JP3579152B2 - アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下AA化PVAと略記する)に関し、更に詳しくは溶解性に優れたAA化PVAに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりポリビニルアルコール系樹脂(以下PVAと略記する)はその製膜性能(造膜性、耐油性、強度等)、水溶性等を利用して乳化分散安定剤、紙加工剤、接着剤、懸濁剤、界面活性剤、繊維加工剤等として広く使用されている。
【0003】
そして、その各種用途や要求性能に応じて、PVAの変性が試みられており、その1つとして、アセト酢酸エステル基(以下AA基と略記する)を含有したAA化PVAが知られている。
【0004】
そして該AA化PVAの水溶液は上記の如く乳化分散安定剤、紙加工剤、接着剤懸濁剤、界面活性剤、繊維加工剤等の用途に供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら近年AA化PVAは、その優れた特性により広範囲な用途に大量に使用されるようになり、各用途におけるニーズも多様化し、様々な特性が要求されるようになってきた。特に省力化、高速化という傾向の中において共通する要求特性は溶解度(溶解速度)である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、かかる事情を鑑みて鋭意検討した結果、AA化PVA中の溶解度はAA化PVAの粒度分布と、アセト酢酸エステル化度(以下AA化度と略記する)に影響されるとの知見のもとに研究を重ねた結果、AA化PVA中の(1)粒子径500μm以上の粒子のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステル化度の0.5〜1.2倍であって、尚且つ粒子径500μm未満の粒子を80重量%以上含有し、尚且つ(2)粒子径45μm未満の粒子のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステル化度の0.8〜1.8倍であって、尚且つ粒子径45μm以上の粒子を80重量%以上含有するAA化PVAが水に対する溶解速度が極めて速いことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明のAA化PVAは、PVAとジケテンを反応させる方法、PVAとアセト酢酸エステルを反応させエステル交換する方法や、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニルを共重合させる方法等いずれの方法で製造しても良いが、製造工程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られる点から、PVAとジケテンを反応させる方法で製造するのが好ましい。
PVA粉末とジケテンを反応させる方法としては、PVAとガス状あるいは液状のジケテンを直接反応させても良いし、有機酸をPVA粉末に予め吸着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状又はガス状のジケテンを噴霧、反応するか、またはPVA粉末に有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反応するなどの方法が用いられる。
【0008】
有機酸を使用する方法では、有機酸としては酢酸が最も有利であるが、これのみに限られるものではなく、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸等も任意に使用される。
有機酸の量は反応系内のPVA粉末が吸着及び吸蔵しうる限度内の量、換言すれば反応系の該樹脂と分離した有機酸が存在しない程度の量が好ましい。具体的には、PVA100重量部に対して30〜80重量部が好ましい。
【0009】
有機酸をPVAに均一吸着、吸蔵するには、有機酸を単独でPVAに噴霧する方法、適当な溶剤に有機酸を溶解しそれを噴霧する方法等、任意の手段が実施可能である。
【0010】
PVAとジケテンとの反応条件としては、PVA粉末に液状ジケテンを噴霧等の手段によって均一に吸着、吸収せしめる場合は、不活性ガス雰囲気下、温度20〜120℃に加温し、所定の時間撹拌あるいは流動化を継続することが好ましい。
【0011】
またジケテンガスを反応させる場合、接触温度は0〜200℃、好ましくは25〜100℃であり、ガス状のジケテンがPVAとの接触時に液化しない温度とジケテン分圧条件下に接触させることが好ましいが、一部のガスが液滴となることは、なんら支障はない。
接触時間は接触温度に応じて、即ち温度が低い場合は時間が長く、温度が高い場合は、時間が短くてよいのであって、1分〜6時間の範囲から適宜選択する。
【0012】
ジケテンガスを供給する場合には、ジケテンガスそのままか、ジケテンガスと不活性ガスとの混合ガスでも良く、粉末PVAに該ガスを吸収させてから昇温しても良いが、該粉末を加熱しながら、加熱した後に該ガスを接触させるのが好ましい。
【0013】
アセト酢酸エステル化(以下AA化と略記する)の反応の触媒としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、第一アミン、第二アミン、第三アミンなどの塩基性化合物が有効であり、該触媒量は公知の反応方法に比べて少量で良く、PVA粉末に対し0.1〜1.0重量%である。PVA粉末は、通常酢酸ナトリウムを含んでいるので触媒を添加しなくてもよい場合が多い。触媒量が多すぎるとジケテンの副反応が起こりやすく好ましくない。
【0014】
AA化を実施する際の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置であれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー
その他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置である。
【0015】
かかるAA化PVAの出発原料であるPVAとしてはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液をアルカリなどのケン化触媒によってケン化して得られたPVAやその誘導体、さらに酢酸ビニルと共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケン化物で、該PVAは特に限定されないが、平均ケン化度30〜99.9モル%、平均重合度50〜6000、より好ましくは200〜3000、平均ケン化度80〜99.9モル%の範囲が好ましい。
【0016】
該単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミドー1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等との共重合ケン化物が挙げられる。
【0017】
PVAの製品には製造工程中のアルコール類、エステル類及び水分を数重量%含んでいるものもあり、これらの成分中にはジケテンと反応して、ジケテンを消費し、ジケテンの反応率を低下せしめるので、反応に供する際には、加熱、減圧操作を行うなどして可及的に減少せしめてから使用することが望ましい。
【0018】
かくして得られたAA化PVAの平均のAA化度は0.1〜40モル%、より好ましくは0.2〜20モル%の範囲であって、0.1モル%未満では、AA基としての特徴的な効果が発現されず、通常のPVAと大差なく、又40モル%を越えると水への溶解性や安定性が不良となり好ましくない。
【0019】
本発明においてはかかるAA化PVA中(1)粒子径500μm以上の粒子のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均のAA化度の0.5〜1.2倍であって、尚且つ粒子径500μm未満の粒子を80重量%以上含有し、尚且つ(2)粒子径45μm未満の粒子のAA化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステル化度の0.8〜1.8倍であって、尚且つ粒子径45μm以上の粒子を80重量%以上含有することを最大の特徴とするものである。
【0020】
AA化PVA中の粒子径500μm以上の粒子のAA化度がAA化PVA全体の平均のAA化度の0.5倍未満の場合、1.2倍を越える場合、粒子径500μm未満の粒子が80重量%未満の場合、更には該樹脂中の粒子径45μm未満の粒子のAA化度が該樹脂全体の平均のAA化度の0.8倍未満の場合、2.0を越える場合、粒子径45μm以上の粒子が80重量%未満の場合のいずれの場合においても、AA化PVAの溶解性及び溶解速度が極めて遅くなり本発明の目的を達成することはできない。
【0021】
本発明のAA化PVAを得る方法として要は、最終製品が本発明の範囲内に入る様にコントロールすれば良く、そのコントロールの時期は任意である。例えば、原末のPVAを製造する時に、原料PVAの粒度を調節したり、AA化PVA製造後500μmの標準金網を通過させて大きな粒子を取り除いたり、45μmの標準金網を通過する微粉を取り除いたりいずれも任意である。
【0022】
原料PVAの粒度のコントロール方法の一例を挙げれば、粒子径500μm未満の粒子が80重量%以上、尚且つ粒子径45μm以上の粒子を80重量%以上にすることが好ましく、更に好ましくは粒子径500μm未満の粒子が95重量%以上、尚且つ粒子径75μm以上の粒子を95重量%以上にする。
粒子径500μm未満の粒子が80重量%未満の時はAA化PVAの500μmを未満の粒子が80重量%未満となる傾向があり、粒子径45μm以上の粒子が80重量%未満では、AA化PVAの粒子径45μm以上の粒子が80重量%未満となる傾向があり、それらの場合AA化PVAの粒子径500μm以上の粒子や、粒子径45μm未満の粒子を除去する作業が必要となり、好ましくない。
【0023】
またAA化反応の際に用いられる有機酸の量をPVA100重量部に対して30〜80重量部に調節しても良い。有機酸の量として好ましくはPVA100重量部に対して、50〜70重量部である。30重量部未満では500μm以上のAA化PVAのAA化度が、AA化PVAのAA化度の0.5倍未満になり、一方80重量部を越え過剰の有機酸が存在するとAA化度が不均一な生成物が得られやすく、未反応のジケテンが多くなる傾向がある。
【0024】
かかる方法等で得られた本発明のAA化PVAは必要に応じて他のPVAや澱粉等の水溶性高分子、多価金属やイソシアネートやアミノ樹脂等の架橋剤、可塑剤、高沸点溶剤等の造膜助剤、炭酸カルシウムやクレー等の体質顔料、酸化チタン等の有色顔料、防腐剤、防虫剤、消泡剤、増粘剤、アミン類,アルコール類,酸類等の硬化促進剤、レシチンやラノリン等の防錆剤、増粘剤などが添加されて実用に供される。
【0025】
本発明のAA化PVAの具体的な用途としては次のようなものが挙げれる。
(1)成形物関係
繊維、フィルム、シート、パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース用、水溶性繊維
(2)被覆剤関係
繊維製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止剤、導電剤、暫定皮膜、紙用クリアーコート、紙用カラーコート、感熱記録紙、離型紙用アンダーコート、内添サイズ剤
(3)疎水性樹脂用ブレンド剤関係
疎水性樹脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊維、フィルムその他成形物用添加剤
(4)懸濁分散安定剤関係
塗料、墨汁、水性カラー、接着剤等の顔料分散剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤
(5)増粘剤関係
各種エマルジョンの増粘剤
(6)凝集剤関係
水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パルプ、スラリーの濾水性
(7)土壌改良剤関係
(8)感光剤、感電子関係
(9)その他イオン交換樹脂、イオン交換樹脂、イオン交換膜関係、キレー ト交換樹脂
【0026】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて更に詳しく説明する。尚例中にことわりのない限り、「部」とあるのは、「重量部」、「%」とあるのは、「重量%」を示す。
【0027】
実施例1
平均粒子径150μmで粒子径75〜500μmの粒子が全体粒子の95%を占めるPVA粒子(ケン化度99.4%、重合度1200)をニーダーに100部仕込み、これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン25部と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に30分間反応させた。反応終了後の反応分散液にメタノール100部を添加し、30分撹拌した後、メタノール400部で洗浄し、70℃で、6時間乾燥し、平均のAA化度が6.0モル%のAA化PVAを得た。500μmの標準金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が4.5モル%(平均のAA化度の0.75倍)であった。又45μmの標準金網で45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が7.5モル%(平均のAA化度の1.25倍)であった。AA化PVA中の粒子径500μm未満の粒子は88重量%、粒子径45μm以上の粒子は85重量%であった。
【0028】
次に得られたAA化PVA32gと水768gを1lのセパラブルフラスコに入れて撹拌しながら、20分間で90℃に昇温し、その後45分撹拌した後、15分間で25℃まで冷却し以下の要領で溶解性(溶液の状態、未溶解分、濾液の様子、未溶解分の付着)を調べた。
【0029】
▲1▼冷却液の様子
○・・・溶液の濁りなし
△・・・溶液がやや白濁
×・・・粗粒部が不溶又はままこ生成
【0030】
▲2▼未溶解分
上記の冷却液を100メッシュの標準金網で濾過し、金網上の不溶物の105℃の乾燥機で恒量になるまで乾燥し、乾燥重量を求め、仕込みのAA化PVAに対する重量%を求めた。
【0031】
▲3▼濾液の様子
金網で濾過した濾液の様子を目視で以下の様に評価した。
○・・・濾液の濁りなし
△・・・濾液がやや白濁
×・・・濾液が白濁
【0032】
▲4▼未溶解物の付着
フラスコ壁面の未溶解物の付着程度を以下の様に評価した。
○・・・付着物なし
×・・・付着物が若干あり
これらの結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
平均粒子径150μmで粒子径45μm未満の微粉を粒子径350メッシュの標準金網で取り除いたPVA粒子(ケン化度98モル%、重合度1700)を還流冷却器を具備した反応缶に100部、酢酸100部を仕込み、これにテトラブチルチタネート0.025部を添加し回転数20rpmで撹拌しながら、8時間にわたって120℃で反応した。反応終了後40℃に冷却しメタノール375部を仕込み、1時間撹拌後、濾過し、10mmHgの減圧下、60℃で4時間乾燥し、平均のAA化度が5.2モル%のAA化PVAを得た。500μmの標準金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が4.8モル%(平均のAA化度の0.92倍)であった。又45μmの標準金網で粒子径45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が6.2モル%(平均のAA化度の1.19倍)であった。AA化PVA中の粒子径500μm未満の粒子が85重量%、粒子径45μm以上の粒子が92重量%であった。得られたAA化PVAについて実施例1と同様に評価を行った。
【0034】
比較例1
実施例1において、AA化反応時の酢酸を20部に変更する以外は実施例1と同様の操作で製造し、平均のAA化度が5.9モル%のAA化PVAを得た。500μmの標準金網で500μm以上の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が2.6モル%(平均のAA化度の0.44倍)であった。又45μmの標準金網で粒子径45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が10.0モル%(平均のAA化度の1.69倍)であった。AA化PVA中の粒子径500μm未満の粒子が85重量%、粒子径45μm以上の粒子が82.0重量%であった。得られたAA化PVAについて実施例1と同様に評価を行った。
【0035】
比較例2
実施例2において粒子径45μm未満の粒子が10重量%になるように45μmの粒子を添加したPVA粒子を用いた以外は実施例2と同様の操作で製造し、平均のAA化度が5.3モル%のAA化PVAを得た。粒子径500μmの標準金網で500μm以上の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が4.5モル%(平均のAA化度の0.85倍)であった。又45μmの標準金網で粒子径45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が11.7モル%(平均のAA化度の2.21倍)であった。AA化PVA中粒子径500μm未満の粒子が89重量%、粒子径45μm以上の粒子が82重量%であった。得られたAA化PVAについては実施例1と同様に評価を行った。
【0036】
比較例3
平均粒子径200μmで粒子径100〜500μmの粒子が全体粒子の90%を占めるPVA粒子(ケン化度95.0%、重合度1500)をニーダーに100部仕込み、これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで撹拌しながら、75℃に昇温後、ジケテン25部と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に30分間反応させた。反応終了後の反応分散液にメタノール100部を添加し、30分撹拌した後、メタノール400部で洗浄し、70℃で、6時間乾燥し、平均のAA化度が5.5モル%のAA化PVAを得た。500μmの標準金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が6.9モル%(平均のAA化度の1.25倍)であった。又45μmの標準金網で45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が5.2モル%(平均のAA化度の0.95倍)であった。AA化PVA中の粒子径500μm未満の粒子は88重量%、粒子径45μm以上の粒子は85重量%であった。得られたAA化PVAについては実施例1と同様に評価を行った。
【0037】
比較例4
平均粒子径150μmで粒子径45〜500μmの粒子が全体粒子の80%を占めるPVA粒子(ケン化度99.0%、重合度2000)をニーダーに100部仕込み、これに酢酸100部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで撹拌しながら、50℃に昇温後、ジケテン25部と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に2時間反応させた。反応終了後の反応分散液にメタノール100部を添加し、30分撹拌した後、メタノール400部で洗浄し、70℃で、6時間乾燥し、平均のAA化度が6.1モル%のAA化PVAを得た。500μmの標準金網で粒子径500μm以上の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が7.0モル%(平均のAA化度の1.15倍)であった。又45μmの標準金網で45μm未満の粒子を分別し、AA化度を測定したところ、AA化度が4.6モル%(平均のAA化度の0.75倍)であった。AA化PVA中の粒子径500μm未満の粒子は88重量%、粒子径45μm以上の粒子は85重量%であった。得られたAA化PVAについては実施例1と同様に評価を行った。
【0038】
比較例5
実施例1において得られたAA化PVAを500μmの標準金網で500μm未満の粒子を一部除去し、粒子径500μm未満の粒子が77重量%になるようにした。
粒子径500μm以上のAA化度は4.5モル%(平均のAA化度の0.75倍)であった。又粒子径45μm未満の粒子のAA化度は7.0モル%(平均のAA化度の1.16倍)であった。AA化PVA中粒子径500μm未満の粒子が70重量%、粒子径45μm以上の粒子が95重量%であった。得られたAA化PVAについては実施例1と同様に評価を行った
【0039】
比較例6
実施例1において得られたAA化PVAを45μmの標準金網で45μm以下の粒子を一部除去し、粒子径45μm以上の粒子が60重量%になるようにした。
粒子径500μm以上のAA化度は5.0モル%(平均のAA化度の0.83倍)であった。又粒子径45μm未満の粒子のAA化度は7.5モル%(平均のAA化度の1.25倍)であった。AA化PVA中粒子径500μm未満の粒子が88重量%、粒子径45μm以上の粒子が60重量%であった。得られたAA化PVAについては実施例1と同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明のAA化PVAは、特定の粒度分布及びAA化度を有するため、溶解速度が優れ作業性が向上する。
Claims (3)
- アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂中の
(1)粒子径500μm以上の粒子のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステル化度の0.5〜1.2倍であって、尚且つ粒子径500μm未満の粒子を80重量%以上含有し、尚且つ
(2)粒子径45μm未満の粒子のアセト酢酸エステル化度が該樹脂全体の平均のアセト酢酸エステル化度の0.8〜1.8倍であって、尚且つ粒子径45μm以上の粒子を80重量%以上含有することを特徴とするアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂。 - 残存酢酸ビニル成分のケン化度が80〜99.9モル%であることを特徴とする請求項1記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂。
- 重合度が200〜3000であることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂。
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