JP5715025B2 - 変性ビニルアルコール系重合体 - Google Patents
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Description
ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度はJIS K6726の規定に準拠して評価した。具体的には作製したビニルアルコール系重合体を、けん化度が99.5モル%未満の場合にはけん化度99.5モル%以上になるまでけん化した後、水に溶解させ、得られた水溶液の極限粘度[η](g/dl)を30℃に保ったウォーターバス中で測定し、これを次式により粘度平均重合度(P)に換算した。
P=([η]×103/8.29)(1/0.62)
ビニルアルコール系重合体の水溶液(温度5℃、濃度10%)を調製し、調製した水溶液の温度を5℃に保持したまま放置した。調製後1時間経過した時点における当該水溶液の粘度及び12時間経過した時点における当該水溶液の粘度を測定し、その比である増粘倍率{=(12時間経過後の粘度)/(1時間経過後の粘度)}を求め、以下のように評価した。なお、ビニルアルコール系重合体の水溶液の粘度としてB型粘度(ブルックフィールド粘度)を測定した。
A:増粘倍率が6倍未満
B:増粘倍率が6倍以上
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度4%)を調製し、調製した水溶液を、垂直に立てたガラス管(内径4.5cm、高さ150cm)に当該水溶液の深さが13cmとなるように仕込んだ。次に、ポンプを用いて、ガラス管の下端から水溶液を抜き取り、抜き取った水溶液をガラス管の上端から戻す循環を1.5L/分の循環速度で10分間実施した。その後、この循環によってガラス管の内部に発生した泡の高さを測定し、以下のように評価した。
A:発生した泡の高さが27cm未満
B:発生した泡の高さが27cm以上40cm未満
C:発生した泡の高さが40cm以上
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度4%)を調製し、調製した水溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に流延した後、20℃で1週間乾燥させ、さらに真空乾燥機で一晩乾燥させてビニルアルコール系重合体のフィルム(厚さ40μm)を得た。これとは別に、体積1Lのイオン交換水を投入した内容積1Lのビーカーを20℃に温度をコントロールしたバスに浸して、ビーカー内の水温を20℃に保った。そしてビーカー内の水を長さ30mmのマグネティックスターラー(テフロン(登録商標)製)を用いて回転速度300rpmで攪拌しているところに、金属枠に固定した上記フィルム(サイズ40mm×40mmに切り出し済み)を投入し、攪拌を続けながら当該フィルムが完全に水に溶解するまでの時間を測定した。測定に使用したフィルムの厚さは40μmとしたが、厚さ40μmのフィルムが得られなかった場合、測定した時間を以下の式(3)に従ってフィルム厚40μmの値に換算した。測定結果は以下のように評価した。
換算溶解時間(秒)=[40/フィルム厚(μm)]2×サンプル溶解時間(秒) (3)
A:30分以内に完全溶解する。
B:30分以上経過しても完全溶解しない。
ビニルアルコール系重合体の水溶液(濃度4%)を調製し、調製した水溶液をPETフィルム上に流延した後20℃で1週間乾燥させ、ビニルアルコール系重合体のフィルム(厚さ40μm)を得た。得られたフィルムを20℃65%RHの雰囲気下に置いて1週間調湿した後、当該フィルムの酸素透過量を測定することにより、フィルムの酸素ガスバリア性を評価した。酸素透過量の測定は、モダンコントロール社製 MOCON OX−TRAN2/20型を用い、65%RHの条件下20℃でJIS K7126(等圧法)に記載の方法に準拠して行った。本実施例における「酸素透過量」は、任意のフィルム厚で測定した酸素透過量(単位:cc/m2・day・atm)をフィルム厚20μmに換算した値(単位:cc・20μm/m2・day・atm)である。酸素透過量が少ないほど酸素バリア性に優れるフィルムとなる。
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、コモノマー滴下口及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に酢酸ビニル640g、メタノール234g、コモノマーとしてN−(ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)0.746gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。これとは別に、ディレー溶液としてHEAAをメタノールに溶解して濃度10%としたコモノマー溶液を調製し、これをアルゴンガスバブリングによりアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し内温が60℃となったところで、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.096gを添加し、酢酸ビニルとHEAAとの共重合を開始した。重合反応の進行中は、調製したディレー溶液を系内に滴下することで重合溶液におけるモノマー組成(酢酸ビニルとHEAAとのモル比率)が一定となるようにした。重合は60℃で210分間進行させた。その後、系を冷却し重合を停止させた。重合を停止するまでに加えたコモノマー溶液の総量は121mLであった。重合停止時の重合率は36%であり、コモノマーのHEAAは重合系内にほとんど残存していなかった。
重合条件(酢酸ビニルモノマー、メタノール及びコモノマーの初期仕込み量ならびに重合時に使用するコモノマーの種類)とけん化条件(けん化時における変性PVAcの濃度及び酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比)を以下の表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして、各種の変性PVA(実施例2〜6)を作製した。
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に酢酸ビニル700g、メタノール300gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで重合開始剤としてAIBN0.25gを添加し、酢酸ビニルの重合を開始した。重合は60℃で3時間進行させ、その後、系を冷却して重合を停止させた。重合停止時の固形分濃度は17.0%であった。
けん化条件(けん化時におけるPVAcの濃度及び酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比)を以下の表1に示すように変更した以外は比較例1と同様にして、無変性PVAを作製した。
撹拌機、窒素導入口、エチレン導入口、重合開始剤の添加口及びディレー溶液の添加口を備えた内容積250Lの加圧反応槽に酢酸ビニル106.1kg及びメタノール43.9kgを仕込み、60℃に昇温した後、30分間の窒素ガスバブリングにより系内を窒素置換した。次に、槽内の圧力が1.4kg/cm2となるようにエチレンを反応槽内に導入した。これとは別に、重合開始剤として2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(AMV)のメタノール溶液(濃度2.8g/L)を調製し、これを窒素ガスのバブリングにより窒素置換した。次に、反応槽内の温度を60℃に調整した後、上記重合開始剤溶液53mLを槽内に注入して酢酸ビニルとエチレンとの共重合を開始した。重合反応の進行中、エチレンを反応槽内に導入することによって槽内の圧力を1.4kg/cm2に、温度を60℃にそれぞれ保持した。開始剤溶液は、重合が進行している間168mL/時の速度で連続的に槽内に注入した。重合開始から4時間後、重合率が20%となった時点で系を冷却し重合を停止させた。次に、反応槽を開放して脱エチレンさせた後、槽内の溶液に窒素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に行った。次に、未反応の酢酸ビニルモノマーを減圧下で除去して、エチレン/酢酸ビニル共重合体(エチレン変性PVAc)のメタノール溶液を得た。
撹拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、コモノマー滴下口及び重合開始剤の添加口を備えた内容積3Lの反応器に酢酸ビニル640g、メタノール170g、コモノマーとして3,4−ジアセトキシ−1−ブテン(DAB)39.629gを仕込み、30分間のアルゴンガスバブリングにより系内をアルゴン置換した。反応器の昇温を開始し内温が60℃となったところで、重合開始剤としてAIBN0.194gを添加し、酢酸ビニルとDABとの共重合を開始した。重合を開始した時点から系内の固形分濃度を分析しつつ270分間重合を進行させ、重合率が40%に達した時点で系を冷却し重合を停止させた。重合により得られたペースト中には約20gのコモノマーが残存していた。
Claims (8)
- 式(1)に示される構造単位の含有率が0.1〜6モル%である請求項1に記載の変性ビニルアルコール系重合体。
- 粘度平均重合度が100〜10,000である請求項1又は2に記載の変性ビニルアルコール系重合体。
- 式(1)において、R3及びR4がそれぞれ同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状アルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載の変性ビニルアルコール系重合体。
- 式(1)において、R3及びR4がそれぞれ同一又は異なって水素原子又はメチル基である請求項4に記載の変性ビニルアルコール系重合体。
- 式(1)において、R2が炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基である請求項1〜5のいずれかに記載の変性ビニルアルコール系重合体。
- 式(1)に示される構造単位が、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミドに由来するものである請求項1〜3のいずれかに記載の変性ビニルアルコール系重合体。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の変性ビニルアルコール系重合体を含むことを特徴とするガスバリア性フィルム。
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