JP5089106B2 - ガラス積層体 - Google Patents

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Description

本発明はガラス同士の接着用接着剤に関し、さらに詳しくは、ガラスとの接着性と耐光性に優れ、水洗等によって容易に除去することができるガラス同士の接着用接着剤に関する。
合わせガラスに代表されるガラス積層体は、自動車用フロントガラス、防犯ガラス等に広く用いられ、通常は複数のガラス板、あるいはガラス板と合成樹脂板を、中間膜等の接着層を介して貼り合わせた構成となっている。かかる中間膜としては、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムが一般的であり、かかる中間膜を用いたガラス積層体は、通常、ガラス/ガラス間、あるいはガラス/合成樹脂間に中間膜を挟み、高温・高圧条件によって中間膜を溶融着させて製造されている。
しかしながら、かかる製造法はオートクレーブ等の大型装置を必要とし、一定面積の板状製品を工場等によって大量生産する場合には適しているが、様々な形状のものを製造する場合や、ガラス面に不定形の物品を接着する場合、および加熱が困難な物品あるいは状況に対しては適用が困難である。
かかる課題を解決するため、容易に被着体表面に塗布できる常温で液状の接着剤、加熱加圧を必要としない接着剤の開発が広く行われ、例えば、架橋された粘着性ポリマーとポリカプロラクトンとを含有するガラス用接着剤(例えば、特許文献1参照。)、ポリ(メタ)アクリル酸とエポキシ基含有アクリル樹脂を主成分とするガラス用接着剤(例えば、特許文献2参照。)等が提案されている。
一方、近年、産業資材等のリサイクルへの取り組みが盛んに行われており、特に自動車材料に関しては自動車リサイクル法が施行されたこともあり、各種構成部品のリサイクル技術確立は急務となっている。
ガラス材料も例外ではなく、廃車から取り外されたガラス窓は、粉砕、融解等の工程を経てガラス原料へとリサイクルされるルートが確立されている。しかしながら、合わせガラス等のガラス積層体の場合、事前にガラス以外の素材を除去する必要があり、リサイクルの阻害要因となっている。
特に、現行の中間膜に用いられている熱可塑性樹脂フィルムを除去するには、有機溶剤による加熱溶解が必要であり、作業環境面においても解決すべき問題点は多い。なお、特許文献1および特許文献2に記載のガラス用接着剤の場合も有機溶剤あるいは強酸・強アルカリ条件が必要となるため、上述の課題を解決するものではなかった。
特開2002−053835号公報 特開2004−002514号公報
このような状況下、ガラス積層体に用いられる中間膜あるいは接着剤として、容易に剥離、除去できるような素材からなるものが求められている。
かかる課題の解決が期待できる方法として、安価で安全な水による除去が検討されており、そのような処理が可能な素材として水溶性樹脂が注目されている。中でも、水溶性に優れ、かつ幅広い素材に対して接着剤として使用されているポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する。)系樹脂は、かかる用途に対して望ましい材料であるが、従来公知のPVA系樹脂はガラスに対しては十分な接着性がなく、かかる用途に適用できるものではなかった。
なお、ガラスに対する良好な接着性を有する変性PVAとして、シラノール基を側鎖に有するPVA系樹脂が知られているが、接着性があまりにも良すぎるため、ガラス表面の接着剤を水、温水あるいは熱水で洗い流そうとしても困難であり、本用途の要求を満たすものではなかった。
すなわち、ガラス表面に対して優れた接着性を有し、さらに廃棄時あるいは再利用時に水洗等によって容易に溶解除去できるガラス用接着剤が望まれていた。
しかるに、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、側鎖に1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂がガラス面との良好な接着性を有し、さらにはガラスと接着した後であっても、良好な温水可溶性を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、ビニルエステル系モノマーと一般式(2)で表される化合物との共重合体をケン化して得られた下記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂を含有し、温水可溶性であるガラス同士の接着用接着剤に存する。
Figure 0005089106

Figure 0005089106
[式中、R 及びR はそれぞれ独立して水素原子またはR −CO−(式中、R はアルキル基である)を示す]
なお、本発明で用いられる側鎖に1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂がガラス表面との良好な接着性を示す理由としては、通常のPVA系樹脂にはない1級水酸基とガラスのシラノール基との水素結合の寄与が大きいものと推測される。また、かかる接着作用が水素結合によるものであるため、水によって容易に溶解除去できるものと考えられる。
また、本発明で用いられる1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂が種々の素材に対して通常のPVA系樹脂よりも優れた接着性を示すことは特開2002−284818号公報等に記載されているが、本発明の効果、すなわちガラス表面への接着力の強さに対する通常PVAとの差異は極めて大きく、他素材に対する効果からは到底予測できるものではない。
本発明のガラス同士の接着用接着剤は、ガラスとの接着性に優れ、ガラスと接着した後であっても水溶性に優れるため、廃棄時や再利用時の接着剤の除去が容易であり、さらには耐光性に優れ、長期間露光環境で使用されたとしても着色が少ないという特徴を有することから、各種ガラス積層体用の接着剤として工業上有用である。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるPVA系樹脂は、下記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂であ
Figure 0005089106
なお、かかるPVA系樹脂の一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位の含有量は、通常、0.3〜20モル%程度であり、残る部分は、通常のPVA系樹脂と同様、ビニルアルコール構造単位と若干量の酢酸ビニル構造単位からなる。
本発明で用いられるPVA系樹脂の製造法は、(i)ビニルエステル系モノマーと下記一般式(2)で示される化合物との共重合体をケン化する方法が用いられる。
Figure 0005089106
[式中、R 及びRはそれぞれ独立して水素原子またはR−CO−(式中、Rはアルキル基である)を示す]
なお、本発明で用いられるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
以下、かかる(i)の方法について説明する。
[(i)の方法]
(i)の方法は、ビニルエステル系モノマーと上記一般式(2)で示される化合物とを共重合したのちケン化して、上記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂を製造する方法である。
かかる上記一般式(2)で示される化合物において、R1〜R3、R4〜R6及びXは上記一般式(1)と同様のものが挙げられ、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子またはR9−CO−(式中、R9は、アルキル基、好ましくはメチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクチル基であり、かかるアルキル基は共重合反応性やそれに続く工程において悪影響を及ぼさない範囲で、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい)である。
式(2)で示される化合物としては、具体的にXが単結合である3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−1−ブテン、3−アシロキシ−4−ヒドロキシ−1−ブテン、4−アシロキシ−3−ヒドロキシ−1−ブテン、3,4−ジアシロキシ−2−メチル−1−ブテン、Xがアルキレン基である4,5−ジヒドロキシ−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−1−ペンテン、4,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1−ペンテン、4,5−ジアシロキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−ジヒドロキシ−1−ヘキセン、5,6−ジアシロキシ−1−ヘキセン、Xが−CH2OCH2−あるいは−OCH2−であるグリセリンモノアリルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル、などが挙げられる。
なかでも、共重合反応性及び工業的な取り扱いにおいて優れるという点で、R1、R2、R3、R4、R5、R6が水素、Xが単結合、R7、R8がR9−CO−でありR9がアルキル基である3,4−ジアシロキシ−1−ブテンが好ましく、そのなかでも特にR9がメチル基である3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが好ましく用いられる。なお、酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1―ブテンを共重合させた時の各モノマーの反応性比は、r(酢酸ビニル)=0.710、r(3,4−ジアセトキシ−1ブテン)=0.701、であり、これは後述のビニルエチレンカーボネートの場合の、r(酢酸ビニル)=0.85、r(ビニルエチレンカーボネート)=5.4と比較して、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンが酢酸ビニルとの共重合反応性に優れることを示すものである。
なお、3,4−ジアセトキシ−1−ブテンは、工業生産用ではイーストマンケミカル社、試薬レベルではアクロス社の製品を市場から入手することができる。また、1,4―ブタンジオール製造工程中の副生成物として得られる3,4−ジアセトキシ−1−ブテンを利用することも出来る。
また、特開平10−212264等に記載の1,4−ジアセトキシ−2−ブテンを3,4−ジアセトキシ−1−ブテンに変換する方法や、WO00/24702に記載の1,3−ブタジエンからモノエポキシドを経て3,4−ジアセトキシブテンを得る方法等、公知の技術を利用して得ることも出来る。
かかるビニルエステル系モノマーと一般式(2)で表される化合物とを共重合するに当たっては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。
共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用されるが、一般式(2)で示される化合物に由来する1,2−ジオール構造単位がポリビニルエステル系ポリマーの分子鎖中に均一に分布させられる点から滴下重合が好ましく、特には前述の酢酸ビニルとの反応性比を用いたHANNA法に基づく重合方法が好ましい。
なお、滴下重合とは、共重合の際に反応系内のモノマー比率を一定範囲に保つために、いずれか一方あるいは両方のモノマーを連続的あるいは非連続的に滴下しながら重合させるものであり、特に、両モノマーの反応性比に基づいて計算されたモノマー消費速度に見合う速度でモノマー滴下を行い、系内のモノマー比率をほぼ一定に保つようにしたのがHANNA法による滴下重合である。
かかる共重合で用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に使用される。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜3(重量比)程度の範囲から選択される。
共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やアゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル、t−ブチルパーオキシネオデカノエート等の低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、コモノマーの種類や触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して0.01〜0.7モル%が好ましく、特には0.02〜0.5モル%が好ましい。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により30℃〜沸点程度で行われ、より具体的には、35〜150℃、好ましくは40〜75℃の範囲で行われる。
得られた共重合体は次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては上記で得られた共重合体をアルコール等の溶媒に溶解し、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。代表的な溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマー及び式(2)〜(4)で示される化合物に由来する1,2−ジオール構造単位の合計量1モルに対して0.1〜30ミリモル、好ましくは2〜17ミリモルの割合が適当である。
また、ケン化反応の反応温度は特に限定されないが、10〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。
なお、(i)の方法による1,2−ジオール成分を有するPVA系樹脂は、(ii)や(iii)の方法によるものと異なり、そのケン化度によっては側鎖にアセトキシ基が残存する。かかる側鎖アセトキシ基は側鎖水酸基よりも大きく、主鎖アセトキシ基よりも自由度が大きいことから、PVA系樹脂の結晶性阻害、水溶液としたときの界面特性、あるいは他素材との親和性等に対する効果が大きく、本発明においても、ガラス表面と親和性に対して影響を及ぼしているものと推測される。
また、本発明に用いるPVA系樹脂は、本発明の目的を阻害しない範囲において各種不飽和モノマーを共重合したものを用いることができる。かかる不飽和モノマーの導入量としては、一概にはいえないが、導入量が多すぎると水溶性が損なわれたり、ガスバリアー性が低下することがあるため、好ましくない。
かかる不飽和モノマーとしては、例えばエチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート、アセトアセチル基含有モノマー等が挙げられる。
更に、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等のポリオキシアルキレン基含有モノマー、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー等も挙げられる。
又、重合温度を100℃以上にすることにより、PVA主鎖中に1,2−ジオール結合を1.6〜3.5モル%程度導入したものを使用することが可能である。
また、PVA系樹脂のケン化度は、75〜100モル%、さらには95〜99.99モル%、特には98〜99.9モル%であることが好ましく、かかるケン化度が低すぎると接着後の耐久性が不十分となる場合があり好ましくない。
また、PVA系樹脂の平均重合度(JIS K6726に準拠して測定)は200〜5500、さらには300〜4500、特には350〜3000のものが好ましく、かかる平均重合度が小さすぎると接着強度が不足する場合があり、逆に大きすぎると、溶液あるいは溶融液の粘度が高くなりすぎて被着体への塗工性が低下するため、好ましくない。
本発明のPVA系樹脂における一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位の含有量は2〜30モル%、さらには3〜18モル、特には4〜16モル%、殊には6〜14モル%であることが好ましく、かかる含有量が少なすぎるとガラスとの接着性、特に瞬間的な接着性が弱くなる場合があり、逆に含有量が多すぎるとガラス積層体とした場合の寸法安定性が低下する場合があるため好ましくない。
また、本発明で使用されるPVA系樹脂は、異なる他のPVA系樹脂との混合物であってもよく、かかる他のPVA系樹脂としては、一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位の含有量が異なるもの、ケン化度が異なるもの、重合度が異なるもの、他の共重合成分が異なるもの、変性基を有さないものなどを挙げることができる。
本発明の接着剤はかくして得られた一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位を有するPVA系樹脂を主成分とするものであるが、本発明の目的を阻害しない範囲において他の任意の樹脂を配合することができる。かかる他の樹脂としては、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキサゾリン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、を挙げることができる。
また、同様に各種添加剤を配合することも可能であり、かかる添加剤としては、例えば、反応性希釈剤、離型剤、帯電防止剤、充填剤、繊維状補強材、シランカップリング剤、染料、顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤等の公知の添加剤を挙げることができる。
なお、接着層の強度、剛度を向上させるためには充填剤の配合が効果的であり、かかる充填剤としてはカオリンなどのクレー類、非晶質シリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカなどのシリカ類、タルク、炭酸カルシウムなどの無機系充填剤、プラスチックピグメントなどの有機系充填剤などを挙げることができる。また、かかる充填剤の配合量はPVA系樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部の範囲から選択される。
本発明のガラス同士の接着用接着剤の形状と使用形態としては特に限定されるものではないが、例えば、液状接着剤として被着面に塗布、スプレーする方法、フィルム状接着剤として被着面に貼付する方法、ホットメルト型接着剤として加熱溶融させて用いる方法、などを挙げることができる。
まず、液状接着剤として使用する場合について詳細に説明する。
本発明のガラス用接着剤に用いられるPVA系樹脂は水溶性に優れるため、これを水溶液とした水性の液状接着剤として使用することが可能である。なお、かかる水性液状接着剤は、作業時の安全性、取扱い性に優れ、さらに本発明で用いられるPVA系樹脂は側鎖の1,2−ジオール基の存在によって、結晶性が低いため、これを含有する水性液状接着剤は経時の粘度安定性に優れるという特徴をもつものである。
かかる水性液状接着剤には、本発明の目的を阻害しない範囲において、例えばガラス以外の基材への親和性の調整や揮発性の調整等を目的として各種溶剤を単独あるいは混合して配合することもできる。かかる溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどの1級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、フェノール、クレゾール等のフェノール類、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。
また、その他の添加剤として、水性液として貯蔵する場合の安定性、および使用する場合の作業性等の向上を目的として、消泡剤、防錆剤、防黴剤、防腐剤、レベリング剤等を配合してもよい。
かかる水性液状接着剤の製造方法としては、特に限定されないが、PVA系樹脂水溶液を作製し、これに必要に応じて他の添加剤を配合する方法や、PVA系樹脂に各種添加剤を配合した後、これを水に溶解する方法などを挙げることができる。
かかる水性液状接着剤の濃度は、通常は3〜50重量%、さらには5〜30重量%、特には7〜25重量%であることが好ましく、かかる濃度が低すぎると、充分な接着強度を得るために塗工量を増やす必要があり、その結果水が過剰となって乾燥に長時間要したり、余分な水が被着体外に染み出す場合があったり、粘度が低くなりすぎて塗工性が低下したりする場合があり、逆に高すぎると粘度が高くなりすぎて取扱い性や塗工性が低下する場合があるため好ましくない。
かくして得られた水性液状接着剤を使用するにあたっては、通常の液状接着剤と同様の方法を用いればよく、例えば、被着体であるガラス表面にバーコーター、アプリケーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、スプレーコート等などを用いて均一に塗布すればよい。
かかる塗工量としては、通常は乾燥重量で20〜2500g/m2であり、さらには30〜2300g/m2、特には50〜2000g/m2であることが好ましく、かかる塗工量が少なすぎると充分な接着強度が得られず、逆に多すぎると接着剤としての役割を終えた後の洗浄による除去が困難となる場合があるため好ましくない。
かくして被着体表面に塗工された水性液状接着剤は、これが水分を含有し、粘着性を有している状態でもう一方の被着体を重ね合わせ、その後、加熱、あるいは基材への吸収などによって接着剤中の水分を除去してもよいし、一旦、加熱乾燥することで水分を除去し、膜を形成した後、これに一方の被着体を重ね合わせ、加熱溶融させて接着性を発現させてもよい。
次に、本発明のガラス同士の接着用接着剤をフィルム状接着剤として使用する場合について詳細に説明する。なお、本願明細書におけるフィルムとは、シートを包含するものである。
本発明のガラス同士の接着用フィルム状接着剤の製造法は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液流延製膜法や、溶融押出製膜法などを挙げることができる。
溶液流延製膜法とは、本発明で用いるPVA系樹脂を含有する水溶液を金属ロール等の支持体上に流延し、加熱乾燥することで膜状に成形する方法であり、その際の水溶液の濃度、流延量は所望するフィルム状接着剤の膜厚に応じて選定すればよい。
また、製膜性を向上させる目的で、上述の水性液状接着剤の添加剤として例示した各種有機溶剤や添加剤を配合することができる。また、得られたフィルムを巻取る際のブロッキング防止の為に、公知のブロッキング防止剤を添加することもできる。
溶融押出製膜法は接着剤樹脂およびその樹脂組成物を加熱溶融させ、押出製膜する方法であり、特に、本発明の1,2−ジオール成分を側鎖に有するPVA系樹脂は通常のPVA系樹脂と比較して融点が低いという特徴を有していることから、かかる製膜法を好適に行うことができる。
なお、製膜時の溶融温度を調節する目的で、本発明の接着剤に可塑剤等を適宜配合してもよく、かかる可塑剤としては、脂肪族多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等)、グリセリン等の多価アルコールへエチレンオキサイドを付加した化合物、各種アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合付加体等)、糖類(例えば、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトール、キシロール、アラビノース、リブロース等)、ビスフェノールAやビスフェノールS等のフェノール誘導体、N−メチルピロリドン等のアミド化合物、α−メチル−D−グルコシド等のグルコシド類、水等を挙げることができる。
かかる溶融押出製膜時の溶融温度としては、通常100〜250℃の範囲から選ばれるが、本発明のPVA系樹脂あるいはその組成物においては、PVA系樹脂が高ケン化度であっても110〜220℃、さらには140〜210℃の低温で溶融製膜することが可能であり、さらにPVA系樹脂のケン化度を下げればより低温での製膜が可能である。
上述の方法により製膜して得られたフィルム状接着剤の厚さは、目的とする性能やガラス以外の被接着物の種類などによって異なるが、通常は20〜2500μmであり、さらには30〜2300μm、特に50〜2000μmであることが好ましい。かかる厚みが薄すぎると充分な接着強度が得られず、逆に厚すぎると接着剤としての役割を終えた後の洗浄による除去が困難になる傾向があるため好ましくない。
また、フィルム状接着剤の表面状態は保存時等のフィルム同士の密着を防止したり、被着面と重ね合わせた後の貼りなおしを容易にするため、凹凸のあるマット処理あるいはエンボス処理が施されたものも好ましい。
かくして得られたフィルム状接着剤をガラス積層体等の接着剤として使用するにあたっては、特に限定されないが、例えばガラス等の被着体の間にかかるフィルム状接着剤を挟み、真空バッグに入れ密着させた後、加熱加圧することでPVA系樹脂を溶融させ、接着機能を発現させればよく、その際の装置としては公知のオートクレーブや真空加熱加圧ラミネーターなどを挙げることができる。
かかる真空加圧加熱ラミネーターとは、例えば特許3043725号に記載された装置であり、基材を平箱に入れて急速に真空引きすると同時に加熱加圧し、30秒〜120秒程度で急速に貼合接着、多層化できる装置である。かかる装置は現在パソコンのCPU(MPU)などのビルドアップ基板製造に使用されており、比較的小型で小回りが効く装置であるため、例えば街のガラス屋さんやガラス問屋において、予め切り出した色々な寸法のガラスの接着貼合わせをするのにとても有効である。
かかる加熱加圧による接着時の条件は特に限定されないが、通常は60〜180℃の温度範囲、2hPa以下の真空度で実施される。
なお、かかる接着方法を用いる場合の接着剤中の含水率は、真空ポンプ側の負荷の点からより少ないほうが好ましいが、通常5%以内であれば特に問題なく接着させることができる。
また本発明のフィルム状接着剤は、その表面を若干水で濡らして膨潤させるだけで粘着性が発現し、その後、乾燥あるいはフィルム内部や基材に水分が移行して、接着剤中の水分量が少なくなるとともに非常に強い接着力が発現する。
工業的には、ガラス表面とフィルム状接着剤表面のいずれかを水で濡らして接着するのが好ましく、例えば、ガラス基材とフィルム状接着剤の間に水を満たした後に、プレスや加圧ローラーなどの加圧により水を搾り出す、いわゆるウエット&スクイーズラミネートなどの方法を用いることができる。なお、かかる方法における接着貼り合わせは常温でも可能であるが、工程短縮などのため、適宜加熱して急速に乾燥させてもよい。
本発明のガラス同士の接着用接着剤は、ガラス積層体としての用件が終了し、そのリサイクル時のような、積層体を各層に剥離しなければならない場合、および接着剤を完全に除去する必要がある場合、さらには接着工程における貼り損じ品を再使用するために剥離させたい場合などに、かかる接着剤を容易に水洗除去できる点が最大の特徴である。
かかる接着剤の水洗除去は、通常は10℃以上の水、望ましくは40℃以上の温水、80℃以上の熱水で行うことが好ましいが、これに限定されるものではなく、例えば、蒸気によって接着層を膨潤させたのち、これを洗浄除去する方法や、水、温水、あるいは熱水中にガラス積層体を浸漬し、さらに超音波振動を加える方法などを採用することも可能である。
なお、本発明の接着剤の特徴である水溶性を阻害することになるが、接着後の耐水性を必要とされる場合においては、架橋剤を併用することも可能である。かかる架橋剤としては、炭酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニル、塩基性塩化ジルコニルなどのジルコニウム化合物、ホウ酸、ホウ砂などのホウ素化合物、テトラアルコキシチタネートなどのチタン化合物を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
なお、例中「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
(1)PVA系樹脂の作製
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000g、メタノールg、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン60g(3モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.0036モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。さらに、重合開始3時間後にアゾビスイソブチロニトリルを0.002モル%追加し、酢酸ビニルの重合率が40%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液を濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して5ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、中和用の酢酸を水酸化ナトリウムの0.8当量添加し、濾別、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂を得た。
得られたPVA系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.0モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、2400であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1H−NMR(内部標準物質;テトラメチルシラン)で測定して算出したところ3モル%であった。なお、NMR測定には日本ブルカー社製「AVANCE DPX400」を用いた。
(2)フィルム状接着剤の作製
(1)で得られたPVA系樹脂の10%水溶液をPETフィルム上に流延し、23℃、50%RHの雰囲気下で7日間乾燥させ、膜厚110μmのフィルム状接着剤を得た。
(3)評価用試験片の作製
フィルム状接着剤を5cm×5cmに裁断し、その片面を水で濡らし、湿潤面をガラス板に密着させ、ヒートシーラーにて95℃、2kg/cm2、3秒間の条件で圧着し、さらに95℃の調整した熱風乾燥機中で、1時間乾燥させ、ガラス表面に接着剤層を形成した。
得られた評価用試験片を用い、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<接着性評価>
接着剤層とガラス層の界面にカッターナイフを入れ、その接着状況を以下の通り評価した。
○・・・層間にカッターナイフが入らない
×・・・層間にカッターナイフが容易に入り、剥離できる
<耐光性評価>
23℃、50%RHの雰囲気下、30cmの距離から100Wの白熱電球と30Wの蛍光灯を試験片の接着剤層側から6ヶ月照射し、そのYI値を色差計(日本分光社製「SZ−Σ90」)にて測定した。
<温水除去性評価>
試験片を55℃の温水中に1時間浸漬し、接着剤層を指でこすり、以下の通り評価した。
○・・・除去可能
×・・・除去不可能
実施例2
(1)PVA系樹脂の作製
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル1000g、メタノールg、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン120g(6モル%対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、アゾビスイソブチロニトリルを0.003モル%(対仕込み酢酸ビニル)投入し、撹拌しながら窒素気流下で温度を上昇させ、重合を開始した。酢酸ビニルの重合率が72%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを所定量添加して重合を終了し、続いて、メタノール蒸気を吹き込みつつ蒸留することで未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に除去し共重合体のメタノール溶液を得た。
次いで、該溶液を濃度40%に調整してニーダーに仕込み、溶液温度を40℃に保ちながら、水酸化ナトリウムの2%メタノール溶液を共重合体中の酢酸ビニル構造単位及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテン構造単位の合計量1モルに対して7ミリモルとなる割合で加えてケン化を行った。ケン化が進行すると共にケン化物が析出し、粒子状となった時点で、中和用の酢酸を水酸化ナトリウムの0.8当量添加し、濾別、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥機中で乾燥し、PVA系樹脂を得た。
得られたPVA系樹脂のケン化度は、残存酢酸ビニル及び3,4−ジアセトキシ−1−ブテンの加水分解に要するアルカリ消費量で分析を行ったところ、99.4モル%であり、平均重合度は、JIS K 6726に準して分析を行ったところ、1450であった。また、1,2−ジオール構造単位の含有量は1H−NMR(内部標準物質;テトラメチルシラン)で測定して算出したところ5.9モル%であった。
得られたPVA系樹脂を用い、実施例1と同様に試験片を作製、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1においてPVA系樹脂として、重合度2400、ケン化度99.1モル%の未変性PVAを用いた以外は実施例1と同様に試験片を作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1においてPVA系樹脂として、重合度1400、ケン化度87.5モル%の未変性PVAを用いた以外は実施例1と同様に試験片を作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例3
実施例1で得られたフィルム状接着剤を5cm×5cmに裁断し、その片面を水で濡らし、湿潤面をPETフィルムに密着させ、ヒートシーラーにて95℃、2kg/cm2、3秒間の条件で圧着し、さらに95℃の調整した熱風乾燥機中で、1時間乾燥させ、PETフィルム表面に接着剤層を形成し、試験片として実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[表1]
Figure 0005089106
本発明のガラス同士の接着用接着剤は、ガラスとの接着性に優れ、なおかつ耐光性にも優れるため、さらに接着剤としての役割を終えた後、ガラス表面から容易に水洗などによって溶解除去することが可能なため、自動車用合わせガラス、防犯用ガラス等の各種ガラス積層体用接着剤として、あるいはガラスに各種物品を接着するための接着剤として好適である。

Claims (1)

  1. ビニルエステル系モノマーと一般式(2)で表される化合物との共重合体をケン化して得られた下記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位を有するポリビニルアルコール系樹脂を含有し、温水可溶性であるガラス同士の接着用接着剤を含有する層を少なくとも一層有することを特徴とするガラス積層体。
    Figure 0005089106
    Figure 0005089106
    [式中、R及びRはそれぞれ独立して水素原子またはR−CO−(式中、Rはアルキル基である)を示す]
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