JP3633712B2 - 偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光板に関し、更に詳しくは高温・高湿条件下での光学耐久性(コントラスト保持性)に優れた偏光板及び機能層を設けた偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用いられている。
該液晶表示装置には、偏光板が用いられているが、該偏光板としては、延伸・染色処理等により偏光性が付与されたポリビニルアルコールフィルム等の偏光フィルムの両面にセルロース系フィルム、例えば三酢酸セルロースフィルム等の保護層が積層された偏光板が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近の技術の高度化に伴い、高温・高湿条件下でもコントラスト(平行透過率/直交透過率)の低下が見られない光学耐久性に優れた偏光板が望まれているのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者は上記の如き現況に鑑み鋭意研究した結果、平均重合度2500〜4000のポリビニルアルコールを用いてなる偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度が13kgf/mm以上(好ましくは13〜50kgf/mmで、かつ100℃,100時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.20%以下であるセルロース系フィルムを貼着した偏光板が高温・高湿条件下でもコントラスト(平行透過率/直交透過率)の低下が見られないという良好な光学耐久性が得られ、更に各種機能層を積層しても十分にその機能を発揮することを見いだし本発明の完成に至った。
また、本発明においては、該セルロース系フィルムの70℃,90%RH,500時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.50%以下(好ましくは0.0001〜0.50%)であるとき更なる作用効果を得ることができる。なお、縦方向とはセルロース系フィルムの製造時におけるフィルムの長手方向、即ちMD(machine direction)方向を意味し、寸法変化率(%)は[(100℃,100時間処理後の長さ−処理前の長さ)/(処理前の長さ)]×100より算出される値である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる偏光フィルムとしては、ポリビニルアルコール系フィルム、エチレンビニルアルコール系フィルム、セルロース系フィルム、ポリカーボネート系フィルムなどが挙げられるが、加工性等の点でポリビニルアルコール系樹脂の偏光フィルムが好適に用いられ、以下該フィルムについて説明するが、該フィルムに限定されるものではない。
【0006】
ポリビニルアルコール系樹脂は、通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるものであるが、本発明では、必ずしもこれに限定されるものではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していてもよい。また、ポリビニルアルコール系樹脂を酸の存在下でアルデヒド類と反応させたポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂などのいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びその他ポリビニルアルコール系樹脂誘導体も挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでは、耐熱性が良好であるという点から、高ケン化度で高重合度のポリビニルアルコール(系樹脂)が好ましい。即ち、ケン化度は95モル%以上が好ましく、更には99モル%以上、とくには99.5モル%以上が好ましく、(平均)重合度は2500〜4000であることが必要である
【0007】
該ポリビニルアルコール系樹脂を用いた偏光フィルムの製造法としては、ポリビニルアルコール系樹脂を水又は有機溶媒に溶解した原液を流延製膜して、延伸してヨウ素染色するか、延伸と染色を同時に行うかヨウ素染色して延伸した後、ホウ素化合物処理する方法等が採用される。
かかる偏光フィルムに貼着されるセルロース系フィルムは、従来より偏光フィルムの保護フィルムとして用いられているものであるが、本発明においてはかかるセルロース系フィルムとして、引張強度が13kgf/mm以上(好ましくは13〜50kgf/mm、更には14〜40kgf/mm)のものを用いることを最大の特徴とするもので、従来の如き引張強度が13kgf/mm未満のフィルムでは本発明の目的を達成することはできない。なお、かかる引張強度はASTM−D 638に準じて測定される値である。
【0008】
また、本発明では、該セルロース系フィルムの100℃,100時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.20%以下(好ましくは0.001〜0.20%、更には0.001〜0.15%)であることも特徴で、更には該セルロース系フィルムの70℃,90%RH,500時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.50%以下(好ましくは0.0001〜0.50%、更には0.0001〜0.40%)であることが好ましい。
該セルロース系フィルムの100℃,100時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.20%を越える場合には液晶パネル等に用いたときの表示品位が劣って不適であり、また70℃,90%RH,500時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.50%を越える場合には液晶パネル等に用いたときの表示品位が劣って好ましくない。
【0009】
かかるセルロース系フィルムを得るためには該フィルムの製造時に可塑剤の含有量を調節したり、製膜後に加熱処理を行ったりする方法等が挙げられるがこれらに限定されることはない。かかるセルロース系フィルムとしては、具体的に「フジタックFT−UVDE80」(富士写真フィルム社製)等を挙げることができる。
また、該セルロース系フィルムの原料となるセルロースエステルとしてはセルロースと脂肪酸とのエステルで、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルローストリプロピオネート、セルローストリブチレート等が挙げられ、これらの単独または複数が使用される。これらの中でもセルローストリアセテート(三酢酸セルロース)が好適に用いられる。該セルロース系フィルムの厚みは特に限定されないが50〜150μmが好ましく、更には70〜120μmが好ましい。
【0010】
かかる偏光フィルムとセルロース系フィルムの積層に関しては、天然或いは合成ゴム、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を主成分とする接着剤ないし粘着剤等を用いて、風乾法、化学硬化法、熱硬化法、熱溶融法等により接着せしめることができる。
【0011】
かくして、セルロース系フィルム/偏光フィルムまたはセルロース系フィルム/偏光フィルム/セルロース系フィルム等の積層構造を有する本発明の偏光板は、かかるセルロース系フィルム面あるいは偏光フィルム面に後述するが如きアクリル系粘着剤を用いてガラス板等の基材に貼着されて、後述するが如き用途に利用される訳であるが、本発明ではかかるセルロース系フィルムの更に外側に各種の機能層を積層して機能層付き偏光板とすることも有用である。
【0012】
かかる機能層としては、具体的にはアンチグレア層、ハードコート層、アンチリフレクション層、ハーフリフレクション層、反射層、蓄光層、エレクトロルミネッセンス層などが挙げられ、更に各種2種以上の組み合わせをすることも可能で、例えば蓄光層と反射層、蓄光層とハーフリフレクション層、蓄光層と光拡散層、蓄光層とエレクトロルミネッセンス層、ハーフリフレクション層とエレクトロルミネッセンス層、アンチグレア層とアンチリフレクション層などの組み合わせが挙げられる。但し、これらに限定されることはない。
【0013】
アンチグレア層とは、偏光板表面への蛍光灯等の写り込み像を拡散し表示を見やすくしたり、指紋等の付着を防止するためのもので、具体的には粒子径が0.1〜20μmのシリカビーズ等の無機充填剤やアクリル、スチレン、ジビニルベンゼン、メラミン、ベンゾグアナミン等の有機充填剤を配合したメラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や多官能アクリル系の紫外線或いは電子線等のエネルギー線硬化性樹脂等が用いられ、セルロース系フィルム表面に、バーコート、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート等の公知の塗工方法により塗工される。該アンチグレア層の厚みは1〜20μm程度である。
【0014】
ハードコート層とは、表面硬度をH(鉛筆硬度)以上にして耐擦傷性を付与するもので、具体的にはメラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や多官能アクリル系樹脂を主成分とし、紫外線或いは電子線等によるエネルギー線硬化性樹脂やSiO等の金属酸化物等が用いられ、セルロース系フィルム表面に形成される。該層の形成方法としては、樹脂の場合にはバーコート、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート等の公知の塗工方法が、又金属酸化物の場合には真空蒸着方法が好適に採用される。該ハードコート層の厚みは1〜20μm程度である。
【0015】
アンチリフレクション層とは、偏光板表面での外光反射を抑制し表示を見やすくするためのもので、具体的にはフッ素系樹脂やSiO、MgF、ZrO、AlO、TiO等の金属酸化物等が用いられ、セルロース系フィルム表面に形成される。該層の形成方法としては、樹脂の場合にはバーコート、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート等の公知の塗工方法が、又金属酸化物の場合には真空蒸着方法が好適に採用され、該金属酸化物は2層以上積層されることが多く、該アンチリフレクション層の厚みは0.05〜1μm程度である。
又、アンチリフレクション層とアンチグレア層を組み合わせて使用することも有効である。
【0016】
ハーフリフレクション層とは、昼間は外光反射を利用し、夜間はバックライトからの透過光を利用してディスプレイを表示させて低消費電力化を図るためのもので、具体的には、鱗片状雲母、二酸化チタン被覆雲母、板状魚鱗箔、六角板状塩基性炭酸鉛、酸塩化ビスマス等の微細雲母又は真珠顔料、微小ガラスビーズ、ガラス粉砕粒等のガラス製品、プラスチックチップ、プラスチック粉砕粒等のプラスチック製品等の透明及び/又は半透明粒子を含有した粘着剤を用いて、(メタ)アクリル系樹脂、アセテート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン等の光学的透明性を有する合成樹脂層を偏光板と貼り合わせたり、上記合成樹脂層上に上記透明及び/又は半透明粒子を被着したフィルムを粘着剤を介して偏光板と貼り合わせたりする等の方法が採られるが、これに限られるものではない。該ハーフリフレクション層付き偏光板は実用的には液晶パネルの下偏光板として用いられ、ハーフリフレクション層が下層となるように、即ちハーフリフレクション層が設けられていないセルロース系フィルム面が液晶パネルに貼合される。
【0017】
反射層とは、昼間に外光反射を利用してディスプレイを表示させてバックライトを省略するためのもので、具体的には三酢酸セルロースフィルム等の酢酸セルロース系フィルムやポリエチレンテレフタレート(PET)などの基材上にアルミニウム、銀等の高反射率を有する金属を蒸着したもので、粘着剤を介して偏光板(一方のセルロース系フィルム)に貼合される。該反射層付き偏光板は実用的には液晶パネルの下偏光板として用いられ、反射層が下層となるように、即ち反射層が設けられていない他方のセルロース系フィルム面が液晶パネルに貼合される。
【0018】
蓄光層とは、昼間に外光を蓄えることで夜間にはバックライト無しでディスプレイを表示させることができるためのもので、具体的には、硫化亜鉛、或いは硫化カルシウムを母体とし、これに賦活剤として銅を添加し、融剤を混ぜて焼成した緑色の蛍光体がよく用いられたり、又、該蓄光型の塗料にラジウムやストロンチウム等のα線、β線を放射する元素を微量加えて自ら発光する発光型の塗料とし用いられる。該蓄光層は偏光板の片面(一方のセルロース系フィルム)にアクリル樹脂等のバインダー樹脂とともにコーティングされ、該蓄光層付き偏光板は実用的には液晶パネルの下偏光板として用いられ、蓄光層が下層となるように、即ち蓄光層が設けられていない他方のセルロース系フィルム面が液晶パネルに貼合される。
又、蓄光層の下層に反射層を設けたり、蓄光層と偏光板の間にハーフリフレクション層を設けたすることも有効である。
【0019】
エレクトロルミネッセンス層とは、従来のバックライトに代わり軽量化、薄膜化が図られるためのもので、実用的には液晶パネルの下偏光板の更に下層に設けられる。エレクトロルミネッセンス材料としては、無機材料のものと有機材料のものとがあり、無機材料としては硫化亜鉛等の蛍光体粒子が挙げられ、有機材料としてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体、ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体等が挙げられる。実際の使用に際しては、エレクトロルミネッセンス層の片面(偏光板側)にITO電極を、もう片面に誘電体層及び背面電極を設けて、ITO電極と背面電極に電流を通し発光させる。
又、エレクトロルミネッセンス層と偏光板の間に蓄光層又はハーフリフレクション層を設けたりすることも有効である。
【0020】
本発明では、上記の各種機能層を偏光板に設けること、又、各種機能層を上記の如く種々組み合わせて偏光板に設けることで、光学性能に優れ、かつ高温、高湿の条件下での耐久性に優れた効果を発揮するのである。
【0021】
更に本発明の機能層付き偏光板においては、機能層が設けられていないセルロース系フィルム側(場合によってはセルロース系フィルムが省略されて偏光フィルムに直接)に更にアクリル系粘着剤層が設けられて、液晶表示装置などのガラス基材に貼着されて実装に供されるのである。
該アクリル系粘着剤としては、公知のものが用いられ、該アクリル系粘着剤の主成分であるアクリル系樹脂の構成成分としては、ガラス転移温度の低く柔らかい主モノマー成分やガラス転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に必要に応じ少量の官能基含有モノマー成分が挙げられる。
【0022】
具体的には、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12程度のメタクリル酸アルキルエステルなど主モノマー成分が挙げられ、前記のコモノマー成分としては、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
【0023】
前記以外に官能基含有モノマー成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物等のカルボキシル基含有モノマーや2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー等の他に(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0024】
かかる官能基含有モノマー成分のうちで、特にカルボキシル基含有モノマーの使用が好ましい。
かかる主モノマー成分の含有量は、他に含有させるコモノマー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量により一概に規定できないが、一般的には上記主モノマーを50重量%以上含有させることが好ましい。
本発明のアクリル系樹脂は、主モノマー、コモノマー、更に必要に応じて官能基含有モノマーを有機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方法によって容易に製造される。
【0025】
前記重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。前記ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどが具体例として挙げられる。
【0026】
上記のアクリル系樹脂は、必要に応じて架橋剤、カップリング剤(シリコーン、アルミニウム、チタン)等の添加剤が0.001〜5重量%配合されて最終的にガラス基材用の該アクリル系粘着剤となる。
該架橋剤としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、アミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート化合物、アンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示される。
上記の架橋剤の配合量は、アクリル系樹脂100重量部に対して0.001〜8重量部程度である。
【0027】
かくして本発明の偏光板は、偏光特性に優れ、かつ各種の機能層を積層することができて、高温・高湿状態での耐久性にも優れ、各種機能層の機能を充分に発揮し、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減層、医療機器、建築材料、玩具等に用いられ、特に自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置に有用である。
【0028】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明の偏光板を更に詳しく説明する。
尚、実施例中「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
又、本発明で言う偏光度は次式で示される。
〔(H11−H)/(H11+H)〕1/2 × 100(%)
ここでH11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合わせ時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向になる様に重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した透過率(%)、Hは2枚のサンプルの重ね合わせ時において、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する方向になる様に重ね合わせた状態で測定した透過率(%)である。
【0029】
実施例1
膜厚25μmのポリビニルアルコール系偏光フィルム(平均重合度3500、平均ケン化度99.5モル%、5倍延伸)の両側にポリビニルアルコール系接着剤(3%水溶液、乾燥塗布厚み0.01μm)を用いてセルロース系フィルムとして「フジタックFT−UVDE80」(富士写真フィルム(株)製、三酢酸セルロース系フィルム、引張強度16.5kgf/mm、80μm厚み)を貼着後、100℃で1分間乾燥させて偏光板を得た。
なお、上記セルロース系フィルム単体の100℃,100時間における縦(MD)方向の寸法変化率は0.06%で、70℃,90%RH,500時間における縦(MD)方向の寸法変化率は0.20%であった。
得られた偏光板のコントラスト(平行透過率/直交透過率)を高速多波長複屈折測定装置(大塚電子(株)製、RETS−2000)により測定したところ2400であった。
次いで該偏光板の耐久性を調べるために、該偏光板を65℃,95%RHの条件下に30分放置+55℃の乾燥状態で30分放置処理を10回繰り返した後、上記と同様にコントラストを測定したところ1500でコントラストの保持率は約63%であった。
【0030】
実施例2、比較例1
表1に示されるポリビニルアルコール系偏光フィルム及びセルロース系フィルムを用いて実施例1と同様に偏光板を作製して、同様に試験を行った。実施例及び比較例の試験結果を表2に示す。
【表1】
Figure 0003633712
【0031】
【表2】
Figure 0003633712
【0032】
実施例
実施例1で得られた偏光板の片面に、表3に示す如き機能層を設けて、各種機能層付き偏光板の機能性評価を下記の如き方法により評価した。
(アンチグレア層)
▲1▼蛍光灯の拡散性蛍光灯を該偏光板に写し込んだときの該像による表示品位を下記の基準で評価した。
A・・・蛍光灯の形状が認識できない
B・・・蛍光灯の形状が認識できる
▲2▼ヘイズ値変化該偏光板を上記条件下での放置前後のヘイズ値を測定し、下記の基準により評価した。
○・・・放置前後のヘイズ値の変化率が30%未満
×・・・放置前後のヘイズ値の変化率が30%以上
【0033】
(ハードコート層)
▲1▼耐擦傷性
スチールウールで該偏光板の表面を1kg/cmで10回擦った際のキズの有無を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・キズなし
×・・・キズあり
▲2▼表面鉛筆硬度
JIS K 5400に準じて該偏光板の表面硬度を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・H以上の表面硬度を有する
×・・・H未満の表面硬度を有する
【0034】
(アンチリフレクション層)
▲1▼蛍光灯の写り込み
蛍光灯を該偏光板に写し込んだときの該像による表示品位を下記の基準で評価した。
A・・・蛍光灯の写り込みにより他の表示が阻害されない
B・・・蛍光灯の写り込みにより他の表示が阻害される
▲2▼表面反射率
該偏光板を上記条件下での放置前後の反射率を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・放置前後の反射率の変化率が30%未満
×・・・放置前後の反射率の変化率が30%以上
【0035】
(ハーフリフレクション層)
▲1▼夜間及び昼間の実表示品位
夜間及び昼間において、該偏光板の表示を下記の基準により評価した。
A・・・夜間及び昼間とも短時間で表記が認識できる
B・・・夜間及び昼間とも短時間で表記が認識できない
▲2▼透過率
該偏光板を上記条件下での放置前後の透過率を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・放置前後の透過率の変化率が30%未満
×・・・放置前後の透過率の変化率が30%以上
▲3▼反射率
該偏光板を上記条件下での放置前後の反射率を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・放置前後の反射率の変化率が30%未満
×・・・放置前後の反射率の変化率が30%以上
【0036】
(反射層)
▲1▼昼間の実表示品位
昼間に該偏光板の表示を下記の基準により評価した。
A・・・短時間で表記が認識できる
B・・・短時間で表記が認識できない
▲2▼反射率
該偏光板を上記条件下での放置前後の反射率を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・放置前後の反射率の変化率が30%未満
×・・・放置前後の反射率の変化率が30%以上
【0037】
(蓄光層)
▲1▼夜間の実表示品位
夜間に該偏光板の表示を下記の基準により評価した。
A・・・表記が認識可能である
B・・・表記が認識不可能である
▲2▼表面輝度
該偏光板を上記条件下での放置前後の輝度を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・放置前後の輝度の変化率が30%未満
×・・・放置前後の輝度の変化率が30%以上
【0038】
(エレクトロルミネッセンス層)
▲1▼夜間の実表示品位
夜間に該偏光板の表示を下記の基準により評価した。
A・・・短時間で表記が認識可能である
B・・・短時間で表記が認識不可能である
▲2▼表面輝度
該偏光板を上記条件下での放置前後の輝度を測定し、下記の基準で評価した。
○・・・放置前後の輝度の変化率が30%未満
×・・・放置前後の輝度の変化率が30%以上
【0039】
【表3】
Figure 0003633712
【0040】
実施例
実施例2で得られた偏光板を用いて実施例と同様に機能層を設けて、実施例と同様に評価した。
【0041】
実施例3、4の評価結果を表4に示す。
【0042】
【表4】
Figure 0003633712
【0043】
【発明の効果】
本発明の偏光板は、特定のセルロース系フィルムを積層しているため、偏光特性に優れ、かつ高温・高湿状態での耐久性にも優れ、また、各種機能層を積層してもその機能を充分に発揮し、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減層等に用いられ、特に自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置に有用である。

Claims (16)

  1. 平均重合度2500〜4000のポリビニルアルコールを用いてなる偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度が13kgf/mm以上で、かつ100℃,100時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.20%以下であるセルロース系フィルムを貼着したことを特徴とする偏光板。
  2. セルロース系フィルムの70℃,90%RH,500時間における縦(MD)方向の寸法変化率が0.50%以下であることを特徴とする請求項1記載の偏光板。
  3. セルロース系フィルムの外側に機能層を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の偏光板。
  4. 機能層がアンチグレア層であることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  5. 機能層がハードコート層であることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  6. 機能層がアンチリフレクション層であることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  7. 機能層がハーフリフレクション層であることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  8. 機能層が反射層であることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  9. 機能層が蓄光層であることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  10. 機能層がエレクトロルミネッセンス層であることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  11. 機能層がアンチグレア層とアンチリフレクション層からなることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  12. 機能層が蓄光層と反射層からなることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  13. 機能層が蓄光層とハーフリフレクション層からなることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  14. 機能層が蓄光層と光拡散層からなることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  15. 機能層が蓄光層とエレクトロルミネッセンス層からなることを特徴とする請求項記載の偏光板。
  16. 機能層がハーフリフレクション層とエレクトロルミネッセンス層からなることを特徴とする請求項記載の偏光板。
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