JP6193723B2 - 主鎖に1,2,3−トリオール基を有するポリビニルアルコール系樹脂およびその製造方法 - Google Patents
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Description
[1]ビニルエステルと1,2−ジアセトキシエチレンとの共重合体をケン化して得られることを特徴とする主鎖に1,2,3−トリオール基を有するポリビニルアルコール系樹脂。
[2]1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合が、0.01〜20モル%であることを特徴とする前記[1]に記載のポリビニルアルコール系樹脂。
[3]ケン化度が、95モル%以上であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のポリビニルアルコール系樹脂。
[4]ビニルエステルと1,2−ジアセトキシエチレンとの共重合体をケン化することを特徴とする主鎖に1,2,3−トリオール基を有するポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
[5]1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合が、0.01〜20モル%であることを特徴とする前記[4]に記載の製造方法。
[6]ケン化度が、95モル%以上であることを特徴とする前記[4]又は[5]に記載の製造方法。
(1)重合度;JIS K 6726(1994)に準じ、計算式もそのまま適用した。
(2)ケン化度;JIS K 6726(1994)に準じ、計算式もそのまま適用した。
(3)1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合:重合開始前の酢酸ビニル−1,2−ジアセトキシエチレン−メタノール溶液と重合終了時のポリマー−酢酸ビニル−1,2−ジアセトキシエチレン−メタノール溶液の1H-NMR測定から、反応に寄与しないメタノールの積分値をもとに酢酸ビニル、1,2−ジアセトキシエチレンの消費量を定量し、共重合割合を算出した。定量に用いた1H-NMRのピークとケミカルシフトは次の通り(DMSO-d6溶媒、TMS基準)。
メタノール:メチルプロトン(3.2ppm)
酢酸ビニル:メチンプロトン(7.2ppm)、
cis-1,2−ジアセトキシエチレン:メチンプロトン(6.8ppm)
trans-1,2−ジアセトキシエチレン:メチンプロトン(7.4ppm)
攪拌機、還流冷却機、温度調節装置を備えた重合機に酢酸ビニル75質量部、1,2−ジアセトキシエチレン5質量部、メタノール20質量部を添加し、攪拌下で温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液(混合液の沸点は約63℃)が沸騰した状態で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.0045質量部を反応系に添加して重合反応を開始した。反応中も温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液の沸騰を維持した。重合開始より3時間後、重合を終了した。重合転化率は70%であり、重合度は1710であり、1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合は2.9モル%であった。次いで、常法により脱モノマー、ケン化、粉砕、分離、乾燥して、ケン化度98.5モル%のPVAを得た。
攪拌機、還流冷却機、温度調節装置を備えた重合機に酢酸ビニル60質量部、1,2−ジアセトキシエチレン5質量部、メタノール35質量部を添加し、攪拌下で温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液(混合液の沸点は約63℃)が沸騰した状態で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.015質量部を反応系に添加して重合反応を開始した。反応中も温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液の沸騰を維持した。重合開始より6時間後、重合を終了した。重合転化率は90%であり、重合度は980であり、1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合は3.1モル%であった。次いで、常法により脱モノマー、ケン化、粉砕、分離、乾燥して、ケン化度98.5モル%のPVAを得た。
攪拌機、還流冷却機、温度調節装置、連続添加・連続排出装置を備えた重合機に1時間当たり酢酸ビニル74質量部、ジアセトキシエチレン4質量部、メタノール22質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.045質量部を連続的に添加し、攪拌下で温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液(混合液の沸点は約63℃)が沸騰した状態で重合反応を開始した。反応開始より6時間後、重合機内のポリマー−酢酸ビニル−1,2−ジアセトキシエチレン−メタノール溶液の総量が600質量部に達した時点で、酢酸ビニル、ジアセトキシエチレン、メタノール、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの連続添加の継続下、1時間当たりの添加量と同量のポリマー−酢酸ビニル−1,2−ジアセトキシエチレン−メタノール溶液を連続的に排出して連続反応に移行した。反応中も温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液の沸騰を維持した。定常状態に達した後、平均滞留時間が6時間時の重合機出口での重合転化率は92%であり、重合度は580であり、1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合は2.4モル%であった。次いで、常法により脱モノマー、ケン化、粉砕、分離、乾燥して、ケン化度98.5モル%のPVAを得た。
攪拌機、還流冷却機、温度調節装置を備えた重合機に酢酸ビニル80質量部、メタノール20質量部を添加し、攪拌下で温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液(混合液の沸点は約60℃)が沸騰した状態で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.003質量部を反応系に添加して重合反応を開始した。反応中も温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液の沸騰を維持した。重合開始より3時間後、重合を終了した。重合転化率は70%であり、重合度は1810であった。次いで、常法により脱モノマー、ケン化、粉砕、分離、乾燥して、ケン化度98.5モル%のPVAを得た。
攪拌機、還流冷却機、温度調節装置を備えた重合機に酢酸ビニル65質量部、メタノール35質量部を添加し、攪拌下で温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液(混合液の沸点は約60℃)が沸騰した状態で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.01質量部を反応系に添加して重合反応を開始した。反応中も温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液の沸騰を維持した。重合開始より6時間後、重合を終了した。重合転化率は90%であり、重合度は1050であった。次いで、常法により脱モノマー、ケン化、粉砕、分離、乾燥して、ケン化度98.5モル%のPVAを得た。
攪拌機、還流冷却機、温度調節装置、連続添加・連続排出装置を備えた重合機に1時間当たり酢酸ビニル78質量部、メタノール22質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.03質量部を連続的に添加し、攪拌下で温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液(混合液の沸点は約60℃)が沸騰した状態で重合反応を開始した。反応開始より6時間後、重合機内のポリマー−酢酸ビニル−メタノール溶液の総量が600質量部に達した時点で、酢酸ビニル、メタノール、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルの連続添加の継続下、1時間当たりの添加量と同量のポリマー−酢酸ビニル−メタノール溶液を連続的に排出して連続反応に移行した。反応中も温度調節装置を75℃に保ち、重合溶液の沸騰を維持した。定常状態に達した後、平均滞留時間が6時間時の重合機出口での重合転化率は92%であり、重合度は600であった。次いで、常法により脱モノマー、ケン化、粉砕、分離、乾燥して、ケン化度98.5モル%のPVAを得た。
得られたPVA50gを水450gに加え、撹拌混合しながら室温より95℃まで昇温、95℃を2時間保持した後30℃まで冷却して濃度10%のPVA水溶液を作製した。30℃で粘度を測定した後、5℃に冷却し、所定の時間毎に粘度を測定し、下記式により増粘倍率を算出した。結果を下記表1に示す。
増粘倍率=5℃の粘度/30℃の粘度
×:ゲル化により粘度測定不能
Claims (6)
- ビニルエステルと1,2−ジアセトキシエチレンとの共重合体をケン化して得られることを特徴とする主鎖に1,2,3−トリオール基を有するポリビニルアルコール系樹脂。
- 1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合が、0.01〜20モル%であることを特徴とする請求項1に記載のポリビニルアルコール系樹脂。
- ケン化度が、95モル%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリビニルアルコール系樹脂。
- ビニルエステルと1,2−ジアセトキシエチレンとの共重合体をケン化することを特徴とする主鎖に1,2,3−トリオール基を有するポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
- 1,2−ジアセトキシエチレンの共重合割合が、0.01〜20モル%であることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
- ケン化度が、95モル%以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の製造方法。
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JP2013222671A JP6193723B2 (ja) | 2013-10-25 | 2013-10-25 | 主鎖に1,2,3−トリオール基を有するポリビニルアルコール系樹脂およびその製造方法 |
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