JP6456132B2 - 水溶性フィルム及び薬剤包装体 - Google Patents
水溶性フィルム及び薬剤包装体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6456132B2 JP6456132B2 JP2014256763A JP2014256763A JP6456132B2 JP 6456132 B2 JP6456132 B2 JP 6456132B2 JP 2014256763 A JP2014256763 A JP 2014256763A JP 2014256763 A JP2014256763 A JP 2014256763A JP 6456132 B2 JP6456132 B2 JP 6456132B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- water
- weight
- pva
- starch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Detergent Compositions (AREA)
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
Description
上記特許文献1において、特定量の可塑剤、澱粉、および界面活性剤を配合することによりフィルム保管中のブロッキングを改善した水溶性フィルムが提案されているが、かかるフィルムにおいても近年求められる耐ブロッキング性を満足するものではなく、また、充分なヒートシール性が得られないという問題もあり、更なる改善が望まれるものであった。
更に、本発明では、前記水溶性フィルムを用いてなる薬剤包装体も提供するものである。
本発明で用いられるPVA系樹脂(A)は、未変性PVAや変性PVAが挙げられ、これらは公知の方法で製造することができる。
具体的にはメルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトステアリン酸等が挙げられる。
無機フィラーの具体例としては、例えば、タルク、クレー、二酸化ケイ素、ケイ藻土、カオリン、雲母、アスベスト、石膏、グラファイト、ガラスバルーン、ガラスビーズ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ウイスカー状炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドーソナイト、ドロマイト、チタン酸カリウム、カーボンブラック、ガラス繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、加工鉱物繊維、炭素繊維、炭素中空球、ベントナイト、モンモリロナイト、銅粉、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アルミニウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、クロム酸カリウム、クエン酸カルシウム等が挙げられる。
かかる有機フィラーとしては、例えば、澱粉、メラミン系樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂の他、ポリ乳酸、米澱粉等の生分解性樹脂等も挙げられるが、特にはポリメチル(メタ)アクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、生分解性樹脂が好適に用いられる。
かかるPVA系フィルムのガラス転移温度を20℃以下とするに当たっては、可塑剤の種類及び配合量、PVA系樹脂のケン化度、製膜時の熱処理温度、フィルム中の水分量を、適宜調整することにより達成できる。
PVA系樹脂(A)として、20℃における4%水溶液粘度22mPa・s、平均ケン化度88モル%のPVA100重量部、流動パラフィン(B)(大原パラヂウム化学株式会社製:「パラゾールBB−10」流動パラフィン含有量25%)2重量部、可塑剤(C)としてグリセリン25重量部及びトリメチロールプロパン12重量部、フィラー(D)として二酸化ケイ素(平均粒子径6.4μm)5重量部、界面活性剤(E)としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩2重量部、及び水355重量部を混合して固形分濃度29%の樹脂組成物の水分散液を得た。
得られた樹脂組成物を80℃にて脱泡し、その水分散液を、80〜90℃に加熱したホットプレート上に流延し、その後80〜90℃で90秒間乾燥して、厚さ40μmのPVA系フィルムを得た。
〔耐ブロッキング性〕
得られたPVA系フィルムを150mm×150mmのサイズに切り出し、フィルム製膜時の蒸発面同士が合わさるようにフィルムを半分に折る。折ったフィルム上から全体に1kgの荷重が均質にかかるように錘を載せて、23℃×50%RH、23℃×70%RH、23℃×80%RH、23℃×90%RHの各環境条件下に24時間放置する。その後フィルムの一片を持って引き上げた時にフィルムが自重で剥がれるかを確認し、以下の通り評価した。
(評価方法)
○:ベタツキ感無く、自然に直ぐに剥がれる
△:自重で剥がれるが、ベタツキ感があるため剥がれるのに時間を要する
×:自重では剥がれない
得られたPVA系フィルムを100mm×100mmのサイズに切り出し、23℃×40%RHの環境条件下にフィルムを24時間放置し、この環境条件下でフィルムの製膜時の蒸発面側同士をヒートシールした。なお、ヒートシール条件は下バー(固定)100℃、上バー(可変)200℃とし、シール時間0.5秒、シール圧力0.2MPaとした。ヒートシールから5時間後に、オートグラフを用いて23℃×50%RHの環境条件下でシール強度(N/15mm)を測定した。なお、試験速度は200mm/分とした。
フィルムを30mm×50mmのサイズにカットし治具に固定した。次に、1Lビーカーに水(1L)を入れ、30mmの撹拌子を用いてスターラーにより400rpmで撹拌しながら水温を10℃に保ちつつ、フィルムを水面と平行に固定できる治具にフィルムを固定して、水中に浸漬し、撹拌を続けながらフィルムが溶解するまでの時間(秒)を測定した。ここで溶解とは、かかるフィルムが視認できなくなることをいい、このとき直径1mm以下の不溶微粒子が分散している場合も溶解の意味に含めるものである。
流動パラフィン(B)を、下記表1に記載の通りとなるように含有させた以外は参考例1と同様にしてフィルムを製造し、得られたPVA系フィルムについて、参考例1と同様にして評価した。
PVA系樹脂(A)として、20℃における4%水溶液粘度22mPa・s、平均ケン化度97モル%、マレイン酸モノメチルエステルによる変性量4.0モル%のカルボキシル基変性PVA(A)100重量部、流動パラフィン(B)(大原パラヂウム化学株式会社製:「パラゾールBB−10」流動パラフィン含有量25%)2重量部、可塑剤(C)としてグリセリン25重量部及びトリメチロールプロパン12重量部、フィラー(D)として二酸化ケイ素(平均粒子径6.4μm)5重量部、界面活性剤(E)としてポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩2重量部、及び水355重量部を混合して固形分濃度29%の樹脂組成物の水分散液を得た。
得られた樹脂組成物を80℃にて脱泡し、その水分散液を、80〜90℃に加熱したホットプレート上に流延し、その後80〜90℃で90秒間乾燥して、厚さ40μmのPVA系フィルムを得た。
得られたPVA系フィルムについて、参考例1と同様にして評価した。
流動パラフィン(B)の含有量、フィルムの膜厚を、下記表1に記載の通りとなるように調整した以外は参考例5と同様にしてフィルムを製造し、得られたPVA系フィルムについて参考例1と同様にして評価した。
流動パラフィン(B)を含有させない以外は参考例1、5、9と同様にしてフィルムを製造し、得られたPVA系フィルムについて参考例1と同様の評価を行った。
流動パラフィン(B)を配合する代わりに澱粉を15部配合した以外は、参考例1と同様にしてフィルムを製造し、得られたPVA系フィルムについて参考例1と同様の評価を行った。
また、流動パラフィンの代わりに澱粉を含有してなる比較例4においては、高湿度下において充分な耐ブロッキング性が得られず、またヒートシール性にも劣っていることがわかる。
Claims (3)
- ポリビニルアルコール系樹脂(A)と流動パラフィン(B)を含有してなる水溶性フィルムであって、ポリビニルアルコール系樹脂(A)が、アニオン性基変性ポリビニルアルコール系樹脂であり、流動パラフィン(B)の含有量が、ポリビニルアルコール系樹脂(A)100重量部に対して1〜1.5重量部であることを特徴とする水溶性フィルム。
- 薬剤包装に用いることを特徴とする請求項1記載の水溶性フィルム。
- 請求項1または2記載の水溶性フィルムで、液体洗浄剤を包装してなることを特徴とする薬剤包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014256763A JP6456132B2 (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014256763A JP6456132B2 (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016117794A JP2016117794A (ja) | 2016-06-30 |
JP6456132B2 true JP6456132B2 (ja) | 2019-01-23 |
Family
ID=56243716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014256763A Active JP6456132B2 (ja) | 2014-12-19 | 2014-12-19 | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6456132B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3677405B1 (en) * | 2017-08-30 | 2023-12-06 | Sekisui Chemical Co., Ltd. | Water-soluble film for packaging |
JP6550106B2 (ja) * | 2017-08-30 | 2019-07-24 | 積水化学工業株式会社 | 水溶性包装用フィルム |
JP6487978B2 (ja) * | 2017-08-30 | 2019-03-20 | 積水化学工業株式会社 | 水溶性包装用フィルム |
JP6926057B2 (ja) * | 2017-08-30 | 2021-08-25 | 積水化学工業株式会社 | 水溶性包装用フィルム |
JP7323788B2 (ja) * | 2019-07-31 | 2023-08-09 | 株式会社ジェイエスピー | 発泡性アクリル系樹脂粒子、アクリル系樹脂発泡粒子及びアクリル系樹脂発泡粒子成形体 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6346233A (ja) * | 1986-08-13 | 1988-02-27 | Kao Corp | 冷水可溶性剥離性シ−ト状物 |
JP3253948B2 (ja) * | 1999-03-24 | 2002-02-04 | 富士カプセル株式会社 | カプセル剤 |
JP4056859B2 (ja) * | 2002-11-11 | 2008-03-05 | 日本合成化学工業株式会社 | 水溶性フィルム |
JP2009219533A (ja) * | 2008-03-13 | 2009-10-01 | Pola Chem Ind Inc | 皮膚レプリカ作製用の組成物キット |
-
2014
- 2014-12-19 JP JP2014256763A patent/JP6456132B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016117794A (ja) | 2016-06-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4056859B2 (ja) | 水溶性フィルム | |
WO2017043509A1 (ja) | 水溶性フィルム、薬剤包装体及び水溶性フィルムの製造方法 | |
KR102636120B1 (ko) | 수용성 필름 및 약제 포장체 | |
JP4630396B2 (ja) | 水溶性フィルム | |
WO2017043513A1 (ja) | 水溶性フィルム、薬剤包装体及び水溶性フィルムの製造方法 | |
JP6456132B2 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
WO2006134657A1 (ja) | 水溶性フィルム | |
WO2003055938A1 (fr) | Film a base de poly(alcool de vinyle) | |
JPWO2017043511A1 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JP2017078166A (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JPWO2017043510A1 (ja) | 液体洗剤包装用水溶性フィルム及び液体洗剤包装体 | |
JP2017115128A (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JP2005194295A (ja) | 水溶性フィルム及びその製造方法 | |
JP2017095679A (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JPWO2017043505A1 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JP2017119853A (ja) | 水溶性フィルム、薬剤包装体及び水溶性フィルムの製造方法 | |
JP2017119434A (ja) | 水溶性フィルム、薬剤包装体及び水溶性フィルムの製造方法 | |
JP4565803B2 (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム及びその製造方法 | |
JP2017110213A (ja) | 薬剤包装体及び薬剤包装体の製造方法 | |
JP2006282951A (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム及びその用途 | |
JP2017106002A (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JP2003261694A (ja) | ポリビニルアルコール系フィルム | |
JP7035313B2 (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 | |
JPWO2017043514A1 (ja) | フィルムロール及び薬剤包装体 | |
JP2017106008A (ja) | 水溶性フィルム及び薬剤包装体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171128 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180817 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180828 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6456132 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |