JP6301128B2 - アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法 - Google Patents

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本発明は、原料の反応効率に優れるアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法に関するものである。
従来から、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA」と略記する場合がある。)をアセトアセチル化したアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「AA−PVA」と略記する場合がある。)が提案されており、このAA−PVAは各種架橋剤との高い反応性により優れた耐水性を得られることが知られている。このようなAA−PVAの製造方法として、例えば、PVAとジケテンとの反応において、PVAに有機酸(酢酸)を吸着させてジケテンを反応させるAA−PVAの製造方法が提案されている(特許文献1)。さらに、PVAとジケテンとの反応において、脂肪酸エステル(酢酸メチル)および酸無水物(無水酢酸)の共存下でPVAとジケテンを反応させるAA−PVAの製造方法が提案されている(特許文献2)。
特開昭57−40508号公報 特開2000−063427号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、溶媒として有機酸(酢酸)を使用し反応に供する場合、原料となる粒状のPVAが膨潤し、粒子同士の凝集が起こりやすくなり、PVAの粒子径が大きくなり、いわゆる粒径の大きな粗粒子の量が増加することとなる。このように、PVAの粒径が大きくなり粗粒子を生成すると、ジケテンがその粒子内部にまで浸透せず、反応に供しないため、アセトアセチル化反応が不均一になるという問題が生起する。その結果、アセトアセチル化度のばらつきのあるAA−PVAが生成してしまい、安定した品質の製品を生産することが困難であるという問題があった。
このような問題を解決するため、上記特許文献2のように、脂肪酸エステル(酢酸メチル)と酸無水物(無水酢酸)の共存下にて、PVAとジケテンを反応させる方法が提案されている。この方法では、上記特許文献1の方法のように、PVAが膨潤しないことから、PVAの粒子径の増大による粗粒子の生成を抑制することは可能となるが、上記脂肪酸エステルを用いるため、PVAとジケテンの反応率が低く、生産性に劣るという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、原料の反応効率に優れるAA−PVAの製造方法の提供を目的とするものである。
本発明者らは、高い反応効率とともに、安定した高品質のAA−PVAを得るべく鋭意検討を重ねた。その結果、脂肪酸エステルと有機酸の混合溶媒および有機酸のアルカリ金属塩の存在下にてジケテンとPVAを反応させたところジケテンの反応率を向上させることができた。すなわち、PVAに対して有機酸を添加した場合、PVAは膨潤することとなる。一方、脂肪酸エステルは上記有機酸とは異なりPVAに対して不活性であるため、PVAが膨潤したりPVAに吸着することもない。このように、PVAに対する性質が全く異なるこれら二種類の溶媒を併用することは通常行なわれるものではない。しかしながら、本発明者らはこのような技術常識を打破し、敢えて両者を組み合わせ、かつ両者を特定の混合割合にて用いることにより所期の目的が達成されることを突き止めた。つまり、脂肪酸エステルはPVAに対する膨潤性が低く、その結果、PVAとジケテンの反応性が低下していたものと推測されるが、これに有機酸を含有させることにより低膨潤性という問題が改善され、ジケテンの反応率が向上したものと推測される。
《本発明の要旨》
すなわち、本発明は、脂肪酸エステル(a)と有機酸(b)の混合重量比(a/b)がa/b=50/1〜2/1の混合液および有機酸のアルカリ金属塩の存在下にて、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを反応させるアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法を要旨とする。
このように、本発明は、脂肪酸エステル(a)と有機酸(b)を特定の比率で存在させて、PVAとジケテンとを反応させることによりAA−PVAを製造する方法である。このため、PVAとジケテンの反応効率を向上させることができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に限定されるものではない。
以下、本発明について詳細に説明する。
[AA−PVA]
本発明のAA−PVAの製造方法により得られるAA−PVAは、ビニルエステル系モノマーの重合体であるポリビニルエステル系樹脂をケン化して得られるPVAにアセトアセチル基が導入されたものであり、側鎖にアセトアセチル基を有するPVAである。具体的には、下記の式(1)で表される構造単位を有するものであり、この式(1)で表されるアセトアセチル基を有する構造単位以外に、ビニルアルコール構造単位、さらには未ケン化部分である酢酸ビニル構造単位を有している。
Figure 0006301128
上記原料となるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等があげられるが、経済性の点から酢酸ビニルが好ましく用いられる。
また、上記ビニルエステル系モノマーとこのビニルエステル系モノマーと共重合性を有するモノマーとの共重合体のケン化物等を用いることもでき、このような共重合モノマーとしては、例えば、エチレンやプロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類およびそのアシル化物などの誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、ウンデシレン酸等の不飽和酸類、その塩、モノエステル、あるいはジアルキルエステル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸類あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエチレンカーボネート、2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン、グリセリンモノアリルエーテル、等のビニル化合物、酢酸イソプロペニル、1−メトキシビニルアセテート等の置換酢酸ビニル類、塩化ビニリデン、1,4−ジアセトキシ−2−ブテン、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、ビニレンカーボネート等があげられる。
さらに、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等のポリオキシアルキレン基含有モノマー、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有モノマー等もあげられる。
本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルをいい、(メタ)アクリレートとはアクリレートまたはメタクリレートをいう。
なお、上記共重合モノマーの導入量はモノマーの種類によって適宜設定されるが、通常は10モル%以下、特には5モル%以下であり、導入量が多すぎると、水溶性や耐薬品性が損なわれる場合があるため好ましくない。
また、通常のPVAの場合、主鎖の結合様式は1,3−ジオール結合が主であり、1,2−ジオール結合の含有量は1.5〜1.7モル%程度であるが、ビニルエステル系モノマーを重合する際の重合温度を高温にすることによって、その含有量を1.7〜3.5モル%としたものを使用することも可能である。
本発明により得られるAA−PVAにおけるアセトアセチル基を有する構造単位の含有量は、通常0.1〜30モル%、さらに好ましくは0.3〜20モル%、特に好ましくは0.5〜15モル%である。アセトアセチル基を有する構造単位の含有量が少なすぎると、耐水性が低下する傾向がみられ、含有量が多すぎると、例えば、ガスバリア性が低下する傾向がみられる。
また、上記AA−PVAにおける、JIS K6726に準拠して測定してなる20℃における4質量%水溶液の粘度は、通常1.5〜300mPa・s、さらに好ましくは2〜200mPa・s、特に好ましくは3〜100mPa・sである。20℃における4質量%水溶液の粘度が低すぎると、耐水性が低下する傾向がみられ、高すぎると、塗工性が低下し、扱いにくくなる傾向がみられる。
そして、上記AA−PVAにおけるケン化度(AA−PVAの原料となるPVAのケン化度)は、通常50〜99.9モル%、さらに好ましくは60〜99.5モル%、特に好ましくは70〜99.3モル%である。AA−PVAのケン化度が低すぎると、水に対する溶解性が低下する傾向がみられ好ましくない。
また、上記AA−PVAの平均重合度(JIS K6726に準拠)は、通常50〜4000、特に好ましくは100〜3500、さらに好ましくは300〜3000である。平均重合度が低すぎると、耐水性が低下する傾向がみられ、高すぎると、粘度が上昇し、扱いにくくなる傾向がみられる。
さらに、本発明により得られるAA−PVAは、通常粉末であり、その平均粒子径は、通常50〜2000μm、好ましくは100〜1700μm、特に好ましくは150〜1500μmである。平均粒子径が小さすぎると、ジケテンとの反応時に継粉になりやすく、反応ムラが生じる傾向があり、大きすぎるとジケテンとの反応にムラが出る傾向がある。
ここで、平均粒子径とは、AA−PVA粒子を、目開き、1700μm、1000μm、850μm、500μm、250μm、150μmの篩を用い、篩振とう機にて粒径が1700μm以上、1000μm以上1700μm未満、850μm以上1000μm未満、500μm以上850μm未満、250μm以上500μm未満、150μm以上250μm未満のものに分別し、各々の重量から求めた粉体粒度分布の累積値が50重量%となる粒子径をいう。
[AA−PVAの製造方法]
つぎに、本発明のAA−PVAの製造方法について詳述する。
本発明は、脂肪酸エステル(a)と有機酸(b)の存在下、さらには触媒である有機酸のアルカリ金属塩の存在下にて、PVAとジケテンとを反応させることによりAA−PVAを製造する方法である。このように、本発明では、PVAとジケテンとの反応において、上記脂肪酸エステル(a)および有機酸(b)の双方が特定の比率となる存在下にて反応させることを特徴とする。
上記PVAとジケテンを反応させることにより、PVAにアセトアセチル基を導入してAA−PVAを製造する方法としては、例えば、[1]脂肪酸エステル(a)および有機酸(b)の存在下、粉末状のPVAとガス状または液状のジケテンを直接反応させる方法、[2]脂肪酸エステル(a)および有機酸(b)をPVA粉末に予め吸着吸蔵させた後、これに不活性ガス雰囲気下でガス状または液状のジケテンを反応させる方法、あるいは[3]粉末状のPVA[脂肪酸エステル(a)含有]に有機酸(b)とジケテンの混合物を噴霧して反応させる方法、等があげられる。
上記脂肪酸エステル(a)としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル等をあげることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも、酢酸メチルが好適に用いられる。
また、上記有機酸(b)としては、例えば、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。中でも好適には酢酸が用いられる。
上記脂肪酸エステル(a)および有機酸(b)の合計使用量は、PVA100重量部に対して、通常30〜200重量部、好ましくは50〜150重量部、特に好ましくは60〜100重量である。
そして、上記脂肪酸エステル(a)と有機酸(b)の混合重量比(a/b)は、a/b=50/1〜2/1とする必要がある。より好ましくはa/b=30/1〜2/1、さらに好ましくはa/b=20/1〜2/1、特に好ましくはa/b=15/1〜3/1である。両者の混合重量比が上記範囲を外れ、脂肪酸エステル(a)が多くなると、ジケテンの反応効率が低下し、有機酸(b)が多くなると、粗粒子量が大きくなる。
上記触媒である有機酸のアルカリ金属塩としては、有機酸については、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸等があげられ、上記有機酸のアルカリ金属塩の中でも酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが好ましく用いられる。さらには、上記有機酸のアルカリ金属塩とともに、第一アミン、第二アミン、第三アミン等の塩基性化合物を触媒として用いることもできる。なお、反応原料であるPVAには、通常酢酸ナトリウムを含んでいるため、上記触媒を使用しなくてもよい場合もある。
上記有機酸のアルカリ金属塩の使用量は、含有アルカリ金属換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で、PVA100重量部に対して、通常0.02〜0.9重量部、好ましくは0.06〜0.3重量部である。
上記反応に際して、反応原料であるジケテンはガス状であってもよく、また液状であってもよい。上記ジケテンが液状の場合は、20〜120℃に加温し、反応時間は1分〜6時間とし、上記ジケテンを撹拌して反応に供する。また、上記ジケテンがガス状の場合は、温度30〜250℃、さらに好ましくは50〜200℃とし、反応時間は1分〜6時間とする。さらに、上記ジケテンがガス状の場合、他の不活性ガス(例えば、窒素ガス等)とともに混合し反応に供してもよく、上記温度条件となるよう加温するタイミングも特に限定するものではない。
なお、上記反応に際して、原料であるPVA製造時のケン化に際して使用した溶剤(例えば、メタノール、エタノール等)を、脂肪酸エステル、有機酸および有機酸のアルカリ金属塩で置換して用いることが好ましい。
また、上記反応に際して、脂肪酸エステルおよび有機酸の混合物、触媒である有機酸のアルカリ金属は、PVAとジケテンの反応時に共存していればよく、予めPVAに添加しておいてもよいし、ジケテンと同時に供給してもよい。また、予めジケテンと一緒に混合しておいてもよい。中でも、予めPVAに添加しておく態様が好ましい。
このような反応に使用される反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置が好ましく、例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダーを用いることができる。
そして、上記反応後、通常、未反応のジケテンをメタノール等の溶媒を用いて洗浄除去し、乾燥工程を経由して乾燥してなる粉末状のAA−PVAが得られる。
このようにして得られるAA−PVAの用途としては、例えば、下記の(1)〜(10)に示すような各種用途があげられる。
(1)成形物関係:繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース用、水溶性繊維等。
(2)接着剤関係:木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー、石膏ボードや繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホットメルト型接着剤、感圧接着剤、アニオン性塗料の固着剤等。
(3)被覆剤関係:紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤、繊維製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定塗料等。
(4)疎水性樹脂用ブレンド剤関係:疎水性樹脂の帯電防止剤、および親水性付与剤、複合繊維、フィルムその他成形物用添加剤等。
(5)懸濁分散安定剤関係:塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤等。
(6)乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマー、エチレン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物の乳化重合用乳化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等疎水性樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳化剤等。
(7)増粘剤関係:各種水溶液やエマルジョンや石油掘削流体の増粘剤等。
(8)凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾水性等。
(9)交換樹脂等関係:イオン交換樹脂、キレート交換樹脂、イオン交換膜等。
(10)その他:土壌改良剤、感光剤、感光性レジスト樹脂等。
以下、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」は、重量基準を意味する。
[実施例1]
<PVAの作製>
還流冷却機、滴下漏斗、撹拌機を備えた反応缶に、酢酸ビニル100部、メタノール30部、およびアセチルパ−オキサイド0.05モル%(対仕込み酢酸ビニル)を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら温度を上昇させ、沸点下で10時間重合反応を行なった。そして、酢酸ビニルの重合率が90%となった時点で、m−ジニトロベンゼンを添加して重合反応を終了させ、続いて、メタノール蒸気を吹き込む方法により未反応の酢酸ビニル(モノマー)を系外に除去し、重合体のメタノール溶液(樹脂分56重量%)を得た。続いて、上記溶液をメタノールで希釈して、濃度53重量%に調整した後ニーダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら、水酸化ナトリウムをポリマー中の酢酸ビニル単位1モルに対して11ミリモル加えてケン化した後、酢酸を加えて中和した。その後、析出物を濾別し、メタノールにてよく洗浄することによりPVAを作製した。得られたPVAは、ケン化度99.5モル%、平均重合度550、粒度7メッシュ以下、揮発分45重量%であった。
その後、取得したメタノールを含有するPVAに対して遠心分離操作を行った。
つぎに、加温可能な撹拌機を備えた反応缶に、上記遠心分離後のPVAを100部仕込んだ後、酢酸メチル500部を仕込んで缶内を30℃に昇温した後、2時間撹拌し、再び遠心分離を行なった。
その後、上記の遠心分離後のPVAにまた酢酸メチル500部を仕込み上記と同様に撹拌し、遠心分離を行った。また再度、同様に撹拌と遠心分離を行った。
上記の計3回の撹拌と遠心分離を行なうことにより、溶剤をメタノールから酢酸メチルに置換し、酢酸メチル67部とPVA100部の混合物を取得した。得られたPVAは、ケン化度99.5モル%、平均重合度550、粒度7メッシュ以下であった。また、平均粒子径は1400μmであり、JIS K6726に準拠して測定してなる20℃における4質量%水溶液の粘度は5.3mPa・sであった。
<AA−PVAの生成反応>
ついで、加温可能な撹拌機を備えた反応缶に、上記で得られた酢酸メチルを67部とPVA100部の混合物を仕込んだ後、酢酸13部、酢酸ナトリウム0.6部を1時間かけて添加しながら撹拌し45℃に昇温した。その後、ジケテン20部を1.5時間かけて添加して、さらに45℃で3時間反応させることにより、アセトアセチル基含有量5.9モル%のAA−PVAを得た。得られたAA−PVAをメタノールにて充分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させることにより乾燥してなる粉末状のAA−PVA(ケン化度,平均重合度,平均粒子径はPVAに準ずる)とした。このAA−PVAについて、下記の方法に従ってジケテンの反応率を算出した。
[ジケテンの反応率]
下記に示す計算式に従い、ジケテンの仕込み量(モル%)に対するAA−PVAのアセトアセチル基含有量(モル%)の割合(%)を算出し、これをジケテンの反応率として評価した。その結果を後記の表1に示す。
[AA−PVAのアセトアセチル基含有量(モル%)]/[ジケテンの仕込み量(モル%)]×100
[実施例2]
実施例1において、酢酸ナトリウムの使用量を0.4部にした以外は実施例1と同様にしてAA−PVAを製造した。そして、得られたAA−PVAについて実施例1と同様にして評価した。その結果を下記の表1に示す。
[実施例3]
実施例1において、酢酸ナトリウムの使用量を0.2部にした以外は実施例1と同様にしてAA−PVAを製造した。そして、得られたAA−PVAについて実施例1と同様にして評価した。その結果を下記の表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、酢酸の使用量を5部にした以外は実施例1と同様にしてAA−PVAを製造した。そして、得られたAA−PVAについて実施例1と同様にして評価した。その結果を下記の表1に示す。
[実施例5]
実施例1において、酢酸の使用量を5部にし、ジケテンの使用量を10部にした以外は実施例1と同様にしてAA−PVAを製造した。そして、得られたAA−PVAについて実施例1と同様にして評価した。その結果を下記の表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、酢酸の使用量を1部にし、ジケテンの使用量を10部にした以外は実施例1と同様にしてAA−PVAを製造した。そして、得られたAA−PVAについて実施例1と同様にして評価した。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0006301128
上記結果から、酢酸メチルと酢酸とを特定の混合重量比にて共存させて反応させることにより得られたAA−PVAである実施例品は、ジケテンの反応率に優れたものであった
これに対して、酢酸メチルと酢酸との混合重量比が本発明の規定から外れた比較例1品は、ジケテンの反応率が劣るものであった。
本発明のAA−PVAの製法により高効率にて得られてなるAA−PVAは、高品質なものであり、例えば、各種成形材料、各種接着剤材料、被覆剤材料、疎水性樹脂用ブレンド剤、懸濁分散安定剤、乳化分散安定剤、増粘剤、凝集剤、交換樹脂等の各種用途に好適に用いられる。

Claims (2)

  1. 脂肪酸エステル(a)と有機酸(b)の混合重量比(a/b)がa/b=50/1〜2/1の混合液および有機酸のアルカリ金属塩の存在下にて、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを反応させることを特徴とするアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
  2. ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対する脂肪酸エステル(a)と有機酸(b)の合計使用量が、30〜200重量部である請求項1記載のアセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
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