JP5726044B2 - 一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体 - Google Patents
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Description
ビニルアルコール系重合体の数平均分子量は、GPCシステム(東ソー製、HLC−8220GPC)を用いて評価した。その際、カラムに東ソー製、GMHHR−H(S)を使用した。また、移動相は濃度20mMのCF3COONaが溶解したヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)とし、ビニルアルコール系重合体のHFIP溶液(濃度0.1%)に対して評価を行った。基準物質にはポリメタクリル酸メチル(PMMA)を使用した。
ビニルアルコール系重合体の水溶液(温度5℃、濃度10%)を調製し、調製した水溶液の温度を5℃に保持したまま放置した。調製後1時間経過した時点における当該水溶液の粘度及び24時間経過した時点における当該水溶液の粘度を測定し、その比である増粘倍率{=(24時間経過後の粘度)/(1時間経過後の粘度)}を求め、以下のように評価した。なお、水溶液の粘度としてB型粘度(ブルックフィールド粘度)を測定した。
A:増粘倍率が6倍未満
B:増粘倍率が6倍以上10倍未満
C:増粘倍率が10倍以上
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度4%)を調製し、調製した水溶液を、垂直に立てたガラス管(内径4.5cm、高さ150cm)に当該水溶液の深さが13cmとなるように仕込んだ。次に、ポンプを用いて、ガラス管の下端から水溶液を抜き取り、抜き取った水溶液をガラス管の上端から戻す循環を1.5L/分の循環速度で10分間実施した。その後、この循環によってガラス管の内部に発生した泡の高さを測定し、以下のように評価した。
A:発生した泡の高さが27cm未満
B:発生した泡の高さが27cm以上40cm未満
C:発生した泡の高さが40cm以上
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度4%)を調製し、調製した水溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に流延した後、20℃で1週間乾燥させ、さらに真空乾燥機で一晩乾燥させてビニルアルコール系重合体のフィルム(未架橋フィルム、厚さ40μm)を得た。これとは別に、体積1Lのイオン交換水を投入した内容積1Lのビーカーを20℃に温度をコントロールしたバスに浸して、ビーカー内の水温を20℃に保った。そしてビーカー内の水を長さ30mmのマグネティックスターラー(テフロン(登録商標)製)を用いて回転速度300rpmで攪拌しているところに、金属枠に固定した上記フィルム(サイズ40mm×40mmに切り出し済み)を投入し、攪拌を続けながら当該フィルムが完全に水に溶解するまでの時間を測定した。測定に使用したフィルムの厚さは40μmとしたが、厚さ40μmのフィルムが得られなかった場合、測定した時間を以下の式(3)に従ってフィルム厚40μmの値に換算した。測定結果は以下のように評価した。
換算溶解時間(秒)=[40/フィルム厚(μm)]2×サンプル溶解時間(秒) (3)
A:30分以内に完全溶解する。
B:30分以上経過しても完全溶解しない。
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度5%)を調製し、調製した水溶液に硝酸ジルコニルの水溶液(濃度2%)を、ビニルアルコール系重合体100重量部に対して硝酸ジルコニルが10重量部となるように攪拌しながら添加した。次に、得られた混合水溶液をPETフィルム上に流延し20℃で1週間乾燥させた後、室温にて12時間真空乾燥させて、厚さ約50μmのビニルアルコール系重合体の架橋皮膜(架橋フィルム)を得た。次に、得られた架橋フィルムの重量(重量A)を測定後、室温にて24時間、水に浸漬させ、浸漬後のフィルムを60℃の真空乾燥機で乾燥させて、再度、重量(重量B)を測定した。測定した重量A,Bから以下の式(4)によりビニルアルコール系重合体の水への溶出率を求め、以下のようにして架橋皮膜の耐水性を評価した。
溶出率(%)=(重量A−重量B)/重量A×100(%) (4)
A:溶出率が20%未満
B:溶出率が20%以上40%未満
C:溶出率が40%以上
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、コモノマー滴下口及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に、酢酸ビニル640g、メタノール116g、コモノマーとしてN−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド(NAT)7.729gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。これとは別に、ディレー溶液としてNATをメタノールに溶解して濃度5%としたコモノマー溶液を調製し、これをアルゴンガスバブリングによりアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し内温が60℃となったところで、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.096gを添加し、酢酸ビニルとNATとの共重合を開始した。重合反応の進行中は、調製したディレー溶液を系内に滴下することで重合溶液におけるモノマー組成(酢酸ビニルとNATとのモル比率)が一定となるようにした。重合は60℃で200分間進行させた。その後、系を冷却し重合を停止させた。重合を停止するまでに加えたコモノマー溶液の総量は511mLであった。重合停止時の重合率は25%であり、コモノマーのNATは重合系内にほとんど残存していなかった。
重合条件(酢酸ビニルモノマー、メタノール及びコモノマーの初期仕込み量ならびに重合時に使用するコモノマーの種類)とけん化条件(けん化時における変性PVAcの濃度及び酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比)を以下の表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、各種の一級水酸基含有PVA(実施例2〜7)を作製した。なお、実施例4のみ、ディレー溶液のコモノマー濃度を10%とした。
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に酢酸ビニル700g、メタノール300gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで重合開始剤としてAIBN0.25gを添加し、酢酸ビニルの重合を開始した。重合は60℃で3時間進行させ、その後、系を冷却して重合を停止させた。重合停止時の固形分濃度は17.0%であった。
けん化条件(けん化時におけるPVAcの濃度及び酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比)を以下の表1に示すように変更した以外は比較例1と同様にして、無変性PVAを作製した。
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、コモノマー滴下口及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に、酢酸ビニル640g、メタノール170g、コモノマーとして3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(DAB)39.629gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで重合開始剤としてAIBN0.194gを添加し、酢酸ビニルとDABとの共重合を開始した。重合を開始した時点から系内の固形分濃度を分析しつつ270分間重合を進行させ、重合率が40%に達した時点で系を冷却し重合を停止させた。重合により得られたペースト中には約20gのコモノマーが残存していた。
Claims (4)
- 式(1)に示される構造単位の含有率が0.2〜10モル%である請求項1に記載の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体。
- 数平均分子量が4,000〜200,000である請求項1又は2に記載の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体。
- 式(1)において、nが3である請求項1〜3のいずれかに記載の一級水酸基含有ビニルアルコール系重合体。
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