を示す概略断面図であり、(b)は偏光子割れの測定位置を示す概略図である。 実施例における強制剥離試験の方法を説明するための概略断面図である。
本発明の一実施形態によると、ポリビニルアルコール系樹脂と、ヒュームド金属化合物と、硬化剤とを含む偏光板用接着剤組成物(以下、単に「接着剤組成物」とも称する)が提供される。
[ポリビニルアルコール系樹脂]
ポリビニルアルコール系樹脂は、接着剤組成物に接着性を付与する。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、特に制限はなく、公知のものが使用されうる。具体的には、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニルとその他の単量体との共重合体をケン化して得られたポリビニルアルコール;変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
ポリ酢酸ビニルと共重合しうるその他の単量体としては、不飽和カルボン酸およびそのエステル類、スルホン酸類;α−オレフィン;不飽和ニトリル類;不飽和アミド類;芳香族ビニル類;脂肪族ビニル類;および不飽和結合含有複素環類等が挙げられる。具体的には、前記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸のエステル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。不飽和カルボン酸のスルホン酸類としては、メタアリルスルホン酸ナトリウム、モノアルキルマレイン酸スルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ジスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。不飽和ニトリル類としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。不飽和アミド類としては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドが挙げられる。芳香族ビニル類としては、スチレン、α−メチルスチレンが挙げられる。脂肪族ビニル類としては、酢酸ビニルが挙げられる。不飽和結合含有複素環類としては、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリンが挙げられる。
変性ポリビニルアルコールは、前記ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコールまたはポリ酢酸ビニルとその他の単量体との共重合体をケン化して得られたポリビニルアルコールに任意の変性処理の1または2以上を施したものである。例えば、アミン変性、エチレン変性、カルボン酸変性、ウレタン変性、ジアセトン変性、チオール変性、リン酸エステル変性、アセトアセチル変性した変性ポリビニルアルコールでありうる。また、カチオン変性、アニオン変性、またはノニオン変性した変性ポリビニルアルコールを用いてもよい。
上述のポリビニルアルコール系樹脂のうち、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール樹脂を用いることが好ましい。アセトアセチル基は高い反応性を有することから、偏光板用接着剤に使用した際により高度に架橋されることによって高い耐久性を示しうる。アセトアセチル変性ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを公知の方法で反応させて得られうる。具体的には、ポリビニルアルコール系樹脂を酢酸等の溶媒中に分散させ、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコール系樹脂をジメチルホルムアミドまたはジオキサン等の溶媒にあらかじめ溶解させ、これにジケテンを添加する方法、ポリビニルアルコールにジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させる方法等が挙げられる。
上述のポリビニルアルコール系樹脂は自ら合成してもよいが、市販品を使用してもよい。市販品としては、ゴーセファイマー(登録商標)Z Z−100、Z−200、Z−205、Z-210、Z-300、Z−320、Z−410(日本合成化学工業株式会社製);クラレポバールPVA−117、PVA−217(株式会社クラレ製);デンカポバール(登録商標)K−05、K17−E、K−17C、H−12、H−17、PC−1000(電気化学工業株式会社製)等が挙げられる。これらのうち、ゴーセファイマー(登録商標)Z Z−200、Z−410(日本合成化学工業株式会社製)を用いることが好ましい。
上述のポリビニルアルコール系樹脂は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、500〜3000であることが好ましく、1000〜2000であることがより好ましい。重合度が500以上であると、耐久性および耐熱性に優れることから好ましい。一方、重合度が3000以下であると、粘度が過度に高くならず、接着剤組成物が偏光子と保護フィルムとの間で均一な厚さとなることから好ましい。
また、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、90〜100モル%であることが好ましく、96〜99モル%であることがより好ましい。ケン化度が90%以上であると、耐久性および耐熱性に優れることから好ましい。前記好ましいケン化度の値からも明らかなように、ポリビニルアルコールは、自身が有する多数のヒドロキシ基によって接着性を示すのである。
[ヒュームド金属化合物]
ヒュームド金属化合物は、偏光子割れおよびOrange Peelの発生を抑制しうる。ここで、「ヒュームド金属化合物」とは、金属化合物の一次粒子が不定形に凝集した構造を有する、金属化合物の凝集体を意味する。
ヒュームド金属化合物に含まれる金属化合物としては、酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化セリウム(CeO)等が挙げられる。これらのうち、ヒュームド金属化合物は酸化ケイ素、酸化アルミニウム、または酸化チタンを含むことが好ましい。
前記金属化合物が不定形に凝集した構造を有するヒュームド金属化合物としては、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニア、ヒュームドジルコニア、ヒュームドセリア等が挙げられる。また、ヒュームド金属化合物は、前記金属化合物を2種以上含む混合ヒュームド金属化合物であってもよい。これらのヒュームド金属化合物のうち、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、または酸化ケイ素および酸化アルミニウムの混合ヒュームド金属化合物を用いることが好ましい。
前記ヒュームド金属化合物は、さらに表面処理が施されていてもよい。例えば、ヒュームドシリカの場合には、表面に存在するシラノール基について、ジメチルジクロロシランによるジメチルシリル化、ヘキサメチルジシラサンによるトリメチルシリル化、オクチルシランによるオクチルシリル化、シリコーンオイルによるジメチルポリシロキサン化等の表面処理を施すことができる。表面処理を行うことによって、ヒュームド金属化合物が有する親水性基の少なくとも1つを疎水性基に改質することができる。
上述のヒュームド金属化合物は自ら調製したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。例えば、ヒュームドシリカは、四塩化ケイ素(SiCl)を酸水素炎中で高温加水分解することにより調製することができる。また、市販品としては、アエロジル(登録商標)50、90G、130、200、200CF、200V、200FAD、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、アエロキシド(登録商標)AluCu、Alu65、Alu130、TiOP25、TiOP90(日本アエロジル株式会社製)等の親水性ヒュームド金属化合物、アエロジル(登録商標)R972、R972CF、R972V、R9200、R974、R9765、R104、R106、RX50、NAX50、NX90G、RX200、RX300、R812、R812S,R8200、RA200H、RA200HS、RY50、NY50、RY2005、RY200、RY300、R200、R805、R711、R7200、アエロキシド(登録商標)Alu805、TiOT805、TiOPNKT90等の疎水性ヒュームド金属化合物等を用いることができる。
上述したヒュームド金属化合物は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ヒュームド金属化合物は、少なくとも1つの親水性基を有することが好ましい。ヒュームド金属化合物の親水性基(ヒュームドシリカであればシラノール基)は、粒子表面に存在し、当該親水性基が偏光子割れおよびOrange Peelの発生の抑制に寄与しうる。偏光子割れやOrange Peelは、主として偏光子が延伸された状態で保護フィルムと貼り合されることに起因して発生しうる。具体的には、偏光子割れは、偏光板の製造工程における接着剤組成物の応力の変化に伴い、偏光子が変形することにより生じうる。また、Orange Peelは、偏光板の製造工程の際に接着剤組成物を溶液状態で使用するため、当該溶液成分が偏光子内部に移行して偏光子が変形し、乾燥しても当該変形が元に戻らないために生じうる。ヒュームド金属化合物の親水性基は、接着剤組成物に含有される上記ポリビニルアルコール系樹脂が有する親水性基(ヒドロキシ基等)と相互作用することにより接着剤組成物のせん断力が向上しうる。また、後述の偏光子を構成する成分が有する親水性基(ヒドロキシ基等)と相互作用することにより、接着剤組成物と偏光子との接着性が向上しうる。これにより、接着剤組成物の応力の変化が生じにくくなる結果、偏光子が変形しにくくなり、偏光子割れが抑制されうる。また、製造工程において偏光子内部に溶液成分が移行しても、高いせん断強度を有する接着剤組成物と強く接着しているため、偏光子が変形しにくくなりOrange Peelの発生が抑制されうる。
ヒュームド金属化合物のかさ密度は、0.03〜0.10g/cmであることが好ましく、0.04〜0.05g/cmであることがより好ましい。かさ密度が大きいと、偏光板を製造する際に、ヒュームド金属化合物が接着剤組成物中で厚さ方向に配置され、接着剤組成物が一定の物理的強度を有しうる。これにより、接着剤組成物のせん断強度がさらに向上し、偏光子割れおよびOrange Peelの発生を抑制しうる。なお、本明細書において、かさ密度は、かためかさ密度の方法により測定された値を採用するものとする。
また、ヒュームド金属化合物の比表面積は、100〜400m/gであることが好ましく、100〜200m/gであることがより好ましい。比表面積が大きいと、ヒュームド金属化合物が、接着剤組成物を構成するポリビニルアルコールや偏光子を構成する親水性基を有する成分と接触しやすくなる。この結果、親水性基どうしの相互作用が起こりやすくなり、接着剤組成物のせん断力が向上しうる。この際、従来用いられていた金属化合物コロイドの比表面積と対比すると、ヒュームド金属化合物は粒径の小さい金属化合物が凝集した構造を有することから、ヒュームド金属化合物の比表面積はより高い値を示す。よって、ヒュームド金属化合物を用いた場合、金属化合物コロイドを用いた場合よりも前記親水性基を有する成分とより接触しやすくなり、接着剤組成物はより高いせん断力を有しうる。なお、本明細書において、比表面積とはBET比表面積を意味し、簡易BET法により測定された値を採用するものとする。
ヒュームド金属化合物の一次粒径は、5〜50nmであることが好ましく、7〜20nmであることがより好ましい。一次粒径が5nm以上であると、ヒュームド金属化合物のかさ密度が過度に小さくならないことから好ましい。一方、一次粒径が50nm以下であると、比表面積が過度に小さくならないことから好ましい。なお、当該一次粒径は、TEM(透過型電子顕微鏡)により測定される数値を採用するものとする。
接着剤組成物中のヒュームド金属化合物の含有量は、上述のポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、20〜300質量部、好ましくは30〜250質量部、さらに好ましく30〜220質量部である。前記ヒュームド金属化合物の含有量が20質量部以上であると、接着剤組成物が高いせん断力を有し、接着剤組成物の物理的強度も高くなることから好ましい。一方、前記ヒュームド金属化合物の含有量が300質量部以下であると偏光子と保護フィルムとの接着性が十分に確保できることから好ましい。
[硬化剤]
硬化剤は、ポリビニルアルコール系樹脂を架橋することによって、せん断力を向上させる役割を有する。
硬化剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂を架橋できるものであれば特に制限はなく、公知の硬化剤が使用されうる。具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;グリオキサール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類;グリオキシル酸ナトリウム、グリオキシル酸カリウム等のグリオキシル酸の金属塩;エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロール化メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンおよびホルムアルデヒドの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、ジルコニウム等の二価金属または四価金属の塩およびその酸化物が挙げられる。これらのうち、ジアルデヒド類またはグリオキシル酸の金属塩を用いることが好ましく、グリオキサールまたはグリオキシル酸ナトリウムを用いることがより好ましい。前記硬化剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
接着剤組成物中の硬化剤の含有量は、上述のポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、10〜40質量部、好ましくは15〜35質量部、さらに好ましくは15〜30質量部である。前記硬化剤の含有量が10質量部以上であると、ポリビニルアルコールが十分に架橋され、得られる偏光板の耐湿熱性が向上することから好ましい。一方、前記硬化剤の含有量が40質量部以下であると、接着剤組成物のポットライフ(接着剤組成物を溶液状態で塗布することができる時間)を十分に確保できることから好ましい。
[偏光板用接着剤組成物の製造方法]
偏光板用接着剤組成物の製造方法については、特に制限はなく、公知の方法によって製造することができる。例えば、所定量のポリビニルアルコール系樹脂および所定量の硬化剤を水中で混合し、得られた混合液中に所定量のヒュームド金属化合物を添加、撹拌することにより、接着剤組成物を製造することができる。
接着剤組成物は、ヒュームド金属化合物を安定に分散させることが好ましい。このような接着剤組成物を得るためには、用いるヒュームド金属化合物に応じて適宜接着剤組成物のpHを適宜設定すればよい。例えば、ヒュームドシリカを構成する酸化ケイ素は中性〜弱酸性であるため、pHを酸性にすることが好ましい。当該pHの調整は、塩酸や水酸化ナトリウム等の公知のpH調整剤を用いてもよいが、架橋剤を利用してもよい。例えば、グリオキサールは10質量%水溶液中でpHが3.3であることから、架橋剤としてグリオキサールを用いることにより接着剤組成物のpHを酸性側に調整することができる。また、グリオキシル酸ナトリウムは10質量%水溶液中でpHが6.3であることから、酸性側のpHを中性側に調整することができる。好ましい実施形態によれば、ヒュームド金属化合物を構成する金属化合物が有するpHと類似のpHを示す架橋剤を用いることが好ましい。具体的には、ヒュームド金属化合物が主として酸化ケイ素や酸化アルミナで構成される場合には、架橋剤としてグリオキサールを用いることが好ましい。また、ヒュームド金属化合物が主として酸化スズで構成される場合には、グリオキシル酸ナトリウムを用いることが好ましい。
製造された接着剤組成物の粘度は、好ましくは1〜50mPa・sであり、より好ましくは3〜30mPa・sである。粘度が1mPa・s以上であると、接着剤組成物が高いせん断力を有することから好ましい。一方、粘度が50mPa・s以下であると、塗布が容易となることから好ましい。
接着剤組成物は、必要に応じて、粘着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、安定化剤、シランカップリング剤等の添加剤を添加してもよい。当該添加剤を添加することにより、所望の性能を有する接着剤組成物となりうる。
本発明の別の実施形態によると、偏光子と保護フィルムとを含み、前記偏光子および前記保護フィルムが、本発明に係る接着剤組成物によって接着された偏光板が提供される。前記偏光板は、通常、保護フィルム−接着剤−偏光子−接着剤−保護フィルムがこの順に積層された構造を有しうる。この際、前記偏光板は、1つの保護フィルムが省略された、すなわち保護フィルム−接着剤−偏光子がこの順に積層された構造であってもよい。
[偏光子]
偏光子は、特定方向の光のみを通過させ、その他の光は遮断する機能を有する。
偏光子としては、上記機能を有するものであれば特に制限はなく、公知のものが使用されうる。具体的には、樹脂を、ヨウ素化合物等で染色し、一方向に延伸させたフィルムでありうる。前記偏光子はさらに添加剤により架橋処理をしたものであってもよい。
偏光子に用いられる樹脂としては、通常、ポリビニルアルコール系樹脂が用いられうる。前記ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られたポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニルとその他の単量体との共重合体をケン化して得られたポリビニルアルコール;変性ポリビニルアルコール等でありうる。当該ポリビニルアルコール系樹脂は、上述した偏光板接着剤組成物に用いられうるポリビニルアルコール系樹脂と同様である。
上述のポリビニルアルコール系樹脂は単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、2000〜3000であることが好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、90〜100モル%であることが好ましい。
偏光子に用いられるヨウ素化合物としては、ヨウ素およびヨウ化カリウムを溶解したヨウ素水溶液でありうる。また、ヨウ素化合物にとともに、またはヨウ素化合物に代えて、二色性染料を用いてもよい。前記二色性染料としては、例えば、特開2000−292780号公報、特開平7−159615号公報等に記載のアゾ染料が挙げられる。
偏光子を架橋処理するために用いられる添加剤としては、ホウ酸、グリオキサール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。架橋処理によって、偏光子に耐水性を付与することができ、また、色相調整をすることができる。なお、硬化促進のために、さらに塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等を共存させてもよい。
偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂を、ヨウ素化合物を含む水溶液に浸漬させて染色し、次いで3〜7倍に一軸延伸してポリビニルアルコール系フィルムとすることで作製することができる。なお、前記ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール樹脂を延伸させた後にヨウ素化合物を含む水溶液に浸漬させてもよい。得られたポリビニルアルコール系フィルムについて架橋処理を行う場合には、前記ポリビニルアルコール系フィルムを、ホウ酸を含む水溶液に浸漬する。
前記ヨウ素化合物を含む水溶液は、ヨウ素/ヨウ化カリウムの0.1〜1.0質量%水溶液でありうる。また、前記ホウ酸を含む水溶液は、ホウ酸の1〜10質量%水溶液でありうる。
得られた偏光子は、さらに水で水洗してもよい。偏光子を水洗することによって汚れを除去することができ、また、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色むらを防止することができる。
[保護フィルム]
保護フィルムは、偏光子を補強する役割を有する。
保護フィルムとしては、特に制限はなく、公知のものが用いられうる。具体的には、セルロースジアセテート、セルローストリプロピオネート、セルロースジプロピオネート等のセルロース系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロアルキル構造を有するポリオレフィン、ノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ナイロン、芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂;イミド系樹脂;スルホン系樹脂、;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラール系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;およびエポキシ系樹脂が挙げられる。これらのうち、セルロース系樹脂を用いることが好ましく、入手し易さやコストの点からセルローストリアセテートを用いることがより好ましい。
前記樹脂は市販品を用いてもよく、当該市販品としては、UV−50、UV−80、SH−80、TD−80U、TD−TAC、UZ−TAC(富士フイルム株式会社製)、KCシリーズ(コニカミノルタオプト株式会社製)等が挙げられる。
前記樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記保護フィルムは単層であっても、2層以上が積層されたものであってもよい。
[偏光板の製造方法]
偏光板は、特に制限はなく、公知の方法によって製造することができる。例えば、接着剤を含む溶液を介して偏光子を保護フィルムと貼り合わせ、次いで乾燥させることによって偏光板を製造することができる。すなわち、偏光板の製造方法は、接着剤組成物を塗布する工程と、偏光子および保護フィルムを貼り合わせる工程と、乾燥させる工程とを含む。
接着剤組成物を塗布する工程において、接着剤組成物を塗布する方法は、特に制限はなく、接着剤組成物を直接滴下する方法、ロールコート法、噴霧法、浸漬法等が採用されうる。この際、接着剤組成物は、偏光子、保護フィルムのどちらに塗布してもよく、双方に塗布してもよい。
偏光子および保護フィルムを貼り合わせる工程は、通常、ロールラミネーター等が用いられうる。
乾燥させる工程において、乾燥温度は、好ましくは30〜100℃であり、より好ましくは40〜85℃である。また、乾燥時間は、好ましくは1〜10分であり、より好ましくは3〜7分である。乾燥工程により溶液状態で塗布された接着剤組成物は、乾燥によって偏光板を構成する接着層となる。
ヒュームド金属化合物を含む接着剤組成物は、同量の金属化合物コロイドを含む接着剤組成物よりも高い粘度を有する。そのため、ヒュームド金属化合物を含む接着剤組成物は、溶液状態におけるせん断力がより高くなりうる。その結果、偏光板の製造工程において接着剤組成物に生じうる応力が低減され、偏光子の変形が起こりにくくなりうる。
製造された偏光板の接着層の厚さは、10〜300nmであることが好ましく、10〜200nmであることがより好ましい。前記接着層の厚さが10nm以上であると、十分な接着力が得られることから好ましい。一方、接着層の厚さが300nm以下であると、接着層が均一な厚さを有することから好ましい。接着層の厚さは、接着剤組成物の溶液中の固形分濃度や接着剤組成物の塗布装置によって調整することができる。なお、当該接着層の厚さは、走査型電子顕微鏡(SEM)によって断面を観察して測定するものとする。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<固形分>
ポリビニルアルコール系樹脂が溶解している溶液の固形分の測定は、以下の方法で行った。ポリビニルアルコール系樹脂溶液 約1gを、精秤したガラス皿に精秤する。105℃で1時間乾燥した後室温(25℃)に戻し、ガラス皿と残存固形分との合計の質量を精秤する。ガラス皿の質量をX、乾燥する前のガラス皿と樹脂溶液との合計の質量をY、ガラス皿と残存固形分との合計の質量Zとして、下記数式1により固形分を算出した。
Figure 0005877698
<実施例1>
<接着剤組成物の調製>
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール樹脂であるゴーセファイマー(登録商標)Z Z−410(日本合成化学工業株式会社製)を固形分2質量%になるように調整して水溶液とした。この水溶液に、有効成分10質量%に調整した硬化剤であるグリオキサール水溶液(pH3.3)を混合した。次いで、固形分10質量%に調整したヒュームド金属化合物であるアエロジル(登録商標)Alu130(ヒュームドアルミナ:比表面積110〜130m/g:かさ密度約0.04g/cm:日本アエロジル株式会社製)を添加し、室温(25℃)でホモジナイザーを用いて分散させて接着剤組成物溶液を得た。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が30質量部、硬化剤が15質量部であった。
<実施例2>
硬化剤およびヒュームド金属化合物の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が80質量部、硬化剤が20質量部であった。
<実施例3>
硬化剤およびヒュームド金属化合物の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が150質量部、硬化剤が20質量部であった。
<実施例4>
硬化剤およびヒュームド金属化合物の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が220質量部、硬化剤が30質量部であった。
<実施例5>
硬化剤の添加量を変更し、ヒュームド金属化合物を、固形分10質量%に調整したアエロキシド(登録商標)MOX170(酸化ケイ素/酸化アルミニウムの混合ヒュームド金属化合物:表面積140〜200m/g:かさ密度約0.05g/cm:日本アエロジル株式会社製)に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が50質量部、硬化剤が20質量部であった。
<実施例6>
混合ヒュームド金属化合物の添加量を変更したことを除いては、実施例5と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が100質量部、硬化剤が20質量部であった。
<比較例1>
硬化剤の添加量を変更し、ヒュームド金属化合物を添加しなかったことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、硬化剤が10質量部であった。
<比較例2>
硬化剤およびヒュームド金属化合物の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が15質量部、硬化剤が10質量部であった。
<比較例3>
硬化剤およびヒュームド金属化合物の添加量を変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、ヒュームド金属化合物が320質量部、硬化剤が40質量部であった。
<比較例4>
硬化剤の添加量を変更し、ヒュームド金属化合物を添加しなかったことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、硬化剤が40質量部であった。
<比較例5>
硬化剤の添加量を変更し、ヒュームド金属化合物を、固形分10質量%に調整し、分散させた金属化合物コロイドであるアルミゾル1−10A(酸化アルミニウムコロイド:川研ファインケミカル株式会社製)に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により接着剤組成物溶液を調製した。得られた接着剤組成物溶液は、ポリビニルアルコール系樹脂100質量部に対して、金属化合物コロイドが80質量部、硬化剤が20質量部であった。
実施例1〜6および比較例1〜5で調製した接着剤組成物溶液の材料の配合比(有効成分比)を下記表1に示す。
Figure 0005877698
<偏光板の製造>
偏光子は、以下の方法で作成した。すなわち、ポリビニルアルコール(平均重合度2400、ケン化度99.9%、厚さ75μm)を、28℃の温水中に90秒間浸漬して膨潤させ、次いで、ヨウ素/ヨウ化カリウム(質量比2/3)の濃度0.6質量%の水溶液に浸漬し、2.1倍に延伸させてヨウ素で染色したポリビニルアルコールフィルムを得た。その後、当該ポリビニルアルコールフィルムをホウ酸エステル水溶液中、60℃で合計の延伸倍率が5.8倍となるように延伸を行った。水で洗浄後、45℃で3分間乾燥させて、偏光子を作成した。
保護フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚さ80μm)を用いた。
<製造例1>
偏光板は、図1に示すように、TACフィルム2枚の間に作成した偏光子(厚み80μm)を挟み、偏光子の両面に実施例1で得られた接着剤組成物溶液をスポイトで適量滴下し、ロールプレスで貼り合わせて乾燥前偏光板を得た。なお、図1の矢印は、偏光子、接着剤組成物、およびTACフィルムの移動方向を示す。得られた乾燥前偏光板を70℃で5分間乾燥し、TACフィルム−接着層−偏光子−接着層−TACフィルムがこの順で積層された構造を有する偏光板を製造した。
<製造例2〜11>
実施例2〜6および比較例1〜5で調製した接着剤を用いて、製造例1と同様の方法により、偏光板を製造した。
<偏光板の評価>
製造した偏光板を、Orange Peelの観察、熱衝撃試験、光学特性測定、裁断試験、強制剥離試験、および耐湿熱試験により評価した。
(Orange Peelの観察)
製造例1〜11で製造した偏光板の外観を目視で観察し、Orange Peelの有無を観察した。
Orange Peelが顕著に見られた場合には外観が不良であると判断し、Orange Peelがほとんど見られなかった場合には外観が良好であると判断した。
(熱衝撃試験)
製造例1〜11で製造した偏光板を、Thomson刃で5cm×5cmに裁断し、試片とした。次いで、図2(a)に示すように、耐水研磨紙(♯280)で研磨したSUS板に、瞬間接着剤アロンアルファ(登録商標)一般用(東亞合成株式会社製)を用いて前記試片を貼り合わせ、室温(25℃)で24時間熟成させた。熟成した試片について熱衝撃試験を行った。なお、熱衝撃試験は、85℃で1時間、−40℃で1時間放置することを30サイクル繰り返すものである。
熱衝撃を与えた後、図2(b)に示すように、偏光子の延伸方向に偏光板の端部から偏光子割れが存在するかを観察し、偏光子割れが観察された場合にはその割れの長さを測定した。割れが複数観察される場合には、その平均値を用いて評価するものとする。割れの長さが端部から0.5mm未満であれば、熱衝撃による偏光子割れが防止できると判断できる。
<光学特性>
製造例1〜11で製造した偏光板について、ヘイズメーター(HazeMeter NDH5000W:日本電色工業株式会社製)を用いて透過率およびヘイズを測定した。
透過率については43%以上、ヘイズについては0.5%以下であれば、偏光板として実使用に適すると判断される。
<裁断試験>
製造例1〜11で製造した偏光板を、Thonsom刃で5cm×5cmに裁断し、裁断の際の端部のはがれの状態を目視で観察した。
はがれの長さが端部から0.5mm未満であれば剥離なしと判断し、0.5mm以上であれば剥離ありと判断した。
<強制剥離試験>
製造例1〜11で製造した偏光板の一方の面のTACフィルムに、図3に示すように、ナイフで切れ目(ハーフカット)を入れた。次いで、ハーフカット部が凸側となるように、偏光板の折れが発生するまで変形させた。その後、折れが発生している箇所のTACフィルムの剥離の状態を目視で観察した。
剥離が観察されない場合には剥離なしと判断し、剥離が観察された場合には剥離ありと判断した。
<耐湿熱試験>
製造例1〜11で製造した偏光板を、Thonsom刃で5cm×5cmに裁断し、試片とした。この試片を60℃、99%RHの雰囲気下で3時間保管し、その後の偏光子の収縮幅を測定した。
収縮幅が0.5mm未満であれば問題なしと判断し、収縮幅が0.5mm以上であれば問題ありと判断した。
得られた評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005877698
表2からも明らかなように、実施例1〜6の接着剤組成物を用いて製造された偏光板はOrange Peelがほとんど観察されず、外観が良好であった。一方、特許文献1で使用されているような金属化合物コロイドを含む従来の接着剤組成物(製造例5)を用いて製造され偏光板(製造例11)では、Orange Peelが顕著に観察された。
また、実施例1〜6の接着剤組成物を用いて製造された偏光板(製造例1〜6)は、偏光子割れを抑制することができ、偏光子割れが生じたとしてもわずかなものであった。当該偏光子割れ抑制効果は、ポリビニルアルコール系樹脂および硬化剤のみからなる接着剤組成物を用いて製造された偏光板(製造例7および10)や、金属化合物コロイドを含む従来の接着剤組成物(製造例5)と対比すると、高い偏光子割れ抑制効果を有するということができる。
実施例1〜4の接着剤組成物を用いて製造された偏光板(製造例1〜4)と、比較例2および3で調製された接着剤組成物を用いて製造された偏光板(製造例8および9)とを
対比すると、接着剤組成物にヒュームド金属化合物を多量に含む場合、偏光板のOrange Peelの発生を抑制することができるが、裁断試験、強制剥離試験、および耐熱試験の結果から接着性が十分ではないことが分かった。一方、接着剤組成物にヒュームド金属化合物が過度に少ない場合、接着性は十分であったが、Orange Peelの発生を十分に抑制することができなかった。

Claims (3)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂100質量部と、
    親水性ヒュームド金属化合物20〜300質量部と、
    硬化剤5〜40質量部と、
    を含み、
    前記親水性ヒュームド金属化合物は、金属化合物の一次粒子が不定形に凝集した構造を有する金属化合物の凝集体であり、ヒュームドアルミナまたは酸化ケイ素/酸化アルミニウムの混合ヒュームド金属化合物を含み、
    前記親水性ヒュームド金属化合物の比表面積は、100〜400m /gである、偏光板用接着剤組成物。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールである、請求項に記載の偏光板用接着剤組成物。
  3. 偏光子と保護フィルムとを含み、前記偏光子および前記保護フィルムが、請求項1または2に記載の偏光板用接着剤組成物によって接着された、偏光板。
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