JP4052497B2 - アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記する)の製造法に関し、更に詳しくは不溶解物や粗粒物の生成を抑制でき、かつ目的物の分離が容易なAA化PVAの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、AA化PVAの製造法としては、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記する)にジケテンを反応させる方法が行われており、本出願人も、▲1▼PVA粉末に液状ジケテンを反応、或いは液状ジケテンとジケテンに不活性でかつPVAの非溶媒を添加して反応させる方法(特開昭55−94904号公報)、▲2▼PVAとジケテンガスを反応させる方法(特開昭55−137107号公報)、▲3▼PVAに吸蔵しうる有機酸を吸着させてジケテンを反応させる方法(特開昭57−40508号公報)を提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の▲1▼の方法では、通常のPVAを用いた場合には良好なAA化PVAが得られるものの、ジケテンの反応性が不均一なためか得られたAA化PVAが着色したり、不溶解物が生成される恐れがあり、▲2▼の方法においても製造条件等により不溶解物が生成される恐れがあるので、細心の工程管理が必要とされ、▲3▼の方法においてもケン化度が85モル%以下のPVAの場合に不溶解物が生成される恐れがあり、原料PVAのケン化度に関係なく透明性に優れ、かつ不溶解物の生成が抑制できるAA化PVAの製造法が望まれるところであり、更には最近の製造工程の簡便化に答えるべく反応終了後の目的物の分離ができるだけ容易な製造法が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はかかる現況に鑑みて鋭意検討した結果、PVAとジケテンを反応させてAA化PVAを製造するにあたり、脂肪酸エステルの共存下でPVAとジケテンを反応させる製造法を採用することにより、原料PVAのケン化度に関係なく、水溶液の透明性に優れたAA化PVAが得られ、かつケン化度により適切な溶媒は異なる(例えば、ケン化度75モル%以上では水、ケン化度68〜75モル%程度では水/メタノール=7/3(重量比)の混合溶媒、ケン化度40〜68モル%程度では水/メタノール=1/2(重量比)の混合溶媒、ケン化度40モル%以下ではメタノール)ものの不溶解物の生成が抑制でき、粗粒やブロック物の発生も抑制でき、良好な形状の生成物が得られ、更には反応終了後の目的物の分離が容易にでき、また該製造法において更に酸無水物を共存させることにより、本発明の作用効果が顕著に得られることを見いだして本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明に実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0006】
本発明の原料として用いられるPVAとしては、特に限定されないが、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリなどのケン化触媒によってケン化して得られたPVA、又はその誘導体、更には酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物等を挙げることができ、該単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等との共重合ケン化物が挙げられる。
【0007】
また、本発明の原料となるPVAのケン化度は5〜100モル%(更には65〜99.5モル%)が好ましく、また、平均重合度は50〜6000(更には100〜4000)が好ましい。
【0008】
更に該PVAの形状としては、特に限定されないが、ジケテンの均一吸着、吸収による反応の均一化及びジケテンとの反応率の向上等を考慮すれば、粉末状、なかんずく粒径分布が狭く、かつ多孔性であるものが好ましく、その粒度としては50〜450メッシュが好ましく、更には80〜320メッシュのものが好ましい。
【0009】
また、該PVAは製造工程中のアルコール類及び水分を数%含むことがあるが、これらの成分中にはジケテンと反応して、ジケテンを消費し、ジケテンの反応率を低下せしめるので、反応に供する際には、加熱、減圧操作を行うなどして可及的に減少せしめてから使用することが望ましい。
【0010】
また、本発明においては、上記の如く粉末状のPVAを原料PVAとすることができるが、製造工程の簡略化の点を考慮すれば、原料PVAの製造時のケン化工程後の溶剤(メタノール、メタノール、(イソ)プロパノール等)を含有したスラリー状のPVAを脂肪酸エステルで置換して原料PVAとして用いることが好ましい。
【0011】
本発明は、上記の如きPVAを脂肪酸エステルの共存下でジケテンと反応させることを最大の特徴とするもので、具体的にその反応方法について述べる。
【0012】
まず、該方法に用いられる脂肪酸エステルとしては、特に限定されず、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸メチル等を挙げることができ、好適には酢酸メチルが用いられる。
【0013】
本発明においては、上記の如くPVAとジケテンの反応時に脂肪酸エステルが共存していればよく、かかる脂肪酸エステルは予めPVAに添加しておいて、その後にジケテンを反応させてもよく、或いはPVAとジケテンの反応と同時に脂肪酸エステルを供給してもよく、更には脂肪酸エステルを予めジケテンに添加しておいて、その後にPVAを反応させてもよく、特に制限はないが、ジケテンを均一に分散させる点で、脂肪酸エステルを予めPVAに添加しておく方法が好ましく、かかる方法について、更に詳述するが、これに限定されるものではない。
【0014】
まず、PVAに脂肪酸エステルを含有させるのであるが、かかる含有方法については特に限定されず、PVAと脂肪酸エステルを混合攪拌すればよいが、粉末状の時は該PVAに予め0.1〜1.0重量%程度の酢酸ナトリウムを含有させておくことも好ましく、またケン化後の溶剤含有PVAを用いる時はPVA100重量部に対して該溶剤の含有量を50〜500重量部程度に調整したものを用いることが好ましい。脂肪酸エステルの含有量は、PVA100重量部に対して50〜1000重量部(更には100〜500重量部)が好ましく、かかる含有量が50重量部未満では不均一なAA化反応が起こり、逆に1000重量部を越えると生産性が低下して好ましくない。
【0015】
次いで、脂肪酸エステルが含有されたPVAは、ジケテンと反応させられるのであるが、かかるジケテンはガス状あるいは液状のいずれの状態で反応に供することができ、特に制限はない。
【0016】
このときの反応条件としては、液状ジケテンを用いる場合には、好ましくは不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気下で、噴霧等の手段によって均一に溶解、吸着、吸収せしめて、温度20〜120℃に加温し、撹拌あるいは流動化を継続する。
【0017】
また、ジケテンガスを用いる場合には、接触温度を30〜250℃(更には50〜200℃)とすることが好ましく、ガス状のジケテンがPVAとの接触時に液化しない温度でジケテン分圧条件下に接触させることが好ましいが、ジケテンガスの一部が液滴となることは、なんら支障はない。
【0018】
接触時間は、接触温度に応じて調整(温度が低い場合は時間を長く、温度が高い場合は時間を短く)すればよく、通常は1分〜6時間の範囲から適宜選択する。
【0019】
更に、ジケテンガスを供給する場合には、他の不活性ガスと混合して用いても良く、またPVAにジケテンガスを吸収させてから昇温しても良いし、あるいは該PVAを加熱しながら、加熱した後に該ガスを接触させても良い。
【0020】
反応時の触媒としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、第一アミン、第二アミン、第三アミンなどの塩基性化合物が有効であり、該触媒の量は、PVAに対して0.1〜3.0重量%(更には0.1〜1.0重量%)程度である。また、PVAは、通常酢酸ナトリウムを含んでいるので、触媒を添加しなくてもよい場合が多く、触媒量が多すぎるとジケテンの副反応が起こりやすくなって好ましくない。
【0021】
反応を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分で、例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を挙げることができる。
【0022】
かくして、不溶解物や粗粒物が生成せず、かつ目的物の分離が容易なAA化PVAが得られるわけであるが、本発明においては、上記の反応時に更に酸無水物を共存させることが、AA化PVAの水溶液中の不溶解物の生成を抑制でき、透明性を向上させる点で好ましい。かかる酸無水物としては、カルボン酸の無水物が好ましく、具体的には無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等を挙げることができ、好適には無水酢酸が用いられる。かかる酸無水物も上記の脂肪酸エステルと同様、PVAとジケテンの反応時に共存していればよく、その共存させる方法等は特に限定されない、脂肪酸エステルと同様PVAに予め含有させておくことが、本発明の効果を最大限に発揮できる点で好ましく、その含有量は、PVA100重量部に対して1〜500重量部(更には10〜200重量部)が好ましく、かかる含有量が1重量部未満では添加効果が得られず、逆に500重量部を越えてもそれ以上の添加効果が望めず好ましくない。
【0023】
上記の如き本発明の方法で得られたAA化PVAは、脂肪酸エステルを反応時に共存させているので、従来法(特に有機酸を吸蔵させる方法)に比べて、目的物、特に低ケン化度(85モル%未満)のAA化PVAの単離・分離が容易に行うことができ、また、不溶解物や粗粒物を殆ど含有することなく、また製造後の分離が容易で、下記の如き各種用途に使用され得る。
【0024】
・成形物関係:繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース用、水溶性繊維など
・接着剤関係:木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー、石膏ボードや繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホットメルト型接着剤、感圧接着剤、アニオン性塗料の固着剤など
・被覆剤関係:紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料コーティング剤、紙の内添サイズ剤、繊維製品用ザイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定塗料など
・疎水性樹脂用ブレンド剤関係:疎水性樹脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊維、フィルムその他成形物用添加剤など
・懸濁分散安定剤関係:塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤など
・乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマー、エチレン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物の乳化重合用乳化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等疎水性樹脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳化剤など
・増粘剤関係:各種水溶液やエマルジョンの増粘剤など
・凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾水性など
・交換樹脂等関係:イオン交換樹脂、キレート交換樹脂、イオン交換膜など
・その他:土壌改良剤、感光剤、感光性レジスト樹脂など
【0025】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて更に詳しく説明する。尚、例中に断りのない限り、「%」、「部」とあるのは、重量基準を示す。
【0026】
実施例1
先ず、酢酸ナトリウムを0.5%含有するPVA粉末(ケン化度80モル%、重合度2100、粒度7メッシュ以下)100部に予め酢酸メチル200部と無水酢酸50部を添加してスラリー状態とした。次いで、スラリー状のPVAをニーダーに仕込んで撹拌しながら60℃に昇温後、更に60℃で1時間撹拌を行ってから、ジケテン6.5部を30分間にわたって添加して、更に60℃で30分反応させて、アセト酢酸基を3.0モル%含有するAA化PVAを得た。
【0027】
得られたAA化PVAをメタノールで十分に洗浄して溶剤を除去した後、50℃で18時間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、以下の要領で評価を行った。
(不溶解分)
三角フラスコ中のイオン交換水200mlに上記の乾燥AA化PVA約20g(Sg)を十分に分散させた後、80℃で1時間攪拌し、次いで20℃の水槽に三角フラスコを移して1時間攪拌してAA化PVAを溶解させた。そして、予め秤量してある44μmの金網(Ag)で濾過する。更に80〜90℃の温水2lで三角フラスコ内の不溶解分を完全に金網上に移して洗浄した後、105℃の電気定温乾燥器で2時間乾燥を行い、その重量(Bg)を測定して、下記の式(1)より、不溶解分(%)を求めた。
【0028】
【数1】
[(B−A)/S]×100 ・・・ (1)
(透明度)
乾燥AA化PVAを105℃の電気定温乾燥器で2時間乾燥を行い、そこから4gのAA化PVAを採取して、三角フラスコ中でイオン交換水96gに十分に分散させた後、80℃で1時間攪拌し)、次いで20℃の水槽に三角フラスコを移して1時間攪拌してAA化PVAを溶解させた。得られたAA化PVAの溶液を25℃にて、430nmにおける光透過率(%)を測定した。
(粗粒子量)
乾燥AA化PVA100gを標準網ふるい2800μm(7メッシュ)上に入れ、電動式水平振動機(200回/分、振巾50mm)に乗せて、30分振動後、該ふるい上のAA化PVAの重量(g)を測定した。
(形状)
乾燥AA化PVAを目視観察して、以下の通り評価した。
○ −−− ヒゲ状物やブロック物の発生は認められない
× −−− ヒゲ状物やブロック物が発生
【0029】
実施例2
PVA製造中のケン化後の溶剤(メタノール/酢酸メチル=2.5/1.0(重量比)の混合溶剤)含有PVA(ケン化度73モル%、重合度800、乾燥時の粒度7メッシュ以上の重量は0.3%、溶剤含有量55%)182部に対して、酢酸メチル400部と無水酢酸40部の混合溶液にて5回洗浄置換を行って、PVA100部に対して酢酸メチル400部と無水酢酸40部を含有したスラリー状態のPVA(PVA100部に対して酢酸ナトリウム0.3部含有)を得た。次いで、得られたスラリー状のPVAをニーダーに仕込んで撹拌しながら60℃に昇温後、ジケテン4.8部を30分間にわたって添加して、更に60℃で30分反応させて、アセト酢酸基を2.5モル%含有するAA化PVAを得た。
得られたAA化PVAについて、実施例1と同様に評価を行った。
【0030】
実施例3
PVA製造中のケン化後の溶剤(メタノール/酢酸メチル=2.2/1.0(重量比)の混合溶剤)含有PVA(ケン化度80モル%、重合度2400、乾燥時の粒度7メッシュ以上の重量は0.5%、溶剤含有量45%)222部に対して、酢酸メチル400部にて5回洗浄置換を行って、PVA100部に対して酢酸メチル400部を含有したスラリー状態のPVA(PVA100部に対して酢酸ナトリウム0.3部含有)を得た。次いで、得られたスラリー状のPVAを撹拌翼付きの反応缶に仕込んで撹拌しながら57℃に昇温後、ジケテン6.5部を30分間にわたって添加して、更に57℃で30分反応させて、アセト酢酸基を2.6モル%含有するAA化PVAを得た。
【0031】
得られたAA化PVAについて、実施例1と同様に評価を行った。
【0032】
実施例4
ケン化度80モル%、重合度2100、乾燥時の粒度7メッシュ以上の重量は0.3%)のPVAを用いて、酢酸メチル及び無水酢酸の添加量をそれぞれ70部及び5部とした以外は実施例1に準じて、アセト酢酸基を3.0モル%含有するAA化PVAを得て、同様に評価を行った。
【0033】
実施例5
実施例1において、酢酸メチル250部のみを添加した以外は同様に行って、アセト酢酸基を2.8モル%含有するAA化PVAを得て、同様に評価を行った。
【0034】
比較例1
実施例1において、酢酸メチル200部と無水酢酸50部に変えて、酢酸10部を添加した以外は同様に行って、アセト酢酸基を3.0モル%含有するAA化PVAを得て、同様に評価を行った。
【0035】
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明のAA化PVAの製造法においては、脂肪酸エステルの共存下でPVAとジケテンを反応させているため、原料PVAのケン化度に関係なく、透明性に優れたAA化PVAが得られ、かつ不溶解物の生成が抑制でき、粗粒物、ブロック物の発生も抑制でき、良好な形状の生成物が得られ、更には反応終了後の目的物の分離が容易にでき、前記の如き各種用途に大変有用である。
Claims (3)
- ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンを反応させてアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を製造するにあたり、脂肪酸エステルの共存下でポリビニルアルコール系樹脂とジケテンを反応させることを特徴とするアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造法。
- 更に酸無水物を共存させることを特徴とする請求項1記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造法。
- 酸無水物の共存量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1〜500重量部であることを特徴とする請求項2記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造法。
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