JPH07188347A - ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の加工剤 - Google Patents

ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造法及びそのポリマーよりなる紙の加工剤

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JPH07188347A
JPH07188347A JP35397493A JP35397493A JPH07188347A JP H07188347 A JPH07188347 A JP H07188347A JP 35397493 A JP35397493 A JP 35397493A JP 35397493 A JP35397493 A JP 35397493A JP H07188347 A JPH07188347 A JP H07188347A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】水溶液の安定性に優れ、該ポリマーの水性溶液
を紙用サイジング用途に供した場合、空気、油或いは有
機溶剤の透過性や吸収に関するバリヤー性能及び印刷適
性が格段に向上した新規な変性ポリビニルアルコール系
ポリマーを提供する。 【構成】下記の式で示される分岐アルキルアクリルアミ
ドを0.1〜20モル%、エチレン性不飽和カルボン酸
もしくはその塩の少なくとも1種を0.1〜20モル%
を共重合成分として含有する。 (但し、R1は水素又はメチル基、R2〜R4は、アルキ
ル基又はアリル基、R5は水素又はアルキル基又はアリ
ル基をそれぞれ示し、R2〜R5の炭素数の合計が4以上
である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の構造単位を有す
る分岐アルキルアクリルアミドとカルボキシル基を導入
した新規ポリビニルアルコール系ポリマー、その製造
法、及び該ポリビニルアルコール系ポリマーよりなる紙
の加工剤、特に表面サイズ剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリビニルアルコール系ポリマ
ー(以下PVAと略す)は、その製膜特性(造膜性、耐
油性、強度等)、水溶性等を利用して乳化剤、懸濁剤、
界面活性剤、繊維加工剤、各種バインダー、紙用サイジ
ング剤、接着剤等として広く使用されている。
【0003】そして、各種用途に応じて、PVAの変性
が試みられている。即ち、PVAの主鎖に各種の単量体
を共重合させることにより変性を行うことが試みられて
おり、例えばエチレン性不飽和カルボン酸単位、長鎖脂
肪酸ビニルエステル単位、N−スルホアルキルアミド単
位、N−アルキルアクリルアミド単位等の変性基を導入
した数多くの変性PVAが上市されている。そして、そ
の用途としては上記の如く乳化剤、懸濁剤、界面活性
剤、繊維加工剤、各種バインダー、紙用サイジング剤、
接着剤等が挙げられるが、近時の技術革新に於いては、
より特徴ある製品が要求されており、変性PVAの製造
時のケン化反応時に於ける変性基の安定性(脱離しない
こと)や各種溶液として実用に供した時の放置安定性が
重要な問題となったりしている。
【0004】特にPVA水溶液をそのまま処理剤として
用いる紙用サイジング剤用途においては、その影響が顕
著でありPVA樹脂そのものの特性に左右されると言っ
ても過言ではない。このような背景において、PVAを
共重合変性して紙用コーティング剤として用いることが
多く提案されている。
【0005】かかる方法として、特開昭49−8781
1号公報には、紙用コーティング剤用途において、紙層
内部へのPVAを含む紙用コーティング液の紙表面への
歩留りを改善し、紙の表面強度の改善を目的として分子
内に0.1〜15モル%のラクトン環を含有する変性P
VAが開示されている。
【0006】又、空気、油或いは有機溶剤の透過性や吸
収に関するバリヤー性能を紙に付与することを目的とし
て、特開昭56−20698号公報には0.1〜15モ
ル%のエチレン性不飽和カルボン酸を含有する変性PV
Aが開示されており、特開昭63−270704号公報
には、高重合度スルホン酸基を含有する変性PVAが開
示されている。更に、上記と同目的で特開昭56−58
098号公報には、炭素数が6以上の脂肪酸ビニルエス
テル、炭素数が6以上のアルキルビニルエーテル、炭素
数が6以上のα−オレフィンより選ばれる単量体及びエ
チレン性不飽和カルボン酸又はその低級アルキルエステ
ル又は酸無水物を含有する変性PVAが開示されおり特
開昭62−119202号公報に於いても、ジアルキル
カルビトールやトリアルキルカルビトールからなるエチ
レン性不飽和ジカルボン酸モノエステル単位及び酢酸ビ
ニル単位を任意単位として含む変性PVAが開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
PVAの水溶液の安定性においては、まだまだ改善の余
地があり、特に特開昭56−58098号公報及び特開
昭62−119202号公報開示技術の変性PVAでは
上記ポリマ−を各種溶液とし長期放置した場合増粘、ゲ
ル化、層分離等が起こったり該PVAの製造時には変性
しようとする官能基が脱離し、カルボキシル基又はラク
トンになりやすく、変性の目的が充分果たせないという
問題があり、PVAの製造面及び用途面で一層の改善が
望まれているのである。
【0008】更に紙用サイジング剤としての特性を見た
場合においても特開昭49−87811号公報の開示技
術では、紙コーティング液を塗被した紙の表面強度の改
善効果は認められるものの、空気、油或いは有機溶剤の
透過性や吸収に関するバリヤー性能を紙に付与すること
は考慮されてなく不十分である。又、特開昭56−20
698号公報、特開昭63−270704号公報、特開
昭56−58098号公報及び特開昭62−11920
2号公報の開示技術では、油或いは有機溶剤の吸収や透
過性に関するバリヤー性能が考慮されおり透気度、吸油
度、印刷適正の改善が図られているもののまだまだ満足
の出来るものではなく、より一層の改善が求められてい
るのが現状である。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる欠点を解決すべく
鋭意検討した結果、本発明者らは、変性成分として下記
の化1で示される分岐アルキルアクリルアミド(A)を
0.1〜20モル%、エチレン性不飽和カルボン酸もし
くはその塩の少なくとも1種(B)を0.1〜20モル
%共重合体成分とする新規なPVAはケン化反応時に変
性基の離脱がなく目的とする変性PVAが容易に製造出
来る上、水溶液とした時の保存安定性に優れ、特に該ポ
リマーを紙用サイジング剤用途に供した場合、塗工加工
紙のバリヤー性能及び印刷適性が顕著に優れていること
を見いだし本発明に至った。
【化1】 (但し、R1は水素又はメチル基、R2〜R4は、アルキ
ル基又はアリル基 R5 は水素又はアルキル基又はアリル基をそれぞれ示
し、R2〜R5の炭素数の合計が4以上である。)
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
変性PVA(以下、単に変性PVAと称することがあ
る)は、上記の如く(A)〜(B)単位を必須成分とし
ており、(A)単位は上記化1で示される如き3級炭素
原子を有する分岐アルキルアクリルアミド成分でR1
5 の上記官能基を有するものでR2 〜R5 の官能基の
炭素数が、4未満ではケン化時の変成基の安定性、水溶
液の保存安定性が悪く、又塗工紙のバリヤー性能、印刷
適性の点で不適当であり、該炭素数は好ましくは4〜1
6である。該(A)単位を含有する共重合可能な単量体
としては、N−tert−オクチルアクリルアミド、N
−1,1−ジメチルブチルアクリルアミド、N−1,
1,2−トリメチルプロピルアクリルアミド、N−1−
メチル−1−エチルプロピルアクリルアミド、N−1,
1−ジメチルペンチルアクリルアミド、N−1,1,2
−トリメチルブチルアクリルアミド、N−1,1,3−
トリメチルブチルアクリルアミド、N−1,1,2,2
−テトラメチルプロピルアクリルアミド、N−1,2−
ジメチル−1−エチルプロピルアクリルアミド、N−
1,1−ジエチルプロピルアクリルアミド、N−1,
1,2−トリメチルペンチルアクリルアミド、N−1,
1,3−トリメチルペンチルアクリルアミド、N−1,
1,4−トリメチルペンチルアクリルアミド、N−1,
2−ジメチル−1−エチルブチルアクリルアミド、N−
1,3−ジメチル−1−エチルブチルアクリルアミド、
N−1,1,2,3−テトラメチルブチルアクリルアミ
ド、N−1,2,2−トリメチル−1−エチルブチルア
クリルアミド、N−1,1,3−トリメチルヘキシルア
クリルアミド、N−1,1,4−トリメチルヘキシルア
クリルアミド、N−1,1,3,3−テトラメチルペン
チルアクリルアミド、N−1−メチル−1−フェニルエ
チルアクリルアミド、N−1−メチル−1−イソプロピ
ルペンチルアクリルアミド、N−1,5ジメチル−1−
エチルヘキシルアクリルアミド、N−1,1−ジメチル
−2−フェニルエチルアクリルアミド、N−1,1−ジ
メチル−3−フェニルプロピルアクリルアミド、N−
1,1−ジフェニルエチルアクリルアミド、N−ter
t−アミルアクルアミド、N−1−メチル−1−エチル
イソブチルアクリルアミド、N−2,2−ジメチル−
1,1−ジエチルプロピルアクリルアミド、N−1−メ
チル,1−エチルブチルアクリルアミド、N−1,1ジ
メチルヘキシルアクルアミド、N−1,1−ジメチルデ
シルアクリルアミド、N,N−メチル−tert−ブチ
ルアクリルアミド、N,N−イソプロピル−tertブ
チルアクリルアミド。
【0011】N−tert−オクチルメタアクリルアミ
ド、N−1,1−ジメチルブチルメタアクリルアミド、
N−1,1,2−トリメチルプロピルメタアクリルアミ
ド、N−1−メチル−1−エチルプロピルメタアクリル
アミド、N−1,1−ジメチルペンチルメタアクリルア
ミド、N−1,1,2−トリメチルブチルメタアクリル
アミド、N−1,1,3−トリメチルブチルメタアクリ
ルアミド、N−1,1,2,2−テトラメチルプロピル
メタアクリルアミド、N−1,2−ジメチル−1−エチ
ルプロピルメタアクリルアミド、N−1,1−ジエチル
プロピルメタアクリルアミド、N−1,1,2−トリメ
チルペンチルメタアクリルアミド、N−1,1,3−ト
リメチルペンチルメタアクリルアミド、N−1,1,4
−トリメチルペンチルメタアクリルアミド、N−1,2
−ジメチル−1−エチルブチルメタアクリルアミド、N
−1,3−ジメチル−1−エチルブチルメタアクリルア
ミド、N−1,1,2,3−テトラメチルブチルメタア
クリルアミド、N−1,2,2−トリメチル−1−エチ
ルブチルメタアクリルアミド、N−1,1,3−トリメ
チルヘキシルメタアクリルアミド、N−1,1,4−ト
リメチルヘキシルメタアクリルアミド、N−1,1,
3,3−テトラメチルペンチルメタアクリルアミド、N
−1−メチル−1−フェニルエチルメタアクリルアミ
ド、N−1−メチル−1−イソプロピルペンチルメタア
クリルアミド、N−1,5ジメチル−1−エチルヘキシ
ルメタアクリルアミド、N−1,1−ジメチル−2−フ
ェニルエチルメタアクリルアミド、N−1,1−ジメチ
ル−3−フェニルプロピルメタアクリルアミド、N−
1,1−ジフェニルエチルメタアクリルアミド、N−t
ert−アミルメタアクルアミド、N−1−メチル−1
−エチルイソブチルメタアクリルアミド、N−2,2−
ジメチル−1,1−ジエチルプロピルメタアクリルアミ
ド、N−1−メチル,1−エチルブチルメタアクリルア
ミド、N−1,1ジメチルヘキシルメタアクルアミド、
N−1,1−ジメチルデシルメタアクリルアミド、N,
N−メチル−tert−ブチルメタアクリルアミド、
N,N−イソプロピル−tertブチルメタアクリルア
ミドなどが挙げられ、好ましくはN−tert−オクチ
ルアクリルアミドが好適に使用される。
【0012】又(B)単位を含有する共重合可能な単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット
酸、フマル酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸モ
ノエステル、シトラコン酸モノエステル、フマル酸モノ
エステル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シト
ラコン酸等が挙げられる。
【0013】通常本発明のPVAを製造するには
(A)、(B)とビニルエステル(C)を共重合して得
られるビニルエステル共重合体をケン化する。(C)と
してはギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
酪酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて酢酸ビニル
が好ましい。
【0014】上記変性PVAの各単位の割合は、水溶
性、造膜性という点から上記化1で示されるN−分岐ア
ルキルアクリルアミド単位(A)を0.1〜20モル
%、経済性という面より好ましくは0.1〜10モル
%、エチレン性不飽和カルボン酸もしくはその塩の少な
くとも1種(B)を0.1〜20モル%、好ましくは
0.1〜10モル%、ビニルエステル単位(C)及びビ
ニルアルコール単位(D)が、合計で60〜99.8モ
ル%の範囲が適当である。又、ケン化度(ビニルエステ
ル単位(C)とビニルアルコール単位(D)との合計量
に対するビニルアルコール単位(D)の割合)は、水溶
性を保持するという点より50モル%以上であることが
好ましく、特に好ましい範囲は耐水性、強度という点か
ら75モル%以上である。
【0015】本発明に用いられる変性PVAの重合度は
その使用目的により適宜選択すべきであるが、300未
満であると塗膜用途等に用いた場合該塗膜強度の低下等
の点で好ましくなく、又4000以上であると水溶液粘
度の上昇、塗工性の低下という点で問題があり、通常5
00〜3000の範囲が適当である。
【0016】次に本発明の変性PVAの製造方法につい
て説明する。本発明の変性PVAは、分岐アルキルアク
リルアミド単量体とエチレン性不飽和カルボン酸もしく
はその塩の少なくとも1種及びビニルエステルの共重合
体をケン化することによって得られる。該共重合反応
は、溶媒不存在下に行うことも出来るが、通常は適当な
溶媒、特にメタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノールなどの低級アルコールが用いられる。重合時の
単量体の仕込み方法としては特に制限はなく、一括仕込
み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用される
が、分岐アルキルアクリルアミド及びエチレン性不飽和
カルボン酸若しくはその塩をPVA分子中に均一に導入
出来る点で分割仕込み、或いは連続仕込み方法が有利で
ある。
【0017】共重合に当たって触媒としてはアゾイソブ
チルニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒及びアゾビス
ジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバ
レロニトリル等の低温活性ラジカル触媒等が用いられ
る。又、反応温度は40〜65℃程度とすることが多
い。
【0018】かかる重合に当たっては、本発明の趣旨を
損なわない限り上記3成分以外にかかる単量体と共重合
可能な他の不飽和単量体、例えばアルキルビニルエーテ
ル、メタアクリルアミド、エチレン、プロピレン、α−
ヘキセン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタド
デセン等のオレフィン、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等のニトリル類、アクリル酸アルキルエステ
ル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキ
ルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、イタコン
酸ジアルキルエステル、シトラコン酸ジアルキルエステ
ル、フマル酸ジアルキルエステル等を少量共重合させて
もよい。
【0019】かかる方法により得られた共重合体は、次
にケン化される。該ケン化工程においては、必要に応じ
て残存モノマーを追い出してから、常法に従ってケン化
される。即ち、ケン化に当たっては該共重合体をアルコ
ール又は含水アルコールに溶解し、必要に応じてポリマ
ー中の酸成分を中和後、或いは中和と同時に酸触媒又は
アルカリ触媒でケン化が行われる。アルコールとして
は、メタノール、エタノール、プロパノール、tert
−ブタノール等が挙げられるがメタノールが特に好適に
使用される。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度
により適宜選択されるが通常は10〜60重量%の範囲
から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のア
ルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触
媒、或いは硫酸、塩酸等の酸触媒が用いられる。
【0020】かかる触媒の使用量は、ケン化方法、目標
とするケン化度等により適宜選択されるが、通常ビニル
エステルに対して0.1〜10モル%が適当である。
又、ケン化反応温度は特に制限はなく、通常10〜60
℃好ましくは20〜50℃のの範囲から選ばれ、ケン化
反応は5〜240分にわたって行われる。ケン化反応終
了後、必要に応じて中和し、アルコール等で洗浄し乾燥
することにより目的とする変性PVAが得られる。
【0021】次に本発明の変性PVAを用いた紙の表面
サイズ剤について説明する。上記方法により得られた変
性PVAを紙の表面サイズ剤用途に用いる際には、一般
に水に溶解して用いられるが、溶剤系でも使用可能であ
る。又、サイズ剤中のポリマー濃度は目的に応じて適宜
調製すればよいが、通常0.5〜20重量%程度の範囲
から選択することが出来る。
【0022】本発明の変性PVAを紙用サイジング剤と
して使用する場合には、本発明に支障のない範囲で、所
望に応じて他の添加剤を含有させ或いは併用することが
できる。他の添加剤としては、例えば通常のPVA、コ
ーンスターチ、酸化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキル
セルロースなどのセルロース化合物、スチレン−ブタジ
エン共重合体ラテックス、スチレン−ブタジエン−メタ
クリル酸エステル共重合体ラテックスなどの合成ゴム系
ラテックス、グリオキザール、尿素樹脂、エポキシ樹
脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂等の耐水化剤、硼
砂、硼酸、硫酸アルミニュウム、酢酸マグネシウム等の
架橋剤、及び消泡剤、離型剤、防腐剤、防虫剤、防錆
剤、増粘剤、グリセリン、ジエチレングリコール、エチ
レングリコール等の可塑剤などが挙げられる。又、該サ
イジング剤は上記以外の公知の添加剤を加えてもよい。
【0023】本発明の紙加工剤は、紙のクリアコーティ
ングに好適に用いられるが、酸化チタン、クレー、炭酸
カルシウム、サチンホワイトなどの無機系顔料、微粉末
状熱可塑性樹脂(塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体系樹脂など)の合
成樹脂系顔料などの顔料を含む顔料コーティングにも好
適に用いることが出来る。
【0024】サイズ剤を塗被する紙としては、例えばマ
ニラボール、白ボール、ライナー等の板紙、一般上質
紙、中質紙、コート紙、軽量コート紙、包装用紙、グラ
ビア用紙などの印刷用紙などが好適に用いられるが、特
にバリヤー性能を必要とする剥離紙、感圧記録紙、感熱
記録紙等の加工用原紙、耐油紙、撥水紙の如き特殊紙に
適用して顕著な効果を発揮しうるが、これらに限定され
るものではない。
【0025】紙に塗被するに当たっては、サイズプレス
コート、ロールコーター法、エヤードクター法、ブレー
ドコート法等従来公知の任意の方法が採用できる。塗布
量は、所望する紙の性状に応じて任意に選ぶことが出来
るが、通常0.1〜5g/m2 程度(本発明の変性PV
Aの固形分換算)が適当である。又、塗布後の乾燥条件
は、紙の性状に応じて任意に選ぶことが出来るが、通常
80〜250℃で3〜60秒程度の条件で行われる。
【0026】本発明の変性PVAは上述した紙用サイジ
ング剤としての用途の他、乳化剤、懸濁剤、高分子界面
活性剤、繊維加工剤、フィルム、シート、顔料バインダ
ー、不織布バインダー、石膏ボードや繊維板等の各建材
用バインダー、各種粉体造粒用バインダー、木材、紙、
アルミ泊などの接着剤、ホットメルト型接着剤、感圧接
着剤、感熱オーバーコート剤、紙力増強剤、さらには繊
維用糊料などの分野にその有用性が期待されるものであ
る。
【0027】
【作用】本発明の変性PVAは、3級炭素原子を有する
分岐アルキルアクリルアミド及びエチレン性不飽和カル
ボン酸若しくはその塩の少なくとも1種を導入すること
により製造時の安定性に優れ、該ポリマーの水性溶液を
紙サイジング用途に供した場合、空気、油或いは有機溶
剤の透過性や吸収に関するバリヤー性能及び印刷適性が
格段に向上し大変有用である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例によって具体
的に説明する。なお,実施例中「%」とあるのは、断り
のない限り重量基準を意味する。 実施例1 還流冷却器、滴下漏斗、攪拌機を備えた重合缶に酢酸ビ
ニル1000部、メタノール250部を仕込み攪拌しな
がら窒素気流下で温度を上昇させ62℃においてアゾビ
スイソブチロニトリル0.4部をメタノール19.6部
に溶解した溶液を投入し重合を開始した。重合開始点よ
りマレイン酸モノメチル8.0部とN−tert−オク
チルアクリルアミド22.6部を溶解したメタノール溶
液61.2部を5時間にわたって連続的に滴下しながら
重合を行い、酢酸ビニルエステルの重合率が50%にな
った時点で重合を終了した。続いてメタノール蒸気を吹
き込む方法により未反応の酢酸ビニルモノマーを系外に
除去し共重合体のメタノール溶液を得た。次いで、該溶
液をメタノールで希釈して濃度を30%に調製してニー
ダーに仕込み、溶液温度を35℃に保ちながら水酸化ナ
トリウムを加えて中和した。これに更に水酸化ナトリウ
ムをポリマー中の酢酸ビニル単位に対して30ミリモル
加えて混練りした。ケン化反応進行と共にケン化物が析
出し、遂には粒子状となった。生成した変性PVAを濾
過し、メタノールでよく洗浄して熱風乾燥器中で乾燥
し、目的物を得た。得られた変成PVAをソックスレー
抽出器を用いてメタノールで抽出洗浄しN−tert−
オクチルアクリルアミドによる変成度を1H−NMRで
分析した結果、変性度は2.0モル%であった。又、マ
レイン酸モノメチルの変性度はケン化前の共重合体の滴
定による酸分の定量で分析を行ったところ、変性度は
1.0モル%であり、変性PVAのケン化度は、残存酢
酸ビニル単位の加水分解に要するアルカリ消費量で分析
を行ったところ98モル%であった。尚、この変成PV
AのB型粘度計による4%水溶液の粘度は、30cps
/20℃であった。
【0029】更に、得られた変性PVAのIRスペクト
ル及び1H−NMR(D2O)スペクトルの帰属を以下に
示す。図1はIRチャート、図2はNMRチャートを示
す。 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:1.0ppm − C(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CHのメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0030】実施例1で得られた変性PVAのケン化前
後の(A)単量体の含有量の評価、変性PVA水溶液の
放置安定性の評価及びサイズ剤としての適性評価を以下
の如く行った。評価結果は表3〜4に示す。
【0031】ケン化前後の(A)単量体の含有量の評
価:1H−NMRにより分析を行い、(A)単量体の変
性度の評価を行った。
【0032】水溶液の放置安定性評価:実施例1で得ら
れた変性PVAの4%水溶液を80℃で2時間にわたっ
て溶解を行うことにより調製し、40℃で1週間放置後
のN−tert−オクチルアクリルアミド変性度を1
−NMRにより分析を行い、放置テスト後の変性度の評
価を行った。
【0033】サイズ剤としての適正評価:実施例1で得
られた変性PVAの4%水溶液を調製し、秤量60g/
2 上質紙に試験用サイズプレス装置(熊谷理機(株)
製)を用いて着量1.0g/m2 になるよう塗布し、乾
燥温度110℃、乾燥時間1分の条件で乾燥後、スーパ
ーカレンダー(80℃、40Kg/cm )で2回処理
し、20℃、65%RHで24時間以上調湿した後、以
下の種々の物性測定に供した。
【0034】(物性測定項目) ステキヒトサイズ度:JIS P−8122により測定
を行った。 透気度 :JIS P−8117により測定
を行った。 吸油度 :JIS P−8130により測定
を行った。 IGTピック :IGT印刷試験機(熊谷理機
(株)製)によりインキにFINE INK TV−2
0(大日本インキ製)を用いて測定を行った。
【0035】実施例1で得られた変性PVAの4%水溶
液の40℃で1週間放置後においても上記と同様にサイ
ズ剤としての適性評価を行った。
【0036】実施例2〜8、比較例1〜6 表1に示した成分及び仕込み量で実施例1と同様の手順
により酢酸ビニルとの共重合及びケン化を行い種々の変
性PVAを調製し、実施例1と同様の評価を行った。
尚、変性PVAの4%水溶液を40℃で1週間放置後の
サイズ剤としての適性評価は比較例2〜4について行っ
た。得られた種々の変性PVAを表2に示し、評価結果
は表3〜4に示す。実施例1の場合についても再度表1
〜4に示す。
【0037】又、上記実施例2〜8で得られた変性PV
AのIRスペクトル及び1H−NMR(D2O)スペクト
ルの帰属を以下に示す。 実施例2 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:0.9ppm −CH2−CH3のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0038】実施例3 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:1.0ppm −C(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0039】実施例4 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:1.0ppm −C(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0040】実施例5 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:1.0ppm −C(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0041】実施例6 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:1.0ppm −C(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0042】実施例7 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:0.9ppm −CH(CH32のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【0043】実施例8 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │ 7.2ppm C65のプロトン
【0044】
【表1】 酢酸ビニルとの重合時の変性種、仕込み量及び重合率 (A)単量体 (B)単量体 重合率 仕込み量 仕込み量 (mol%) (mol%) (%) 実施例1 N-t-OAAm (2.0) 3M (1.0) 50 実施例2 N-t-AAAm (2.2) 3M (1.0) 54 実施例3 N-t-OAAm (0.5) 3M (0.5) 58 実施例4 N-t-OAAm (8.0) 3M (4.0) 45 実施例5 N-t-OAAm (2.0) イタコン酸 (1.0) 48 実施例6 N-t-OAAm (2.0) 3M (1.0) 50 実施例7 N-TMPAAM (2.0) 3M (1.0) 48実施例8 N-DMPWAAm(2.0) 3M (1.0) 46 比較例1 N-t-OAAm (2.0) − 51 比較例2 N-n-OAAn (2.5) 3M (1.0) 47 比較例3 VeoVa-10 (3.0) イタコン酸 (1.0) 50 比較例4 MRM (3.0) − 55 比較例5 AMPS (2.0) − 55比較例6 − 3M (1.0) 60 注) ( )はモノマーの総仕込み量に対する(A)単量
体の仕込みモル分率を表す。略語は以下の通り。 N−t−OAAmは、N−tert−オクチルマレイン
酸モノアミド。N−t−AAmはN−tert−アミル
アクリルアミド。N−TMPAAmは、N−1,1,4
−トリメチルペンチルアクリルアミド。N−DMPEA
Amは、N−1,1−ジメチルフェニルエチルマレイン
酸モノアミド。N−n−OAAmは、N−n−オクチル
マレイン酸モノアミド。3Mは、マレイン酸モノメチ
ル。MRMは、モノ(ジイソプロピルメチル)マレー
ト。VeoVa−10は、下記化2で示される単量体。
【化2】 1,R2,R3は水素又はアルキル基 R1,R2,R3の炭素数の合計は平均で10 AMPSは、N−スルホイソブチレンアクリルアミドナ
トリウム。
【0045】
【表2】 変性PVA ケン化度 (A)単量体 (B)単量体 4%粘度 含有量 含有量 (mol%) (mol%) (mol%) (cps) 実施例1 98 2.0 1.0 30 実施例2 98 2.0 1.0 30 実施例3 98 0.5 0.5 30 実施例4 98 7.8 4.0 20 実施例5 98 2.0 1.0 30 実施例6 80 2.0 2.0 25 実施例7 98 2.0 1.0 30実施例8 98 2.0 1.0 35 比較例1 98 2.0 − 30 比較例2 98 2.0 1.0 40 比較例3 98 2.0 1.0 30 比較例4 98 2.0 − 30 比較例5 98 2.0 − 30比較例6 98 − 1.0 30
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】 ステキヒト 透気度 吸油度 IGTピック サイズ度 強度 (秒) (秒) (秒) (cm/秒) 実施例1 31 1100 850 190 (30) (1100) (830) (190) 実施例2 28 800 450 165 実施例3 23 500 280 155 実施例4 25 800 400 160 実施例5 30 1000 750 180 実施例6 27 850 500 165 実施例7 30 850 550 170実施例8 28 750 400 165 比較例1 15 400 230 140 比較例2 18 300 150 130 (19) (250) (110) (130) 比較例3 20 500 210 145 (20) (350) (170) (140) 比較例4 20 550 250 150 (22) (300) (150) (150) 比較例5 18 300 170 130比較例6 19 40 30 145 注)( )内の数値は、変性PVAの4%水溶液を40
℃で1週間放置した後のサイズ剤としての適性評価結果
を示す。
【0048】
【発明の効果】本発明の変性PVAは、3級炭素原子を
有する分岐アルキルアクリルアミド及びエチレン性不飽
和カルボン酸若しくはその塩の少なくとも1種を導入す
ることにより水溶液の安定性に優れ、該ポリマーの水性
溶液を紙サイジング用途に供した場合、空気、油或いは
有機溶剤の透過性や吸収性に関するバリヤー性能及び印
刷適性が格段に向上し大変有用である。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のIRチャートである。
【図2】実施例1のNMRチャートである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】更に、得られた変性PVAのIRスペクト
ル及び1H−NMR(D2O)スペクトルの帰属を以下に
示す。図1はIRチャート、図2はNMRチャートを示
す。 IR :3350cm-1、1100cm-1 −OH 2950cm-1、1420cm-1 −C−H 1650cm-1 −C=O(アミドI吸収帯) 1585cm-1 −COONa1 H−NMR:1.0ppm − C(CH33のメチルプロトン 1.6ppm −CH2−CH−のメチレンプロトン │ 2.1ppm −O−CO−CH3のメチルプロトン 4.0ppm −CH2−CH−のメチンプロトン │
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【表1】 酢酸ビニルとの重合時の変性種、仕込み量及び重合率 (A)単量体 (B)単量体 重合率 仕込み量 仕込み量 (mol%) (mol%) (%) 実施例1 N-t-OAAm (2.0) 3M (1.0) 50 実施例2 N-t-AAAm (2.2) 3M (1.0) 54 実施例3 N-t-OAAm (0.5) 3M (0.5) 58 実施例4 N-t-OAAm (8.0) 3M (4.0) 45 実施例5 N-t-OAAm (2.0) イタコン酸 (1.0) 48 実施例6 N-t-OAAm (2.0) 3M (1.0) 50 実施例7 N-TMPAAM (2.0) 3M (1.0) 48 実施例8 N-DMPEAAm(2.0) 3M (1.0) 46 比較例1 N-t-OAAm (2.0) − 51 比較例2 N-n-OAAn (2.5) 3M (1.0) 47 比較例3 VeoVa-10 (3.0) イタコン酸 (1.0) 50 比較例4 MRM (3.0) − 55 比較例5 AMPS (2.0) − 55比較例6 − 3M (1.0) 60 注) ( )はモノマーの総仕込み量に対する(A)単
量体の仕込みモル分率を表す。略語は以下の通り。 N−t−OAAmは、N−tert−オクチルアクリル
モノアミド。N−t−AAAmはN−tert−アミ
ルアクリルアミド。N−TMPAAmは、N−1,1,
4−トリメチルペンチルアクリル酸アミド。N−DMP
EAAmは、N−1,1−ジメチルフェニルエチルアク
リル酸モノアミド。N−n−OAAmは、N−n−オク
チルアクリル酸モノアミド。3Mは、マレイン酸モノメ
チル。MRMは、モノ(ジイソプロピルメチル)マレー
ト。VeoVa−10は、下記化2で示される単量体。
【化2】 ,R,Rは水素又はアルキル基 R,R,Rの炭素数の合計は平均で10 AMPSは、N−スルホイソブチレンアクリルアミドナ
トリウム。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明の変性PVAは、上述した紙用サイ
ジング剤としての用途の他、乳化剤、懸濁剤、高分子界
面活性剤、繊維加工剤、フィルム、シート、顔料バイン
ダー、徐放性薬剤(殺虫剤、農薬、肥料、湿布薬、飲み
薬、芳香剤)用バインダー、不織布バインダー、石膏ボ
ードや繊維板等の各建材用バインダー、各種粉体造粒用
バインダー、木材、紙、アルミ泊などの接着剤、ホット
メルト型接着剤、感圧接着剤、感熱オーバーコート剤、
紙力増強剤、さらには繊維用糊剤、土壌や化粧品用の保
水(安定)剤、化粧品用クリーム,練り歯磨き,各種水
溶液等の粘度調整剤、シャンプー,石鹸,洗剤等の添加
剤、曇り・結露防止用暫定皮膜や(マイクロ)カプセル
皮膜、プラスチックス用可塑剤、剥離・雛型紙用塗布
剤、船底防汚塗料、感光性樹脂、酸素固定用ゲル、セメ
ント混和剤、水処理用凝集剤、インクジェットプリンタ
ー用シートの表面処理剤、衣服等の静電気防止剤、洗濯
糊、魚釣用疑似餌、変性ビニロンや変性ブチラール樹脂
の原料などの分野にその有用性が期待されるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08F 216/06 220:56)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1で示される分岐アルキルアク
    リルアミド(A)を0.1〜20モル%、エチレン性不
    飽和カルボン酸もしくはその塩の少なくとも1種(B)
    を0.1〜20モル%共重合成分として含有する共重合
    体よりなるポリビニルアルコール系ポリマー。 【化1】 (但し、R1は水素又はメチル基、R2〜R4は、アルキ
    ル基又はアリル基、R5は水素又はアルキル基又はアリ
    ル基をそれぞれ示し、R2〜R5の炭素数の合計が4以上
    である。)
  2. 【請求項2】 (A)単量体と(B)のエチレン性不飽
    和カルボン酸もしくはその塩の少なくとも1種及びビニ
    ルエステルを共重合した後、得られるビニルエステル共
    重合体をケン化し、請求項1記載のポリビニルアルコー
    ル系ポリマーを得ることを特徴とするポリビニルアルコ
    ール系ポリマーの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリビニルアルコール系
    ポリマーを用いることを特徴とした紙の加工剤。
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